JP4851161B2 - 現金自動預払機、取引処理システム、携帯端末、取引処理方法、およびプログラム - Google Patents

現金自動預払機、取引処理システム、携帯端末、取引処理方法、およびプログラム Download PDF

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Description

本発明は、現金自動預払機、取引処理システム、携帯端末、取引処理方法、およびプログラムに関する。
金融機関が発行するキャッシュカードの普及に伴い、キャッシュカードの不正利用による犯罪も増加しており、社会的な問題となっている。こうした不正利用に対して、キャッシュカードなどの安全性を確保する工夫がなされている。例えば、特許文献1には、買物が利用の累積額限度額の範囲内であれば暗証符号の入力をすることなく支払を可能とし、利用累積限度額を超える場合には、暗証符号の入力を行わせるようなシステムが提案されている。
特開2001−43274号公報
上記のように、キャッシュカードの利用累積額が限度額を超えた場合に利用制限をかける場合、無期限に利用金額を累積したのでは、すぐに利用限度額を超えてしまい、現実的ではない。したがって、利用額を累積するための期間を設定し、その期間での累積額が限度額を超えているかどうかを判定する必要がある。しかしながら、特許文献1には、キャッシュカードの利用累積額をどのように算出するかについては一切開示されておらず、この特許文献1に開示されたシステムでは、適正な利用累積額を算定できず、したがって、その利用累積額に基づくキャッシュカードの利用制限も適正に行うことはできない。
本発明は上記の点に鑑みてなされたものであり、利用額を累積する期間を設定し、その期間内での利用累積額が限度額を超えているかどうかを比較することにより、利用累積額に基づく出金や振込などの取引の利用制限を適正に行えるようにすることを目的とする。
上記課題を解決するための本発明の請求項1に記載の発明は、現金自動預払機であって、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、を備えることとする。
本発明の現金自動預払機によれば、携帯端末に記憶されている限度額に基づいて、出金の可否を判断することができる。したがって、犯罪等により口座から不正に出金されてしまった場合にも、所定の限度額以内にその被害を抑えることができる。
また、携帯端末に限度額や取引履歴が記憶されるため、現金自動預払機や、金融機関側のホストコンピュータなどで利用者の限度額を管理する必要がない。したがって、システムのコストの増加を抑えることができる。また、所定の期間情報も携帯端末に記憶されることになり、利用者毎に異なる期間情報を設定することができる。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項1に記載の現金自動預払機であって、前記取引の日付及び前記取引金額を含む取引情報を前記期間内履歴に追加し、当該期間内履歴を設定した、前記携帯端末に記憶されている前記履歴を書き換えるように指示するコマンドである取引履歴更新要求を前記無線通信部を介して前記携帯端末に送信する取引履歴更新要求送信部を備えることとする。
この場合、携帯端末に記憶される取引履歴は所定期間内の履歴に更新されるので、携帯端末に記憶される取引履歴が増加し過ぎるということがなく、携帯端末の限られた記憶資源を有効に利用することができる。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項に記載の現金自動預払機であって、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴は、前記携帯端末が備えている非接触型のICカードに記憶されており、前記無線通信部は、前記ICカードとの間での通信を行うことで前記ICカードに対するデータの読み書きを行い、前記設定情報受信部は、前記無線通信部を介して、前記ICカードに記憶されている前記講座情報、前記限度額、及び前記履歴を読み出し、前記取引履歴更新要求送信部は、前記無線通信部を介して、前記ICカードに記憶されている前記履歴を、前記期間内履歴で書き換えることとする。
この場合、非接触型のICカードを利用してデータの記憶や読み出し、更新などを行うため、携帯端末で動作するアプリケーションプログラムの開発工数を低減し、開発コストを抑えることができる。
また、本発明の請求項に記載の発明は、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、前記口座情報、前記限度額、及び前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引額を合計した累積額を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項に記載の現金自動預払機であって、前記処理の日付及び前記取引金額を含む取引情報を設定した、当該取引情報を前記履歴に追加するように指示するコマンドである取引履歴登録要求を前記携帯端末に送信する取引履歴登録要求送信部を備えることとする。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項1又はに記載の現金自動預払機であって、前記取引可否判断部により前記取引が不能と判断された場合に、取引できない旨のメッセージを表示するエラーメッセージ表示部を備えることとする。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項に記載の現金自動預払機であって、前記エラーメッセージ表示部は、前記メッセージとともに、前記限度額と前記累積額との差である取引可能額の前記取引が可能である旨を表示することとする。この場合、出金可能な金額が明示されるため、利用者にとって便利である。
また、本発明の請求項に記載の発明は、請求項1又はに記載の現金自動預払機であって、前記設定情報受信部は、時間帯毎の前記限度額を前記携帯端末から受信し、前記取引可否判断部は、前記取引を行う時間帯に対応する前記限度額を、前記合計額が超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断することとする。この場合利用者は、時間帯毎に、都合に合わせたより細かな限度額の設定ができる。
また、本発明の請求項に記載の発明は、現金自動預払機であって、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金又は振込である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項10に記載の発明は、請求項に記載の現金自動預払機であって、前記設定情報受信部は、出金又は振込を示す取引種別毎の前記限度額を前記携帯端末から受信し、前記取引金額入力部は、前記取引金額とともに取引種別の入力を受け付け、前記取引可否判断部は、前記取引金額入力部に入力された前記取引種別に対応する前記限度額を前記合計額が超えているかどうかにより前記取引の可否を判断することとする。この場合、利用者は、取引種別毎に、都合に合わせたより細かな限度額の設定ができる。
また、本発明の請求項11に記載の発明は、取引処理システムであって、現金自動預払機と携帯端末とを含んで構成され、前記携帯端末は、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金又は振込である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶するメモリと、前記メモリに記憶されている前記履歴から、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を抽出し、抽出した前記取引情報の前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、前記現金自動預払機との間での無線通信を行う無線通信部と、前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記無線通信部を介して前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、を備え、前記現金自動預払機は、前記携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、前記累積額と前記取引情報との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、前記取引の日付及び前記取引金額を含む取引情報を設定した取引履歴登録要求を前記携帯端末に送信する取引履歴登録要求送信部と、を備え、前記携帯端末は、前記現金預払機から送信される前記取引履歴登録要求を受信する取引履歴登録要求受信部と、受信した前記取引履歴登録要求に設定されている前記日付及び前記取引金額を含む取引情報を作成し、作成した前記取引情報を前記メモリに記憶されている前記取引情報の前記履歴に追加する取引履歴登録部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項12に記載の発明は、取引処理システムであって、現金自動預払機と携帯端末とを含んで構成され、前記携帯端末は、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金又は振込である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶するメモリと、前記現金自動預払機との間での無線通信を行う無線通信部と、前記メモリに記憶されている前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記無線通信部を介して前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、を備え、前記現金自動預払機は、前記携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、前記携帯端末から送信される前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、前記取引の日付及び前記取引金額を含む取引情報を前記期間内履歴に追加し、当該期間内履歴を設定した、前記取引情報の履歴を書き換えるように指示するコマンドである取引履歴更新要求を前記携帯端末に送信する取引履歴更新要求送信部と、を備え、前記携帯端末は、前記現金自動預払機から送信される前記取引履歴更新要求を受信する取引履歴更新要求受信部と、受信した前記取引履歴更新要求に設定されている前記期間内履歴で、前記メモリに記憶されている前記履歴を書き換える取引履歴更新部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項13に記載の発明は、携帯端末であって、請求項1に記載の現金自動預払機と無線通信を行う無線通信部と、前記期間情報を記憶する設定情報記憶部と、前記口座情報を記憶する口座情報記憶部と、前記限度額を記憶する限度額記憶部と、前記取引情報の履歴を記憶する取引履歴記憶部と、前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項14に記載の発明は、携帯端末であって、請求項に記載の現金自動預払機と無線通信を行う無線通信部と、前記期間情報を記憶する設定情報記憶部と、前記口座情報を記憶する口座情報記憶部と、前記限度額を記憶する限度額記憶部と、前記取引情報の履歴を記憶する取引履歴記憶部と、前記履歴から、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を抽出し、抽出した前記取引情報の前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項15に記載の発明は、請求項13又は14に記載の携帯端末であって、前記限度額の入力を受け付ける入力インタフェースと、入力された前記限度額を前記メモリに記憶する限度額更新部と、を備えることとする。
また、本発明の請求項16に記載の発明は、取引処理方法であって、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機が、前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信し、前記取引における取引金額の入力を受け付け、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出し、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断し、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うこととする。
また、本発明の請求項17に記載の発明は、取引処理方法であって、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機が、前記口座情報、前記限度額、及び前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引額を合計した累積額を前記携帯端末から受信し、前記取引における取引金額の入力を受け付け、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断し、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うこととする。
また、本発明の請求項18に記載の発明は、プログラムであって、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機に、前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から受信するステップと、前記取引における取引金額の入力を受け付けるステップと、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出するステップと、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断するステップと、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うステップと、を実行させることとする。
また、本発明の請求項19に記載の発明は、プログラムであって、利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機に、前記口座情報、前記限度額、及び前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引額を合計した累積額を前記携帯端末から受信するステップと、前記取引における取引金額の入力を受け付けるステップと、前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断するステップと、前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うステップと、を実行させることとする。
また、本発明の請求項20に記載の発明は、プログラムであって、請求項1に記載の現金自動預払機との間での無線通信を行う前記携帯端末に、前記期間情報をメモリに記憶するステップと、前記口座情報を前記メモリに記憶するステップと、前記限度額を前記メモリに記憶するステップと、前記取引情報の履歴を前記メモリに記憶するステップと、前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記現金自動預払機に送信するステップと、を実行させることとする。
また、本発明の請求項21に記載の発明は、プログラムであって、請求項に記載の現金自動預払機との間での無線通信を行う前記携帯端末に、前記期間情報をメモリに記憶するステップと、前記口座情報を前記メモリに記憶するステップと、前記限度額を前記メモリに記憶するステップと、前記取引情報の履歴を前記メモリに記憶するステップと、前記履歴から、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を抽出し、抽出した前記取引情報の前記取引額を合計した累積額を算出するステップと、前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記現金自動預払機に送信するステップと、を実行させることとする。
本発明によれば、所定期間の限度額を設定することができる。
===システム構成===
図1は、本発明の一実施形態である出金処理システムの全体構成図である。図1に示すように、本実施形態の出金処理システムは、金融機関の顧客が所持する携帯電話機等の携帯端末10、金融機関の店舗やATMコーナーなどに設置されるATM(Automatic Teller Machine;現金自動預払機)20、金融機関において口座からの入出金を行うホストコンピュータ30を含んで構成される。
携帯端末10は、例えば、携帯電話機やPDA(Personal Digital Assistance)、ノートパソコンなどのコンピュータである。携帯端末10には利用者の口座番号等の口座情報が記録された非接触型のICカードが組み込まれている。ATM20は、ICカードのリーダライタを用いて、携帯端末10が備えている非接触型ICカードに無線通信路41を介してアクセスし、非接触型ICカードに記憶されている口座情報を読み出すことで、携帯端末10をキャッシュカードとして利用することができるようになっている。
ホストコンピュータ30は、金融機関の口座を管理するコンピュータであり、ATM20とホストコンピュータ30とは通信路42を介して通信可能に接続されている。通信路42としては、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、公衆電話回線、無線通信路、フレームリレー網などを用いることができる。ATM20は、ホストコンピュータ30との間で通信を行いながら、利用者の口座に対する入出金を処理する。
===携帯端末10===
図2に携帯端末10のハードウェア構成を示す。同図に示すように、携帯端末10は、CPU101、メモリ102、NVRAM(Non Volatile RAM)103、入力部104、表示部105、非接触型ICカード106を備えている。
NVRAM103は、プログラムやデータを記憶する記憶装置である。CPU101は、NVRAM103に記憶されているプログラムをメモリ102に読み出して実行することにより、非接触型ICカード106にアクセスする機能などの各種の機能を実現する。なお、本発明の「メモリ」及び「設定情報送信部」は、一般的な非接触型ICカード106の機能として実現されている。入力部104は、例えば、キーパッドやスイッチ、マイクなどのデータの入力装置である。表示部105は、例えば、液晶ディスプレイやスピーカなどのデータの出力装置である。
図3は携帯端末10の機能ブロック図である。同図に示すように、携帯端末10は、設定部111、設定情報取得要求受信部112、設定情報送信部113、取引履歴更新要求受信部114、取引履歴更新部115、設定情報記憶部151、取引履歴記憶部152を備えている。
設定情報記憶部151(本発明の「口座情報記憶部」及び「限度額記憶部」に該当する。)は、利用者が金融機関に開設している口座を特定するための情報(以下、「口座情報」という。)や、所定期間での出金限度額などを含む設定情報を記憶している。図4に設定情報記憶部151の構成を示す。同図に示すように、設定情報記憶部151は、金融機関名や支店名、口座種別、口座番号、口座名義などの口座情報、設定期間、限度額、振込算入フラグ、及び利用者により設定されるパスワードを記憶している。設定期間(本発明の「期間情報」に該当する。)は、例えば、「1日」や「1週間」といった所定の期間である。限度額は、設定期間内における取引額の累積額の上限値である。振込算入フラグは、限度額に振込みを含むかどうかを示す情報である。振込算入フラグに「○」が設定されている場合、上記の限度額は、現金で引き出した金額と、振込みを行った金額とを合計した限度額を示す。また、振込算入フラグに「×」が設定されている場合、上記の限度額は、現金での引き出しの限度額である。
設定情報記憶部151に記憶される設定情報のうち、設定期間、限度額、及び振込算入フラグは、利用者から設定可能となっている。設定部111は、上記設定期間、限度額、及び振込算入フラグの入力を受け付け、設定情報記憶部151に記憶されている設定情報を更新する。図5に設定情報の更新処理に用いられる画面例を示す。
設定部111は、図5に示す、画面310を表示部105に表示する。画面310は、設定期間を選択するドロップダウンリスト311、限度額の入力欄312、振込算入フラグを設定するチェックボックス313を備えている。
ドロップダウンリスト311には、「1日当たり」「3日当たり」「1週間当たり」「2週間当たり」「1ヶ月あたり」など、設定期間の選択項目が設定されており、利用者は上記の選択項目の1つを選択する。なお、ドロップダウンリスト311に代えて、利用者が所定の日数や週数、月数などを直接入力するための入力欄を設けてもよい。
入力欄312には、設定期間における出金の限度額が入力される。また、この限度額には振込みによる金額を含めるかどうかを、チェックボックス313に設定する。
利用者が「次へ」ボタン314を押下すると、設定部111はパスワードの入力画面320を表示する。画面320にはパスワードの入力欄321が表示され、利用者は入力欄321にパスワードを入力する。「次へ」ボタン322が押下されると、設定部111は、入力されたパスワードが上記設定情報のパスワードと一致しているかどうかを判断し、一致している場合には、画面310で入力された設定期間、限度額、及び振込算入フラグで、設定情報記憶部151に記憶されている設定情報を更新する。設定部111は、設定情報の更新後、設定情報の更新が終わった旨を示すメッセージを表示する画面323を表示する。
取引履歴記憶部152は、過去の利用者の出金に係る取引の履歴を記憶する。図6に取引履歴記憶部152の構成を示す。同図に示すように、取引履歴記憶部152には過去の出金に係る取引日と取引額を含む情報(以下、「取引情報」という。)の履歴(以下、「取引履歴」という。)が記憶される。
設定情報取得要求受信部112は、ATM20から送信される、設定情報を読み出すためのコマンド(以下、「設定情報取得要求」という。)を受信する。
設定情報送信部113は、設定情報取得要求の受信に応じて、設定情報記憶部151に記憶されている設定情報に、取引履歴記憶部152に記憶されている取引履歴を付帯させてATM20に送信する。
取引履歴更新要求受信部114は、ATM20から送信される、取引履歴を更新するように指示するコマンド(以下、「取引履歴更新要求」という。)を受信する。
取引履歴更新部115は、取引履歴更新要求の受信に応じて、取引履歴記憶部152に記憶されている取引履歴を更新する。本実施形態では、取引履歴更新要求には取引履歴が設定されており、取引履歴更新部115は、取引履歴更新要求に設定されている取引履歴で取引履歴記憶部152を書き換えることにより、取引履歴を更新する。
なお、上記各記憶部151〜152は、非接触型ICカード106が提供する記憶領域(本願発明の「メモリ」に該当する。)として実現される。また、設定情報取得要求受信部112は、非接触型ICカード106が提供する、ICカードリーダライタから送信されるデータ取得要求の受信機能として実現され、設定情報取得要求や取引履歴更新要求などは、例えば、非接触型ICカード106に対するデータの読み出し要求や書き込み要求として実現される。
===ATM20===
図7にATM20のハードウェア構成を示す。同図に示すように、ATM20は、CPU201、メモリ202、記憶装置203、タッチパネルディスプレイ204、ICカードリーダライタ205、通信インタフェース部206、紙幣排出部207を備えている。
記憶装置203は、プログラムやデータを記憶する、例えばハードディスクやフラッシュメモリ、光ディスク、光磁気ディスク、半導体記憶装置などである。CPU201は記憶装置203に記憶されているプログラムをメモリ202に読み出して実行することにより、ATM20としての機能を実現する。
タッチパネルディスプレイ204は、タッチパネルを備えた、液晶やCRTなどの表示装置であり、入力装置としても機能する。ICカードリーダライタ205は、無線通信路41を介して、携帯端末10に内蔵されている非接触型ICカード106との間で通信を行い、非接触型ICカード106に対するデータの読み書きを行う(本発明の「無線通信部」に該当する。)。通信インタフェース206は、通信路42に接続するインタフェースである。ATM20は通信インタフェース206を介して、金融機関のホスト30との間の通信を行い、口座からの出金などの処理を行う。紙幣排出部207は、入出金の際の現金の入出金口である。
図8にATM20の機能ブロック図を示す。同図に示すように、ATM20は、設定情報取得要求送信部211、設定情報受信部212、履歴抽出部213、累積額算出部214、取引金額入力部215、出金可否判断部216、暗証番号入力部217、口座出金要求送信部218、口座処理結果受信部219、現金排出処理部220、取引履歴更新要求送信部221、エラーメッセージ表示部222を備えている。
設定情報取得要求送信部211は、設定情報取得要求を携帯端末20に送信する。設定情報取得要求送信部211は、例えば、タッチパネルディスプレイ204に表示したメニュー画面から現金の引き出しが選択されたときに、設定情報取得要求を携帯端末20に送信する。
設定情報受信部212は、上記設定情報取得要求に応じて携帯端末10から送信される設定情報を受信する。上述したように、設定情報には取引履歴が付帯されている。
履歴抽出部213は、受信した設定情報に付帯されている取引履歴のうち、現在の日時から設定情報の設定期間前までの間の取引日である取引情報を抽出する。
累積額算出部214は、履歴抽出部213が抽出した取引情報の取引額を合計して、設定期間における出金の累積額を算出する。
取引金額入力部215は、タッチパネルディスプレイ204のタッチパネルから入力される、出金する金額(以下、「取引金額」という。)を受け付ける。
出金可否判断部216(本発明の「取引可否判断部」に該当する。)は、上記累積額と取引金額との合計額を算出し、この合計額が設定情報の限度額を超えているかどうかにより、出金が可能かどうかの判断を行う。
暗証番号入力部217は、出金が可能な場合に、タッチパネルディスプレイ204を介して、利用者から口座の暗証番号の入力を受け付ける。
口座出金要求送信部218は、口座からの出金を行うように指示するコマンド(以下、「口座出金要求」という。)をホストコンピュータ30に送信する。口座出金要求には、設定情報の口座情報、入力された取引金額及び暗証番号が設定される。ホストコンピュータ30では、口座出金要求に応じて、暗証番号が正しく残高が不足していないかどうかにより口座からの出金が可能であるかどうかが判断され、その判断結果を示す口座処理結果がATM20に送信される。
口座処理結果受信部219は、口座出金要求に応じてホスト30から送信される、上記の口座処理結果を受信する。
現金排出処理部220は、口座処理結果が口座からの出金が可能であることを示すものであった場合に、紙幣排出部207を制御して現金を排出する。
取引履歴更新部221は、取引履歴更新要求を携帯端末10に送信する。取引履歴更新要求には、上記の履歴抽出部213が抽出した取引情報の履歴に口座からの取引日と取引額とを含む取引情報が追加されたものが設定される。
エラーメッセージ表示部222は、上記出金可否判断部216が出金不能と判断した場合、又は上記口座処理結果受信部219が受信した口座処理結果が口座からの出金が不能であることを示すものである場合に、エラーメッセージをタッチパネルディスプレイ204に表示する。
===出金処理===
図9は、本実施形態の出金処理システムによる出金処理の流れを説明する図である。同図に示す出金処理は、例えば、ATM20がタッチパネルディスプレイ204に表示したメニュー画面から、利用者が取引を選択することにより開始される。なお、利用者は、携帯端末10に内蔵されている非接触型ICカード106にATM20からアクセスできるように、携帯端末10をATM20に近接させているものとする。
ATM20は、携帯端末10に内蔵されている非接触型ICカード106に対して、例えば、データの読み出し要求を送信することなどにより、非接触型ICカード106との間の通信が可能であるかどうかを調べ、通信が可能である場合には非接触型ICカード106の認証を行う(S401)。非接触型ICカード106の認証処理は、一般的なICカードの認証に用いられる処理である。例えば、ATM20を運用している金融機関の識別情報が非接触型ICカード106に記憶されているかどうかを調べることにより、非接触型ICカード106の認証を行うようにすることができる。
非接触型ICカード106の認証に失敗した場合(S402:NO)、ATM20はICカードの認証に失敗した旨のエラーメッセージをタッチパネルディスプレイ204に表示して(S403)、処理を終了する。
非接触型ICカード106の認証に成功すると(S402:YES)、ATM20は、携帯端末10に対して設定情報取得要求を送信し、携帯端末10から応答される、取引履歴の付帯された設定情報を受信する(S404)。ATM20は、設定情報に付帯されている取引履歴から、設定情報の設定期間内の取引情報を抽出する(S405)。ATM20は、抽出した取引情報(以下、「期間内履歴」という。)の取引額を合計して累積額を算出する(S406)。
ATM20は、取引金額を入力するように指示するメッセージをタッチパネルディスプレイ204に表示し、利用者から取引金額の入力を受け付ける(S407)。ATM20は、入力された取引金額に累積額を加算し、その合計額が上記限度額以下であるかどうかにより出金が可能かどうかを判断する(S408)。ATM20は、合計額が限度額を超えている場合(S408:NO)、すなわち出金が不能である場合、出金ができない旨のエラーメッセージをタッチパネルディスプレイ204に表示し(S409)、処理を終了する。ここで、ATM20は、例えば、限度額から累積額を減算して出金可能額を算出し、その出金可能額以下の金額であれば出金できる旨のメッセージをタッチパネルディスプレイ204に出力するようにしてもよい。
一方、合計額が限度額以下である場合(S408:YES)、すなわち出金が可能である場合には、ATM20は、図10に示す現金の払い出し処理を行う(S410)。
ATM20は、利用者からタッチパネルディスプレイ204を介して暗証番号の入力を受け付ける(S421)。ATM20は、設定情報の口座情報と、取引金額と、入力された暗証番号とを設定した口座出金要求をホストコンピュータ30に送信する(S422)。
ホストコンピュータ30は、ATM20から口座出金要求を受信すると、口座出金要求に設定されている暗証番号が正しいものであるかどうかを確認し(S423)、口座出金要求に設定されている口座情報により特定される口座の残高が、口座出金要求に設定されている取引金額以上あるかどうかの確認を行う(S424)。ホストコンピュータ30は、暗証番号が正しく、かつ残高が不足していないかどうかにより、口座からの出金が可能であるかどうかを判断し、その判断結果を示す口座処理結果をATM20に送信する(S425)。
ATM20は、口座処理結果を受信し(S426)、受信した口座処理結果を参照し、口座からの出金が可能であるかどうかを判断する(S427)。口座からの出金が不能であった場合(S427:NO)、ATM20は、口座からの出金ができない旨を示すエラーメッセージをタッチパネルディスプレイ204に表示して(S428)、処理を終了する。
口座からの出金が可能である場合(S427:YES)、ATM20は、取引金額分の現金を排出する(S429)。ATM20は、取引日と取引金額を設定した取引情報を作成し、作成した取引情報を期間内履歴に追加して、更新用の取引履歴を作成する。ATM20は、更新用の取引履歴を設定した取引履歴更新要求を携帯端末10に送信し、携帯端末10は、ATM20からの取引履歴更新要求の受信に応じて、取引履歴記憶部152に記憶されている取引履歴を、取引履歴更新要求に設定されている更新用の取引履歴で書き換えて、携帯端末10で管理される取引履歴を更新する(S430)。
上記のようにして、ATM20は、携帯端末10に内蔵されている非接触型ICカード106に設定されている設定期間における限度額以下の出金を行う。したがって、例えば、犯罪等により口座から不正に出金されてしまった場合にも、所定の限度額以内にその被害を抑えることができる。
その一方で、設定期間や限度額は、利用者毎の携帯端末10に設定されるので、各利用者に応じて変更することが可能である。したがって、利用者の都合に合わせて、設定期間や限度額を調整することができる。よって、利用者は、例えば、不正な現金の引き出しに係るリスクを負うことで、より高額な限度額の出金を可能とするようなこともできる。これにより、利用者は都合に合わせた取引額の管理を行うことができる。例えば、利用者は、家計管理のために1日や1週間といった設定期間における限度額を家計出費に応じて設定することができる。この場合には、利用者は、現金の管理は金融機関に任せながら、金融機関の口座を利用した家計管理を容易に行うことが可能である。これにより、利用者に対して当該出金処理システムを提供する金融機関の利用の動機づけを行うことができる。
また、本実施形態の出金処理システムでは、携帯端末10において設定期間が管理されるので、利用者毎に設定期間が異なる場合でも、ATM20における処理には影響がない。したがって、利用者毎に異なる設定期間を設けることができる。
また、本実施形態の出金処理システムでは、携帯端末10に設定期間や限度額などの設定情報や取引履歴が管理されているため、ATM20やホストコンピュータ30は、利用者の設定情報を記憶する必要がない。したがって、既存システムを変更することなく出金処理システムを実現できるので、コストの増加を抑えることができる。また、銀行などのように多数の顧客の口座を管理する場合であっても、設定情報を記憶する資源の増加が発生しない。よって、ATM20やホストコンピュータ30が提供するべき記憶資源を増加させる必要がなく、金融機関は設定情報を管理する必要がない。したがって、本実施形態のような出金処理サービスを安価に提供することができる。また、金融機関は、データの保全性に係るリスクを低減することができる。さらに、他人の限度額が記憶される記憶媒体とは物理的に異なる記憶媒体に限度額が記憶されるので、安全性が高い。
また、本実施形態の出金処理システムでは、従来は例えば1日に100万円というように金融機関により画一的に定められていた出金限度額を、例えば、3日や1週間、1ヶ月といった自由な設定期間における限度額として設定することができる。したがって、利用者は、自身の都合に合わせたリスクの管理を行うことができるので便利である。
また、例えば、事業を行っている個人事業主などにとっては、金融機関により画一的に設定された、例えば1日に100万円などの限度額では、ATM20を用いて動かすことのできる資金量が足りなくなってしまうことがあるが、本実施形態の出金処理システムによれば、上記の個人事業主などは、不正な出金による出金のリスクを負う代わりに、取引可能な限度額を自由に設定することができるので使い勝手がよい。
また、携帯端末10に管理されている設定情報は、利用者から書き変え可能である。したがって、利用者は都合に合わせて、自由に限度額を設定することができるので、便利である。
また、携帯端末10に記憶されている設定情報は、携帯端末10側で変更することが可能であり、ATM20やホストコンピュータ30などにアクセスする必要がないため、限度額の変更に係るATM20やホストコンピュータ30の処理負荷や通信を抑えることができる。これにより、出金処理システム全体の応答性を高め、利便性を向上することができる。
また、設定情報や取引履歴が携帯端末10に記憶されているので、ATM20は、ホストコンピュータ30にアクセスすることなく、設定情報に基づく出金可否の判断を行うことができる。これにより、ホストコンピュータ30の処理負荷や通信路42の通信負荷を上げることなく、出金の可否判断処理を行うことができる。したがって、出金処理システム全体の処理効率が向上する。よって、出金処理システムの応答性を高め、利便性を向上することができる。
また、携帯端末10に取引履歴が記録されているため、利用者は携帯端末10を用いて取引履歴を参照することができる。
また、携帯端末10に記憶される取引履歴は、出金後に設定期間内の履歴に更新される。したがって、携帯端末10に記憶される取引履歴が増加し過ぎるということがない。よって、携帯端末10の限られた記憶資源を有効に利用することができる。
また、設定情報が携帯端末10に設定され、ATM20が限度額に応じた出金の可否を判断するため、ホストコンピュータ30側で動作するアプリケーションプログラムを改変する必要がない。したがって、システムの開発コストを抑えることができる。また、安定稼動しているホストコンピュータ30のアプリケーションプログラムはそのまま運用可能であるため、不具合発生の可能性を抑え、例え不具合が起こったとしてもその被害がホストコンピュータ30に及ばないようにすることができる。
また、上記の実施形態では、ATM20が携帯端末10から受信した取引履歴に基づいて累積額を計算し、出金の可否を判断する。したがって、累積額の算出処理を携帯端末10に行わせる必要がないため、携帯端末10で行うべき処理を少なく抑えることができる。よって、携帯端末10で動作するアプリケーションプログラムの開発コストを低減することができる。また、本実施形態のように、非接触型ICカード106を用いることにより、携帯端末10で動作するアプリケーションでは、設定情報や取引履歴の読み書き等に関する処理を実装する必要がない。したがって、携帯端末10に係る開発工程を低減し、開発コストを更に抑えることができる。よって、出金処理システムによるサービスを安価に提供することが可能となる。
===振込の場合===
これまでの説明では、現金の引き出しを前提としていたが、振込みの場合も同様の処理になる。振込みの場合、ATM20は、上記図10の処理の(S421)において、暗証番号の入力に加えて、振込先となる口座の口座情報の入力を受け付け、口座出金要求に、口座情報と取引金額に加えて、振込先を設定するようにする。(S429)では、ATM20は、現金の払い出しに代えて、振込が完了した旨のメッセージをタッチパネルディスプレイ204に表示する。(S430)では、設定情報の振込算入フラグが「○」であった場合にのみ、当該出金処理の取引日と取引金額を含む取引情報を期間内履歴に追加し、振込算入フラグが「×」であって場合には、抽出した期間内履歴をそのまま設定した取引履歴更新要求を携帯端末10に送信する。
なお、取引情報に、「現金」の引き出しか「振込」かを識別する出金種別を付帯させるようにしてもよい。この場合、履歴抽出部213は、設定情報の振込算入フラグが「×」であった場合には、「現金」を示す振込種別が付帯されている取引情報のみを取引履歴から抽出するようにする。また、取引履歴更新部221は、取引日と取引金額とを含む取引情報に出金種別を付帯させて、期間内取引履歴に追加するようにする。
===変形例===
なお、上記の実施形態では、ATM20が携帯端末10から受信した取引履歴に基づいて累積額を算出するものとしたが、携帯端末10が累積額を計算するようにしてもよい。この場合、ATM20が備えている履歴抽出部213及び累積額算出部214は、携帯端末10が備えるようにする。携帯端末10が備える履歴抽出部213は、設定情報取得要求を受信した場合に、取引履歴記憶部152に記憶されている取引履歴から設定期間における取引情報を抽出し、累積額算出部214は、抽出した取引情報に基づいて累積額を算出する。設定情報送信部113は、設定情報記憶部151に記憶されている設定情報に、上記算出した累積額を付帯させてATM20に送信するようにする。また、上記図10の処理の(S430)において、ATM20は、口座からの取引日と取引金額とを含む取引情報を設定した取引履歴更新要求を携帯端末10に送信する。携帯端末10の取引履歴更新部115は、取引履歴更新要求に設定されている取引情報を取引履歴記憶部152に記憶されている取引履歴に追加する。
また、本実施形態では、設定情報には1つの設定期間と1つの限度額が設定されるものとしたが、設定期間と限度額とを対応付けて複数設定するようにすることもできる。この場合、各設定期間毎に、履歴抽出部213が取引情報を抽出し、累積額算出部214が累積額を算出する。出金可否判断部216は、各設定期間に対応する限度額を、対応する累積額が超えていないかどうかにより、出金可否の判断を行う。このように、複数の設定期間と限度額とを設定することができるようにすることで、利用者は、細やかな限度額の設定が可能となり便利である。例えば、1日に出金可能な限度額と、1ヶ月に出金可能な限度額とを組み合わせて管理するようにすることで、利用者は家計の出費管理に応用することができる。
また、現金の引き出しや振込みなどを示す取引種別や時間帯に応じて限度額を設定するようにしてもよい。この場合、非接触型ICカード106に、取引種別と時間帯と設定期間とを含む限度額情報を記憶する限度額記憶部を設けるようにする。なお、設定情報の限度額及び設定情報は省略することができる。限度額情報を複数設定することのできる限度額記憶部の例を図11に示す。限度額記憶部に記憶される限度額情報には、取引種別、時間帯、設定期間、限度額が含まれている。取引種別としては、「現金」「振込」「振替」などがある。条件種別は、限度額の条件として時間帯を指定する「時間帯」、期間を指定する「期間」、何も指定しない「無条件」の何れかである。設定期間は、例えば、「1日」や「1週間」、「1ヶ月」などの期間を示す情報である。図11に示す例では、現金については、「7:00〜19:00」の時間帯においては1日当たり「100,000」円の引き出しが可能であり、「21:00〜7:00」の夜間には引き出しが不可能であり、時間帯に関わらず「1週間」で「200,000」円、「1ヶ月」で「500,000」円の引き出しに制限されており、振込に付いては時間帯に関わらず「1ヶ月」に「3,000,000」円の振込が可能である旨が設定されている。携帯端末10の設定情報送信部113は、設定情報に付帯させて、上記限度額記憶部に記憶されている限度額情報をATM20に送信する。
また、取引履歴記憶部152に記憶される取引情報には、取引種別が付帯され、取引情報の取引日には時間帯を示す情報が含まれるようにする。例えば、図12は、取引種別と時間帯と設定期間とに応じて限度額を設定する場合の取引履歴記憶部152の例である。同図に示すように、各取引情報には取引種別が付帯され、取引日には時間帯を示す情報の例として、出金した時刻が設定されている。ATM20では、設定情報に付帯されている、上記の限度額情報のそれぞれについて、上述した図9における(S405)〜(S408)の処理を行う。ATM20は、(S405)において限度額情報の設定期間内の取引情報を抽出し、(S408)において限度額情報の限度額と累積額に取引額を加算したものとを比較する。ATM20は、全ての限度額情報について、合計額が限度額以下(S408:YES)であった場合に、図10の払い出し処理を行うようにする。
上記のように取引種別や時間帯に応じて限度額を設定するようにした場合、利用者は、都合に合わせてより細かな限度額の設定を行うことができるので便利である。利用者は、例えば、生活パターンに沿った時間帯の限度額を設定することにより、活動時間外に不正な出金が行われてしまうようなリスクを抑えることもできる。
また、本実施形態では、取引履歴は設定期間内分だけになるように更新されるものとしたが、設定期間よりも長い所定の期間分の取引情報を残すようにしてもよい。
また、本実施形態では、携帯端末10は単独で設定情報を更新できるものとしたが、例えば、設定情報の更新処理前にATM20やホストコンピュータ30による利用者の認証を行うようにしてもよい。この場合、例えば、携帯端末10は、上記の処理前に、ATM20に対して利用者の認証要求を送信し、ATM20は口座番号の暗証番号などの入力をタッチパネルディスプレイ204から受け付け、ホストコンピュータ30に対して暗証番号の認証要求を送信し、ホストコンピュータ30で暗証番号の正当性を検証するようにすることができる。このように、更新処理前に利用者の認証処理を行うことで、不正に携帯端末10の設定情報が変更されてしまうようなことを防ぐことができる。
また、本実施形態では、非接触型ICカード106に口座情報や取引履歴などのデータが記憶され、設定情報取得要求や取引履歴更新要求はICカードの機能により実現されるものとしたが、非接触型ICカード106に記憶されているデータを携帯端末10のメモリ102に記憶するようにしてもよい。この場合、設定情報取得要求受信部112や設定情報送信部113、取引履歴更新要求受信部114、取引履歴更新部115は、携帯端末10のCPU101がメモリ102に記憶されているプログラムを実行することにより実現することになる。
また、本実施形態では、携帯端末10とATM20との間の通信は、非接触型ICカード106にアクセスする無線通信を前提としたが、赤外線などのその他の無線通信による通信を行うようにしてもよい。
以上、本実施形態について説明したが、上記実施形態は本発明の理解を容易にするためのものであり、本発明を限定して解釈するためのものではない。本発明は、その趣旨を逸脱することなく、変更、改良され得ると共に、本発明にはその等価物も含まれる。
本発明の一実施の形態による、出金処理システムの全体構成図である。 本発明の一実施の形態による、携帯端末10のハードウェア構成を示す図である。 本発明の一実施の形態による、携帯端末10の機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態による、設定情報記憶部151の構成を示す図である。 本発明の一実施の形態による、設定期間、限度額、及び振込算入フラグを設定するために用いられる画面例を示す図である。 本発明の一実施の形態による、取引履歴記憶部152の構成を示す図である。 本発明の一実施の形態による、ATM20のハードウェア構成を示す図である。 本発明の一実施の形態による、ATM20の機能ブロック図である。 本発明の一実施の形態による、本実施形態の出金処理システムによる出金処理の流れを説明する図である。 本発明の一実施の形態による、現金の払い出し処理の流れを示す図である。 本発明の一実施の形態による、限度額情報を複数設定することのできる限度額記憶部の例を示す図である。 本発明の一実施の形態による、取引種別と時間帯と設定期間とに応じて限度額を設定する場合の取引履歴記憶部152の例を示す図である。
符号の説明
10 携帯端末 20 ATM
30 ホストコンピュータ 41 無線通信路
42 通信路
101 CPU 102 メモリ
103 NVRAM 104 入力部
105 表示部 106 非接触型ICカード
111 設定部 112 設定情報取得要求受信部
113 設定情報送信部 114 取引履歴更新要求受信部
115 取引履歴更新部 151 設定情報記憶部
152 取引履歴記憶部 201 CPU
202 メモリ 203 記憶装置
204 タッチパネルディスプレイ 205 ICカードリーダライタ
206 通信インタフェース部 207 紙幣排出
211 設定情報取得要求送信部 212 設定情報受信部
213 履歴抽出部 214 累積額算出部
215 取引金額入力部 216 出金可否判断部
217 暗証番号入力部 218 口座出金要求送信部
219 口座処理結果受信部 220 現金排出処理部
221 取引履歴更新要求送信部 222 エラーメッセージ表示部

Claims (21)

  1. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、
    前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、
    前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、
    を備えることを特徴とする現金自動預払機。
  2. 請求項1に記載の現金自動預払機であって、
    前記取引の日付及び前記取引金額を含む取引情報を前記期間内履歴に追加し、当該期間内履歴を設定した、前記携帯端末に記憶されている前記履歴を書き換えるように指示するコマンドである取引履歴更新要求を前記無線通信部を介して前記携帯端末に送信する取引履歴更新要求送信部を備えること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  3. 請求項2に記載の現金自動預払機であって、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴は、前記携帯端末が備えている非接触型のICカードに記憶されており、
    前記無線通信部は、前記ICカードとの間での通信を行うことで前記ICカードに対するデータの読み書きを行い、
    前記設定情報受信部は、前記無線通信部を介して、前記ICカードに記憶されている前記講座情報、前記限度額、及び前記履歴を読み出し、
    前記取引履歴更新要求送信部は、前記無線通信部を介して、前記ICカードに記憶されている前記履歴を、前記期間内履歴で書き換えること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  4. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引額を合計した累積額を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、
    前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、
    を備えることを特徴とする現金自動預払機。
  5. 請求項4に記載の現金自動預払機であって、
    前記処理の日付及び前記取引金額を含む取引情報を設定した、当該取引情報を前記履歴に追加するように指示するコマンドである取引履歴登録要求を前記携帯端末に送信する取引履歴登録要求送信部を備えること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  6. 請求項1又は4に記載の現金自動預払機であって、
    前記取引可否判断部により前記取引が不能と判断された場合に、取引できない旨のメッセージを表示するエラーメッセージ表示部を備えること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  7. 請求項6に記載の現金自動預払機であって、
    前記エラーメッセージ表示部は、前記メッセージとともに、前記限度額と前記累積額との差である取引可能額の前記取引が可能である旨を表示すること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  8. 請求項1又は4に記載の現金自動預払機であって、
    前記設定情報受信部は、時間帯毎の前記限度額を前記携帯端末から受信し、
    前記取引可否判断部は、前記取引を行う時間帯に対応する前記限度額を、前記合計額が超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断すること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  9. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金又は振込である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、
    前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、
    前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、
    を備えることを特徴とする現金自動預払機。
  10. 請求項9に記載の現金自動預払機であって、
    前記設定情報受信部は、出金又は振込を示す取引種別毎の前記限度額を前記携帯端末から受信し、
    前記取引金額入力部は、前記取引金額とともに取引種別の入力を受け付け、
    前記取引可否判断部は、前記取引金額入力部に入力された前記取引種別に対応する前記限度額を前記合計額が超えているかどうかにより前記取引の可否を判断すること、
    を特徴とする現金自動預払機。
  11. 現金自動預払機と携帯端末とを含んで構成され、
    前記携帯端末は、
    利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金又は振込である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶するメモリと、
    前記メモリに記憶されている前記履歴から、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を抽出し、抽出した前記取引情報の前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、
    前記現金自動預払機との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記無線通信部を介して前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、
    を備え、
    前記現金自動預払機は、
    前記携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、
    前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、
    前記累積額と前記取引情報との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、
    前記取引の日付及び前記取引金額を含む取引情報を設定した取引履歴登録要求を前記携帯端末に送信する取引履歴登録要求送信部と、
    を備え、
    前記携帯端末は、
    前記現金預払機から送信される前記取引履歴登録要求を受信する取引履歴登録要求受信部と、
    受信した前記取引履歴登録要求に設定されている前記日付及び前記取引金額を含む取引情報を作成し、作成した前記取引情報を前記メモリに記憶されている前記取引情報の前記履歴に追加する取引履歴登録部と、
    を備えることを特徴とする取引処理システム。
  12. 現金自動預払機と携帯端末とを含んで構成され、
    前記携帯端末は、
    利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金又は振込である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶するメモリと、
    前記現金自動預払機との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記メモリに記憶されている前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記無線通信部を介して前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、
    を備え、
    前記現金自動預払機は、
    前記携帯端末との間での無線通信を行う無線通信部と、
    前記携帯端末から送信される前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記無線通信部を介して受信する設定情報受信部と、
    前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、
    前記取引における取引金額の入力を受け付ける取引金額入力部と、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断する取引可否判断部と、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行う取引処理部と、
    前記取引の日付及び前記取引金額を含む取引情報を前記期間内履歴に追加し、当該期間内履歴を設定した、前記取引情報の履歴を書き換えるように指示するコマンドである取引履歴更新要求を前記携帯端末に送信する取引履歴更新要求送信部と、
    を備え、
    前記携帯端末は、
    前記現金自動預払機から送信される前記取引履歴更新要求を受信する取引履歴更新要求受信部と、
    受信した前記取引履歴更新要求に設定されている前記期間内履歴で、前記メモリに記憶されている前記履歴を書き換える取引履歴更新部と、
    を備えることを特徴とする取引処理システム。
  13. 請求項1に記載の現金自動預払機と無線通信を行う無線通信部と、
    前記期間情報を記憶する設定情報記憶部と、
    前記口座情報を記憶する口座情報記憶部と、
    前記限度額を記憶する限度額記憶部と、
    前記取引情報の履歴を記憶する取引履歴記憶部と、
    前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、
    を備えることを特徴とする携帯端末。
  14. 請求項4に記載の現金自動預払機と無線通信を行う無線通信部と、
    前記期間情報を記憶する設定情報記憶部と、
    前記口座情報を記憶する口座情報記憶部と、
    前記限度額を記憶する限度額記憶部と、
    前記取引情報の履歴を記憶する取引履歴記憶部と、
    前記履歴から、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を抽出し、抽出した前記取引情報の前記取引額を合計した累積額を算出する累積額算出部と、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記現金自動預払機に送信する設定情報送信部と、
    を備えることを特徴とする携帯端末。
  15. 請求項13又は14に記載の携帯端末であって、
    前記限度額の入力を受け付ける入力インタフェースと、
    入力された前記限度額を前記メモリに記憶する限度額更新部と、
    を備えることを特徴とする携帯端末。
  16. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴とを記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機が
    前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から前記無線通信部を介して受信し、
    前記取引における取引金額の入力を受け付け、
    前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出し、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断し、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うこと、
    を特徴とする取引処理方法。
  17. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機が、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引額を合計した累積額を前記携帯端末から受信し、
    前記取引における取引金額の入力を受け付け、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断し、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うこと、
    を特徴とする取引処理方法。
  18. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機に、
    前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記携帯端末から受信するステップと、
    前記取引における取引金額の入力を受け付けるステップと、
    前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を前記履歴から抽出し、抽出した前記取引情報である期間内履歴に含まれている前記取引額を合計した累積額を算出するステップと、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断するステップと、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うステップと、
    を実行させるためのプログラム。
  19. 利用者から設定される設定期間を示す期間情報と、口座を特定するための口座情報と、当該口座からの出金である取引に係る取引額の前記設定期間における累積額の限度額と、前記口座からの前記取引の取引日と取引額とを含む取引情報の履歴を記憶している携帯端末との間での無線通信を行う現金自動預払機に、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引額を合計した累積額を前記携帯端末から受信するステップと、
    前記取引における取引金額の入力を受け付けるステップと、
    前記累積額と前記取引金額との合計額を算出し、前記合計額が前記限度額を超えているかどうかにより前記取引が可能かどうかを判断するステップと、
    前記取引が可能な場合に、前記口座情報により特定される口座からの前記取引のための処理を行うステップと、
    を実行させるためのプログラム。
  20. 請求項1に記載の現金自動預払機との間での無線通信を行う前記携帯端末に、
    前記期間情報をメモリに記憶するステップと、
    前記口座情報を前記メモリに記憶するステップと、
    前記限度額を前記メモリに記憶するステップと、
    前記取引情報の履歴を前記メモリに記憶するステップと、
    前記期間情報、前記口座情報、前記限度額、及び前記履歴を前記現金自動預払機に送信するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
  21. 請求項4に記載の現金自動預払機との間での無線通信を行う前記携帯端末に、
    前記期間情報をメモリに記憶するステップと、
    前記口座情報を前記メモリに記憶するステップと、
    前記限度額を前記メモリに記憶するステップと、
    前記取引情報の履歴を前記メモリに記憶するステップと、
    前記履歴から、前記期間情報により示される前記設定期間における前記取引情報を抽出し、抽出した前記取引情報の前記取引額を合計した累積額を算出するステップと、
    前記口座情報、前記限度額、及び前記累積額を前記現金自動預払機に送信するステップと、
    を実行させるためのプログラム。
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