従来、メモリの一例として、ダイオードを含む複数のメモリセルがマトリクス状に配置されたクロスポイント型のマスクROM(以下、ダイオードROMという)が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
図3は、上記特許文献1に開示された従来のクロスポイント型のダイオードROMの構成を示した回路図である。図3を参照して、従来のクロスポイント型のダイオードROMは、アドレス入力回路101と、ロウデコーダ102と、カラムデコーダ103と、センスアンプ104と、出力回路105と、メモリセルアレイ106と、互いに交差するように配置された複数のワード線WLおよび複数のビット線BLとを備えている。
また、各ワード線WLには、所定数の選択トランジスタ107が互いに所定の間隔を隔てて接続されている。この選択トランジスタ107は、共通のソース領域を有する一対のnチャネルトランジスタ107aおよび107bによって構成されているとともに、その一対のnチャネルトランジスタ107aおよび107bの各々のゲート電極が、対応するワード線WLに接続されている。また、選択トランジスタ107(nチャネルトランジスタ107aおよび107b)のソース領域は、ソース線S101を介して接地されている。また、同一のワード線WLに接続された選択トランジスタ107において、互いに隣接する一方の選択トランジスタ107(nチャネルトランジスタ107a)および他方の選択トランジスタ107(nチャネルトランジスタ107b)は、共通のドレイン領域を有する。
また、メモリセルアレイ106は、1つのダイオード108をそれぞれ含む複数のメモリセル109を含んでいる。この複数のメモリセル109は、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLの各々に沿ってマトリクス状に配列されているとともに、各ワード線WLに選択トランジスタ107を介して所定数ずつ接続されている。具体的には、選択トランジスタ107を構成するnチャネルトランジスタ107aおよび107bのドレイン領域に、所定数のダイオード108の各々のカソードが接続されている。また、複数のメモリセル109のうち、所定のメモリセル109のダイオード108のアノードは、対応するビット線BLに接続されている一方、所定のメモリセル109以外のメモリセル109のダイオード108のアノードは、対応するビット線BLに接続されていない。そして、従来のダイオードROMでは、ビット線BLに対するダイオード108のアノードの接続の有無によって、メモリセル109に保持されるデータが「0」または「1」に区別される。
次に、従来のクロスポイント型のダイオードROMのデータの読み出し動作について説明する。なお、以下の読み出し動作の説明では、図3中の破線で囲まれたメモリセル109(以下、選択メモリセル109という)が選択されているとする。また、データを読み出す際には、全てのダイオード108のカソードの電位がHレベルに保持されているとする。
従来のデータの読み出し動作では、まず、ロウデコーダ102により、複数のワード線WLの電位が、アドレス入力回路101から出力されたアドレスデータに基づいて変化される。具体的には、選択メモリセル109に接続されたワード線WL(以下、選択ワード線WLという)の電位および選択ワード線WL以外の非選択のワード線WL(以下、非選択ワード線WLという)の電位が、それぞれ、HレベルおよびLレベルに変化される。このため、選択ワード線WLに接続された選択トランジスタ107がオン状態になるとともに、非選択ワード線WLに接続された選択トランジスタ107がオフ状態になる。これにより、選択ワード線WLに接続されたメモリセル109では、対応する選択トランジスタ107がオン状態であることから、ダイオード108のカソードの電位がソース線S101を介してGNDレベル(Lレベル)に低下する。その一方、非選択ワード線WLに接続された全てのメモリセル109では、対応する選択トランジスタ107がオフ状態であることから、ダイオード108のカソードがフローティング状態になる。
また、カラムデコーダ103では、アドレス入力回路101から出力されたアドレスデータに基づいて、選択メモリセル109に対応するビット線BL(以下、選択ビット線BLという)がセンスアンプ104に電気的に接続される。この際、選択メモリセル109に含まれるダイオード108のアノードが選択ビット線BLに接続されていないので、センスアンプ104にLレベルの電位が伝達されない。この場合には、センスアンプ104内に設けられた負荷回路(図示せず)によって、選択ビット線BLの電位がHレベルに保持される。これにより、センスアンプ104では、選択ビット線BLの電位を判別して増幅した後、選択ビット線BLのHレベルの電位とは逆極性のLレベルの信号を出力する。その結果、出力回路105は、センスアンプ104からLレベルの信号を受けることにより、Lレベルの信号を外部に出力する。
なお、データの読み出し前において、選択ワード線WLと選択ビット線BLとにつながる非選択のメモリセル109に含まれるダイオード108のカソードの電位が低い場合には、その非選択のメモリセル109に含まれるダイオード108のカソードの電位をHレベルにチャージするプリチャージ動作を行う。
上記目的を達成するために、この発明の一の局面によるメモリは、所定数のワード線をそれぞれ含む複数のワード線グループと、ワード線にゲート電極が接続された選択トランジスタと、選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方にカソードが接続されたダイオードを含むメモリセルと、ワード線グループ毎に少なくとも1つずつ配置され、選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方に接続されるとともに、ワード線グループ毎に電位が制御される第1信号が供給される第1信号線とを備え、データの読み出し時に、選択されたワード線を含まないワード線グループに対応する第1信号線には、ダイオードのカソードを第1電位に固定するための第1信号が供給され、データの読み出し時に、選択されたワード線を含むワード線グループに対応する第1信号線には、ダイオードのカソードを第2電位に固定するための第1信号が供給され、選択されたワード線を含まないワード線グループにおいて、データの読み出し時に、非選択のワード線の電位は、選択トランジスタがオン状態になるように制御され、選択されたワード線を含むワード線グループにおいて、データの読み出し時に、選択されたワード線の電位は、選択トランジスタがオン状態になるように制御されるとともに、非選択のワード線の電位は、選択トランジスタがオフ状態になるように制御される。
この一の局面によるメモリでは、上記のように、所定数のワード線をそれぞれ含むワード線グループ毎に、選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方に接続される第1信号線を少なくとも1つずつ配置するとともに、ワード線グループ毎に第1信号線に供給される第1信号の電位を制御することによって、たとえば、アノードが選択されたビット線に接続されていないダイオードを含む選択されたメモリセルのデータを読み出す際に、選択されたワード線を含まないワード線グループに対応する非選択のメモリセルにおいて、対応する選択トランジスタをオン状態に変化させ、かつ、その選択トランジスタのソース/ドレイン領域の他方に接続された第1信号線にHレベルの第1信号を供給すれば、その選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方に接続されたダイオードのカソードの電位をHレベルに固定することができる。これにより、選択されたワード線を含まないワード線グループに対応する非選択のメモリセルにおいて、ダイオードのアノードが選択されたビット線に接続されていたとしても、そのダイオードのカソードの電位がHレベルから低下するのを抑制することができるので、非選択のメモリセルのカソードの電位の低下に起因して選択されたビット線の電位が低下するという不都合が発生するのを抑制することができる。その結果、アノードが選択されたビット線に接続されていないダイオードを含む選択されたメモリセルのデータを読み出す際に、選択されたビット線の電位の低下に起因して、誤ったデータが出力されるという不都合が発生するのを抑制することができる。また、データの読み出し前に、選択されたビット線の電位(ダイオードのカソードの電位)をHレベルにチャージするプリチャージ動作を行う場合には、選択されたワード線を含まないワード線グループに対応する非選択のメモリセルでは、ダイオードのカソードの電位がHレベルに固定されるので、そのダイオードのカソードの電位をHレベルにチャージする必要がない。したがって、選択されたワード線を含むワード線グループに対応するメモリセルのうち非選択のメモリセルについてのみ、ダイオードのカソードの電位をHレベルにチャージすればよいので、プリチャージ動作が行われる期間を短くすることができる。その結果、読み出し動作およびプリチャージ動作を含む1サイクルの期間を短くすることができるので、メモリを高速で動作させることができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の一実施形態によるクロスポイント型のダイオードROMの構成を示した回路図である。図2は、図1に示した一実施形態によるクロスポイント型のダイオードROMに含まれる信号線制御回路の構成を示した回路図である。まず、図1および図2を参照して、本実施形態によるクロスポイント型のダイオードROMの構成について説明する。
本実施形態によるクロスポイント型のダイオードROMは、図1に示すように、アドレス入力回路1と、ロウデコーダ2と、カラムデコーダ3と、センスアンプ4と、出力回路5と、メモリセルアレイ6と、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLとを備えている。アドレス入力回路1は、外部からアドレスが入力されることにより、ロウデコーダ2とカラムデコーダ3とにアドレスデータを出力する機能を有する。また、ロウデコーダ2は、ワード線WLの数に応じた数の出力端子を有する。そして、ロウデコーダ2は、入力されたアドレスデータに基づいて所定のワード線WLを選択し、かつ、選択されたワード線WLに対応する出力端子からHレベルの信号を出力するとともに、選択されたワード線WL以外の非選択のワード線WLに対応する出力端子からLレベルの信号を出力する機能を有する。また、カラムデコーダ3は、入力されたアドレスデータに基づいて所定のビット線BLを選択するとともに、その選択されたビット線BLとセンスアンプ4とを電気的に接続する機能を有する。また、センスアンプ4は、選択されたビット線BLの電位を判別して増幅した後、選択されたビット線BLの電位がLレベルの場合に、Hレベルの信号を出力回路5に出力するとともに、選択されたビット線BLの電位がHレベルの場合に、Lレベルの信号を出力回路5に出力する機能を有する。また、出力回路5は、センスアンプ4からの信号に基づいて、外部に信号を出力する機能を有する。
また、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLは、メモリセルアレイ6の内部に、互いに交差するように配置されている。各ワード線WLには、所定数の選択トランジスタ7が互いに所定の間隔を隔てて接続されている。この選択トランジスタ7は、共通のソース領域を有する一対のnチャネルトランジスタ7aおよび7bによって構成されているとともに、その一対のnチャネルトランジスタ7aおよび7bの各々のゲート電極が、対応するワード線WLに接続されている。
また、メモリセルアレイ6は、1つのダイオード8をそれぞれ含む複数のメモリセル9を含んでいる。この複数のメモリセル9は、複数のワード線WLおよび複数のビット線BLの各々に沿ってマトリクス状に配列されているとともに、各ワード線WLに選択トランジスタ7を介して所定数ずつ接続されている。具体的には、選択トランジスタ7を構成するnチャネルトランジスタ7aおよび7bのドレイン領域に、所定数のダイオード8の各々のカソードが接続されている。また、複数のメモリセル9のうち、所定のメモリセル9のダイオード8のアノードは、対応するビット線BLに接続されている一方、所定のメモリセル9以外のメモリセル9のダイオード8のアノードは、対応するビット線BLに接続されていない。そして、本実施形態によるダイオードROMでは、ビット線BLに対するダイオード8のアノードの接続の有無によって、メモリセル9に保持されるデータが「0」または「1」に区別される。
ここで、本実施形態では、複数のワード線WLは、所定数のワード線WLを含む4つのワード線グループG0〜G3に分けられている。具体的には、複数のワード線WLには、それぞれ、「0」と「1」とを含むビットからなる複数桁のアドレスが割り当てられている。そして、本実施形態では、アドレスの下2桁のビットが(0、0)であるワード線WLを含むワード線グループを1つ目のワード線グループG0とし、アドレスの下2桁のビットが(0、1)であるワード線WLを含むワード線グループを2つ目のワード線グループG1としている。また、アドレスの下2桁のビットが(1、0)であるワード線WLを含むワード線グループを3つ目のワード線グループG2とし、アドレスの下2桁のビットが(1、1)であるワード線WLを含むワード線グループを4つ目のワード線グループG3としている。
また、本実施形態では、4つのワード線グループG0〜G3に、それぞれ、信号線S0〜S3が所定数ずつ配置されている。なお、信号線S0〜S3は、本発明の「第1信号線」の一例である。具体的には、信号線S0は、1つ目のワード線グループG0に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(0、0)である)ワード線WLに対応する選択トランジスタ7のソース領域に接続されている。また、信号線S1は、2つ目のワード線グループG1に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(0、1)である)ワード線WLに対応する選択トランジスタ7のソース領域に接続されている。また、信号線S2は、3つ目のワード線グループG2に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(1、0)である)ワード線WLに対応する選択トランジスタ7のソース領域に接続されている。また、信号線S3は、4つ目のワード線グループG3に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(1、1)である)ワード線WLに対応する選択トランジスタ7のソース領域に接続されている。
そして、本実施形態では、所定のワード線WLが選択された場合において、信号線S0〜S3のうちの選択されたワード線WLを含むワード線グループ(G0〜G3)に対応する信号線には、Lレベルの信号が供給される。その一方、所定のワード線WLが選択された場合において、信号線S0〜S3のうちの選択されたワード線WLを含まないワード線グループ(G0〜G3)に対応する信号線には、Hレベルの信号が供給される。なお、信号線S0〜S3には、それぞれ、信号WB0〜WB3が供給される。
また、本実施形態では、複数のワード線WLとロウデコーダ2との間に、ワード線WLの電位を制御するためのワード線制御回路10が設けられている。このワード線制御回路10は、4つの信号線S00〜S33と、4つの信号線S00〜S33にそれぞれ対応して設けられる2入力NAND回路11a〜11dとを含んでいる。なお、信号線S00〜S33は、本発明の「第2信号線」の一例である。2入力NAND回路11aは、1つ目の信号線S00に対応する1つ目のワード線グループG0に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(0、0)である)各ワード線WL毎に1つずつ配置されている。また、2入力NAND回路11bは、2つ目の信号線S11に対応する2つ目のワード線グループG1に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(0、1)である)各ワード線WL毎に1つずつ配置されている。また、2入力NAND回路11cは、3つ目の信号線S22に対応する3つ目のワード線グループG2に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(1、0)である)各ワード線WL毎に1つずつ配置されている。また、2入力NAND回路11dは、4つ目の信号線S33に対応する4つ目のワード線グループG3に含まれる(アドレスの下2桁のビットが(1、1)である)各ワード線WL毎に1つずつ配置されている。
また、1つ目のワード線グループG0に対応する2入力NAND回路11aの一方の入力端子は、信号線S00に接続されているとともに、2つ目のワード線グループG1に対応する2入力NAND回路11bの一方の入力端子は、信号線S11に接続されている。また、3つ目のワード線グループG2に対応する2入力NAND回路11cの一方の入力端子は、信号線S22に接続されているとともに、4つ目のワード線グループG3に対応する2入力NAND回路11dの一方の入力端子は、信号線S33に接続されている。また、2入力NAND回路11a〜11dの他方の入力端子は、それぞれ、インバータ回路を介して、ロウデコーダ2の対応する出力端子に接続されている。また、2入力NAND回路11a〜11dの出力端子は、それぞれ、対応するワード線WLに接続されている。
そして、本実施形態では、所定のワード線WLが選択された場合において、信号線S00〜S33のうちの選択されたワード線WLを含む1つのワード線グループ(本実施形態では、G0)に対応する信号線には、Hレベルの信号が供給される。その一方、所定のワード線WLが選択された場合において、信号線S00〜S33のうちの選択されたワード線WLを含まない3つのワード線グループ(本実施形態では、G1〜G3)に対応する信号線には、Lレベルの信号が供給される。なお、信号線S00〜S33には、それぞれ、信号W0〜W3が供給される。
また、本実施形態では、図2に示すように、上記した信号線S0〜S3および信号線S00〜S33に、信号線制御回路12が接続されている。この信号線制御回路12は、選択されたワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットに基づいて、信号WB0〜WB3の電位および信号W0〜W3の電位を制御する機能を有する。
なお、図2中の信号RA0は、選択されたワード線WLに対応するアドレスの1桁目のビットに基づいた信号であり、図2中の信号RA1は、選択されたワード線WLに対応するアドレスの2桁目のビットに基づいた信号である。また、信号/RA0および/RA1は、それぞれ、信号RA0およびRA1の電位を反転させた電位を有する反転信号である。すなわち、選択されたワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットが(0、0)の場合には、信号RA0およびRA1の両方の電位がLレベルとなり、信号/RA0および/RA1の両方の電位がHレベルとなる。また、選択されたワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットが(0、1)の場合には、信号RA0およびRA1の電位が、それぞれ、HレベルおよびLレベルとなり、信号/RA0および/RA1の電位が、それぞれ、LレベルおよびHレベルとなる。また、選択されたワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットが(1、0)の場合には、信号RA0およびRA1の電位が、それぞれ、LレベルおよびHレベルとなり、信号/RA0および/RA1の電位が、それぞれ、HレベルおよびLレベルとなる。また、選択されたワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットが(1、1)の場合には、信号RA0およびRA1の両方の電位がHレベルとなり、信号/RA0および/RA1の両方の電位がLレベルとなる。
また、信号線制御回路12は、4つの2入力NAND回路13a〜13dと、4つのインバータ回路14a〜14dと、4つのインバータ回路15a〜15dとを含んでいる。2入力NAND回路13aの一方の入力端子には、信号/RA0が入力されるとともに、他方の入力端子には、信号/RA1が入力される。また、2入力NAND回路13bの一方の入力端子には、信号RA0が入力されるとともに、他方の入力端子には、信号/RA1が入力される。また、2入力NAND回路13cの一方の入力端子には、信号/RA0が入力されるとともに、他方の入力端子には、信号RA1が入力される。また、2入力NAND回路13dの一方の入力端子には、信号RA0が入力されるとともに、他方の入力端子には、信号RA1が入力される。
また、2入力NAND回路13a〜13dの出力端子には、それぞれ、インバータ回路14a〜14dの入力端子が接続されている。また、インバータ回路14a〜14dの出力端子には、それぞれ、インバータ回路15a〜15dの入力端子が接続されている。そして、信号線S00は、インバータ回路14aの出力端子に接続されているとともに、信号線S0は、インバータ回路15aの出力端子に接続されている。また、信号線S11は、インバータ回路14bの出力端子に接続されているとともに、信号線S1は、インバータ回路15bの出力端子に接続されている。また、信号線S22は、インバータ回路14cの出力端子に接続されているとともに、信号線S2は、インバータ回路15cの出力端子に接続されている。また、信号線S33は、インバータ回路14dの出力端子に接続されているとともに、信号線S3は、インバータ回路15dの出力端子に接続されている。
次に、図1および図2を参照して、本実施形態によるクロスポイント型のダイオードROMのデータの読み出し動作について説明する。なお、以下の読み出し動作の説明では、図1中の破線で囲まれたメモリセル9(以下、選択メモリセル9という)が選択されているとする。また、データを読み出す際には、全てのダイオード8のカソードの電位がHレベルに保持されているとする。
まず、図1に示すように、アドレス入力回路1に、選択メモリセル9に対応するアドレスが外部から入力される。これにより、アドレス入力回路1からアドレスデータが出力されるとともに、そのアドレス入力回路1から出力されたアドレスデータが、ロウデコーダ2およびカラムデコーダ3に入力される。
この後、アドレスデータに基づいて、所定のワード線WL(以下、選択ワード線WLという)がロウデコーダ2により選択される。なお、選択ワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットは、(0、0)である。これにより、選択ワード線WLに対応するロウデコーダ2の出力端子からHレベルの信号が出力されるとともに、選択ワード線WL以外の非選択のワード線WL(以下、非選択ワード線WLという)に対応するロウデコーダ2の出力端子からLレベルの信号が出力される。
この際、図2に示した信号線制御回路12では、以下のような動作が行われる。すなわち、まず、選択ワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットが(0、0)であることから、信号RA0およびRA1の両方の電位がLレベルとなり、信号/RA0および/RA1の両方の電位がHレベルとなる。これにより、2入力NAND回路13aの一方の入力端子にHレベルの信号/RA0が入力されるとともに、他方の入力端子にHレベルの信号/RA1が入力されることによって、2入力NAND回路13aの出力端子からLレベルの信号が出力される。また、2入力NAND回路13bの一方の入力端子にLレベルの信号RA0が入力されるとともに、他方の入力端子にHレベルの信号/RA1が入力されることによって、2入力NAND回路13bの出力端子からHレベルの信号が出力される。また、2入力NAND回路13cの一方の入力端子にHレベルの信号/RA0が入力されるとともに、他方の入力端子にLレベルの信号RA1が入力されることによって、2入力NAND回路13cの出力端子からHレベルの信号が出力される。また、2入力NAND回路13dの一方の入力端子にLレベルの信号RA0が入力されるとともに、他方の入力端子にLレベルの信号RA1が入力されることによって、2入力NAND回路13dの出力端子からHレベルの信号が出力される。
そして、2入力NAND回路13a〜13dの出力端子から出力された信号は、それぞれ、インバータ回路14a〜14dの入力端子に入力される。これにより、インバータ回路14aの出力端子からは、Lレベルの信号が反転されてHレベルの信号W0が出力される。また、インバータ回路14b〜14dの出力端子からは、それぞれ、Hレベルの信号が反転されてLレベルの信号W1〜W3が出力される。その結果、信号線S00には、Hレベルの信号W0が供給される。その一方、信号線S11〜S33には、それぞれ、Lレベルの信号W1〜W3が供給される。
また、インバータ回路14a〜14dの出力端子から出力された信号W0〜W3は、それぞれ、インバータ回路15a〜15dの入力端子に入力される。これにより、インバータ回路15aの出力端子からは、Hレベルの信号W0が反転されてLレベルの信号WB0が出力される。また、インバータ回路15b〜15dの出力端子からは、それぞれ、Lレベルの信号W1〜W3が反転されてHレベルの信号WB1〜WB3が出力される。その結果、信号線S0には、Lレベルの信号WB0が供給される。その一方、信号線S1〜S3には、それぞれ、Hレベルの信号WB1〜WB3が供給される。
これにより、図1に示したワード線制御回路10では、以下のような動作が行われる。すなわち、まず、選択ワード線WLを含むワード線グループG0において、選択ワード線WLに対応する2入力NAND回路11aの一方の入力端子には、信号線S00を介してHレベルの信号W0が入力されるとともに、他方の入力端子には、カラムデコーダ2からのHレベルの信号が反転されることにより生成されたLレベルの信号が入力される。これにより、選択ワード線WLを含むワード線グループG0において、選択ワード線WLが接続された2入力NAND回路11aの出力端子からHレベルの信号が出力されるので、選択ワード線WLの電位がHレベルとなる。
また、選択ワード線WLを含むワード線グループG0において、非選択ワード線WLに対応する2入力NAND回路11aの一方の入力端子には、信号線S00を介してHレベルの信号W0が入力されるとともに、他方の入力端子には、カラムデコーダ2からのLレベルの信号が反転されることにより生成されたHレベルの信号が入力される。これにより、選択ワード線WLを含むワード線グループG0において、非選択ワード線WLが接続された2入力NAND回路11aの出力端子からLレベルの信号が出力されるので、非選択ワード線WLの電位がLレベルとなる。
また、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3において、非選択ワード線WLに対応する2入力NAND回路11b〜11dの一方の入力端子には、それぞれ、信号線S11〜S33を介してLレベルの信号W1〜W3が入力されるとともに、他方の入力端子には、カラムデコーダ2からのLレベルの信号が反転されることにより生成されたHレベルの信号が入力される。これにより、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3において、非選択ワード線WLが接続された2入力NAND回路11b〜11dの出力端子からHレベルの信号が出力されるので、非選択ワード線WLの電位がHレベルとなる。
上記のようにワード線WLの電位を制御することによって、選択ワード線WLを含むワード線グループG0では、選択ワード線WLに対応する選択トランジスタ7(nチャネルトランジスタ7aおよび7b)のゲート電極の電位がHレベルになることにより、選択トランジスタ7がオン状態となる。また、選択ワード線WLを含むワード線グループG0では、非選択ワード線WLに対応する選択トランジスタ7のゲート電極の電位がLレベルになることにより、選択トランジスタ7がオフ状態となる。また、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3では、非選択ワード線WLに対応する選択トランジスタ7のゲート電極の電位がHレベルになることにより、選択トランジスタ7がオン状態となる。
これにより、選択ワード線WLを含むワード線グループG0に対応するメモリセル9では、選択ワード線WLに対応するダイオード8のカソードがオン状態の選択トランジスタ7を介して信号線S0に接続されるとともに、その信号線S0にLレベルの信号WB0が供給されることから、ダイオード8のカソードの電位がLレベルに固定される。また、選択ワード線WLを含むワード線グループG0に対応するメモリセル9では、非選択ワード線WLに対応するダイオード8のカソードがオフ状態の選択トランジスタ7を介して信号線S0に接続されることから、ダイオード8のカソードがフローティング状態となる。また、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3に対応するメモリセル9では、非選択ワード線WLに対応するダイオード8のカソードがオン状態の選択トランジスタ7を介して信号線S1〜S3に接続されるとともに、その信号線S1〜S3にHレベルの信号WB1〜WB3が供給されることから、ダイオード8のカソードの電位がHレベルに固定される。
また、アドレスデータが入力されたカラムデコーダ3では、アドレスデータに基づいて所定のビット線BL(以下、選択ビット線BLという)が選択されるとともに、その選択ビット線BLがセンスアンプ4に電気的に接続される。この際、選択メモリセル9に含まれるダイオード8のアノードが選択ビット線BLに接続されていないので、センスアンプ4にLレベルの電位が伝達されない。この場合には、センスアンプ4内に設けられた負荷回路(図示せず)によって、選択ビット線BLの電位がHレベルに上昇される。これにより、センスアンプ4では、選択ビット線BLの電位を判別して増幅した後、選択ビット線BLのHレベルの電位とは逆極性のLレベルの信号を出力する。その結果、出力回路5は、センスアンプ4からLレベルの信号を受けることにより、Lレベルの信号を外部に出力する。
なお、選択メモリセル9に含まれるダイオード8のアノードが選択ビット線BLに接続されている場合には、ダイオード8を介して選択ビット線BLの電位がLレベルに低下されるとともに、その選択ビット線BLのLレベルの電位がセンスアンプ4に伝達される。この後、センスアンプ4では、選択ビット線BLの電位を判別して増幅した後、選択ビット線BLのLレベルの電位とは逆極性のHレベルの信号を出力する。その結果、出力回路5は、センスアンプ4からHレベルの信号を受けることにより、Hレベルの信号を外部に出力する。
ここで、データの読み出し時に、選択ビット線BLおよび非選択ワード線WLにつながる非選択のメモリセル9のダイオード8のカソードの電位が低い場合には、選択ビット線BLと非選択のメモリセル9のダイオード8のカソードとの間に電流が流れることに起因して、選択ワード線WLと選択ビット線BLとの間に配置されてアノードが選択ビット線BLに接続されていない選択メモリセル9に電流が流れたと誤った判断がなされる。この対策として、データの読み出し前において、選択ビット線BLと非選択ワード線WLとにつながる非選択のメモリセル9に含まれるダイオード8のカソードの電位をHレベルにチャージするプリチャージ動作を行う必要がある。この場合、上記したように、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3に対応するメモリセル9では、ダイオード8のカソードの電位がHレベルに固定されるので、ダイオード8のカソードの電位をHレベルにチャージする必要がない。したがって、本実施形態では、選択ワード線WLを含むワード線グループG0に対応するメモリセル9のうちの非選択ワード線WLと選択ビット線BLとに接続される非選択のメモリセル9についてのみ、ダイオード8のカソードの電位をHレベルにチャージすればよい。
本実施形態では、上記のように、所定数のワード線WLをそれぞれ含む4つのワード線グループG0〜G3の各々に、選択トランジスタ7のソース領域に接続される信号線S0〜S3を所定数ずつ配置することによって、アノードが選択ビット線BLに接続されていないダイオード8を含む選択メモリセル9のデータを読み出す際に、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3に対応する非選択のメモリセル9において、対応する選択トランジスタ7をオン状態に変化させ、かつ、その選択トランジスタ7のソース領域に接続された信号線S1〜S3にHレベルの信号WB1〜WB3を供給することにより、その選択トランジスタ7のドレイン領域に接続されたダイオード8のカソードの電位をHレベルに固定することができる。これにより、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3に対応する非選択のメモリセル9において、ダイオード8のアノードが選択ビット線BLに接続されていたとしても、そのダイオード8のカソードの電位がHレベルから低下するのを抑制することができるので、非選択のメモリセル9のカソードの電位の低下に起因して選択ビット線BLの電位が低下するという不都合が発生するのを抑制することができる。その結果、アノードが選択ビット線BLに接続されていないダイオード8を含む選択メモリセル9のデータを読み出す際に、選択ビット線BLの電位の低下に起因して、誤ったデータが出力されるという不都合が発生するのを抑制することができる。
また、データの読み出し前に、選択ビット線BLの電位(ダイオード8のカソードの電位)をHレベルにチャージするプリチャージ動作を行う場合には、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3に対応する非選択のメモリセル9では、ダイオード8のカソードの電位がHレベルに固定されるので、そのダイオード8のカソードの電位をHレベルにチャージする必要がない。したがって、選択ワード線WLを含むワード線グループG0に対応するメモリセル9のうちの非選択のメモリセル9についてのみ、ダイオード8のカソードの電位をHレベルにチャージすればよいので、プリチャージ動作が行われる期間を短くすることができる。その結果、読み出し動作およびプリチャージ動作を含む1サイクルの期間を短くすることができるので、ダイオードROMを高速で動作させることができる。
また、本実施形態では、上記のように、データの読み出し時に、選択ワード線WLを含むワード線グループG0に対応する信号線S0に、Lレベルの信号WB0を供給し、かつ、選択ワード線WLに接続された選択トランジスタ7をオン状態に変化させることによって、その選択トランジスタ7のドレイン領域に接続されたダイオード8のカソードの電位をHレベルからLレベルに低下させることができる。これにより、アノードが選択ビット線BLに接続されていないダイオード8を含む選択メモリセル9のデータを読み出す場合には、選択ビット線BLの電位がHレベルに保持される一方、アノードが選択ビット線BLに接続されているダイオード8を含む選択されたメモリセル9のデータを読み出す場合には、選択ビット線BLの電位をLレベルに低下させることができる。その結果、選択ビット線BLの電位に基づいたデータの判別を容易に行うことができる。
また、本実施形態では、上記のように、ワード線WLの電位を制御するためのワード線制御回路10に、4つのワード線グループG0〜G3の各々に対応する4つの信号線S00〜S33を配置するとともに、データの読み出し時に、信号線S00〜S33の各々に供給される信号W0〜W3の電位に基づいて、対応するワード線WLが制御されるように構成することによって、信号W0〜W3の電位をワード線グループG0〜G3毎に制御することにより、容易に、データの読み出し時に、選択ワード線WLを含まないワード線グループG1〜G3に対応する非選択ワード線WLの電位を、その非選択ワード線WLに接続された選択トランジスタ7がオン状態になるような電位にすることができるとともに、選択ワード線WLを含むワード線グループG0に対応する選択ワード線WLの電位を、その選択ワード線WLに接続された選択トランジスタ7がオン状態になるような電位にすることができる。
また、本実施形態では、上記のように、信号線S0〜S3(S00〜S33)に供給される信号WB0〜WB3(W0〜W3)を、選択ワード線WLに対応するアドレスデータに基づいて生成することによって、複数のワード線WLが4つのワード線グループG0〜G3に分けられている場合には、選択ワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビットに基づいて信号WB0〜WB3(W0〜W3)を生成することにより、容易に、4つのワード線グループG0〜G3毎に、信号線S0〜S3(S00〜S33)に供給される信号WB0〜WB3(W0〜W3)の電位を制御することができる。
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
たとえば、上記実施形態では、クロスポイント型のダイオードROMに本発明を適用したが、本発明はこれに限らず、クロスポイント型のダイオードROM以外の選択トランジスタのソース/ドレイン領域の一方にカソードが接続されたダイオードを含むメモリセルを備えたメモリにも広く適用可能である。
また、上記実施形態では、選択ワード線WLに対応するアドレスの下2桁のビット(下位ビット)に基づいて、信号線S0〜S3(S00〜S33)に供給される信号WB0〜WB3(W0〜W3)を生成したが、本発明はこれに限らず、選択ワード線WLに対応するアドレスの上位ビットに基づいて、信号線S0〜S3(S00〜S33)に供給される信号WB0〜WB3(W0〜W3)を生成してもよい。
また、上記実施形態では、各ワード線に対応するアドレスの下2桁のビットに基づいて、複数のワード線を4つのワード線グループに分類したが、本発明はこれに限らず、各ワード線に対応するアドレスの複数桁のビットのうちの3つ以上のビットに基づいて、複数のワード線を4つよりも多い数のワード線グループに分類してもよい。