JP4850769B2 - レジスト濃度測定方法及びレジスト濃度測定装置 - Google Patents

レジスト濃度測定方法及びレジスト濃度測定装置 Download PDF

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Description

本発明は、基板に塗布するレジスト液のレジスト濃度測定方法及びレジスト濃度測定装置に関する。
例えば、液晶ディスプレイの製造プロセスのフォトリソグラフィー工程では、ガラス基板上にレジスト液を塗布してレジスト膜を形成するレジスト塗布処理が行われている。
このレジスト塗布処理は、レジスト塗布処理装置において行われ、例えばステージにガラス基板が載置され、そのガラス基板の上面をノズルが移動しながらレジスト液を吐出することにより行われている。吐出されるレジスト液の濃度は予め定められた設定濃度に調整されており、そのレジスト液をガラス基板に塗布することによって、ガラス基板に設定膜厚のレジスト膜を形成している。
このようなレジスト塗布処理装置として、従来より、高濃度のレジスト原液とシンナーを混合して設定濃度のレジスト液を生成し、このレジスト液をガラス基板に塗布する塗布装置が提案されている。塗布装置は、レジスト原液とシンナーをそれぞれ貯留する2基のタンクと、レジスト原液とシンナーをそれぞれ供給するための2基のポンプと、レジスト原液とシンナーを混合するミキサーと、を有している。この塗布装置を用いてレジスト液を生成するにあたっては、先ず2基のタンクから所定の供給量のレジスト液とシンナーがミキサーに供給される。そしてミキサーでレジスト原液とシンナーを混合して、レジスト液が生成される(特許文献1)。
特開平10−242045号公報
しかしながら、従来の塗布装置を用いる場合、例えばポンプの故障等の不具合が発生すると、所定の供給量のレジスト原液とシンナーがミキサーに供給されず、設定された濃度のレジスト液が生成されないことがあった。
そこで、レジスト液が設定濃度になっているかを確認するために、吸光度計を用いてレジスト液の濃度を測定する方法が考えられている。吸光度計では、レジスト液に光を照射し、レジスト液に含まれる感光剤の吸収強度、いわゆる吸光度を測定する。そして測定された吸光度に基づいて、レジスト液の濃度を演算している。
しかしながら、レジスト液に含まれるレジン(例えばノボラック樹脂)や感光剤は、単一な分子で構成されず、官能基を有する数や結合場所が異なる場合がある。また現状では、このレジンや感光剤を常に同一の分子構造に生成することは難しい。したがって、例えば図6に示すように、同一濃度を有するレジスト液a、bの吸光度を吸光度計で測定した場合、レジスト液a、bに含まれる感光剤の分子構造が異なるために、600nm以下の同一波長の光に対して異なる吸光度が測定される。そして測定された吸光度に基づいて、レジスト液a、bの濃度が異なる濃度に演算されてしまう。また、600nm以上の波長の光に対しては、感光剤は光をほとんど吸収しないので、レジスト液a、bの濃度を演算することができない。したがって、吸光度計ではレジスト液の濃度を正確に測定できないことがある。
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、レジスト原液と溶剤を混合したレジスト液の濃度を正確に測定することを目的とする。
前記の目的を達成するため、本発明は、基板に塗布するレジスト液の濃度を測定する方法であって、レジスト原液、溶剤、及び前記レジスト原液の濃度に対して所定の比率で添加される、吸光性物質のマーカー材を混合する工程と、前記レジスト原液、溶剤、及びマーカー材が混合したレジスト液に、600nm以上の波長の光を照射して吸光度を測定し、予め作成された吸光度と濃度の関係を示す検量線と、前記測定された吸光度に基づいて、前記レジスト液の濃度を測定する工程と、を有し、前記マーカー材は、溶剤に可溶であり、かつ、600nm以上の波長の光に対して最大の吸光度を有することを特徴としている。
通常のレジスト原液に含まれる感光剤は、600nm以上の波長の光をほとんど吸収することができないが、本発明におけるマーカー材は600nm以上の波長の光に対して最大の吸光度を有している。そこで本発明では、レジスト原液、溶剤、及びマーカー材が混合したレジスト液に600nm以上の波長の光を照射しているので、感光剤の吸光度を測定せず、マーカー材のみの一定の吸光度を測定することができる。そして、予め作成されているマーカー材の吸光度と濃度の関係を示す検量線と、測定されたマーカー材の吸光度に基づいて、マーカー材の濃度を演算することができる。また本発明では、マーカー材はレジスト原液の濃度に対して所定の比率で添加されているので、演算されたマーカー材の濃度に基づいて、レジスト液の濃度を演算することができる。したがって、一定の分子構造、吸光度を有さない感光剤の吸光度を測定せずに、マーカー材の一定の吸光度を測定して濃度を演算することができるので、レジスト液の濃度を正確に測定することができる。なお、マーカー材は、予めレジスト原液又は溶剤に添加されていてもよい。
また本発明におけるマーカー材は溶剤に可溶であるので、分散性が良く、凝集することもなく、レジン、感光剤、界面活性剤等のレジスト成分の機能に影響を及ぼさない。したがって、マーカー材が添加されたレジスト液を基板に塗布しても、その塗布後の基板の処理に影響を及ぼさない。
前記マーカー材は、900nm以下の波長の光に対して最大の吸光度を有し、前記レジスト液に照射する光の波長は、900nm以下であってもよい。汎用品の吸光度計の測定能力を考慮すれば、900nm以下の波長の光を使用すると、測定対象の吸光度を厳密に測定することができる。したがって、900nm以下の波長の光をレジスト液に照射することによって、レジスト液の濃度をより正確に測定することができる。
前記マーカー材は、前記レジスト液に対して1質量%以下で添加されてもよい。これによって、基板にレジスト液を塗布した後、例えばレジスト膜の現像処理等の処理にマーカー材が影響を及ぼすことをより確実に防止できる。
前記マーカー材は、金属錯体を含まないものが好ましい。これによって、
基板にレジスト液を塗布した後、デバイスの電気特性に悪影響を与えることなく基板の処理を行うことができる。
別な観点による本発明は、基板に塗布するレジスト液の濃度を測定するレジスト濃度測定装置であって、レジスト原液、溶剤、及びマーカー材を混合する混合部と、前記レジスト原液を前記混合部に供給するレジスト原液供給部と、前記溶剤を前記混合部に供給する溶剤供給部と、前記レジスト原液の濃度に対して所定の比率で前記マーカー材を前記混合部に供給するマーカー材供給部と、前記混合部で生成されたレジスト液の濃度を測定する吸光度計と、を有し、前記マーカー材は、溶剤に可溶であり、かつ、600nm以上の波長の光に対して最大の吸光度を有し、前記吸光度計で用いられる光の測定波長は、600nm以上であることを特徴としている。
前記レジスト濃度測定装置で用いられるマーカー材は、900nm以下の波長の光に対して最大の吸光度を有し、前記吸光度計で用いられる光の測定波長は、900nm以下であってもよい。また前記マーカー材は、前記レジスト液に対して1質量%以下で添加されてもよい。さらに前記マーカー材は、金属錯体を含まないものが好ましい。
また参考例として、基板に塗布するレジスト液、レジスト液、溶剤、及び前記レジスト原液の濃度に対して所定の比率で添加されるマーカー材を有し、前記マーカー材は、溶剤に可溶であり、かつ、600nm以上の波長の光に対して最大の吸光度を有することを特徴としている。
前記レジスト液に含まれるマーカー材は、900nm以下の波長の光に対して最大の吸光度を有していてもよい。また前記マーカー材は、前記レジスト液に対して1質量%以下で添加されてもよい。さらに前記マーカー材は、金属錯体を含まないものが好ましい。
本発明によれば、レジスト原液と溶剤を混合したレジスト液の濃度を吸光度計で正確に測定することができる。
以下、本発明の好ましい実施の形態について説明する。図1は、本実施の形態にかかる基板処理システムとしての塗布現像処理システム1の構成の概略を示す平面図である。
塗布現像処理システム1は、図1に示すように例えば複数のガラス基板Gをカセット単位で外部に対して搬入出するためのカセットステーション2と、フォトリソグラフィー工程の中で枚葉式に所定の処理を施す各種処理装置が配置された処理ステーション3と、処理ステーションに3に隣接して設けられ、処理ステーション3と露光装置4との間でガラス基板Gの受け渡しを行うインターフェイスステーション5とを一体に接続した構成を有している。
カセットステーション2には、カセット載置台10が設けられ、当該カセット載置台10は、複数のカセットCをX方向(図1中の上下方向)に一列に載置自在になっている。カセットステーション2には、搬送路11上をX方向に向かって移動可能な基板搬送体12が設けられている。基板搬送体12は、カセットCに収容されたガラス基板Gの配列方向(Z方向;鉛直方向)にも移動自在であり、X方向に配列された各カセットC内のガラス基板Gに対して選択的にアクセスできる。
基板搬送体12は、Z軸周りのθ方向に回転可能であり、後述する処理ステーション3側のエキシマUV照射装置20や冷却処理装置33に対してもアクセスできる。
処理ステーション3は、例えばY方向(図1の左右方向)に延びる2列の搬送ラインA、Bを備えている。この搬送ラインA、Bは、ローラコンベアによるコロ搬送より、ガラス基板Gを水平方向に直線的に搬送できる。処理ステーション3の正面側(X方向負方向側(図1の下側))にある基板搬送路としての搬送ラインAには、カセットステーション2側からインターフェイスステーション5側に向けて順に、例えばガラス基板G上の有機物を除去するエキシマUV照射装置20、ガラス基板Gを洗浄するスクラバ洗浄装置21、ガラス基板Gを加熱処理する加熱処理装置22、ガラス基板Gを冷却処理する冷却処理装置23、ガラス基板Gにレジスト液を塗布するレジスト塗布処理装置24、ガラス基板Gを減圧乾燥する減圧乾燥装置25、加熱処理装置26、冷却処理装置27及びガラス基板Gを一時的に待機させるアウトステージ28が直線的に一列に配置されている。レジスト塗布処理装置24には、レジスト液の濃度を測定し、当該レジスト液をレジスト塗布処理装置24に供給するレジスト濃度測定装置100が接続されている。
処理ステーション3の背面側(X方向正方向側(図1の上方側))の搬送ラインBには、インターフェイスステーション5側からカセットステーション2側に向けて順に、例えばガラス基板Gを現像処理する現像処理装置30、ガラス基板Gの脱色処理を行うi線UV照射装置31、加熱処理装置32及び冷却処理装置33が直線状に一列に配置されている。
搬送ラインAのアウトステージ28と搬送ラインBの現像処理装置30との間には、この間のガラス基板Gの搬送を行う搬送体40が設けられている。この搬送体40は、後述するインターフェイスステーション5のエクステンション・クーリング装置60に対してもガラス基板Gを搬送できる。
インターフェイスステーション5には、例えば冷却機能を有しガラス基板Gの受け渡しを行うエクステンション・クーリング装置60と、ガラス基板Gを一時的に収容するバッファカセット61と、外部装置ブロック62が設けられている。外部装置ブロック62には、ガラス基板Gに生産管理用のコードを露光するタイトラーと、ガラス基板Gの周辺部を露光する周辺露光装置が設けられている。インターフェイスステーション5には、上記エクステンション・クーリング装置60、バッファカセット61、外部装置ブロック62及び露光装置4に対して、ガラス基板Gを搬送可能な基板搬送体63が設けられている。
次に、レジスト塗布処理装置24に接続するレジスト濃度測定装置100の構成について説明する。
レジスト濃度測定装置100は、図2に示すようにレジスト原液を貯留するレジスト原液供給部としてのレジスト原液タンク101と、溶剤を貯留する溶剤供給部としての溶剤タンク102を有している。レジスト原液タンク101の上部には、レジスト原液がオーバーフローした場合にレジスト原液をレジスト原液タンク101外に排出する配管110と、レジスト原液タンク101内の空気圧を調節する配管111が設けられている。溶剤タンク102の上部には、溶剤がオーバーフローした場合に溶剤を溶剤タンク102外に排出する配管112と、溶剤タンク102内の空気圧を調節する配管113が設けられている。なお、レジスト原液には、例えばノボラック樹脂のレジン、感光剤、界面活性剤、溶剤等が含まれている。溶剤には、例えばシンナーが用いられる。
レジスト原液タンク101の下流側には、配管114を介して、レジスト原液と後述するマーカー材溶液を吸上げて混合ブロック106に導入する第1のポンプ104が接続されている。このとき、マーカー材溶液中のマーカー材がレジスト原液の濃度に対して所定の比率となるように吸上げられる。配管114には、バルブ115が設けられている。第1のポンプ104では、そのストロークを調整して、レジスト原液とマーカー材溶液の供給量を調整することができる。このような第1のポンプ104には、例えばボールネジパルス制御駆動のプランジャポンプが用いられる。
配管114には、配管116を介して、マーカー材を貯留するマーカー材供給部としてのマーカー材タンク103が接続されている。マーカー材は予め溶剤に溶かし所定の濃度に調合されて、マーカー材溶液としてマーカー材タンク103に貯留されている。配管116には、バルブ117が設けられている。マーカー材には、溶剤に可溶で、かつ、600nm〜900nmの波長の光に対して最大の吸光度を有する染料系の物質が用いられる。またマーカー材はフォトクロミック分子も含まず、光を照射してもその吸光度は一定である。さらにマーカー材は、金属錯体を含んでいないものが好ましい。このような条件を満たすマーカー材として、例えば700nmの波長の光に対して最大の吸光度を有する、染料として用いられるインジゴブルー(C1610)が用いられる。
溶剤タンク102の下流側には、配管118を介して、溶剤を吸上げて混合ブロック106に導入する第2のポンプ105が接続されている。配管118には、バルブ119が設けられている。第2のポンプ105では、第1のポンプ104と同様に、そのストロークを調整して、溶剤の供給量を調整することができ、例えばボールネジパルス制御駆動のプランジャポンプが用いられる。なお溶剤は、マーカー材がレジスト液に対して1質量%以下になるように供給される。
第1のポンプ104と第2のポンプ105の下流側には、配管120と配管121をそれぞれ介して、レジスト原液、マーカー材溶液と溶剤の流路を同時に開閉して合流させる混合部としての混合ブロック106が接続されている。配管120と配管121には、それぞれバルブ122とバルブ123が介設されている。
混合ブロック106には、配管124を介して、レジスト原液、マーカー材溶液、溶剤を攪拌混合するスタティックミキサー107が接続されている。スタティックミキサー107は、配管125を介して、レジスト塗布処理装置24に接続されている。配管125は、レジスト塗布処理装置24内のガラス基板Gにレジスト液を塗布する塗布ノズル70に直接接続されている。
配管125には、三方弁126が設けられている。三方弁126の下流側には、レジスト原液、マーカー材溶液、溶剤の供給量を調整して混合しても設定濃度と異なる濃度になったレジスト液を排出するための配管127が接続されている。三方弁126では、後述する制御部150からの信号を受信することにより、スタティックミキサー107で混合されたレジスト液をレジスト塗布処理装置24に供給するか、あるいは配管127から排出するかを選択することができる。
またスタティックミキサー107と三方弁126との間を接続する配管125には、配管128を介して、レジスト液の濃度を測定する吸光度計108が接続されている。配管128には、バルブ129が設けられている。なお、吸光度計108には、測定対象に照射する光の波長を調節することができる分光光度計を用いてもよい。
吸光度計108の内部には、図3に示すように測定対象のレジスト液に対して光を照射する発光部140と、発光部140から照射された光を受光する受光部141が設けられている。発光部140と受光部141の間には、測定対象のレジスト液を一時的に貯留し、透光性を有するセル142が設けられている。セル142の上流側には配管128が接続され、セル142の下流側には測定の終了したレジスト液を吸光度計108の外に排出するための配管130が接続されている。なお、セル142の材料には、例えば石英が用いられている。
受光部141では受光した光の吸光度(特定の波長の光に対して物質の吸収強度を示す尺度)を測定する。本実施の形態においては、セル142中のレジスト液に照射される光の測定波長は、600nm〜900nmに設定されている。この光の測定波長は、レジスト液(レジスト原液)の感光剤が光をほとんど吸収せず、かつ、マーカー材が最大の吸光度を有する波長に設定されている。例えば図4に示すように、レジスト原液Aと、レジスト原液Aと同一濃度を有するレジスト原液Bとに含まれる感光剤の分子構造がそれぞれ異なる場合、600nm以下の同一波長の光に対してレジスト原液Aとレジスト原液Bの吸光度は異なるが、600nm〜900nmの波長の光に対してはレジスト原液Aとレジスト原液Bの吸光度はほとんど測定されず一定である。一方、マーカー材Mは、600nm〜900nmの波長の光に対して、一定の最大吸光度を有している。したがって、図5に示すように、レジスト原液A、マーカー材M及び溶剤を混合したレジスト液RAと、レジスト原液B、マーカー材M及び溶剤を混合したレジスト液RBでは、600nm〜900nmの波長の光に対して、マーカー材Mのみの一定の吸光度を測定することができる。
この吸光度の測定結果は、図3に示すように吸光度計108内の演算部143に出力される。演算部143には、マーカー材の吸光度と濃度の関係を示す検量線がインプットされており、この検量線と受光部141で測定された吸光度に基づいて、マーカー材の濃度が演算される。そしてマーカー材はレジスト原液の濃度に対して所定の比率で添加されているので、マーカー材の濃度からレジスト液の濃度が演算される。演算部143で演算されたレジスト液の濃度は、図2に示すように制御部150に出力される。
制御部150では、三方弁126の開方向の制御を行う。例えば吸光度計108で測定されたレジスト液の測定濃度が設定濃度と同じである場合、三方弁126のレジスト塗布処理装置24側を開けるように制御し、また例えばレジスト液の測定濃度が設定濃度と異なる場合、三方弁126の配管127側を開けるように制御する。
制御部150は、例えばコンピュータであり、プログラム格納部(図示せず)を有している。プログラム格納部には、三方弁126の開方向を制御するプログラムが格納されている。なお、このプログラムは、例えばハードディスク、コンパクトディスク、マグネットオプティカルディスク、メモリーカードなどのコンピュータに読み取り可能な記録媒体に記録されていたものであって、その記録媒体から制御部150にインストールされたものであってもよい。
本実施の形態にかかる塗布現像処理システム1は以上のように構成されており、次にその塗布現像処理システム1で行われるガラス基板Gの処理について説明する。
先ず、カセットステーション2のカセットC内の複数のガラス基板Gが、基板搬送体12によって、順次処理ステーション3のエキシマUV照射装置20に搬送される。ガラス基板Gは、直線的な搬送ラインAに沿ってコロ搬送により、エキシマUV照射装置20、スクラバ洗浄装置21、加熱処理装置22、冷却処理装置23、レジスト塗布処理装置24、減圧乾燥装置25、加熱処理装置26及び冷却処理装置27に順に搬送され、各処理装置において所定の処理が施される。冷却処理の終了したガラス基板Gは、アウトステージ28に搬送される。その後、ガラス基板Gは、搬送体40によって、インターフェイスステーション5に搬送され、基板搬送体63によって露光装置4に搬送される。
露光装置4において露光処理の終了したガラス基板Gは、基板搬送体63によってインターフェイスステーション5に戻され、搬送体40によって処理ステーション3の現像処理装置30に搬送される。ガラス基板Gは、直線的な搬送ラインBに沿ってコロ搬送により、現像処理装置30、i線UV照射装置31、加熱処理装置32と冷却処理装置33に順に搬送され、各処理装置において所定の処理が施される。冷却処理装置33において冷却処理の終了したガラス基板Gは、基板搬送体12によってカセットステーション2のカセットCに戻されて、一連のフォトリソグラフィー工程が終了する。
次に、レジスト濃度測定装置100におけるレジスト液の濃度測定方法について説明する。
先ず、バルブ115、117を開いて、レジスト原液タンク101とマーカー材タンク103から第1のポンプ104に、所定量のレジスト液とマーカー材溶液が吸上げられる。このとき、マーカー材溶液中のマーカー材がレジスト原液の濃度に対して所定の比率となるように吸上げられる。次にバルブ115、117を閉じた後、バルブ122を開いて、第1のポンプ104から混合ブロック106に、レジスト原液とマーカー材溶液が導入される。同様にバルブ119とバルブ123の開閉を制御して、第2のポンプ104によって溶剤タンク102から混合ブロック106に所定量の溶剤が導入される。このとき溶剤は、マーカー材がレジスト液に対して1質量%以下になるように供給される。
混合ブロック106に供給されたレジスト原液、マーカー材溶液及び溶剤は、混合ブロック106内で合流して、スタティックミキサー107に導入される。そしてスタティックミキサー107でレジスト原液、マーカー材溶液、及び溶剤が攪拌混合され、レジスト液が生成される。
スタティックミキサー107でレジスト液が生成されると、バルブ129が開けられ、生成されたレジスト液の一部が配管125、128を通って吸光度計108に導入される。導入されたレジスト液は、セル142内に一旦貯留され、発光部140からセル142内のレジスト液に向けて光が発せられる。そして発光部140から発せられた光は受光部141で受光され、受光部141で吸光度が測定される。この測定結果は演算部143に出力され、演算部143でレジスト液の濃度が演算される。なお、測定の終了したレジスト液は配管130を通って、吸光度計108の外に排出される。
吸光度計108で測定された濃度は、制御部150に出力される。制御部150では、レジスト液の測定濃度と設定濃度とを比較し、三方弁126の開方向の制御を行う。例えば測定濃度と設定濃度が同一の場合、三方弁126のレジスト塗布処理装置24側が開くように制御し、レジスト液はレジスト液供給管125を通ってレジスト塗布処理装置24に供給される。測定濃度が設定濃度と異なる場合、三方弁136の配管127側が開くように制御し、レジスト液は配管127を通ってレジスト濃度測定装置100の外に排出される。
以上の実施の形態によれば、マーカー材タンク103から、600nm〜900nmの波長の光に対して最大の吸光度を有するマーカー材が供給されているので、吸光度計108で600nm〜900nmの波長の光を照射してレジスト液の吸光度を測定した際に、受光部141でマーカー材のみの一定の吸光度を測定することができる。そして演算部143で、マーカー材の吸光度に基づいてマーカー材の濃度を演算することができる。また、マーカー材はレジスト原液の濃度に対して所定の比率で添加されているので、演算部143で、マーカー材の濃度に基づいてレジスト液の濃度を演算することができる。したがって、一定の分子構造、吸光度を有さない感光剤の吸光度を測定せずに、マーカー材の一定の吸光度を測定して濃度を演算することができるので、レジスト液の濃度を正確に測定することができる。
また、本実施の形態で用いたマーカー材は溶剤に可溶であるので、分散性が良く、凝集することもなく、レジン、感光剤、界面活性剤等のレジスト成分の機能に影響を及ぼさない。また、マーカー材はレジスト液に対して1質量%以下で添加されるので、レジスト塗布処理装置24でマーカー材が添加されたレジスト液をガラス基板Gに塗布しても、その塗布後のガラス基板Gの処理に影響を及ぼさない。
また、本実施の形態で用いたマーカー材は金属錯体を含まないので、レジスト塗布処理装置24でガラス基板Gにレジスト液を塗布した後においても、現像処理装置30等のデバイスの電気特性に悪影響を与えることなくガラス基板Gの処理を行うことができる。
さらにレジスト濃度測定装置100は、レジスト塗布処理装置24と同一の塗布処理システム1内に設置されているので、インラインでレジスト液を測定して、ガラス基板Gにレジスト液を塗布することができるので、一連のガラス基板Gの処理を円滑に行うことができる。
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施の形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に相到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。本発明はこの例に限らず種々の態様を採りうるものである。本発明は、LCD基板以外の基板例えば半導体ウェハ、フォトマスク用のマスクレチクルなどの他の基板である場合にも適用できる。
本発明は、基板に塗布するレジスト液のレジスト濃度測定方法、レジスト濃度測定装置、基板処理システム及びレジスト液に有用である。
本実施の形態にかかる塗布現像処理システムの構成の概略を示す平面図である。 レジスト濃度測定装置の構成の概略を示す説明図である。 吸光度計の構成の概略を示す説明図である。 吸光度計の光の波長と、レジスト原液及びマーカー材の吸光度との関係を示した説明図である。 吸光度計の光の波長と、マーカー材が添加されたレジスト液の吸光度との関係を示した説明図である。 吸光度計の光の波長と、レジスト液の吸光度との関係を示した説明図である。
符号の説明
1 塗布現像処理システム
24 レジスト塗布処理装置
100 レジスト濃度測定装置
101 レジスト原液タンク
102 溶剤タンク
103 マーカー材タンク
104 第1のポンプ
105 第2のポンプ
106 混合ブロック
107 スタティックミキサー
108 吸光度計

Claims (8)

  1. 基板に塗布するレジスト液の濃度を測定する方法であって、
    レジスト原液、溶剤、及び前記レジスト原液の濃度に対して所定の比率で添加される、吸光性物質のマーカー材を混合する工程と、
    前記レジスト原液、溶剤、及びマーカー材が混合したレジスト液に、600nm以上の波長の光を照射して吸光度を測定し、予め作成された吸光度と濃度の関係を示す検量線と、前記測定された吸光度に基づいて、前記レジスト液の濃度を測定する工程と、を有し、
    前記マーカー材は、溶剤に可溶であり、かつ、600nm以上の波長の光に対して最大の吸光度を有することを特徴とする、レジスト濃度測定方法。
  2. 前記マーカー材は、900nm以下の波長の光に対して最大の吸光度を有し、
    前記レジスト液に照射する光の波長は、900nm以下であることを特徴とする、請求項1に記載のレジスト液のレジスト濃度測定方法。
  3. 前記マーカー材は、前記レジスト液に対して1質量%以下で添加されることを特徴とする、請求項1又は2に記載のレジスト濃度測定方法。
  4. 前記マーカー材は、金属錯体を含まないことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載のレジスト濃度測定方法。
  5. 基板に塗布するレジスト液の濃度を測定するレジスト濃度測定装置であって、
    レジスト原液、溶剤、及びマーカー材を混合する混合部と、
    前記レジスト原液を前記混合部に供給するレジスト原液供給部と、
    前記溶剤を前記混合部に供給する溶剤供給部と、
    前記レジスト原液の濃度に対して所定の比率で前記マーカー材を前記混合部に供給するマーカー材供給部と、
    前記混合部で生成されたレジスト液の濃度を測定する吸光度計と、を有し、
    前記マーカー材は、溶剤に可溶であり、かつ、600nm以上の波長の光に対して最大の吸光度を有し、
    前記吸光度計で用いられる光の測定波長は、600nm以上であることを特徴とする、レジスト濃度測定装置。
  6. 前記マーカー材は、900nm以下の波長の光に対して最大の吸光度を有し、
    前記吸光度計で用いられる光の測定波長は、900nm以下であることを特徴とする、請求項5に記載のレジスト濃度測定装置。
  7. 前記マーカー材は、前記レジスト液に対して1質量%以下で添加されることを特徴とする、請求項5又は6に記載のレジスト濃度測定装置。
  8. 前記マーカー材は、金属錯体を含まないことを特徴とする、請求項5〜7のいずれかに記載のレジスト濃度測定装置。
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