JP4856961B2 - 微生物を用いる金属類の除去・回収方法、除去・回収装置および除去・回収剤 - Google Patents

微生物を用いる金属類の除去・回収方法、除去・回収装置および除去・回収剤 Download PDF

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Description

本発明は、微生物を利用して金属類、特に銀および/または銅を除去・回収する方法、ならびに該微生物を利用した金属類を除去・回収する装置および金属類の除去・回収剤に関する。
現在、家電製品、台所用品、トイレタリー用品、文具用品、家具・装飾品などの生活用品の分野;紙・パルプ用スライムコントロール剤、木材防腐分野などの産業分野;白衣、カーテン、建材、医療用器具などの医療分野などで多く用いられている抗菌性化合物としては、無機系(銀、銅、亜鉛系、酸化チタン系)と有機系(合成系、天然系)とに大別される。
有機系抗菌性化合物としては、幅広い抗菌スペクトル、ならびに優れた即効性および殺菌性の点から、農薬や医薬品の流れを汲む有機系化合物が用いられてきた。しかしながら、このような化合物は人や環境に対する安全性が懸念されていることから、近年、銀、銅、亜鉛などの抗菌性を有する金属を含有する化合物や、酸化チタンなどの光触媒のような無機系抗菌性化合物が多く用いられるようになっている。
このような無機系抗菌性化合物のうち、金属含有化合物に含まれる金属の細菌の増殖抑制能力に着目すると、銀と水銀イオンが特に活性が高く、亜鉛イオン、銅イオン、カドミウムイオンがこれに続く。より具体的には、銀の抗菌活性は銅の抗菌活性の200倍、亜鉛の抗菌活性の1,000倍であることから、銀含有の無機系抗菌性化合物が多く用いられている。
このように多くの無機系抗菌性化合物に金属類が用いられることにより、環境中へ金属類、特に銀が流出する機会が増えてきている。銀は、非常に微量でも抗菌効果が高いことから、一旦環境中に流出した銀が生態系に何らかの影響を及ぼすことが考えられる。
また飲料水中の銀イオン濃度の規制は、米国で50ppb、欧州諸国で100ppbであり、更に規制が厳しくなりつつある。
このような状況において、環境中に排出され、流出される銀を回収し、排出量・流出量を極力減少させることは、環境保全の観点から、また健康な生活を送るという観点からも重要な課題である。
銀の除去方法としては、写真用感光材料分野におけるハロゲン化銀の処理に用いる銀の除去に微生物を用いる方法が開示されている(特許文献1)。特許文献1に開示の方法において用いられる微生物(Acidovorax属細菌)は、銀化合物濃度が数ppm〜数100ppmと高い環境で効果を発揮し、栄養源として有機化合物排水を必要とするものであり、写真感光材料生産工場からの排水中での使用に適している。しかしながら、例えば家庭から出る排水は、銀濃度は<1ppmと極低濃度であり、微生物の栄養源となる有機化合物も殆ど存在しない。
また、特許文献1に開示の方法は、細菌と銀含有排水とを2〜10日間反応させる必要があり、さらにこのような特殊な細菌を一般家庭でスクリーニングし、増殖させて利用することは、その専門知識の必要性、生態系への影響を鑑みると困難であることから、家庭などでの簡便な使用に適した金属の回収方法が望まれていた。
その他の銀の除去方法としては、化学的方法、電気的方法などの方法も用いられるが、いずれも家庭排水のような低濃度の銀を含む排水から銀を除去するには効果が不充分であった。
特開2004−180582号公報
上記の点に鑑み、本発明は、金属類を含有する金属類含有溶液、特に家庭排水のような極低濃度の金属類を含有する溶液からであっても、充分に金属類を除去することができる金属類の除去・回収方法および装置を提供することを課題とする。
上記の課題を克服するために、本発明者らは、非病原性の大腸菌のような原核生物の有する非選択性イオンチャンネルに注目し、これを利用して金属含有溶液中の目的とする金属の除去・回収を行うことができることを見出し、本発明を完成した。
よって、本発明は、微生物または微生物の細胞小器官(オルガネラ)と金属類含有溶液とを接触させて金属類含有溶液から金属類を除去し、所望により金属類を回収することを特徴とする金属類の除去・回収方法である。
また本発明は、担体に固定化された微生物または微生物の細胞小器官(オルガネラ)を用いて、金属類を選択的に検出するバイオセンサーでもある。
さらに本発明は、金属類を含有する金属類含有溶液および微生物または微生物の細胞小器官(オルガネラ)を導入するための導入部と、該導入部から導入された金属類含有溶液と微生物または微生物の細胞小器官とを接触させる処理容器とを備える金属類の除去・回収装置である。
さらに本発明は、微生物または微生物の細胞小器官(オルガネラ)からなる金属類の除去・回収剤である。
本明細書において、「金属類を含有する金属類含有溶液」とは、数十ppm未満の金属類を含有する溶液を意味するが、数ppm未満、例えば1ppm未満の極低濃度の金属イオンを含有する溶液が好ましい。金属イオンの濃度の下限は、用いる微生物または微生物の細胞小器官の種類により異なるが、数ppb以上、例えば10ppb以上が好ましい。このような金属類含有溶液としては、家庭排水、写真関連以外の工場からの工場廃水などが挙げられる。
本発明により、金属類を含有する金属類含有溶液、特に極低濃度の金属類を含む排水から、微生物または微生物の細胞小器官を用いて金属類を除去し、所望に応じて該金属類を回収することができるので、微量の金属類が環境中に放出されるのを防止することができる。また、本発明のバイオセンサーにより、金属類の高感度な検出が可能になり、人間や自然界にとってより安全な形での生活空間を提供するために用いることができる。
本発明の除去・回収方法により除去・回収できる金属類としては、銀、銅、亜鉛、カドミウム、水銀のような抗菌性化合物に含まれる金属類を挙げることができる。なかでも、銀および/または銅を効率よく除去・回収することができる。これらの金属類は、除去・回収効率の点で、イオンの形態であるものが好ましい。
本発明の除去・回収方法において用いられる微生物は、金属類を吸収する能力があれば特に限定されず、大腸菌、光合成細菌、乳酸菌、放線菌、ブドウ球菌のような原核生物、糸状菌、酵母、例えばカンジダ菌のような真核生物を挙げることができる。これらの微生物は、公知の方法により単離して用いてもよいし、土壌や肥料などに含まれている微生物を単離せずに用いることもできる。
上記の微生物は、金属類を選択的に通過させる膜結合タンパク質を有する細胞小器官を有するものが好ましい。なお、本明細書において、細胞小器官(オルガネラ)とは、リボソーム、小胞体、ミトコンドリア、ゴルジ体、核などを含む細胞質の有形成分のことをいう。
上記の膜結合タンパク質は、膜の内外の金属類の濃度勾配または電位勾配により金属類を選択的に通過させるものであり、このようなものとしては例えばイオンチャンネルを挙げることができる。イオンチャンネルとは、普段は閉じているのに一定の刺激があると開く、生体膜を貫通する小さなトンネルのことを指す。イオンチャンネルは、その電位的な選択性により取り込むことができる金属の種類が決まっている。このイオンチャンネルの種類により、膜内に通る金属、通らない金属が存在し、これにより選択性が生まれると考えられる。また、金属の種類により膜を通過する速度が異なる。
本発明の除去・回収方法において、例えば金属類としての銀を大腸菌を用いて除去・回収する場合、銀は数ppb以上の濃度で、大腸菌内に存在するリボソームなどに選択的に吸収される。更にこの場合、大腸菌と金属類との反応は、数分〜数時間で起こるので、菌体内に金属類を蓄積するのに必要な時間を短縮でき、金属類の除去・回収を迅速に行うことができる。
本発明の除去・回収方法において用いられる微生物は、細胞内の細胞小器官に金属類を蓄積することにより死滅するものであってもよい。このような微生物の死滅は、微生物が金属類を吸収し始めてから数分〜数時間で起こると考えられる。例えば大腸菌を用いて銀を除去・回収する場合、まず銀がリボソームに蓄積され大腸菌の正常なタンパク質の発現機能が損なわれる。次いで、生命活動を維持していく上で必要な各種タンパク質の生産機構も異常をきたし、最終的には生命活動に欠かせないATP(アデノシン三リン酸)の生成も損なわれ、その結果として大腸菌が死滅すると考えられる。したがって、微生物の生存率を追跡することにより、微生物と接触して微生物に吸収された金属類の量、濃度などを検出する指標とすることもできる。微生物として例えばカンジダ菌を用いる場合、大腸菌よりも短時間で細胞内の細胞小器官に金属類を蓄積し、死滅する場合がある。この場合、金属類、例えば銀はカンジダ菌のミトコンドリアに蓄積された後、大腸菌と類似のメカニズムで死滅するので、大腸菌を用いる場合と同様に微生物に吸収された金属類の量、濃度などを検出する指標とすることもできる。
本発明の除去・回収方法においては、上記の膜結合タンパク質を有する細胞小器官を微生物から単離して用いることも好ましい実施形態である。
細胞小器官を微生物から単離する方法としては、従来公知の方法を用いることができ、例えば超遠心分離法などが挙げられる。
上記の微生物または微生物の細胞小器官は、それ自体を適当な液体に懸濁して用いてもよいし、担体に固定化して用いてもよいが、局所的に微生物または細胞小器官の濃度を高めることができ、また本方法を行う空間外に微生物などが漏洩するのを防ぐことができる点で、担体に固定化されてなるものが好ましい。
上記の担体としては、非水溶性で微生物に対して不活性な担体が好ましく、珪藻土、多孔質セラミックス、ゼオライト、SiO2、SiO2-Al2O3、SiO2-TiO2、SiO2-V2O5、SiO2-BO2、SiO2-Fe2O3などを含むシリケート類、Siなどからなる半導体などのケイ素化合物;Al2O3
、TiO2、ZrO2、Nb2O5、SnO2、HfO2、AlPO4などの遷移金属酸化物、Pt、Ag、Auのような金属類;ポリアクリルアミド、活性炭などの高分子もしくはそのゲル;ホタテ貝殻などの生体由来材料またはこれらの複合体からなる多孔質体を好ましく用いることができる。
上記の微生物または細胞小器官は、上記の担体に常法を用いて固定化することができる。例えば微生物を所定の濃度で含む溶液に、数分〜数時間、吸水性機能を有するシリカやアルミナなどの多孔質からなる担体を接触させることで、自然に細孔の中に微生物を保持することが可能である。
上記の多孔質体中には、さらに導電性ナノ構造を作製することができる。導電性ナノ構造は、中空糸状または繊維状の微小構造を有する導電性材料を用いて作製することができる。該材料としては、カーボンナノチューブ、カーボンナノワイヤやカーボンファイバー等の炭素系材料;Au、Ag、Niなどの金属系材料;TiO2、Siなどからなる微小構造を有するものが挙げられる。このような導電性ナノ構造を構成することにより多孔質体に導電性を付与することができるので、微生物または細胞小器官を固定化した担体を用いて電界や磁界を利用したセンシングデバイスを作製することができ、微量な銀イオンなどの金属イオンの濃度センサーとして利用できる。
本発明の除去・回収方法では、微生物または細胞小器官と金属類含有溶液とを一定時間接触させる。該金属類含有溶液は、除去・回収すべき金属類を数十ppm未満の濃度で含む溶液であれば効率よく金属類を除去・回収することができるが、より好ましくは10〜1000ppbの濃度で含む溶液である。本発明の除去・回収方法により金属類が除去された後に得られる処理水は、例えば原子吸光度計(日立社製;180−30型)による検出限界以下程度の濃度まで金属類が除去されたものとすることができる。
接触させる時間は、除去・回収すべき金属の種類、ならびに用いる微生物または細胞小器官の種類および濃度により適宜選択することができる。例えば大腸菌を用いて銀を除去・回収する場合、5分〜24時間程度、より好ましくは5分〜3時間程度の接触を行えば充分である。
微生物または細胞小器官と金属類含有溶液とを一定時間接触させた後、所望により金属類を回収することができる。金属類を回収する方法としては、微生物または細胞小器官を含有する溶液から微生物または細胞小器官を分離する方法が好ましい。微生物または細胞小器官を該溶液から分離する方法としては、遠心分離を用いる方法、磁石を用いる方法などが挙げられる。
金属含有溶液と接触させた微生物または細胞小器官から、微生物または細胞小器官を除去することができる。除去する方法としては、超音波破砕、過酸化水素などの溶液での処理、リゾチームなどの溶菌酵素での処理、加熱などにより微生物または細胞小器官を破砕する方法が挙げられる。このように微生物または細胞小器官を除去して、金属類を微生物または細胞小器官から取り出して回収することが可能である。
本発明の除去・回収方法においては、微生物または細胞小器官に取り込まれた金属類の量を検出することが好ましい。金属類の量を検出する方法としては、微生物もしくは細胞小器官の重量または導電率の変化、微生物または細胞小器官の周辺の磁界の変化などを検出する方法が挙げられる。このことにより、微生物または細胞小器官への金属の蓄積量がわかるので、微生物または細胞小器官の交換時期を知ることができる。
上記の検出を行う場合、微生物または細胞小器官を固定化し、かつ担体として上記の導電性ナノ構造を有する多孔質体を用いるのが好ましい。さらに、担体を、重量感知装置、電極のような検出部、および検出部からの信号を受信して表示する外部表示部に連動するのがより好ましい。
上記の金属類の除去・回収方法を行うことができる金属類の除去・回収装置も本発明の一つである。
本発明の除去・回収方法において用いられる微生物または微生物の細胞小器官からなる金属類検出用バイオセンサーを得ることができる。このようなバイオセンサーも本発明の一つである。
本発明のバイオセンサーは、微生物もしくは細胞小器官の重量または導電率の変化、微生物または細胞小器官の周辺の磁界の変化などを検出することにより、金属類を検出することができる。
上記のバイオセンサーは、微生物または細胞小器官が固定化されてなるものである。固定化する担体として、上記の導電性ナノ構造を有する多孔質体を用いるのが好ましい。これにより、導電率の変化、磁界の変化などの電磁的変化を検出することができ、より高感度のバイオセンサーとすることができる。さらに、担体を、重量感知装置、電極のような検出部、および検出部からの信号を受信して表示する外部表示部に連動するのがより好ましい。
本発明の除去・回収方法において用いられる微生物または微生物の細胞小器官からなる金属除去・回収剤も本発明の一つである。このような金属除去・回収剤は、微生物または細胞小器官が、上記の非水溶性で微生物に対して不活性な担体に固定化されてなるものが好ましい。
洗濯機、食器洗浄器などの排水口に、本発明による金属類の除去・回収剤を収納した容器(例えばカートリッジなど)を配置することができる。この容器の容量は、排水量や除去すべき金属類の含量などに応じて適宜変更することができ、例えばφ=50mm、長さ20cmの容器などを用いることができる。図8に、このような金属類の除去・回収剤を収納した容器を洗濯機に配置する形態の一例を示す。この図に示すように、洗濯機70の排水口71に、金属類の除去・回収剤を収納した容器72を配置することができる。
上記の金属類の除去・回収剤を収納した容器は、一定期間使用した後に交換するのが好ましい。
また、浴室の排水口などにも本発明による金属類の除去・回収剤を収納した容器を配置することができる。
上記の金属類の除去・回収剤を収納した容器は、特に、洗濯機、食器洗浄器などからの排水に含有され得る銀イオンを回収する場合に用いるのが好ましい。
以下に、本発明の好ましい実施形態について図面を用いて説明する。
本発明の除去・回収方法で用いることができる、微生物をそのまま適当な液体中に懸濁して用いる金属類除去・回収装置の例を図1に、また微生物を担体に固定化して用いる場合の例を図2に示す。これらの図中、1は微生物、2は銀などの金属類を含有する金属類含有溶液、3は処理容器、4は担体を示す。ここで、金属類含有溶液2として、特に殺菌性の高い銀イオンを含有する溶液を例に挙げて説明を行なう。
銀イオン含有溶液は、実験的に、例えば下記のような方法で調製することができる。基本的に銀はイオン化傾向が小さく、標準単極電位は+0.8Vであり、陽イオンになりに
くい(電子を放出しにくい、酸化され難い)特長を持ち、金属銀を水中に入れていても容易に溶出しない。そこで、銀イオンの発生方法としては電界をかけるなどの方法がとられる。例えば純銀の二枚のプレート間に10〜50mAの電流がかかるように電圧(〜50V程度)を制御することで、溶液中に銀イオンを溶出させる方法が実際に利用されている。このような条件のうち、銀イオンを1.2mg/分程度溶出させる条件では、水1Lに10秒通電することで、200ppb(=200μg/L)となる銀イオン含有溶液が得られることとなる。
処理容器3の材質としては、金属類含有溶液に対して不活性であり、微生物または細胞小器官を保持できるものであれば特に限定されず、例えばテフロン(登録商標)、ステンレスなどを用いることができる。
図1または図2の処理容器3に、金属類含有溶液2を導入部から投入して金属類含有溶液2と微生物1とを一定時間接触させて金属類を除去し、その後、溶液を排出する。用いた微生物または固定化微生物を回収し、菌体を除去して金属類を回収することができる。
図3は、本発明の金属類の除去・回収方法において、固定化微生物の重量の変化の検出により金属類を検出することができる金属類の除去・回収装置の例を示す。この装置において、固定化微生物1を処理容器3に入れ、該装置の上部から金属類含有溶液2を導入して金属を除去・回収する際に、固定化微生物1の単位重量の変化を検知部5で検知して検出部6に信号を伝え、外部表示部7に表示することにより、バイオセンサーとして用いることができる。検知部5としては、例えば水晶振動子センサーヘッドを用いることができる。
より具体的には、例えば、多孔質体中へ微生物を固定化し、これらの微生物が銀などの金属類を吸収することで単位重量が変化した場合、例えば5〜10MHzなどの発振周波数の変化に対して、検出部の表面に接する微生物の重量変化(感度としてはngのオーダーの重量変化が検出可能)を検出することが可能である。重量変化を検出する形態の他に、導電性ナノ繊維上に固定化した微生物の導電率の変化や、金属を取り込むことで生じる磁界の変化を検出することができる。
特定の微生物は特定の金属しかその体内に取り込まないため、金属イオンに応じた特定の微生物センサーを作成することができる。銀および銅のどちらも取り込むことができる微生物を用いる場合、その取り込み速度の違いに応じたセンシングシステムを構築することで、マルチチャンネルなバイオセンサーを作製することも可能である。この場合、銀のほうが微生物体内への取り込み速度が速く、銅は比較的ゆっくりと微生物体内に取り込まれる。この特性を利用して、反応時間が短いうちは銀濃度だけを検出し、中間は銀と銅のどちらも検出し、反応時間を24時間等の長時間に設定すると、銀の濃度変化は既に飽和しているため、銅のみを検出することができるセンサーを作成することが可能である。
図4は、本発明の除去・回収方法において、微生物内に存在する細胞小器官(オルガネラ)のみを固定化して用いる金属類の除去・回収装置の例を示す。この図の形態では、細胞小器官を担体に担持させて得られた固定化細胞小器官9を金属イオンの除去・回収剤として用い、一定時間経過後の固定化細胞小器官について、電極付き基材10の上の微小な電極8を用いて導電性を測定して細胞小器官に取り込まれた金属類の量を検出することができる。検出方法は、質量変化や磁界変化を検出するものであってもよい。
例えば、大腸菌では、特定の金属イオンを取り込む器官はリボソームが主であるため、細胞膜など銀の吸着に不要な器官を除去することで、菌体をそのまま利用するよりも、より高感度で小型化された金属類の除去・回収装置およびバイオセンサーを得ることができる。
図5は、図3の金属類の除去・回収装置において、金属を取り込んだ微生物から金属を回収することができる実施形態を示す。磁石11の磁界を利用して、金属を取り込んだ固定化微生物を回収する。回収された固定化微生物は、そのまま300℃で燃焼したり、過酸化水素で菌体を破壊したり、超音波をかけることにより菌体を破砕して、中から金属類を回収することができる。
図6は、本発明の金属類の除去・回収装置の別の好ましい実施形態の模式図を表したものである。
図6において、60は微生物または細胞小器官および金属類含有溶液を蓄えて処理容器に導入するための導入部としての導入容器である。導入容器には、例えば銀などで構成された電極65が設定されていてもよい。該電極に直流電圧をかけることにより金属類含有溶液中の金属イオン濃度を調整することができる。
図6において、61は処理容器である。該処理容器では、導入容器から導入された金属類含有溶液と微生物または微生物の細胞小器官とを接触させる。処理容器の中には、微生物または細胞小器官および金属イオン含有液が含まれる。該処理容器には、接触時の温度および/または接触時間を制御できる制御手段が備えられていてもよい。
上記の処理容器は、微生物または細胞小器官が金属を取り込むことによる変化量、例えば重量、導電率、磁界、吸光度などの変化量を検出するための検出部としてセンサー66を備えることができる。該センサーには、該センサーにより検出された変化量に応じて導入容器あるいは第1もしくは以下に説明する第2の移動制御手段にフィードバックを行う評価手段を設けることができる。なお、センサーの取り付け位置は図6に示した位置に限定されず、処理容器の内部または外部で上記の変化量を検出することができる位置ならどこであってもよい。
導入容器と処理容器との間には、両容器間の内容物の移動を制御する電磁弁などの第1の移動制御手段63が備えられていてもよく、これにより導入容器から処理容器へ移動する導入容器内の内容物の量を制御することができる。第1の移動制御手段は、導入容器と処理容器の共通部分に一つ設けられてもよく、導入容器と処理容器の接合部の導入容器側と処理容器側にそれぞれ一つずつ設けられてもよい。
62は、処理容器内の微生物または微生物の細胞小器官を含有する溶液から金属類を回収する回収容器である。回収容器は、遠心分離機または磁石を備えていることが好ましい。これにより、処理容器で金属類含有溶液と接触させた後の微生物または細胞小器官を回収して金属類を取り出すことができる。磁石や遠心分離機は、回収容器と一体化されていてもよいし、回収容器と別に備えられる形態であってもよい。
処理容器61と回収容器62との間にも、内容物の移動を制御する第2の移動制御手段64が設けられていてもよい。第2の移動制御手段は、処理容器と回収容器の共通部分に一つ設けられてもよく、処理容器と回収容器の接合部の処理容器側と回収容器側にそれぞれ一つずつ設けられてもよい。
これらの導入容器、処理容器および回収容器の材料は、内容物と反応性が低く、浸潤しないものであれば特に限定されず、テフロン(登録商標)が好ましく用いられる。
導入容器、処理容器および回収容器は一体成形されていてもよいが、それぞれの容器あるいは一部の容器が切り離し可能になっており、はめ込み、ビス止めなどで組み立てできる構造であってもよい。後者のように取り外し可能な構造の場合は、取り外し部分を複数用意しておき、並行して除去・回収の処理を進めることもできる。
図7は、図6の金属類の除去・回収装置を、導入容器、処理容器および回収容器の3つをそれぞれ入力手段、反応・評価手段および出力手段として模式化し、それぞれの容器の中で行われる各機能について説明した図である。
以下に、実施例を示して本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。なお、以下の実施例では極低濃度の金属類を含有する排水として、便宜的に金属類を含有する溶液を作製して使用した。
本実施例は、図1に示すような金属類の除去・回収装置を用いて行った。微生物として大腸菌(Escherichia coli/NBRC-3972)を用い、これを109個/mlの濃度でリン酸バッファー(PBS;濃度50mM)に対して展開した。これを25mmΦ、厚さ30mmの円柱状のテフロン(登録商標)製の処理容器中に入れた。
2枚の純銀の板に50Vの電界をかけて20mAの電流を得ることにより、200ppbの濃度の銀イオン含有溶液を得た。この銀イオン含有溶液を上記の金属類の除去・回収装置に投入し、この状態で10分放置した後、液を排出し、遠心分離により大腸菌を回収した。
回収した大腸菌を0.1Mカコジル酸緩衝液と2%グルタルアルデヒドとを用いて4℃の環境で前固定した後、0.1Mカコジル酸緩衝液で4℃にて3回洗浄し、2%四酸化オスミウム水溶液に4℃で3時間浸透させることで後固定処理を行った。上昇アルコール列で各10〜15分間処理した後、プロピレンオキサイドで10分間、3回処理し、さらにプロピレンオキサイド+エポキシ樹脂で1時間置換し、エポキシ樹脂(主剤Epon812、硬化剤DDSA,NMA、加速剤DMP-3060℃)で2日包埋処理を行った。
得られた試料を、ウルトラミクロトームを用いて薄片化し、チャージアップ防止のためにカーボン膜で補強を行い、エネルギーフィルター型透過型電子顕微鏡(EF-TEM)観察用試料を作製した。この試料を用いて観察された大腸菌に対して、エネルギー分散型エックス線分析装置(EDS)を用いて銀の検出を行ったところ、銀は菌体の中央付近から顕著に検出された。ただし銀イオンが形状として見える濃度でないため、構造的に銀の大きな結晶が析出しているというものではなかった。
本実施例は、図2に示すような金属類の除去・回収装置を用いて行った。
1.ナノ構造を有する多孔質体の作製
多孔質材料として、成分の85%以上がSiO2からなる珪藻土セラミックス(昭和化学工業製)を用いた。この珪藻土セラミックスの粒径は10μm、平均孔径は1μm程度であった。先ず表面の汚染物質を除去する目的で、Xe2誘電体バリア放電エキシマランプ装置を用い、中心波長146nmの紫外光を放射照度10mW/cm2で放射して1時間クリーニングした。また触媒としては日本ペイント製のNiペースト(Ni粒径10nm程度)を用い、アセトン溶媒中で超音波洗浄処理を施した。この試料を真空チャンバー(マイクロ波プラズマCVD;MPCVD装置内)に移動し、1×10-5Paまで真空ポンプを使って排気し、さらに600℃で30分間熱処理を行った。別途行った同一条件の実験から、コートの状況を確認する目的で、この試料の断面試料を作製し、透過型電子顕微鏡(TEM)により確認し、Ni触媒が珪藻土多孔質の表面と内部を、厚さ50nmでほぼ均一にコートしていることが分かった。
この後、触媒がコートされた多孔質材料へ、ナノ構造体を生成させるプロセスを実施した。基板温度は600℃で維持し、チャンバーの真空度を15Torr程度になるように、圧力コントロールバルブにて調整しながら、マスフローコントローラを通じて、H2ガスを80sccm投入し、次に2.45GHzのマイクロ波(350W)を導入して、このH2ガスをプラズマ化し、5分間程度表面をクリーニングした。次に、80sccmのH2ガスおよび20sccmのCH4ガスをチャンバー内に導入し、2.45GHzのマイクロ波(500W)を導入して、このH2およびCH4からなる原料ガスをプラズマ化し、触媒がコートされた珪藻土多孔質材料をプラズマに10分間曝した。この際、珪藻土多孔質材料が設置された基板に対して、−100Vのバイアス電圧をかけた。この処理により、多孔質体の空孔および表面全体に、先端にNi触媒を包括したカーボン繊維が成長した。得られたカーボン繊維の直径は10〜30nm、長さは1〜50μmであり、繊維状のものと中空糸状のものがほぼ1:1で混在していた。この様子はTEMや走査型電子顕微鏡(SEM)を用いて確認した。このようにして得られたナノ構造を有する多孔質体は、導電性を有する。
2.金属の回収
上記の導電性ナノ構造を有する多孔質体を実施例1で用いたのと同じ金属類の除去・回収装置の処理容器に投入し、実施例1で用いたのと同じ大腸菌NBRC−3972を109個/mlの濃度でPBSを用いて展開して多孔質体に担持させた。30分後、溶液中の大腸菌濃度を計測するため、溶液を採取し、寒天培地で培養したが、コロニーは得られなかった。つまり、大腸菌は溶液中には殆ど存在せず、ナノ構造を有する多孔質体に担持されたことがわかる。
次いで、200ppbの銀イオン含有溶液をこの処理容器内に導入し、30分間接触させた後に排出された処理液を採取して、原子吸光度計(日立社製;180-30型)を用いて銀イオンの濃度を測定したところ、検出限界以下であった。つまり銀イオンは大腸菌に殆ど全て吸収されたことがわかる。
本実施例は、図3に示すような金属類の除去・回収装置を用いて行った。
実施例2と同様にして作成したナノ構造を有する多孔質体に、109個/mlの濃度で大腸菌を展開した後、これを水晶振動子で計測し、相対質量基準とした。この固定化大腸菌に、1ppmの濃度に調整された銀イオン含有溶液を30分間接触させた。この後、水晶振動子で重さを測定すると、相対的に約1mgの質量の増加が認められた。この数値は計測器を通じて外部出力され、視覚的にその量を把握することができた。
また、実施例2と同様にして得られたナノ構造を有する多孔質体に109個/mlの濃度で大腸菌を担持させたものを用意し、銀イオン1ppmと銅イオン1ppmとを含む金属類含有溶液を10分間接触させた。得られた処理液の残留金属分析を、原子吸光度計を用いて行ったところ、銀イオンは検出限界以下であったが、銅イオンは800ppbの濃度で検出された。つまり、銅イオンは菌体への進入に時間がかかっていることが分った。
このような濃度計測結果をデータベース化して、それぞれ固有のイオンの菌体への進入速度とその濃度を数値化することで、実際に菌が吸収する金属の重さを測定し、簡易的にイオン種ごとのマルチチャンネルセンサーを開発することができた。
本実施例は、図4に示すような金属類の除去・回収装置を用いて行った。
大腸菌からリボソーム画分を得るために、超遠心分離装置(日立社製;CF15RXE)を用いた。先ず、遠心分離(15,000 rpm/18,800G/3分/4℃、またはスイングローターを使い4,000 rpm/2,900G/20分/4℃)により2 mlの遠心管に回収した大腸菌(100 mg程度)を、氷中で1 mlのPBS(50mM/pH7.4)に懸濁した。その後、超音波破砕装置(UH-50型、50W/20±3kHz、MST社製)を用いて30秒間氷中で菌を破砕し、これを4回繰り返した。得られた溶菌液を遠心分離(13,000 rpm/9,000G/10分/4℃、CS150GXL)して沈渣(菌の残骸)と上清(細胞質やリボソーム等)に分画した。上清をさらに超遠心分離(50,000 rpm/10,500G/60分/4℃、CS150GXL)して沈渣(リボソーム)と上清(細胞質可溶性成分)に分画した。得られた沈渣にPBSを添加し、ボルテックスにて溶解させることにより、リボソームだけを単離した。
実施例3で作製したセンサーを更に高感度化、小型化するために、得られた大腸菌のリボソーム画分を上記と同様のナノ構造を有する多孔質体に担持させた。得られた固定化リボソームに銀イオン含有溶液を作用させ、その後、磁石を用いて固定化リボソームを下地(共通)電極上に移動させた。そこへ上部電極としてプローブを接触させ、導電性の変化を観察した。銀イオン含有溶液を作用させなかった場合のコンダクタンス(A/V;Ω-1)は1μΩ-1であったが、銀イオン含有溶液を作用させた場合は45μΩ-1であり、リボソーム内に銀イオンが取り込まれたことがわかる。
本実施例は、図5に示すような金属類の除去・回収装置を用いて行った。
実施例2でも述べたように、ナノ構造付与後の多孔質体は導電性であるので、磁界を用いてハンドリングが可能である。そこで、10ppmの濃度の銀含有溶液と接触させた固定化微生物を、磁界を利用して回収した。回収された固定化微生物は、担体である珪藻土の耐熱性が高いため、そのまま500℃で燃焼しても珪藻土は分解しない。燃焼により菌体を除去すると、菌体が保持していた銀イオンが凝集して数nmの微粒子を形成していた。これは集束イオンビーム装置によりサンプリングを行い、EF-TEMにて解析を行うことで確認された。
金属類の取り込みに伴う微生物生菌数の変化
本実施例において、特定の濃度の金属イオンを含有する金属類含有溶液と特定の時間接触させた後の微生物の生菌数の変化を調べた。
実施例1で用いたのと同じ大腸菌を、実施例1で用いたのと同じ金属類の除去・回収装置の処理容器中に、金属類含有溶液と混合後の最終濃度が5×107CFU/mlとなるように投入した。実施例1と同様の方法で銀イオン含有溶液を調製し、最終濃度が50ppbまたは900ppbとなるように上記の処理容器中に入れた。室温で30分、3時間および15時間経過後にサンプルを回収して、平板培養による集落形成単位(CFU)として生菌数を計数した。結果を表1に示す。
Figure 0004856961
表1の結果から、金属類含有溶液との接触時間に依存して生存微生物数が減少することがわかる。また、生菌数の変化の割合は、金属イオンの濃度に依存することもわかる。
本発明の金属類の除去・回収装置として、図6に示すような装置を作製する。
この金属類の除去・回収装置における各機能をフローチャートにして図7に示す。金属類を含有した溶液が入力手段となり、処理容器中の微生物または細胞小器官により、金属類を吸収させ、その反応作用に応じた重量変化、化学的活性、熱的特性、光学特性などの変化量を情報として取り出し、必要に応じて微生物または細胞小器官を除去することにより、金属類を回収して反応・評価手段とする。そして、出力手段として入力手段に含まれていた金属類から、反応・評価手段の結果、金属類が回収された溶液を出力手段として供える装置構成が確立された。
本発明の金属類の回収方法により、家庭排水などに含まれる微量の金属類が生態系に流出することを防止することができ、また、該回収方法に用いられる技術を利用して超高感度な生態系に適合したセンシング技術を開発することができ、人間や自然界にとってより安全な形での生活空間を提供することが可能な装置・システムの提案をすることができる。
図1は、本発明の金属類の除去・回収方法で用いることができる、微生物を固定化せずに用いる金属類の除去・回収装置の例を示す。 図2は、本発明の金属類の除去・回収方法で用いることができる、微生物を固定化して用いる金属類の除去・回収装置の例を示す。 図3は、本発明の金属類の除去・回収方法で用いることができる、固定化微生物の重量の変化の検出により金属類を検出する金属類の除去・回収装置の例を示す。 図4は、本発明の金属類の除去・回収方法で用いることができる、微生物内に存在する細胞小器官(オルガネラ)のみを固定化して用いる金属類の除去・回収装置の例を示す。 図5は、図3の金属類の除去・回収装置で用いることができる、金属を取り込んだ微生物を回収する実施形態を示す。 図6は、本発明の金属類の除去・回収装置を模式的に示した図である。 図7は、図6の金属類の回収装置における各段階を表すフローチャートである。 図8は、本発明の金属類の除去・回収剤を収納した容器を洗濯機に用いる場合の一形態を示す。
符号の説明
1 微生物
2 金属イオン含有溶液
3 処理容器
4 担体
5 水晶振動子センサーヘッド
6 オシレーター
7 外部表示部
8 プローブ
9 固定化細胞小器官
10 電極付き基材
11 磁石
60 導入容器
61 処理容器
62 回収容器
63 第1の移動制御手段
64 第2の移動制御手段
65 電極
66 センサー
70 洗濯機
71 排水口
72 金属類の除去・回収剤を収納した容器

Claims (8)

  1. 遺伝子操作が行われていない大腸菌のリボソームと10ppb以上10ppm未満の銀を含有する溶液とを接触させて該溶液から銀を除去することを特徴とする銀の除去方法。
  2. 遺伝子操作が行われていない大腸菌のリボソームと10ppb以上10ppm未満の銀を含有する溶液とを接触させて前記リボソームに該溶液中の銀を吸収させ、次いで前記リボソームから銀を回収することを特徴とする銀の回収方法。
  3. 前記銀を含有する溶液中の銀イオンの濃度が、1ppm未満である請求項1または2に記載の方法。
  4. 記リボソームが担体に固定化されてなる請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
  5. 10ppb以上10ppm未満の銀を含有する溶液および遺伝子操作が行われていない大腸菌のリボソームを導入するための導入部と、該導入部から導入された前記銀を含有する溶液と前記リボソームとを接触させる処理容器とを備えることを特徴とする銀の除去・回収装置。
  6. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法を用いて銀の除去・回収を行う請求項に記載の銀の除去・回収装置。
  7. 遺伝子操作が行われていない大腸菌のリボソームからなる10ppb以上10ppm未満の銀を含有する溶液からの銀の除去・回収剤。
  8. 請求項に記載の銀の除去・回収剤が容器に収納され、洗濯機、食器洗浄器または浴室の排水口に設置されて使用される銀の除去または回収剤。
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