JP4853953B2 - 多機能層を有する基体の製造方法 - Google Patents

多機能層を有する基体の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は炭素がドープされた炭素ドープ酸化ジルコニウム層又は炭素ドープジルコニウム合金酸化物層(両者を、単に炭素ドープ酸化ジルコニウム層ということともある)からなる多機能層を有する基体の製造方法に関し、より詳しくは、炭素がZr−C結合の状態でドープされており、耐久性(高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性)に優れ且つ光触媒として機能する多機能層を有する基体の製造方法に関する。
ジルコニウムは、熱中性子吸収断面積が金属中で最も小さく(0.16バーン)、耐食性に優れるので、原子炉材料として重要視され、また、医療機器の耐食材などに用いられている。また、ジルコニウム合金としては、原子炉などの燃料被覆管などに用いられている原子炉規格のものであるジルカロイや、ジルコニウム鉄合金、ジルコニウム銅合金、ジルコニウムアルミ合金、ジルコニウムマグネシウム合金などがある。ジルコニウム合金は、熱中性子吸収断面積が小さく、また機械的強度が高く、耐食、耐熱に優れるという特性を有する。
一方、酸化ジルコニウム(ジルコニア)は、常温では単斜晶、1170℃で正方晶となり、さらに2370℃で立方晶となるが、正方晶から単斜晶への破壊的な相転移のため、そのままでは焼結体とすることができず、安定化もしくは部分安定化する必要がある。このような安定化もしくは部分安定化ジルコニアは、高強度且つ高靱性特性によりセラミック材料として広範囲な用途が期待されている(特許文献1〜4など参照)。
このようにジルコニウム並びに酸化ジルコニウムはセラミック材料として広範囲に使用されているが、セラミック自体の特性から、種々の問題がある。例えば、セラミックで構造体を形成する場合、特に比較的大きな構造体とするためには、金属などと比較して肉厚とする必要がある。また、溶射によりコーティング層を形成することができるが、セラミック粒子からなる膜なので、緻密ではないという問題がある。
特開平5−117875号公報 特開2004−292588号公報 特開2004−189509号公報 特開2005−206421号公報
本発明は、表面層として耐久性(高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性)に優れた酸化ジルコニウム層からなる多機能層を有する基体の製造方法を提供することを目的としている。
本発明者は上記の目的を達成するために鋭意検討した結果、所定の条件下で加熱処理して得た炭素ドープした酸化ジルコニウム層が耐久性(高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性)に優れ且つ光触媒として機能することを知見し、本発明を完成させた。
かかる本発明の第1の態様は、少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムからなる基体の表面を、炭化水素、酸素を含む化学種が当該表面に供給される雰囲気下で加熱処理することにより、前記ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムの何れかで構成されている下層から連続して一体的に形成された柱状結晶である、炭素ドープ酸化ジルコニウム層又は炭素ドープジルコニウム合金酸化物層からなる多機能層を有する基体とすることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の第2の態様は、第1の態様に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、前記加熱処理は、少なくとも炭化水素を含有するガスの燃焼炎を用いて行うか、又は少なくとも炭化水素を含有するガスの燃焼ガス若しくは燃焼排ガスを用いて形成した雰囲気中で加熱するかによることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の第の態様は、第の態様に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、炭化水素を主成分とするガスが不飽和炭化水素を30容量%以上含有することを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の第の態様は、第2又は3の態様に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、炭化水素を主成分とするガスがアセチレンを50容量%以上含有することを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の第の態様は、第1〜4の何れかの態様に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、前記加熱処理は、前記基体の表面温度が400〜1800℃となるように行うことを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の第の態様は、第1〜5の何れかの態様に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、前記多機能層を有する基体が粉末状であることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の第の態様は、第1〜6の何れかの態様に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、前記多機能層中の炭素がZr−C結合した状態でドープされていることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法にある。
本発明の製造方法により製造される多機能層は、例えば、少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムからなる基体の表面を、炭素、酸素を含む化学種が当該表面に供給される雰囲気下で加熱処理することにより形成できる。かかる多機能層は、セラミックの溶射により形成されたコーティング層とは異なり、緻密な層である。
また、かかる多機能層は、炭素がZr−C結合した状態でドープされているのが好ましい。すなわち、多機能層において炭素が酸化ジルコニウムZrO2の酸素を置換するようにドープされているのであり、Zr−C結合が生成されている。このようにZr−C結合が存在することにより、耐久性が著しく向上し、光触媒としての特性が向上する。
本発明の製造方法において、多機能層は、ジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物以外の材質からなる基体の表面に形成されていてもよいし、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムの何れかで構成されている下層上に形成されていてもよい。何れにしても、基体を金属で形成したその表面に多機能層を連続的に設けることができるため、従来のセラミックである安定化又は部分安定化ジルコニアとは全く異なった特性を有するものである。
例えば、ジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物以外の材質からなる基体の表面にジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムからなる表面層を設け、これを炭素、酸素を含む化学種が当該表面に供給される雰囲気下で加熱処理することにより、表面層全体を炭素ドープ酸化ジルコニウム層とすると、ジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物以外の材質からなる基体の表面に多機能層を形成した状態となり、また、表面層の表面側の一部を多機能層とすると、多機能層の下層はジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物となる。なお、基体全体がジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物からなる場合も、多機能層の下層はジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物となる。このように多機能層はその下層のジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物と連続的且つ一体的に形成される緻密な層であり、剥離等の問題がないものである。
また、その基体の形状については、高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性等の耐久性が望まれる最終商品形状(平板状や立体状)や、表面に光触媒機能を有することが望まれる最終商品形状であっても、或いは粉末状であってもよい。
なお、本発明の製造方法により製造される多機能層は、十分な厚さで形成すれば、表面を研磨して寸法出しを行うことも可能である。
本発明の多機能層を有する基体の製造方法は、耐久性(高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性)に優れ且つ光触媒として機能する多機能層を有する基体が製造できるので、種々の技術分野にも有意に利用できる。
本発明の多機能層を有する基体の製造方法は、少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムからなる基体の表面を、炭素、酸素を含む化学種が当該表面に供給される雰囲気下で加熱処理することにより多機能層を形成できるものである。
ここで、炭素、酸素を含む化学種が表面に供給される雰囲気下で加熱処理するとは、例えば、炭素及び酸素を含む化合物を含むガス(炭素原子と酸素原子がガス雰囲気中に存在していればよく、炭素を含む化合物を含むと共に酸素を含むガス、炭素及び酸素の両者を含む化合物を含むと共に必要に応じて酸素を含むガスなどをいう)の燃焼炎を用いて加熱処理すること、又はこのような燃焼炎の雰囲気ガスを表面に供給しながら必要に応じて加熱処理することである。すなわち、炭素、酸素を含む化学種、すなわち、活性化された炭素原子又は炭素原子を含む原子団、活性化された酸素又は酸素原子を含む原子団、炭素及び酸素を含む原子団などが表面に供給される状態で加熱処理をすればよく、好適には燃焼炎を用いて直接表面を加熱処理するか、燃焼炎の雰囲気ガスを表面に供給しながら加熱処理することにより、表面を酸化しつつ炭化するという複雑な表面改質を実現し、炭素を表面にドープして炭素ドープ酸化ジルコニウム層を形成する。
具体的には、基体の表面にガスの燃焼炎を直接当てて高温で加熱処理しても、そのような基体の表面を燃焼ガスの雰囲気中で加熱処理してもよく、この加熱処理は例えば炉内で実施することができる。燃焼炎を直接当てて高温で加熱処理する場合には、上記のようなガスを炉内で燃焼させ、その燃焼炎を該基体の表面に当てればよい。燃焼ガス雰囲気中で加熱処理する場合には、上記のようなガスを炉内で燃焼させ、その高温の燃焼ガス雰囲気を利用する。なお、少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物からなる基体が粉末状である場合には、そのような粉末を火炎中に導入し、火炎中に所定時間滞留させて加熱処理するか、或いはそのような粉末を流動状態の高温の燃焼ガス中に流動床状態に所定時間維持することにより粒子全体を炭素ドープ酸化ジルコニウムとするか、表面が炭素ドープ酸化ジルコニウム層を有する粉末とすることができる。
このように炭素ドープ酸化ジルコニウム層を形成する条件は、表面改質する表面の素材や処理方法によって異なり、一概に設定することはできない。すなわち、例えば、加熱処理の温度や時間は、表面に供給される炭素、酸素を含む化学種の種類や濃度の違い、例えば、燃焼炎を用いる場合には、燃焼ガスの種類や燃焼炎の用い方により異なるが、炭素ドープ酸化ジルコニウム層、特に、Zr−C結合が形成される炭素ドープ酸化ジルコニウム層が形成できる条件を選択する必要がある。
このように製造される多機能層である炭素ドープ酸化ジルコニウム層は、詳細は後述するが、図1に示すように、柱状結晶からなるものであり、柱状結晶は下層のジルコニウム層から連続して一体的に形成されている。なお、かかる炭素ドープ酸化ジルコニウム層の厚さは加熱処理の温度及び時間により変化するものである。
このような多機能層の好ましい形成方法としては、炭素、酸素を含む化合物を含む燃焼ガス、例えば、アルコール系化合物、炭化水素などを含むガスの燃焼炎を用いて加熱処理するのが望ましい。
このような燃焼炎を用いて加熱処理して本発明の多機能層を得る場合、特に、炭化水素、好ましくは不飽和結合を含む炭化水素、特にアセチレンを、主成分とするガスの燃焼炎、特に還元炎を利用することが望ましい。炭化水素含有量が少ない燃料を用いる場合には、炭素のドープ量が不十分であったり、皆無であったりし、その結果として硬度が不十分となる。
ここで、炭化水素を主成分とするガスとは、炭化水素、好ましくは不飽和炭化水素、特にアセチレンを、少なくとも30容量%、好ましくは少なくとも50容量%含有するガスを意味し、例えば、アセチレンを30容量%以上、好ましくは50容量%以上含有し、適宜、空気、水素、酸素等を混合したガスを意味する。このような多機能層の製造においては、炭化水素を主成分とするガスがアセチレンを50容量%以上含有することが好ましく、炭化水素がアセチレン100%であることが最も好ましい。不飽和炭化水素、特に三重結合を有するアセチレンを用いた場合には、その燃焼の過程で、特に還元炎部分で、不飽和結合部分が分解して中間的なラジカル物質が形成され、このラジカル物質は活性が強いので炭素ドープが生じ易いと考えられる。
なお、本発明方法において多機能層を有する基体を製造する場合、加熱処理する基体の表面層がジルコニウム又はジルコニウム合金である場合には、該ジルコニウム又はジルコニウム合金を酸化する酸素が必要であり、その分だけ空気又は酸素を含んでいる必要がある。
本発明においては、表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物からなる基体の表面を、炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を用いて高温で加熱処理するが、この場合に、基体の表面に炭化水素を主成分とするガスの燃焼炎を直接当てて高温で加熱処理しても、そのような基体の表面を炭化水素を主成分とするガスの燃焼ガス雰囲気中で加熱処理してもよく、この加熱処理は例えば炉内で実施することができる。燃焼炎を直接当てて高温で加熱処理する場合には、上記のような燃料ガスを炉内で燃焼させ、その燃焼炎を該基体の表面に当てればよい。燃焼ガス雰囲気中で加熱処理する場合には、上記のような燃料ガスを炉内で燃焼させ、その高温の燃焼ガス雰囲気を利用する。なお、少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムからなる基体が粉末状である場合には、そのような粉末を火炎中に導入し、火炎中に所定時間滞留させて加熱処理するか、或いはそのような粉末を流動状態の高温の燃焼ガス中に流動床状態に所定時間維持することにより粒子全体を炭素がZr−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化ジルコニウムとするか、炭素がZr−C結合の状態でドープされた炭素ドープ酸化ジルコニウム層を有する粉末とすることができる。
アセチレンを主成分とするガスの燃焼炎を用いた加熱処理の場合には、基体の表面温度が400〜1800℃、好ましくは550〜1600℃、さらに好ましくは700〜1300℃となり、基体の表面層が炭素ドープ酸化ジルコニウム層となるように加熱処理する必要がある。加熱処理が不十分の場合には、炭素ドープ酸化ジルコニウム層とはならず、基体の耐久性は不十分となり、且つ光触媒活性も不十分となる。一方、基体の表面温度が1600℃を超える加熱処理の場合には、耐久性(高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性、耐薬品性、耐熱性)の上昇が見られなくなる。
本発明で製造される多機能層は、炭素を、例えば、0.1〜10at%含有するものである。かかる炭素含有量は、加熱処理の条件、表面層の材質などによって異なり、特に限定されないが、炭素含有量が上昇するほど耐久性等の特性の向上が見られる傾向となる。
本発明で製造される多機能層の厚さは、10nm以上であることが好ましく、高硬度、耐スクラッチ性、耐摩耗性を達成するためには50nm以上であることが一層好ましい。炭素ドープ酸化ジルコニウム層の厚さが10nm未満である場合には、得られる炭素ドープ酸化ジルコニウム層を有する多機能材の耐久性は不十分となる傾向がある。炭素ドープ酸化ジルコニウム層の厚さの上限については、コストと達成される効果とを考慮する必要があるが、特に制限されるものではない。
本発明において多機能層は、上述したとおり、ジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物以外の材質からなる基体の表面に設けられていてもよいし、ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムの何れかで構成されている下層上に設けられていてもよく、この場合の下層の下地はジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物以外の材質となる。
ここで、ジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物以外の材質からなる基体とは、上述したような製造方法における加熱処理の際に燃焼したり、溶融したり、変形したりするものでなければ、特に制限されることはない。このような基体としては、鉄、鉄合金、非鉄合金、セラミックス、その他の陶磁器、高温耐熱性ガラス等を用いることができる。このような基体上に形成される薄膜状の表面層は、ジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物からなる皮膜をスパッタリング、蒸着、溶射等の方法で形成したもの等を挙げることができるが、緻密で下層との密着力の優れた層とするのが好ましい。
また、少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、酸化ジルコニウム又はジルコニウム合金酸化物からなる基体が粉末状である場合には、その粉末の粒径が小さい場合に上記のような加熱処理により粒子全体を炭素ドープ酸化ジルコニウムとすることが可能であるが、本発明においては表面層のみが炭素ドープ酸化ジルコニウムとなれば良いのであり、従って、粉末の粒径については何ら制限されることはない。しかし、加熱処理の容易性、製造の容易性を考慮すると15nm以上であることが好ましい。
さらに、本発明において、ジルコニウム合金としては、公知の種々のジルコニウム合金を用いることができ、特に制限されることはない。例えば、原子炉規格のジルカロイや、ジルコニウム鉄合金、ジルコニウム銅合金、ジルコニウムアルミ合金、ジルコニウムマグネシウム合金などを挙げることができる。
本発明で製造される多機能層である炭素ドープ酸化ジルコニウム層は、酸化ジルコニウム層よりも優れたビッカース硬度を有し、酸化ジルコニウム層より15%程度高いビッカース硬度を有する。
また、本発明で製造される多機能層である炭素ドープ酸化ジルコニウム層は、酸化ジルコニウム層と同様に耐薬品性にも優れており、1M硫酸及び1M水酸化ナトリウムのそれぞれの水溶液に一週間浸漬した後、皮膜硬度、耐摩耗性及び光電流密度を測定し、処理前の測定値と比較したところ、有為な変化はみられなかった。
本発明で製造される多機能層の炭素ドープ酸化ジルコニウム層は、光触媒として有効に作用するものである。
以上説明したように、本発明の製造方法で製造される炭素ドープ酸化ジルコニウム層からなる多機能層は、緻密であり、下層と連続的に形成されるので、下層との密着性も良好である。従って、従来、安定化ジルコニアや部分安定化ジルコニアを溶射、PVD、CVDなどにより形成したコーディング層の代替品として使用した場合、より緻密で、下層との密着性の高い多機能層を形成できるので、各種用途に使用可能である。
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明をさらに詳細に説明する。
(実施例1)
アセチレンの燃焼炎を用い、厚さ0.50mmのジルコニウム板((株)ニラコ製:ZR−493402、純度99.2%)をその表面温度が約400℃となるように360分間加熱処理することにより、表面層として炭素ドープ酸化ジルコニウム層を有するジルコニウム板を形成した。
(実施例2〜6)
加熱処理の表面温度及び加熱処理時間を下記表1の通りに変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2〜6の炭素ドープ酸化ジルコニウム層を有するジルコニウム板を形成した。
(実施例7)
メタンガスの燃焼炎を用い、実施例1と同様なジルコニウム板をその表面温度が約900℃となるように30分間加熱処理することにより、実施例7の炭素ドープジルコニウム層を有するジルコニウム板を形成した。
(比較例1)
加熱処理していないジルコニウム板を比較例1のジルコニウム板とした。
(比較例2〜7)
比較例1と同一のジルコニウム板を加熱炉で所定の加熱処理温度及び加熱処理時間で大気酸化して表面に酸化ジルコニウム層を形成した。加熱処理温度及び加熱処理時間は表1に示すとおりであり、室温から加熱処理温度に達するまでの時間は加熱処理時間に換算しないで加熱処理時間を設定した。
(実施例8、9、10)
市販のジルコニウム合金(ジルカロイ−2)製のジルカロイ管(内径10mm、外径12mm)を実施例1と同様にアセチレンの燃焼炎を用いて、表1の加熱処理の表面温度及び加熱処理時間で加熱処理し、実施例8〜10の炭素ドープジルカロイ酸化物層を有するジルカロイ管を得た。
(比較例8)
市販のジルカロイ管そのものを未処理品として比較例8とした。
試験例1(ビッカース硬度)
各実施例及び比較例の表面硬度を、マイクロビッカース硬度計により、圧子:ダイヤモンド圧子、試験力:245.2mN、荷重保持時間:15secの条件下で皮膜硬度を測定したところ、表1の結果が得られた。
これらの結果から明らかなように、アセチレンの燃焼炎により加熱処理した炭素ドープ酸化ジルコニウム層を有する実施例1〜6のジルコニウム板及びメタンガスの燃焼炎により加熱処理した実施例7のジルコニウム板は、加熱炉を用いて同温度・同時間だけ加熱処理した比較例と比較すると、硬度が15%程度向上していることが確認された。
また、実施例8〜10に示すようにジルカロイ管の加熱処理により、未処理品である比較例8のものより表面硬度は大幅に向上し、炭素ドープジルカロイ酸化物層が形成されていることが確認された。
さらに、実施例8,9のジルカロイ管に関して、深さ方向のビッカース硬度試験を行なったところ、実施例8においては、上層皮膜厚15μm、全硬化層深さ20μmであり、実施例9においては上層皮膜厚35μm、全硬化層深さ80μmであった。
Figure 0004853953
試験例2(結晶構造と結合状態)
実施例4の炭素ドープ酸化ジルコニウム層についてXRD(X線回折分析)をした結果を図2に示す。比較のために比較例5の大気酸化による酸化ジルコニウム層の分析結果も併せて示す。なお、測定条件は以下の通りである。
測定機器:Phillips社製 PW3040
管球:Cu
出力:40kV−50mA
スキャン速度:1°/min
スキャン範囲:2θ= 2〜80°
スリット:DS・SS; 照射範囲が15mm一定となるよう自動調整
mask; 10mm
また、XPS(X線光電子分光分析)の結果を図6に示す。
XRDの結果によると、実施例4の表面層の結晶構造はZrO2であり、その他に有為なピークは存在しなかったので、構造が酸化ジルコニウムと同一であることが確認された。
一方、XPSにおいて、アルゴンスパッタリングにより、皮膜内部の結合状態を調べた結果、図3に示されるように、実施例4の皮膜では、281.1eV近傍に強度ピークが確認された。このピークはZr−C結合によるものと考えられる。
これらの結果より、炭素はZrO2構造の酸素を置換するようにドープされ、Zr−C結合していると考えられる。なお、比較例5、すなわち電気炉中で酸化させた皮膜においては、Zr−C結合は確認されなかった。
試験例3(耐薬品性)
1M硫酸水溶液および1M水酸化ナトリウム水溶液それぞれについて、実施例2、5及び比較例3、6のジルコニウム板を室温で1週間浸漬した後、ビッカース硬度試験を行なった。これらの結果を表2及び表3に示す。
この結果、実施例の試料については、浸漬前と比較して硬度の減少をほとんど認めなかった。すなわち、高い耐薬品性を有することが認められた。これに対し、比較例の試料については多少の硬度減少が、特にアルカリ浸漬後にものについて認められた。
Figure 0004853953
Figure 0004853953
試験例4(短波長照射による自然浸漬電位測定)
実施例4(700℃、120分)の炭素ドープ酸化ジルコニウム層及び比較例5(700℃、120分)の酸化ジルコニウム皮膜の短波長用ランプ照射による自然浸漬電位を測定した。具体的には、それぞれの皮膜に対し、0.05M硫酸ナトリウム水溶液(飽和溶存酸素、常温)中で、参照電極として飽和銀−塩化銀を用いて、電位を測定した。その結果を図4に示す。
この結果、実施例の炭素ドープ酸化ジルコニウムは240nmにおける自然浸漬電位が比較例の酸化ジルコニウムより卑下することが認められた。
試験例5(組織観察)
実施例8〜10で形成したジルカロイ管を切断し、切断面の組織の観察をキーエンス社製SEM装置VE7800を用いて行った。この結果、各試料とも最上部に炭素ドープ酸化ジルコニウム層である酸化皮膜が形成され、特に、加熱処理温度が1050℃及び1100℃の実施例9、10のサンプルについては、酸化皮膜が柱状結晶の層であることが観察され、さらに、酸化皮膜の下側に、炭素が拡散したと思われる拡散層が観察された。
下記表4に加熱処理(焼成)条件と酸化皮膜と全硬化層深度(拡散層を含めた深さ)をまとめて示したが、焼成温度が上昇するに従い、酸化皮膜及び全硬化層が増大することが確認された。
Figure 0004853953
試験例6(深さ硬度試験)
実施例8及び9にジルカロイ管を3mmの長さに切断し、その切断面の外側面について、深さ方向にビッカース試験を実施した。この結果を図5及び図6に示す。
この結果、上部酸化皮膜層は硬度が最も高く、その下の拡散層も素材の硬度よりも高い硬度を示すことがわかった。
本発明の製造法で製造される多機能を有する基体は、炭素ドープ酸化ジルコニウム層の各種特性を応用して、遮熱性、耐熱性、耐摩耗性、耐薬品性等が求められる各種用途に使用可能である。
本発明方法により製造した多機能層の一例を示すSEM写真である。 本発明方法により製造した多機能層である炭素ドープ酸化ジルコニウム層についてXRD(X線回折分析)をした結果を示す図である。 本発明方法により製造した多機能層である炭素ドープ酸化ジルコニウム層についてXPS(X線光電子分光分析)をした結果を示す図である。 本発明の試験例4における自然浸漬電位測定結果を示す図である。 本発明の試験例5における実施例8の深さ硬度試験結果を示す図である。 本発明の試験例5における実施例9の深さ硬度試験結果を示す図である。

Claims (7)

  1. 少なくとも表面層がジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムからなる基体の表面を、
    炭化水素、酸素を含む化学種が当該表面に供給される雰囲気下で加熱処理することにより、前記ジルコニウム、ジルコニウム合金、ジルコニウム合金酸化物又は酸化ジルコニウムの何れかで構成されている下層から連続して一体的に形成された柱状結晶である、炭素ドープ酸化ジルコニウム層又は炭素ドープジルコニウム合金酸化物層からなる多機能層を有する基体とすることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
  2. 請求項1記載の多機能層を有する基体の製造方法において、
    前記加熱処理は、少なくとも炭化水素を含有するガスの燃焼炎を用いて行うか、又は少なくとも炭化水素を含有するガスの燃焼ガス若しくは燃焼排ガスを用いて形成した雰囲気中で加熱するかによることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
  3. 請求項に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、
    炭化水素を主成分とするガスが不飽和炭化水素を30容量%以上含有することを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
  4. 請求項2又は3に記載の多機能層を有する基体の製造方法において、
    炭化水素を主成分とするガスがアセチレンを50容量%以上含有することを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
  5. 請求項1〜4の何れかに記載の多機能層を有する基体の製造方法において、
    前記加熱処理は、前記基体の表面温度が400〜1800℃となるように行うことを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
  6. 請求項1〜5の何れかに記載の多機能層を有する基体の製造方法において、
    前記多機能層を有する基体が粉末状であることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
  7. 請求項1〜6の何れかに記載の多機能層を有する基体の製造方法において、
    前記多機能層中の炭素がZr−C結合した状態でドープされていることを特徴とする多機能層を有する基体の製造方法。
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