JP4853326B2 - 精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法 - Google Patents

精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4853326B2
JP4853326B2 JP2007044922A JP2007044922A JP4853326B2 JP 4853326 B2 JP4853326 B2 JP 4853326B2 JP 2007044922 A JP2007044922 A JP 2007044922A JP 2007044922 A JP2007044922 A JP 2007044922A JP 4853326 B2 JP4853326 B2 JP 4853326B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gas
iron oxide
oxygen
supply path
refining
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007044922A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008208407A (ja
Inventor
修 内山
祐一 内田
明彦 井上
正太郎 藤城
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JFE Steel Corp
Original Assignee
JFE Steel Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JFE Steel Corp filed Critical JFE Steel Corp
Priority to JP2007044922A priority Critical patent/JP4853326B2/ja
Publication of JP2008208407A publication Critical patent/JP2008208407A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4853326B2 publication Critical patent/JP4853326B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Refinement Of Pig-Iron, Manufacture Of Cast Iron, And Steel Manufacture Other Than In Revolving Furnaces (AREA)
  • Carbon Steel Or Casting Steel Manufacturing (AREA)

Description

本発明は、酸素含有ガスの供給経路と酸化鉄の供給経路とが分離されていて、これらの経路から酸素含有ガス及び酸化鉄を溶銑浴面に供給して脱燐処理などの酸化精錬を溶銑に施すための精錬用上吹きランスに関し、更に、該上吹きランスの酸化鉄供給経路の破孔を検知する検知方法に関するものである。
高炉溶銑を用いる製鋼プロセスにおいては、転炉で脱炭吹錬する前に、溶銑中に含有される燐(P)の大半を酸素ガスや固体の酸化鉄を用いて酸化除去する溶銑脱燐処理が一般的に行われている。特に近年、鉄鋼製品に要求される品質要求は以前にも増して厳格になり、今まで以上に燐濃度の低減が求められるようになっている。この品質要求に応えるには、脱燐処理を施す溶銑量を従来以上に増加することや、脱燐処理後の燐濃度を安定して下げることが必要である。
一方、昨今の地球温暖化に代表される環境影響に対応すべく、製鋼工程におけるスラグ排出量の削減が必須となっている。溶銑の脱燐処理においてスラグの排出量を削減するためには、溶融して脱燐用精錬剤として機能するスラグ(「脱燐精錬用スラグ」)となる脱燐精錬剤の投入量を低減することが必要である。溶銑の脱燐処理において、脱燐精錬剤の主体は石灰であり、上記の品質要求に応えるとともにスラグ排出量を削減するためには、石灰の使用量を低減しつつ、必要脱燐量を維持する技術、即ち、少ない石灰の使用量で効率良く脱燐処理する技術が必要となる。
溶銑の脱燐処理において、滓化(スラグ化)しない石灰は脱燐反応に寄与しないことから、石灰の使用量を削減するためには、添加した石灰の滓化を促進させることが重要となる。従来、石灰を始めとするスラグの滓化能力に優れた滓化促進用の媒溶剤としてホタル石(フッ化カルシウムを主成分とする鉱石)が知られており、脱燐処理においてもホタル石が用いられてきた。しかし近年、環境規制の強化に伴い、フッ素を含む媒溶剤の使用が制限されるようになり、そのため、ホタル石を使用しなくても石灰による脱燐反応を促進させる手段が検討され、多数の提案がなされている。
そのなかの1つの手段として、石灰系の脱燐精錬剤を酸素源の供給されている場所と同一場所に供給し、石灰系脱燐精錬剤の滓化を促進させ、少ない石灰系脱燐精錬剤で効率良く脱燐処理する技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、石灰系脱燐精錬剤と、酸化鉄及び/または酸素ガスとからなり、所定のCaO/O比となる処理剤を、同時に溶銑の同じ場所に供給する技術が提案されている。特許文献2には、酸素ガスが供給されている場所に、石灰系脱燐精錬剤及び吸熱物質を添加して行う溶銑の脱燐処理方法が提案されている。また、特許文献3には、酸素ガス及び石灰系脱燐精錬剤を溶銑の同一場所に添加するに好適な上吹きランスとして、軸心部位置に石灰系脱燐精錬剤を供給するための粉体吹き込みノズルを配置し、その周囲に酸素ガスを供給するための複数のノズルを配置した、四重管構造の上吹きランスが開示されている。
特開2000−144226号公報 特開2003−328021号公報 特開2006−336033号公報
上記の特許文献1〜3によって、少ない石灰系脱燐精錬剤の使用量で効率良く溶銑の脱燐処理を行うことが可能となった。
しかしながら、粉体を上吹きランスで吹き込む場合には、上吹きランスを構成する鋼管が粉体により損耗して破孔し、精錬中に上吹きランスを冷却するための冷却水が精錬容器内に流出するなどの操業トラブルが発生する。特に、特許文献1のように、鉄鉱石などの酸化鉄を吹き込む場合には、酸化鉄は密度が大きく且つ硬質であることから鋼管の損耗が激しくなる。また、酸化鉄中には、微量の金属鉄を含むものがあり、酸化鉄を酸素ガスとともに吹き込んだ場合には、金属鉄が酸素ガス中で燃焼し、それに伴って供給経路を構成する鋼管が燃焼するなど、設備に損害を与える恐れがある。また更に、酸化鉄と鋼管との接触により発生する火花によって鋼管が燃焼するなどの恐れもある。このようなことから近年では、酸化鉄用の搬送用ガスとしては、窒素ガスなどの非酸化性ガスやArガスなどの希ガスが使用されるのが一般的である。
これらの観点にたって上記特許文献1〜3を検証すると、特許文献1では、酸素ガスが搬送用ガスを兼ねており、上吹きランスの損耗による操業トラブルが避けられない。
特許文献2及び特許文献3では、上吹きランスを四重管構造とし、搬送用ガスとして窒素ガスなどを用いているが、粉体を供給するための経路から酸化鉄を吹き込んだ場合には、酸化鉄による損耗により、やがては酸化鉄を供給する経路を構成する鋼管が破孔する。この鋼管が破孔すると、四重管構造とはいえども酸化鉄と酸素ガスとが混入する。これにより、酸化鉄中に含まれる微量の金属鉄が燃焼し、それに伴って鋼管が燃焼する、或いは、酸化鉄と鋼管との接触により発生する火花によって鋼管が燃焼するなどの操業トラブルの発生する恐れがある。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、酸素含有ガスの供給経路と酸化鉄の供給経路とが分離された、脱燐処理などの酸化精錬を溶銑に施すための上吹きランスにおいて、酸化鉄との接触などによる損耗によって酸化鉄供給経路を形成する鋼管に破孔が生じても、酸素含有ガス供給経路への酸化鉄の混入を防止することのできる精錬用上吹きランスを提供するとともに、この精錬用上吹きランスの使用中に、酸化鉄供給経路を形成する鋼管に破孔が生じた場合には、直ちに破孔の発生を検知することのできる検知方法を提供することである。
上記課題を解決するための第1の発明に係る精錬用上吹きランスは、酸化鉄を搬送用ガスとともに供給するための酸化鉄供給経路と、この酸化鉄供給経路の周囲に設けられた、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスが存在する緩衝空間と、この緩衝空間の周囲に設けられた酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給経路と、を備えることを特徴とするものである。
また、第2の発明に係る精錬用上吹きランスの破孔検知方法は、第1の発明に記載の精錬用上吹きランスを用い、酸化鉄供給経路から搬送用ガスとともに酸化鉄を溶銑浴面に供給し、且つ、酸素含有ガス供給経路から酸素含有ガスを溶銑浴面に供給して溶銑を酸化精錬する際に、酸化鉄供給経路と酸素含有ガス供給経路との間の緩衝空間に、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスを導入し、このガスの圧力または流量の変動に基づいて酸化鉄供給経路での破孔を検知することを特徴とするものである。
本発明に係る精錬用上吹きランスによれば、酸化鉄を搬送用ガスとともに供給するための酸化鉄供給経路の周囲に、酸素含有ガス供給経路とは連通しない緩衝空間を設けたので、仮に酸化鉄供給経路が破孔しても、酸化鉄は緩衝空間に流入するだけで、酸素含有ガス供給経路には混入せず、従って、酸化鉄中の金属鉄の燃焼やそれに伴う経路を構成する鋼管の燃焼などの操業トラブルを未然に防止することができる。また、この緩衝空間に、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスを導入し、このガスの圧力または流量の変動を監視することによって、酸化鉄供給経路の破孔を容易に検知することができるので、破孔が発生した場合には、上吹きランスの交換などの処置を的確に行うことが可能となる。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明に係る精錬用上吹きランスの概略断面図である。
図1に示すように、本発明に係る上吹きランス1は、円筒状のランス本体2と、このランス本体2の下端に溶接などにより接続されたランスノズル3と、で構成されていて、ランス本体2は、最外管4、外管5、中管6、内管7、最内管8の同心円状の5種の鋼管、即ち五重管で構成されており、銅製のランスノズル3には、その軸心部に鉛直下向き方向の酸化鉄吹込ノズル9が設置され、この酸化鉄吹込ノズル9の周囲には、吐出方向を鉛直斜め下向き方向とする複数個の酸素含有ガス吹込ノズル10が設置されている。酸素含有ガス吹込ノズル10は、先端部になるほど断面が拡大する、所謂ラバールノズルの形状を採っている。酸化鉄吹込ノズル9はストレート形状であるが、酸化鉄吹込ノズル9もラバールノズルの形状を採っても構わない。この上吹きランス1は、転炉などの精錬容器(図示せず)の内部に昇降可能となるように、精錬容器の上方で支持装置(図示せず)によって支持されている。
酸化鉄吹込ノズル9は、鉄鉱石、ミルスケールなどの酸化鉄を搬送用ガスとともに精錬容器の内部に吹き込むためのノズルであり、一方、酸素含有ガス吹込ノズル10は、酸素含有ガスを精錬容器の内部に吹き込むためのノズルである。この場合、酸素含有ガス吹込ノズル10の設置孔数や口径などの制約は特にないが、上吹きランス1への供給ガス圧などの制約により、必要とする酸素含有ガス供給量から必然的に設置孔数及び口径は決定されるため、これらを満足する範囲内で設定することとする。ここで、酸素含有ガスとは、酸素ガス(純酸素ガス)、酸素富化空気、酸素ガスと希ガスなどとの混合ガスであって、且つ、空気よりも酸素ガス濃度が高濃度のガスである。酸化鉄吹込ノズル9から吹き込む酸化鉄としては、鉄鉱石の焼結鉱、ミルスケール、集塵ダスト、砂鉄、鉄鉱石などを使用することができる。ここで、集塵ダストとは、高炉、転炉、焼結工程において排気ガスから回収される、FeO或いはFe23 を含有するダストである。
尚、酸素含有ガス吹込ノズル10から、酸素含有ガスを搬送用ガスとして生石灰などのフラックスを吹き込むこともできるし、同様に、酸化鉄吹込ノズル9から、酸化鉄とともに生石灰などのフラックスを吹き込むこともできる。当然ながら、酸化鉄吹込ノズル9から噴出される流量、及び、酸素含有ガス吹込ノズル10から噴出される流量は、各々独立した流量計(図示せず)によって独立して流量制御されている。
最外管4と外管5との間隙、及び、外管5と中管6との間隙は、上吹きランス1を冷却するための冷却水の流路となっており、上吹きランス1の上部に設けられた給水継手(図示せず)から供給された冷却水は外管5と中管6との間隙を通ってランスノズル3の部位まで至り、ランスノズル3の部位で反転して最外管4と外管5との間隙を通って上吹きランス1の上部に設けられた排水継手(図示せず)から排出される。給排水の経路を逆としてもよい。
中管6と内管7との間隙は、酸素含有ガスを酸素含有ガス吹込ノズル10へ供給するための酸素含有ガス供給経路となっており、上吹きランス1の上部に設けられた供給継手(図示せず)から中管6と内管7との間隙に供給された酸素含有ガスは、中管6と内管7との間隙を通って酸素含有ガス吹込ノズル10に至り、酸素含有ガス吹込ノズル10から噴出されるようになっている。
最内管8の内部は、搬送用ガスとともに酸化鉄を酸素鉄吹込ノズル9へ供給するための酸化鉄供給経路となっており、上吹きランス1の上部に設けられた供給継手(図示せず)から搬送用ガスとともに最内管8の内部に供給された酸化鉄は、最内管8の内部を通って酸素鉄吹込ノズル9に至り、酸素鉄吹込ノズル9から噴出されるようになっている。酸化鉄を搬送する搬送用ガスとしては、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスを使用する。
酸化鉄の搬送用ガスとして、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスを使用する理由は以下の通りである。空気は、酸素含有ガス吹込ノズル10から吹き込まれる酸素含有ガスに比較して酸素ガスの含有量が少なく、また、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスは実質的に酸素ガスを含んでいないので、酸化鉄に含まれる微量の金属鉄の搬送中における燃焼を防止することができるとともに、搬送中に酸化鉄と最内管8との接触によって発生する火花による最内管8の燃焼を防止することができるからである。ここで、還元性ガスとは、プロパンガスなどの炭化水素系ガス及びCOガスであり、非酸化性ガスとは、窒素ガスなどの酸化能力のないガスであり、希ガスとはArガスやHeガスなどの不活性ガスである。
内管7と最内管8との間隙は、先端部のランスノズル3の部位で密封されて行き止まりになっていて、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスが存在する緩衝空間となっている。本発明においては、緩衝空間に存在させるガスを「緩衝用ガス」と称す。この緩衝空間への緩衝用ガスの供給経路を図2に示す。図2に示すように。上吹きランス1の上部に設けられた供給継手11に、検出器13、遠隔操作弁14、フレキシブルホース15、及び複数の手動遮断弁16を備えた緩衝用ガス導入管12が接続されており、この緩衝用ガス導入管12を介して緩衝空間へ緩衝用ガスが供給されるようになっている。検出器13としては、圧力計または流量計、若しくは圧力計及び流量計の双方を設置する。緩衝空間への緩衝用ガスの導入方法としては、遠隔操作弁14を遮断して緩衝空間に緩衝用ガスを密封することも、また、遠隔操作弁14を開放して緩衝空間に緩衝用ガスの圧力を常に働かせることも、どちらも操作できるように構成されている。尚、フレキシブルホース15は、上吹きランス1が上下に昇降するときの余裕代である。また、図2では検出器13をフレキシブルホース15よりも上吹きランス1に近い側に設置しているが、フレキシブルホース15よりも供給側に設置するなど、検出器13をどこの部位に設置しても構わない。但し、緩衝空間の圧力変動の測定値に基づいて破孔を検知する場合には、検出器13を遠隔操作弁14よりも上吹きランス1の側に配置する必要があり、従って、検出器13は遠隔操作弁14よりも上吹きランス1の側に配置することが好ましい。
緩衝用ガスとして、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスを使用する理由は、酸化鉄の搬送用ガスとしてこれらのガス種を使用する理由と同一である。即ち、酸化鉄の搬送によって、酸化鉄供給経路である最内管8に破孔が発生して緩衝用ガスと酸化鉄とが接触しても、これらのガス種を緩衝用ガスとして使用する限り、酸化鉄中の金属鉄の燃焼や、酸化鉄と最内管8との接触によって発生する火花による最内管8の燃焼を防止することができるからである。
従って、このようにして構成される本発明に係る上吹きランス1によれば、酸化鉄供給経路である最内管8が破孔しても、酸化鉄中の金属鉄の燃焼及びこれに伴う最内管8の燃焼を防止することができるとともに、酸化鉄と最内管8との接触によって発生する火花による最内管8の燃焼を防止することができる。
以下、このようにして構成される本発明に係る上吹きランス1における最内管8の精錬中での破孔の検知方法について説明する。ここでは、転炉内に収容された溶銑に対して、本発明の上吹きランス1を用いて脱燐処理を実施している場合を例として説明する。
本発明に係る上吹きランス1を転炉内の溶銑の上方所定位置に配置し、酸素含有ガス吹込ノズル10から酸素含有ガスとして酸素ガスを溶銑浴面に向けて吹き付けるとともに、酸化鉄吹込ノズル9から、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスを搬送用ガスとして酸化鉄を溶銑浴面に向けて吹き付ける。酸化鉄吹込ノズル9から吹き付けられる酸化鉄は、酸素ガスが供給されている場所と同一場所の溶銑浴面に、或いはその近傍に供給される。脱燐処理には、脱燐反応で生成されるP25 を吸収するための脱燐精錬用スラグが必要であり、この脱燐精錬用スラグとなる石灰系脱燐精錬剤も投入する。
溶銑浴面において、酸素ガスが溶銑浴面と衝突する場所(「火点」という)は、酸素ガスと溶銑中の炭素との反応によって高温になっており、火点或いは火点の近傍に供給された酸化鉄は迅速に溶融し、スラグ中のFeO成分を増加させる。これにより、スラグの酸素ポテンシャルが上昇し、つまり脱燐反応に最適なスラグが迅速に形成され、少ないスラグ量であっても、また高温下であっても脱燐処理が可能となる。また、石灰系脱燐精錬剤を火点或いは火点の近傍に投入することによって、滓化が促進されて脱燐精錬用スラグが早期に形成され、脱燐反応がより一層促進される。従って、石灰系脱燐精錬剤も酸素含有ガス吹込ノズル10または酸化鉄吹込ノズル9を介して、火点或いは火点の近傍に投入することが好ましい。
このような脱燐精錬において、内管7と最内管8との間隙、つまり、緩衝空間に、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスを、緩衝用ガス導入管12を介して導入する。精錬中に最内管8に破孔が発生すると、緩衝空間と最内管8の内部とが連通し、緩衝空間内の圧力が変化する或いは緩衝空間へ供給する緩衝用ガスの流量が変化するので、その変化に基づいて破孔を検知する。
検知方法としては、2つの方法を採ることができる。1つの方法は、検出器13として、圧力計または圧力計と流量計との双方を設置し、緩衝空間に緩衝用ガスを導入した後、遠隔操作弁14を遮断して緩衝空間に緩衝用ガスを封入し、精錬中に緩衝空間内の圧力を検出器13により測定して、破孔を検知する方法である。他の方法は、検出器13として流量計を設置し、遠隔操作弁14を開放して常時緩衝用ガスの圧力を緩衝空間に働かせ、この状態で検出器13により流量を測定し、破孔した場合の流量変化から破孔を検知する方法である。何れの方法であっても、確実に且つ容易に最内管8の破孔を検知することができる。
破孔が検知されたなら、その精錬の終了後などに上吹きランス1を交換するなどすることで、上吹きランス1を構成する鋼管の燃焼などの操業トラブルを未然に回避することが可能となる。
本発明に係る精錬用上吹きランスの概略断面図である。 本発明に係る精錬用上吹きランスにおいて、緩衝空間への緩衝用ガスの供給経路を示す図である。
符号の説明
1 上吹きランス
2 ランス本体
3 ランスノズル
4 最外管
5 外管
6 中管
7 内管
8 最内管
9 酸化鉄吹込ノズル
10 酸素含有ガス吹込ノズル
11 供給継手
12 緩衝用ガス導入管
13 検出器
14 遠隔操作弁
15 フレキシブルホース
16 手動遮断弁

Claims (2)

  1. 酸化鉄を搬送用ガスとともに供給するための酸化鉄供給経路と、この酸化鉄供給経路の周囲に設けられた、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスが存在する緩衝空間と、この緩衝空間の周囲に設けられた酸素含有ガスを供給するための酸素含有ガス供給経路と、を備えることを特徴とする精錬用上吹きランス。
  2. 請求項1に記載の精錬用上吹きランスを用い、酸化鉄供給経路から搬送用ガスとともに酸化鉄を溶銑浴面に供給し、且つ、酸素含有ガス供給経路から酸素含有ガスを溶銑浴面に供給して溶銑を酸化精錬する際に、酸化鉄供給経路と酸素含有ガス供給経路との間の緩衝空間に、空気、還元性ガス、炭酸ガス、非酸化性ガス、希ガスのうちの何れか1種または2種以上のガスを導入し、このガスの圧力または流量の変動に基づいて酸化鉄供給経路での破孔を検知することを特徴とする、精錬用上吹きランスの破孔検知方法。
JP2007044922A 2007-02-26 2007-02-26 精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法 Expired - Fee Related JP4853326B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007044922A JP4853326B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007044922A JP4853326B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008208407A JP2008208407A (ja) 2008-09-11
JP4853326B2 true JP4853326B2 (ja) 2012-01-11

Family

ID=39784965

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007044922A Expired - Fee Related JP4853326B2 (ja) 2007-02-26 2007-02-26 精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4853326B2 (ja)

Families Citing this family (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5471151B2 (ja) * 2009-08-18 2014-04-16 Jfeスチール株式会社 転炉製鋼方法
JP5644355B2 (ja) * 2009-10-22 2014-12-24 Jfeスチール株式会社 溶銑の精錬方法
KR102100875B1 (ko) * 2013-05-06 2020-04-16 테크놀라지칼 리소시스 피티와이. 리미티드. 고형물 주입 랜스
CN110218842A (zh) * 2019-07-02 2019-09-10 马鞍山钢铁股份有限公司 一种铁水脱磷装置及方法
JP7298649B2 (ja) * 2020-06-30 2023-06-27 Jfeスチール株式会社 転炉精錬用上吹きランスおよびそのランスを用いた溶鉄の精錬方法

Family Cites Families (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US3823929A (en) * 1973-09-13 1974-07-16 Berry Metal Co Nozzle for fuel and oxygen lance assembly
LU83814A1 (fr) * 1981-12-04 1983-09-01 Arbed Procede et dispositif pour l'affinage d'un bain de metal contenant des matieres refroidissantes solides
JPS62124211A (ja) * 1985-11-22 1987-06-05 Kawasaki Steel Corp 精錬・燃焼用ランス

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008208407A (ja) 2008-09-11

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5644355B2 (ja) 溶銑の精錬方法
US6558614B1 (en) Method for producing a metal melt and corresponding multifunction lance
JP4735169B2 (ja) 溶銑の脱燐処理方法
US8562903B2 (en) Direct smelting plant
JP6036172B2 (ja) 転炉における溶銑の精錬方法
JP5707702B2 (ja) 溶銑の脱燐処理方法
WO2013057927A1 (ja) 粉体吹込みランスおよびその粉体吹込みランスを用いた溶融鉄の精錬方法
JP4853326B2 (ja) 精錬用上吹きランス及び精錬用上吹きランスの破孔検知方法
TW201404889A (zh) 熔鋼的真空精煉方法
JP4715384B2 (ja) 溶銑の脱燐処理方法及び脱燐処理用上吹きランス
JP5834980B2 (ja) 溶鋼の製造方法
JP2006348331A (ja) 溶融金属精錬用上吹きランス及び溶融金属の吹錬方法
JP5471151B2 (ja) 転炉製鋼方法
JP5962156B2 (ja) 溶鉄の精錬方法
US20030090044A1 (en) Method and apparatus for melting metal in a shaft furnace
JP5928095B2 (ja) 溶融鉄の精錬方法
JP7151674B2 (ja) 転炉の粉体吹き付け装置及び、転炉の粉体吹き付け方法
JP2013533950A (ja) 炉内に形成された付着物を除去するための方法及びシステム
JP5870868B2 (ja) 転炉における溶銑の精錬方法
JP4244546B2 (ja) 転炉吹錬用上吹きランス
JP2001032011A (ja) 溶融金属吹錬用上吹きランス
JPH11279621A (ja) 製錬容器の炉口金物及び耐火物の冷却方法
ZA200108634B (en) Method of decarburisation and dephosphorisation of a molten metal.
RU2355778C1 (ru) Горизонтальная фурма для продувки расплава
JPH10158705A (ja) 高炉の操業方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090727

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100519

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110816

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110927

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20111010

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20141104

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4853326

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees