以下、適宜図面が参照されつつ、好ましい実施形態に基づいて本発明が詳細に説明される。なお、以下において、「上方」は、接地面を下側として靴を水平面上に載置した場合における上方を意味する。また「下方」は、接地面を下側として靴を水平面上に載置した場合における下方を意味する。
図1は、本発明の一実施形態に係る靴1が示された図である。この靴1は、靴底3とアッパー5とを備えている。靴底3は、アウトソール7とミッドソール9と安定板11とを備えている。靴1は、ゴルフ靴である。
アウトソール7は、接地面13を有する。接地面13は、アウトソール7の底面である。靴1の使用状態における下面が、接地面13である。図2は、靴1を底面側から見た図である。図2は、接地面13を示している。図2は、右足用の靴1における接地面13である。以下の図3〜図6も、右足用の靴1に関する図である。左足用の靴1における接地面の形状は、図2の鏡像である。
図3が示すように、アウトソール7には、複数の突起15が設けられている。突起15は、下方に向かって突出している。突起15は、靴1の防滑性能を高める。
アウトソール7の材質は、特に制限されない。アウトソール7の材質として、ゴム、合成樹脂、熱可塑性エラストマー等が例示される。装着者の動的荷重を受け止めうるようにする目的で、アウトソール7には、強度と耐摩耗性とが求められる。この観点から、アウトソール7は、気泡を有さない非多孔質の材質とされている。換言すれば、アウトソール7は、無発泡体とされている。好ましいアウトソール7の材質として、いわゆるソリッドのゴム又は樹脂からなる組成物が用いられうる。好ましいアウトソール7の材質として、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、スチレン−ブタジエンゴム(SBR)、アクリロニトリル−ブタジエンゴム(NBR)、ウレタンゴム、熱可塑性樹脂とゴムの複合エラストマーが例示される。これらの2種以上が併用されてもよい。
アウトソール7の硬度は、デュロメーターA硬度(JIS−K6253)で40以上であることが好ましい。硬度が低すぎると、着用者の歩行にふらつき感を生じるおそれがある。この観点から、アウトソール7の硬度は50以上がより好ましく、さらに60以上が好ましく、特に75以上であることが好ましい。また硬度が高すぎると、着用者の足に突き上げ感を生じるおそれがある。この観点からアウトソール7の硬度は、85以下が好ましく、80以下がより好ましい。
ミッドソール9は、発泡体よりなる。ミッドソール9の材質は、エチレン−酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」という)である。このポリマーを基材として、発泡剤又は微少中空球(「マイクロバルーン」等と称される)等の配合されたEVA組成物がミッドソール9用として用いられる。生産性を高める観点から、ミッドソール9の材質は、熱可塑性であるのが好ましい。発泡体のミッドソール9は、スポンジ状である。ミッドソール9は、柔軟性がある。ミッドソール9が発泡体とされることにより、靴底3の衝撃吸収性が高められる。ミッドソール9の発泡倍率は、アウトソール7の材質、アウトソール7の厚さ、ミッドソール9自身の厚さ等が考慮されて決定される。ミッドソール9の発泡倍率は、通常、1.5倍から10倍程度とされる。
本実施形態の靴1において、アウトソール7とミッドソール9とは、それぞれ別個に成形されている。靴1では、それぞれ別個に成形されたアウトソール7とミッドソール9とが、接着剤により接着されている。なお、本発明では、アウトソール7とミッドソール9とが加硫接着されていてもよい。本発明では、アウトソール7とミッドソール9とが融着していてもよい。
ミッドソール9の厚みは、15mm以上であることが好ましい。ミッドソール9が薄すぎると衝撃吸収性が不足することがある。この観点から、ミッドソール9の厚みは17mm以上であることがより好ましい。また、ミッドソール9の厚みが厚すぎると安定性が不十分となることがある。この観点から、ミッドソール9の厚みは、30mm以下が好ましく、27mm以下がより好ましく、22mm以下であることが特に好ましい。
ミッドソール9の硬度は、アスカーC硬度(日本ゴム協会規格 SRIS 0101)で50以上であることが好ましい。ミッドソール9の硬度が低すぎると、安定性が不足することがある。この観点から、ミッドソール9の硬度は55以上であることがより好ましい。また、硬度が高すぎると、衝撃吸収性が不足することがある。この観点から、ミッドソール9の硬度は、アスカーC硬度(日本ゴム協会規格 SRIS 0101)で75以下であるのが好ましく、70以下であるのがより好ましい。
靴底3には、安定板11が取り付けられている。図1及び図2が示すように、安定板11は、土踏まず部17と、踵部19とを備えている。土踏まず部17は、人体の足裏の土踏まずに対応した立体形状を有する。土踏まず部17は、ミッドソール9に接着されている。土踏まず部17の設けられた部分には、アウトソール7が存在していない(後述される図5参照)。図1が示すように、踵部19は、ミッドソール9の踵部分の周囲を覆っている。この踵部19は、ミッドソール9の側面を覆っている。土踏まず部17及び踵部19は、アウトソール7とミッドソール9との接着を妨げない。
安定板11の材質は、樹脂である。好ましくは、安定板11は、EVAである。安定板11は、無発泡体である。安定板11は、ミッドソール9の変形を抑制し、靴1の安定性を高める。
安定板11の硬度は、アウトソール7の硬度よりも高いことが好ましい。安定板11の硬度は、デュロメーターA硬度で80以上であることが好ましい。安定板11の硬度が低い場合、拘束力が不足し安定性が不足する場合がある。この観点から安定板11の硬度は、85以上であることがより好ましい。さらには、安定板11の硬度は87以上であるのが好ましい。安定板11の硬度が高すぎると、弾性が不足し衝撃吸収性が不足することがある。この観点から上記硬度は100以下が好ましく、95以下がより好ましく、93以下が特に好ましい。
安定板11の剛性を高めて靴1の安定性を増加させる観点から、安定板11の厚みは、1.0mm以上であることが好ましく、1.5mm以上であることがより好ましい。安定板11が厚すぎると、靴の外観を損なうことがある。この観点から、安定板11の厚みは、3.5mm以下であることが好ましい。より好ましくは3mm以下、特に好ましくは2.0mm以下である。
安定板11は、所定の形状に別途成形され、これがミッドソール9に融着又は接着により接合されてもよい。成形用金型内でミッドソール9の成形と同時に安定板11を成形してもよい。同時成形の容易性及び接合強度の観点から、ミッドソール9の成形と同時に安定板11を成形する場合、ミッドソール9の材質と安定板11の材質とが同じであるのが好ましい。ミッドソール9と安定板11とがEVAよりなるのが特に好ましい。
アウトソール7の接地面13側には、凹状部21が設けられている。凹状部21は、溝状である。図3は、図2の凹状部21にハッチングを追記した図である。図3において、ハッチングのある部分は、全て凹状部21である。
凹状部21は、突起15の少なくとも一つについて、この突起15の周縁に沿って配置されている。例えば、凹状部21は、略三角形をなす第一突起15aの周縁に沿って設けられている(図3参照)。例えば、凹状部21は、第二突起15bの周縁に沿って設けられている。この第二突起15bは、略円形をなす円形部rと、この円形部rから接地面13の面内方向に突出する突出部tとを有している。円形部rは、外周が円形とされつつ配列された複数の小突起15cを有している。
図4は、図3のIV−IV線に沿った断面図である。図4は、アウトソール7及びミッドソール9の断面のみを示している。なお、ミッドソール9の上側には、インソールが設けられている。このインソールの断面は、図4において省略されている。
図4が示すように、接地面13は、ベース面23を有している。前述した突起15は、ベース面23よりも下方に突出している。凹状部21は、ベース面23よりも上方に(ミッドソール9側に)凹んでいる。図4が示すように、凹状部21の断面形状は、ほぼ矩形である。
図5は、アウトソール7を裏側(接地面13とは反対の側)から見た図である。図5は、アウトソール7における接地面13の裏面25を示している。図5は、ミッドソール9と接着される前におけるアウトソール7の図である。裏面25は、ミッドソール9と接する面である。
図4及び図5が示すように、接地面13の裏面25には、凸状部27が設けられている。凸状部27は、リブ状である。凹状部21は、凸状部27の裏側に設けられている(図4参照)。凹状部21は、凸状部27に対応して配置されている。図3と図5との対比により明らかなように、凹状部21は、全ての凸状部27に対応して配置されている。凸状部27は、凹状部21をバックアップしている。凸状部27は、凹状部21によるアウトソール7の薄肉化を抑制している。図4が示すように、凸状部27の断面形状は、円弧状である。凸状部27は、凹状部21よりも広い領域をカバーしている。図5で示された線は、アウトソール7の外形線を除き、全て凸状部27の輪郭線である。
図6は、ミッドソール9における接着面31を示す図である。図6は、アウトソール7と接着される前におけるミッドソール9の図である。接着面31は、アウトソール7と接する面である。
ミッドソール9は、凹状部29を有している。凹状部29は、溝状である。図4が示すように、凹状部29の断面形状は、円弧状である。ミッドソール9の凹状部29は、アウトソール7の凸状部27に対応して配置されている。図6で示された線は、ミッドソール9の外形線を除き、全て凹状部29の輪郭線である。図5と図6との対比により明らかなように、凹状部29は、全ての凸状部27に対応して配置されている。
アウトソール7の接地面13は、複数の色よりなる。アウトソール7は、色の異なる複数の材質よりなる。接地面13は、第一の色を有する第一色領域αと、第二の色を有する第二色領域βを有する。更に、接地面13は、第三の色を有する第三色領域γを有する。本実施形態では、ベース面23の一部が第一色領域αとされ、多数の突起15のうちの一部の突起15及びベース面23の一部が第二色領域βとされ、他の一部の突起15が第三色領域γとされている。第一色領域αは、例えば黒色である。第二色領域βは、例えば青色である。第三色領域γは、例えば黄土色である。領域α、領域β及び領域γを構成する色は、いずれも塗装された色ではなく、材料自体の色である。材料である組成物に顔料を配合することにより、材料の色が変更されうる。材料自体が着色されることにより、接地面13の摩耗による色落ちが防止されうる。
凹状部21は、互いに相違する色の境界部に設けられている。具体的には、第一色領域αと第二色領域βとの境界部に、凹状部21が配置されている。同様に、第二色領域βと第三色領域γとの境界部に、凹状部21が配置されている。さらに、第三色領域γと第一色領域αとの境界部に、凹状部21が配置されている。
図4が示すように、アウトソール7は、基部33と、この基部33の接地面側に接着された接合部35とを有する。接合部35は、接地面13の一部を構成している。基部33と接合部35との接着は、加硫接着又は融着によりなされている。なお、基部33と接合部35との接着は、接着剤による接着でもよい。基部33は、ベース面23を構成している。更に、本実施形態では、基部33が、突起15の一部を構成している。基部33と接合部35との間には接合面37が存在している(図4参照)。
接合部35の色は、基部33の色と異なる。接合部35を構成する材料と、基部33を構成する材料とは、色が異なる。基部33用の素材と接合部35用の素材とを金型内に置き、加熱及び加圧をすることにより、基部33と接合部35とが接合されている。この接合の際に、基部33と接合部35との境界部分が流動する。この流動により、アウトソール7の外面における基部33と接合部35との境界線k(図4参照)は、移動しうる。本実施形態では、境界線kは、凹状部21の内部に位置している。例えば、第一の境界線k1は、凹状部21の底面に位置している。また、第二の境界線k2は、凹状部21の側面に位置している。
以上のように構成された靴1は、以下のような作用効果を発揮しうる。
靴1の使用時に、突起15は接地する。接地した突起15は、地表から大きな力を受ける。この力により、突起15の周縁に亀裂が発生する恐れがある。また、突起15が容易に倒れてしまう場合、充分な防滑性能を発揮できない。アウトソール7に設けられた凸状部27により、突起15の周縁におけるアウトソール7の強度が向上する。この強度の向上により、突起15の周縁における亀裂の発生が抑制されうる。更に、凸状部27により、突起15が倒れにくくなり、防滑性能が向上しうる。倒れにくい突起15により、蹴りの力が効果的に地面に伝達される。
図4が示すように、アウトソール7には、接合部35を有する突起15が設けられている。接合部35を設けることにより、基部33とは異なる材質を用いることができ、突起15の設計自由度が高まる。具体的には、接合部35の材質を変えることにより、突起15の剛性を高めたり、突起15と地表面との間の摩擦係数を高めたり、突起15の色を基部33と異ならせたりすることが可能になる。突起15に外力が作用すると、基部33と接合部35との接合面37において亀裂や剥離などが発生しやすくなる。しかし、本実施形態では、凹状部21により突起15が倒れにくくなるので、接合面37における亀裂が効果的に抑制される。
前述したように、基部33と接合部35とは接着剤で接着されてもよい。ただし、接着強度を高める観点から、基部33と接合部35とは、加硫接着又は融着されるのが好ましく、加硫接着されているのがより好ましい。一方、基部33の色と接合部35の色とを互いに相違させることは、デザイン性又は外観性を高める観点から有用である。互いに異なる色の基部33と接合部35とを加硫接着させることにより、互いの色を相違させつつ接着強度を高めることが可能となる。しかし、前述したように、加硫接着又は融着の際に、基部33と接合部35との境界部分が流動し、境界線kが流動する。この流動により、境界線kは、異なる色同士の境界線kを歪ませる。換言すれば、この流動により、境界位置kが不定形となる。歪んだ境界線kは、外観を悪化させ、商品価値を低下させる。
境界線kが凹状部21の内部に位置している場合、境界線kは目立たない。具体的には、図4が示すように、凹状部21の底面に位置している第一の境界線k1や、凹状部21の側面に位置している第二の境界線k2は、目立たない。凹状部21は、歪んだ境界線kを効果的に目立たなくする。境界線kを目立たなくすることにより、靴1の商品価値が高まる。
凹状部21を設けることにより、突起15が倒れやすくなったり、凹状部21の周縁に亀裂が入りやすくなったりする欠点が考えられる。これに対して本実施形態では、凹状部21に対応した位置に凸状部27が設けられている。この凸状部27により、凹状部21が設けられた部分が効果的に補強されている。
ミッドソール9の接着面31は、平坦面でもよい。しかし、平坦な接着面31と、凸状部27を有するアウトソール7の裏面25とが張り合わされると、凸状部27の部分が接地面側に押し出されるように変形する。この変形により、突起15の周辺部が常時引張変形された靴1となる。この引張変形された部位に鋭利なものが当たると、傷や亀裂が発生しやすい。また、引張変形された部分は、傷や亀裂が拡がりやすい。特に加硫ゴムの場合、引張変形された部位に傷や亀裂が発生しやすい。これに対して本実施形態では、ミッドソール9に凹状部29が設けられている。この凹状部29により、凸状部27に起因するアウトソール7の引張変形が抑制される。なお、アウトソール7とミッドソール9とを接合する前後において、凸状部27の形状が維持されている場合に、上記引張変形の問題が顕在化しやすい。また、アウトソール7とミッドソール9とを接合する前後において、ミッドソール9の接着面31の形状が変化しない場合に、上記引張変形の問題が顕在化しやすい。即ち、アウトソール7とミッドソール9とを接合する前後において、互いの接合面の形状が変化しない場合に、上記引張変形の問題が顕在化しやすい。これらの観点から、アウトソール7とミッドソール9とが、接着剤により接着されている場合、本発明はより一層効果的となる。
また、本実施形態では、ミッドソール9が発泡体よりなる。発泡体は、柔軟性があり、変形しやすい。その為、平坦な接着面31と、凸状部27を有するアウトソール7の裏面25とが張り合わされた場合であっても、凸状部27に対応してミッドソール9が変形しやすい。ミッドソール9の変形により、凸状部27に起因するアウトソール7の引張変形が抑制される。更に、ミッドソール9が発泡体よりなり且つミッドソール9が上記凹状部29を有する構成とすることにより、凸状部27に起因するミッドソール9の引張変形がより一層抑制されうる。
突起15の接地面側が接合部35である場合、突起15の全体が接合部35であってもよいし、突起15の一部が接合部35であってもよい。突起15の全体が接合部35である場合、接合部35が、ミッドソール9の接着面31にまで至ることとなる。この場合、接合部35は、主としてミッドソール9に接合される。一方、前述した図4の実施形態のように、突起15の一部が接合部35である場合、接合部35は、主としてアウトソール7の基部33に接合される。ミッドソール9と接合部35との接合強度は、接合部35と基部33との接合強度に比べて、弱くなりやすい。なぜなら、前者の場合、接合部35の接合部が、アウトソール7とミッドソール9との境界面に一致するからである。また、ミッドソール9が発泡体である場合、ミッドソール9と接合部35との接合強度は、より一層弱く成りやすい。このような観点から、接合部35は突起15の一部を構成し、且つ接合部35とミッドソール9との間に基部33が介在しているのが好ましい。
屈曲時における亀裂の発生を抑制する観点から、基部33の厚さT1(図4参照)は、1.5mm以上が好ましく、2.0mm以上がより好ましく、2.2mm以上が特に好ましい。靴底3の屈曲性を高め且つ軽量化を図る観点から、基部33の厚さT1は、3.5mm以下が好ましく、3.0mm以下がより好ましく、2.8mm以下が特に好ましい。
亀裂の発生を抑制する観点から、凹状部21が配置された部位におけるアウトソール7厚さT2は、0.5mm以上が好ましい。なお、この厚さT2に、凸状部27の厚さは含まれない。互いに相違する色の境界部において加硫ゴムの厚みが薄くされると、加硫が促進され、未加硫状態又は半加硫状態における流動が抑制される。色の境界部におけるゴムの流動を抑制して、色の境界部の外観を向上させる観点から、厚さT2は、2.5mm以下が好ましく、1.8mm以下とされるのがより好ましく、1.5mm以下とされるのが特に好ましい。
屈曲時における亀裂の発生を抑制する観点から、凸状部27の厚さT3は、0.5mm以上が好ましく、0.7mm以上がより好ましく、1.0mm以上が特に好ましい。足裏への突き上げ感を抑制するとともに、靴底3の円滑な屈曲を達成する観点から、凸状部27の厚さT3は、2.5mm以下が好ましく、2.3mm以下がより好ましく、2.0mm以下が特に好ましい。
色の境界線kが凹状部内に留まる確率を高める観点から、凹状部21の幅W1は、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましい。突起15を倒れにくくする観点から、幅W1は、3.0mm以下が好ましく、2.5mm以下がより好ましい。
凹状部21の隅部分における基部33の厚さを大きくして、亀裂の発生を抑制する観点から、凸状部27のうち、凹状部21よりも幅広とされた部分の幅W2(図4参照)は、0.2mm以上が好ましく、0.3mm以上がより好ましく、0.4mm以上が特に好ましい。アウトソール7を軽量化するとともに、靴底3の屈曲性を高める観点から、幅W2は、2.0mm以下が好ましく、1.8mm以下がより好ましく、1.5mm以下が特に好ましい。
第二突起15bの円形部rは、従来のゴルフ靴における鋲と同様の位置に設けられている。円形部rを構成する小突起15cの構成として、従来のゴルフ靴における樹脂鋲と同様の構成が採用されうる。地面を蹴る際には、母子球下や親指下に大きな力が作用する。地面を蹴る際の防滑性能を高める観点から、第二突起15bの円形部rは、母指球下及び/又は親指下に設けられるのが好ましい。地面を蹴る際の防滑性能を高める観点から、円形部rの直径は10mm以上が好ましく、12mm以上がより好ましく、15mm以上が特に好ましい。第二突起15bが過度の大型化を抑制して第二突起15bに作用する面圧を高める観点から、円形部rの直径は30mm以下が好ましく、28mm以下がより好ましく、25mm以下が特に好ましい。突起の剛性を高めて防滑性能を高める観点から、第二突起15bのタイプAデュロメーター硬度(JIS−K6253−1997)は、60以上が好ましく、65以上がより好ましく、70以上が特に好ましい。突き上げを抑制し履き心地を良くするとともに芝などの地面を傷つけにくくする観点から、第二突起15bのタイプAデュロメーター硬度(JIS−K6253−1997)は、90以下が好ましく、87以下がより好ましく、85以下が特に好ましい。防滑性能を高める観点から、第二突起15bの硬度は、基部33の硬度よりも高くされるのが好ましい。
突出部tと円形部rとは、同一の材料で一体成形されている。突出部tは、第二突起15bが倒れるのを抑制し、第二突起15bによる防滑性能や地面把持力を高める。この観点から、第二突起15bにおいて、突出部tの突出方向は、体重移動により突起が倒れやすい方向と同じ方向であるのが好ましい。図1で示される上記実施形態では、突出部tは、インサイド側で且つ踵側の方向に向かって延びている。この方向は、ゴルフスイング時において第二突起15bが倒れやすい方向である。突出部tによる上記効果を高める観点から、突出部tの幅は、1.0mm以上が好ましく、1.5mm以上がより好ましく、2.0mm以上が特に好ましい。突出部tによる上記効果を高める観点から、突出部tの長さは、3mm以上が好ましく、4mm以上がより好ましく、5mm以上が特に好ましい。
図7は、他の実施形態に係る靴100におけるミッドソール110の図である。ミッドソールを除き、靴100の構造は、前述した靴1と同様である。なお、図7は、右足用の靴100である。図7は、ミッドソール110の上面を示している。この上面は、ミッドソール110におけるアウトソール7との接着面に対する裏面である。前述したミッドソール9と同様に、ミッドソール110の接着面に、凹状部29が設けられても良い。
図7は、110の平面図である。図7が示すように、このミッドソール110は、低弾性部120及び高弾性部122を備えている。低弾性部120の弾性率は、高弾性部122の弾性率よりも小さい。ミッドソール110に圧縮荷重が加わったとき、低弾性部120は高弾性部122よりも変形しやすい。低弾性部120が、互いの弾性率が異なる2以上の部位からなってもよい。高弾性部122が、互いの弾性率が異なる2以上の部位からなってもよい。
図8は、図7のα−α線に沿った断面図である。図9は、図7のβ−β線に沿った断面図である。図10は、図7のγ−γ線に沿った断面図である。このミッドソール110はさらに、傾斜面124を備えていることが好ましい。傾斜面124は、低弾性部120と高弾性部122との境界の一部を形成している。傾斜面124は、水平方向に対して傾斜している。この実施形態では、傾斜面124は、左(インサイド)から右(アウトサイド)に向かって上向きに傾斜している。傾斜面124の上側かつインサイドには、低弾性部120が存在している。傾斜面124の下側かつアウトサイドには、高弾性部122が存在している。高弾性部122は、低弾性部120のインサイドにも存在している。以下、低弾性部120よりもインサイドにある高弾性部126は、「内側高弾性部」と称される。低弾性部120の厚みは、傾斜面124に沿って、アウトサイドからインサイドに向かって徐々に大きくなっている。高弾性部122の厚みは、傾斜面124に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって徐々に大きくなっている。
ゴルファーがこのゴルフ靴100を着用し、靴底3にゴルファーの体重が加わると、このミッドソール110が圧縮される。インサイドでは低弾性部120の厚みが大きいので、インサイドの圧縮変形量は大きい。アウトサイドでは高弾性部122の厚みが大きいので、アウトサイドの圧縮変形量は小さい。このミッドソール110では、体重が加わることで、偏った変形が生じる。ミッドソール110の変形により、インソールの上面(図示省略)の位置が変位する。インサイドにおけるインソール上面の下方への変位は、アウトサイドにおけるインソール上面の下方への変位よりも大きい。インソールは、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾く。ゴルファーの足も、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾く。ゴルファーの体重は、主としてインサイドにかかる。前述の通り、ゴルファーはスイングのときに蹴足のインサイドで地面を蹴る。足が傾いているので、ゴルファーは力を地面に伝えやすい。このミッドソール110は、右利きゴルファーの右足に適している。このゴルフ靴100は、大きなヘッドスピードに寄与する。大きなヘッドスピードは、大きな飛距離を生む。
靴底3にゴルファーの体重が加わっても、内側高弾性部126は大きくは変形しない。この内側高弾性部126は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。この内側高弾性部126により、足から地面に大きな力が伝えられうる。この内側高弾性部126は、大きなヘッドスピードに寄与する。
図8の形状が左右反転されたミッドソールは、右利きゴルファーの軸足(すなわち左足)に適している。このミッドソールにより、ゴルファーの軸足は、インサイドからアウトサイドに向かって上向きに傾く。ゴルファーは、軸足で体重を受け止めやすい。このミッドソールも、大きな飛距離に寄与する。
本発明において、体重が加わった状態とは、体重が60kgの着用者が左右の足に均等に体重をかけた状態を意味する。
左足用及び右足用のミッドソールにおいて、ミッドソールの偏った変形が達成されることが好ましい。ミッドソールの偏った変形が、左足用及び右足用のミッドソールのいずれか一方のみで達成されてもよい。
このミッドソール110では、低弾性部120及び高弾性部122の厚みが、傾斜面124に沿って徐々に変化している。従って、ミッドソール110の圧縮変形量は、傾斜面124に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって、連続的に変化する。圧縮変形量は、急激には変化しない。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。安定したスイングは、飛距離のばらつきを抑制する。安定したスイングはさらに、ゴルフボールの飛行方向のばらつきを抑制する。圧縮変形量が連続的に変化するミッドソール110は、歩行時の違和感を生じさせない。
高弾性部122の発泡倍率よりも大きな発泡倍率が低弾性部120に適用されることにより、弾性率の相違が達成されうる。高弾性部122の基材ポリマーとは異なる基材ポリマーが低弾性部120に用いられることにより、弾性率の相違が達成されうる。高弾性部122における添加剤の量とは異なる量の添加剤が低弾性部120に添加されることにより、弾性率の相違が達成されうる。高弾性部122の添加剤とは異なる添加剤が低弾性部120に配合されることにより、弾性率の相違が達成されうる。
図7から明らかなように、低弾性部120の平面形状は、実質的に楕円である。楕円の低弾性部120を備えたミッドソール110では、前後方向においても、圧縮変形量が急激には変化しない。楕円の低弾性部120は、スイングの安定に寄与する。平面形状が長円である低弾性部も、スイングの安定に寄与する。
図7において符号Aで示された二点鎖線は、ミッドソール110の長さ線である。長さ線Aは、ミッドソール110の輪郭内に画かれうる最長の線分である。長さ線Aは、爪先側端130から踵側端132に至っている。図7において、長さ線Aの長さが符号Lによって示されている。図7において符号Bで示された二点鎖線は、幅線Bである。幅線Bは、長さ線Aと直交している。この幅線Bまでの爪先側端130からの距離は、(L/4)である。この幅線Bは、低弾性部120を通過している。換言すれば、長さ線Aに沿って爪先側端130から踵側端132へ、流さ線の距離Lの25%を移動した地点に、傾斜面124が存在している。スイングにおいて最も力がかかるのは、母趾球の近傍である。前述の位置に傾斜面124が存在することにより、ゴルファーは力を地面に伝えやすい。長さLは、通常は150mmから320mmである。
ゴルファーが力を地面に伝えやすいとの観点から、長さ線Aに沿った傾斜面124の距離は、5mm以上が好ましく、20mm以上がより好ましく、50mm以上が特に好ましい。効果の観点からはこの距離の上限に制限は無いが、通常は200mm以下、さらには105mm以下である。
図9において両矢印Waで示されているのは、傾斜面124の左右方向幅である。幅Waは、幅線Bに沿った断面において測定される。幅Waは、5mm以上100mm以下が好ましい。幅Waが5mm以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、幅Waは20mm以上がより好ましく、30mm以上が特に好ましい。幅Waが100mm以下に設定されたゴルフ靴100では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、幅Waは80mm以下がより好ましく、70mm以下が特に好ましい。なお、幅線Bに沿ったミッドソール110の幅Wは、通常は80mm以上120mm以下である。
図9において両矢印Wbで示されているのは、内側高弾性部126のうち上面が平坦な部位の幅である。幅Wbは、幅線Bに沿って測定される。幅Wbは、3mm以上25mm以下が好ましい。幅Wbが3mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅Wbは5mm以上がより好ましく、7mm以上がさらに好ましく、10mm以上が特に好ましい。幅Wbが25mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅Wbは22mm以下がより好ましく、18mm以下が特に好ましい。
図9において両矢印Wcで示されているのは、内側高弾性部126の幅である。幅Wcは、幅線Bに沿って測定される。幅Wcは、13mm以上35mm以下が好ましい。幅Wcが13mm以上に設定されることにより、足から地面へ十分な力が伝わる。この観点から、幅Wcは15mm以上がより好ましく、17mm以上がさらに好ましく、20mm以上が特に好ましい。幅Wcが35mm以下に設定されることにより、足が十分に傾斜する。この観点から、幅Wcは32mm以下がより好ましく、28mm以下が特に好ましい。
図9において両矢印Wdで示されているのは、低弾性部120のアウトサイド端とミッドソールのアウトサイド端との距離である。距離Wdは、13mm以上、さらには15mm以上、さらには17mm以上、さらには20mm以上が好ましい。距離Wdは、35mm以下、さらには32mm以下、さらには28mm以下が好ましい。
図9において両矢印Tで示されているのは、ミッドソール110の厚みである。厚みTは、幅線Bに沿った断面において測定される。厚みTは、側壁118を除く部位の最大厚みである。厚みTは、2mm以上、さらには5mm以上である。厚みTは、25mm以下、さらには20mm以下、さらには15mm以下である。図9において両矢印tで示されているのは、低弾性部120の最大厚みである。厚みtは、幅線Bに沿った断面において測定される。インソールの上面が十分に傾斜するとの観点から、厚みTに対する厚みtの比率は30%以上、さらには40%以上、さらには50%以上、さらには80%以上が好ましい。図9に示された実施形態では、この比率は100%である。換言すれば、ミッドソール110の底面134に、低弾性部120がわずかに露出している。図8から明らかなように、α−α線に沿った断面では、低弾性部120は底面134に露出していない。図10から明らかなように、γ−γ線に沿った断面でも、低弾性部120は底面134に露出していない。
底面134に低弾性部120と高弾性部122との境界線が存在すると、この境界線が亀裂等の損傷の原因となることがある。ミッドソール110の耐久性の観点から、境界線が底面134に存在しないことが好ましい。換言すれば、低弾性部120が底面134に露出しないことが好ましい。耐久性の観点から、厚みTに対する厚みtの比率は100%未満が好ましく、98%以下がより好ましく、95%以下が特に好ましい。
図9において両矢印θで示されているのは、左右方向(水平方向)に対する傾斜面124の角度である。角度θは、幅線Bに沿った断面において測定される。角度θは、3度(degree)以上60度以下が好ましい。角度θが3度以上に設定されたゴルフ靴100では、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、角度θは5度以上がより好ましく、7度以上が特に好ましい。角度θが60度以下に設定さることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、角度θは50度以下がより好ましく、40度以下がさらに好ましく、20度以下が特に好ましい。
低弾性部120の硬度HLの、高弾性部122の硬度HHに対する比(HL/HH)は、0.20以上0.90以下が好ましい。比(HL/HH)が0.20以上に設定されることにより、圧縮変形量の急激な変化が抑制される。この観点から、比(HL/HH)は0.30以上がより好ましく、0.40以上が特に好ましい。比(HL/HH)が0.90以下に設定されることにより、ゴルファーが力を地面に伝えやすい。この観点から、比(HL/HH)は0.85以下がより好ましく、0.80以下が特に好ましい。低弾性部120の硬度HLは、20以上70以下が好ましい。高弾性部122の硬度HHは、40以上85以下が好ましい。硬度は、日本ゴム協会標準規格に準拠して、高分子計器株式会社のアスカーC型硬度計にて測定される。
低弾性部の20℃における0.25%圧縮条件での損失係数(tanδ)は、0.20以下が好ましい。この損失係数(tanδ)が0.20より大きい場合、反発弾性の悪化を意味し、ゴルフスイング中の体重移動により傾斜しやすくなるとともに、特にインパクト時において蹴り出す力を吸収しやすくなる。よって、損失係数(tanδ)が0.20より大きい場合、スイングが効率的になされない場合がある。スイングの力を効率的に活かす観点から、この損失係数(tanδ)は、0.19以下がより好ましく、0.18以下が更に好ましい。材料入手を容易とする観点から、この損失係数(tanδ)は、0.05以上が好ましく、0.10以上がより好ましい。
上記損失係数(tanδ)の測定条件は、以下の通りである。測定器は、粘弾性スペクトロメーター(島津製作所社製の商品名「VA−200改良型」)を用いた。変形モードは圧縮とされ、温度依存は[−100℃〜100℃]とされ、昇温速度は3(℃/min)とされ、周波数は10Hzとされ、変位振幅は0.25%とされ、サンプルサイズは縦5mm×横5mm×厚み2mmとされた。波形は正弦波とされ、加振は、連続加振とされた。
図11は、図7のミッドソール110の製造方法の一例が説明されるための断面図である。この製造方法では、まず第一部品136、第二部品138及び第三部品140が準備される。第一部品136、第二部品138及び第三部品140は、気泡を含むポリマー成形体からなる。第一部品136の弾性率は、第二部品138及び第三部品140の弾性率よりも小さい。第一部品136及び第二部品138の断面形状は、実質的に三角形である。第三部品140の輪郭は、ミッドソール110の輪郭に類似している。第三部品140は、打ち抜きよって形成された穴142を備えている。
この製造方法では、第一部品136と第二部品138とが貼り合わされる。第一部品136と第二部品138との境界は、傾斜する。次に、第一部品136及び第二部品138が、第三部品140の穴142に挿入される。次に、第一部品136、第二部品138及び第三部品140が金型に投入され、高温下で圧縮される。各部品136、138、140は、互いに接合される。この製造方法では、第一部品136が低弾性部120を形成し、第二部品138及び第三部品140が高弾性部122を形成する。第一部品136及び第二部品138が圧縮され、かつ第三部品140も圧縮された後、この第三部品140に第一部品136及び第二部品138が挿入されてもよい。
図12は、図7のミッドソール110の製造方法の他の例が説明されるための断面図である。この製造方法では、まず第一部品144及び第二部品146が準備される。第一部品144及び第二部品146は、気泡を含むポリマー成形体からなる。第一部品144及び第二部品146は、既に圧縮されている。第一部品144の弾性率は、第二部品146の弾性率よりも小さい。第一部品144の断面形状は、実質的に三角形である。第二部品146の輪郭は、ミッドソール110の輪郭に類似している。第二部品146は、窪み148を備えている。窪み148の断面形状は、実質的に三角形である。窪み148の上面150は、傾斜している。
この製造方法では、第一部品144が第二部品146の窪み148に挿入され、両者が貼り合わされる。第一部品144と第二部品146との境界は、傾斜する。この製造方法では、第一部品144が低弾性部120を形成し、第二部品146が高弾性部122を形成する。
アウトソール7に低弾性部及び高弾性部が設けられることにより、足の傾斜が達成されてもよい。インサイドにおける突起15の密度が、アウトサイドにおける突起15の密度よりも小さくされることで、足の傾斜が達成されてもよい。
図13は、本発明の他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール150が示された断面図である。このミッドソール150の平面形状は、図7に示されたミッドソール110の平面形状と同等である。この図13には、幅線Bに沿った断面が示されている。この図13において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。このミッドソール150は、低弾性部154、高弾性部156及び傾斜面158を備えている。低弾性部154の断面形状は、実質的に台形である。傾斜面158のインサイドでかつ上側には、低弾性部154が存在している。傾斜面158のアウトサイドでかつ下側には、高弾性部156が存在している。低弾性部154のインサイドには、内側高弾性部160が存在している。
このミッドソール150でも、低弾性部154の圧縮変形量と高弾性部156の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール150でも、圧縮変形量は、傾斜面158に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール150でも、内側高弾性部160は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
図14は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール162が示された断面図である。このミッドソール162の平面形状は、図7に示されたミッドソール110の平面形状と同等である。この図14には、幅線Bに沿った断面が示されている。この図14において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。このミッドソール162は、低弾性部164、高弾性部166、傾斜面168及び平坦面170を備えている。平坦面170は、傾斜面168と連続しており、傾斜面168のアウトサイドに位置している。傾斜面168のインサイドでかつ上側には、低弾性部164が存在している。傾斜面168のアウトサイドでかつ下側には、高弾性部166が存在している。平坦面170の上側には、低弾性部164が存在している。平坦面170の下側には、高弾性部166が存在している。低弾性部164のインサイドには、内側高弾性部172が存在している。
このミッドソール162でも、低弾性部164の圧縮変形量と高弾性部166の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール162でも、圧縮変形量は、傾斜面168に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール162でも、内側高弾性部172は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
図15は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール174が示された断面図である。このミッドソール174の平面形状は、図7に示されたミッドソール110の平面形状と同等である。この図15には、幅線Bに沿った断面が示されている。この図15において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。このミッドソール174は、低弾性部176、高弾性部178、傾斜面180及び平坦面182を備えている。平坦面182は、傾斜面180と連続しており、傾斜面180のインサイドに位置している。傾斜面180のインサイドでかつ上側には、低弾性部176が存在している。傾斜面180のアウトサイドでかつ下側には、高弾性部178が存在している。平坦面182の上側には、低弾性部176が存在している。平坦面182の下側には、高弾性部178が存在している。低弾性部176のインサイドには、内側高弾性部184が存在している。
このミッドソール174でも、低弾性部176の圧縮変形量と高弾性部178の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール174でも、圧縮変形量は、傾斜面180に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール174でも、内側高弾性部184は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
このミッドソール174では、低弾性部176は、底面に露出していない。換言すれば、低弾性部176と高弾性部178との境界線は、底面に存在しない。このミッドソールは、耐久性に優れる。耐久性の観点から、ミッドソール174の厚みTに対する低弾性部176の厚みtの比率は100%未満が好ましく、98%以下がより好ましく、95%以下が特に好ましい。インソールの上面が十分に傾斜するとの観点から、この比率は30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。
図16は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール186が示された断面図である。このミッドソール186の平面形状は、図7に示されたミッドソール110の平面形状と同等である。この図16には、幅線Bに沿った断面が示されている。この図16において、左側がインサイドであり、右側がアウトサイドである。このミッドソール186は、低弾性部188、高弾性部190、第一平坦面192、傾斜面194及び第二平坦面196を備えている。第一平坦面192は、傾斜面194と連続しており、傾斜面194のインサイドに位置している。第二平坦面196は、傾斜面194と連続しており、傾斜面194のアウトサイドに位置している。傾斜面194のインサイドでかつ上側には、低弾性部188が存在している。傾斜面194のアウトサイドでかつ下側には、高弾性部190が存在している。第一平坦面192の上側には、低弾性部188が存在している。第一平坦面192の下側には、高弾性部190が存在している。第二平坦面196の上側には、低弾性部188が存在している。第二平坦面196の下側には、高弾性部190が存在している。低弾性部188のインサイドには、内側高弾性部198が存在している。
このミッドソール186でも、低弾性部188の圧縮変形量と高弾性部190の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール186でも、圧縮変形量は、傾斜面194に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール186でも、内側高弾性部190は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
このミッドソール186では、低弾性部188は、底面に露出していない。換言すれば、低弾性部188と高弾性部190との境界線は、底面に存在しない。このミッドソールは、耐久性に優れる。耐久性の観点から、ミッドソール186の厚みTに対する低弾性部188の厚みtの比率は100%未満が好ましく、98%以下がより好ましく、95%以下が特に好ましい。インソールの上面が十分に傾斜するとの観点から、この比率は30%以上が好ましく、50%以上がより好ましく、80%以上が特に好ましい。
図17は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール200が示された平面図である。この図17には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール200は、ベース202と、このベース202の外縁に位置する側壁204とを備えている。このミッドソール200は、右足用である。左足用のミッドソールは、図17に示された形状が左右反転した形状を呈する。
このミッドソール200の幅線Bに沿った断面形状は、図9に示されたミッドソール110の断面形状と同等である。このミッドソール200は、低弾性部206及び高弾性部208を備えている。低弾性部206と高弾性部208との境界は、傾斜面を含んでいる。このミッドソール200でも、低弾性部206の圧縮変形量と高弾性部208の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール200でも、圧縮変形量は、傾斜面に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール200でも、内側高弾性部210は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
図17から明らかなように、低弾性部206の平面形状は八角形である。八角形の低弾性部206を備えたミッドソール200では、前後方向においても、圧縮変形量が急激には変化しない。八角形の低弾性部206は、スイングの安定に寄与する。平面形状が六角形、七角形、九角形、十角形である低弾性部も、スイングの安定に寄与しうる。
図18は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール212が示された平面図である。この図18には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール212は、ベース214と、このベース214の外縁に位置する側壁216とを備えている。このミッドソール212は、右足用である。左足用のミッドソールは、図18に示された形状が左右反転した形状を呈する。
このミッドソール212の幅線Bに沿った断面形状は、図9に示されたミッドソール110の断面形状と同等である。このミッドソール212は、低弾性部218及び高弾性部220を備えている。低弾性部218と高弾性部220との境界は、傾斜面を含んでいる。低弾性部218の平面形状は、略半楕円である。このミッドソール212でも、低弾性部218の圧縮変形量と高弾性部220の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール212でも、圧縮変形量は、傾斜面に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール212でも、内側高弾性部222は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。
図19は、本発明のさらに他の実施形態に係るゴルフ靴のミッドソール224が示された平面図である。この図19には、長さ線A及び幅線Bが示されている。このミッドソール224は、ベース226と、このベース226の外縁に位置する側壁228とを備えている。このミッドソール224は、右足用である。左足用のミッドソールは、図19に示された形状が左右反転した形状を呈する。
このミッドソール224の幅線Bに沿った断面形状は、図9に示されたミッドソール110の断面形状と同等である。このミッドソール224は、低弾性部230及び高弾性部232を備えている。低弾性部230と高弾性部232との境界は、傾斜面を含んでいる。低弾性部230の平面形状は、矩形である。このミッドソール224でも、低弾性部230の圧縮変形量と高弾性部232の圧縮変形量との相違に起因して、足が傾斜する。この傾斜により、ゴルファーは、十分な力を地面に伝えることができる。このミッドソール224でも、圧縮変形量は、傾斜面に沿ってインサイドからアウトサイドに向かって連続的に変化する。連続的な変化は、スイングの安定に寄与する。このミッドソール224でも、内側高弾性部234は、足から地面に伝わる力をあまり吸収しない。