JP4856633B2 - 植え込まれたデバイス及び物質への拒絶反応を最小化するための電界を印加する装置 - Google Patents

植え込まれたデバイス及び物質への拒絶反応を最小化するための電界を印加する装置 Download PDF

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Description

本発明は、植え込まれた医療デバイスの表面に隣接して、線維状カプセル(fibrous capsule)が形成されることを抑制するための電流の利用に関する。カプセルの形成が抑制されると、植え込まれたデバイス及びその周辺組織、又は植え込まれたデバイスの表面と周辺組織との間にある内部ルーメン(interior lumen:内腔)への液体の移動又は内部ルーメンからの液体の移動が容易になる。そのような電流を用いる医療デバイスは、哺乳動物の体内での使用を意図した、薬物送達システム/デバイス又は生体液サンプリングシステム/デバイスの一部であってもよい。本発明は、独立型の装置として、又はより大きな医療機器又はシステムの一部として、電流を供給するための装置を提供するものである。
哺乳動物の体内に植え込まれたデバイスの寿命を制限するのは、物質に対する生体の拒絶反応であり、この反応は「異物反応」と呼ばれている。この異物反応は、導入された物質に対する反応であり、生体によって引き起こされる事象のいずれか又はすべてを含んでいる。この反応には、限定されるものではないが、炎症反応、マクロファージ又はその他の創傷/修復細胞のその位置への移行(migration)、周辺組織における細胞型の変化、それらの形及びレベルで特定の組織内で通常観察されない線維状たんぱく質及び関連する物質の析出、及び生体による線維状カプセル形成に起因するデバイスの囲い込み(walling off)又はカプセル化(encapsulation)が含まれる。
この拒絶反応をサポートすることができるデバイス、例えばカプセル化された時に、完全に機能的な状態で存在することができるデバイスにとっては、生体の異物反応は妨げとはならない。機能の一部として必要なカテーテル、ポート又はその他の液体送達ポイントなどのデバイスに関しては、デバイス及び周辺組織内の内部又はルーメンスペースへ又はルーメンスペースから液体又はその他の物質の通過に対する障害が最小であることが重要である。しかし、両方のクラスのデバイスでは、拒絶反応の最小化は、生体内におけるデバイスの有効寿命をできるだけ引き延ばすための手段である。
今まで、この拒絶反応は、生体による受け入れを促進することができる、生体と接触する物質の組成物の使用、デバイスの表面の選択的なコーティング及び/又は改良によって最小化されてきた。例えば、Joseph及びTorjman(米国特許番号 6,471,689)は、2分子膜の使用が新生血管の形成を促進し、カプセル形成を最小化することを開示している。それ自体で拒絶反応を制御するような消極的な手段は、必ずしも効果的ではないことが実証されている。
導入された異物や物質に対する生体の反応を考慮すると、事象のカスケードは、傷の治癒反応に関連した生物学的事象に続くと考えられる。電界の印加は、傷の治癒に関連するプロセスを加速することに成功裏に利用されてきた。Millerによって、軟組織の創傷治癒(wound heeling)を促進するために、治療サイクルを通して極性を変化させる、パルス型電気刺激を利用することが開示されている(米国特許番号 4,846,181)。軟組織及び骨の両方の治癒過程を加速する手段又は可能にする手段としては、様々なテクニックを利用することができる。(例えば、 Chapter 21, Sussman, C and Byl, NN, "Electrical Stimulation for Wound Healing" in Wound Care, 2nd Edition, Sussman C and Bates-Jensen, BM, editors, Aspen Publishers, Gaithersburg, MD 2001, 及びそこに引用された文献参照)。しかし、今まで、創傷治癒拒絶反応(wound healing response)(及び暗に、その後の線維状カプセルの形成)を遅らせるか又は抑制することに対する電流の利用に関しては、記載されていなかった。
創傷治癒拒絶反応を抑制する手段として、電界を利用することが、J.D.Reichらの研究によってサポートされている(J Amer Acad Derm1991; 25: 40-6)。そこで、彼らは、皮膚に印加された電界を用いることによって、皮膚の傷における肥満細胞浸潤物(mast cell infiltrate)を2倍減少させられることを立証している。
別の電力の適用について、Riseによって、注入カテーテル内で、組織内成長(tissue ingrowth)を遅らせるか又は防止するために、植え込みデバイスの表面に静的な表面電荷を利用することが開示されている(米国特許番号 5,853,424)。そのような電荷は、化学的手段又は電位ソース(source of electrical potential)の適用による電気的手段を用いることによって発生させることができる。
これらの従来の努力にもかかわらず、植え込みデバイスの組織内成長及びカプセル化は、重要な課題のまま残っている。また、皮膚の表面下に配置される医療デバイス及びシステムについては、生体のカプセル化反応を最小化する方法及び装置を改善する必要性が残されている。
本発明は、皮下の一部又は全体に位置する物質、デバイス又はシステムに対する生体の拒絶反応を抑制するために電界を印加する装置に関する。この装置では、生体内に導入されたデバイスのクリティカルストラクチャ(critical structure)又はフィーチャ(feature)に近接して位置する1つ以上の第1電極から、別の場所に位置する1つ以上の第2電極へ電流が通電される。その電流は、実質的に直流でもよく、脈動流(pulsatile)でもよく、パルス周波数は、0.1〜1000Hz、電流密度は、0.01mA/cm〜100mA/cmの範囲であり、さらに、前記第1電極が半透過性構造体によって組織と分離され、前記第1電極の表面と前記半透過性構造体の組織側の表面との間隔が1μm以上である。
本発明は、さらに、生体の拒絶反応を抑制するために、皮下の一部又は全体に配置されたデバイスに対して、電界を印加するための装置を備えている。その装置は、生体内に導入されたデバイスのクリティカルストラクチャ又はフィーチャに近接して、皮下に位置する1つ以上の第1電極、及び別の場所に位置する1つ以上の第2電極を備えている。また、少なくとも1つの第1電極から少なくとも1つの第2電極に、組織を介して電流を通電するための少なくとも1つの第1電極及び少なくとも1つの第2電極に接続された制御回路及び電源を備えている。
本発明は、多くの異なった形態で実施することが可能であり、以下に記載する実施の形態に限定して構成されるものではない。さらに、本発明の様々な実施の形態は、総合的な発明の範囲の一部として、1つ以上の別の態様と組み合わせることができる。当業者であれば、実施の形態によって記載された本発明の基本的思想及び手段を容易に理解できるであろう。
定義
1.生体液(Biofluids):細胞外環境で見られる液体で、例えば、間質液(interstitial fluid)、脳脊髄液(cerebrospinal fluid)などであり、限定されないが、タンパク質、ホルモン、栄養素、電解質、異化生成物(catabolic products)又は導入された異物など、様々な物質を含み、対象の生体全体に見られる液体である。
2.デバイスのクリティカルストラクチャ/フィーチャ(Critical structures/features of devices):細胞、タンパク質、線維状カプセルの存在、又はその他の液流(flow)の制限又は遮断が、対象とするデバイスの性能を低下させるところに位置するデバイスのあらゆる部分。例えば、これらの部分は、液体の流入部又は流出部、センサの位置などに関連している。
3.デバイス(Device):この発明に関連するデバイスは、装置(apparatus)、機器(instruments)、システム、構造物(structures)、物質(materials)、又はホストボディー(host body)に対してノンネイティブなその他の対象物を意味し、対象の生体における1つ以上の皮下領域(subdermal regions)における一部又はすべてのいずれかに配置された、組成が無機又は有機のものである。
4.電気泳動(Electrophoresis):分子又は粒子(実効電荷を有する)の電界の影響下における移動。
5.皮下(Subdermal):皮膚の下。本発明に関しては、この領域には、対象の生体内に位置する組織、臓器、腔(cavities)、液体(fluids)、血管又は接続構造(connective structures)などが含まれる。また、この関係では、皮下には、マイクロデリバリ針などのデバイスによって穿孔されるか、貫通される真皮(dermis)領域も含まれる。
6.対象物(Subject):生体内及び/又は生体上に1つ以上のデバイスを有する人間又は哺乳動物。
本発明は、一般に、植え込まれた薬物送達デバイス及び生体液サンプリングデバイスに対する生体の拒絶反応を抑制するための新規な電界の利用に関する。特に、本発明は、様々な形、振幅又は周波数(periodicities)の電流を通電するための装置に関する。本明細書に記載された発明は、皮下システムによって、生理的状態を長期間継続して、又は定期的に監視すること、又は皮下システムによって、デバイスによる治療薬投与を可能にする装置を提供する。
以下に、さらに詳細に説明するように、本発明に係る実施の形態では、植え込まれた医療デバイスのクリティカルストラクチャ又はフィーチャに近接して1つ以上の第1電極が位置すること、デバイスの性能に対してクリティカルではない領域に1つ以上の第2電極又は対向(counter)電極が位置すること、クリティカルストラクチャ少なくとも1つの電極及び少なくとも1つの対向電極を活性化して回路を完成すること、続いて起こる荷電分子の移動及び/又は生体の拒絶反応に関係する細胞又は細胞状物質を管理(direction)すること、又はクリティカルストラクチャ少なくとも1つの電極から、少なくとも1つの対向電極へ電流を通電することにより、クリティカルな位置から機能が損なわれたデバイスの機能を活性化させることを含んでいる。本発明においては、デバイスの性能に対してクリティカルな医療デバイスのクリティカルストラクチャ又はフィーチャには、周辺組織に露出したデバイスの表面又は領域が含まれ、デバイスと組織との間に液体の流路を必要とするか、又は、光学的センサなどの周辺組織にアクセスする必要性を有するかのいずれかである。また、線維状カプセルの存在がデバイスの最適な性能を低下させる。
皮下のデバイス又は物質であるクリティカルストラクチャ又はフィーチャ、例えば、輸液サイトに近接した少なくとも1つの第1電極を活性化すること、及びこの位置から離れて位置する少なくとも1つの第2電極を有することによって、デバイスに対する囲い込み(walling off)、カプセル化、閉塞(clogging)又は異物反応(foreign body response)に関係する、チャージされたシグナル伝達ペプチド類、たんぱく質、又は線維芽細胞(fibroblast)、マクロファージ、肥満細胞などのある種の細胞型が、クリティカルストラクチャから物理的に移動又は方向付けられ、それによって、これらのチャージされた種によって開始された拒絶反応プロセスが、医療デバイスに悪影響を及ぼすことへの拡大が制限される。
この電気泳動技術は、表面の改質(modification)、局所的な静電荷など、拒絶反応を最小化するために以前採用されていた受動的なアプローチとは実質的に異なる。そのために、医療デバイス又はその部分に対する拒絶反応及び/又はカプセル化を最小化するために、それ自体又は1つ以上のこれらとは別の技術との組合せで用いることができる。
拒絶反応及びそれに続く線維状カプセル化を最小化する基本的事項は、このアクティビティを制限する新たな活性化手段として電界を利用することである。そのために、特に、電気泳動法を用いる技術が採用される。電気泳動法は、この技術分野では、生化学及び関連する分野におけるいくつかの分析ツールの基本的技術としてよく知られている。本発明では、電気泳動法は、デバイスのクリティカルな位置、表面及び周辺領域からの拒絶反応に関係する生体物質(例えば、タンパク質、変性蛋白質又は特定の細胞型)を移動させるための手段又は管理するための手段として用いられる。
電気泳動は、電界の影響を受けることによる、分子又は粒子(実効電荷を有する)の移動である。電気泳動における移動及び運動性の基礎となる力はよく理解されている。この技術は、細胞内液及び細胞外液の両者へ荷電種を送達するためのデバイス、及びその方法に適用されてきた。しかし、電気泳動法は、導入された物質、構造又はデバイスに対する生体の異物反応を制限又は防止するための手段としては利用されていなかった。
電気泳動法の使用によるクリティカルストラクチャ又はフィーチャの近辺で、線維状カプセルの形成を含む、創傷治癒カスケード及び/又は異物反応に関係する、たんぱく質、信号伝達ペプチド、特定の細胞型など、これらの生体物質の局在化を防止又は低減することによって、拒絶反応(カプセル化)又は閉塞が完全に制限又は排除され、植え込まれたデバイス又は物質の有効寿命をより長くすることができる。
通常、信号伝達ペプチド類などのタンパク質及び分子は、生理的pH(pH:7.0−7.5)において実効電荷(net charge)を有する。信号伝達ペプチド又は分子は、このような関係において、例えば、化学誘引物質としての動きなどの事象のカスケ−ドを開始するそれらの分子の存在に関係し、デバイスの近傍への細胞移動又は拒絶反応などに関係するコラーゲン又はその他の物質の誘発された析出を起こさせる。本明細書に記載されたシステムは、閉塞又は損なわれた機能に関係するこれらのチャージされた生体分子のすべて又は一部を、生体内でデバイスの性能又はデバイス全体の寿命のいずれかを支配するクリティカルなデバイスの位置から離脱するように移動させることができる。より正確には、電界は、チャージされた分子又は細胞型を移動させるために用いられる。それらの分子又は細胞型は、それら自体でクリティカルフィーチャを構築して閉塞を生じさせるか、又は異物に対する生体の拒絶反応に関係するかのいずれかの作用がある。
一般に、移動速度は、印加された電界に依存し、溶液の粘性に逆比例する。また、タンパク質とペプチド(又は拒絶反応に関係する他のチャージされた生体分子)の移動は、印加された電界及び溶液の粘性以外の多くの因子にも依存することに注意しなければならない。特に、生体分子の成分(例えば、アミノ酸又は他のチャージされた部分)及び三次元構造内におけるそれらの位置は、生体分子の外形寸法及び形と同様に、与えられた局所的なpHにおける生体分子の実効電荷を決定する。また、生体分子の電気泳動による移動性は、生体分子の実効電荷に比例し、生体分子の大きさに逆比例する(さらに、形にも依存する)。
上記の考慮すべき事項に加えて、周囲の媒体のイオン組成が、問題の生体分子に対する電界の効果を決定する。すなわち、イオン強度の低い媒体では、マイナスにチャージされたタンパク質などの荷電分子の動きは、その対イオン(例えば、Naイオン)から離れることになる。この状況では、チャージ分離力は、生体分子の電気泳動移動に対抗するように作用し、溶液を介する生体分子の移動を妨げる。一方、間質液などのイオン強度が高い媒体では、多数の対イオン(例えば、Naなどのカチオン)が存在する。この環境下では、溶液中の対イオンの存在量が多いので、生体分子の移動は、対イオンのロスによって妨げられることがない。しかし、そのように多量の対イオンが存在すると、それらの対イオンは電界から生体分子をシールドするイオン「雲」となるため、生体分子の力、すなわち測定される生体分子の速度を低下させる。場合によっては、イオン種自体(例えば、Mg++又はCa++)が、直接的又は間接的に、カプセル形成に関係する細胞型の運動性を支配するか又は運動性に影響を及ぼす。したがって、電流は、信号伝達分子、ペプチド、イオン及び創傷治癒カスケード及び最終的には線維状カプセルの形成に関係する、その他の媒介物の性質及び相対量に影響を及ぼす。
一方、組織を介する電流の供給は、特定の細胞型の運動性に直接影響を及ぼす。すなわち、電流が流れることによって生じる電界の方向及び強度は、生体外及び生体内における内皮細胞及び線維芽細胞など選択細胞型の移動を誘導することが示されてきた。特に、線維芽細胞は、供給された電流の影響下で、陰極に向かって移動することが示されてきた。また、線維芽細胞は、移植物を囲む線維状カプセルを形成するコラーゲンのバルクの生成に関与すると考えられる。
したがって、本発明に係る1つの実施の形態では、デバイスのクリティカルフィーチャに近接する1つ以上の第1電極が、カソード(マイナスのバイアス)として機能する1つ以上の第2電極(対極)に対するアノード(プラスのバイアス)として機能する。全体としては、供給された電流の作用は、創傷治癒カスケードにおける特定のキー信号伝達分子に直接影響するか、又はこの電流が流れることによって生成した電界が、創傷治癒カスケードに含まれる細胞の移動性に影響を及ぼす。供給された電流の正確な形、振幅及び極性は、含まれる組織/細胞型によって決定され、本発明の範囲は、これらの実施の形態のいずれにも限定されない。
溶液を介して電流を通電するプロセスでは、供給される電流の性質と量、及び用いられる電気活性化面(例えば、電極)の大きさ/タイプに依存して、いくつかの有害な副作用が生じる可能性がある。これらの副作用のうち、主なものは、アノードとカソード(それぞれ)における酸及び塩基の生成、電極面に近接した高反応性電解ゾーンの形成及び電極における気泡の生成の可能性である。これらの潜在的に有害な影響を処理する能力は、本明細書に記載された発明に追加される新規で非自明な態様を表している。
電極/電解質界面に流れる電流の導入は、抵抗に並列なキャパシタとして通常モデル化される(図1)。このモデルでは、電極5と周囲の液体又は電解液20との間の境界が、破線25によって表されている。キャパシタ15は、境界25で形成される電解液の二重の層(double layers)によるキャパシタンスを示し、抵抗10は、電極面における化学種によるファラデー反応を示している。この簡単なモデルに基づくと、有害なアクティビティを可能な限り抑制するか、又は最小化する効果的な手段は、高周波電気信号がキャパシタを通過するように、脈動型の電流を通電することである。そのようなことを行うことによって、ファラデー反応が最小化され、有害な物質(agent)の生成が少なくなる。
脈動電流は、通常、パルス周波周期(別名、デューティサイクルとして知られている)の間の振幅、パルス周波数、及びオンオフ時間割合によって特性が示される。さらに、電極材料及び電流密度とともに、周囲の電解液、例えば、間質液、脳脊髄液などの組成及び粘性が、電解副生物の性質及び生成量に影響を及ぼす。
本発明に係る好ましい実施の形態では、脈動直流電流(pulsatile DC current)が、有害な物質の生成の可能性を最小化するために用いられる。本発明に係るこの実施の形態では、パルス周波数は約0.1Hz〜1000Hz、デューティサイクルは約0.1%〜10%、電流密度は約0.01mA/cm〜100mA/cmである。しかし、本発明に係るより広い範囲は、これらの実施の形態及び条件によって限定されることを意図していない。その他の条件、物質及び構造が、以下のセクションで説明されるのと同様に用いられ、直流電流の連続的な供給を含む、より広い電流の範囲及びパラメータが許容される。
pH:電気泳動アクティビティによって水が電気分解され、電極の近傍に酸又は塩基のいずれかが形成される(例えば、アノードに酸H、カソードに塩基OH)。ある場合には、生成した塩基又は酸は、周辺の液体のバッファリングキャパシティを制圧し、実質的に局所的なpHを変化させ、周辺の組織及び細胞に逆の影響を及ぼす可能性がある。この酸又は塩基の生成を改善する1つの実施の形態は、電極の極性が周期的に逆転する、改良された電気泳動法を採用することである。すなわち、この電気泳動法は、実質的には性質上直流電流(DC)であるが、断続的に電極の極性を変化させることにより、現在は酸の生成サイトであった電極が、次に塩基生成のソースになる。そして、逆もまた同様である。この極性のスイッチングが周期的に行われると、逆のpH効果が実質的に排除され、荷電種の正味の移動に対する影響を最小にする。すなわち、極性の逆転は、チャージされた生体分子が、実質的にそれらの初期の位置に移動するような短い周期である。本発明に係る1の実施の形態では、極性は、生成した酸又は塩基の中和を図るために、パルス周期の時間、電流の振幅などにより非対称の形で反転される。
本発明に係る別の実施の形態では、構造の一部としての別のバッファリング部材又は送達される溶液として別のコンパウンドのいずれかが提供される。すなわち、デバイスの構造は、生成した酸又は塩基が直ちにその物質と結合し、それによってこれらの反応性種を中和するように、酸/塩基とのバインダとして部分的に機能する物質で構成される。そのような物質には、ストラクチャルカーボネート(structural carbonates)又はイオン交換樹脂のコーティングが含まれる。一方、生理的pHに調整され、追加されたバッファリングキャパシティを有する溶液が供給されると、発生した酸又は塩基が、この追加されたバッファリングキャパシティによって吸着される。この方法は、発生した酸又は塩基の影響を打ち消すために、単独又は上述の交互変動極性との組合せで用いることができる。
しかし、ある環境では、周辺組織におけるpHの変化は、デバイスの機能を維持するのに有利である。例えば、周辺構造におけるイオン結合、塩橋又は弱い共有結合の破壊が生じないように作用する。本発明に係るそのような実施の形態では、生成した酸又は塩基をバッファする必要性がないか、又はさもなければ制限され、酸又は塩基の生成は望ましい結果となる。
電気分解ゾーン(Electrolysis Zone):水分子の電気分解又はブレーキングダウン(breaking down)プロセスにより、電極の表面からオーバーレイスペース内に拡がる数100ナノメートルまでの高反応ゾーンが形成され、そのプロセスは、その他の因子の中で、電極の構造、電極の電位及び溶液の組成に依存する。このゾーンは周辺組織に直接害があるか、又は電気分解プロセスは、抗原性種(antigenic species)を発生させるラジカルの形成による拒絶反応を含んでいる。本発明に係る1つの形態では、電極が、電解液の影響を軽減するように、周辺組織から十分な距離、例えば約1μm以上隔てられた電極表面上に、電気的にアクティブな面を有している。それによって、強い破壊的な環境からその組織が分離(segregate)される。本発明に係るこの実施の形態では、電極は、半透過性構造体又はゲルで被覆され、それによって組織から物理的に分離される。本発明に用いられる半透過性構造体は、電極と周辺組織との接触を物理的に分離するとともに、電極の表面への液体及び小さな分子のアクセスを提供するものであり、その構造体には、メンブレン(membrane)、メッシュ又はゲルがある。したがって、その構造体の孔の大きさは、周囲の細胞及び組織の大きさ未満でなければならない。一般に、このことは、孔のサイズが直径10μm未満であることが望ましいことを示している。本発明における別の実施の形態では、より大きな孔のサイズが、液体の長いパス又はねじれ率(tortuousity)によって相殺されるために、非常に大きな径、例えば1mmの径を有するメッシュ又はポリマの使用が許容される。
また、この半透過性構造体は、デバイスの内側又はルーメンスペースとデバイスの外側との間の仕切りとしての役割も果たす。本発明に係るさらに別の実施の形態では、半透過性構造体は、デバイス内における別の役割、例えば、液体送達手段又はサイト(図2)としての役割、又は周辺組織の内部成長(ingrowth)及び新生血管形成に関するサポートを提供する機械的構造としての役割を果たす。
図2は、ルーメンスペース50を有する液体送達デバイス80(例えば、カテーテル状のデバイス)の一端部を示す図である。このルーメンスペース内における半透過性構造体70の下には、第1電極60が位置している。この第1電極は、絶縁線63によって、電源/制御ユニットに接続されている。デバイスの外側には、第1電極と同じ電源/制御ユニットに、絶縁線68によって同様に接続された第2電極65が設けられている。電流は、電極の活性化により、第1電極60の表面からルーメンスペースに存在する液体に流れ、半透過性構造体70及び周辺組織55を通って第2電極65に到達し、それによって回路が形成される。活性化の方向又は極性は、この電気経路(pathway)の説明に含まれないことに注意されなければならない。また、半透過性構造体は、矢印75によって示されるように、デバイス内部のルーメンスペースから液体を移送するサイトとしての役割を果たしている。カテーテルのルーメンスペースから流出する液体は、パス内の半透過性構造体70を通り、デバイス80から周辺組織55に流出する。
別の実施の形態では、限定されるものではないが、デバイスの外面に、構造内の電極の位置決め部、例えば、幅の狭いチャネル又はグルーブを含んでいてもよい。また、電極は、周辺組織又は細胞が電気分解ゾーンに直接接触しないように、デバイス内に位置していてもよい。
ガス生成(Gas Generation):電気泳動法におけるその他の副生物に、電極におけるガス生成がある。水溶液では、マイナスにバイアスされたカソードで通常水素が発生し、プラスにバイアスされたアノードで通常酸素が発生する。発生するガスの量は、用いられる電流に依存する。単位面積当たりのガス発生速度が十分低い場合には、発生したガスは、気泡を形成することなく周囲の液体に溶け込む(これは、他の因子の中で、単位面積当たりの電解速度、電極の組成、電極の表面粗さなどに依存する)。しかし、生体の拒絶反応を最小化するために、より大きな電流が要求される場合には、気泡形成を回避するとともに、生体分子を移動させる(mobilize)のに必要なより大きな電流に適応するように、電極全体の大きさ、電極の形状及び数が変更される。したがって、本発明に係る1つの実施の形態では、周囲の液体へのガスの拡散を容易にするために使われる電流に比例して、電極の表面積を広くすることによって、気泡形成が最小化される。また、一般に、そのような表面積の拡大化は、電極の電荷伝送特性にとって有利である。特定の環境では、ガス発生(特に酸素)は、周辺組織にとって有益である。その理由により、電気分解が用いられる(例えば、米国特許番号 6,368,592及び5,788,682)。したがって、本発明に係る1つの実施の形態では、カプセル形成を最小化するための電界の利用に加えて、ガスの発生は望ましい結果である。
気泡形成を最小化する別の実施の形態は、ガスが発生した時にガスを吸収する物質(agent)を用いることである。これは、電極としても使われる物質を使用することによって達成される。この手段は特定の金属を伴う場合であり、それらの金属には、例えば、発生した酸素の存在下で酸化物を形成する、プラスにバイアスされる電極(アノード)に用いられるチタニウム又は白金、又は水素を吸収する、マイナスにバイアスされる電極(カソード)に用いられるパラジウムがある。また、これらの物質は電極の近くに位置するものであるが、必ずしも電極としての役割を果たす必要はない。例えば、問題のガスを吸収するメッシュ又は電極を覆う構造体であってもよい。
ガスの発生及びそれに続くバブリングを解決するための第3のアプローチは、電極又は構造体が一方側に生体液に接する半透過性構造体を備え、他方側に発生したガスのエスケープ又は隔離用のチャンバを備えることである。そのような構造体は、例えば、メンブレン、メッシュ又はブラシ状の構造体であり、一方側で発生したガスが通り、他方側で液体を介して電流が流れるようにするものである。ガスは、導管手段(conduit means)を介して生体の外側へ排出されるか、又はリザーバタンクに貯蔵される。このリザーバタンクは、発生したガスを吸収することによって容量及び圧力を低下させることができるように、別の薬剤又は物質を含んでいてもよい。この実施の形態に関するその他の改良には、電解副生物、特に発生した酸又は塩基を分離するために、メッシュ又はメンブレン構造体に、イオン交換物質などの別の薬剤を含ませる方法がある。
電極
電気泳動回路は、様々な形状及び組成を有する1つ以上の電極を用いることによって完成される。好ましい実施の形態には、デバイスのクリティカルストラクチャの少なくとも一部を構成するか又はそれに近接する少なくとも1つの第1電極、及び少なくとも1つの第2電極又はデバイスの機能に対して非クリティカルな領域に位置する第2電極がある。
電解液及び液体は、第1電極と第2電極との間の電気的接続手段を構成する周辺組織によって提供される。本発明に係る特定の実施の形態では、第2電極は対象の皮膚又は生体の外側に配置される。そのような実施の形態では、第2電極から皮下領域への電気的接続を維持するために、電気的接続を確実にする手段(例えば、塩分を含んだ溶液又は導電性ゲル)が、通常存在している必要がある。
本発明に関しては、近接とは、通常、電極とクリティカルフィーチャとの間の距離を意味する。例えば、第1電極は、デバイスのクリティカルストラクチャの一部を構成する。または、近接とは、第1電極とデバイスのクリティカルフィーチャ又はストラクチャとの間の距離で、数センチメートルに達する。そのような状況下で、電流振幅、デバイスの形状などの因子に加えて、組織を介する電気的パスが、第1電極とクリティカルフィーチャ又はストラクチャとの間の距離又は間隔に著しい影響を及ぼす。
本発明に係る別の実施の形態では、複数の第1電極及び第2電極が用いられる。これらの実施の形態では、これらの電極の活性化は、定義された順序であるのがよく、生体物質の移動(mobilization)を容易にするために、いずれかの時点で、特定のバイアスを有する1つ以上の電極を含んでいる。別の1つの実施の形態では、一連の電極が、カテーテルのような管状のデバイスの周囲に、同心のバンドとして配置される。これらの電極のセットを波状パターンで連続的に活性化することにより、荷電物質又は細胞型が、輸液サイトなどのクリティカルフィーチャから、デバイス上の非クリティカルな位置に向けて遠ざけられる。この操作は、物質のこの動きを容易にするために繰り返し行われる。そのような電極の態様に関するバリエーションは、継続する炎症性アクティビティ又は機械的な損傷のどちらかに起因するといえるデバイス上の線維状カプセルの形成を制御するために、1つの時間周期、例えば、数日又は数週間にわたり1セット以上の電極を連続的に活性化させることを含んでいる。さらに別の実施の形態では、同じようにバイアスされた電極が、デバイスの2つ以上のクリティカルフィーチャに配置され、対向電極が別の位置に配置されている。この配置は、拒絶反応が同時に多くの点で発生することを抑制するのに有効であり、それによって、デバイス全体の性能が向上する。
電極は、限定されるものではないが、導電性又は半導電性の物質で構成される。それらの物質には、金、白金、パラジウム、銀又はチタンなどの金属、有機導電性ポリマ、導電性ゲル又は銀含浸ペーストなどのエポキシ、黒鉛、カーボンナノチューブ又は混合組成ナノチューブ、ドープトシリコン又は他の半導体構造、又はMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)のようなプロセス又は方法を利用して製造された構造物など、不活性かつ導電性物質で構成された層状/混合形態の構造、例えば、高抵抗基板上に金属層又は金属セクションを有するミクロ加工構造体がある。電極の構成に用いられる好ましい物質は、通常白金又は白金合金である。
電極は、デバイスの内面又は外面のいずれかの上にパターン化されているか、貼付されているか、デバイス又はクリティカルストラクチャから離れて位置しているかである。本発明に係る装置を用いるデバイスの一実施の形態では、第1電極は、デバイスのクリティカルフィーチャ、例えば、液体の投与部位(access site)の構造内に組み込まれる。一方、第2電極は、デバイス上のほかの場所に位置している。本発明に係る別の実施の形態では、第1電極は、デバイス上の1つ以上のクリティカルな位置に近接して配置されるが、デバイスの構造の一部を形成するものではない。すなわち、1つ以上の電極は、デバイスのクリティカルフィーチャに近接して位置し(ただし、デバイス上ではない)、それによって、これらのデバイスのクリティカルストラクチャ又はフィーチャから、閉塞又は拒絶反応に関係する生体分子/細胞を移動させる(mobilize)のに必要な電気泳動アクティビティを提供する。
さらに別の実施の形態では、第1電極はデバイスの構造上に位置し、一方、第2電極は、第2の導入された構造又は物質上、例えば、導入された第2電極又はその機構の一部として第2電極を有する第2のデバイス上に位置する。そのようなシステムでは、組織の導電性によって提供される電気経路に加えて、外部の電気的接続又はその他の形の電気的接続によって、第1電極と第2電極との間に回路が形成されることが必要である。別の実施の形態では、第1電極、第2電極がいずれもデバイスの構造の一部ではなく、デバイス又はデバイスのクリティカルフィーチャに近接して位置している。
本発明に係る好ましい実施の形態では、電極の形は、例えば、周囲の媒体に露出した1つの面と、下部の構造によってサポートされたもう一方の面とを有し、形状が主として平板状である。しかし、電極に関する別の実施の形態も考えられる。それらの実施の形態には、限定されるものではないが、形がほぼ円錐形、構成がブラシ状(例えば、配列されたナノチューブ)、一時的なもの(transitory)(周期的に新鮮な表面を提供する滴下水銀電極に使用されるものに類似する、導電性液の液滴で形成されるもの)などの電極構造、又は成形体の面のエッジに沿って延びるワイヤ又はその他の導電性物質で構成された電極構造のいずれかが含まれる。
本発明に係るさらに別の実施の形態は、1つ以上の電極が、デバイスのルーメンスペースの中に位置しているか、又はそうではなくて、前記組織に対して流体的手段によって電気的に接続しているが、周辺組織との直接的な接触が遮断されているものであってもよい。そのような遮断手段には、限定されるものではないが、ポリエチレングリコール、ポリウレタンなどの透過性ゲルによる電極表面のコーティング、又はメッシュ、メンブレン、その他のガラスフリットなどの構造体の利用が含まれる。それらの手段によって、電極の表面が、周辺の細胞、メンブレン又は細胞外構造と直接接触しないようにすることができる。そのような方法によって、有害な電解ゾーンから周辺組織を隔離することができ、電流の供給も可能である。
制御回路
電気泳動を目的とする電極の活性化は、様々な態様で実施することができる。それらには、限定されるものではないが、コマンドによる活性化、周期的な活性化、又は例えば常に「オン」というような実質的に連続的な活性化が含まれる。すなわち、このようなことは、限定された活性化のパターンが、より少ないアクティビティでフォローされることを示している。この実施の形態に関する例は、デバイスの植え込み後すぐ、例えば24〜72時間に、電流の頻回(frequent)パルスを使用することである。それによって、より低く、より多くの慢性炎症性アクティビティを処置することができるように、植え込み物の残りの寿命に対して、より低い周波数又は周期の供給によってフォローされる創傷治癒カスケードの初期段階を限定することができる。
本発明に係る別の実施の形態では、要求(demand)を基にした追加活性化により、アクセスポートの向こう側への液体送達を遮る追加デブリ(debris)の除去が容易になる。電極が、治療薬の送達又はセンサのニーズによるセットに基づいて活性化される結果、治療薬の管理又はセンサの活性化の間又は直前に、閉塞が最小化される。このように、様々な活性化のスキーム及びプロフィールが本発明の範囲内で可能であり、本発明は説明される実施の形態に限定されるものではない。
電気泳動プロセスの制御及び電源は、バッテリとマイクロコントローラのような簡単なデバイス、又は壁プラグに差し込まれた外部電源と制御ソフトウェアのような複雑なデバイスで達成することができる。植え込みデバイスのニーズ、コスト及び寿命によって、使用される電源及び制御の形態が決定される。完全に植え込まれたなデバイスの場合には、電力は、オンボードバッテリ又はその他の電力貯蔵型手段のほかに、誘導的手段又はその他の電力結合手段を使用することによっても供給することができる。また、電源には、間接的な手段、例えば、電気回路へエネルギを伝達する誘導結合手段の利用、又は機械的、化学的アクティビティから得られるエネルギの利用も含まれる。
図3は、制御された脈動DC電流を電極に伝送するための1つの回路コンポーネントを示す図である。エレクトロニクス技術分野の専門家であれば、この目的を達成する他の多くの回路を考えることが可能であり、それらの回路が本発明の範囲に含まれることを認識できるであろう。電力は、電源120によって供給され、その電源は通常バッテリである。繰返しパルス(repetitive pulse)は、555タイマ125内で生成される(テキサス・インスツルメンツ製、フィリップスエレクトロニクス製、ナショナルセミコンダクター製などの業界基準の集積回路を利用することができる)。周波数及びデューティサイクルは、外部の抵抗器R1:100、R2:105及びキャパシタC1:110によって決定される。タイマの出力は、定電流ソースを、言い換えれば、アノード電極140に対しては回路135を介して定電流ソース130であり、カソード電極145に対しては電流シンクである定電流ソースを駆動する。
図3に示した回路を用いることによってデューティサイクルを決定するための計算例は、式(1)によって表される。
式(1) デューティサイクル(ON時間/OFF時間)=R2/(Rl+2R2)
R1=98Kohm、R2=1Kohm、C=10μfと仮定すると、デューティサイクルは、1/(98+2*1)又は1%と等しく、パルス周波数は1.44Hzに等しい。エレクトロニクス技術分野の専門家であれば、別の種類のパルスパターンと同様に、遅延及びパルス振幅又は周波数の変化を含む、より複雑な回路を容易に考えることが可能であり、本発明の範囲内で採用可能なことを容易に理解できるであろう。
本発明に係る1つの実施の形態では、制御回路の調整(regulation)、すなわち、振幅及び伝送される電流の周期のプログラミングは、医療デバイスへの本発明のインストールの前に設定される。本発明に係る別の実施の形態では、制御電流出力のポストインストールを調整又は提供する別の手段が設けられている。そのような手段には、限定されるものではないが、キーパッドエントリ、無線制御、光学又は音響手段が含まれる。
また、供給される電流の調整/活性化を含む本発明に係る別の実施の形態では、本発明を用いるより大きな医療デバイス又はシステム内に設けられた入力又は制御の利用も含んでいる。本発明に係るさらに別の実施の形態では、電流プロフィールを変更する必要性を示すセンサ(本発明の装置に付随しているか、又は別のデバイスの部分としてのいずれか)からのフィードバックが、自動的に制御回路に送られ、それによって、対象の生体内で本発明の装置を動作させる「クローズドループ」システムが提供される。
デバイス
線維状カプセルの形成を遅らせるか又は抑制するための電流を発生させる装置は、新たな利用方法があり、様々な植え込み医療デバイスと共に用いることに適している。これらのデバイス及びシステムは、限定されるものではないが、カテーテル、MEMS(微小電子機械システム)ベースの薬剤送達システム及び脱着可能又は取り替え可能な診断器具又は薬剤送達デバイスを含んでいる。また、本発明は、薬剤の経皮送達及び間質液のサンプリングに適したデバイスが記載されている米国特許出願第10/032,765号「生体のモニタリング及び治療用コンパウンドの送達用ゲートウェイプラットフォーム」に開示されているシステムに対して有用である。この発明の構造体の使用に関しては、創傷治癒拒絶反応又はカプセル化の制御を減らすこと、又は周辺組織で発生した電界を使用する利益を享受することができる、その他のデバイス又はシステムに適用することができる。
例えば、皮下治療薬の送達手段に合わせて電流を供給すると、周辺組織を介する治療薬の分散(dispersal)が加速される。すなわち、治療薬が実効電荷(net charge)を有する場合には、治療薬は、実効電荷、容量(mass)、有効な電界の強さなどに応じて、周辺の生体液内への電気泳動パスに沿って移動する。このプロセスは、デバイスの内部ルーメンからデバイスの外部スペースへ荷電物質を送達する手段、例えば、イオン泳動の技術として電気泳動を用いることとは異なることに注意されなければならない。これらの発明においては、電気泳動パスは、半透過性構造体を介して、実質的に、内部のスペースと外部パスとの間にあり、電気泳動は、半透過性のメンブレンを介して、例えば内部のリザーバ又はサイトから、治療薬を移動させるために用いられる。したがって、電気泳動手段によって周辺組織を介して薬又は薬剤を加速して散布することは、本発明1つの実施の形態に係る新規な態様を表している。
第1及び第2電極と電源と制御回路とを含む、本発明に係る装置の一般的な操作では、対象の生体への装置のインストールが必要である。そのインストールは、医療デバイスのインストールに連携して行うことが好ましい。そのようなインストールは、医療デバイスの植え込みと同時、例えば、装置がデバイスの一部を形成するようにするか、又は装置は、医療デバイスのインストールの時とは別の時、例えば、医療デバイスのインストールに続く術後リカバリが許可される時にインストールするのがよい。いったんインストールされると、本発明に係る装置は、マニュアルによるスイッチの活性化などのコマンド、又はリモートワイヤレス指令などの指令のいずれかで活性化することができる。活性化により、1つ以上の第1電極から1つ以上の第2電極へ、電流が組織を介して流れる。振幅、周期性、周波数、デューティサイクル及び極性を含む電流の特性は、制御回路、又はバッテリの接続方向でセットされる極性などの装置自体の構造の一部として提供される指令に基づいている。アクティビティの中断を含む、このほかの装置の制御は、限定されるものではないが、マニュアルによるコマンド、予めセットされたプログラム又は受信した指令など、様々な方法で行うことができる。
次の実施の形態は、カプセル化を最小化するために、本発明に係る装置を使用することができる代表的なタイプのデバイスである。当業者であれば、別のデバイス及びシステムが考えられること、本発明の態様は、以下に示す実施の形態に限定されないことを容易に認識できるであろう。
経皮カテーテル(Percutaneous Catheter):生体の拒絶反応に対する電気泳動制御の代表的な利用は、生体に対して数日又は数週間というような長期間にわたって、連続的又は断続的に治療薬又は液体を送る植え込みカテーテルへの拒絶反応を抑制することにある。
これらの送達先のサイトには、限定されるものではないが、皮下、脳脊髄、標的の臓器又は腹腔内の位置が含まれる。
図4は、そのような経皮カテーテル状のデバイスを示す図である。図示されているように、カテーテル状のデバイス180は、治療薬、液体又は薬剤といった非経口剤の送達用、又は治療薬、液体又は薬剤といった注入用剤の液体リザーバ158を備えている。1セットの第1電極165及び第2電極160がカテーテルの外側に配置され、それらの電極は、皮膚150の下に位置するようになっている。本発明に係るこの実施の形態では、外部の電源/制御ユニット155によって供給された電流は、絶縁線175、173を介して、電極165、160に流れる。さらに、その電流は、周辺組織55を介して、第1電極165から第2電極160へ流れる。本発明に係る別の実施の形態では、そのような電源/制御回路は、デバイスの中に位置し、対象の生体に植え込まれたシステムのセクションに組み入れられる。
また、図4には、液体/治療薬が通るカテーテル状のデバイスのルーメナルスペース183が示されている。薬剤は、1セットの第1電極に隣接する孔170を介して、ルーメナルスペースから出ていく。孔170と第1電極165との間が近接していることによって、開通性(patency)の維持、この領域における線維状カプセルの形成の抑制が効率的に支援される。一方、図4に示したカテーテル状のデバイスは、図示した孔170の代わりに、ポリマのメッシュを用いることができ、治療薬液はその中を通って周辺の間質液に流れる。
図3に示したような回路を介して、又は電源に接続された外部の制御ユニットによって、電極を介して電流が流される。好適な電源としては、キースレイインスツルメント(Keithley Instruments)製などの市販品を容易に利用することができる。本発明に係る1つの実施の形態では、第1電極はアノードとしての役割を果たすようにバイアスされる。そのようなデバイスを介して伝達されて印加される電界に関する1つの可能な実施の形態の例として、第1電極から第2電極へ、弱い電流(約1μA)を2分間に1回10秒間通電することが挙げられる。
一般的に考えられる電気分解によって生じる現象は、局所的なpHの変化である。1A=6.24x1018エレクトロン/秒に基づいて、各エレクトロンが1分子の塩基又は酸のいずれかを生成すると仮定すると、10秒間当たりの電極の活性化により、通常約1×10−10モルの酸又は塩基が生成される。酸又は塩基の移動を予測する簡単なモデルを使用して、小さな分子の拡散定数が約3x10−6cm/secと仮定すると、電極活性化の間の時間遅延110秒間に生成する酸又は塩基は、いずれも一方方向に、約0.25mm移動する。外周3mmのカテーテルの周りに位置する幅1mmの単一の電極バンドに対する、この移動によって表される量は0.75μlであり、この量133μMにおける平均の酸濃度又は塩基濃度となる。
周辺液の細胞外液のバッファリングキャパシティは、その液体の組成、すなわち、そのタンパク質及び変性タンパク質、イオンなどに応じて変化し、血液、間質液又は脳脊髄液間で変化する。血清のバッファリングキャパシティが、主として重炭酸塩/炭酸イオンによってセットされると仮定すると、このバッファの濃度は、約24mMになる(pKa:7.6、pH:7.4)。これらの小さいイオンは、間質液と血清との間で容易に平衡状態になると仮定すると、間質液は、約2桁余分なバッファリングキャパシティを有することになる。このように、この電極活性化プロトコルに基づく酸及び塩基の局所的な生成は、pH単位で0.01未満というように、周囲の間質液のpHを著しく変化させることがない。したがって、この電流プロトコルを用いると、生成した酸/塩基は、周辺細胞及び組織に対して有害ではない。また、局所的なバッファリングキャパシティを超えない範囲で、その他の電極のデザイン、電流、周波数、周期性及びプロトコルを用いることができ、本発明は、上記の例に示された条件には限定されない。前述のように、pHを変化させるようなより多くの電流が用いられ、それらの電流は有害であると判定されると、必要に応じて、その他の手段、例えば物質(material)、交流電流などが、pHの変化量を抑制するために用いられる。
同様に、10秒間に1μAの電流を通電すると、10秒当たり約1.6x10−6mgの酸素を生成し、2.13mg/lの局所濃度(0.75μl内で)になり、水素と同様なレベルである。37℃における酸素の飽和量は7ppm(mg/l)である。したがって、この電流及び電極形状を用いても、気泡の形成は観察されない。気泡に関係する局所的な微小核生成が、電極の表面に生じる可能性があるが、それらの核は、周囲の液体中に吸収される。
電極表面などの電解ゾーンで生じる有害な影響に対しては、半透過性のメッシュで電極をコーティングする必要があり、それによって周辺細胞から電極を隔離することができる。この問題を解決する1つの手段は、図2に示したように、電極をカテーテル状のデバイスのルーメン内に配置することである。上記問題を解決するための別の手段には、非反応性で、生体適合性の多孔質層、例えば、重合体ヒドロゲル(尿素/ポリエチレングリコールゲル、ポリアクリルアミドゲルなど)により電極の表面をコーティングする方法、又は薄いダクロンメンブレンなどの限定された、非導電性構造体で電極面を被覆する方法がある。
図5は、電極面のコーティングによる1つの改良方法を示す断面図である。この図には、カテーテル状のデバイス180における外側の一部に位置する1セットの第1電極165が示されている。カテーテル状のデバイス183のルーメンから周辺組織55への液体の流路は、1つ以上のホール170によって提供される。電極は、絶縁線173を介して電源/制御回路に接続される。本発明に係るこの実施の形態では、電極165は、ヒドロゲル状の物質185で直接コーティングされており、周辺組織55と電極面の外側との間に間隔を維持した状態で、液体の流路が提供されている。
図4に示したカテーテル状のデバイスは、本発明に係る方法及び装置に用いられる1つの手段を示しており、カテーテル状のデバイスのカプセル化を抑制し、開通性を向上させることができる。様々な電極の形状、物質及び電流プロトコルが採用され、治療薬の送達又は検体のための生体液のサンプリングに用いられる代替機器が容易に想到され、上記の例は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
離れて位置する第2電極を有する経皮カテーテル:図6は、着脱可能又は取替え可能な電極を用いるシステムの例を示す図である。この例では、図4に示したものと同様なカテーテルシステムが用いられ、変更が加えられている。すなわち、電気結線217、220によって、電極205、215に供給される電流の制御が可能になっている。経皮カテーテル状のデバイス200は、皮膚150を貫通して下部の組織55の中に入っている。このデバイスは、デバイスの端部近傍に位置する孔210を介して、液体又は治療薬を注入する手段として機能する。一方、第1電極205だけは、カテーテル状のデバイスの外面に位置している。第2電極215は、カテーテルの構造から取り外され、フレキシブルな絶縁線217を介して、電源/制御ユニットへ接続されている。この第2電極は、様々な物質で構成することができ、本発明に係る実施の形態の1例では、電極は、ポリエチレン被覆銅線(約26ゲージ)に接続された長さ約1mmの白金で構成されている。この電極は、トロカール状のデバイスを用いて皮下に挿入され、第1電極の近く、例えば、数センチメートル以内に配置される。
本発明に係る1つの実施の形態では、図6に示したように、採用される電極及び活性化時間は、図4に示した装置で用いられるものと同じでよく、限定されるものではないが、挿入のジオメトリ、デバイスのジオメトリ、組織の特性及び装置の構造と材料などの要因に依存する。図4に示した装置対して、このシステムが相違する1つの点は、第2(対向)電極で観察される拒絶反応生成物の影響(performance)及び蓄積が、この電極を取り除き、新しい電極と取り替えることによって解決できることである。したがって、長期間の拒絶反応による第2電極の性能低下は、この電極を定期的に取り替えることによって解決することができる。本発明に係るこの実施の形態の拡張には、複数の対向電極を同時に使用することが含まれ、それによって、単一の電極によって提供される場合に比べて、より多くの等価電気泳動フィールドが提供される。
完全に植え込まれたシステム:図7は、治療薬及び/又は検体用生体液のサンプルを送達するように設計された、完全に皮下に植え込まれるデバイスを示す図である。このデバイスは、デバイス全体が皮下に完全に位置するという点で、図4及び6に示した経皮デバイスとは異なっており、そのために、電極を活性化するための外部の電源及び制御回路を直接利用しないようになっている。
図7に示した断面図に表されているように、薬剤送達用の手段が、デバイス235の本体内に模式的に示されている。すなわち、デバイスは、リザーバ240、ポンプユニット243及び導管245を備え、これらによって、治療薬が、1つ以上の孔275を介して周辺組織55に供給される。送達活性化のための制御と電力は、バッテリ260、集積回路263、付加的な回路265及び配線/回路270によって提供される。エレクトロニクス分野における専門家であれば、そのような集積回路263及び電源260は、1つ以上の第1電極250から、1つ以上の第2電極255へ電流を通電するためにも利用できることを容易に理解できるであろう。このデバイスをサンプリング用に適合させる場合には、ポンプ及びリザーバの機能が、適切なセンサ及び信号増幅器に取り替えられる。しかし、集積回路及び電源はそのまま利用できる。
図7に示した例では、バッテリにより必要な電力が供給される。別の実施の形態では、誘導電源(inductive power)又はその他の電源が用いられる。1μAで、2分間毎に10秒間“オン”の脈動電流と仮定すると、デバイスの活性化状態の割合は約8%になる。例えば、1cmx0.3cmの小さなコインサイズの電池は、3Vで約20mA時間の寿命を有している。この電池は、一定の(脈動ではない)1μAのドレインレベルで、20,000時間(又は約2年)を超える寿命がある。したがって、拒絶反応を抑制する手段として電気泳動法を用いる、完全に植え込まれた様々なシステム及びデバイスは、デバイスのニーズ及び装置への要求に基づいて実現可能である。
その他のデバイス、電流プロトコル、電極の形状、電源、制御回路などが容易に考えられ、これらの本発明に係る装置は、前述の実施の形態に限定されないことが容易に認識されるであろう。
電気回路の一部として示す電極/電解質界面のモデルである。 周辺組織から電極を分離する半透過性構造体に関する1つの形態を示す図である。半透過性構造体は、周辺組織への液体送達サイトとしての役割も果たす。 パルス電流を発生させる制御回路に関する実施の形態を示す回路図である。 デバイスの表面に、第1電極及び第2電極の両方を備えた本発明に係る装置を用いた、カテーテル状の一実施の形態を示す図である。 図4に示した実施の形態の一部を示す断面図である。 本発明に係る装置を用いた、カテーテル状のデバイスに関する別の実施の形態を示す図である。隣接する組織内に独立して位置する第2電極を備えたデバイスの構造に、1セットの第1電極が組み込まれている。 薬剤及び治療薬を送達するための完全に植え込むことができる装置の一実施の形態示す断面図であり、本発明に係る装置も内蔵している。

Claims (11)

  1. 皮下の全体又は一部に配置されたデバイスに対する生体の拒絶反応を抑制するために電界を印加する装置であって、
    a.生体内に導入されたクリティカルストラクチャ又はフィーチャに近接して、皮下に配置された1つ以上の第1電極と、
    b.別の場所に位置する1つ以上の第2電極と、
    c.少なくとも1つの前記第1電極及び少なくとも1つの前記第2電極に接続され、少なくとも1つの前記第1電極から少なくとも1つの前記第2電極へ、組織を介して電流を通電するための制御回路及び電源を備え、
    前記第1電極と前記第2電極間に、パルス周波数:0.1〜1000Hz、電流密度:0.01〜100A/cmの条件で電流が通電されるように構成され、さらに、
    前記第1電極が半透過性構造体によって組織と分離され、前記第1電極の表面と前記半透過性構造体の組織側の表面との間隔が1μm以上であることを特徴とする装置。
  2. 1つ以上の前記第1電極が、前記デバイスに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  3. 1つ以上の前記第2電極が、前記デバイスに取り付けられていることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  4. 1つ以上の前記第1電極が、前記デバイスに取り付けられていないことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  5. 1つ以上の前記第2電極が、前記デバイスに取り付けられていないことを特徴とする請求項1に記載の装置。
  6. 前記デバイスが、実質的に経皮型であることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  7. 前記デバイスが、完全に植え込まれて使用されるものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  8. 前記デバイスが、治療薬の送達を目的として用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  9. 前記デバイスが、検体用の生体液のサンプリングを目的として用いられるものであることを特徴とする請求項1に記載の装置。
  10. 前記クリティカルストラクチャ又はフィーチャが、前記デバイスの内側と外側との間を仕切る役割をする半透過性構造体で構成され、1つの前記第1電極が、前記半透過性構造体に近接して位置することを特徴とする請求項1に記載の装置。
  11. 1つの前記第1電極が前記デバイスの内側に位置し、1つの前記第2電極が前記デバイスの外側に位置し、電流が前記半透過性構造体を流れるように構成されていることを特徴とする請求項10に記載の装置。
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