JP4849653B2 - 温度センシング用部材及び温度センシング方法 - Google Patents

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Description

この発明は、食品等の商品が流通過程等において、どのような温度環境におかれたかを検知するのに使用する温度センシング用部材、またこの温度センシング用部材を使用して商品が流通過程等においてどのような温度環境におかれたかを検知する温度センシング方法に係り、食品等の商品がどのような温度環境におかれたかを簡単且つ正確に検知できるようにすると共に、検知結果等を記憶し、またその情報を外部に通信できるようにした点に特徴を有するものである。
食品等の商品が流通過程等において、どのような温度環境におかれたかを検知するのに、様々な方法が使用されており、従来においては、例えば、温度によって色が変化する示温材料を使用し、この示温材料の温度による色変化を視覚により判断して、食品等の商品がおかれた温度を検知するようにしたものが提案されている(例えば、特許文献1参照。)。
しかし、このように温度によって色が変化する示温材料を使用したものにおいては、所定の温度に達しない状態であっても、示温材料に含まれる顕色剤が徐々に拡散して発色が徐々に進行し、正確な温度の測定が行えないという問題があり、またこのような示温材料を何度も繰り返して使用することが困難で、コストが高くつく等の問題もあった。
特開2001−41830号公報
この発明は、食品等の商品が流通過程等において、どのような温度環境におかれたかを検知する場合における上記のような問題を解決することを課題とするものであり、食品等の商品がどのような温度環境におかれたかを簡単且つ正確に検知できると共に何度も繰り返して使用することができ、さらにこのような検知結果等を記憶し、またその情報を外部に通信できるようにすることを課題とするものである。
この発明における温度センシング用部材においては、上記のような課題を解決するため、シート基材に、所定温度において磁束が大きく変化する温度センシング材と、ICからなる記憶手段と、アンテナ回路からなる通信手段とが設けられ、環境温度が所定温度に上昇したか否かをセンシングする温度センシング用部材において、上記温度センシング材として、所定温度において流動化する結着材により磁性材料を基材に固定化されるとともに、該温度センシング材によって測定する温度より低い温度で一定方向に磁化させたものを用いるようにした。
この構成によると、所定温度において流動化する結着材により磁性材料を基材に固定化されるとともに、該温度センシング材によって測定する温度より低い温度で一定方向に磁化させた温度センシング材を用いた。従って、温度センシング用部材が、結着材の融点を超えた温度になると、結着材が溶融し、結着材により固定されていた磁性粉末が動いてその向きが変化し、磁性粉末の磁化方向が乱れて、温度センシング剤の磁束が大幅に低下するようになる。
また、本発明の温度センシング用部材において、融点が異なる前記結着材をそれぞれ用いた複数の温度センシング材を設けることが好ましい。
また、本発明の温度センシング用部材において、また各温度センシング材を識別するために、識別用素子を設けることが好ましい。
発明における温度センシンング方法においては、磁束の値を検知する検知用装置により、本発明の温度センシング用部材を商品等に取り付けて流通させる途中の過程や保管時や流通後の前記温度センシング材の磁束を検知する検知工程と、商品等に取り付ける前の前記温度センシング材の磁束および検知工程において検知された前記温度センシング材の磁束から、前記温度センシング材の磁束の変化を感知するとともに、該温度センシング用部材が置かれた環境温度が所定温度に上昇したか否かをセンシングするセンシング工程とを有する。
また、本発明における温度センシンング方法においては、前記検知用装置は、前記温度センシング用部材における前記温度センシング材の位置を検知する第1検知素子と、上記の温度センシング材における磁束を検知する第2検知素子とを備え、前記検知工程は、前記第1検知素子により前記温度センシング材の位置を検知すると共に、前記第2検知素子により前記温度センシング材における磁束を検知することが好ましい。
ここで、温度センシング材の位置を検知する第1検知素子としては、例えば光センサー等を用いることができ、また温度センシング材における磁束を検知する第2検知素子としては、例えば、ホール素子や磁気インピーダンス素子等を用いたガウスメータや、サーチコイルを利用したフラックスメータ等を用いることができる。
この発明においては、上記のように温度センシング用部材に設けられた温度センシング材によって測定する温度より低い温度で、この温度センシング材を一定方向に磁化させた後、この温度センシング用部材を商品等に取り付けて流通させる途中の過程や保管時や流通後等において、上記の温度センシング用部材の上を、上記の検知用装置を相対的に走査させて、検知用装置に設けられた第1検知素子により温度センシング用部材における温度センシング材の位置を検知すると共に、第2検知素子によりこの温度センシング材における磁束を検知し、この温度センシング用部材が所定温度以上の環境下におかれたかを検知する。
ここで、上記のように検知用装置に設けられた第1検知素子により温度センシング用部材における温度センシング材の位置を検知すると共に、第2検知素子によりこの温度センシング材における磁束を検知させるようにすると、検知位置のずれによる検知ミスが防止されるようになる。
また、上記のように温度センシング用部材に、ICからなる記憶手段やアンテナ回路からなる通信手段等を設けると、上記のような検知結果やその他の経過情報等を、通信手段を介して記憶手段に記憶させることできる。
また、上記の温度センシング用部材において、温度に対して磁束の大きく変化する温度が異なる複数の温度センシング材を設けると、どの温度センシング材における磁束が大きく変化したかにより、この温度センシング用部材がおかれた温度環境を細かく簡単に検知できるようになり、また各温度センシング材を識別する識別用素子を設けておくと、磁束が大きく変化した温度センシング材の特定も容易に行えるようになる。
また、この発明における温度センシング用部材においては、上記のようにしてこの温度センシング用部材がおかれた温度環境を検知した後、この温度センシング用部材における温度センシング材を再度一定方向に磁化させることにより、何度もこの温度センシング用部材を用いて温度を検知することができる。
以下、この発明の実施形態に係る温度センシング用部材及びこの温度センシング用部材を用いた温度センシング装置によって温度を検知する方法を添付図面に基づいて具体的に説明する。なお、この発明に係る温度センシング用部材、温度センシング装置及び温度センシング方法は、特に下記の実施形態に示したものに限定されるものではなく、その要旨を変更しない範囲において適宜変更して実施できるものである。
この実施形態における温度センシング用部材10においては、図1(A),(B)に示すように、樹脂フィルムからなるシート基材11の片面に、所定温度において磁束が大きく変化する温度センシング材12として、温度に対して磁束の大きく変化する温度が異なる複数(図に示す例では4種類)の温度センシング材12a〜12dを設けると共に、このシート基材11の反対側の面に、機能部材13として、ICからなる記憶手段13aとアンテナ回路からなる通信手段13bとを設けるようにしている。
ここで、温度に対して磁束の大きく変化する温度が異なる複数の温度センシング材12a〜12dを得るにあたっては、Co,Znを含むスピネル型フェライトにおいて、ZnとCoとの量を変更させて、それぞれ温度に対して磁化の大きく変化する温度が異なる複数の磁性粉末を用いることを、1参考例として示す。なお、温度に対して磁化の大きく変化する温度は、通常、強磁性材料のキュリー温度よりも少し低い温度領域にある。
また、上記の磁性粉末における保磁力が弱いと、磁性粉末を一定方向に磁化させた場合において、この磁性粉末からの磁束が弱くなって、その磁束の変化を十分に検知することが困難になるおそれがあるため、保磁力が15Oe(1.2×103A/m)以上の磁性材料を用いることが好ましく、より好ましくは25Oe(2.0×103A/m)以上の磁性材料を用いるようにする。但し、磁性粉末における保磁力が高くなりすぎると、この磁性粉末を磁化させることが困難になるため、好ましくはその保磁力が2000Oe(159×103A/m)以下の磁性材料を、より好ましくは300Oe(23.9×103A/m)以下の磁性材料を用いるようにする。
そして、上記の各磁性粉末をそれぞれウレタン樹脂等の樹脂溶液中に分散させて各温度センシング材用の塗料を調製し、図2に示すように、上記のシート基材11の片面に上記の各温度センシング材用の塗料を、温度に対して磁束の大きく変化する温度が低い順に所要間隔を介して塗布し、これを乾燥させて、シート基材11の片面に4つの温度センシング材12a〜12dを温度に対して磁束の大きく変化する温度が低い順に配列させると共に、このシート基材11の反対側の面に上記のICからなる記憶手段13aとアンテナ回路からなる通信手段13bとを設け、このように記憶手段13aと通信手段13bとが設けられた面に粘着層14を設けるようにしている。ここで、シート基材11に上記のICからなる記憶手段13aとアンテナ回路からなる通信手段13bとを設けるにあたり、例えば、別の基材(図示せず)に上記の記憶手段13aと通信手段13bとを設け、これを、一方の面に粘着剤層が設けられたシート基材11と、剥離面に粘着剤層が設けられた剥離シート(図示せず)とにおける両粘着剤層との間に挟み込み、このようにして得られた積層体をシート基材11の粘着剤層側の表面に至るまでダイカットし、次いで、不要部分を取り除くことにより、剥離シートに仮着された温度センシング用部材10が得られる。なお、シート基材11の片面に上記のような温度センシング材12a〜12dを設けるにあたっては、例えば、シート基材11とは別の基材(図示せず)に、上記の各温度センシング材用の塗料を塗布して各温度センシング材12a〜12dを設けると共に、この別の基材における反対側の面に粘着層を設け、この粘着層により別の基材を上記のシート基材11に貼着させるようにすることも可能である。
ここで、この実施形態における温度センシング用部材10においては、4つの温度センシング材12a〜12dを設けるようにしたが、シート基材11に設ける温度センシング材11の数は特に限定されず、また温度センシング材12a〜12dを、温度に対して磁束の大きく変化する温度が低い順に配列させるにしたが、温度センシング材12a〜12dを配列させる順序は特にこのような順番に限定されない。
また、この実施形態における温度センシング用部材10においては、シート基材11に記憶手段13aと通信手段13bとを設けるにあたり、温度センシング材12a〜12dとは反対側の面に設けるようにしたが、図3に示すように、記憶手段13aと通信手段13bとを、各温度センシング材12a〜12dと同じ面に設けることも可能である。なお、上記の実施形態に示すように、記憶手段13aと通信手段13bとを、温度センシング材12a〜12dと反対側の面に設けると、温度センシング材12a〜12dが設けられた面の余白部分が大きくなって、この部分に様々な印刷、例えば、商品名、商品の説明、生産者名等を印刷させることが行えるようになる。また、温度センシング材12a〜12dをシート基材11の外側の面に設けると、内側の面に設けるよりも、温度センシング材12a〜12dからの漏洩磁束が大きくなるので、温度センシング材12a〜12dをシート基材11の外側の面に設けることが好ましい。
そして、この実施形態の温度センシング用部材10を用いて食品等の商品1が流通過程等において曝された温度環境を検知するにあたっては、温度に対して磁束の大きく変化する温度が一番低い第1の温度センシング材12aよりも低い温度で、各温度センシング材12a〜12dを永久磁石等の磁化装置(図示せず)を用いて一定方向、例えばシート基材11の垂直方向に磁化させた後、図4に示すように、この温度センシング用部材10を上記のシート基材11に設けられた粘着層14によって商品1に貼り付け、この商品1を保管,流通させるようにする。
そして、このように商品1を保管,流通させる途中の段階や、保管,流通させた後の段階等において、上記の温度センシング用部材10における各温度センシング材12a〜12dの上を、上記の検知用装置20を相対的に走査させて、検知用装置20により上記の温度センシング用部材10における各温度センシング材12a〜12dの位置を確認しながら、各温度センシング材12a〜12dにおける磁束を測定するようにしている。
ここで、上記の検知用装置20においては、図5に示すように、温度センシング用部材10における温度センシング材12a〜12dの位置を検知する第1検知素子21として光センサー21を設けると共に、上記の各温度センシング材12a〜12dにおける磁束を検知する第2検知素子22としてガウスメータ22を設けるようにしている。
そして、この検知用装置20における光センサー21により各温度センシング材12a〜12dを検知すると共に、ガウスメータ22により各温度センシング材12a〜12dにおける磁束を検知するようにしている。ここで、上記の温度センシング材12a〜12dは黒色の材料で構成される一方、シート基材11は白色の材料で構成されるため、温度センシング材12a〜12dの部分とシート基材11の部分とでは、光の吸収率や反射率が異なるため、上記の光センサー21によって温度センシング材12a〜12dの位置を検知することができる。
そして、上記のように各温度センシング材12a〜12dを磁化させた温度センシング用部材10が貼り付けられた商品1が、第1の温度センシング材12aの磁束が大きく変化する温度以上になっていない場合において、上記のように検知用装置20における光センサー21により各温度センシング材12a〜12dを検知すると共に、ガウスメータ22により各温度センシング材12a〜12dにおける磁束を検知すると、図6に示すように、各温度センシング材12a〜12dの位置において、光センサー21から所定レベルL1以上の光の吸収による出力が検知されると共に、ガウスメータ22からも所定レベルL2以上の磁束による出力が検知されるようになる。
そして、温度センシング用部材10を貼り付けた商品1の温度が、第1の温度センシング材12aの磁束が大きく変化する温度以上で、第2の温度センシング材12bの磁束が大きく変化する温度以下になった場合には、図7に示すように、第1の温度センシング材12aからの出力だけが大きく低下して所定レベルL2以下になる一方、第2〜第4の各温度センシング材12b〜12dからは所定レベルL2以上の出力が検知される。また、第2の温度センシング材12bの磁束が大きく変化する温度以上で、第3の温度センシング材12cの磁束が大きく変化する温度以下になった場合には、図8に示すように、第1及び第2の温度センシング材12a,12bからの出力が大きく低下して所定レベルL2以下になる一方、第3及び第4の温度センシング材12c,12dからは所定レベルL2以上の出力が検知される。また、第3の温度センシング材12cの磁束が大きく変化する温度以上で、第4の温度センシング材12dの磁束が大きく変化する温度以下になった場合には、図9に示すように、第1〜第3の温度センシング材12a〜12cからの出力が大きく低下して所定レベルL2以下になる一方、第4の温度センシング材12dからは所定レベルL2以上の出力が検知される。さらに、第4の温度センシング材12dの磁束が大きく変化する温度以上になった場合には、図10に示すように、第1〜第4の全ての温度センシング材12a〜12dからの出力が大きく低下して所定レベルL2以下になる。なお、上記のように温度が上昇して温度センシング材12a〜12dにおける磁束が低下した場合、その後に温度が低下して、磁束が大きく変化する温度以下になった場合にも、磁束が元に戻るということはない。
このため、上記のように商品1を保管,流通させる途中の段階や、保管,流通させた後の段階等において、上記の温度センシング用部材10に設けられた各温度センシング材12a〜12dにおける磁束を測定することにより、その商品1がおかれた温度環境を簡単に検知できるようになる。
また、この実施形態においては、上記のように検知用装置20における光センサー21により各温度センシング材12a〜12dを検知するようにしているため、検知位置がずれた場合には、図11に示すように、光センサー21からの出力がなくなると共にガウスメータ22からの出力もなくなり、これにより、検知位置のずれによる検知ミスが防止されるようになる。
また、上記の検知用装置20にアンテナ回路等の通信手段(図示せず)を設けておき、上記のようにして検知した検知結果やその他の経過情報等、例えば、商品の流通経路、保管状況、測定日等を発信させ、これを温度センシング用部材10に設けられた上記の通信手段13bを介してICからなる記憶手段13aに記憶させるようにしたり、パーソナルコンピュータ等の外部の装置(図示せず)に記憶させるようにすることもできる。このようにすると、商品がおかれた温度環境などを遠隔地からもモニタリングできるようになる。
そして、上記のようにして温度センシング用部材10により商品1がおかれた温度環境を検知した後は、この温度センシング用部材10における各温度センシング材12a〜12dを再度一定方向、例えばシート基材11の垂直方向に磁化させた後、に磁化させることにより、何度もこの温度センシング用部材10を用いて温度を検知することができる。
ここで、この実施形態における温度センシング用部材10においては、温度に対して磁束の大きく変化する温度が異なる複数の温度センシング材12a〜12dを得るにあたり、それぞれ温度に対して磁束が大きく変化する温度が異なる磁性粉末を用いることを、説明の便宜のため、1参考例として示した。
実施の形態としては、温度に対して磁束の大きく変化する温度が異なる複数の温度センシング材12a〜12dとして、磁性粉末をそれぞれ融点が異なる結着材を用いて固定させたものを用いることを例示できる。なお、この場合、温度センシング材12a〜12dの磁性粉末としては、参考例と同じものを用いることができる。
ここで、このように融点が異なる結着材を用いて磁性粉末を固定させた各温度センシング材12a〜12dを上記の温度センシング用部材10に使用して温度を検知するにあたっては、一番低い融点以下の温度にして各結着材を固化させ、各温度センシング材12a〜12dにおける磁性粉末をそれぞれ結着材によって固定させ、この状態で、各温度センシング材12a〜12dにおける磁性粉末を一定方向に磁化させるようにする。
そして、この温度センシング用部材10を商品1に貼り付けて、この商品1が曝された温度を検知する場合、商品1の温度が結着材の融点を超えた温度センシング材12a〜12dにおいては、結着材が溶融し、結着材により固定されていた磁性粉末が動いてその向きが変化し、磁性粉末の磁化方向が乱れて、磁束が大幅に低下するようになる。
そして、各温度センシング材12a〜12dにおけるこのような磁束の低下の有無を、上記の実施形態に示すようにして測定することにより、上記の場合と同様に、商品1がおかれた温度環境を簡単に検知できるようになる。
また、上記のような温度センシング材12a〜12dを用いた温度センシング用部材10においても、商品1がおかれた温度環境を検知した後、各温度センシング材12a〜12dにおける各結着材を固化させて磁性粉末を固定させ、再度この磁性粉末を一定方向に磁化させることにより、何度もこの温度センシング用部材10を用いて温度を検知することができる。
ここで、上記の融点が異なる結着材としては、例えば、炭素数が異なる各種のパラフィンやワックス等を使用することができ、冷凍,冷蔵等の各種の食品からなる商品が流通過程等において曝された温度環境を検知するにあたっては、例えば、融点が−9.6℃〜36.8℃の範囲にある炭素数が12〜20のn−パラフィンを選択して用いることができる。
また、上記の磁性粉末を構成する磁性材料としては、各種の磁性材料を用いることができるが、検知しようとする温度領域における磁化の温度依存性が小さい磁性材料を用いることが好ましい。すなわち、検知しようとする温度領域における磁化の温度依存性が大きな磁性材料を用いると、結着材が溶融しなくても、温度の上昇によって磁化が不可逆的に変化して、この磁性粉末からの磁束が低下してしまい、結着材の溶融に基づく磁束の低下との区別が困難になる。このため、上記のように冷凍,冷蔵等の各種の食品からなる商品が流通過程等において曝された温度環境を検知するにあたっては、例えば、キュリー温度が400℃以上の磁性材料である、Coを含むフェライト等の酸化物磁性体や、Fe等を含む金属又は合金からなる金属磁性体等を用いるようにする
また、上記の実施形態における温度センシング用部材10において、各温度センシング材12a〜12dを識別させるために、図12に示すように、各温度センシング材12a〜12dに対応させて識別用素子15を適当に設けることも可能である。なお、同図に示す例では、温度に対して磁束の大きく変化する温度が一番低い磁性粉末を用いた第1の温度センシング材12aの前に2つの識別用素子15を設け、各温度センシング材12a〜12dの間に1つの識別用素子15を設け、温度に対して磁束の大きく変化する温度が一番高い磁性粉末を用いた第4の温度センシング材12dの後に3つの識別用素子15を設けるようにしているが、特に、配置させる識別用素子15の数等は限定されない。
ここで、上記の識別用素子15としては、例えば、上記の検知用装置20に設けられたガウスメータ22から出力される値が、各温度センシング材12a〜12dよりも高いものを用いることができる。
そして、前記のように温度センシング用部材10や検知用装置20を走査させ、上記の図に示す例では、第1の温度センシング材12aの前に設けた2つの識別用素子15からの強い出力、例えば各温度センシング材12a〜12dからの最大出力よりも高いレベル出力を検知して、温度に対して磁束の大きく変化する温度が一番低い第1の温度センシング材12aから磁束の測定を開始することを確認する。次いで、各温度センシング材12a〜12dの間に設けた識別用素子15から出力される同様の強い出力を検知して、第2〜第4の温度センシング材12b〜12dの順に磁束の測定を行うことを確認する。最後に、温度に対して磁束の大きく変化する温度が一番高い第4の温度センシング材12dの後に設けた3つの識別用素子15から出力される同様の強い出力を検知して、温度センシング用部材10における磁束の検知が終了することを確認する。
このようにすると、誤って温度センシング用部材10の逆方向から磁束を測定することや、温度センシング材12a〜12dの途中の段階から磁束を測定することも防止される。さらに、光センサー21からの出力を検知するため、例えば、誤って何れかの温度センシング材12a〜12dが欠落しても、その温度センシング材12a〜12dがなかったことを検知することができ、温度センシング材12a〜12dが欠落した場合における検知ミスも防止できる。
また、上記の識別用素子15によって各温度センシング材12a〜12dを識別するようにしているため、何番目の温度センシング材12における磁束が低下したかを自動的に検知することができ、磁束が低下した温度センシング材12に基づいて商品1がおかれた温度環境を簡単に検知できるようになる。
この発明の実施形態において用いた温度センシング用部材の平面図及び底面図である。 上記の温度センシング用部材において、シート基材の片面に4つの温度センシング材を配列させると共に、記憶手段と通信手段とが設けられたシート基材の反対側の面に粘着層を設けた状態を示した側面図である。 上記の温度センシング用部材において、記憶手段と通信手段とを各温度センシング材と同じ面に設けた変更例の平面図である。 上記の温度センシング用部材を商品に貼り付けた状態を示した概略側面図である。 同実施形態において用いた検知用装置の概略説明図である。 温度センシング用部材における各温度センシング材を磁化させた場合において、上記の検知用装置によって測定される出力状態を示した図である。 温度センシング用部材の温度が、第1の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以上で、第2の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以下になった場合において、上記の検知用装置によって測定される出力状態を示した図である。 温度センシング用部材の温度が、第2の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以上で、第3の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以下になった場合において、上記の検知用装置によって測定される出力状態を示した図である。 温度センシング用部材の温度が、第3の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以上で、第4の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以下になった場合において、上記の検知用装置によって測定される出力状態を示した図である。 温度センシング用部材の温度が、第4の温度センシング材の温度に対して磁束が大きく変化する温度以上になった場合において、上記の検知用装置によって測定される出力状態を示した図である。 上記の検知用装置によって検知する位置がずれた場合に、この検知用装置によって測定される出力状態を示した図である。 上記の温度センシング用部材において、各温度センシング材を識別させるための識別用素子を設けた変更例の平面図である。
符号の説明
1 商品
10 温度センシング用部材
11 シート基材
12,12a〜12d 温度センシング材
13 機能部材
13a 記憶手段
13b 通信手段
14 粘着層
15 識別用素子
20 検知用装置
21 第1検知素子(光センサー)
22 第2検知素子(ガウスメータ)

Claims (5)

  1. シート基材に、所定温度において磁束が大きく変化する温度センシング材と、ICからなる記憶手段と、アンテナ回路からなる通信手段とが設けられ、環境温度が所定温度に上昇したか否かをセンシングする温度センシング用部材において、
    上記温度センシング材として、所定温度において流動化する結着材により磁性材料を基材に固定化されるとともに、該温度センシング材によって測定する温度より低い温度で一定方向に磁化させたものを用いることを特徴とする温度センシング用部材。
  2. 請求項1に記載した温度センシング用部材において、
    融点が異なる前記結着材をそれぞれ用いた複数の温度センシング材を設けたことを特徴とする温度センシング用部材。
  3. 請求項1又は請求項2に記載した温度センシング用部材において、温度センシング材を識別するための識別用素子を設けたことを特徴とする温度センシング用部材。
  4. 磁束の値を検知する検知用装置により、請求項1〜請求項3の何れか1項に記載の温度センシング用部材を商品等に取り付けて流通させる途中の過程や保管時や流通後の前記温度センシング材の磁束を検知する検知工程と、
    商品等に取り付ける前の前記温度センシング材の磁束および検知工程において検知された前記温度センシング材の磁束から、前記温度センシング材の磁束の変化を感知するとともに、該温度センシング用部材が置かれた環境温度が所定温度に上昇したか否かをセンシングするセンシング工程とを有することを特徴とする温度センシング方法。
  5. 請求項4に記載の温度センシング方法において、
    前記検知用装置は、前記温度センシング用部材における前記温度センシング材の位置を検知する第1検知素子と、上記の温度センシング材における磁束を検知する第2検知素子とを備え、
    前記検知工程は、前記第1検知素子により前記温度センシング材の位置を検知すると共に、前記第2検知素子により前記温度センシング材における磁束を検知することを特徴とする温度センシング方法。
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