JP2012155881A - 放電型サージ吸収素子 - Google Patents

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Koichi Imai
孝一 今井
Shin Kihara
伸 木原
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Abstract

【課題】六フッ化硫黄ガスを放電ガスとして用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現する。
【解決手段】放電間隙005を隔てて対向配置した一対の放電電極003,003と、各放電電極003,003と微小放電間隙015を隔てて対向配置した導電性被膜012を備えたトリガ放電部材004とを、放電ガスと共に気密外囲器002内に封入して成る放電型サージ吸収素子001であって、上記放電ガスをトリフルオロヨードメタン(CFI)を含有する放電ガスで構成した。
【選択図】図1

Description

この発明は、気密外囲器内に放電ガス及び複数の放電電極を封入し、放電電極間の放電間隙における放電現象を利用して誘導雷等のサージを吸収することにより、電子機器が損傷することを防止する放電型サージ吸収素子に関する。
従来、電源線等を伝って電子機器に侵入する過渡的な異常電圧や誘導雷等のサージから電子機器の電子回路を保護するため、当該電子回路の前段に種々のサージ吸収対策が施されて来た。
図18はその一例を示すものであり、電子機器の電子回路60の前段に一対の放電型サージ吸収素子62,62を挿入したものである。この放電型サージ吸収素子62は、図示しない気密外囲器内に放電ガス及び複数の放電電極を封入した構造を有するものであり、各放電型サージ吸収素子62は、上記電子回路60に通じる電源線L1,L2とグランド(GND)間にそれぞれ挿入接続されている。また、各放電型サージ吸収素子62には、抵抗64,64が直列接続されている。
而して、上記電源線L1,L2に、線−グランド間を伝導するコモンモードのサージが印加されると、放電電極間の放電間隙において放電が生成されることにより放電型サージ吸収素子62が動作し、サージをグランド(GND)側に逃がすものである。
上記放電型サージ吸収素子62の動作電圧は、自然現象として発生する一般的な誘導雷サージの電圧値(3000V以下)を考慮すれば、これを確実に吸収できるよう比較的低い値に設定されるべきである。
ところが、電源を必要とする機器については電気用品安全法等に定められた耐電圧試験が課せられ、該耐電圧試験においては、電源線L1,L2間を短絡した上で例えばAC1500Vの過電圧が1分間印加されるため、これよりも低い動作電圧を備えた放電型サージ吸収素子62を接続しておくと、この耐電圧試験の実施によって放電型サージ吸収素子62が動作して電流が流れてしまい、結果として試験に不合格となってしまう。
このため、耐電圧試験において放電型サージ吸収素子62が絶対に動作しないよう、耐電圧試験の試験電圧より高い動作電圧を有する高耐圧の放電型サージ吸収素子62が必要とされ、従来は、気密外囲器内に高絶縁耐力を有する六フッ化硫黄ガス(SF)を封入することにより、高耐圧の放電型サージ吸収素子62を実現していた(例えば実用新案登録第3156033号公報)。
実用新案登録第3156033号公報
しかしながら、六フッ化硫黄ガスは地球温暖化係数が23,900と大きく且つ大気中の寿命(約3200年)が長いため、気候変動に関する国際連合枠組条約の京都議定書において地球温暖化防止排出抑制対象ガスに指定され、使用・排出に対する規制が強化されていくことが確実となっている。
このため、六フッ化硫黄ガスを使用しない高耐圧の放電型サージ吸収素子62の実現が待ち望まれている。
この発明は、従来の上記問題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、六フッ化硫黄ガスを放電ガスとして用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現することにある。
上記目的を達成するため、本発明の請求項1に記載の放電型サージ吸収素子は、
気密外囲器内に複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、上記気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことを特徴とする。
本発明の請求項2に記載の放電型サージ吸収素子は、
気密外囲器内に、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、各放電電極と微小放電間隙を隔てて対向配置される導電性被膜を備えたトリガ放電部材を配置し、さらに、上記気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことを特徴とする。
本発明の請求項3に記載の放電型サージ吸収素子は、
気密外囲器内に複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、上記放電電極の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜を形成して成り、さらに、上記気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことを特徴とする。
本発明の請求項4に記載の放電型サージ吸収素子は、請求項1乃至請求項3に記載の放電型サージ吸収素子において、
上記放電ガスが、トリフルオロヨードメタンと、窒素及び/又はアルゴンを含有する混合ガスであることを特徴とする。
本発明に係る放電型サージ吸収素子は、気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことにより、六フッ化硫黄ガスを用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現することができる。
図1〜図3に示す本発明に係る第1の放電型サージ吸収素子001は、ガラスより成る気密外囲器002内に、細長い丸棒状の一対の放電電極003,003と、絶縁性材料であるフォルステライト、アルミナ、ステアタイト等のセラミックより成るトリガ放電部材004を封入して成る。
上記一対の放電電極003,003は、所定の距離を隔てて平行配置されており、両放電電極003,003間に放電間隙005が形成されている。また、上記放電電極003,003の下端部には、デュメット線(銅被覆鉄ニッケル合金線)や42−6合金線等より成るリード端子006,006の一端が接続されており、上記リード端子006,006の他端は、上記気密外囲器002の封止部007を貫通して外部に導出されている。
上記放電電極003は、導電性に優れたニッケル等の金属や、ニッケル−マンガン(Ni−Mn)合金等の耐酸化性に優れたニッケル合金で構成されている。
また、上記放電電極003の表面には、電子放出特性が良好な物質を含有した被膜009が形成されている。
電子放出特性が良好な物質を含有した上記被膜009は、例えば、臭化セシウム(CsBr)が含有された被膜009で形成することができる。この被膜009は、臭化セシウムの粉末を、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに添加したものを、放電電極003表面に塗布することによって形成することができる。
この場合、臭化セシウムが0.01〜70重量%、バインダーが99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
また、バインダー中の珪酸ナトリウム溶液と純水との配合割合は、珪酸ナトリウム溶液が0.01〜70重量%、純水が99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
上記トリガ放電部材004は、気密容器002の封止部007上に配置されており、図2及び図3に拡大して示すように、略楕円盤状の本体部010と、該本体部010を上下に貫通する一対の孔011,011を有している。
上記孔011,011は、上記放電電極003の外形寸法と略同径と成されており、孔011,011内に、放電電極003,003とリード端子006,006が挿通されている。
上記トリガ放電部材004の一対の孔011,011間には、本体部010表面から所定の高さ(例えば、約1mmの高さ)で突出し、その表面にカーボン系材料等より成る導電性被膜012が被着された凸部013が形成されており、該凸部013の両端縁の一部は、図3に示すように、微小放電間隙015を隔てて、孔011,011内に挿入された放電電極003,003の内方側の外面略半周に沿って配置されている。そして、凸部013表面の導電性被膜012と、各放電電極003,003とが、放電電極003,003の内方側の外面の略半周に亘って、上記微小放電間隙015を隔てて対向配置されている。尚、上記微小放電間隙015は、例えば10〜50μmの範囲に設定される。
上記気密外囲器002内には、トリフルオロヨードメタン(CFI)を含有する放電ガスが封入されている。
放電ガス中のトリフルオロヨードメタン(CFI)の含有割合は、2〜100体積%と成される。尚、トリフルオロヨードメタンの割合を100体積%と成し、他のガスと混合することなくトリフルオロヨードメタンのみで放電ガスを構成しても良い。
而して、トリフルオロヨードメタンは負性気体であり、高絶縁耐力を有していることから、放電ガス中にトリフルオロヨードメタンを含有させることにより、第1の放電型サージ吸収素子001の耐電圧特性が向上するのである。
尚、トリフルオロヨードメタンと他のガスを混合して用いる場合、混合するガスとしては、窒素(N)、アルゴン(Ar)が好適であり、従って、上記放電ガスを、トリフルオロヨードメタンと、窒素(N)及び/又はアルゴン(Ar)を含有する混合ガスで構成するのが好ましい。
上記構成を備えた第1の放電型サージ吸収素子001に、リード端子006,006を介してサージが印加されると、導電性被膜012と各放電電極003,003間の微小放電間隙015に電界が集中し、これにより微小放電間隙015に電子が放出されてトリガ放電が発生する。次いで、このトリガ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電がサージ電流の増加によって放電間隙005へと転移し、さらに主放電としてのアーク放電に移行してサージの吸収が行われるのである。
上記の通り、第1の放電型サージ吸収素子001にあっては、各放電電極003,003と導電性被膜012とが、放電電極003,003の内方側の外面の略半周に亘って対向配置されているので、上記微小放電間隙015におけるトリガ放電を広い範囲に亘って生成することができる。
而して、本発明の第1の放電型サージ吸収素子001にあっては、気密外囲器002内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことにより、六フッ化硫黄ガスを用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現することができる。
図4は、第1の放電型サージ吸収素子001と比較例の放電型サージ吸収素子における、ガス圧とAC耐圧実力値のとの関係を示すグラフである。グラフAは、放電ガスとしてトリフルオロヨードメタン(6体積%)と窒素(94体積%)の混合ガスを封入した第1の放電型サージ吸収素子001を示し、グラフBは、放電ガスとして六フッ化硫黄ガス(2体積%)と窒素(98体積%)の混合ガスを封入した比較例の放電型サージ吸収素子を示すものである。
トリフルオロヨードメタンと窒素の混合ガスを封入した第1の放電型サージ吸収素子001のAC耐圧実力値(グラフA)は、六フッ化硫黄ガスと窒素の混合ガスを封入した比較例の放電型サージ吸収素子のAC耐圧実力値(グラフB)より若干低いものの、封入ガス圧を調整することにより、六フッ化硫黄ガスを封入した放電型サージ吸収素子と同等のAC耐圧実力値が得ることができ、耐電圧試験に対応した高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現できる。例えば、耐電圧試験の過電圧が1500Vの場合、トリフルオロヨードメタンと窒素の混合ガスの封入ガス圧を約300Torr以上と成せば、AC耐圧実力値を1500Vより大きく設定することができ、耐電圧試験の過電圧が2000Vの場合、トリフルオロヨードメタンと窒素の混合ガスの封入ガス圧を約500Torr以上と成せば、AC耐圧実力値を2000Vより大きく設定することができる。
また図5は、第1の放電型サージ吸収素子001と比較例の放電型サージ吸収素子における、AC耐圧実力値とインパルス放電開始電圧との関係を示すグラフである。図4の場合と同様に、グラフAは、放電ガスとしてトリフルオロヨードメタン(6体積%)と窒素(94体積%)の混合ガスを封入した第1の放電型サージ吸収素子001を示し、グラフBは、放電ガスとして六フッ化硫黄ガス(2体積%)と窒素(98体積%)の混合ガスを封入した比較例の放電型サージ吸収素子を示すものである。
インパルス放電開始電圧は、瞬間的なインパルス(サージ)電流が印可された際の放電開始電圧であり、インパルス放電開始電圧が低いほど、インパルス(サージ)応答性が優れているものである。
而して、トリフルオロヨードメタンを封入した第1の放電型サージ吸収素子001のインパルス放電開始電圧(グラフA)は、六フッ化硫黄ガスを封入した放電型サージ吸収素子のインパルス放電開始電圧(グラフB)より低くなっており、インパルス(サージ)応答性が優れていることが判る。
図6及び図7に示す本発明に係る第2の放電型サージ吸収素子10は、両端が開口した絶縁材としてのセラミックよりなる円筒状のケース部材12の両端開口部を、放電電極を兼ねた一対の蓋部材14,14で気密に封止することによって気密外囲器16を形成してなる。
上記蓋部材14は、気密外囲器16の中心に向けて大きく突き出た略円柱状の放電電極部18と、ケース部材12の端面に接する接合部20を備えており、両蓋部材14,14の放電電極部18,18間には、所定の放電間隙22が形成されている。
放電電極部18と接合部20を備えた上記蓋部材14は、無酸素銅や、無酸素銅にジルコニウム(Zr)を含有させたジルコニウム銅で構成されている。尚、ケース部材12の端面と蓋部材14の接合部20とは、銀ろう等のシール材(図示せず)を介して気密封止されている。
また、上記ケース部材12の内壁面24には、その両端が、放電電極を兼ねた上記蓋部材14,14と微小放電間隙26を隔てて配置された線状のトリガ放電膜28が複数形成されている。図6及び図7においては、トリガ放電膜28を、ケース部材12の内壁面24の円周方向に、45度の等間隔で8本形成した場合が例示されている。
上記トリガ放電膜28は、カーボン系材料等の導電性材料で構成されている。このトリガ放電膜28は、例えば、カーボン系材料より成る芯材を擦り付けることにより形成することができる。
上記放電電極部18の表面には、電子放出特性が良好な物質を含有した被膜30が形成されている。
電子放出特性が良好な物質を含有した上記被膜30は、例えば、臭化セシウム(CsBr)が含有された被膜30で形成することができる。この被膜30は、臭化セシウムの粉末を、珪酸ナトリウム溶液と純水よりなるバインダーに添加したものを、放電電極部18表面に塗布することによって形成することができる。
この場合、臭化セシウムが0.01〜70重量%、バインダーが99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
また、バインダー中の珪酸ナトリウム溶液と純水との配合割合は、珪酸ナトリウム溶液が0.01〜70重量%、純水が99.99〜30重量%の配合割合で混合される。
上記気密外囲器16内にはトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスが封入されている。
本発明の上記第2の放電型サージ吸収素子10にあっては、放電電極を兼ねた上記蓋部材14,14を介してサージが印加されると、トリガ放電膜28の両端と蓋部材14,14間の微小放電間隙26に電界が集中し、これにより微小放電間隙26に電子が放出されてトリガ放電としての沿面コロナ放電が発生する。次いで、この沿面コロナ放電は、電子のプライミング効果によってグロー放電へと移行する。そして、このグロー放電が放電電極部18,18間の放電間隙22へと転移し、主放電としてのアーク放電に移行してサージの吸収が行われるのである。
本発明の第2の放電型サージ吸収素子10にあっては、気密外囲器16内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことにより、六フッ化硫黄ガスを用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現することができる。
図8乃至図11は、本発明に係る第3の放電型サージ吸収素子40を示すものであり、この第3の放電型サージ吸収素子40は、放電電極部18の表面に、略直方体状の多数の穴部29を略マトリクス状に配置形成し、各穴部29内面に、臭化セシウム等の電子放出特性が良好な物質を含有した被膜30を形成した点に特徴を有するものであり、その他の構成は、上記第2の放電型サージ吸収素子10と実質的に同一である。
本発明の上記第3の放電型サージ吸収素子40にあっても、上記第1の放電型サージ吸収素子10と同様に、気密外囲器16内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことにより、六フッ化硫黄ガスを用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現することができる。
尚、第3の放電型サージ吸収素子40は、放電電極部18の表面に多数の穴部29を形成し、該穴部29内面に上記被膜30を形成したことにより、放電電極部18と被膜30の密着力が向上し、放電時の衝撃による被膜30のスパッタを抑制する効果を奏する。
図12乃至図17は、本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子50を示すものであり、この第4の放電型サージ吸収素子50は、放電電極部18の表面に、略半球状の穴部29を多数形成し、各穴部29内面に、臭化セシウム等の電子放出特性が良好な物質を含有した被膜30を形成した点に特徴を有するものであり、その他の構成は、上記第2の放電型サージ吸収素子10と実質的に同一である。
図13及び図15に示すように、上記穴部29は、円筒状のケース部材12の内壁面24と同心の円(以下、同心円と称する)X,Y上に等間隔で配置形成されている。すなわち、同心円X上に、30度の等間隔で12個の穴部29が形成され、また、同心円Y上に、90度の等間隔で4個の穴部29が形成されている。また、円筒状のケース部材12の円心の位置にも1個の穴部29が配置形成されている。
尚、図13及び図15の同心円X,Yは説明の便宜上示した仮想円である。
尚、放電電極部18の表面に形成する穴部29の形状は、上記した「略半球状」に限定されるものではなく、図16及び図17の第4の放電型サージ吸収素子50の変形例に示すように、「略直方体状」であっても良い。
もっとも、穴部29を「略半球状」と成した場合の方が、被膜30の状態が安定化し、放電特性のバラツキを低減することができるので好ましい。すなわち、穴部29を「略半球状」と成した場合には、穴部29の全方向から表面張力が均等に掛かり、その結果、被膜30が全方向に均等に形成されるため、被膜30の状態が安定化し、放電特性のバラツキを低減することができるのである。
本発明の上記第4の放電型サージ吸収素子50にあっても、上記第2の放電型サージ吸収素子10と同様に、気密外囲器16内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことにより、六フッ化硫黄ガスを用いることなく、高耐圧の放電型サージ吸収素子を実現することができる。
尚、放電時の衝撃で上記被膜30はスパッタされやすく、スパッタ飛散物がケース部材12の内壁面24やトリガ放電膜28に付着・堆積することが、放電開始電圧の不安定化をもたらす原因であり、特に、スパッタ飛散物の堆積量が、ケース部材12の内壁面24やトリガ放電膜28の箇所毎にバラバラであることが、放電開始電圧の不安定化を促進する大きな要因となっている。
すなわち、上記第3の放電型サージ吸収素子40の如く、被膜30の形成される穴部29が、放電電極部18の表面にマトリクス状に配置形成されていると、円筒状のケース部材12の内壁面24と各穴部29との距離がバラバラであるため、穴部29との距離が小さい箇所のケース部材12の内壁面24・トリガ放電膜28へのスパッタ飛散物の堆積量は多くなり、一方、穴部29との距離が大きい箇所のケース部材12の内壁面24・トリガ放電膜28へのスパッタ飛散物の堆積量は少ないことから、放電開始電圧の不安定化を生じることがある。
これに対し、本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子50にあっては、被膜30が形成される多数の穴部29を、円筒状のケース部材12の内壁面24と同心の円X,Y上に配置形成したので、同一の円X又はY上に配置された各穴部29とケース部材12の内壁面24との距離は全て同一となる。
このため、ケース部材12の内壁面24の特定の箇所及び特定のトリガ放電膜28において、スパッタ飛散物の堆積量に多少の差が生じることを抑制でき、ケース部材12の内壁面24及びトリガ放電膜28へのスパッタ飛散物の堆積量が平準化されるので、放電開始電圧の安定化を実現できる。
本発明に係る第1の放電型サージ吸収素子を示す概略断面図である。 本発明に係る第1の放電型サージ吸収素子の放電電極とトリガ放電部材を示す部分拡大断面図である。 図2のX−X概略断面図である。 本発明に係る第1の放電型サージ吸収素子と比較例の放電型サージ吸収素子における、ガス圧とAC耐圧実力値のとの関係を示すグラフである。 本発明に係る第1の放電型サージ吸収素子と比較例の放電型サージ吸収素子における、AC耐圧実力値とインパルス放電開始電圧との関係を示すグラフである。 本発明に係る第2の放電型サージ吸収素子を示す概略断面図である。 図6のA−A概略断面図である。 本発明に係る第3の放電型サージ吸収素子を示す概略断面図である。 図8のB−B概略断面図である。 本発明に係る第3の放電型サージ吸収素子の要部拡大断面図である。 本発明に係る第3の放電型サージ吸収素子の放電電極部表面を示す拡大図である。 本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子を示す概略断面図である。 図12のC−C概略断面図である。 本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子の要部拡大断面図である。 本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子の放電電極部表面を示す拡大図である。 本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子の変形例の放電電極部表面を示す拡大図である。 本発明に係る第4の放電型サージ吸収素子の変形例の要部拡大断面図である。 電子機器の電子回路の前段に一対の放電型サージ吸収素子を挿入接続した回路図である。
001 第1の放電型サージ吸収素子
002 気密外囲器
003 放電電極
004 トリガ放電部材
005 放電間隙
009 被膜
010 トリガ放電部材の本体部
011 トリガ放電部材の孔
012 導電性被膜
013 トリガ放電部材の凸部
015 微小放電間隙
10 第2の放電型サージ吸収素子
12 ケース部材
14 蓋部材
16 気密外囲器
18 放電電極部
20 接合部
22 放電間隙
24 ケース部材の内壁面
26 微小放電間隙
28 トリガ放電膜
29 穴部
30 被膜
40 第3の放電型サージ吸収素子
50 第4の放電型サージ吸収素子
X 円筒状のケース部材の内壁面と同心の円
Y 円筒状のケース部材の内壁面と同心の円

Claims (4)

  1. 気密外囲器内に複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、上記気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことを特徴とする放電型サージ吸収素子。
  2. 気密外囲器内に、複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、各放電電極と微小放電間隙を隔てて対向配置される導電性被膜を備えたトリガ放電部材を配置し、さらに、上記気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことを特徴とする放電型サージ吸収素子。
  3. 気密外囲器内に複数の放電電極を放電間隙を隔てて配置すると共に、上記放電電極の表面に電子放出特性が良好な物質を含有した被膜を形成して成り、さらに、上記気密外囲器内にトリフルオロヨードメタンを含有する放電ガスを封入したことを特徴とする放電型サージ吸収素子。
  4. 上記放電ガスが、トリフルオロヨードメタンと、窒素及び/又はアルゴンを含有する混合ガスであることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の放電型サージ吸収素子。
JP2011011679A 2011-01-24 2011-01-24 放電型サージ吸収素子 Pending JP2012155881A (ja)

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