JP3707736B2 - 温度センサ、温度情報検出装置および温度情報検出システム - Google Patents

温度センサ、温度情報検出装置および温度情報検出システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非接触な方法で温度情報を検出する技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
包装や梱包された荷物内部の温度、衣服に覆われた部分の体温、断熱材に覆われた部材の温度等を検出する場合には、非接触で温度を検出する技術が必要とされる。この技術として、例えば特許文献1および特許文献2に記載された技術が知られている。
【0003】
特許文献1に記載された技術では、コイルと強誘電キャパシタで構成される共振回路をセンサとして使用する。この技術では、温度の測定は、センサを測定対象物に接触させた状態で、センサに別の検出装置を近づけて行う。検出装置は、センサの共振回路の共振周波数を電磁的に測定することができ、これにより非接触でセンサが検出した温度を読み取る。この構成では、センサが置かれた環境の温度によって生じる強誘電キャパシタの容量変化に応じた共振回路の共振周波数の変化を利用している。つまり、この技術では、温度変化に応じて、強誘電体の容量が変化し、さらにそれに応じて変化する共振回路の共振周波数を離れた場所から電磁的な結合を利用して測定し、非接触で温度の測定を行っている。
【0004】
特許文献2に記載されている技術も特許文献1記載の技術と同様に、コイルとキャパシタでなる共振回路の共振周波数を電磁的に測定することで、温度を測定する原理を利用している。ただし、特許文献2に記載された技術では、共振回路の共振周波数の変化要因として、コイルのコアとして用いている磁性材料の透磁率の温度依存性を利用している。
【0005】
【特許文献1】
特開平10−227702号公報
【特許文献2】
特開2001−281070号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
強誘電キャパシタを用いた従来技術には、以下に述べるような改善すべき点がある。強誘電キャパシタは、測定に際して十分に分離できる程度に離れた周波数に共振できるように、温度変化に応じた適当な容量の変化を示す材料が必要とされる。しかし、そのような材料は高価であり、そのような材料を用いたキャパシタの製造は容易ではない。特許文献1には、シリコン基板上に白金電極、SrBiTa膜、白金電極と3層に積層した構造を有するキャパシタの例が記載されている。しかし、強誘電体であるSrBiTaの薄膜(この例では厚さ2000Å)の成膜は、低コストに行える技術ではない。しかも、その原料は高コストである。このように強誘電キャパシタを感温素子として用いて、LC共振回路を構成し、その共振周波数の変化から温度を測定する技術は、実用的な性能を得ようとした場合に高コストになる。また、温度センサは、被測定物に密着させて配置することが望まれるので、容易に湾曲させることができる可とう性を有する基板上に構成されていることが望ましい。しかし、上述したSrBiTaの薄膜は、要求される程度の可とう性は示さず、可とう性を有する基板上に成膜することは困難である。さらに、上述のSrBiTa薄膜をキャパシタの誘電体として用いた技術では、共振周波数と温度との関係を予め校正により求めておかないと、温度変化は検出できるが、温度の絶対値が正確に測定できない。そしてこの校正は、センサの製品価格を押し上げる要因となる。
【0007】
また、LC共振回路のインダクタンスを構成するコイルのコアが有する透磁率の温度依存性を利用する技術には、以下のような改善すべき点がある。まず、コイルのコアに磁性体を用いる関係で、センサの小型化や薄膜化が困難である。特にコイルを立体的な形状にしなくてはならない点で不利である。また、センサを小型にするには、寸法の小さなコアを用いる必要があるが、寸法の小さなコアを用いる場合、所定のインダクタンスを確保するためには透磁率の大きな磁性体が必要となる。しかし、透磁率の大きなコアは、製品間における透磁率のばらつきが比較的大きく、また温度に対する透磁率の変化も製品間で大きくばらつく傾向がある。このことは、後述する校正を困難にする要因となり好ましくない。また、製造工程において、コアにコイルを巻く作業が必要であり、製造コストが高くなる。さらに、上述したキャパシタンスの変化を利用した従来技術と同様に、共振周波数と温度との関係を予め校正により求めておかないと、温度変化は検出できるが、温度の絶対値を正確に測定できない。前述したように、共振周波数と測定温度との関係を予め求めておく校正は、製造コストを押し上げる要因となり好ましくない。
【0008】
本発明は、上述した従来技術の改善すべき点を改善し、より低コストで精度良く温度情報の検出ができる非接触型の温度センサの提供を課題とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明を説明する前に、本明細書で使用する用語の意味について説明する。所定の温度でONまたはOFFとなる温度スイッチとは、以下の動作を行う素子をいう。(1)高温から低温へと温度が推移した場合に、ある温度においてONからOFF(またはOFFからON)になるスイッチ。(2)低温から高温へと温度が推移した場合に、ある温度においてONからOFF(またはOFFからON)になるスイッチ。つまり温度スイッチとは、温度をパラメータとして、ONからOFF、またはOFFからONへと切り替わる素子である。なお、温度スイッチとしては、(1)および(2)の要件の一方のみを満足するものでもよいし、両方を満足するものでもよい。(1)および(2)の要件の一方のみを満足する温度スイッチは、後述する不可逆特性を有する温度スイッチである。なお、ONとは、スイッチが非導通状態から導通状態にスイッチングする動作を意味する。またOFFとは、スイッチが導通状態から非導通状態にスイッチングする動作を意味する。またON状態とは、スイッチが導通の状態をいう。OFF状態とは、スイッチが非導通の状態をいう。
【0010】
誘導素子とは、所定のインダクタンスを有するインダクタのことをいう。容量素子とは、所定のキャパシタンスを有するキャパシタをいう。誘導素子としてはコイル、容量素子としてはコンデンサが挙げられる。LC共振回路とは、一つまたは複数の誘導素子と一つまたは複数の容量素子を組み合わせて構成される回路で、誘導素子のインダクタンスと容量素子のキャパシタンスで決まる共振周波数を有する回路をいう。
【0011】
以下、本発明の概略を説明する。第1の発明は、所定の温度でONまたはOFFとなる一つまたは複数の温度スイッチと、前記温度スイッチのONまたはOFFによって誘導素子または容量素子の値が切り替わるLC共振回路と、を含む温度センサである。第2の発明は、一つまたは複数の誘導素子と、一つまたは複数の容量素子と、前記誘導素子の少なくとも一つと前記容量素子の少なくとも一つとの組み合わせで構成されるLC共振回路と、所定の温度でONまたはOFFとなり、前記組み合わせを切り換える一つまたは複数の温度スイッチと、を含む温度センサである。
【0012】
第1の発明における誘導素子または容量素子の値の切り換えには、以下のような態様が挙げられる。例えば誘導素子であれば、複数の誘導素子を用意し、それらの組み合わせを切り換えることで、誘導素子の合成値を切り換える方法が挙げられる。この場合、複数の誘導素子の組み合わせが、一つの誘導素子として機能すると把握する。これらのことは、容量素子においても同様である。また、誘導素子として可変誘導素子、容量素子として可変容量素子を用い、それらの値を切り換える(あるいは可変させる)方法が挙げられる。また、誘導素子であれば、コイルのタップの位置を切り換える方法が挙げられる。また、容量素子であれば、コンデンサを構成する電極間に第3の電極を配置し、その接続を切り換えることで、容量を変化させる方法が挙げられる。またこれらの方法を複数組み合わせることで、誘導素子の値、あるいは容量素子の値を切り換える方法が挙げられる。
【0013】
これらの発明によれば、温度スイッチが置かれた環境の温度によって、温度スイッチがOFFからON、またはONからOFFになり、それによりLC共振回路を構成する誘導素子または容量素子(あるいはその両方)の値が切り替わり、LC共振回路の共振周波数が離散的に変化する。この共振周波数の離散的な変化を電磁的な結合を利用した非接触な検出方法で検出することで、温度スイッチのスイッチングの有無を知ることができる。温度スイッチのスイッチング温度は、予め分かっているので、これにより温度センサの置かれた環境の温度情報を読み取ることができる。この温度情報の読み取りは、電磁的な結合を妨げない材質であれば、それが存在していても障害にはならない。そのため、包装された荷物の内部温度の測定や、断熱材で覆われた部材の温度の測定等を簡便に行える。
【0014】
第1および第2の発明によれば、特別な生産技術を用いずに、市販されている部品を利用して低コストで非接触型の温度センサを提供できる。この温度センサは、特別な生産技術やコストの高い部品を用いずに製造できる。また、小型化あるいは薄膜化が可能である。本発明によれば、スイッチングする温度の精度が良好な市販の温度スイッチによって、温度の検出精度が決まる。従って、LC共振回路のCまたはLの値の温度依存性を利用した従来技術で必要とされる校正は必要とされない。
【0015】
なお、第1の発明には、LC共振回路の誘導素子あるいは容量素子の値を0にする構成も含まれる。この場合は、LC共振回路の共振周波数の違いを検出するのではなく、温度センサ内のLC共振回路が所定の周波数に共振している状態(第1状態)か、あるいはLC共振回路が共振状態にない状態(第2状態)か、が検出される。これは、温度センサにおいて、LC共振回路が構成された状態(第1状態)とLC共振回路が構成されない状態(第2状態)の一方を温度スイッチによって選択する構成であるともいえる。この例としては、誘導素子または容量素子としてインダクタンスの値またはキャパシタンスの値を切り換えあるいは可変できる構造のものを用い、温度スイッチによってその値を0にできる構成が挙げられる。
【0016】
また第2の発明には、LC共振回路を構成する誘導素子または容量素子を温度スイッチの機能によって、LC共振回路から切り離し可能とする構成も含まれる。つまり、「組み合わせを切り換える」という語意には、誘導素子と容量素子とで構成されるLC共振回路から、誘導素子または容量素子を切り離し、組み合わせを解除する場合も含まれるものとする。この場合、LC共振回路の共振周波数の違いを検出するのではなく、温度センサ内のLC共振回路が所定の周波数に共振している状態(第1状態)か、あるいはLC共振回路が共振状態にない状態(第2状態)か、が検出される。そして、外部から所定周波数の共振が確認できるか否かを検知することで、温度スイッチのONまたはOFFを知ることができる。
【0017】
第3の発明は、一つまたは複数の誘導素子と、一つまたは複数の容量素子と、前記誘導素子の少なくとも一つと前記容量素子の少なくとも一つとの組み合わせで構成されるLC共振回路と、所定の温度でONまたはOFFとなり、前記LC共振回路の共振状態を解除する温度スイッチと、を含む温度センサである。
【0018】
共振状態を解除するとは、LC共振回路を共振状態から共振できなくなる状態にする動作をいう。例えば、一つの誘導素子と一つの容量素子で構成されるLC共振回路において、温度スイッチによって誘導素子と容量素子とを切り離すことは、共振状態の解除の一例である。この場合、温度スイッチがON状態からOFF状態に変化することで、誘導素子と容量素子との切り離しが行われ、所定周波数での共振状態から、LC共振回路としての共振を行えない状態への切り換えが行われる。
【0019】
また例えば、一つの誘導素子と一つの容量素子で構成されるLC共振回路において、誘導素子の端子間または容量素子の端子間に温度スイッチを接続し、温度スイッチをOFF状態からON状態に変化させることで、誘導素子および容量素子をショートさせるのは、共振状態の解除のその他の一例である。この場合、誘導素子および容量素子がショートされることで、LC共振回路として機能しなくなり、共振状態が解除される。
【0020】
第3の発明の場合、LC共振回路の共振周波数の違いを検出するのではなく、温度センサ内のLC共振回路が所定の周波数に共振している状態(第1状態)か、あるいはLC共振回路が共振状態にない状態(第2状態)か、が検出される。そして、外部から所定周波数の共振が確認できるか否かを検知することで、温度スイッチのONまたはOFFを知ることができる。
【0021】
第4の発明は、第1または2の発明において、複数の温度スイッチとして、ONまたはOFFとなる設定温度が異なる温度スイッチを含むことを特徴とする。第4の発明によれば、スイッチングが行われる段階を複数段階に設定できる。また、温度スイッチとして不可逆特性を有する素子を用いた場合に、温度変化の履歴を複数段階記憶させることができる。
【0022】
第5の発明は、第1〜第4の発明の何れか一つにおいて、温度スイッチが不可逆特性を有することを特徴とする。不可逆特性とは、一旦OFFからONにスイッチングしたらON状態に固定され、温度が変化してもその後はOFFにならない特性、または一旦ONからOFFにスイッチングしたらOFF状態に固定され、温度が変化してもその後はONにならない特性をいう。第5の発明によれば、簡単な構造でありながら、温度変化の履歴を後から読み出すことができる。つまり、半導体メモリ等を用いずに、温度変化の履歴をセンサ自体に記憶させた構成を得ることができる。
【0023】
第6の発明は、第1〜第5の発明の何れか一つにおいて、誘導素子は、絶縁基板上の導体パターンによって構成され、容量素子は、前記絶縁基板の一方の面および他方の面に形成された導体パターンでなる一対の電極と、前記一対の電極間の前記絶縁基板を利用した誘電体とによって構成されることを特徴とする。第5の発明によれば、プリント基板を用いて簡便に低コストで薄型の温度センサを構成することができる。
【0024】
絶縁基板として、湾曲させることができる可とう性絶縁材料を用いることは好ましい。可とう性絶縁材料で基板を構成することで、フレキシブルな構造を有する温度センサが実現できる。フレキシブルな温度センサは、実際の使用において、温度センサを被検出対象に密着して配置でき、装着性や温度の検出精度を高くできる。この優位性は、被検出対象(センシング対象)がパイプ等の曲面である場合に顕著となる。可とう性絶縁材料としては、ポリイミドを用いることができる。
【0025】
本発明は、所定の温度でONまたはOFFとなる一つまたは複数の温度スイッチと、前記温度スイッチのONまたはOFFによって誘導素子または容量素子の値が切り替わるLC共振回路と、を含む温度センサから温度情報を読み取る検出装置であって、前記LC共振回路の共振周波数を検出する手段と、前記共振周波数に対応した温度情報を出力する手段と、を含む温度情報検出装置として把握することもできる。また、所定の温度でONまたはOFFとなる一つまたは複数の温度スイッチと、前記温度スイッチのONまたはOFFによって誘導素子または容量素子の値が切り替わるLC共振回路と、前記LC共振回路の共振周波数を検出する手段と、前記共振周波数に対応した温度情報を出力する手段と、含む温度情報検出システムとして把握することもできる。またこれらの発明において、LC共振回路として、温度スイッチのONまたはOFFによって、LC共振回路の共振状態の解除が行われる構成を採用してもよい。
【0026】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。ただし、本発明は多くの異なる態様で実施することが可能であり、本実施の形態の記載内容に限定して解釈すべきではない。なお、実施の形態の全体を通して同じ要素には同じ番号を付するものとする。
【0027】
図1は、本発明の温度センサの一例を示す回路図である。図1に例示する温度センサ100は、誘導素子であるコイル101、容量素子であるコンデンサ102とコンデンサ103、温度スイッチ104で構成されている。ここでは、最低限な構成を例示するが、他に素子を付加することを制限するものではない。
【0028】
以下、温度センサ100の基本的な動作の概略を説明する。温度スイッチ104がOFF状態の場合、コンデンサ103はLC共振回路から切り離されるので、コイル101とコンデンサ102とでLC共振回路が構成される。この場合、温度センサ100のLC共振回路の示す共振周波数fは、下記数1となる。
【0029】
【数1】
=(2π(L / −1
【0030】
数1において、Lはコイル101のインダクタンス値、Cはコンデンサ102のキャパシタンス値を示す。
【0031】
温度スイッチ104がON状態の場合、コンデンサ102とコンデンサ103とが並列接続される。よって、温度センサ100のLC共振回路の共鳴周波数fは、Cをコンデンサ103のキャパシタンス値として、下記数2で示される値となる。
【0032】
【数2】
=(2π(L(C+C)) / −1
【0033】
この回路では、温度スイッチ104のON/OFFの切り替わりによって、LC共振回路を構成する容量素子が切り換えられ、それによりLC共振回路の共振周波数が離散的に変化する。つまり、温度の変化を温度スイッチが検出し、共振回路の共振周波数fが別の共振周波数fに変化する。C≪Cでなければ、fとfを十分に離れた値にできるので、温度の違いを高い精度で検出できる。なお以上の説明では、配線のインダクタンスや容量は無視できるものとしている。配線のインダクタンスや容量が無視できない場合には、その値を上述した数1や数2に組み入れればよい。
【0034】
次に温度センサ100を構成する各素子の例について、説明を加える。図2は、本発明の温度センサの一例を示す模式図である。図2に例示する温度センサは、図1に例示する回路を有している。図2(A)は断面図である。図2(B)は斜め上方から見た斜視図である。図2(C)は斜め下方から見た斜視図である。
【0035】
図2に例示する温度センサ100は、ポリイミドでなるフレキシブル絶縁基板112を利用して構成されている。絶縁基板112の一方の面(仮に上面という)には、コイル形状の導体パターン111、電極113、電極114が形成され、さらに温度スイッチ104が配置されている。導体パターン111、電極113および電極114は、導体プリントパターンで構成されている。温度スイッチ104は半田付けによって回路パターンに接続および固定されている。基板112の他方の面(仮に下面という)には、電極115、電極116および配線パターン117が形成されている。これらも、導体プリントパターンで構成されている。
【0036】
導体パターン111は、渦巻き形状に形成されることで、インダクタンスLを有するコイル101を構成している。なお、このような渦巻き状のコイルはスパイダーコイルといわれることもある。電極113と電極115、およびその間の絶縁基板112によってコンデンサ102が構成されている。また電極114と電極116、およびその間の絶縁基板112によってコンデンサ103が構成されている。
【0037】
温度スイッチ104としては、キュリー点を−10℃〜130℃程度の範囲内に調整した感温フェライトを用いた温度スイッチを用いることができる。この温度スイッチは、キュリー点で磁性の性質が急激に変化する現象を利用し、小型リードリレーのON/OFFを制御するスイッチの構造を有する。この温度スイッチとしては、例えばTDK株式会社から感温センサとして市販されているTRシリーズを利用できる。また、このような温度スイッチにおいて、一端切り替わったリードリレーの接点が固定される構造とすると、不可逆特性を有する温度スイッチとできる。温度スイッチの他の形態としては、各種のサーモスタットを利用できる。サーモスタットとしては、温度によるバイメタルの変形を利用した構造が挙げられる。また、バイメタルを用いたサーモスタットの中には、一旦接点が移動し、ONからOFFあるいはOFFからONにスイッチングしたら、接点が固定され、その後の温度変化には反応せず、ONまたはOFFの状態が固定されるタイプがある。このタイプの温度スイッチは、不可逆特性を有する温度スイッチとして使用することができる。温度スイッチの動作形態には、温度を上げていった場合(または下げていった場合)に、所定の温度でONからOFFになるスイッチングを行う動作形態と、逆にOFFからONになる動作形態のものとがある。この動作形態は、実施態様に合わせて適宜選択すればよい。
【0038】
図1に等価回路を、図2にその構造を例示する温度センサ100は、温度スイッチ104の設定温度で温度スイッチ104がON(またはOFF)となり、LC共振回路の共振周波数がある値からより低い周波数の別のある値へと離散的に変化する。この動作に電源は必要とされない。この共振周波数の変化を次に説明する温度情報検出装置で検出することで、温度センサ100が置かれた環境の温度情報を知ることができる。なお、温度情報というのは、温度の値に関する情報、所定温度以上(あるいは以下)の温度であるか否かの情報、過去の温度履歴に関する情報、といった概念を含む語意として用いている。
【0039】
次に温度センサ100が検出した温度の情報を温度センサ100から読み出す温度情報検出装置の一例を説明する。図3(A)は、温度情報検出装置の一例の構成を示すブロック図である。図3(A)において、温度情報検出装置120は、検出コイル121、発振回路122、発振電圧検出回路123および出力回路124を備えている。発振回路122は、LC共振回路を利用した発振回路である。発振回路122としては、LC共振回路と発振を行わせるためのアクティブ素子(一般にトランジスタまたはFETが用いられる)とを組み合わせた構成を基本とした回路が採用できる。検出コイル121は、被測定対象である温度センサのLC共振回路の誘導素子と電磁的に結合するためのリンクコイルとして機能する。検出コイル121は、発振回路122を構成する発振用LC発振回路の誘導素子の一部または全部を兼用する構造であってもよいし、それとは別に配置してあってもよい。
【0040】
発振電圧検出回路123は、発振回路122を構成する発振用LC共振回路の共振電圧を検出する。出力回路124は、予め求めておいた発振電圧検出回路123が検出した電圧と、被計測周波数(温度センサのLC共振回路の共振周波数)との関係に基づき、温度センサが検出した温度に関する情報を出力する。この温度に関する情報の出力は、電気信号による出力、数字の表示やランプ等の視覚情報の出力、または所定の音による出力といった形態が採用できる。こうして、温度情報検出装置120は、温度センサ100で検出した温度情報を温度センサ100から読み取る。発振回路122の発振周波数は、予め定めておいた周波数を発振できるようにする構成が簡単であり低コストである。しかし、発振回路122を構成するLC発振回路の容量素子に可変容量ダイオード等を用い、発振周波数を連続的に可変可能とし、発振周波数をスイープ可能とする方式としてもよい。
【0041】
次に温度情報検出装置120の使用法の一例を説明する。図4は、温度情報検出装置120の使用方法を例示する図である。ここでは、温度スイッチ104のOFF状態における共振周波数fと、温度スイッチ104のON状態による共振周波数fとが予め判明しているとする。この場合、温度情報検出回路120内の発振回路には、周波数fまたはfを発振する機能が必要とされる。
【0042】
温度センサ100のLC共振回路の共振周波数を測定するには、温度情報検出装置120の検出コイル121を温度センサ100のコイル101に近づけ、検出コイル121とコイル101とが電磁的に結合する状態とする。近づける距離は、発振出力によるが、数cm程度以下とする。この際、検出コイル121とコイル101との軸方向が同じ方向になるようにすると、検出感度を高くできる。
【0043】
測定に当たっては、温度情報検出装置120をコイル101に近づけた状態で、温度情報検出装置120内の発振回路を動作させる。温度センサ100の共振回路の共振周波数がfである場合に、温度情報検出装置120で周波数fが発振されると、検出コイル121とコイル101とが電磁的に結合し、発生した発振電力の一部が検出コイル121からコイル101に吸収される。これは、同じ共振周波数を有したLC共振回路同士の電磁的な結合として説明される。温度センサ100側のLC共振回路には、少なからず抵抗分が存在するので、吸収された発振電力が温度センサ100側のLC共振回路で消費される。この現象を反映して、温度情報検出装置120内の発振回路の発振電圧が低下するので、それを検出し、適当な情報信号として温度情報検出装置120から出力する。これにより、温度センサ100側のLC共振回路の共振周波数、あるいは所定周波数での共振の有無が判別される。温度情報検出装置120内の発振回路の発振周波数と温度センサ100のLC共振回路の共振周波数とが異なっている場合には、LC共振回路同士の結合は起こらず、従って発振電圧は低下しない。このようにして、温度センサ100のLC共振回路の共振周波数fまたはfが温度情報検出装置120を用いて非接触な方法で検出される。この原理を利用することで、温度センサ100のLC共振回路が周波数fに共振しているのか、あるいはfに共振しているのかを、温度情報検出装置120を用いて知ることができる。そして、fあるいはfに対応した温度状態を読み取ることができる。
【0044】
図3(B)は、図3(A)に例示する温度情報検出装置120の回路の一例である。なお、図3(A)に例示する温度情報検出装置120の回路は、図3(B)に例示する回路に限定されるものではない。以下、図3(B)に例示する温度情報検出装置120の回路について説明する。図3(B)に例示する温度情報検出装置は、大きく3ブロックに分けられる。第1のブロックは発振回路122である。第2のブロックは発振電圧検出回路123である。第3のブロックは温度情報の出力回路124である。これら図3(B)に例示する各回路ブロックは、図3(A)に例示するブロック図に対応している。
【0045】
発振回路122は、発振用LC共振回路と発振を起こすためのアクティブ素子であるFET152とで構成される。発振用LC共振回路は、検出コイル121とコンデンサCおよびCの合成容量151とで構成される。この例では、検出コイル121は、発振用LC共振回路の誘導素子を兼ねている。電源スイッチ154をONにすると、FET152が動作し、検出コイル121のインダクタンス値と合成容量151のキャパシタンス値とで決まる共振周波数での発振が発生する。発振電圧のレベルは、バイアス調整回路153で調整される。
【0046】
発振電圧検出回路123は、整流回路155、オペアンプ156、バイアス調整回路157を備えている。整流回路155は、発振回路150の発振電圧をFET152のゲート電極に加わる信号から受け取り、それを整流して直流電位とし、オペアンプ156の反転入力端子(−入力端子)に入力する。発振回路122の発振電圧のレベル(正確には整流回路155で整流された直流電位)がバイアス調整回路157によって決まる所定の設定レベルを超える値である場合、オペアンプ156の反転入力端子に加わる電位は、非反転入力端子(+入力端子)より高い電位となる。この場合、オペアンプ156の出力電位は、ローレベルな電位(アース電位)となる。逆に、発振回路150の発振電圧が所定値に達しない場合、オペアンプ156の反転入力端子の電位は非反転入力端子の電位より低くなり、オペアンプ156の出力電位はハイレベルな電位(電源電位)となる。
【0047】
温度情報の出力回路124は、バイポーラトランジスタ159と発光ダイオード160を備える。トランジスタ159は、オペアンプ156の出力がローレベルな電位である場合、ONにならず、オペアンプ156の出力がハイレベルな電位である場合、ONになる特性のものが選択される。従って、発振回路150の発振電圧がバイアス回路157で決定される所定の設定レベルを超える値である場合、トランジスタ150はONにならない。この場合、発光ダイオード160には電流は流れず発光しない。逆に、発振回路150の発振電圧が所定の設定レベルを下回る値である場合、オペアンプ156の出力電位がハイレベルな電位となり、トランジスタ159はONになる。この場合、発光ダイオード160が発光する。
【0048】
以下、図3(B)に例示する回路全体の動作の一例を説明する。図4は、温度情報検出装置120の使用方法を例示する図である。例えば図4に例示するように、検出コイル121を温度センサ100のコイル101に近づける。そして、電源スイッチ154をONにして、発振回路122で所定の周波数の発振を開始させる。この際の発振周波数と温度センサ100のLC共振回路の共振周波数とが一致する場合、一致しない場合に比較して発振回路150の発振電圧が低下する。これは、発振回路150で発生した発振電力が温度センサ100のLC共振回路に吸収されるからである。この発振電圧の低下は、発振電圧検出回路123で検出され、オペアンプ156の反転入力端子に入力される。この場合、反転入力端子の電位が所定レベル(非反転入力端子の電位)より小さくなるので、オペアンプ156は、ハイレベルな電位を出力する。そしてトランジスタ159がONになり発光ダイオード160が発光する。
【0049】
仮に、検出コイル121を近づけた温度センサ100の共振回路の共振周波数が発振回路150の発振周波数と異なっている場合、発振回路150が温度センサ100のLC共振回路と電磁的に結合しないので、その発振電圧は低下せず、発振電圧は所定レベル以上を維持する。従って、オペアンプ156の反転入力端子の電圧は、非反転入力端子の電圧より大きく、オペアンプ156の出力はローレベルとなる。この場合、トランジスタ159はONにならず、発光ダイオード160は発光しない。
【0050】
つまり、この例の場合、発振回路150で発生する信号の周波数に、温度センサ100の共振回路の共振周波数が一致していれば、発光ダイオード160が発光し、そうでなければ発光ダイオード160は発光しない。図1に関する説明から明らかなように、温度センサ100のLC共振回路の共振周波数は2つあり、そのどちらか一方が、温度スイッチ104のスイッチングにより選択される。従って、温度センサ100におけるLC共振回路の2つある共振周波数の一方と、発振回路150の発振周波数とが一致するようにしておけば、発光ダイオード160の発光の有無によって、温度スイッチ104のON状態またはOFF状態を知ることができる。つまり、温度センサ100が検知した温度情報を発光ダイオード160の発光の有無で知ることができる。
【0051】
ここでは、ディップメータの原理として知られているLC共振回路同士の電磁的な結合を利用した古典的な周波数検出を原理とした温度情報検出装置の例を説明した。しかし、温度センサの共振回路の共振周波数が非接触な方法で計測できる技術であれば、他の技術を採用してもよい。
【0052】
次に、実際に非接触な方法で温度情報の検出を行う具体的な例を説明する。ここでは、温水配管を流れる温水の温度が、所定の温度以上であるか否かを測定する場合の例を説明する。図5は、本発明の温度センサを用いて温度測定する場合の一例を示す模式図である。図5には、金属製の配管141、配管141の周囲を覆う断熱材143、配管141に接触させて配置した温度センサ100、温度センサ100に近づけた温度情報検出装置120が示されている。ここで、温度情報検出装置120によって、温度センサ100で検出した温度情報が非接触(つまり、配管141に直接触れることなく)読み取られる。また、温度センサ100は、図1および図2に例示した構成のものを用いるものとする。
【0053】
この例では、40℃以上の状態でON状態となり、40℃未満の状態でOFF状態となる温度スイッチ104を用いる。また配管141内部142には、温水が流れているものとする。また、コイル101のインダクタンスが3μH、コンデンサ102とコンデンサ103のキャパシタンスが共に100pFであるとする。この場合、温度スイッチ104がOFFの状態において、コイル101とコンデンサ102とでLC共振回路が構成され、その共振周波数fは、約9.2MHzとなる。また、温度スイッチ104がONの状態において、コイル101と2つのコンデンサ102および103とでLC共振回路が構成され、その共振周波数fは、約6.5MHzとなる。
【0054】
また、温度情報検出装置120は、図3(B)に例示する回路を有し、スイッチ154をONにすることで、6.5MHzの発振を行う。そして、温度情報検出装置120は、6.5MHzの発振に対する反応があった場合(つまり発振電圧の低下があった場合)、それを発振電圧検出回路123で検出し、出力回路124は、発光ダイオード160を発光させる。
【0055】
温度情報の検出は以下のようにして行う。まず、配管141と断熱材143との隙間に温度センサ100を予め配置しておく。これは配管工事の際に行えば良い。そして、図5に例示するように温度情報検出装置120の検出コイルを温度センサ100に近づけた状態で、温度情報検出装置120の電源スイッチ154(図3(B)参照)をONにし、発振回路122において6.5MHzの発振を行わせる。配管141の温度が40℃未満であれば、温度スイッチ104はOFF(つまり非導通)であるので、温度センサ100のLC共振回路における共振周波数は約9.2MHzとなる。発振回路122の発振周波数は6.5MHzであるので、この場合、発振回路122と温度センサ100のLC共振回路とは電磁的に結合せず、発振回路122から発振された6.5MHzの発振電力は、温度センサ100側に吸収されない。従って発振回路122の発振電圧は低下せず、発光ダイオード160は発光しない。
【0056】
他方、配管141の温度が40℃以上であれば、温度スイッチ104はON(つまり導通)であるので、温度センサ100のLC共振回路における共振周波数は約6.5MHzとなる。この場合、発振回路122の発振周波数と温度センサ100のLC共振回路の共振周波数とが一致するので、検出コイル121を介した両共振回路の電磁的な結合が行われ、発振回路122から発振された6.5MHzの発振電力は、温度センサ100側に吸収される。従って発振回路122の発振電圧は低下し、発光ダイオード160は発光する。この発光ダイオード160の発光により、配管141の温度が40℃以上であることが判明する。他方、発光ダイオード160が発光しなければ、配管141の温度は40℃未満であることが判明する。
【0057】
こうして、断熱材143が間に存在していても、非接触で配管141の温度が40℃以上であるか否かを、極めて簡単に検知できる。温度センサ100は、電源を必要としない受動装置であるので、電源容量の問題は発生しない。また、断熱材に孔を形成する、あるいは断熱材の内部にプローブを挿入する等の面倒な作業は必要とせずに、極めて簡単に作業を行うことができる。また、温度センサ100を構成する部材や素子は、低コストで入手でき、また温度センサ100の製作も極めて簡単であるという低コスト性の優位性がある。また温度センサは、その製造工程において面倒な校正作業を必要としない。
【0058】
上述の例では、2つの温度状態しか区別して検出できないが、図1の回路において、容量102のLC共振回路への接続および非接続を切り換える温度スイッチを更に配置すれば、3つの温度状態を区別して検出できる。つまり、温度情報検出装置120側で、6.5MHzに反応する(第1温度状態)、9.2MHzに反応する(第2温度状態)、共振状態が検出されない(第3温度状態)を判別できる。この場合、第3温度状態では、LC共振回路が構成されず、共振状態が得られない現象を利用している。なお、この場合は、温度情報検出装置120に、6.5MHzと9.2MHzの両方を発振できる能力が必要となる。
【0059】
なお、図1に例示する回路をより簡単にした構成として、コンデンサ102を取り払い、コイル101、コンデンサ103および温度スイッチ104でなる構成が挙げられる。この場合、温度スイッチ104のONでLC共振回路が構成されて所定の周波数での共振状態(第1状態)が得られる。他方、温度スイッチ104がOFFになると、コイル101とコンデンサ103とが切り離され、LC共振回路が構成されなくなるので、共振状態が得られない状態(第2状態)が得られる。この2つの状態のどちらかであるかを温度情報検出装置120で検出することで、温度スイッチ104のON状態またはOFF状態を知ることができ、それにより温度スイッチ104が検出した温度情報を得ることができる。
【0060】
また、図1に例示する回路をより簡単にした他の構成として、コンデンサ103をショートさせた構成が挙げられる。この場合、温度スイッチ104がONになることで、コイル101とコンデンサ102が共にショートされ、LC共振回路として機能しなくなる。つまり、LC共振回路は、温度スイッチ104のONにより、共振状態から非共振状態(共振できない状態)へと変化する。この動作は、温度スイッチ104がOFF状態からON状態へと切り替わることで、コイル101とコンデンサ102とでなるLC共振回路がショートし、その共振状態が解除される動作といえる。そして、温度情報検出装置によって、温度センサのLC共振回路が共振状態か否かを検出することで、温度スイッチのON状態またはOFF状態を知ることができる。
【0061】
次に、図1に例示した回路の応用例を説明する。図6は、本発明の温度センサのその他の一例を示す回路図である。図6に例示する回路では、図1に例示する回路にさらに温度スイッチ105とコンデンサ106とを追加している。この構成では、温度スイッチ104と105のスイッチング温度を異ならせることで、コンデンサ103のON/OFFに加えて、コンデンサ106のON/OFFを行い、3通りの共振周波数を選択できる。
【0062】
図7は、本発明の温度センサのその他の一例を示す回路図である。図7(a)に例示する回路は、図1に例示する回路のようにコンデンサを切り換えるのではなく、コイルのタップ位置を変更することで、LC共振回路のインダクタンスを切り換え、それにより共振周波数を切り換える例である。図7(b)は、図7(a)の等価回路である。図7(a)の構成は、図7(b)に示すように、2つのコイルを用い、一方のコイルをLC共振回路から切り離すか否かを温度スイッチ107で選択する構成であると理解することもできる。図8は、本発明の温度センサのその他の一例を示す回路図である。図8に例示する回路は、図7に例示する回路において、さらにコイルのタップ位置を追加し、温度スイッチ109によって、更に細かく温度状態の検出を行えるにした例である。
【0063】
図9は、図7(A)に例示する回路を採用した温度センサの構造の一例を示す模式図である。図9(A)は断面図であり、図9(B)は斜め上方から見た斜視図であり、図9(C)斜め下方から見た斜視図である。図9(B)に例示されているように、コイル101を構成する渦巻きパターンの配線111の中間部分に温度スイッチ104のリードの一端が接続され、図7(A)に例示する回路構成を実現している。
【0064】
図7および図8に例示したように、本発明の温度センサでは、LC共振回路のインダクタンスを切り換えることで、共振周波数を切り換える構成を採用してもよい。勿論、コイルのタップの切り換えではなく、複数のコイルを用意し、コイルの切り換え(あるいは複数あるコイルの組み合わせの切り換え)を行うようにしても良い。また、図示しないが、インダクタンスの切り換えとキャパシタンスの切り換えとを組み合わせてもよい。また、図示しないが、容量素子として、1つのコンデンサ構造において、容量が切り替わるような構成を採用してもよい。例えば、一対の電極とその間の誘電体でなるコンデンサ構造において、電極間に第3の電極を挿入配置し、この電極の接続を温度スイッチによって切り換える構造とすることで、コンデンサの容量を温度スイッチのスイッチングによって切り換える構成としてもよい。この構成を採用することで、複数用意されたコンデンサの組み合わせるのではなく、構造上コンデンサの容量を切り換えることができる容量素子が実現される。
【0065】
次に不可逆的特性を有する温度スイッチを用いた例を説明する。ここでは、図6の回路例において、温度スイッチ104および105として、温度が所定温度以上となると、ONからOFFにスイッチングし、しかもそのスイッチング特性が不可逆的である温度スイッチを用いた一例を説明する。なお、このような温度スイッチとして、バイメタルを用い、設定温度で接点が移動してOFFからONに移行し、さらにON状態になったら、接点が固定され、元に戻らない構造のサーモスタットを用いることができる。このような温度スイッチは、市販されており、広範なスイッチング温度のものがラインナップされている。
【0066】
例えば、物品の輸送において、輸送中におけるその物品の置かれた環境温度履歴を知りたい場合がある。このような例として、果物等の生鮮食品や薬品を輸送する場合等の物流管理が挙げられる。コストや手間を問題にしないならば、リアルタイムに温度変化を記憶する電子装置を各物品に取りつけ、輸送後に各電子装置に記憶されたデータを回収し処理すればよい。しかし、あらゆる物流コストの低減は最重要課題であり、そのような手間とコストのかかる方法は実用的ではない。このような例において、本発明を利用すると、低コストで上述した要求に答えることができる。
【0067】
以下、一例を挙げて説明する。この例示では、図6に例示する構成において、第1の温度スイッチ104および第2の温度スイッチ105として、不可逆的なスイッチングをする温度スイッチを用いる。温度スイッチのスイッチングは、温度が上昇し、所定の温度に達した段階でOFFからONに切り替わる動作形態のものを用いる。また、スイッチング温度として、例えば第1の温度スイッチ104のスイッチング温度が7℃、第2の温度スイッチ105のスイッチング温度が20℃の温度スイッチを用いる。そして、共振回路の共振周波数を、温度スイッチ104と105がOFFの場合は12.0MHz、温度スイッチ104がONで温度スイッチ105がOFFである場合に8.0MHz、温度スイッチ104と105が共にONの場合は4.0MHzとなるように誘導素子と容量素子の値を設定する。
【0068】
実施に当たっては、物品の輸送の前に図6に例示する回路の温度センサを輸送する物品に近接して(可能であれば接触させて)配置しておく。この時、物品が包装や梱包されており、温度センサが包装や梱包によって覆われていてもよい。ただし、温度センサは、外部から電磁的な結合ができる環境に配置されていることが必要である。例えば、電磁的にシールドされた中に温度センサを配置することは好ましくない。
【0069】
この例の場合における温度センサ(図6例示の温度センサ)の動作について説明する。荷物に近接して配置された温度センサは、荷物と一緒に輸送される。この輸送の途中において、荷物の温度(正確には近接配置された温度センサの環境温度)が7℃未満であれば、温度スイッチ104および105はOFF状態のままであるから、LC共振回路の共振周波数12.0MHzを維持する。この場合、温度センサのLC共振回路の共振周波数は、輸送を終えた段階でも12.0MHzである。
【0070】
また、輸送の途中において、荷物の最高温度(正確には近接配置された温度センサの環境温度)が15℃になった場合、温度スイッチ104はONとなるが、温度スイッチ105はOFFのままである。この場合、温度センサのLC共振回路は8.0MHzに共振する。そして、その後に環境の温度が仮に15℃未満に低下しても、温度スイッチ104はその不可逆特性からOFFとはならずON状態を維持する。従って、温度センサのLC共振回路の共振周波数は、温度センサ付近の温度が15℃になった以後も、温度変化に関係なく8.0MHzを維持する。
【0071】
また、輸送の途中において、荷物の最高温度(正確には近接配置された温度センサの環境温度)が30℃になった場合、温度スイッチ104および105はONとなる。この場合、温度センサのLC共振回路の共振周波数は、4.0MHzとなる。そして、その後に温度変化に関係なく、温度スイッチ104と105は、ON状態を維持する。従って、温度センサのLC共振回路の共振周波数は、温度センサ付近の温度が30℃になった以後、環境の温度に関係なく4.0MHzを維持する。
【0072】
物品の輸送が目的地あるいは中継地点に到着した段階で、図4に例示する温度情報検出装置によって温度履歴を読み取る。この読み取りは、温度センサのLC共振回路に温度情報検出装置の検出コイルを近づけ、両者を電磁的に結合させることで行う。この例の場合、温度情報検出装置が読み取る温度センサの共振周波数は、4.0MHz、8.0MHz、12.0MHzの3種類である。温度情報検出装置は、この中の2種類の周波数を発振できればよい。
【0073】
この例の場合、温度情報検出装置で読み取られた周波数が12.0MHzであれば、その温度センサが配置された物品は、物流過程において、7℃以上の温度にならなかったことが判明する。つまり、温度スイッチ104がOFFからONに変化していないので、温度スイッチ104が7℃以上の温度にならなかったことが分かる。なおこの場合、当然のことながら、温度スイッチ105はONにならない。
【0074】
温度情報検出装置によって読み出された周波数が8.0MHzであれば、その温度センサが配置された物品は、物流過程において、7℃以上にはなったが20℃以上にはならなかったことが判明する。読み出された周波数が4.0MHzであれば、そのセンサが配置された物品は、物流過程において、20℃以上になってしまったことが判明する。
【0075】
こうして、物流過程における温度履歴を非接触な計測方法によって知ることができる。温度情報検出装置による温度センサからの温度情報の検出は、包装あるいは梱包された物品に対して外部から非接触で行うことができる。また、電磁的な結合による方法なので、検出も一瞬にして行える。従って、例えばベルトコンベア上で移動する荷物の内部温度履歴を検出し、物流管理に役立てるような利用法を低コストで実現することができる。
【0076】
ここで説明した例を利用すれば、包装や梱包された物品の輸送途中における温度環境の変化を極めて簡単に知ることが可能なシステムが実現できる。ここでは、具体的な一例を挙げて説明を行ったが、パラメータの設定値や設定段階(温度スイッチの数)に関しては、実施態様に合わせて適宜変更することができる。このシステムは、生鮮食品や薬品に限らず、温度変化の影響を受けやすい対象に広く適用することができる。また、ここで例示した構成の原理は、例示した物流管理への適用以外に所定の環境の温度変化履歴を簡便に知るための非接触型温度センサに適用することもできる。
【0077】
ここでは、不可逆的なスイッチングをする温度スイッチとして、温度が上昇してゆく過程において、所定の温度に達した段階でOFF状態からON状態に変化する動作形態のものを例示した。しかし、温度が上昇してゆく過程において、所定の温度に達した段階でOFF状態からON状態に変化する動作形態のものを用いてもよい。これらの動作形態は、実施態様に合わせて適宜選択できる。また、上述した例示において、不可逆的なスイッチングをする温度スイッチの代わりに、可逆的なスイッチングをする温度スイッチを用いることもできる。この場合、検出時における荷物の温度を検出できる。
【0078】
以上本発明を実施の形態に基づき具体的に説明したが、本発明は前記実施の形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で変更することが可能である。
【0079】
【発明の効果】
本願で開示される発明のうち、代表的なものによって得られる効果は、以下の通りである。すなわち、本発明により低コストで精度良く温度情報の検出ができる非接触型の温度センサが提供される。またそのシステムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の温度センサの一例を示す回路図である。
【図2】 本発明の温度センサが有する構造の一例を示す模式図である。
【図3】 温度情報検出装置の構成を示すブロック図および回路図の一例である。
【図4】 温度情報検出装置の使用方法を例示する図である。
【図5】 本発明の温度センサを用いて温度情報の検出を行う場合の一例を示す模式図である。
【図6】 本発明の温度センサのその他の一例を示す回路図である。
【図7】 本発明の温度センサのその他の一例を示す回路図である。
【図8】 本発明の温度センサのその他の一例を示す回路図である。
【図9】 本発明の温度センサが有する構造のその他の一例を示す模式図である。
【符号の説明】
100…温度センサ、101…コイル、102…コンデンサ、103…コンデンサ、104…温度スイッチ、105…温度スイッチ、106…コンデンサ、107…温度スイッチ、109…温度スイッチ、111…導体パターン、112…絶縁基板、113…電極、114…電極、115…電極、116…電極、117…配線パターン、120…温度情報検出装置、121…検出コイル、122…発振回路、123…発振電圧検出回路、124…出力回路、141…配管、142…配管141の内部、143…断熱材、151…キャパシタ、152…FET、153…バイアス回路、154…電源スイッチ、155…整流回路、156…オペアンプ、157…バイアス回路、159…トランジスタ、160…LED(発光ダイオード)。

Claims (11)

  1. 所定の温度でONまたはOFFとなる一つまたは複数の温度スイッチと、
    前記温度スイッチのONまたはOFFによって誘導素子または容量素子の値が切り替わるLC共振回路と、
    を含む温度センサ。
  2. 一つまたは複数の誘導素子と、
    一つまたは複数の容量素子と、
    前記誘導素子の少なくとも一つと前記容量素子の少なくとも一つとの組み合わせで構成されるLC共振回路と、
    所定の温度でONまたはOFFとなり、前記組み合わせを切り換える一つまたは複数の温度スイッチと、
    を含む温度センサ。
  3. 前記複数の温度スイッチとして、ONまたはOFFとなる設定温度が異なる温度スイッチを含む請求項1または2に記載の温度センサ。
  4. 前記温度スイッチが不可逆特性を有する請求項1〜何れか一項に記載の温度センサ。
  5. 前記誘導素子は、絶縁基板上の導体パターンによって構成され、
    前記容量素子は、前記絶縁基板の一方の面および他方の面に形成された導体パターンでなる一対の電極と、前記一対の電極間の前記絶縁基板を利用した誘電体とによって構成される請求項1〜何れか一項に記載の温度センサ。
  6. 前記絶縁基板が可とう性絶縁材料である請求項に記載の温度センサ。
  7. 前記可とう性絶縁材料がポリイミドである請求項記載の温度センサ。
  8. 所定の温度でONまたはOFFとなる一つまたは複数の温度スイッチと、前記温度スイッチのONまたはOFFによって誘導素子または容量素子の値が切り替わるLC共振回路と、を含む温度センサから温度情報を読み取る検出装置であって、
    前記LC共振回路の共振周波数を検出する手段と、
    前記共振周波数に対応した温度情報を出力する手段と、
    を含む温度情報検出装置。
  9. 前記共振周波数を検出する手段は、
    発振用LC共振回路を含む発振回路と、
    前記発振用LC共振回路と前記温度センサのLC共振回路とを電磁的に結合させるためのリンクコイルと、
    前記発振回路の発振電圧を検出する発振電圧検出回路と、
    を含むことを特徴とする請求項記載の温度情報検出装置。
  10. 所定の温度でONまたはOFFとなる一つまたは複数の温度スイッチと、
    前記温度スイッチのONまたはOFFによって誘導素子または容量素子の値が切り替わる第1LC共振回路と、
    前記第1LC共振回路の共振周波数を検出する手段と、
    前記共振周波数に対応した温度情報を出力する手段と、
    を含む温度情報検出システム。
  11. 前記共振周波数を検出する手段は、
    発振用LC共振回路を含む発振回路と、
    前記発振用LC共振回路と前記第1LC共振回路とを電磁的に結合させるためのリンクコイルと、
    前記発振回路の発振電圧を検出する発振電圧検出回路と、
    を含むことを特徴とする請求項10記載の温度情報検出システム。
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