JP4853825B2 - 床材の製造方法およびその製造方法により製造された床材 - Google Patents

床材の製造方法およびその製造方法により製造された床材 Download PDF

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本発明は、戸建て住宅やマンション、アパート、保養所、オフィスビル、店舗等の建築物における室内床面に使用するための床材の製造方法およびその製造方法により製造された床材に関する。
現在、戸建て住宅等の建築物における室内床面用の床材としては、木質系フローリング材が最も広く流行している。この木質系フローリング材とは、厚み5mm〜15mm程度の天然木材の無垢板や、厚み5mm〜15mm程度の積層合板等の木質基材上に、厚み数百μm〜数mm程度の天然木材の突板を貼着したもの、或いはそれらの塗装品等である。
これらの天然木材を使用した木質系フローリング材は、その表面の意匠が天然木材の木目という、最も自然で親しみやすく美麗な意匠であることから、従来広く消費者に受け容れられている。
しかし、日光に当たると変色し易いことや、水に濡れると膨れや割れ、反り、腐蝕、突板の剥離等を起こし易く、特に浴室脱衣所や洗面所、厨房等の様な水廻りの部位への使用には問題があること、天然素材なので色調や木目形状などの品質や価格、供給量などが不安定であることなどの問題点も指摘されている。
特に近年では、地球環境保護問題への社会的関心が高まるにつれて、環境破壊に繋がる天然木材の大量消費は白眼視される様になり、床材などの建築材料の分野においても、資源のリサイクル利用への取り組みが求められる様になっている。
しかし、木質系フローリング材を再度床材としてリサイクル利用することは、技術的にも経済的にも極めて困難であり、せいぜい粉砕してパーティクルボード用原料としてリサイクル利用される程度に留まっているが、これも近年の急激な供給増に見合った用途開発が進まないために過剰在庫を抱え、リサイクル利用は行き詰まりの状況にあり、大半は埋め立てや焼却による最終処分が行われているのが現状である。
そこで、床材を使用後に再度、同種の床材の原料として再利用可能な、リサイクル適性のある床材の開発が、社会的に強く要望される様になっている。こうした要望に応えるものとして、本発明者らは既に、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を含有する木質樹脂成形体の表面に、該木質樹脂成形体に含有される熱可塑性樹脂と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シートを積層してなる床材を提案した(特許文献1参照)。
この床材は、熱可塑性樹脂を主成分とするので耐水性や耐候性に優れ、物性的にも意匠的にも品質の安定した製品を安価に大量供給可能であり、切削や釘打ち等の加工性も木質系フローリング材と同等であり、しかも、使用後はそのまま粉砕して前記木質樹脂成形体の成形材料として再利用できるという、優れたリサイクル適性を備えたものである。
また、本発明者らはさらに、水系又は溶剤系接着剤による接着性や、天然木材に似た暖かい触感を与える断熱性、快い歩行感を与える弾力性等の改善を目的として、前記木質樹脂成形体を発泡させてなる木質樹脂発泡成形体を基材として使用した床材をも、既に提案した(特許文献2参照)。
しかしながら、その後の試作検討の結果、前記した木質樹脂発泡成形体を使用した床材について、改善の必要性があることが判明した。すなわち、本発明における床材は熱可塑性樹脂と木質系充填剤で構成され、異形押出プロセスなどで連続的に成形された床材を所望の寸法にカットし床材として施工されるが、引取方向の熱寸法安定性と、引取方向と垂直方向(基材巾方向)の熱寸法安定性に違いが確認された。
特開2001−353815号公報 特開2002−120347号公報
本発明は、従来の技術における、前記の様な問題点を解決するためになされたものであり、その目的は、木質感やリサイクル適性に優れた木質樹脂発泡成形体を基材とした床材において、引取方向の熱寸法安定性と、基材巾方向の熱寸法安定性の差を少なくした床材の製造方法およびその製造方法により製造された床材を提供することにある。
本発明は前記課題を解決するためになされたものであり、その請求項1記載の発明は、熱可塑性樹脂および木質系フィラーからなる木質樹脂組成物を発泡成形してなる木質樹脂発泡成形体からなる床材の製造方法において、前記木質樹脂組成物を押出機により発泡成形することで断面が矩形の第1の発泡成形体を押し出し、前記第1の発泡成形体を、入口の巾方向の寸法よりも出口の巾方向の寸法を大きくしたサイジングに供給することにより形状および寸法を整形しながら冷却して断面が矩形の第2の発泡成形体を得、前記第2の発泡成形体を引き取り機で引き取ることにより前記床材を得、前記入口と前記出口はサイジング冷却用整形路で接続され、前記サイジング冷却用整形路の巾方向の両側に位置する側壁は、前記入口から前記出口に向けて前記矩形の巾が次第に大きくなるように設けられ、前記サイジング冷却用整形路の高さ方向の両側に位置する上下の壁は、前記入口の高さ方向における両側に接続する平面壁と、前記平面壁の巾方向の中央に前記サイジング冷却用整形路内に突出するように設けられた突出壁とを有し、前記突出壁の巾は前記入口から前記出口に向かうにつれて次第に大きくなり前記出口において前記出口の巾と一致することを特徴とする。
また、請求項2記載の発明は、前記出口の巾方向の寸法が前記入口の巾方向の寸法の2倍以上、10倍以下であることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、前記突出壁は冷却用媒体により冷却され、前記突出壁は前記第1の発泡成形体を冷却する冷却部を構成していることを特徴とする。
また、請求項記載の発明は、請求項1乃至の床材の製造方法により製造された床材である。
本発明はその請求項1記載の発明により、熱可塑性樹脂及び木質系フィラーからなる木質樹脂発泡成形体からなる床材の製造方法において、冷却サイジングの入口巾寸法に対し、サイジング出口巾寸法を広く設計したサイジングを用いることで、成形性や床物性を落とすことなく、引取方向と基材巾方向の熱寸法安定性の不均一性を改善することができる。
これまで提案してきた木質系樹脂発泡成形体において、いわゆる床形状の発泡成形体を連続的に押出し、引取方向に対して垂直にカットし基材を生産する。例えば異形押出の場合には、溶融した樹脂をサイジングにおいて冷却し、これを引取機で所望のスピードにて引き取るというプロセスをとることになる。
木質系樹脂発泡成形体においては、木質系フィラーを充填することにより、基材の熱寸法安定性(線膨張係数)を改善しているが、木質系フィラーがアスペクト比の高い、いわゆる繊維状の構造をしていることにより、引取方向に配向する傾向がある。
この木質フィラーの配向に起因し、生産した床基材において引取方向の熱寸法安定性と比較し、巾方向の熱寸法安定性は悪いという不均一性が生まれてしまう。
これまでの検証により、熱寸法安定性に起因する床基材の突き上げ現象に関して、引取方向に比べて、基材巾方向で発生する例が多い。このことから、例えば、引取方向の熱寸法安定性を犠牲にしても、基材巾方向の熱寸法安定性を改善する必要があると考えられ、この為には充填する木質系フィラーの引取方向への配向を抑える必要がある。
本発明において、冷却サイジングの入口巾寸法L1に対し、サイジング出口巾寸法L2を広く設計したサイジングを用いることが特徴であり、このような設計とすることで、サイジング内での樹脂の流動方向が引取方向に支配的な流動から、巾方向にも流動するように変化し、結果として木質系フィラーの引取方向への配向度を制御することができる。
また、成形に用いるサイジングにおいて、サイジング冷却部が図2に示すように、入口側から出口側にむけて、巾方向に連続的に増加することが特徴であり、このような設計とすることで、樹脂がサイジング内を引取方向に移動する際に、中央部から連続的に冷却されることにより、未固化の樹脂が巾方向外側に向け流動し、より効果的に木質系フィラーの引取方向への配向を制御することができる。
本発明はその請求項2記載の発明により、成形に用いるサイジングにおいて、サイジング出口巾寸法L2がサイジング入口寸法L1の2倍以上、10倍以下であることを特徴とし、この範囲内でサイジングを設計することにより、本発明の特徴である、木質系フィラーの引取方向への配向度のコントロールを達成でき、かつ、成形に関しての不具合を併発することがない。
次に本発明の床材の製造方法の実施の形態について図面を参照して詳細に説明する。
本実施の形態の床材の製造方法は、木質樹脂組成物を押出機により発泡成形することで断面が矩形の第1の発泡成形体を押し出し、第1の発泡成形体を、入口の巾方向の寸法よりも出口の巾方向の寸法を大きくしたサイジングに供給することにより形状および寸法を整形しながら冷却して断面が矩形の第2の発泡成形体を得、第2の発泡成形体を引き取り機で引き取ることにより木質樹脂組成物からなる床材を得るものである。
図1は本実施の形態の床材の製造方法で用いるサイジング10の概略図である。
サイジング10の入口12の巾方向の寸法L1に対して、サイジング10の出口14の巾方向の寸法L2を大きくしている。また、サイジング10の入口12と出口14との樹脂量を合わせるために、巾方向の寸法の増加にともない厚み方向の寸法は減少する設計である。具体的には、サイジング10の入口12の厚み方向の寸法をD1、サイジング10の出口14の厚み方向の寸法をD2とすると、L1×D1=L2×D2としている。
図1に示すように、入口12の巾方向の寸法L1から出口14の巾方向の寸法L2まで連続的に変化する設計とすることで、サイジング10内での樹脂流動は引取方向に加えて、巾方向にも流動することになる。このことにより、引取方向への木質系フィラーの配向を制御することが可能となり、床基材の巾方向の熱寸法安定性を改善することができる(引取方向の熱寸法安定性は悪くなる)。
図3は床材の一実施例の断面の構造を示す図である。
図3に示すように、床材5は、熱可塑性樹脂4と、木質系充填剤3との混合物を、発泡内部に気泡2が存在させつつ成形してなる、木質樹脂発泡成形層に、前記同系の熱可塑性樹脂からなる化粧シート1が積層されてなるものである。
本発明における熱可塑性樹脂4としては、ポリオレフィン系の例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上の目的で酸変性したもの、あるいはアイオノマー等から適宜選択が可能で、単一でも複数種の混合でも構わない。
中でも、床材5として要求される剛性や表面硬度、寸法安定性などの面で、ホモポリプロピレン、ランダムポリプロピレン、ブロックポリプロピレン、プロピレン−α−オレフィン共重合体などのポリプロピレン系樹脂が最も適している。
しかし、ポリプロピレンは熱膨張や熱収縮という温度に対しての寸法変化、いわゆる線膨張係数が大きい材料である。我々の提案する床材5は、熱可塑性樹脂と木質系充填剤を複合しているため、熱可塑性樹脂単体と比較すれば、線膨張係数は小さくなっている。しかし、床材5を施工した時の温度に比べ、室温が著しく高くなった場合には木質樹脂発泡成形体の熱膨張による応力は巾方向および引取方向に蓄積され、施工面積が広くなった場合に、これらの応力が一部分に集中する事により突き上げが発生する可能性がある。前述のように、木質系フィラーを充填した場合には引取方向に木質系フィラーが配向する事により、基材巾方向の線膨張係数が大きい傾向がある。
本発明において、熱可塑性樹脂が冷却固化されるサイジング10内に巾方向のテーバーを設けている事が重要である。例えば、押出機ダイにこのような巾方向のテーパーを組み込んだとしても、溶融状態とサイジング10内での樹脂の粘度を考えると、引取方向への木質系フィラーの配向を抑える効果は得ることはできない。
サイジング10の入口12の巾方向の寸法L1と、出口14の巾方向の寸法L2の比は、L2がL1の2倍以上が望ましく、木質系フィラーの配向制御の効果をより得るためには3倍以上が望ましい。2倍以下では、サイジング10内の巾方向への樹脂流動が小さく、結果として成形した床材5の線膨張は引取方向と、巾方向で大きく異なることとなる。
また、入口12の巾方向の寸法L1と、出口14の巾方向の寸法L2の比に関して、L2はL1の10倍以下が望ましく、5倍以下であることがより望ましい。L2とL1の比が大きくなると、前述のようにD2とD1の比も大きくなるため、サイジング10の入口12と出口14でこれらアスペクト比L:Dが急激に変化することになる。この急激な形状変化により、サイジング10の寸法を大きくせざるを得ない、基材成形の安定性が悪くなるなどのデメリットから、前述の範囲内であることが望ましい。
図2(A)は本実施の形態の床材の製造方法で用いるサイジング10の構成を示す説明図、(B)は(A)のa断面図、(C)は(A)のb断面図である。
一般的なサイジングでは、サイジング内に冷却水などを配管し、サイジング全体を均一に冷却するが、本実施の形態におけるサイジング10では、サイジング10の冷却部26がサイジング10の入口12側から出口14側にむけて、巾方向に連続的に増加する設計となっている。このような設計とすることで、樹脂がサイジング10内を引取方向に移動する際に、中央部から連続的に冷却される。
図2(B)、(C)に示すように、サイジング10の冷却部26はサイジング10の出口14部分では、冷却部の厚みD2まで入り込んだ設計となっている。サイジング10の入口12より入った樹脂(第1の発泡成形体)は、引取方向に進むにともない樹脂中央部から冷却されることになり、また、冷却部の厚みはD2であるため、樹脂中央部からD2の厚みで冷却固化されていくことになる。
樹脂中央部が冷却固化されると、樹脂粘度の違いから、サイジング10内で樹脂の流動は外側に進むことになる。この巾方向への樹脂の流動により、木質系フィラーの引取方向への配向をより効率的に抑えることが可能となる。すなわち、冷却部26により冷却され出口14から引き取り機によって引き取られた樹脂(第2の発泡成形体)は、木質系フィラーの引取方向への配向が抑えられたものとなっている。
図1、図2を参照してサイジング10についてさらに詳細に説明する。
図1、図2(A)に示すように、入口12と出口14はサイジング冷却用整形路16で接続されている。
図2(B)、(C)に示すように、サイジング冷却用整形路16の巾方向の両側に位置する側壁18は、入口12から出口14に向けて矩形の巾が次第に大きくなるように設けられている。
サイジング冷却用整形路16の高さ方向の両側に位置する上下の壁20は、入口12の高さ方向における両側に接続する平面壁22と、平面壁22の巾方向の中央にサイジング冷却用整形路16内に突出するように設けられた突出壁24とを有している。
突出壁24の巾は入口12から出口14に向かうにつれて次第に大きくなり出口14において出口14の巾と一致している。
突出壁20は例えば水などの冷却用媒体により冷却され、突出壁20が前記の冷却部26を構成している。
本発明において、木質樹脂発泡成形体に使用される木質系充填剤3の素材としては、特に制限されることなく選択が可能であるが、一般的には木材をカッターミルなどによって破断し、これをボールミルやインペラーミルなどにより粉砕して、微粉状にしたもの木粉などを用いる。
木質系充填剤3の平均粒径は、1μm〜200μmが好ましく、10μm〜150μmがより好ましい。平均粒径が1μm未満のものは取り扱いが困難であるうえに、特に木質系充填剤の配合量が多い場合は、樹脂への分散が悪いと製造され、木質樹脂発泡成形体に機械強度の低下が発生する。また、200μmより大きいと、成形品の均質性、平面性、機械的強度が低下する。
また、木質系充填剤3の配合量については、熱可塑性樹脂4の100重量部に対して、10重量部から300重量部まで適宜選択が可能であるが、成形性や均質性を高めるために、木質系充填剤3は、熱可塑性樹脂4の100重量部に対して20〜200重量部、より好ましくは30〜150重量部の配合量とすることが望ましい。木質系充填剤3の配合量が多すぎると、床材5の曲げ弾性率が上がり、しなやかさが失われるために、施工性が悪化したり特に、隅部への施工時や一枚交換時に、床材5を撓ませて施工することが難しくなる、曲げた時に割れ易くなる。一方、少なすぎると、線膨張係数が大きくなり、寸法安定性が低下するために、温度変化によって、床材5同士の間の目隙きや、床材5同士の突き上げによる浮き等を発生したりする原因となる。
本発明において、木質樹脂発泡成形体を成形するための木質樹脂組成物には、前記熱可塑性樹脂4と木質系充填剤3の他に、発泡剤が添加されて、成形過程において発泡される。
本発明において、木質樹脂発泡成形体の成形としては通常の異形押出法を用いることができる。なかでも、連続的かつ安定的に発泡成形可能はセルカ製造方法が好ましい。
本発明において、熱可塑性樹脂4には、必要に応じて熱安定剤、酸中和剤、紫外線吸収剤、ブロッキング防止剤、脱水剤、半透明化のための光散乱剤、艶調整剤等を添加することもできる。
これらの添加剤のうち熱安定剤としてはヒンダードフェノール系、硫黄系、リン系等、酸中和剤としてはステアリン酸金属塩、ハイドロタルサイト等、紫外線吸収剤としてはベンゾトリアゾール系、ベンゾエート系、ベンゾフェノン系、トリアジン系等があり、光安定剤としてはヒンダードアミン系等がある。
また、発泡の手法についても公知の手法がいずれも利用できる。一般的には、熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡と、低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡とに分類でき、化学発泡剤としては無機系の重炭酸ナトリウム、炭酸アンモニウム、重炭酸アンモニウム、亜硝酸アンモニウム、ホウ化水素ナトリウム、軽金属、アジド化合物等、また有機発泡剤としてはアゾ系、ニトロソ系、ヒドラジド系等が、任意の組み合わせで使用できる。
また、特に2倍を越える高発泡倍率での発泡には主に物理発泡が用いられ、発泡剤としては炭酸ガスや脂肪族炭化水素が主に用いられる。また、物理発泡に際しても発泡体のセル形状を整えるため化学発泡剤を併用することが多い。
本発明において、木質樹脂組成物を構成する熱可塑性樹脂4、木質系充填剤3、発泡剤およびその他の添加剤の混練については、特に方法を問わないが、バンバリーミキサーによって混練し、ペレタイザーでペレット化する方法や、2軸押出混練機によって混合、ペレット化する方法などが一般的である。また、木質系充填剤3は、含水率が大きいと、ペレタイズ時に発泡の原因となるために、混練前に予め乾燥機やホッパードライヤーで含水率を8%以下に抑えることが望ましい。
本発明の床材5は、木質樹脂発泡成形体の表面に、熱可塑性樹脂4と同系の熱可塑性樹脂を主体とする化粧シート1を積層することが好ましい。前記同系の熱可塑性樹脂とすることで、リサイクル処理時に混合しても大きな物性変化を伴わずにリサイクルが可能となる。
具体的には、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリイソプレン、エチレン−プロピレン共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−α−オレフィン共重合体、プロピレン−α−オレフィン共重合体、エチレン−エチルアクリレート共重合体や、これらを接着性の向上を目的として酸変性したもの、アイオノマー等、或いはそれらの混合物、共重合体等、各種のポリオレフィン系樹脂の中から適宜選択が可能であり、これらの中から選ばれる同種又は異種の樹脂を、木質樹脂発泡成形層用4および化粧シート用1の熱可塑性樹脂として使用することができる。
さらに、本発明の床材5には、木質樹脂発泡成形体の裏面に、前記木質樹脂発泡成形体に含有される熱可塑性樹脂4と同系の熱可塑性樹脂を主体とする発泡層図示せずが積層されていてもよい。例えば、床材5の裏面側に発泡層を積層しておくと、床下地面の不陸を吸収してがたつきを防止したり、床面への物品の衝突音や歩行音を吸収して騒音を防止したりするなどの効果がある。
前記発泡層の積層手法については公知の手法が利用でき、例えば木質樹脂発泡成形体1の成形用の木質樹脂組成物に用いた熱可塑性樹脂4と同系の熱可塑性樹脂に、前記熱分解や化学反応によってガスを発生する化学発泡剤又は低沸点の液体に熱をかけて気化させる物理発泡剤のいずれかの発泡剤によりシート状に発泡成形した発泡成形体を、木質樹脂発泡成形体の化粧シート1を積層していない裏面に貼り合わせることにより形成できる。
以上説明したように本実施の形態によれば、木質感やリサイクル適性に優れた木質樹脂発泡成形体を基材とした床材において、引取方向の熱寸法安定性と、基材巾方向の熱寸法安定性の差を少なくした床材を製造することができる。
(実施例1)
次に本発明における床材およびその製造方法について、具体的な実施例を挙げて説明するが、本発明は実施例によって制限されるものではない。
熱可塑性樹脂としてホモポリプロピレン樹脂にマレイン酸変性ホモポリプロピレン樹脂が20重量%添加されてなるホモポリプロピレン系樹脂100重量部と、木質系フィラーとしてと木材をカッターミルで破断し、これをボールミルにより粉砕して微粉状にした平均粒径100μmのものを用い、この100重量部とを、2軸押出混練機によって混合し、ペレット化して、木質樹脂組成物を作製した。この木質樹脂組成物100重量部に対して、トリアリルイソシアヌレートおよび重曹−クエン酸系発泡剤を3重量部添加し、1軸押出機により押出成形を実施した。押出機付帯の冷却サイジング10として、図1、2に示す寸法設計、冷却部設計のサイジング10を用いた。L1=50mm、D1=24mm、L2=200mm、D2=6mmのサイジング10寸法により、発泡倍率1.4倍、厚さ6mm、幅200mmの断面長方形状に成形し、さらに表面にコロナ放電処理をして、木質樹脂発泡成形体を作製した。
一方、ランダムポリプロピレンに酸化鉄、酸化チタン等の顔料を配合して製膜した厚さ100μmの着色ポリプロピレンシートにウレタン系インキで木目印刷をして、エクストルージョンラミネート法にてホモポリプロピレン樹脂を100μmの厚みでエンボス同時ラミネートし、この裏面にプライマーコートを、表面にトップコートを施して、ポリプロピレン系樹脂製の化粧シートを作製した。しかる後、この化粧シートを前記木質樹脂発泡成形体の表面にラッピング加工法にて貼り合わせて連続で作製し、本発明の床材5を作製した。
(比較例1)
前記実施例1において、1軸押出機での押出発泡成形時のサイジングとして、サイジングの入口とサイジングの出口とで寸法変化を設けていないサイジングを用いた以外は、実施例1と同一の要領にて床材を作製した。
(性能比較)
実施例1および比較例1で成形した基材について、0℃から60℃まで環境温度を変化させた際の、基材寸法変化を測定し、引取方向、基材巾方向の線膨張係数を測定した。結果を図4に示す。比較例1の基材については、引取方向の線膨張係数が、巾方向の半分程度であったのに対し、本発明の実施例の基材に関しては、引取方向の線膨張係数は大きくなっているものの、基材巾方向の線膨張係数が改善されていることが確認できる。また、図4にそれぞれの基材の表面硬度をゴム硬度計にて測定した値を示すが、実施例と比較例で大きな差はなかった。また、押出成形時の成形性に関しても両者に差はなかった。
本実施の形態の床材の製造方法で用いるサイジング10の概略図である。 (A)は本実施の形態の床材の製造方法で用いるサイジング10の構成を示す説明図、(B)は(A)のa断面図、(C)は(A)のb断面図である。 床材の一実施例の断面の構造を示す図である。 実施例および比較例の物性評価結果を示す図である。
符号の説明
1…化粧シート、2…気泡、3…木質充填剤、4…熱可塑性樹脂、5…床材、10…サイジング、12…入口、14…出口、L1…入口の巾方向の寸法、L2…出口の巾方向の寸法、26……冷却部。

Claims (4)

  1. 熱可塑性樹脂および木質系フィラーからなる木質樹脂組成物を発泡成形してなる木質樹脂発泡成形体からなる床材の製造方法において、
    前記木質樹脂組成物を押出機により発泡成形することで断面が矩形の第1の発泡成形体を押し出し、
    前記第1の発泡成形体を、入口の巾方向の寸法よりも出口の巾方向の寸法を大きくしたサイジングに供給することにより形状および寸法を整形しながら冷却して断面が矩形の第2の発泡成形体を得、
    前記第2の発泡成形体を引き取り機で引き取ることにより前記床材を得
    前記入口と前記出口はサイジング冷却用整形路で接続され、
    前記サイジング冷却用整形路の巾方向の両側に位置する側壁は、前記入口から前記出口に向けて前記矩形の巾が次第に大きくなるように設けられ、
    前記サイジング冷却用整形路の高さ方向の両側に位置する上下の壁は、前記入口の高さ方向における両側に接続する平面壁と、前記平面壁の巾方向の中央に前記サイジング冷却用整形路内に突出するように設けられた突出壁とを有し、
    前記突出壁の巾は前記入口から前記出口に向かうにつれて次第に大きくなり前記出口において前記出口の巾と一致する、
    ことを特徴とする床材の製造方法。
  2. 前記出口の巾方向の寸法が前記入口の巾方向の寸法の2倍以上、10倍以下であることを特徴とする請求項1記載の床材の製造方法。
  3. 前記突出壁は冷却用媒体により冷却され、前記突出壁は前記第1の発泡成形体を冷却する冷却部を構成している、
    ことを特徴とする請求項1または2記載の床材の製造方法。
  4. 請求項1乃至の床材の製造方法により製造された床材。
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