JP4855328B2 - 点火コイル - Google Patents

点火コイル Download PDF

Info

Publication number
JP4855328B2
JP4855328B2 JP2007117832A JP2007117832A JP4855328B2 JP 4855328 B2 JP4855328 B2 JP 4855328B2 JP 2007117832 A JP2007117832 A JP 2007117832A JP 2007117832 A JP2007117832 A JP 2007117832A JP 4855328 B2 JP4855328 B2 JP 4855328B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
coil
secondary coil
axial
primary coil
primary
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007117832A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008277460A (ja
Inventor
政美 小島
孝司 田内
秀一 松林
育男 平山
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Toyo Denso Co Ltd
Original Assignee
Denso Corp
Toyo Denso Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Toyo Denso Co Ltd filed Critical Denso Corp
Priority to JP2007117832A priority Critical patent/JP4855328B2/ja
Publication of JP2008277460A publication Critical patent/JP2008277460A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4855328B2 publication Critical patent/JP4855328B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Ignition Installations For Internal Combustion Engines (AREA)

Description

本発明は、車両用エンジン等の内燃機関において、スパークプラグにおける一対の電極間にスパークを発生させるために用いる点火コイルに関する。
車両用エンジン等の内燃機関に用いる点火コイルは、ECU(電子制御ユニット)からの指令によって通電を行う一次コイルと、一次コイルへの通電を遮断したときに生ずる磁束の変化によってスパーク用の高電圧(二次電圧)を発生させる二次コイルとを有している。そして、例えば、特許文献1に開示されるように、一次コイル及び二次コイルを1つずつ有する点火コイルにおいては、スパークの発生のためのエネルギー効率を考慮して、一次コイルの巻幅と二次コイルの巻幅とをほぼ同じにしている。
また、例えば、特許文献2の火花点火装置においては、1つの1次巻線(一次コイル)に対して2つの2次巻線(二次コイル)を一体化し、2つの電極に印加する電圧の極性を切り替えることが開示されている。
しかしながら、1つの一次コイルと直列に結合した2つの二次コイルとを用いて、2箇所において同時にスパークを発生させる場合には、一次コイルの軸方向長さ(巻幅)と、2つの二次コイルを合わせた軸方向長さ(巻幅、二次コイル全体長さ)との関係を適切にしないと、二次電圧が低下してしまうおそれがある。具体的には、この場合において、一次コイル及び二次コイルの内周側及び外周側に配置した磁路形成コアを、上記二次コイル全体長さに合わせて長く形成したときには、磁路形成コアにおける磁気抵抗が増大して、二次電圧の低下が懸念される。そして、一次コイルの軸方向長さを上記二次コイル全体長さに合わせたときには、一次コイルの軸方向長さが長くなって、その容量が増大し、上記磁気抵抗の増大との相乗効果によって、二次電圧が低下するおそれがある。
特開2004−304199号公報 特開2001−12337号公報
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、1つの一次コイルへの通電を遮断した際に生ずる磁束の変化により、2つの二次コイルにおいて同時に発生させる二次電圧を高く得ることができる点火コイルを提供しようとするものである。
本発明は、同一軸心を有して内外周に重ねた一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルの内周側、外周側及び軸方向両端側を利用して、上記一次コイルに通電を行って生じる磁束を通過させるための閉磁路コアとを備えた点火コイルにおいて、
該点火コイルは、エンジンの気筒における2箇所において点火を行うよう構成した2点点火方式のものであり、
上記閉磁路コアは、上記一次コイル及び二次コイルの内周側に配置したコア中心部と、上記一次コイル及び二次コイルの外周側における周方向の一部に配置したコア外周部と、該コア外周部と上記コア中心部とを上記一次コイル及び二次コイルの軸方向両端側において中継する一対のコア中継部とによる環形状を有しており、
上記二次コイルは、断面円環形状の樹脂からなる二次スプールの軸方向一端側の外周部において、絶縁被覆してなる二次電線を軸方向一端側から軸方向他端側に向けて一方回りに巻回してなる第1の二次コイルと、上記二次スプールの軸方向他端側の外周部において、上記第1の二次コイルから連続する上記二次電線を軸方向一端側から軸方向他端側に向けて上記一方回りとは逆回りに巻回してなる第2の二次コイルとからなり、
上記第1の二次コイルは、コイルスプリングを介して上記エンジンの気筒に設けた第1のプラグホールに取り付けた第1のスパークプラグに電気接続され、上記第2の二次コイルは、導通ケーブルを介して上記エンジンの気筒に設けた第2のプラグホールに取り付けた第2のスパークプラグに電気接続されるよう構成してあり、
上記第1のスパークプラグと上記第2のスパークプラグとに発生させる二次電圧をほぼ同じにするために、上記一次コイルの軸方向の中心部分は、上記第1の二次コイルと上記第2の二次コイルとの間の軸方向中間部分よりも若干上記第2の二次コイルの側に位置しており、
上記第1の二次コイルの軸方向一端から上記第2の二次コイルの軸方向他端までの二次コイル全体長さH2は、上記一次コイルの軸方向長さH1よりも長くなっており、該一次コイルは、上記第1の二次コイルの軸方向一端又は上記第2の二次コイルの軸方向他端から軸方向外方に突出することなく、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルの両方に内周側又は外周側から重なっており、
上記一次コイルの軸方向長さH1と上記二次コイル全体長さH2とは、57≦H1/H2×100(%)≦86の関係を有していることを特徴とする点火コイルにある(請求項1)。
本発明においては、1つの一次コイルへの通電を遮断した際に生ずる磁束の変化により、2つの二次コイルにおいて同時にスパーク発生用の二次電圧を発生させる点火コイルにおいて、二次電圧を高く得るための工夫を行っている。
具体的には、本発明の点火コイルは、上記環形状の閉磁路コアと、互いに逆回りに巻回した上記2つの二次コイルとを有している。また、上記二次コイル全体長さH2は、上記一次コイルの軸方向長さH1よりも長くしてあり、一次コイルは、2つの二次コイルの軸方向外方に突出することなく、2つの二次コイルの両方に内周側又は外周側から重なっている。そして、一次コイルの軸方向長さH1は、二次コイル全体長さH2に対して、57〜86(%)の長さにしてある。
これにより、本発明の点火コイルにおいては、二次コイル全体長さH2に対して、一次コイルの軸方向長さH1が適切であり、2つの二次コイルにおいて発生させる二次電圧を高く得ることができる。
それ故、本発明の点火コイルによれば、1つの一次コイルへの通電を遮断した際に生ずる磁束の変化により、2つの二次コイルにおいて同時に発生させる二次電圧を高く得ることができる。
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、二次コイル全体長さH2に対する一次コイルの軸方向長さH1が、57(%)未満の場合及び86(%)を超える場合には、2つの二次コイルにおいて得られる二次電圧が低下してしまうおそれがある。
また、上記一次コイルの軸方向の中心部分は、上記第1の二次コイルと上記第2の二次コイルとの間の軸方向中間部分よりも若干上記第2の二次コイルの側に位置してい
これにより、2つの二次コイルにおいて、ほぼ平等に二次電圧を高く得ることができる。
また、上記一次コイルのインダクタンスをL1とし、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルが短絡されたときの上記一次コイルのインダクタンスをL1’としたとき、C=L1’/L1×100(%)によって表されるコイル漏れ係数Cは、31.7〜35.7(%)とすることができる(請求項)。
この場合には、一次コイル及び2つの二次コイルの設計が適切であり、上記2つの二次コイルにおいて、二次電圧を高く得ることができる。
なお、上記コイル漏れ係数Cが、31.7(%)未満の場合及び35.7(%)を超える場合には、2つの二次コイルにおいて得られる二次電圧が低下してしまうおそれがある。
また、上記閉磁路コアにおける上記コア中心部の断面積は、270〜290(mm2)であり、上記一次コイルの巻数は、150〜170(回)であり、上記二次コイル全体長さH2は、45〜95(mm)であり、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルの巻数は、それぞれ12000〜20000(回)であり、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルの外径は、20〜23(mm)であることが好ましい(請求項)。
この場合には、一次コイル及び2つの二次コイルの設計が適切であり、上記2つの二次コイルにおいて、二次電圧を高く得ることができる。
また、記一次コイル、上記二次コイル及び上記閉磁路コアは、樹脂製のコイルケース内に収容されてコイル部を構成しており、該コイル部の軸方向一端側には、上記第1のスパークプラグを装着する第1のプラグ装着部が形成してあり、上記コイル部の軸方向他端側からは、上記第2の二次コイルに電気接続された上記導通ケーブルが引き出してあり、該導通ケーブルの先端部には、上記第2のスパークプラグを装着する第2のプラグ装着部が設けてあることが好ましい(請求項)。
この場合には、2点点火方式の点火コイルにおいて、エンジンの気筒における2箇所において、高く得られた二次電圧により、安定したスパークを発生させることができる。
また、上記二次コイルは、上記一次コイルに通電する電流を遮断したときには、上記第1の二次コイルにおける軸方向一端側の巻線端が負電位となって、該巻線端に電気接続された上記第1のスパークプラグの中心電極から、グラウンド電位にある外側電極へマイナス放電を行うと共に、上記第2の二次コイルにおける軸方向他端側の巻線端が負電位となって、該巻線端に電気接続された上記第2のスパークプラグの中心電極から、グラウンド電位にある外側電極へマイナス放電を行うよう構成することが好ましい(請求項)。
この場合には、2つの二次コイルにおいてマイナス放電を行い、エンジンの気筒における2箇所において、安定したスパークを発生させることができる。
以下に、本発明の点火コイルにかかる実施例につき、図面と共に説明する。
本例の点火コイル1は、図1〜図3に示すごとく、同一軸心を有して内外周に重ねた一次コイル21及び二次コイル22と、一次コイル21及び二次コイル22の内周側、外周側及び軸方向両端側D1、D2を利用して、一次コイル21に通電を行って生じる磁束を通過させるための閉磁路コア4とを備えている。
この閉磁路コア4は、一次コイル21及び二次コイル22の内周側に配置したコア中心部41と、一次コイル21及び二次コイル22の外周側における周方向の一部に配置したコア外周部42と、コア外周部42とコア中心部41とを一次コイル21及び二次コイル22の軸方向両端側D1、D2において中継する一対のコア中継部43とによる環形状を有している。
上記二次コイル22は、断面円環形状の樹脂からなる二次スプール221の軸方向一端側D1の外周部において、絶縁被覆した二次電線を軸方向一端側D1から軸方向他端側D2に向けて一方回りに巻回してなる第1の二次コイル22Aと、二次スプール221の軸方向他端側D2の外周部において、第1の二次コイル22Aから連続する二次電線を軸方向一端側D1から軸方向他端側D2に向けて上記一方回りとは逆回りに巻回してなる第2の二次コイル22Bとからなる。
なお、この2つの二次コイル22の巻回状態は、二次コイル22が出来上がった状態をいい、2つの二次コイル22は、軸方向一端側D1又は軸方向他端側D2のいずれから巻回を開始することもできる。
点火コイル1において、図1に示すごとく、第1の二次コイル22Aの軸方向Dの一端から第2の二次コイル22Bの軸方向Dの他端までの二次コイル22の全体長さH2は、一次コイル21の軸方向長さH1よりも長くなっている。また、一次コイル21は、第1の二次コイル22Aの軸方向Dの一端又は第2の二次コイル22Bの軸方向Dの他端から軸方向Dの外方に突出することなく、第1の二次コイル22A及び第2の二次コイル22Bの両方に内周側から重なっている。そして、一次コイル21の軸方向長さH1と二次コイル22の全体長さH2とは、57≦H1/H2×100(%)≦86の関係を有している。
以下に、本例の点火コイル1につき、図1〜図6と共に詳説する。
図4に示すごとく、本例の点火コイル1は、エンジンの各気筒93における2箇所において点火を行うよう構成した2点点火方式のものである。
本例の点火コイル1を取り付けるエンジンのシリンダヘッド91においては、複数の気筒93を形成してなり、各気筒93における燃焼室931の上部には、第1のスパークプラグ8Aを取り付ける第1のプラグホール911Aと、第2のスパークプラグ8Bを取り付ける第2のプラグホール911Bとが形成されている。
本例の一次コイル21は、断面円環形状の樹脂からなる一次スプール211の外周部に、絶縁被覆した一次電線を巻回して形成してある。本例の点火コイル1においては、上記のごとく軸方向Dに連なる2つの二次コイル22A、Bが配置してあり、第1の二次コイル22Aは、第1のスパークプラグ8Aに電気接続され、第2の二次コイル22Bは、第2のスパークプラグ8Bに電気接続されるよう構成してある。
また、図1、図2に示すごとく、本例の点火コイル1は、一次コイル21、二次コイル22及び閉磁路コア4を樹脂製のコイルケース3内に収容してコイル部11を形成しており、このコイル部11の軸方向一端側D1には、第1のスパークプラグ8Aの碍子部81を装着するための第1のプラグ装着部12Aが形成してある。この第1のプラグ装着部12Aは、コイル部11と連結した樹脂製のタワー部5Aと、第1の二次コイル22Aにおける高電圧側巻線端と電気接続した導通金具7Aと、第1のスパークプラグ8Aの碍子部81が圧入されるゴム製のプラグキャップ61Aと、導通金具7Aと碍子部81の先端側に形成された端子部82とを導通させるコイルスプリング62とを有している。
また、図4に示すごとく、本例のコイル部11の軸方向他端側D2からは、第2の二次コイル22Bに電気接続された導通ケーブル34が引き出してある。この導通ケーブル34の先端部には、第2のスパークプラグ8Bを装着する第2のプラグ装着部12Bが設けてある。この第2のプラグ装着部12Bは、第2のスパークプラグ8Bの碍子部81が圧入されるゴム製のプラグキャップ61Bと、導通ケーブル34を電気接続し碍子部81の先端側に形成された端子部82と導通させる導通金具7Bとを有している。
また、図2に示すごとく、シリンダヘッド91には、シリンダヘッドカバー92が設けてあり、点火コイル1は、コイルケース3から径方向外方に突出して形成したフランジ部31によって、シリンダヘッドカバー92に固定するよう構成してある。
点火コイル1をエンジンに取り付けたときには、第1のプラグ装着部12Aが第1のプラグホール911A内において第1のスパークプラグ8Aの碍子部81に装着される。また、コイル部11は、プラグホール911Aの外部に配置される。
また、本例の一次コイル21は2つの二次コイル22の内周側に配置してあり、一次コイル21の軸方向Dの中心部分は、第1の二次コイル22Aと第2の二次コイル22Bとの間の軸方向Dの中間部分の内周側に位置している。なお、本例の2つの二次コイル22は、二次スプール221の外周面から径方向外方に突出する複数の鍔部によって軸方向Dの複数の巻回領域に仕切って、分割巻きを行って形成した。これに対し、二次コイル22は、高電圧側に向けて巻き径が縮小するよう巻回した二次電線の傾斜巻き層を、高電圧側に向けて複数積み重ねて行う斜向巻きとすることもできる。
また、本例の一次コイル21は、第2の二次コイル22Bと同じ回り方向(軸方向一端側D1から軸方向他端側D2に向けて一方回り)に巻回してあり、第1の二次コイル22Aとは逆回り(軸方向一端側D1から軸方向他端側D2に向けて逆回り)に巻回してある。
そして、図4、図5に示すごとく、本例の点火コイル1は、一次コイル21に通電する電流を遮断したときには、第1の二次コイル22Aにおける軸方向一端側D1の巻線端が負電位となって、この巻線端に電気接続された第1のスパークプラグ8Aの中心電極83Aから、グラウンド電位にある外側電極83Bへマイナス放電を行うと共に、第2の二次コイル22Bにおける軸方向他端側D2の巻線端が負電位となって、この巻線端に電気接続された第2のスパークプラグ8Bの中心電極83Aから、グラウンド電位にある外側電極83Bへマイナス放電を行うよう構成してある。
また、第1の二次コイル22Aと第2の二次コイル22Bとの中間点Pには、ダイオード18のアノード端子が接続してあり、ダイオード18のカソード端子は、一次コイル21のバッテリ接続側端部(プラス側端部)に接続してある。
なお、図6に示すごとく、ダイオード18のカソード端子は、グラウンドに接続することもできる。
図1に示すごとく、本例の閉磁路コア4は、四角環形状を有しており、2つのコア部材4A、Bを一次コイル21及び二次コイル22の軸方向両端側D1、D2から連結して形成してある。図3に示すごとく、2つのコア部材4A、Bは、軟磁性材料からなる電磁鋼板40を、コア中心部41とコア外周部42とが並ぶ第1方向とは直交する第2方向に複数積層してなる。
図1に示すごとく、2つのコア部材4A、Bにおける2箇所の連結部411、421のうち一方の連結部411には、永久磁石を配置したコアギャップ44が形成してあり、他方の連結部421には、2つのコア部材4A、Bの端面同士が接触した結合部45が形成してある。本例のコアギャップ44は、コア中心部41において、コイル部11の軸方向Dに対して傾斜した状態で形成してあり、本例の結合部45は、2つのコア部材4A、Bのいずれか一方に形成した凸部451を、他方に形成した凹部452に嵌合して形成してある。
図2に示すごとく、コイルケース3の軸方向他端側D2の外周面には、径方向外方に突出するコネクタ部35が形成してある。このコネクタ部35には、一次コイル21における各巻線端に導通する導通ピンが設けてあり、一次コイル21は、コネクタ部35から引き出したハーネスによって、点火コイル1の外部に設けたイグナイタに接続される。また、図5に示すごとく、イグナイタにおけるスイッチング制御回路19は、ECU(電子制御ユニット)からの信号を受けて、一次コイル21への通電及び通電の遮断を行うよう構成してある。
図1、図4に示すごとく、コイルケース3における軸方向他端側D2の外周面には、上記導通ケーブル34を引き出すためのケーブル引出部32が、径方向外方に突出して形成してある。第2の二次コイル22Bにおける軸方向他端側D2の高電圧巻線端は、ケーブル引出部32に設けた引出金具321を介して導通ケーブル34に電気接続してある。
また、図1〜図3に示すごとく、コイル部11内に形成された間隙、すなわちコイルケース3内に一次コイル21、二次コイル22、閉磁路コア4等を配置し、コイルケース3及びタワー部5A等によって囲まれて形成された間隙には、熱硬化性の絶縁樹脂(エポキシ樹脂等)15が充填してある。
本例の点火コイル1においては、以下のようにして、2つのスパークプラグ8における各電極83A、B間にスパークを同時に発生させることができる。
すなわち、図5に示すごとく、ECUからの指令を受けてイグナイタのスイッチング制御回路19によって一次コイル21へ通電を行ったときには、閉磁路コア4を通過する磁界が形成される。次いで、一次コイル21への通電を遮断したときには、自己誘導作用により一次コイル21に電圧が発生すると共に、相互誘導作用により2つの二次コイル22に高電圧の誘導起電力(二次電圧)が発生し、第1の二次コイル22Aに電気接続した第1のスパークプラグ8Aにおける各電極83A、B間及び第2の二次コイル22Bに電気接続した第2のスパークプラグ8Bにおける各電極83A、B間にスパークを発生させることができる。
本例においては、1つの一次コイル21への通電を遮断した際に生ずる磁束の変化により、2つの二次コイル22において同時にスパーク発生用の二次電圧を発生させる点火コイル1において、二次電圧を高く得るための工夫を行っている。
具体的には、本例の点火コイル1は、上記四角環形状の閉磁路コア4と、互いに逆回りに巻回した上記2つの二次コイル22とを有している。また、上記二次コイル22の全体長さH2は、上記一次コイル21の軸方向長さH1よりも長くしてあり、一次コイル21は、2つの二次コイル22の軸方向Dの外方に突出することなく、2つの二次コイル22の両方に内周側から重なっている。そして、一次コイル21の軸方向長さH1は、二次コイル22の全体長さH2に対して、57〜86(%)の長さにしてある。
これにより、本例の点火コイル1においては、二次コイル22の全体長さH2に対して、一次コイル21の軸方向長さH1が適切であり、2つの二次コイル22において発生させる二次電圧を高く得ることができる。
それ故、本例の点火コイル1によれば、1つの一次コイル21への通電を遮断した際に生ずる磁束の変化により、2つの二次コイル22において同時に発生させる二次電圧を高く得ることができる。
(確認試験)
本確認試験においては、上述した点火コイル1の性能(二次電圧の大きさ)を確認した。
具体的には、二次コイル22の全体長さH2(100(%))に対する一次コイル21の軸方向長さH1を、100(%)以下の範囲内で変化させたときの二次電圧の値を測定した。
点火コイル1における各部の設計寸法等は、以下のようにした。すなわち、閉磁路コア4におけるコア中心部41の断面積は、280(mm2)とし、一次コイル21の巻数は、165(回)とし、二次コイル22の全体長さH2は、91(mm)とした。また、第1の二次コイル22A及び第2の二次コイル22Bの巻数は、それぞれ16000(回)とし、第1の二次コイル22A及び第2の二次コイル22Bの外径は、21(mm)とした。
上記二次電圧の測定を行った結果を図7に示す。同図は、横軸にH1/H2×100(%)をとり、縦軸に二次電圧(kV)をとって、二次電圧の値の変化を示すグラフである。
同図に示すごとく、H1/H2×100(%)が100(%)に近い範囲にあるとき、及びH1/H2×100(%)が57(%)未満になるときには、二次電圧が35(kV)以下となるのに対し、H1/H2×100(%)が57〜86(%)の範囲内にあるときには、二次電圧が35(kV)を上回ることがわかった。このことより、H1/H2×100(%)を57〜86(%)の範囲内で設定することにより、二次電圧が高く得られることがわかった。
なお、第1の二次コイル22Aと第2の二次コイル22Bとにおける二次電圧の大きさはほぼ同じになったため、二次電圧は、両者の平均値とした。
また、H1/H2×100(%)を86(%)にしたときの一次コイル21におけるコイル漏れ係数Cは、31.7(%)となり、H1/H2×100(%)を57(%)にしたときの一次コイル21におけるコイル漏れ係数Cは、35.7(%)になった。これにより、2つの二次コイル22において二次電圧を高く得るためには、一次コイル21におけるコイル漏れ係数Cを、31.7〜35.7(%)の範囲内で決定することが好ましいことがわかった。
なお、コイル漏れ係数Cは、一次コイル21のインダクタンスをL1とし、第1の二次コイル22A及び第2の二次コイル22Bが短絡されたときの一次コイル21のインダクタンスをL1’としたとき、C=L1’/L1×100(%)によって表される値とした。
また、2つの二次コイル22において二次電圧を高く得るためには、閉磁路コア4におけるコア中心部41の断面積は、270〜290(mm2)とし、一次コイル21の巻数は、150〜170(回)とし、二次コイル22の全体長さH2は、45〜95(mm)とすることが好ましいことがわかった。また、このためには、第1の二次コイル22A及び第2の二次コイル22Bの巻数は、それぞれ12000〜20000(回)とし、第1の二次コイル22A及び第2の二次コイル22Bの外径は、20〜23(mm)とすることが好ましいことがわかった。
実施例における、点火コイルを一方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例における、点火コイルを図1とは直交する方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例における、点火コイルを軸方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例における、点火コイルをエンジンの気筒に搭載した状態を、一方向から見た状態で示す断面説明図。 実施例における、点火コイルの回路構成を示す説明図。 実施例における、点火コイルの他の回路構成を示す説明図。 確認試験における、横軸にH1/H2×100(%)をとり、縦軸に二次電圧をとって、二次電圧(kV)の値の変化を示すグラフ。
符号の説明
1 点火コイル
11 コイル部
12A 第1のプラグ装着部
12B 第2のプラグ装着部
21 一次コイル
22A 第1の二次コイル
22B 第2の二次コイル
221 二次スプール
3 コイルケース
32 ケーブル引出部
33 ケーブル保持部
34 導通ケーブル
4 閉磁路コア
41 コア中心部
42 コア外周部
43 コア中継部
44 コアギャップ
45 結合部
8A 第1のスパークプラグ
8B 第2のスパークプラグ
81 碍子部
82 端子部
91 シリンダヘッド
911A 第1のプラグホール
911B 第2のプラグホール
93 気筒
D 軸方向
D1 軸方向一端側
D2 軸方向他端側

Claims (5)

  1. 同一軸心を有して内外周に重ねた一次コイル及び二次コイルと、該一次コイル及び二次コイルの内周側、外周側及び軸方向両端側を利用して、上記一次コイルに通電を行って生じる磁束を通過させるための閉磁路コアとを備えた点火コイルにおいて、
    該点火コイルは、エンジンの気筒における2箇所において点火を行うよう構成した2点点火方式のものであり、
    上記閉磁路コアは、上記一次コイル及び二次コイルの内周側に配置したコア中心部と、上記一次コイル及び二次コイルの外周側における周方向の一部に配置したコア外周部と、該コア外周部と上記コア中心部とを上記一次コイル及び二次コイルの軸方向両端側において中継する一対のコア中継部とによる環形状を有しており、
    上記二次コイルは、断面円環形状の樹脂からなる二次スプールの軸方向一端側の外周部において、絶縁被覆してなる二次電線を軸方向一端側から軸方向他端側に向けて一方回りに巻回してなる第1の二次コイルと、上記二次スプールの軸方向他端側の外周部において、上記第1の二次コイルから連続する上記二次電線を軸方向一端側から軸方向他端側に向けて上記一方回りとは逆回りに巻回してなる第2の二次コイルとからなり、
    上記第1の二次コイルは、コイルスプリングを介して上記エンジンの気筒に設けた第1のプラグホールに取り付けた第1のスパークプラグに電気接続され、上記第2の二次コイルは、導通ケーブルを介して上記エンジンの気筒に設けた第2のプラグホールに取り付けた第2のスパークプラグに電気接続されるよう構成してあり、
    上記第1のスパークプラグと上記第2のスパークプラグとに発生させる二次電圧をほぼ同じにするために、上記一次コイルの軸方向の中心部分は、上記第1の二次コイルと上記第2の二次コイルとの間の軸方向中間部分よりも若干上記第2の二次コイルの側に位置しており、
    上記第1の二次コイルの軸方向一端から上記第2の二次コイルの軸方向他端までの二次コイル全体長さH2は、上記一次コイルの軸方向長さH1よりも長くなっており、該一次コイルは、上記第1の二次コイルの軸方向一端又は上記第2の二次コイルの軸方向他端から軸方向外方に突出することなく、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルの両方に内周側又は外周側から重なっており、
    上記一次コイルの軸方向長さH1と上記二次コイル全体長さH2とは、57≦H1/H2×100(%)≦86の関係を有していることを特徴とする点火コイル。
  2. 請求項において、上記一次コイルのインダクタンスをL1とし、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルが短絡されたときの上記一次コイルのインダクタンスをL1’としたとき、C=L1’/L1×100(%)によって表されるコイル漏れ係数Cは、31.7〜35.7(%)であることを特徴とする点火コイル。
  3. 請求項1又は2において、上記閉磁路コアにおける上記コア中心部の断面積は、270〜290(mm2)であり、上記一次コイルの巻数は、150〜170(回)であり、上記二次コイル全体長さH2は、45〜95(mm)であり、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルの巻数は、それぞれ12000〜20000(回)であり、上記第1の二次コイル及び上記第2の二次コイルの外径は、20〜23(mm)であることを特徴とする点火コイル。
  4. 請求項1〜のいずれか一項において、記一次コイル、上記二次コイル及び上記閉磁路コアは、樹脂製のコイルケース内に収容されてコイル部を構成しており、
    該コイル部の軸方向一端側には、上記第1のスパークプラグを装着する第1のプラグ装着部が形成してあり、
    上記コイル部の軸方向他端側からは、上記第2の二次コイルに電気接続された上記導通ケーブルが引き出してあり、該導通ケーブルの先端部には、上記第2のスパークプラグを装着する第2のプラグ装着部が設けてあることを特徴とする点火コイル。
  5. 請求項において、上記一次コイルに通電する電流を遮断したときには、上記第1の二次コイルにおける軸方向一端側の巻線端が負電位となって、該巻線端に電気接続された上記第1のスパークプラグの中心電極から、グラウンド電位にある外側電極へマイナス放電を行うと共に、上記第2の二次コイルにおける軸方向他端側の巻線端が負電位となって、該巻線端に電気接続された上記第2のスパークプラグの中心電極から、グラウンド電位にある外側電極へマイナス放電を行うよう構成してあることを特徴とする点火コイル。
JP2007117832A 2007-04-27 2007-04-27 点火コイル Expired - Fee Related JP4855328B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007117832A JP4855328B2 (ja) 2007-04-27 2007-04-27 点火コイル

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007117832A JP4855328B2 (ja) 2007-04-27 2007-04-27 点火コイル

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008277460A JP2008277460A (ja) 2008-11-13
JP4855328B2 true JP4855328B2 (ja) 2012-01-18

Family

ID=40055092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007117832A Expired - Fee Related JP4855328B2 (ja) 2007-04-27 2007-04-27 点火コイル

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4855328B2 (ja)

Family Cites Families (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS6050906A (ja) * 1983-08-30 1985-03-22 Nippon Denso Co Ltd 内燃機関用点火コイル
JPS6368773A (ja) * 1986-09-10 1988-03-28 Hitachi Ltd 複数気筒内燃機関用点火コイル
JPS642428A (en) * 1987-06-25 1989-01-06 Mitsubishi Electric Corp Acquiring method for control signal of mca system
JP2004304199A (ja) * 1994-12-09 2004-10-28 Denso Corp 内燃機関用点火コイル
JPH09283348A (ja) * 1996-04-15 1997-10-31 Hanshin Electric Co Ltd 内燃機関用点火コイル
JPH10154623A (ja) * 1996-11-21 1998-06-09 Denso Corp コイルおよびそれを用いた内燃機関用点火コイル
JP2000058346A (ja) * 1998-08-10 2000-02-25 Sumitomo Wiring Syst Ltd 内燃機関用点火コイル及びその製造方法
JP4598582B2 (ja) * 2005-03-31 2010-12-15 ダイヤモンド電機株式会社 内燃機関用点火コイル

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008277460A (ja) 2008-11-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5018319B2 (ja) 点火コイル
US7849843B2 (en) Ignition coil
US20110239999A1 (en) Device for storing energy and transforming energy
US8011354B2 (en) Ignition coil for internal combustion engine
US7212092B2 (en) Device for energy storage and energy transformation
CN101055794B (zh) 点火线圈
JP2009033112A (ja) 点火コイル
US7626481B2 (en) Ignition coil
JP2006303447A (ja) 点火コイル
JP4158180B2 (ja) 内燃機関用点火装置
JP4855328B2 (ja) 点火コイル
US7098765B2 (en) Ignition coil having magnetic flux reducing inner structure
JP3456152B2 (ja) 点火コイル
CN106415749B (zh) 点火线圈
JP2009135207A (ja) 点火コイル
JP3629983B2 (ja) 点火コイル
JP2008274815A (ja) 点火コイル
JP2008277459A (ja) 点火コイル
JP2008277461A (ja) 点火コイル
JP2007188959A (ja) 点火コイル
JP3888491B2 (ja) 点火コイル
US7392799B2 (en) Ignition coil and method for manufacturing the same
JP2007162651A (ja) 点火コイル
JP2006203043A (ja) 点火コイル
JP2024103203A (ja) コイルユニットおよび内燃機関用の点火装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100409

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110622

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110705

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110830

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110930

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111026

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4855328

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees