JP4853064B2 - ピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置および傾斜測定方法 - Google Patents
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Description
このガスホルダーの昇降ピストンの傾きを検出するための従来方法としては、例えば、昇降ピストン上の複数箇所に設置した液面計のレベル差を利用したり、以下の特許文献1などに示すように、ガスホルダ本体の天井に設置したレーザー距離計によって昇降ピストン上の反射器との距離を計測することで昇降ピストンの傾斜を連続的に監視するような方法が提案されている。
一方、レーザー距離計を用いた後者の方法では、その回転に伴って昇降ピストン上の反射器が回転しまい、正確な測定ができないケースが考えられる。
そこで、本発明はこのような課題を有効に解決するために案出されたものであり、その主な目的は、昇降ピストンの傾斜量を的確に検出できる新規なピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置および傾斜測定方法を提供するものである。
ほぼ円筒状に形成されたガスホルダ本体内をその貯蔵ガス量に応じて昇降する昇降ピストンの傾斜を測定するためのピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置において、
前記昇降ピストン上に設けられた角錐形状の基準器と、
当該基準器を前記ガスホルダ本体の天井側から撮影する撮影手段と、
互いに直交する一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の頂部マーカと前記一対の補助ラインの交点との位置関係を求めることで前記昇降ピストンの傾斜量を検出する傾斜角算出手段と、
互いに直交する前記一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の側面角部分と前記一対の補助ラインとの位置関係を求めることで前記昇降ピストンの周方向の回転量を検出する回転量検出手段と、を有することを特徴とするものである。
請求項1に記載のピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置において、前記傾斜量検出手段で算出された前記昇降ピストンの傾斜量が所定量を超えたときに警報する警報手段をさらに備えたことを特徴とするものである。
ほぼ円筒状に形成されたガスホルダ本体内をその貯蔵ガス量に応じて昇降する昇降ピストンの傾斜を測定するためのピストン型ガスホルダーの傾斜測定方法において、
前記昇降ピストン上に角錐形状の基準器を設けると共に、前記ガスホルダ本体の天井側に当該基準器をその上方から撮影する撮影手段を設けておき、
互いに直交する一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の頂部マーカと前記一対の補助ラインの交点との位置関係を求めることで前記昇降ピストンの傾斜量を検出するとともに、互いに直交する前記一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の側面角部分と前記一対の補助ラインとの位置関係を求めることで前記昇降ピストンの周方向の回転量を検出するようになっていることを特徴とする方法である。
請求項3に記載のピストン型ガスホルダーの傾斜測定方法において、前記昇降ピストンの傾斜量が所定量を超えたときは、警報器を作動して警報することを特徴とする方法である。
また、この基準器と撮影手段などは物理的に離れた状態であるため、従来の液面計を用いた方法のように昇降ピストンの回転に伴ってその圧力導管などが捩れてしまうような不都合を招くこともない。
図1は、本発明に係るピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置100の実施の一形態を示したものである。
図示するようにこのピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置100は、ガスホルダ本体10内を昇降する昇降ピストン20上に設けられた基準器30と、この基準器30をこのガスホルダ本体10の天井側から撮影する撮影手段40と、この撮影手段40で撮影された基準器30の画像に基づいて前記昇降ピストン20の傾斜量を検出する傾斜量検出手段50とから主に構成されている。
そして、この頂部30aが他の部分と異なる色に着色(以後、これを「頂部マーカー30a」という)されており、この基準器30を上方から見たときに、この基準器30に対する頂部30aの位置が容易に把握(視認)できるようになっている。
一方、撮影手段40は、この基準器30の直上から図1に示す破線部分で示す範囲で基準器30を撮影するようになっており、例えば、市販のビデオカメラやデジタルカメラなどに用いられているCCDカメラやCMOSカメラなどの多数の撮像素子からなる汎用のものをそのまま利用することができる。そして、この撮影手段40で撮影した基準器30の画像データ(デジタルデータ)は、有線ケーブルや無線回線などを介して傾斜角算出手段50側に常時あるいは随時出力するようになっている。
先ず、図2のフローの最初のステップS100に示すように、撮影手段40を作動させてガスホルダ本体10の天井側から昇降ピストン20上の基準器30を瞬間的(静止画)あるいは連続的(動画)に撮影し、撮影した画像データを傾斜量検出手段50に取り込んで(画像データ取得)次のステップS102に移行する。なお、この画像データ取得処理に際してガスホルダ本体10内が暗いため、明瞭な画像が得られない場合にはその撮影に際し図示しない照明器具を点灯させたり、この撮影手段40として、暗い場所でも撮影が可能な暗視カメラなどを用いるようにすることは勿論である。
図3(B)は、図3(A)に示すように、昇降ピストン20が完全に水平状態となってその中心に立設された基準器30の中心軸Sと、撮影手段40(カメラ)の撮影中心部分とが一致した表示画面Gの一例を示したものである。
ここで、図において、直交する一対の補助ライン(破線)L1、L2およびこれら補助ラインL1、L2の両端に表記された文字(N、S、E、W)、ならびにサークル上のデッドラインL3などは表示用のテンプレートであり、撮影された基準器30の画像に重ねて表示することで基準器30の大きさや位置関係が容易に判別できるようになっている。
図4(B)の例では、頂部マーカー30aの位置が補助ラインL2上であってその中心部からW側に距離lだけずれているため、昇降ピストン20が水平状態に対してW−E方向にHsinl°の角度(Hは基準器30の高さ)で傾斜していることになる。
そして、このような警報器52による警報に対する処置、例えば、図示しないウィンチなどによる昇降ピストン20の位置修正などの処置が行われたならば、次のステップS109に移行してその頂部マーカー30aが表示画面G上のデッドラインL3内に移動したか(戻ったか)否かをその後に取得される画像データに基づいて判断し、デッドラインL3内に移動していないと判断したとき(No)は、ステップS107に戻って引き続き警報器52を作動させ続けるが、デッドラインL3内に移動したと判断したとき(Yes)は、最後のステップS111に移行してその警報器52を停止させる。
このように本発明装置および方法は、昇降ピストン20上に設けられた基準器30をCCDカメラなどの撮影手段40で撮影し、その画像に基づいて前記昇降ピストン20の傾斜角を算出するようにしたため、クロンネ式ガスホルダーのように昇降ピストン20が周方向の回転に対して拘束されていないタイプのガスホルダーであってもその傾斜量(角度)を的確に計測することができる。
また、この基準器30を円錐形状に形成し、この基準器30の頂部マーカー30aの水平方向の移動距離に基づいて前記昇降ピストン20の傾斜量を検出するようにしたため、より正確かつ容易にその傾斜量を測定することができる。
そして、図5に示すようにその基準器30として角錐形状の用いた場合には、その側面角部分が円錐形状のものに比べて明瞭に視認可能であるため、図6に示すようにその側面角部分30cと補助ラインL1、L2などとの位置関係を求めることで、昇降ピストン20の傾斜角および傾斜方向のみならず、その回転角θをもさらに詳細に測定することができる。
ちなみに、基準器30として平面形状のもの、例えば図形などを用いた場合は、昇降ピストン20の傾斜に伴ってその図形が傾斜方向に歪むように変形することから、変形後の図形と元の図形とを照合し、その変形量を算出することで昇降ピストン20の傾斜量を求めることも可能である。
10…ガスホルダー本体
20…昇降ピストン
30…基準器
30a…頂部マーカー
30b…フランジ部
40…撮影手段
50…傾斜量検出手段
51…モニター
52…警報器(警報手段)
G…表示画面
L1、L2…補助ライン
L3…デッドライン
Claims (4)
- ほぼ円筒状に形成されたガスホルダ本体内をその貯蔵ガス量に応じて昇降する昇降ピストンの傾斜を測定するためのピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置において、
前記昇降ピストン上に設けられた角錐形状の基準器と、
当該基準器を前記ガスホルダ本体の天井側から撮影する撮影手段と、
互いに直交する一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の頂部マーカと前記一対の補助ラインの交点との位置関係を求めることで前記昇降ピストンの傾斜量を検出する傾斜角算出手段と、
互いに直交する前記一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の側面角部分と前記一対の補助ラインとの位置関係を求めることで前記昇降ピストンの周方向の回転量を検出する回転量検出手段と、を有することを特徴とするピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置。 - 請求項1に記載のピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置において、
前記傾斜量検出手段で算出された前記昇降ピストンの傾斜量が所定量を超えたときに警報する警報手段をさらに備えたことを特徴とするピストン型ガスホルダーの傾斜測定装置。 - ほぼ円筒状に形成されたガスホルダ本体内をその貯蔵ガス量に応じて昇降する昇降ピストンの傾斜を測定するためのピストン型ガスホルダーの傾斜測定方法において、
前記昇降ピストン上に角錐形状の基準器を設けると共に、前記ガスホルダ本体の天井側に当該基準器をその上方から撮影する撮影手段を設けておき、
互いに直交する一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の頂部マーカと前記一対の補助ラインの交点との位置関係を求めることで前記昇降ピストンの傾斜量を検出するとともに、互いに直交する前記一対の補助ラインからなる表示用テンプレートを前記撮影手段で撮影された前記基準器の画像に重ね合わせ、前記基準器の側面角部分と前記一対の補助ラインとの位置関係を求めることで前記昇降ピストンの周方向の回転量を検出するようになっていることを特徴とするピストン型ガスホルダーの傾斜測定方法。 - 請求項3に記載のピストン型ガスホルダーの傾斜測定方法において、前記昇降ピストンの傾斜量が所定量を超えたときは、警報器を作動して警報することを特徴とするピストン型ガスホルダーの傾斜測定方法。
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