JP4855825B2 - パッファ形ガス遮断器 - Google Patents
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(1) 消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向アーク接点および対向通電接点を、可動アーク接点および可動通電接点と同心軸上に向かい合って配置する。
(2) 可動アーク接点および可動通電接点は、対向アーク接点および対向通電接点に対して接離可能となるように駆動ロッドに取り付ける。
(3) 可動側接点および対向側接点の開離時には可動アーク電極と対向アーク電極の間にアーク放電が発生しうるように構成する。
(4) 前記アーク放電に対して前記消弧性ガスを吹き付けるために、前記アーク放電を囲むように絶縁ノズルを配置する。
(5) 前記可動側接点にはこれと一体となって駆動するパッファシリンダを設け、このパッファシリンダの内部に常に静止状態にあるピストンを設ける。
(6) 前記パッファシリンダとピストンとによって囲まれた空間を、軸に対して垂直に配置された仕切り板により、アーク放電側の熱パッファ室とそれとは反対側の圧縮パッファ室とに区切る。
(7) 前記仕切り板には、前記熱パッファ室と前記圧縮パッファ室とを連通する連通孔と、この連通孔を開閉する逆止弁を設ける。
(8) 前記逆止弁を、熱パッファ室から圧縮パッファ室へのガスの流れは常に制限し、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合にのみその圧力差により開放されるように構成する。この逆止弁の開放時に、圧縮パッファ室からアーク放電近傍まで熱パッファ室を経由せずに通じる流路を形成する。
また、本発明においては、次の点も重要な構成である。
(9) 前記逆止弁を分割された少なくとも3つ以上の板により円筒状に形成する。
(10) 前記逆止弁を熱パッファ室と同心に配置する。
(11) 前記逆止弁の可動アーク接点側を、通常では中心軸方向にすぼまるように円錐状に維持し、この状態において熱パッファ室から圧縮パッファ室へのガス流を制限する。
(12) 熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合に、前記逆止弁のアーク放電側のすぼまりを開き、圧縮パッファ室からのアーク放電近傍に至る流路を形成する。
さらに、本発明において、前記(9)〜(12)を(13)〜(16)とすることもできる。
(13) 前記逆止弁は可動アーク接点側が細くなった円筒状をしており、その細くなった先端部は駆動ロッドの表面に接触する。
(14) 前記逆止弁の可動アーク接点側と反対側には、外側に広がったフランジを設け、前記仕切り板のこのフランジと対向する部分にはフランジによって開閉する連通孔を設ける。
(15) 前記仕切り板にはフランジと係合して逆止弁の移動範囲を制限するストッパを設ける。
(16) このストッパとフランジとの間には、逆止弁を連通孔を塞ぐ方向に付勢するバネを設け、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合にのみ、その圧力差により逆止弁を開放する。
[構成]
以下、本発明の第1実施形態を図1乃至図3を用いて説明する。図1および図2においては、中心線の左側が大電流遮断時における状態を示しており、中心線の右側が中小電流遮断時における状態を示している。図2は図1に図示しているA面での断面図を示している。また、図3は閉極状態を示している。
大電流遮断時においては、熱パッファ室11の圧力はアーク7の加熱作用により著しく上昇する。したがって、図1の左側に示す通り逆止弁14bは開放されず、熱パッファ室11の高い圧力がピストン15に作用することがない。そのため、本実施形態では、従来の直列パッファ形遮断器と同様、小さな駆動力で電流遮断を行うことができる。また、ストッパ20には開口部20aが設けられているため、ストッパ20が熱パッファ室11内のガスの流れを妨げることがないため、熱パッファ室11からの消弧性ガスにより優れた大電流遮断性能を得ることができる。
本実施形態によれは、小さな駆動力でも大電流を遮断可能で、かつ中小電流領域においても優れた電流遮断性能を有するパッファ形ガス遮断器を提供することができる。
第2実施形態について図4及び図5を用いて説明する。図4においては、中心線の左側が大電流遮断時における状態を示しており、中心線の右側が中小電流遮断時における状態を示している。また、図3は、閉極状態を示している。本実施形態における遮断器の基本的な構成は図1乃至図3で説明した第1実施形態と同様である。
本実施形態における逆止弁14cは、図4及び図5に示すように、アーク7側が細くなった円筒状をしている。逆止弁14cの細くなった先端部は駆動ロッド6の表面に摺動可能な程度に接触し、逆止弁14cの円筒形の部分と駆動ロッド6との間には流路21が形成されている。この逆止弁14cのアーク7と反対側には、外側に広がったフランジ22が設けられている。
上記のような構成を有する第2実施形態においては、第1実施形態と同様の作用が得られる。すなわち、大電流遮断時においては、熱パッファ室11の圧力はアーク7の加熱作用により著しく上昇する。したがって、図4の左側に示す通り逆止弁14cは開放されず、熱パッファ室11の高い圧力がピストン15に作用することがないので、従来の直列パッファ形遮断器同様、小さな駆動力で電流遮断を行うことができる。
以上の通り、本実施形態においては、小さな駆動力でも大電流を遮断可能で、かつ中小電流領域においても優れた電流遮断性能を有するパッファ形ガス遮断器を提供することができる。
[構成]
本実施形態においては、消弧性ガス5として、SF6ガス(六弗化硫黄ガス)よりも地球温暖化係数の小さいガスを使用することを特徴とする。
従来、消弧性ガスとしては、優れた消弧性能および電気絶縁性能を有するSF6ガスが使用されている。しかしながら、SF6ガスは二酸化炭素ガスの23900倍の地球温暖化効果を有するといわれており、その使用を避けることが望ましい。
第3実施形態においては、上記の構成とすることにより、小さな駆動力でも大電流を遮断可能で、かつ中小電流領域においても優れた電流遮断性能を有し、かつ地球温暖化への影響を抑制したパッファ形ガス遮断器を提供することができる。
以上、各種実施形態をとりあげたが、いずれの実施形態も、熱パッファ室から圧縮パッファ室への流れは制約し、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合にのみ開放される逆止弁を有する。そして、この逆止弁が開放される際には、圧縮パッファ室からアーク放電近傍まで通じる同軸上の流路が自動的に形成され、圧縮パッファ室からアーク近傍へ至る前記流路は、熱パッファ室を全く経由しない。本発明は、このような逆止弁による流路が形成されることが特徴であり、これを実現するための構成はこの他にも考えられる。
3…対向通電接点、4…可動アーク接点、
5…可動通電接点、6…駆動ロッド、
7…アーク放電、8…絶縁ノズル、
9…パッファシリンダ、10…仕切り板、
11…熱パッファ室、12…圧縮パッファ室、
13…連通孔、14a〜14c…逆止弁、
15…ピストン、16…排気穴、
17…吸気穴、18…放圧バルブ、
19…吸気バルブ、20…ストッパ、
21…流路、22…フランジ、
23…ストッパ、24…バネ、
25…細径部、
Claims (4)
- 消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向アーク接点および対向通電接点が、可動アーク接点および可動通電接点と同心軸上に向かい合って配置され、
可動アーク接点および可動通電接点は、対向アーク接点および対向通電接点に対して接離可能となるように駆動ロッドに取り付けられ、
可動側接点および対向側接点の開離時には可動アーク電極と対向アーク電極の間にアーク放電が発生しうるように構成され、
前記アーク放電に対して前記消弧性ガスを吹き付けるために、前記アーク放電を囲むように絶縁ノズルが配置され、
前記可動側接点にはこれと一体となって駆動するパッファシリンダが設けられ、このパッファシリンダの内部には常に静止状態にあるピストンが設けられ、
前記パッファシリンダとピストンとによって囲まれた空間が、軸に対して垂直に配置された仕切り板により、アーク放電側の熱パッファ室とそれとは反対側の圧縮パッファ室とに区切られ、
前記仕切り板には、前記熱パッファ室と前記圧縮パッファ室とを連通する連通孔と、この連通孔を開閉する逆止弁が設けられ、
前記逆止弁は、熱パッファ室から圧縮パッファ室へのガスの流れは常に制限し、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合にのみその圧力差により開放されるように構成され、かつ、その開放時に、圧縮パッファ室からアーク放電近傍まで熱パッファ室を経由せずに通じる流路を形成するパッファ形ガス遮断器において、
前記逆止弁が分割された少なくとも3つ以上の板により円筒状に形成され、
前記逆止弁は熱パッファ室と同心に配置され、
前記逆止弁の可動アーク接点側は、通常では中心軸方向にすぼまるように円錐状に維持され、この状態において熱パッファ室から圧縮パッファ室へのガス流を制限するものであり、
熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合に、前記逆止弁のアーク放電側のすぼまりが開き、圧縮パッファ室からのアーク放電近傍に至る流路が形成されることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。 - 消弧性ガスが充填された密閉容器内に、対向アーク接点および対向通電接点が、可動アーク接点および可動通電接点と同心軸上に向かい合って配置され、
可動アーク接点および可動通電接点は、対向アーク接点および対向通電接点に対して接離可能となるように駆動ロッドに取り付けられ、
可動側接点および対向側接点の開離時には可動アーク電極と対向アーク電極の間にアーク放電が発生しうるように構成され、
前記アーク放電に対して前記消弧性ガスを吹き付けるために、前記アーク放電を囲むように絶縁ノズルが配置され、
前記可動側接点にはこれと一体となって駆動するパッファシリンダが設けられ、このパッファシリンダの内部には常に静止状態にあるピストンが設けられ、
前記パッファシリンダとピストンとによって囲まれた空間が、軸に対して垂直に配置された仕切り板により、アーク放電側の熱パッファ室とそれとは反対側の圧縮パッファ室とに区切られ、
前記仕切り板には、前記熱パッファ室と前記圧縮パッファ室とを連通する連通孔と、この連通孔を開閉する逆止弁が設けられ、
前記逆止弁は、熱パッファ室から圧縮パッファ室へのガスの流れは常に制限し、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合にのみその圧力差により開放されるように構成され、かつ、その開放時に、圧縮パッファ室からアーク放電近傍まで熱パッファ室を経由せずに通じる流路を形成するパッファ形ガス遮断器において、
前記逆止弁が可動アーク接点側が細くなった円筒状をしており、その細くなった先端部は駆動ロッドの表面に接触し、
前記逆止弁の可動アーク接点側と反対側には、外側に広がったフランジが設けられ、
前記仕切り板のこのフランジと対向する部分にはフランジによって開閉する連通孔が設けられ、
前記仕切り板にはフランジと係合して逆止弁の移動範囲を制限するストッパが設けられ、
このストッパとフランジとの間には、逆止弁を連通孔を塞ぐ方向に付勢するバネが設けられ、熱パッファ室の圧力が圧縮パッファ室の圧力よりも低い場合にのみ、その圧力差により逆止弁が開放されることを特徴とするパッファ形ガス遮断器。 - 前記逆止弁が、圧縮パッファ室からアーク近傍へ至る前記流路の少なくとも一部を形成していることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のパッファ形ガス遮断器。
- 前記消弧性ガスとして、六弗化硫黄ガスよりも地球温暖化係数の小さいガスを使用したことを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のパッファ形ガス遮断器。
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