JP4853882B2 - 有機el表示装置及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、有機EL表示装置及びその製造方法に関するものである。
有機EL表示装置は、透明ガラス等から成る基板上にITO等の透明電極からなる陽極を形成し、その上に有機化合物からなる発光層を含む有機層を形成し、その上にAl等の金属電極からなる陰極を形成してなる有機EL素子を基本構成としており、この有機EL素子を単位面発光要素として平面基板上に配列させることで画像表示を行うものである。
このような有機EL表示装置においては、アクティブマトリクス駆動を行うために必要となる薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor;以下TFTと記す。)や、或いは多色表示を行うために必要となるカラーフィルタといった機能要素をまず基板上に形成し、このような機能要素によって形成される凹凸を埋めるために、この機能要素が形成された基板上の全面に下地層を形成して、その上に、個々の機能要素の位置に対応させて有機EL素子を形成することが行われている。
このような有機EL表示装置の具体的な従来例を挙げると、例えば、特許文献1に記載のものでは、基板上に、ドットマトリクス状に形成される有機EL素子を独立して駆動するためのTFTを前述の機能要素として形成し、このTFT及びそれに接続される配線層による凹凸を埋めるために樹脂材料等から成る平坦化層を形成している。また、この平坦化層から発せられる水蒸気等のガス成分が有機EL素子を劣化させる虞があるため、この平坦化層の上にガスバリア性のあるパシベーション層を形成し、その上に有機EL素子を形成している。
他の従来例としては、例えば特許文献2に記載されるように、基板上に、多色表示を行うためのカラーフィルタ或いは色変換フィルタを前述の機能要素として形成し、このカラーフィルタ或いは色変換フィルタによる凹凸を埋めるために樹脂材料層等から成る多層の平坦化層を形成し、更にはその平坦化層上にパシベーション層を形成して、その上に有機EL素子を形成している。
特開2001−356711号公報 特開平11−121164号公報
このような有機EL表示装置では、一般に、平坦化層或いはパシベーション層からなる下地層を基板全面に形成している。しかしながら、例えば単純マトリクス駆動の表示装置の場合、基板上の周辺近傍には、各有機EL素子からの引出電極と周辺回路、駆動IC等とを接続する接続領域が形成されており、この接続領域では、前述した下地層の上に引き出された引出電極に対してCOF(Chip On FPC(Flexible Printed Circuit))等の接続がなされている。
COFは、可撓性プリント回路(FPC)上に駆動ICチップを実装させたもので、一般には、TAB(Tape Automated Bonding:テープ自動化実装)によってICチップを実装したTCP(Tape Carrier Package)が採用されている。このようなTCPと前述した引出電極との接続は、両者の電極間に異方性導電膜(ACF)を挟んで熱圧着することにより行われるが、前述したように引出電極が樹脂材料等の有機材からなる下地層の上に形成されている場合には、この接続に不具合が生じやすいことが確認されている。これは、熱圧着時に引出電極の土台となる下地層が同時に熱的劣化を受けて土台として機能しなくなり、両電極間の異方性導電膜に対して充分な熱圧着を行うことができなくなることに起因するものと考えられる。ここで、基板上の凹凸を埋めるためには下地層の少なくとも1層を有機材で形成する必要があるが、この有機材の耐熱限界温度と前述した熱圧着の温度はほぼ同程度であるため(180℃〜200℃)、下地層上に形成した引出電極に対して熱圧着による接続を行うと、どうしても下地層に熱的劣化が生じてしまい確実な接続を行うことができないという問題があった。
また、これは、前述したCOFを接続対象とした場合だけの問題ではなく、基板上の引出電極に対してICチップを実装させるCOG(Chip On Glass)においても同様の問題が生じる。つまり、COGでは、ICチップに形成された電極のバンプと引出電極との間に異方性導電膜を介在させて熱圧着することが行われており、これを下地層上に形成された引出電極上で行うと、下地層に熱的劣化が生じてしまい確実な接続を行うことができないという問題が生じる。
本発明は、このような事情に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、本発明の目的は、基板上に形成された下地層の上に有機EL素子を形成する有機EL表示装置及びその製造方法において、有機EL素子から引き出された引出電極と接続対象との電気的な接続を確実に行うこと、或いは、この接続を確実に行った上で良好な有機EL素子の表示性能を確保することにある。
このような目的を達成するために、本発明による有機EL表示装置及びその製造方法は、以下の各独立請求項に係る構成を少なくとも具備するものである。
第1には、基板上に有機材からなる層を少なくとも1層含む下地層を形成し、該下地層の上に有機EL素子を形成する有機EL素子領域と、前記基板上の周辺部分で、前記有機EL素子からの引出電極に対して接続対象を電気的に接続する接続部と、を有する有機EL表示装置において、前記下地層は、基板上に形成された前記有機EL素子毎に設けられる薄膜トランジスタ、色変換フィルタ又はカラーフィルタの凹凸を埋める平坦化層を有し、かつ、最上層にガスバリア性のパシベーション層が形成され、該パシベーション層上に前記有機EL素子が形成され、前記接続部は、全て前記パシベーション層で覆われており、その上に前記引出電極が形成されており、前記引出電極は画素電極と接続し、前記有機EL素子領域から前記接続部まで前記パシベーション層上に形成され、前記引出電極と前記接続対象との間に異方性導電膜を介在させ熱圧着により接続され、前記接続部は、前記接続時の熱圧着箇所に合わせて、前記平坦化層の少なくとも有機材からなる1層を除去し、前記接続部に面する下地層除去面は、前記基板に対して45°±30°の範囲内で傾斜した上向きのテーパ面であることを特徴とする。
第2には、この有機EL表示装置の製造方法において、基板上に有機材からなる層を少なくとも1層含む下地層を形成する工程と、前記下地層は、基板上に形成された前記有機EL素子毎に設けられる薄膜トランジスタ、色変換フィルタ又はカラーフィルタの凹凸を埋める平坦化層を有し、前記平坦化層の少なくとも有機材からなる1層を部分的に除去することによって接続部を形成する工程と、前記平坦化層の上面及び前記接続部上にパシベーション層を形成する工程と、前記基板上の有機EL素子領域の前記パシベーション層の上に有機EL素子を形成すると共に前記基板上の周辺部分の前記接続部に引出電極を形成する工程と、前記接続部において、前記引出電極と接続対象の電極との間に異方性導電膜を介在させてこれらを熱圧着する工程とを有し、前記引出電極は画素電極と接続し、前記有機EL素子領域から前記接続部まで前記パシベーション層上に形成され、前記接続部に面する下地層除去面は、前記基板に対して45°±30°の範囲内で傾斜した上向きのテーパ面であることを特徴とする。
本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の全体構成を示す外観図である。 本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の要部及び本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を示す説明図である。 本発明の実施例において、アクティブマトリクス駆動される有機EL表示装置の例を示す説明図である。 本発明の実施例において、パッシブマトリクス駆動される有機EL表示装置の例を示す説明図である。 実施例に係る有機EL表示装置の製造方法を説明する説明図である。 実施例に係る有機EL表示装置の製造方法(主に接続部形成工程)を説明する説明図である。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の全体構成を示す外観図、図2は、本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の要部及び本発明の一実施形態に係る有機EL表示装置の製造方法を示す説明図である。
これらの図において、本発明の実施形態は、透明ガラス基板等の基板1上に有機材からなる層を少なくとも1層含む下地層2を形成し、下地層2の上に有機EL素子3A(有機EL素子領域3における個別素子)を形成して、基板1上で、有機EL素子3Aからの引出電極30に対して接続対象4を電気的に接続する有機EL表示装置を前提としている。
ここで、有機EL素子領域3を形成する個々の有機EL素子3Aは、引出電極30に繋がる一方の電極30A(例えば、ITO等の透明電極)と他方の電極31A(例えば、Al等の金属電極)との間に発光層を含む有機発光機能層32Aを形成したものである。また、接続対象4は、前述したCOF(Chip On FPC)によるTCP(TAB)、COG(Chip On Glass)によるICチップ、或いはCOB(Chip On Board)による非可撓性回路基板等であり、特に限定されるものではない。
そして、第1の実施形態としては、引出電極30と接続対象4との接続時の熱圧着箇所に合わせて、下地層2の少なくとも有機材からなる層を除去した接続部5を形成することを特徴とする。また、製造方法としては、基板1上に有機材からなる層を少なくとも1層含む下地層2を形成する工程と、下地層2の少なくとも有機材からなる層を部分的に除去することによって接続部5を形成する工程と、下地層5の上に有機EL素子3Aを形成すると共に接続部5に引出電極30を形成する工程と、接続部5において、引出電極30と接続対象4の電極40(リード電極等)との間に異方性導電膜6を介在させてこれらを熱圧着部材7(ヒータツール等)で熱圧着する工程とを有することを特徴とする。
このような特徴によると、基板1上に形成された下地層2は、接続時の熱圧着箇所に合わせた位置で有機材からなる層が部分的に除去され、これによって接続部5が形成される。そして、有機EL素子3Aから引き出された引出電極30はこの接続部5に形成され、ここで、引出電極30と接続対象4の電極40との間に異方性導電膜6を介在させて、熱圧着部材7による熱圧着が行われる。これによると、熱圧着箇所の下層には熱圧着を阻害する有機材の層が無いので、異方性導電膜6は引出電極30と接続対象4の電極40との間に挟持されて充分に加圧されることになり、引出電極30と電極40との電気的な接続を確実に行うことができる。
第2には、前述の特徴を有する有機EL表示装置或いはその製造方法において、接続部5に面する下地層除去面20Aは、基板1に対して角度θ=45°±30°の範囲内で傾斜した上向きのテーパ面であることを特徴とする。
これによると、前述の特徴に併せて、下地層除去面20Aが上向きのテーパ面を形成するので、その上にも成膜による層形成が可能になる。したがって、この下地層除去面20A上に成膜によって形成される他の下地層(パシベーション層21)或いは引出電極30をここで分断することなく形成することができる。
下地層除去面20Aの傾斜角度θ=45°±30°の範囲について説明すると、最大値75°は、その上に形成される層が分断されることなく、且つそれぞれの層の機能を確保するに足りる充分な厚さが得られる傾斜角度である。引出電極30に関しては、分断されなくとも層厚が薄くなると高抵抗になり、有機EL素子の発光に影響を及ぼすことは言うまでもない。最小値15°はテーパ形成が実用的に可能な限界の傾斜角度である。
第3には、前述の特徴を有する有機EL表示装置或いはその製造方法において、下地層2は最上層にガスバリア性のパシベーション層21が形成されることを特徴とする。
これによると、有機材の層を含む下地層2の最上層にガスバリア性のパシベーション層21を形成することで、有機材から発せられる水蒸気等のガス成分を封じ込めることができ、このガス成分による引出電極30或いは有機EL素子3Aにおける有機発光機能層等の劣化を防止することができる。特に、下地層除去面20Aを前述した角度のテーパ面を有する構成にすることで、その上に形成されるパシベーション層21の分断を回避することができる。これにより、下地層2を部分的に除去して接続部5を形成したものにおいても、有機材を含む下地層2は基板1の全面において完全にパシベーション層21によって被覆されることになり、有機EL素子3Aの良好な表示性能を確保することが可能になる。また、図示しないが、有機材の層を除去した接続部5の部分では、有機材の層が露出しない範囲でパシベーション層21を削除した構成にしても構わない。
第4には、下地層2は、基板1上に形成される機能要素33の凹凸を埋める平坦化層20を少なくとも含むことを特徴とする。第5には、機能要素33は有機EL素子3A毎に設けられる個々の機能要素33A,33A,…からなり、この機能要素33Aは薄膜トランジスタであることを特徴とする。第6には、この機能要素33Aは色変換フィルタ又はカラーフィルタであることを特徴とする。
これらの特徴によると、前述の特徴に併せて、基板上に形成される機能要素33による凹凸を平坦化層20で埋めることができるので、凹凸の大小に拘わらず、一旦平坦化層20により平坦化された上に有機EL素子を形成することができる。したがって、高い膜厚制御に基づいた高品質の素子を形成することが可能になる。そして、前述の各特徴は、機能要素33が薄膜トランジスタである場合であっても、或いは色変換フィルタやカラーフィルタである場合であっても同様に得られるものであるから、アクティブマトリクス駆動、パッシブマトリクス駆動、或いは単色、多色表示に関わりなく、引出電極接続部の熱圧着に関して安定的な圧着品質を確保した有機EL表示装置及びその製造方法を提供することができる。
以下に、本発明の実施例について、図面を参照しながら説明する。図3は、本発明の実施例において、アクティブマトリクス駆動される有機EL表示装置の例を示す説明図である。この有機EL表示装置は、透明ガラス基板等からなる基板1上に、画素を構成する有機EL素子3B毎にTFT8が形成されており、各TFT8には基板1上に形成された配線(ゲート配線、ドレイン配線;図示省略)が接続されている。そして、この基板1上には接続部5に面する下地層除去面20Aを有する平坦化層20が形成され、その上には、平坦化層20を覆うパシベーション層21が形成されている。
平坦化層20は、例えば、アクリル系,ポリイミド系等の樹脂材料或いは有機シリカ等の有機材からなり、スピンコート,ディップコート,スロットコートのような塗布法によって形成された層である。この平坦化層20を形成することによって、基板1上のTFT8或いは配線による凹凸が埋められた状態になり有機EL素子3Bを形成する平坦な下地を形成している。また、パシベーション層21は、平坦化層20からのガス(水蒸気等)放出を遮断することができるガスバリア性のある絶縁材料、例えば、酸化シリコン,窒化シリコン,アモルファスシリコン等の無機材料が用いられ、イオンプレーティング,スパッタリング,低温スパッタ,蒸着,EB等で成膜される。
そして、この平坦化層20及びパシベーション層21からなる下地層2の上には、最上層に形成されるパシベーション層21上に有機EL素子3Bが形成されている。この実施例では、有機EL素子3Bは基板1側に光を取り出す構成をなしており、下地層2の上に、ITO等の透明電極からなり陽極を形成する画素電極30Bを形成し,その上に、例えば、正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層,電子注入層からなる有機発光機能層32Bを形成し、更にその上に、陰極を形成する金属製の共通電極31Bを形成している。また、隣接する画素電極30B及び有機発光機能層32B間には絶縁層81が形成されている。ここでは、基板1側に光を取り出す例を示したが、上下の電極及び有機発光機能層の材料を逆転させることで上方から光を取り出す構成にすることもできる。
また、基板1上の周辺部分に接続部5が形成されており、この接続部5を形成するために、有機材からなる平坦化層20が部分的に除去されている。そして平坦化層20を除去するにあたって、接続部5に面する上向きのテーパ面からなる下地層除去面20Aが形成されている。この接続部5は、下地層除去面20A上を含めて全てパシベーション層21で覆われており、その上に前述した画素電極30Bに接続される引出電極30が形成されている。したがって、接続部5においては、基板1上に有機材から成る平坦化層20が存在しない圧着領域が形成されており、この圧着領域において、引出電極30と接続対象4(例えば、TCP(TAB))の電極40との間に異方性導電膜6を介在させた熱圧着による接続が行われている。
図4は、本発明の他の実施例に係る、パッシブマトリクス駆動される有機EL表示装置の例を示す説明図である。以下、前述の実施例と共通する箇所には同一の符号を付して重複した説明を一部省略する。この有機EL表示装置は、透明ガラス基板等からなる基板1上に、多色表示を行うための色変換フィルタ或いはカラーフィルタ9A,9B,9C,…が画素を構成する有機EL素子3C毎に形成されている。そして、この基板1上には接続部5に面する下地層除去面20Aを有する平坦化層20が形成され、その上には、平坦化層20を覆うパシベーション層21が形成されている。
そして、この平坦化層20及びパシベーション層21からなる下地層2の上に有機EL素子3Cが形成されている。この実施例では、有機EL素子3Cは基板1側に光を取り出す構成をなしており、下地層2の上に、ITO等の透明電極からなる陽極を形成する下側電極30Cをストライプ状に形成し,その上に、例えば、正孔注入層,正孔輸送層,発光層,電子輸送層,電子注入層からなる有機発光機能層32Cを形成し、更にその上に、前述の下側電極30Cに直交したストライプ状の上側電極31C(Al等の金属電極)を形成している。ここでは、基板1側に光を取り出す例を示したが、上下の電極及び有機発光機能層の材料を逆転させることで上方から光を取り出す構成にすることもできる。
また、前述した実施例と同様に、基板1上の周辺部分に接続部5が形成されており、この接続部5を形成するために、有機材からなる平坦化層20が部分的に除去されている。そして平坦化層20を除去するにあたって、接続部5に面する上向きのテーパ面からなる下地層除去面20Aが形成されている。この接続部5は、下地層除去面20A上を含めて全てパシベーション層21で覆われており、その上に前述した上側電極31Cに接続される引出電極31が形成されている。この実施例においても、平坦化層20が存在しない圧着領域において、引出電極31と接続対象4(例えば、TCP(TAB))の電極40との間に異方性導電膜6を介在させた熱圧着による接続が行われている。
このような有機EL表示装置の製造方法を図5のフローに沿って説明する。まず、基板1上に、アクティブ駆動或いは多色表示を行うための機能要素となる、TFT8、色変換フィルタ或いはカラーフィルタ9A,9B,9C等の素子を形成する(S1)。
これらの素子が形成された基板1上の全面に、前述した平坦化層20をスピンコート等の塗布方法によって形成する。そして、熱圧着によって接続対象4を接続する領域を定めて、この熱圧着箇所に合わせて平坦化層20を除去した接続部5を形成し(S3)、この平坦化層20の上面及び接続部5の基板上にパシベーション層21を形成する(S4)。
この接続部形成工程(S3)及びパシベーション層形成工程(S4)を図6を参照しながら、更に詳細に説明する。まず、同図(a)に示すように、前述した塗布によって基板1上に平坦化層20を形成し、次に、同図(b)に示すように、フォトリソグラフィ等によって接続部5に対応した位置に開口100Aを形成したレジスト層100を平坦化層20上に形成する。
そして、開口100A内に露出した平坦化層20に対して、現像処理を施して開口部100A内の平坦化層を除去する。この際、同図(c)に示すように、現像液はレジスト層100に近接する付近でレジスト層100の内側に入り込み、テーパ状の下地層除去面20Aが形成されることになる。したがって、現像処理の時間等を制御することにより、テーパ面の傾斜角度θを調整することが可能になる。
このテーパ面(下地層除去面20A)の傾斜角度θの設定は、良好な有機EL素子の表示性能を得るために重要な要因となる。この実施例においては、傾斜角度θ=45°±30°、すなわち、15°〜75°の範囲が有効であることが確認されている。これは、15°より小さい角度では、テーパ面の形成自体が困難であると共に、接続部周辺に広いテーパ面が形成されて基板上を有効に利用できないことになり、75°より垂直に近い角度では、テーパ面上で成膜されるパシベーション層や引出電極層が分断され易くなり、また、パシベーション層や引出電極として有効な厚みを確保できないという不具合が生じるからである。したがって、この傾斜角度をθ=45°±30°の範囲に設定することで、引出電極断線の不具合やパシベーション層分断による有機EL素子の表示性能劣化が生じることが無くなり、良好な有機ELの表示性能を確保できる。
その後は、図6(d)に示すように、平坦化層20上及び接続部5における基板1上にパシベーション層21を形成する。更には、平坦化層20及びパシベーション層21からなる下地層2の上に、有機EL素子(3A,3B又は3C)を形成し、接続部5において引出電極(30,31)を形成する(S5)。そして、平坦化層20が除去された接続部5において、接続対象4を接続するための熱圧着を行う(S6)。
このような実施例の有機EL表示装置及びその製造方法によると、基板1上に形成された下地層2は、接続時の熱圧着箇所に合わせた位置で有機材からなる平坦化層20が部分的に除去されて接続部5が形成される。そして、有機EL素子(3A,3B,3C)から引き出された引出電極(30,31)は、この接続部5で、引出電極(30,31)と接続対象4の電極40との間に異方性導電膜6を介在させた熱圧着が行われる。したがって、熱圧着箇所の下層には熱圧着を阻害する有機材の層が無いので、異方性導電膜6は引出電極(30,31)と接続対象4の電極40との間に挟持されて充分に加圧されることになり、引出電極(30,31)と電極40との電気的な接続を確実に行うことができる。
また、下地層除去面20Aが上向きのテーパ面を形成するので、その上にも成膜による層形成を行うことができる。そして、テーパ面の傾斜角度をθ=45°±30°の範囲に設定することによって、平坦化層20上に形成するパシベーション層21或いは引出電極30をこのテーパ面で分断することなく形成することができ、良好な有機EL素子(3A,3B,3C)の表示性能を確保することができる。
なお、前述した各実施例では、接続部5上にパシベーション層21を形成した例を示しているが、接続部5においては、平坦化層20を露出させない範囲でパシベーション層21を除去して、基板1の表面を露出させてもよい。
1 基板
2 下地層
20 平坦化層
20A 下地層除去面
21 パシベーション層
3 有機EL素子領域
3A,3B,3C 有機EL素子
30A,31A 電極
32A,32B,32C 有機発光機能層
33,33A 機能要素
30,31 引出電極
4 接続対象
40 電極
5 接続部
6 異方性導電膜
7 熱圧着部材
8 薄膜トランジスタ(TFT)
9A,9B,9C 色変換フィルタ又はカラーフィルタ
100 レジスト層
100A 開口

Claims (2)

  1. 基板上に有機材からなる層を少なくとも1層含む下地層を形成し、該下地層の上に有機EL素子を形成する有機EL素子領域と、前記基板上の周辺部分で、前記有機EL素子からの引出電極に対して接続対象を電気的に接続する接続部と、を有する有機EL表示装置において、
    前記下地層は、基板上に形成された前記有機EL素子毎に設けられる薄膜トランジスタ、色変換フィルタ又はカラーフィルタの凹凸を埋める平坦化層を有し、かつ、最上層にガスバリア性のパシベーション層が形成され、該パシベーション層上に前記有機EL素子が形成され、
    前記接続部は、全て前記パシベーション層で覆われており、その上に前記引出電極が形成されており、
    前記引出電極は画素電極と接続し、前記有機EL素子領域から前記接続部まで前記パシベーション層上に形成され、前記引出電極と前記接続対象との間に異方性導電膜を介在させ熱圧着により接続され、
    前記接続部は、前記接続時の熱圧着箇所に合わせて、前記平坦化層の少なくとも有機材からなる1層を除去し、
    前記接続部に面する下地層除去面は、前記基板に対して45°±30°の範囲内で傾斜した上向きのテーパ面であることを特徴とする有機EL表示装置。
  2. 基板上に有機材からなる層を少なくとも1層含む下地層を形成する工程と、
    前記下地層は、基板上に形成された前記有機EL素子毎に設けられる薄膜トランジスタ、色変換フィルタ又はカラーフィルタの凹凸を埋める平坦化層を有し、前記平坦化層の少なくとも有機材からなる1層を部分的に除去することによって接続部を形成する工程と、
    前記平坦化層の上面及び前記接続部上にパシベーション層を形成する工程と、
    前記基板上の有機EL素子領域の前記パシベーション層の上に有機EL素子を形成すると共に前記基板上の周辺部分の前記接続部に引出電極を形成する工程と、
    前記接続部において、前記引出電極と接続対象の電極との間に異方性導電膜を介在させてこれらを熱圧着する工程とを有し、
    前記引出電極は画素電極と接続し、前記有機EL素子領域から前記接続部まで前記パシベーション層上に形成され、
    前記接続部に面する下地層除去面は、前記基板に対して45°±30°の範囲内で傾斜した上向きのテーパ面であることを特徴とする有機EL表示装置の製造方法。
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