以下、本発明の実施の形態について図面を用いて詳細に説明する。なお、以下に説明する実施の形態は、特許請求の範囲に記載された本発明の内容を不当に限定するものではない。また以下で説明される構成のすべてが本発明の必須構成要件であるとは限らない。
1. 液晶装置
図1に、本実施形態の液晶装置のブロック図の例を示す。
液晶装置10(液晶表示装置。広義には表示装置)は、表示パネル12(狭義にはLCD(Liquid Crystal Display)パネル)、ソース線駆動回路20(狭義にはソースドライバ)、ゲート線駆動回路30(狭義にはゲートドライバ)、表示コントローラ40、電源回路50を含む。なお、液晶装置10にこれらのすべての回路ブロックを含める必要はなく、その一部の回路ブロックを省略する構成にしてもよい。
ここで表示パネル12(広義には電気光学装置)は、複数のゲート線(走査線)と、複数のソース線(データ線)と、各画素電極が各ゲート線及び各ソース線により特定される複数の画素電極を含む。この場合、ソース線に薄膜トランジスタTFT(Thin Film Transistor、広義にはスイッチング素子)を接続し、このTFTに画素電極を接続することで、アクティブマトリクス型の液晶装置を構成できる。
より具体的には、表示パネル12はアクティブマトリクス基板(例えばガラス基板)に形成される。このアクティブマトリクス基板には、図1のY方向に複数配列されそれぞれX方向に伸びるゲート線G1〜GM(Mは2以上の自然数)と、X方向に複数配列されそれぞれY方向に伸びるソース線S1〜SN(Nは2以上の自然数)とが配置されている。また、ゲート線GK(1≦K≦M、Kは自然数)とソース線SL(1≦L≦N、Lは自然数)との交差点に対応する位置に、薄膜トランジスタTFTKL(広義にはスイッチング素子)が設けられている。
TFTKLのゲート電極はゲート線GKに接続され、TFTKLのソース電極はソース線SLに接続され、TFTKLのドレイン電極は画素電極PEKLに接続されている。この画素電極PEKLと、画素電極PEKLと液晶(広義には電気光学物質)を挟んで対向する対向電極CE(共通電極、コモン電極)との間には、液晶容量CLKL(液晶素子)及び補助容量CSKLが形成されている。そして、TFTKL、画素電極PEKL等が形成されるアクティブマトリクス基板と対向電極CEが形成される対向基板との間に液晶が封入されるように形成され、画素電極PEKLと対向電極CEとの間の印加電圧に応じて画素の透過率が変化するようになっている。
なお、対向電極CEに与えられる対向電極電圧VCOMの電圧レベル(高電位側電圧VCOMH、低電位側電圧VCOML)は、電源回路50に含まれる対向電極電圧生成回路より生成される。また、対向電極CEを対向基板上に一面に形成せずに、各ゲート線に対応するように帯状に形成してもよい。
ソース線駆動回路20は、表示データに基づいて表示パネル12のソース線S1〜SNを駆動する。一方、ゲート線駆動回路30は、表示パネル12のゲート線G1〜GMを走査(順次駆動)する。
表示コントローラ40は、図示しない中央演算処理装置(Central Processing Unit:CPU)等のホストにより設定された内容に従って、ソース線駆動回路20、ゲート線駆動回路30及び電源回路50を制御する。より具体的には、表示コントローラ40は、ソース線駆動回路20及びゲート線駆動回路30に対しては、例えば動作モードの設定や内部で生成した垂直同期信号や水平同期信号の供給を行い、電源回路50に対しては、対向電極CEに印加する対向電極電圧VCOMの電圧レベルの極性反転タイミングの制御を行う。
電源回路50は、外部から供給される基準電圧に基づいて、表示パネル12の駆動に必要な各種の電圧レベル(階調電圧)や、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルを生成する。
このような構成の液晶装置10は、表示コントローラ40の制御の下、外部から供給される表示データに基づいて、ソース線駆動回路20、ゲート線駆動回路30及び電源回路50が協調して表示パネル12を駆動する。
また図1において、ソース線駆動回路20、ゲート線駆動回路30及び電源回路50を集積化して、半導体装置(集積回路、IC)として表示ドライバ60を構成することができる。なお、図1の表示ドライバ60は、ゲート線駆動回路30が省略された構成であってもよい。また、図1において、本実施形態における表示ドライバ60は、ソース線駆動回路20と電源回路50の対向電極電圧生成回路とを含む構成であればよい。
このような表示ドライバ60は、更に、各ソース出力切替回路がソース線と該ソース線を駆動する出力バッファとの間に設けられた複数のソース出力切替回路SSW1〜SSWNを含む。各ソース出力切替回路の第1の端子には、各出力バッファの出力が接続される。各ソース出力切替回路の第2の端子には、各ソース線が接続される。各ソース出力切替回路の第3の端子には、共用ラインCOLの一端が接続される。複数のソース出力切替回路SSW1〜SSWNは、図示しない共通制御信号により一斉にオンオフ制御される。
表示ドライバ60は、第1の容量素子接続用端子TL1と、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWとを含むことができる。対向電極電荷蓄積用スイッチVSWは、電源回路50の対向電極電圧生成回路の出力(対向電極電圧VCOMが供給される対向電極電圧出力ノード)と、第1の容量素子接続用端子TL1との間に設けられる。第1の容量素子接続用端子TL1には、第1の容量素子CCVの一端が電気的に接続される。第1の容量素子CCVの他端には、所定の電源電圧(例えばシステム接地電源電圧VSS)が供給される。図1において、第1の容量素子CCVは、表示ドライバ60の外部に設けられているが、第1の容量素子CCVが表示ドライバ60に内蔵されていてもよい。
更に、表示ドライバ60は、ソース電荷蓄積用の第2の容量素子接続用端子TL2と、ソース電荷蓄積用スイッチCSWとを含むことができる。ソース電荷蓄積用スイッチCSWは、共用ラインCOLの他端と第2の容量素子接続用端子TL2との間に設けられる。ソース電荷蓄積用スイッチCSWが導通状態に設定されるとき、ソース出力切替回路SSW1〜SSWNのそれぞれは、ソース線S1〜SNと共用ラインCOLとを電気的に接続する。
共用ラインCOLは、第2の容量素子接続ノードを含むということができる。第2の容量素子接続用端子TL2には、第2の容量素子CCSの一端が電気的に接続される。第2の容量素子CCSの他端には、所定の電源電圧(例えばシステム接地電源電圧VSS)が供給される。図1において、第2の容量素子CCSは、表示ドライバ60の外部に設けられているが、第2の容量素子CCSが表示ドライバ60に内蔵されていてもよい。
対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが導通状態に設定されるとき、電源回路50の対向電極電圧生成回路の出力がハイインピーダンス状態に設定される。
更に、表示ドライバ60は、ノード短絡スイッチHSWを含むことができる。ノード短絡スイッチHSWは、共用ラインCOLと対向電極電圧出力ノードとの間に設けられる。
表示ドライバ60は、動作モードに応じて、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、ノード短絡スイッチHSWを用いて、対向電極CE又はソース線S1〜SNからの電荷を再利用する。より具体的には、ノード短絡スイッチHSWのオンオフ制御による電荷再利用が行われる動作モードでは、表示ドライバ60は、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWを非導通状態のまま制御を行う。また、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW及びソース電荷蓄積用スイッチCSWのオンオフ制御による電荷再利用が行われる動作モードでは、表示ドライバ60は、ノード短絡スイッチHSWを非導通状態のまま制御を行う。
なお、図1では、液晶装置10が表示コントローラ40を含む構成になっているが、表示コントローラ40を液晶装置10の外部に設けてもよい。或いは、表示コントローラ40と共にホストを液晶装置10に含めるようにしてもよい。また、ソース線駆動回路20、ゲート線駆動回路30、表示コントローラ40、電源回路50の一部又は全部を表示パネル12上に形成してもよい。
図2に、本実施形態における液晶装置の他の構成例のブロック図を示す。
図2では、表示パネル12上(パネル基板上)に、ソース線駆動回路20、ゲート線駆動回路30及び電源回路50を含む表示ドライバ60が形成されている。このように表示パネル12は、複数のゲート線と、複数のソース線と、複数のゲート線の各ゲート線及び複数のソース線の各ソース線とにより特定される複数の画素(画素電極)と、複数のソース線を駆動するソース線駆動回路と、複数のゲート線を走査するゲート線駆動回路とを含むように構成することができる。表示パネル12の画素形成領域44に、複数の画素が形成されている。各画素は、ソースにソース線が接続されゲートにゲート線が接続されたTFTと、該TFTのドレインに接続された画素電極とを含むことができる。
なお図2では、表示パネル12上においてゲート線駆動回路30及び電源回路50のうち少なくとも1つが省略された構成であってもよい。
また図1又は図2において、表示ドライバ60が、表示コントローラ40を内蔵してもよい。或いは図1又は図2において、表示ドライバ60が、ソース線駆動回路20及びゲート線駆動回路30のいずれか一方と、電源回路50とを集積化した半導体装置であってもよい。
2. 表示ドライバ
次に、図1又は図2の表示ドライバ60の構成要部について説明する。
図3に、図1又は図2のソース線駆動回路20の構成例のブロック図を示す。
ソース線駆動回路20は、シフトレジスタ22、ラインラッチ24、26、DAC28(Digital-to-Analog Converter)(広義にはデータ電圧生成回路)、出力バッファ29を含む。
シフトレジスタ22は、各ソース線に対応して設けられ、順次接続された複数のフリップフロップを含む。このシフトレジスタ22は、クロック信号CLKに同期してイネーブル入出力信号EIOを保持すると、順次クロック信号CLKに同期して隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOをシフトする。
ラインラッチ24には、表示コントローラ40から例えば18ビット(6ビット(表示データ)×3(RGB各色))単位で表示データ(DIO)が入力される。ラインラッチ24は、この表示データ(DIO)を、シフトレジスタ22の各フリップフロップで順次シフトされたイネーブル入出力信号EIOに同期してラッチする。
ラインラッチ26は、表示コントローラ40から供給される水平同期信号LPに同期して、ラインラッチ24でラッチされた1水平走査単位の表示データをラッチする。
基準電圧発生回路27は、64種類の基準電圧を生成する。基準電圧発生回路27によって生成された64種類の基準電圧は、DAC28に供給される。
DAC(データ電圧生成回路)28は、各ソース線に供給すべきアナログのデータ電圧を生成する。具体的にはDAC28は、ラインラッチ26からのデジタルの表示データに基づいて、基準電圧発生回路27からの基準電圧のいずれかを選択し、デジタルの表示データに対応するアナログのデータ電圧を出力する。
出力バッファ29は、DAC28からのデータ電圧をバッファリングしてソース線に出力し、ソース線を駆動する。具体的には、出力バッファ29は、各ソース線毎に設けられたボルテージフォロワ接続の演算増幅回路を含む演算増幅回路ブロックOPC1〜OPCNを含み、これらの各演算増幅回路ブロックが、DAC28からのデータ電圧をインピーダンス変換して、各ソース線に出力する。
なお、図3では、デジタルの表示データをデジタル・アナログ変換して、出力バッファ29を介してソース線に出力する構成を採用しているが、アナログの映像信号をサンプル・ホールドして、出力バッファ29を介してソース線に出力する構成を採用することもできる。
図4に、図3の基準電圧発生回路27、DAC28及び出力バッファ29の構成例を示す。図4において、表示データが6ビットのデータD0〜D5であり、各ビットのデータの反転データをXD0〜XD5と示している。また図4において、図3と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
基準電圧発生回路27は、電源回路50によって生成される両端の電圧VDDH、VSSHを抵抗分割して64種類の基準電圧を生成する。各基準電圧は、6ビットの表示データにより表される各階調値に対応している。各基準電圧は、ソース線S1〜SNの各ソース線に共通に供給される。
DAC28は、ソース線毎に設けられたデコーダを含み、各デコーダは、表示データに対応した基準電圧を演算増幅回路ブロックOPC1〜OPCNに出力する。
図3及び図4では、表示データが1ラインずつ供給される場合の構成例を示したが、表示ドライバ60が、少なくとも1画面分の表示データを記憶する表示メモリを内蔵してもよい。
図5に、図1又は図2のゲート線駆動回路30の構成例を示す。
ゲート線駆動回路30は、シフトレジスタ32、レベルシフタ34、出力バッファ36を含む。
シフトレジスタ32は、各ゲート線に対応して設けられ、順次接続された複数のフリップフロップを含む。このシフトレジスタ32は、クロック信号CLKに同期してイネーブル入出力信号EIOをフリップフロップに保持すると、順次クロック信号CLKに同期して隣接するフリップフロップにイネーブル入出力信号EIOをシフトする。ここで入力されるイネーブル入出力信号EIOは、表示コントローラ40から供給される垂直同期信号である。
レベルシフタ34は、シフトレジスタ32からの電圧レベルを、表示パネル12の液晶素子とTFTのトランジスタ能力とに応じた電圧レベルにシフトする。この電圧レベルとしては、高い電圧レベルが必要とされるため、他のロジック回路部とは異なる高耐圧プロセスが用いられる。
出力バッファ36は、レベルシフタ34によってシフトされた走査電圧をバッファリングしてゲート線に出力し、ゲート線を駆動する。
図6に、図1又は図2の電源回路50の構成例を示す。
電源回路50は、正方向2倍昇圧回路52、走査電圧生成回路54、対向電極電圧生成回路56を含む。この電源回路50には、システム接地電源電圧VSS及びシステム電源電圧VDDが供給される。
正方向2倍昇圧回路52には、システム接地電源電圧VSS及びシステム電源電圧VDDが供給される。そして正方向2倍昇圧回路52は、システム接地電源電圧VSSを基準に、システム電源電圧VDDを正方向に2倍に昇圧した電源電圧VDDHSを生成する。即ち正方向2倍昇圧回路52は、システム接地電源電圧VSSとシステム電源電圧VDDとの間の電圧差を2倍に昇圧する。このような正方向2倍昇圧回路52は、公知のチャージポンプ回路により構成できる。電源電圧VDDHSは、ソース線駆動回路20、走査電圧生成回路54や対向電極電圧生成回路56に供給される。なお正方向2倍昇圧回路52は、2倍以上の昇圧倍率で昇圧後にレギュレータで電圧レベルを調整して、システム電源電圧VDDを正方向に2倍に昇圧した電源電圧VDDHSを出力することが望ましい。
走査電圧生成回路54には、システム接地電源電圧VSS及び電源電圧VDDHSが供給される。そして走査電圧生成回路54は、走査電圧を生成する。走査電圧は、ゲート線駆動回路30によって選択されるゲート線に印加される電圧である。この走査電圧の高電位側電圧はVDDHGであり、低電位側電圧はVEEである。
対向電極電圧生成回路56は、対向電極電圧VCOMを生成する。対向電極電圧生成回路56は、極性反転信号POLに基づいて、高電位側電圧VCOMH又は低電位側電圧VCOMLを、対向電極電圧VCOMとして出力する。極性反転信号POLは、極性反転タイミングに合わせて表示コントローラ40によって生成される。
図7に、図1又は図2の表示パネル12の駆動波形の一例を示す。
ソース線には、表示データの階調値に応じた階調電圧DLVが印加される。図7では、システム接地電源電圧VSS(=0V)を基準に、5Vの振幅の階調電圧DLVが印加されている。
ゲート線には、非選択時において低電位側電圧VEE(=−10V)、選択時において高電位側電圧VDDHG(=15V)の走査電圧GLVが印加される。
対向電極CEには、高電位側電圧VCOMH(=3V)、低電位側電圧VCOML(=−2V)の対向電極電圧VCOMが印加される。そして所与の電圧を基準とした対向電極電圧VCOMの電圧レベルの極性が、極性反転タイミングに合わせて反転している。図7では、いわゆる走査ライン反転駆動時の対向電極電圧VCOMの波形を示している。この極性反転タイミングに合わせて、ソース線の階調電圧DLVもまた、所与の電圧を基準に、その極性が反転している。
ところで液晶素子は、直流電圧を長時間印加すると劣化するという性質がある。このため、液晶素子に印加する電圧の極性を所定期間毎に反転させる駆動方式が必要になる。このような駆動方式としては、フレーム反転駆動、走査(ゲート)ライン反転駆動、データ(ソース)ライン反転駆動、ドット反転駆動等がある。
このうち、フレーム反転駆動は、消費電力は低いが、画質がそれほど良くないという不利点がある。また、データライン反転駆動、ドット反転駆動は、画質は良いが、表示パネルの駆動に高い電圧が必要になるという不利点がある。
本実施形態では、例えば走査ライン反転駆動を採用している。この走査ライン反転駆動では、液晶素子に印加される電圧が走査期間毎(ゲート線毎)に極性反転される。例えば、第1の走査期間(ゲート線)では正極性の電圧が液晶素子に印加され、第2の走査期間では負極性の電圧が印加され、第3の走査期間では正極性の電圧が印加される。一方、次のフレームにおいては、今度は、第1の走査期間では負極性の電圧が液晶素子に印加され、第2の走査期間では正極性の電圧が印加され、第3の走査期間では負極性の電圧が印加されるようになる。
そして、この走査ライン反転駆動では、対向電極CEの対向電極電圧VCOMの電圧レベルが走査期間毎に極性反転される。
より具体的には図8に示すように、正極の期間T1(第1の期間)では対向電極電圧VCOMの電圧レベルは低電位側電圧VCOMLになり、負極の期間T2(第2の期間)では高電位側電圧VCOMHになる。そして、このタイミングに合わせてソース線に印加される階調電圧も、その極性が反転する。なお、低電位側電圧VCOMLは、所与の電圧レベルを基準として高電位側電圧VCOMHの極性を反転した電圧レベルである。
ここで、正極の期間T1は、ソース線の階調電圧が供給された画素電極の電圧レベルが対向電極CEの電圧レベルよりも高くなる期間である。この期間T1では液晶素子に正極性の電圧が印加されることになる。一方、負極の期間T2は、ソース線の階調電圧が供給された画素電極の電圧レベルが対向電極CEの電圧レベルよりも低くなる期間である。この期間T2では液晶素子に負極性の電圧が印加されることになる。
このように対向電極電圧VCOMを極性反転することで、表示パネルの駆動に必要な電圧を低くすることができる。これにより、駆動回路の耐圧を低くでき、駆動回路の製造プロセスの簡素化、低コスト化を図ることができる。
3. 原理的構成
本実施形態では、表示ドライバ60又はLCDパネル12が、図示しない動作モードレジスタを含み、該動作モードレジスタの制御データに対応した動作モードで電荷再利用の制御を行う。或いは、表示ドライバ60又はLCDパネル12が、図示しない動作モード設定端子(外部設定端子)を含み、外部から該動作モード設定端子に与えられる信号状態に対応した動作モードで電荷再利用の制御を行う。
3.1 第1の動作モード
図9に、本実施形態の液晶装置10の第1の動作モードにおける原理的構成図を示す。
図9において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図9では、ゲート線GK及びソース線SLの交差位置に設けられる画素の電気的な等価回路と、ゲート線GK+1及びソース線SL+1の交差位置に設けられる画素の電気的な等価回路とを示しているが、他の画素の電気的な等価回路も同様である。また、図9では、ソース線駆動回路20のソース出力切替回路、ソース電荷蓄積用スイッチCSW及び対向電極電荷蓄積用スイッチVSWのみを示している。
図10に、図9の液晶装置10の動作例の波形図を示す。
図10では、ゲート線GK、GK+1、ソース線SL及び対向電極CEの電位の変化を示しているが、他のゲート線、ソース線も同様である。図10において、ゲート線GKに接続される画素の選択期間である1水平走査期間(1H)内に、ゲート線GKに走査電圧が印加され、ゲート線GK+1に接続される画素の選択期間である1水平走査期間内に、ゲート線GK+1に走査電圧が印加される。そして、各水平走査期間は、その前半部分に設けられる電荷再利用期間と、その後半部分に設けられる駆動期間とを含む。電荷再利用期間から駆動期間に遷移するときと、駆動期間から電荷再利用期間に遷移するときに、ソース出力切替回路SSWL、SSWL+1、ノード短絡スイッチHSWの切替制御が行われる。
電荷再利用期間(TT1)では、ソース出力切替回路SSWL、SSWL+1において、ソース線SL、SL+1が、第2の容量素子接続ノードを含む共用ラインCOLにそれぞれ電気的に接続される。また、ソース電荷蓄積用スイッチCSW及び対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが非導通状態のままノード短絡スイッチHSWが導通状態となり、共用ラインCOLが対向電極電圧生成回路の出力(対向電極電圧VCOMが供給される対向電極電圧出力ノード)と電気的に接続される。そのため、電荷再利用期間では、共用ラインCOLとソース線SL、SL+1が電気的に接続されており、ソース線SL、SL+1と対向電極CEとが同電位となり、電荷保存の法則に従って、ソース線SL、SL+1の寄生容量に蓄積された電荷が対向電極CEに電荷を補充したり、或いは対向電極CEに蓄積された電荷がソース線SL、SL+1の寄生容量に補充されたりする。即ち、電荷再利用期間では、電源回路50からの電荷の補充を一切行うことなく、ソース線及び対向電極CEの電位を変化させる。
次に、電荷再利用期間後の駆動期間(TT2)では、ソース出力切替回路SSWL、SSWL+1において、ソース線SL、SL+1が、ソース線駆動回路20の出力バッファの出力にそれぞれ電気的に接続される。また、ソース電荷蓄積用スイッチCSW及び対向電極電荷蓄積用スイッチVSWは、非導通状態に設定されたままである。そして、ノード短絡スイッチHSWが非導通状態に設定される。そのため、駆動期間では、ソース線SL、SL+1がソース線駆動回路20の出力バッファにより駆動される。このとき、電荷再利用期間TT1における変化後の電位を基準に、各ソース線が各表示データに対応した電位になるまで、ソース線駆動回路20の出力バッファがソース線の電荷の充放電を行う。従って、電荷再利用期間後の駆動期間では、ソース線駆動回路20の出力バッファが変化させるべきソース線の電圧が低くて済む場合が多い。即ち、直前の水平走査期間(ゲート線GK−1に接続される画素の選択期間)のソース線の電位を基準に、そのまま当該水平走査期間(ゲート線GKに接続される画素の選択期間)のソース線の電位を設定しようとすると、図10に示すようにΔVs01だけソース線駆動回路20の出力バッファがソース線の電荷を充放電する必要がある。これに対して、上述の電荷再利用期間を設けることで、図10に示すようにΔVs02(ΔVs02<ΔVs01)だけソース線駆動回路20の出力バッファがソース線の電荷を充放電すればよい。
同様に、電荷再利用期間後の駆動期間(TT2)では、対向電極CEが、電源回路50の対向電極電圧生成回路56の出力と電気的に接続される。そのため、駆動期間では、対向電極CEに、対向電極電圧生成回路56に対向電極電圧VCOMが供給される。このとき、電荷再利用期間TT1における変化後の電位を基準に、高電位側電圧VCOMHになるまで、対向電極電圧生成回路56が対向電極CEの電荷の充放電を行う。従って、電荷再利用期間後の駆動期間では、対向電極電圧生成回路56が変化させるべき対向電極CEの電圧が低くて済む。即ち、直前の水平走査期間(ゲート線GK−1に接続される画素の選択期間)の対向電極CEの電位を基準に、そのまま当該水平走査期間(ゲート線GKに接続される画素の選択期間)の対向電極CEの電位を設定しようとすると、図10に示すようにΔVc01だけ対向電極電圧生成回路56が対向電極CEの電荷を充放電する必要がある。これに対して、上述の電荷再利用期間を設けることで、図10に示すようにΔVc02(ΔVc02<ΔVc01)だけ対向電極電圧生成回路56が対向電極CEの電荷を充放電すればよい。
3.2 第2の動作モード
図11に、本実施形態の液晶装置10の第2の動作モードにおける原理的構成図を示す。
図11において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図11では、ゲート線GK及びソース線SLの交差位置に設けられる画素の電気的な等価回路と、ゲート線GK+1及びソース線SL+1の交差位置に設けられる画素の電気的な等価回路とを示しているが、他の画素の電気的な等価回路も同様である。また、図11では、ソース線駆動回路20のソース出力切替回路、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW及びノード短絡スイッチHSWを示している。
図12に、図11の液晶装置10の動作例の波形図を示す。
図12では、ゲート線GK、GK+1、ソース線SL及び対向電極CEの電位の変化を示しているが、他のゲート線、ソース線も同様である。図12において、ゲート線GKに接続される画素の選択期間である1水平走査期間(1H)内に、ゲート線GKに走査電圧が印加され、ゲート線GK+1に接続される画素の選択期間である1水平走査期間内に、ゲート線GK+1に走査電圧が印加される。そして、各水平走査期間は、その前半部分に設けられる電荷再利用期間と、その後半部分に設けられる駆動期間とを含む。電荷再利用期間から駆動期間に遷移するときと、駆動期間から電荷再利用期間に遷移するときに、ソース出力切替回路SSWL、SSWL+1、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW及びソース電荷蓄積用スイッチCSWの切替制御が行われる。第2の動作モードでは、ノード短絡スイッチHSWは非導通状態に設定される。
電荷再利用期間(TT10)では、ソース出力切替回路SSWL、SSWL+1において、ソース線SL、SL+1が、第2の容量素子接続ノードを含む共用ラインCOLにそれぞれ電気的に接続される。また、ソース電荷蓄積用スイッチCSWが導通状態となり、共用ラインCOLは、第2の容量素子接続用端子TL2を介して第2の容量素子CCSの一端と電気的に接続される。そのため、電荷再利用期間では、第2の容量素子CCSの一端とソース線SL、SL+1とが同電位となり、電荷保存の法則に従って、ソース線の寄生容量に蓄積された電荷が第2の容量素子CCSの一端に電荷を補充したり、或いは第2の容量素子CCSに蓄積された電荷がソース線SL、SL+1の寄生容量に補充されたりする。即ち、電荷再利用期間では、電源回路50からの電荷の補充を一切行うことなく、ソース線の電位を変化させる。
同様に、電荷再利用期間では、図示しない対向電極電圧生成回路の出力がハイインピーダンス状態に設定され、且つ対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが導通状態に設定されるため、対向電極CEが、第1の容量素子接続用端子TL1を介して第1の容量素子CCVの一端と電気的に接続される。そのため、電荷再利用期間では、第1の容量素子CCVの一端と対向電極CEとが同電位となり、対向電極CEの寄生容量に蓄積された電荷が第1の容量素子CCVの一端に電荷を補充したり、或いは第1の容量素子CCVに蓄積された電荷が対向電極CEの寄生容量に補充されたりする。即ち、電荷再利用期間では、電源回路50からの電荷の補充を一切行うことなく、対向電極CEの電位を変化させる。
次に、電荷再利用期間後の駆動期間(TT20)では、ソース出力切替回路SSWL、SSWL+1において、ソース線SL、SL+1が、ソース線駆動回路20の出力バッファの出力にそれぞれ電気的に接続される。また、ソース電荷蓄積用スイッチCSWは、非導通状態に設定される。そのため、駆動期間では、ソース線SL、SL+1がソース線駆動回路20の出力バッファにより駆動される。このとき、電荷再利用期間TT10における変化後の電位を基準に、各ソース線が各表示データに対応した電位になるまで、ソース線駆動回路20の出力バッファがソース線の電荷の充放電を行う。従って、電荷再利用期間後の駆動期間では、ソース線駆動回路20の出力バッファが変化させるべきソース線の電圧が低くて済む場合が多い。即ち、直前の水平走査期間(ゲート線GK−1に接続される画素の選択期間)のソース線の電位を基準に、そのまま当該水平走査期間(ゲート線GKに接続される画素の選択期間)のソース線の電位を設定しようとすると、図12に示すようにΔVs1だけソース線駆動回路20の出力バッファがソース線の電荷を充放電する必要がある。これに対して、上述の電荷再利用期間を設けることで、図12に示すようにΔVs2(ΔVs2<ΔVs1)だけソース線駆動回路20の出力バッファがソース線の電荷を充放電すればよい。
同様に、電荷再利用期間後の駆動期間(TT20)では、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが非導通状態に設定され、対向電極CEが、電源回路50の対向電極電圧生成回路56の出力と電気的に接続される。そのため、駆動期間では、対向電極CEに、対向電極電圧生成回路56に対向電極電圧VCOMが供給される。このとき、電荷再利用期間TT10における変化後の電位を基準に、高電位側電圧VCOMHになるまで、対向電極電圧生成回路56が対向電極CEの電荷の充放電を行う。従って、電荷再利用期間後の駆動期間では、対向電極電圧生成回路56が変化させるべき対向電極CEの電圧が低くて済む。即ち、直前の水平走査期間(ゲート線GK−1に接続される画素の選択期間)の対向電極CEの電位を基準に、そのまま当該水平走査期間(ゲート線GKに接続される画素の選択期間)の対向電極CEの電位を設定しようとすると、図12に示すようにΔVc1だけ対向電極電圧生成回路56が対向電極CEの電荷を充放電する必要がある。これに対して、上述の電荷再利用期間を設けることで、図12に示すようにΔVc2(ΔVc2<ΔVc1)だけ対向電極電圧生成回路56が対向電極CEの電荷を充放電すればよい。
そして、次の水平走査期間でも、電荷再利用期間と駆動期間とが設けられ、それぞれの期間において同様に行われる。電荷再利用期間におけるソース線の駆動に伴う電力消費は、駆動期間においてソース線駆動回路20が設定すべき電圧(即ち、表示データ)に依存するため、電荷の再利用による低消費電力化の効果が薄れてしまう。ところが、対向電極CEは高電位側電圧VCOMH又は低電位側電圧VCOMLのいずれかに設定されるため、表示データに依存することなく、簡素な構成で確実に低消費電力化を図ることができ、電荷の再利用による低消費電力化の効果が著しい。
以上のように、第1の動作モードでは、第1及び第2の容量素子CCS、CCVを用いることなく電荷再利用を図ることができるため、表示ドライバ60のチップサイズや実装面積を小さくできる。その一方、表示データに対応した電圧がソース線に印加されるため、電荷再利用の効果が表示データに依存してしまう。
これに対して、第2の動作モードでは、対向電極電圧が2値であるため、対向電極CEの電荷再利用の効果が現れるため、低消費電力の効果が確実に得られる。その一方、第1又は第2の容量素子CCS、CCVを用いることなく電荷再利用を図るため、表示ドライバ60のチップサイズや実装面積を小さくできない。
そして、本実施形態によれば、ノード短絡スイッチHSWを設けるだけで上記のいずれかの動作モードで電荷再利用を実現できるので、1種類の表示ドライバにより多様なユーザの要求を満足させることができ、結果として、より一層の製造コストの低減を図ることができるようになる。
3.3 具体的な構成例
図13に、図4の演算増幅回路ブロックOPC1〜OPCN、共用ラインCOL及び各種スイッチの構成例を示す。
即ち、図13には、演算増幅回路ブロックOPC1〜OPCN、共用ラインCOL、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、及びノード短絡スイッチHSWの接続関係が示される。図13において、図1、図2、図9又は図11と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
演算増幅回路ブロックOPC1〜OPCNの各ブロックの構成は同じであり、以下では演算増幅回路ブロックOPC1について説明する。
演算増幅回路ブロックOPC1は、ボルテージフォロワ接続された演算増幅器VOP1と、ソース出力切替回路SSW1とを含む。ソース出力切替回路SSW1は、第1のソース出力スイッチSS1と、第1のソース短絡スイッチC2SW1とを含む。第1のソース出力スイッチSS1は、制御信号c1、xc1(共通制御信号。以下同様)によりオンオフ制御される。制御信号xc1は、制御信号c1の反転信号である。第1のソース短絡スイッチC2SW1は、制御信号cc、xccによりオンオフ制御される。制御信号xccは、制御信号ccの反転信号である。演算増幅器VOP1の出力は、第1のソース出力スイッチSS1を介して、第1のソース出力ノードSND1と接続される。第1のソース出力ノードSND1は、第1のソース短絡スイッチC2SW1を介して所与のソース電圧出力ノードSVNDと接続される。ソース電圧出力ノードSVNDは、ソース電荷蓄積用スイッチCSWを介して第2の容量素子接続ノードC2NDと接続される。ソース電荷蓄積用スイッチCSWは、制御信号cs、xcsによりオンオフ制御される。制御信号xcsは、制御信号csの反転信号である。
このように、第1のソース短絡スイッチC2SW1は、ソース電圧出力ノードSVNDと第1のソース出力ノードSND1との間に設けられる。また、ソース電荷蓄積用スイッチCSWは、ソース電圧出力ノードSVNDと第2の容量素子CCSの一端が接続可能な第2の容量素子接続ノードC2NDとの間に設けられる。
また、対向電極電圧生成回路56の出力である対向電極電圧出力ノードVNDは、表示パネル12の対向電極CEが電気的に接続される対向電極電圧出力端子TL3としての対向電極電圧出力パッドCE_Pと電気的に接続される。対向電極電圧出力ノードVNDは、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWを介して第1の容量素子接続ノードC1NDと接続される。対向電極電荷蓄積用スイッチVSWは、制御信号cv、xcvによりオンオフ制御される。制御信号xcvは、制御信号cvの反転信号である。第1の容量素子接続ノードC1NDは、第1の容量素子接続用端子TL1としての第1の容量素子接続用パッドCP_Pと電気的に接続される。
ノード短絡スイッチHSWは、対向電極電圧出力ノードVNDとソース電圧出力ノードSVND(共用ラインCOL)との間に設けられる。ノード短絡スイッチHSWは、制御信号ch、xchによりオンオフ制御される。制御信号xchは、制御信号chの反転信号である。
ソース電圧出力ノードSVNDを含む共用ラインCOLは、同様にして各演算増幅回路ブロックのソース短絡スイッチと接続される。即ち、表示ドライバ60は、ソース電圧出力ノードSVNDと電気的に接続されると共にその一端がソース電荷蓄積用スイッチCSWと電気的に接続される共用ラインCOLと、第2のソース線S2への出力電圧が供給される第2のソース出力ノードSND2と共用ラインCOLとの間に設けられる第2のソース短絡スイッチC2SW2とを含むことができる。そして、第1のソース短絡スイッチC2SW1が、第1のソース出力ノードSND1と共用ラインCOLとの間に設けられる。また、第2のソース短絡スイッチC2SW2が、第2のソース出力ノードSND2と共用ラインCOLとの間に設けられる。
更に、表示ドライバ60は、放電用トランジスタDisTrを含むことができる。放電用トランジスタDisTrのゲートには、制御信号disが供給される。放電用トランジスタDisTrのソースには放電用電圧(例えばシステム接地電源電圧VSS)が供給され、放電用トランジスタDisTrのドレインは共用ラインCOLと電気的に接続される。そして、この制御信号disにより、共用ラインCOLの電圧が放電用電圧に設定される。このような放電用トランジスタDisTrは、第1及び第2のソース線の放電に共用される。
なお、表示パネル12の画素電極の選択期間において、第1及び第2のソース短絡スイッチC2SW1、C2SW2を導通状態に設定した状態で、放電用トランジスタDisTrをオンすることで、第1及び第2のソース線S1、S2を放電することができる。こうすることで、非常に簡素な構成で、いわゆるオフ書き込みを行うことができる。ここで、オフ書き込みは、表示オフ状態に移行するためにソース線に所与のオフ電圧を与えることを意味する。
また、演算増幅回路ブロックOPC1は、更に第1のバイパススイッチBSW1を含むことができる。第1のバイパススイッチBSW1は、制御信号c2、xc2によりオンオフ制御される。制御信号xc2は、制御信号c2の反転信号である。演算増幅回路ブロックOPC1では、画素の選択期間としての1水平走査期間の前半に上述のような電荷再利用が行われた後に、該水平走査期間の後半の駆動期間において、第1のソース出力スイッチSS1及び第1のバイパススイッチBSW1によりソース線S1の駆動制御が行われる。
即ち、駆動期間の前半部分では、第1のソース出力スイッチSS1を導通状態、第1のバイパススイッチBSW1を非導通状態に設定した状態で、演算増幅器VOP1により第1のソース出力ノードSND1を駆動する。その後、駆動期間の後半部分では、第1のソース出力スイッチSS1を非導通状態、第1のバイパススイッチBSW1を導通状態に設定した状態で、第1のソース出力ノードSND1に、演算増幅器VOP1の入力電圧を供給する。こうすることで、第1のソース出力ノードSND1に設定される電圧を、高速かつ高精度に設定することができる。
図14に、図6の対向電極電圧生成回路56と対向電極電荷蓄積用スイッチVSWの構成例を示す。
対向電極電圧生成回路56は、表示パネル(電気光学装置)12の画素電極と液晶素子(電気光学物質)を挟んで対向する対向電極CEに印加される対向電極電圧VCOMを生成する。この対向電極電圧生成回路56は、ボルテージフォロワ接続された演算増幅器である第1及び第2の演算増幅器OP1、OP2と、切替回路SELとを含む。第1の演算増幅器OP1は、対向電極電圧VCOMの高電位側電圧VCOMHを出力する。第2の演算増幅器OP2は、対向電極電圧VCOMの低電位側電圧VCOMLを出力する。切替回路SELは、液晶素子(電気光学物質)に印加される電圧の極性を反転させる極性反転タイミングに応じて、高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの1つを対向電極電圧VCOMとして出力する。なお第1及び第2の演算増幅器OP1、OP2を、レギュレータとして動作させてもよい。
切替回路SELは、P型(第1導電型)の金属酸化膜半導体(Metal Oxide Semiconductor:MOS)トランジスタ(以下、単にトランジスタ)PTrと、N型(第2導電型)のトランジスタNTrとを含むことができる。トランジスタPTrのソースは、第1の演算増幅器OP1の出力に接続される。トランジスタPTrのドレインは、対向電極CEに電気的に接続される。トランジスタPTrのゲートには、制御信号XPOLcが供給される。トランジスタNTrのソースは、第2の演算増幅器OP2の出力に接続される。トランジスタNTrのドレインは、対向電極CEに電気的に接続される。トランジスタNTrのゲートには、制御信号POLcが供給される。
制御信号XPOLc、POLcは、極性反転タイミングを規定する極性反転信号POLに基づいて生成される。切替回路SELは、制御信号XPOLc、POLcに基づいて、高電位側電圧VCOMH又は低電位側電圧VCOMLを出力することができる。また切替回路SELは、制御信号XPOLc、POLcに基づいて、その出力をハイインピーダンス状態に設定することができる。
このような対向電極電圧生成回路56は、VCOMH生成回路(対向電極高電位側電圧生成回路)62と、VCOML生成回路(対向電極低電位側電圧生成回路)64とを含むことができる。VCOMH生成回路62は、例えばシステム接地電源電圧VSSと電源電圧VDDHSとに基づいて、公知のチャージポンプ動作により電圧VCOMH0を生成することができるようになっている。電圧VCOMH0は、第1の演算増幅器OP1の入力に供給される。VCOML生成回路64は、例えばシステム接地電源電圧VSSと電源電圧VDDHSとに基づいて、公知のチャージポンプ動作により電圧VCOML0を生成することができるようになっている。電圧VCOML0は、第2の演算増幅器OP2の入力に供給される。
そして、対向電極電圧生成回路56は、切替回路SELにより高電位側電圧VCOMHを対向電極電圧VCOMとして出力するときには、図示しない制御信号により第2の演算増幅器OP2の動作電流を停止又は制限する制御を行う。また対向電極電圧生成回路56は、切替回路SELにより低電位側電圧VCOMLを対向電極電圧VCOMとして出力するときには、図示しない制御信号により第1の演算増幅器OP1の動作電流を停止又は制限する制御を行う。
こうすることで、対向電極電圧VCOMの高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの一方を対向電極CEに印加するとき、高電位側電圧VCOMH及び低電位側電圧VCOMLの他方を出力する演算増幅器の動作電流を停止又は制限することができるので、対向電極電圧VCOMの生成に不要な消費電流を削減できるようになる。
切替回路SELの出力は、対向電極電圧出力ノードVNDと電気的に接続される。対向電極電圧出力ノードVNDは、第1の容量素子の一端が接続可能な第1の容量素子接続ノードC1NDと電気的に接続される。第1の容量素子接続ノードC1NDは、対向電極電圧出力端子TL3を介して表示パネル12の対向電極CEと電気的に接続される。
3.3.1 第1の動作モードの制御タイミング例
図15に、第1の動作モードにおける図13の演算増幅回路ブロックOPC1及び各種スイッチの制御例のタイミング図を示す。
図15では、図13の制御信号c1、c2、cc、cs、ch、disがHレベルのときに、各スイッチをオン(導通状態)に設定するものとする。図15の例では、制御信号disは、常にLレベルであるものとする。なお、図15では、演算増幅回路ブロックOPC1の制御例のみを説明するが、演算増幅回路ブロックOPC2〜OPCNも、演算増幅回路ブロックOPC1と同じ制御信号により制御される。
1水平走査期間内の前半部分である電荷再利用期間では、制御信号cc、chがHレベル、制御信号c1、c2、csがLレベルに設定される。これにより、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSWが非導通状態に設定され、ノード短絡スイッチHSWが導通状態に設定される。即ち、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW及びソース電荷蓄積用スイッチCSWを非導通状態に設定した状態で、ノード短絡スイッチが導通状態に設定される。これにより、共用ラインCOLと対向電極電圧出力ノードVNDとが電気的に接続される。従って、共用ラインCOL又は対向電極電圧出力ノードVNDの寄生容量に蓄積された電荷が再利用され、共用ラインCOL及び対向電極電圧出力ノードVNDの電位が変動する。このとき、各演算増幅回路ブロックのソース短絡スイッチもまた導通状態に設定されるため、第1〜第Nのソース線S1〜SN及び対向電極CEが同電位となる。
その後、以下のように、対向電極電圧出力ノードVNDに対向電極電圧VCOMを供給して対向電極CEを駆動すると共に、ソース線に表示データに対応した電圧を供給してソース線を駆動する。
即ち、電荷再利用期間後の駆動期間のプリバッファ駆動期間では、制御信号cc、chがLレベルとなり、制御信号c1がHレベルとなる。なお、駆動期間内では、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW及びソース電荷蓄積用スイッチCSWは、オフ(非導通状態)に設定される。これにより、電荷再利用期間内で電位が変動した第1のソース出力ノードSND1は、演算増幅器VOP1により駆動される。この演算増幅器VOP1には、DAC28によって選択されたデータ電圧が供給される。演算増幅器VOP1は、動作電流を消費するが、高い駆動能力で第1のソース出力ノードSND1の電位を高速に変動させることができる。
次に、当該駆動期間のDAC駆動期間では、制御信号c1がLレベルとなり、制御信号c2がHレベルとなる。これにより、第1のソース出力ノードSND1は、演算増幅器VOP1の出力と電気的に遮断されると共に、DAC28からのデータ電圧が直接供給される。これにより、第1のソース出力ノードSND1の電圧を、DAC28からの高精度なデータ電圧に設定することができる。DAC駆動期間では、演算増幅器VOP1の動作を停止させることができるので、低消費電力化を図ることができる。
以上のように、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW及びソース電荷蓄積用スイッチCSWを非導通状態に設定した状態で、ノード短絡スイッチHSWを一旦導通状態に設定した後に、対向電極電圧出力ノードVNDに対向電極電圧VCOMを供給して対向電極CEを駆動すると共に、ソース線に表示データに対応した電圧を供給してソース線を駆動している。
より具体的には、ソース線駆動回路20及び対向電極電圧生成回路56の出力をハイインピーダンス状態に設定し、且つソース電圧出力ノードSVNDと対向電極電圧出力ノードVNDとを電気的に接続した後に、ソース電圧出力ノードSVNDと対向電極電圧出力ノードVNDとを電気的に遮断する。そして、この状態で、ソース線駆動回路20が、第1又は第2のソース線S1、S2に表示データに対応した電圧を供給すると共に、対向電極電圧生成回路56が、対向電極CEに対向電極電圧VCOMを供給する。
図16に、第1の動作モードにおける図13の演算増幅回路ブロックOPC1及び各種スイッチの他の制御例のタイミング図を示す。
図16では、いわゆるオフ書き込みの制御例のタイミング図を示している。電荷再利用期間の制御、ソース電荷蓄積用スイッチCSWのスイッチ制御は、図15と同様である。
駆動期間のプリバッファ期間及びDAC駆動期間では、制御信号ccがHレベル、制御信号disがHレベルとなる。これにより、共用ラインCOLが放電用トランジスタDisTrにより、システム接地電源電圧VSSに設定される。そして、導通状態に設定された第1のソース短絡スイッチC2SW1を介して、電荷再利用期間内で電位が変動した第1のソース出力ノードSND1は、システム接地電源電圧VSSに設定される。この第1のソース出力ノードSND1の電圧が、第1のソース線S1に供給されて、いわゆるオフ書き込み制御が行われる。こうすることで、表示パネル12では、ソース線に供給された第1のソース出力ノードSND1の電圧を、通常の表示動作と同様に画素電極に書き込むだけでよい。
以上のようなオフ書き込み制御は、演算増幅回路ブロックOPC2〜OPCNでも同様に行われる。こうすることで、所定のオフ電圧をDACから供給することなく、非常に簡素な構成で表示オフ制御を行うことができるようになる。
3.3.2 第2の動作モードの制御タイミング例
図17に、第2の動作モードにおける図13の演算増幅回路ブロックOPC1及び各種スイッチの制御例のタイミング図を示す。
図17では、図13の制御信号c1、c2、cc、cs、ch、disがHレベルのときに、各スイッチをオン(導通状態)に設定するものとする。図17の例では、制御信号disは、常にLレベルであるものとする。なお、図17では、演算増幅回路ブロックOPC1の制御例のみを説明するが、演算増幅回路ブロックOPC2〜OPCNも、演算増幅回路ブロックOPC1と同じ制御信号により制御される。
1水平走査期間内の前半部分である電荷再利用期間では、制御信号cc、cs、cvがHレベル、制御信号c1、c2、chがLレベルに設定される。これにより、ソース電荷蓄積用スイッチCSWが導通状態に設定される。そして、第1のソース出力ノードSND1と第2の容量素子接続用端子TL2に接続される第2の容量素子CCSの一端とが同電位に設定される。これにより、第2の容量素子CCSの電荷が再利用され、第1のソース出力ノードSND1の電位が変動する。また、対向電極電圧出力ノードVNDが、第1の容量素子接続用端子TL1に接続される第1の容量素子CCVの一端と同電位に設定される。これにより、第1の容量素子CCVの電荷が再利用され、対向電極電圧出力ノードVNDの電位が変動する。
ここで、制御信号cvは、図17の制御信号ccと同様のタイミングと同様である。従って、ソース電圧出力ノードSVNDと第2の容量素子接続ノードC2NDとを電気的に接続させる期間と、対向電極電圧出力ノードVNDと第1の容量素子接続ノードC1NDとを電気的に接続させる期間とが、重複している。
この後の駆動期間のプリバッファ駆動期間では、制御信号cc、cs、cvがLレベルとなり、制御信号c1がHレベルとなる。なお、駆動期間内では、ソース電荷蓄積用スイッチCSWは、オフ(非導通状態)に設定される。これにより、電荷再利用期間内で電位が変動した第1のソース出力ノードSND1は、演算増幅器VOP1により駆動される。この演算増幅器VOP1には、DAC28によって選択されたデータ電圧が供給される。演算増幅器VOP1は、動作電流を消費するが、高い駆動能力で第1のソース出力ノードSND1の電位を高速に変動させることができる。
次に、当該駆動期間のDAC駆動期間では、制御信号c1がLレベルとなり、制御信号c2がHレベルとなる。これにより、第1のソース出力ノードSND1は、演算増幅器VOP1の出力と電気的に遮断されると共に、DAC28からのデータ電圧が直接供給される。これにより、第1のソース出力ノードSND1の電圧を、DAC28からの高精度なデータ電圧に設定することができる。DAC駆動期間では、演算増幅器VOP1の動作を停止させることができるので、低消費電力化を図ることができる。
以上のように、第2の動作モードでは、ノード短絡スイッチHSWを非導通状態に設定させる。そして、この状態で、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWにより対向電極電圧出力ノードVNDと第1の容量素子接続ノードC1NDとを一旦電気的に接続した後に、対向電極電圧出力ノードVNDに対向電極電圧VCOMを供給して対向電極CEを駆動する。それと共に、ソース電荷蓄積用スイッチCSWによりソース電圧出力ノードSVNDと第2の容量素子接続ノードC2NDとを一旦電気的に接続した後に、ソース電荷蓄積用スイッチCSWによりソース電圧出力ノードSVNDと第2の容量素子接続ノードC2NDとを電気的に遮断した状態で、ソース線に表示データに対応した電圧を供給してソース線を駆動している。
より具体的には、ソース線駆動回路20の出力をハイインピーダンス状態に設定した状態で、第1又は第2のソース出力ノードSND1、SND2と第2の容量素子接続ノードC2NDとを電気的に接続した後に、第1又は第2のソース出力ノードSND1、SND2と第2の容量素子接続ノードC2NDとを電気的に遮断した状態で、ソース線駆動回路20が、第1又は第2のソース線S1、S2に表示データに対応した電圧を供給する。また、対向電極電圧生成回路56の出力をハイインピーダンス状態に設定した状態で、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWにより対向電極電圧出力ノードVNDと第1の容量素子接続ノードC1NDとを電気的に接続した後、対向電極電圧生成回路56が、対向電極CEに対向電極電圧VCOMを供給する。
図18に、第2の動作モードにおける図13の演算増幅回路ブロックOPC1及び各種スイッチの他の制御例のタイミング図を示す。
図18では、いわゆるオフ書き込みの制御例のタイミング図を示している。電荷再利用期間の制御、ソース電荷蓄積用スイッチCSWのスイッチ制御は、図17と同様である。
駆動期間のプリバッファ期間及びDAC駆動期間では、制御信号ccがHレベル、制御信号disがHレベルとなる。これにより、共用ラインCOLが放電用トランジスタDisTrにより、システム接地電源電圧VSSに設定される。そして、導通状態に設定された第1のソース短絡スイッチC2SW1を介して、電荷再利用期間内で電位が変動した第1のソース出力ノードSND1は、システム接地電源電圧VSSに設定される。この第1のソース出力ノードSND1の電圧が、第1のソース線S1に供給されて、いわゆるオフ書き込み制御が行われる。こうすることで、表示パネル12では、ソース線に供給された第1のソース出力ノードSND1の電圧を、通常の表示動作と同様に画素電極に書き込むだけでよい。
以上のようなオフ書き込み制御は、演算増幅回路ブロックOPC2〜OPCNでも同様に行われる。こうすることで、所定のオフ電圧をDACから供給することなく、非常に簡素な構成で表示オフ制御を行うことができるようになる。
3.3.3 制御信号の生成
上記の制御信号は、表示ドライバ60の図示しない制御回路によって生成される。
図19に、表示ドライバ60の図示しない制御回路の構成の要部を示す。
図19において、制御回路は、制御レジスタ部80、タイミング生成部110を含む。制御レジスタ部80は、複数の制御レジスタを含み、各制御レジスタの設定値はホスト又は表示コントローラ40によって設定される。
タイミング生成部110は、極性反転信号POLにより規定される液晶素子の印加電圧の極性に応じて、制御レジスタ部80の各レジスタに設定された設定値に対応した基準クロックOSCのクロック数に基づいて各種の制御信号を出力する。なお基準クロックOSCは、表示ドライバ60内の図示しない発振回路において生成される。
図20に、図19の制御レジスタ部80の構成の概要を示す。
制御レジスタ部80は、動作モード設定レジスタ81、対向電極電荷蓄積用スイッチオンタイミング設定レジスタ82、対向電極電荷蓄積用スイッチオフタイミング設定レジスタ84、ソース電荷蓄積用スイッチオンタイミング設定レジスタ86、ソース電荷蓄積用スイッチオフタイミング設定レジスタ88、プリバッファ駆動開始タイミング設定レジスタ90、プリバッファ駆動終了タイミング設定レジスタ92、DAC駆動開始タイミング設定レジスタ94、DAC駆動終了タイミング設定レジスタ96、ソース短絡スイッチオンタイミング設定レジスタ98、ソース短絡スイッチオフタイミング設定レジスタ100、ノード短絡スイッチオンタイミング設定レジスタ102、ノード短絡スイッチオフタイミング設定レジスタ104を含む。
動作モード設定レジスタ81には、第1又は第2の動作モードに対応した制御データが設定される。動作モード設定レジスタ81の制御データに対応した制御信号Modeに基づいて、表示ドライバ60の各部が、電荷再利用制御を行う際に上述の第1又は第2の動作モードに対応した制御を行う。
対向電極電荷蓄積用スイッチオンタイミング設定レジスタ82には、水平走査期間(広義には走査期間)の開始タイミングを基準に、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWのオンタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数Vconが設定される。対向電極電荷蓄積用スイッチオフタイミング設定レジスタ84には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWのオフタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数Vcoffが設定される。タイミング生成部110は、制御信号Mode、クロック数Vcon、Vcoffに基づいて制御信号cv、xcvを生成する。
ソース電荷蓄積用スイッチオンタイミング設定レジスタ86には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、ソース電荷蓄積用スイッチCSWのオンタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数Sconが設定される。ソース電荷蓄積用スイッチオフタイミング設定レジスタ88には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、ソース電荷蓄積用スイッチCSWのオフタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数Scoffが設定される。タイミング生成部110は、制御信号Mode、クロック数Scon、Scoffに基づいて制御信号cs、xcsを生成する。
プリバッファ駆動開始タイミング設定レジスタ90には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、第1〜第Nのソース出力スイッチSS1〜SSNのオンタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数PBonが設定される。プリバッファ駆動終了タイミング設定レジスタ92には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、第1〜第Nのソース出力スイッチSS1〜SSNのオフタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数PBoffが設定される。タイミング生成部110は、制御信号Mode、クロック数PBon、PBoffに基づいて制御信号c1、xc1を生成する。
DAC駆動開始タイミング設定レジスタ94には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、第1〜第NのバイパススイッチBSW1〜BSWNのオンタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数DDonが設定される。DAC駆動終了タイミング設定レジスタ96には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、第1〜第NのバイパススイッチBSW1〜BSWNのオフタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数DDoffが設定される。タイミング生成部110は、制御信号Mode、クロック数DDon、DDoffに基づいて制御信号c2、xc2を生成する。
ソース短絡スイッチオンタイミング設定レジスタ98には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、第1〜第Nのソース短絡スイッチC2SW1〜C2SWNのオンタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数SBonが設定される。ソース短絡スイッチオフタイミング設定レジスタ100には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、第1〜第Nのソース短絡スイッチC2SW1〜C2SWNのオフタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数SBoffが設定される。タイミング生成部110は、制御信号Mode、クロック数SBon、SBoffに基づいて制御信号cc、xccを生成する。
ノード短絡スイッチオンタイミング設定レジスタ102には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、ノード短絡スイッチHSWのオンタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数NBonが設定される。ノード短絡スイッチオフタイミング設定レジスタ104には、水平走査期間の開始タイミングを基準に、ノード短絡スイッチHSWのオフタイミングに対応した基準クロックOSCのクロック数NBoffが設定される。タイミング生成部110は、制御信号Mode、クロック数NBon、NBoffに基づいて制御信号ch、xchを生成する。
図21に、タイミング生成部110において制御信号cv、xcvを生成する回路の一例を示す。
タイミング生成部110は、カウンタ112、コンパレータ114、116、セットリセットフリップフロップ118を含む。
カウンタ112は、極性反転信号POLの変化点を基準に、基準クロックOSCに同期してカウントアップを行う。コンパレータ114は、カウンタ112のカウント値と、対向電極電荷蓄積用スイッチオンタイミング設定レジスタ82の設定値であるクロック数Vconとを比較し、一致したときパルスを出力する。コンパレータ116は、カウンタ112のカウント値と、対向電極電荷蓄積用スイッチオフタイミング設定レジスタ84の設定値であるクロック数Vcoffとを比較し、一致したときパルスを出力する。セットリセットフリップフロップ118は、コンパレータ114からのパルスによりセットされ、コンパレータ116からのパルスによりリセットされる。
セットリセットフリップフロップ118のデータ出力信号及び反転データ出力信号は、例えばマスク回路119に入力される。マスク回路1190は、制御信号Modeに基づいてセットリセットフリップフロップ118のデータ出力信号及び反転データ出力信号のマスク制御を行い、制御信号cv、xcvとして出力される。即ち、制御信号Modeにより第1の動作モードが指定されたとき、図15又は図16に示すように制御信号cvを生成し、制御信号Modeにより第2の動作モードが指定されたとき、図17又は図18に示すように制御信号を生成する。このような制御信号Modeに応じた制御信号cvの生成方法には種々の方法があり、図21に示したものに限定されるものではない。
なお、図21では制御信号cv、xcvについて説明したが、制御信号c1、xc1、c2、xc2、cc、xcc、cs、xcs、ch、xchも同様に生成できる。
図22に、第1の動作モード時における制御信号ch、cc、cs、cvと共用ラインCOL、対向電極CE、第1のソース線S1のタイミング図の一例を示す。
上記のように制御レジスタを用いて、制御信号ch、ccの変化タイミングを制御することで、いわゆる電荷再利用期間を設けることができる。このとき、制御信号disはLレベルに設定される。
こうすることで、共用ラインCOLを介して第1〜第Nのソース線S1〜SNと対向電極CEとの間で電荷の補充が行われて、電源回路からの電荷補充を行うことなく第1〜第Nのソース線S1〜SNと対向電極CEの電位を変化させることができる。
その後は、制御信号ccがLレベルに設定されて、駆動期間が開始されることになる。
図23に、第2の動作モード時における制御信号ch、cc、cs、cvと共用ラインCOL、対向電極CE、第1のソース線S1のタイミング図の一例を示す。
上記のように制御レジスタを用いて、制御信号cc、cs、cvをほぼ同一タイミングで変化するように制御することで、いわゆる電荷再利用期間を設けることができる。このとき、制御信号disはLレベルに設定される。
こうすることで、共用ラインCOLは、第2の容量素子CCSとの間で電荷の補充が行われて、電源回路からの電荷補充を行うことなく共用ラインCOLの電位を変化させると共に、第1のソース線S1の電位を変化させることができる。同様に、対向電極電圧出力ノードVNDは、第1の容量素子CCVとの間で電荷の補充が行われて、電源回路からの電荷補充を行うことなく対向電極電圧出力ノードVNDの電位を変化させることができる。
その後は、制御信号cc、cs、cvがLレベルに設定されて、駆動期間が開始されることになる。
図24に、本実施形態における表示ドライバ60の動作例のタイミング図を示す。
図24では、表示ドライバ60が、第2の動作モードに設定されているものとする。本実施形態では、基準クロックOSCをドットクロックして用いることができる。ドットクロック単位で、1画素又は1ドット分の表示データが、表示コントローラ40から表示ドライバ60に供給される。
例えば図1のカウンタ112のカウント値が、図24に示すタイミングでカウントアップが開始される。そして、図20の制御レジスタ部80の制御レジスタに設定した値に対応したカウント値で、例えば制御信号cs、cvが変化する。
そして、これまで説明したようにソース出力が変化するようになっている。ここで、DAC駆動期間と電荷再利用期間、電荷再利用期間とプリバッファ駆動期間との間に、それぞれハイインピーダンス状態となる期間を設けている。これにより、期間の移行時に貫通電流の発生を抑えることができるようになる。
なお、ゲート出力のタイミングも、上記と同様に制御レジスタの設定値で変更できるようになっている。
以上のように、表示ドライバ60は、制御データが設定される制御レジスタを含むことができる。そして、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、第1のソース短絡スイッチC2SW1又は第2のソース短絡スイッチC2SW2が、制御データに基づいてスイッチ制御されるということができる。
なお、上記では、制御レジスタに設定される制御データに基づいて、各スイッチがスイッチ制御されるものとして説明したが、これに限定されるものではない。例えば、表示ドライバ60が、外部設定端子を含み、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、第1のソース短絡スイッチC2SW1又は第2のソース短絡スイッチC2SW2が、外部設定端子に供給される信号状態に応じてスイッチ制御されてもよい。即ち、各スイッチの制御信号が、外部設定端子から供給されたり、外部設定端子に入力された信号に基づいて生成されたりしてもよい。
4. スイッチのトランジスタ構造
本実施形態では、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、ノード短絡スイッチHSW、第1〜第Nのソース短絡スイッチC2SW1〜C2SWN、第1〜第NのバイパススイッチBSW1〜BSWN、第1〜第Nのソース出力スイッチSS1〜SSNの各スイッチを構成するトランジスタ、放電用トランジスタDisTrの構造を異ならせている。より具体的には、上記のスイッチを構成するトランジスタ又は放電用トランジスタDisTrの構造を、以下のように異ならせることで、表示ドライバ60のチップ面積を最小化し、製造コストを低下させることができる。
例えば、第1〜第Nのソース出力スイッチSS1〜SSNの各スイッチを構成するトランジスタを除いて、対向電極電荷蓄積用スイッチVSW、ソース電荷蓄積用スイッチCSW、ノード短絡スイッチHSW、第1〜第Nのソース短絡スイッチC2SW1〜C2SWN、第1〜第NのバイパススイッチBSW1〜BSWN、及び放電用トランジスタDisTrを、いわゆるトリプルウェル構造で形成する。その一方、第1〜第Nのソース出力スイッチSS1〜SSNの各スイッチを構成するトランジスタを、いわゆるツインウェル構造で形成する。
第1〜第Nのソース出力スイッチSS1〜SSNの各スイッチは、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含むトランスファーゲートにより実現される。
図25(A)、図25(B)に、第1のソース出力スイッチSS1を構成するツインウェル構造のトランジスタの断面図を模式的に示す。図25(A)は、N型のトランジスタの断面図であり、図25(B)は、P型のトランジスタの断面図である。図25(A)、図25(B)では、P型半導体基板に形成されるトランジスタの断面図を示したが、N型半導体基板に形成してもよいことは当然である。
図25(A)では、P型半導体基板130に、N型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層132、134がそれぞれドレイン領域及びソース領域として形成されると共に、P型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層136が形成される。そして、不純物拡散層132、134に挟まれるP型半導体基板130の領域の上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極138が設けられる。不純物拡散層136には、基板電位としてソース線駆動回路20の最低電位であるシステム接地電源電圧VSSが供給されている。そして、不純物拡散層132に第1のソース出力ノードSND1の電圧が供給され、不純物拡散層134に演算増幅器VOP1の出力電圧が供給されている状態で、ゲート電極138に制御信号c1を与えることで、チャネル領域が形成される。
図25(B)では、P型半導体基板130に、N型の不純物を含むN型ウェル(低濃度の不純物層。以下同様)140が形成される。そして、このN型ウェル140に、P型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層142、144がそれぞれドレイン領域及びソース領域として形成されると共に、N型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層146が形成される。そして、不純物拡散層142、144に挟まれるN型ウェル140の領域の上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極148が設けられる。不純物拡散層146には、ソース線駆動回路20の最高電位である電源電圧VDDHSが供給されている。そして、不純物拡散層142に第1のソース出力ノードSND1の電圧が供給され、不純物拡散層144に演算増幅器VOP1の出力電圧が供給されている状態で、ゲート電極148に制御信号xc1を与えることで、チャネル領域が形成される。
一方、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWは、P型のトランジスタとN型のトランジスタとを含むトランスファーゲートにより実現される。
図26に、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWを構成するトリプルウェル構造のN型のトランジスタの断面図を模式的に示す。
なお図26において、図25(A)と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。
トリプルウェル構造の場合、P型半導体基板130に、N型の不純物を含むN型ウェル150が形成される。そして、このN型ウェル150に、P型の不純物を含むP型ウェル152が形成される。このP型ウェル152に、N型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層154、156がそれぞれドレイン領域及びソース領域として形成されると共に、P型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層158が形成される。そして、不純物拡散層154、156に挟まれるP型ウェル152の領域の上に、ゲート絶縁膜を介してゲート電極160が設けられる。不純物拡散層158に、基板電位として低電位側電圧VCOMLが供給されている。そして、不純物拡散層154に第1の容量素子接続ノードC1NDの電圧が供給され、不純物拡散層156に対向電極電圧出力ノードVNDの電圧が供給されている状態で、ゲート電極160に制御信号cvを与えることで、チャネル領域が形成される。即ち、チャネル領域が形成される不純物層に、低電位側電圧VCOMLが供給される。
このとき、N型ウェル150には、N型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層162を介して、ウェル電圧VNW1が供給される。またP型半導体基板130には、P型の不純物を含む高濃度の不純物拡散層164を介して、システム接地電源電圧VSSが供給される。ウェル電圧VNW1は、システム接地電源電圧VSS及び低電位側電圧VCOMLより高電位の電圧であればよく、例えば高電位側電源の電圧VDDとすることができる。
なお、トリプルウェル構造のP型のトランジスタの場合には、チャネル領域が形成される不純物層に、基板電位として高電位側電圧VCOMHが供給される。
即ち、上述のように、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが例えばN型の第1のトランジスタ(第1の導電型の第1のトランジスタ)を有し、第1のソース出力スイッチSS1を構成するトランジスタ等のツインウェルで構成されるトランジスタがN型のトランジスタである場合に、第1のトランジスタの基板電位を、第1のソース出力スイッチSS1を構成するトランジスタ等のツインウェルで構成されるトランジスタの基板電位と異ならせている。
トリプルウェル構造のトランジスタは、ツインウェル構造のトランジスタと比較してレイアウト面積が大きくなるため、上記のようにトランジスタを形成することで、表示ドライバ60のチップ面積の最小化を図ることができる。
4.1 スイッチを構成するトランジスタの配置
本実施形態では、表示ドライバ60が表示パネル12の一辺に沿って配置される点を考慮して、表示パネル12と表示ドライバ60の実装面積を最小化するために、表示ドライバ60の各部が、細長のチップに形成されている。そのため、通常は回路ブロック内に配置されるべき素子についても、表示パネル12への信号出力側に設けられる出力側I/F領域などのパッド配置領域に配置している。この場合、ソース線駆動回路20を構成するトランジスタをパッド配置領域に配置できれば、チップの小面積化を期待できる。
しかしながら、一般的に、ソース線駆動回路20の出力線の本数は非常に多い。従って、ソース線駆動回路20が含む演算増幅器を構成するトランジスタ等をパッド配置領域に配置すると、多数の信号線をパッド配置領域において引き回さなければならなくなり、その配線領域の面積が増え、結局、チップのD2方向での幅を小さくできない。
そこで本実施形態では、ソース線駆動回路20を構成するトランジスタのうち、ソース線駆動回路20において共通の制御信号で制御されるスイッチを構成するトランジスタをパッド配置領域に配置する手法を採用している。
図27に、本実施形態における表示ドライバ60が形成されるチップのレイアウトイメージ図を示す。
表示ドライバ60のソース線駆動回路20は、ソース線S1、S2、・・・、SN−1、SNを駆動するためのソースドライバブロックDBを含む。また表示ドライバ60のソース線駆動回路20は、複数の制御トランジスタTC1〜TCNと、パッド配置領域(出力側I/F領域)を含む。
ここで制御トランジスタTC1〜TCNの各制御トランジスタは、ソースドライバブロックDBの出力線QL1〜QLNのそれぞれに対応して設けられ、各制御トランジスタは、共通制御信号線上の制御信号により。なお制御トランジスタはN型(広義には第1の導電型)のトランジスタでもよいし、P型(広義には第2の導電型)のトランジスタでもよい。或いはN型トランジスタとP型トランジスタを組み合わせた回路、例えばトランスファーゲートのトランジスタであってもよい。
パッド配置領域には、表示パネルのソース線とソースドライバブロックDBの出力線QL1、QL2、QL3、QL4・・・とを電気的に接続するためのソースドライバ用パッド(パッドメタル)が配置される。なおパッド配置領域にソースドライバ用パッド以外のパッドを配置したり、ダミーのパッドを配置したりしてもよい。或いは後述する静電気保護素子や電源間保護回路を配置してもよい。またパッド配置領域は例えば回路ブロックの辺(境界、縁)と表示ドライバ60のチップの長辺との間の領域であり、例えば出力側I/F領域である。パッドは少なくともその中心位置(パッドセンタ)がパッド配置領域に配置されていればよい。
そして本実施形態では図27に示すように、制御トランジスタTC1、TC2、TC3・・・をパッド配置領域に配置している。即ちデータドライバの演算増幅器の差動部や駆動部を構成するトランジスタについては、パッド配置領域に敢えて配置せずに、図27に示すような制御トランジスタTC1、TC2、TC3・・・をパッド配置領域に配置している。
例えば演算増幅器の駆動部を構成する出力トランジスタは、そのゲートにソース出力毎に異なる入力信号が入力されて制御される。従って、このような出力トランジスタをパッド配置領域に配置すると、これらの入力信号の配線領域が原因となって、表示ドライバ60のチップのD2方向での幅が増加してしまう可能性がある。
この点、制御トランジスタTC1、TC2、TC3・・・は、ソース出力毎に異なる信号ではなく、ソース出力間に共通の制御信号線上の制御信号で制御される。従って、制御トランジスタTC1、TC2、TC3・・・をパッド配置領域に配置しても、配線領域の面積はそれほど増加しないため、表示ドライバ60のチップのD2方向での幅を小さくできる。
図28に、ソース線駆動回路20の演算増幅回路ブロックOPC1、OPC2の構成例を示す。
図28において図13と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。パッドP1に対応して設けられた演算増幅回路ブロックOPC1の演算増幅器VOP1は、ソース線に出力されるデータ信号のインピーダンス変換を行うものである。即ち、前段のDACからの出力信号のインピーダンス変換を行ってソース線にデータ信号を出力し、ソース線を駆動する。
図28において、パッド配置領域において、共用ラインCOLが、制御信号線と同じ方向(D1方向、D3方向)に配置されている。また制御トランジスタTC1として、図13の第1のソース短絡スイッチC2SW1が採用される。制御信号線上の制御信号cc、xccがアクティブになった場合に、出力線QL1と共用ラインとが電気的に接続される。また制御トランジスタTC2として、図13の第2のソース短絡スイッチC2SW2が採用される。制御信号線上の制御信号cc、xccがアクティブになった場合に、出力線QL2と共用ラインとが電気的に接続される。他のソース短絡スイッチも同様である。
本実施形態では図28に示すような制御トランジスタTC1、TC2をパッド配置領域に配置している。具体的には、制御トランジスタTC1、TC2は、その少なくとも一部(一部又は全部)が、パッド(パッドメタル)P1、P2に平面視においてオーバーラップするように、パッドP1、P2の下層(下方)に配置される。別の言い方をすれば、制御トランジスタTC1、TC2の一部又は全部に、平面視においてオーバーラップするように、TC1、TC2の上層にパッドP1、P2(ソースドライバ用パッド)が配置される。
パッドの下層にトランジスタを配置すると、ボンディングワイヤの接着時やバンプ実装時にパッドに加わった応力が原因となって、トランジスタのしきい値電圧が変動してしまう可能性がある。またトランジスタの層間膜の容量も設計時の容量に比べて変動する可能性がある。このためウェハ上でのトランジスタの特性が、実装時の特性とは異なるものになる不具合が生じるおそれがある。従って演算増幅器VOP1、VOP2の差動部(差動段)及び駆動部(駆動段)を構成するアナログ回路としてのトランジスタのように、アナログ電圧を出力するためのトランジスタについては、敢えてパッドの下層に配置せずに、ソースドライバブロック内に配置する。
一方、制御トランジスタTC1、TC2のように、デジタルスイッチとして機能し、デジタル電圧を出力するトランジスタについては、パッドの下層に配置する。こうすることで、上記の不具合の発生を回避できると共に、表示ドライバ60のチップのレイアウト面積を削減でき、表示ドライバ60のチップのD2方向での幅をより一層小さくできる。例えばソースドライバの出力線の本数は非常に多いため、面積削減の効果は顕著である。
また、演算増幅器VOP1、VOP2の駆動部を構成する出力トランジスタのゲートは、演算増幅回路ブロックOPC1、OPC2において、別のゲート制御信号により制御される。従って、これらの出力トランジスタをパッド配置領域に配置しようとすると、ソース線と同じ本数の多数のゲート制御信号をパッド配置領域に配線する必要があり、配線領域の面積が増加する。
これに対して図28の制御トランジスタTC1、TC2は、共通制御信号線上の制御信号により制御される。従って制御トランジスタTC1、TC2をパッド配置領域に配置した場合に、パッド配置領域には共通制御信号線を配線すれば済む。また出力線QL1、QL2は接続線によりパッドP1、P2に接続されるため、この接続線の下方に制御トランジスタTC1、TC2を配置し、TC1、TC2のドレインを接続線に接続すれば、配線領域の面積はほとんど増加しない。従って、制御トランジスタTC1、TC2を配置したことによる配線領域の面積増加は最小限となる。
図29では、パッドP1に対応して第1の静電気保護素子ESD1が設けられ、パッドP2に対応して第2の静電気保護素子ESD2が設けられる。ここで第1の静電気保護素子ESD1は、高電位側電源(VDDHS)とソースドライバブロックの出力線QL1との間に設けられる第1のダイオードDI1と、低電位側電源(VSS)と出力線QL1との間に設けられる第2のダイオードDI2を含む。また第2の静電気保護素子ESD2は、高電位側電源とソースドライバブロックの出力線QL2との間に設けられる第3のダイオードDI3と、低電位側電源と出力線QL2との間に設けられる第4のダイオードDI4を含む。これらのダイオードDI1〜DI4は、拡散領域とウェル領域等との境界に形成されるツェナダイオードであってもよいし、トランジスタのソースとゲートを接続することで構成されるGCDトランジスタのダイオードであってもよい。
本実施形態では、このような静電気保護素子ESD1、ESD2についてもパッド配置領域に配置している。具体的には、静電気保護素子ESD1、ESD2は、その少なくとも一部が、パッドP1、P2にオーバーラップするように、パッドP1、P2の下層に配置される。こうすることで、表示ドライバ60のチップのD2方向での幅をより一層小さくできる。
4.2 パッド配置領域のレイアウト
図30にパッド配置領域のレイアウト例を示す。また図31(A)に電源VDDHS、VSS間に設けられる静電気保護素子等の例を示す。図31(A)では、パッドP1(P2)に接続される出力線QL1(QL2)と電源VDDHSとの間にダイオードDI1(DI3)が設けられる。また出力線QL1(QL2)と電源VSSとの間にダイオードDI2(DI4)が設けられる。これらのダイオードDI1、DI2を設ければ、パッドP1に静電気電圧が印加された場合にも、電荷をVDD2側又はVSS側に逃がすことができ、トランジスタTRQ1、TRQ2(例えば演算増幅器の駆動部の出力トランジスタ)を静電気から保護できる。
なお図31(A)では、高電位側電源VDDHSと低電位側電源VSSの間に電源間保護回路210が設けられる。この電源間保護回路210は、VDDHS、VSS間に所与の電圧以上の高い電圧が印加された場合に、一定電圧値で電圧をクランプする電圧クランプ回路として機能する。この電源間保護回路210としては、SCR(シリコン制御整流器)、バイポーラトランジスタ、或いは逆方向接続で直列接続された複数個のダイオードなどを用いることができる。
図31(B)に、図30のパッドP1、P2と、静電気保護素子ESD1、ESD2を構成するダイオードDI1〜DI4と、制御トランジスタTC1、TC2の接続関係を示す。図31(B)に示すように、静電気保護素子ESD1を構成するダイオードDI1、DI2と、制御トランジスタTC1は、パッドP1に接続される。また静電気保護素子ESD2を構成するダイオードDI3、DI4と、制御トランジスタTC2、TCN2、TCP2は、パッドP2に接続される。またダイオードDI1、DI3は第1のウェル領域に形成され、ダイオードDI2、DI4は、第1のウェル領域とは分離形成された第2のウェル領域に形成される。
さて図30では、表示パネルのソース線(出力線)の並ぶ方向がD1方向となっており、D1方向に直交する方向がD2方向となっている。そして図30に示すように、図29で説明した制御トランジスタTC1、TC2は、ソースドライバブロックのD2方向に配置される。そして静電気保護素子ESD1(ダイオードDI1、DI2)、ESD2(ダイオードDI3、DI4)は、制御トランジスタTC1、TC2のD2方向側に配置される。即ち、制御トランジスタTC1、TC2は、ソースドライバブロックと静電気保護素子ESD1、ESD2の間に配置される。また図30では、これらの制御トランジスタTC1、TC2、静電気保護素子ESD1、ESD2は、その一部がパッドP1、P2に平面視においてオーバーラップするように、パッドP1、P2の下層(下方)に配置される。
このような配置によれば、制御トランジスタTC1、TC2がソースドライバブロックの直近に配置されるようになるため、ソースドライバブロックからの出力線をショートパスで制御トランジスタTC1、TC2に接続でき、レイアウト効率、配線効率を向上できる。またこの配置によれば、静電気保護素子ESD1、ESD2の方が制御トランジスタTC1、TC2よりもパッドP1、P2の近くに配置されるようになる。従って、パッドP1、P2に静電気電圧が印加された場合に、静電気が静電気保護素子ESD1、ESD2で放電された後、時間的に遅れて制御トランジスタTC1、TC2に印加されるようになる。これにより、制御トランジスタTC1、TC2が静電気破壊される事態を防止できる。
この場合、制御トランジスタTC1、TC2のドレイン面積を大きくすることで、静電耐圧を高める手法もあるが、この手法を採用するとパッド配置領域のD2方向での幅が大きくなり、集積回路装置のD2方向での幅も大きくなってしまう。
この点、図30の配置によれば、制御トランジスタTC1、TC2のドレイン面積をそれほど大きくしなくても、静電耐圧を高めることができるため、集積回路装置のD2方向での幅をより一層小さくできる。
また図30では、パッド配置領域が、D3方向に沿って並ぶ複数の配置エリアAR1、AR2、AR3・・・を有する。そして配置エリアAR1(各配置エリア)には、D2方向に並ぶ2個(広義にはK個。Kは2以上の整数)のソースドライバ用のパッドP1、P2(パッドの中心位置)が配置される。また、その各々がパッドP1、P2の各々に接続される2個(K個)の静電気保護素子ESD1、ESD2が配置される。更に制御トランジスタTC1、TC2も配置される。
また図30では各配置エリアにおいて2個のパッドが千鳥配置されている。例えばD2方向に沿って並ぶパッドP1、P2は、D3方向においてその中心位置がずれて配置される。即ちD3方向をX軸とした場合に、パッドP1とP2は、そのX座標が異なっている。
このようにパッドP1、P2を千鳥配置にすれば、D3方向(D1方向)に沿って多くのパッドを配置できるようになり、ソースドライバブロックからの多数のデータ信号を、パッドを介してソース線に出力できるようになる。
また、このようにパッドを千鳥配置にして、パッドピッチが小さくなると、配置エリアAR1のD3方向(D1方向)での幅が狭くなってしまう。この点、図30では、複数個のパッドP1、P2を一組として配置エリアAR1を形成している。従って、配置エリアAR1のD3方向(D1方向)での幅をある程度の大きさに確保できる。これにより、この配置エリアAR1に静電気保護素子ESD1、ESD2、制御トランジスタTC1、TC2を配置できる。
また図30では、配置エリアAR1に配置される2個(K個)の静電気保護素子のうちの第1の静電気保護素子ESD1は、第1、第2のダイオードDI1、DI2を含み、第2の静電気保護素子ESD2は、第3、第4のダイオードDI3、DI4を含む。そしてこれらのダイオードDI1、DI2、DI3、DI4は、配置エリアAR1においてD2方向に沿って配置される。このようにダイオードDI1〜DI4をD2方向に沿ってスタック配置すれば、配置エリアAR1のD1方向での幅を小さくできる。
即ち比較例の手法として、ダイオードDI1、DI2をD1方向に沿ってスタック配置し、その上側にダイオードDI3、DI4をD1方向に沿ってスタック配置する手法も考えられる。しかしながら、この手法によると、ダイオードがD3方向(D1方向)にスタック配置されると共にP型ウェル領域、N型ウェル領域がD1方向に並んで形成されるため、配置エリアAR1のD1方向での幅が広がってしまう。
この点、図30では、ダイオードDI1〜DI4がD2方向にスタック配置されると共にP型ウェル領域、N型ウェル領域もD2方向に沿って形成される。即ちダイオードDI1、DI3が形成される第1のウェル領域(N型)と、ダイオードDI2、DI4が形成される第2のウェル領域(P型)が、D2方向で分離形成される。従って、配置エリアAR1のD1方向での幅を小さくでき、狭いパッドピッチに対応できる。
また図30では、高電位側電源と低電位側電源の間に設けられる電源間保護回路210を、静電気保護素子ESD1、ESD2のD2方向側に配置している。即ち電源間保護回路210は、高電圧印加時に即座に電圧をクランプして回路ブロック内のトランジスタを保護する必要があるため、その回路規模が大きい場合が多い。一方、電源間保護回路210は、静電気保護素子ESD1、ESD2のようにソースドライバの各出力パッドに対して1対1に設ける必要はない。
そこで図30では、静電気保護素子ESD1、ESD2のD2方向側に、表示ドライバ60のチップの外周に沿って電源間保護回路210を形成している。このようにすれば、パッドの下層の領域を有効活用して、その各々が複数のパッド毎に配置される複数の電源間保護回路210を形成できる。従って表示ドライバ60のチップの面積増加を最小限に抑えながら、静電耐圧を向上できる。
また本実施形態では、共用ラインCOLに接続される放電用トランジスタDisTrに代えて、各ソース出力にソース線放電トランジスタSdisTrを設けてもよい。
図32に、ソース線放電トランジスタの説明図を示す。
図32において、図13と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。第1のソース線S1への電圧が供給される第1のソース出力ノードSND1に、第1のソース線放電トランジスタSdisTr1のドレインが接続される。第1のソース線放電トランジスタSdisTr1のソースには、放電用電圧である例えばシステム接地電源電圧VSSが供給される。第1のソース線放電トランジスタSdisTr1のゲートには、図示しない制御回路によって生成される制御信号dissが供給される。なお、第1のソース出力ノードSND1とソース電圧出力ノードSVNDとの間には、第1のソース短絡スイッチC2SW1が設けられている。
第2〜第Nのソース出力ノードSND2〜SNDNの各ソース出力ノードには、図32と同様にソース出力毎にソース線放電トランジスタのドレインが接続される。第1〜第Nのソース線放電トランジスタSdisTr1〜SdisTrNは、同一の制御信号diss又はソース線毎に制御される制御信号によりオンオフ制御される。
図32に示すようにソース出力毎に設けられるソース短絡スイッチ及びソース線放電トランジスタを、パッド配置領域に設けてもよい。
図33に、パッド配置領域における第1のソース短絡スイッチC2SW1及び第1のソース線放電トランジスタSdisTr1のレイアウト例を示す。
図33において、図30と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図33に示すように、第1のソース線S1が接続される第1のソース線接続パッドS1_PとしてのパッドP2(P1)の下層に、第1のソース線放電トランジスタSdisTr1が配置される。より具体的には、パッドP2の下層に、第1のソース線放電トランジスタSdisTr1のアクティブ領域が配置され、パッドP2と該アクティブ領域が平面視において少なくとも一部がオーバーラップするように配置される。
そして、図33では、パッドP2の近傍領域に、第1のソース短絡スイッチC2SW1が形成される。上述のように、第1のソース線放電トランジスタSdisTr1及び第1のソース短絡スイッチC2SW1は、デジタルスイッチとして機能すればすむため、特性を劣化させることなく、表示ドライバ60のチップのD2方向での幅をより一層小さくできる。
更に、本実施形態では、以下に述べるように、対向電極電荷蓄積用スイッチCVWを、第1の容量素子接続用端子TL1としての第1の容量素子接続用パッドPD1の近傍領域に配置してもよい。
図34に、第1の容量素子接続用パッドPD1の近傍領域に形成される対向電極電荷蓄積用スイッチCVWのレイアウト配置例を示す。
図34では、図の理解を容易にする目的で、配線層の図示を省略し、アクティブ領域とゲート電極と、パッドを構成するパッドメタルのみを示している。表示ドライバ60のチップの長辺の端部SDに設けられたパッド配置領域に、第1の容量素子接続ノードが電気的に接続される第1の容量素子接続用パッドPD1と、対向電極電圧出力ノードと電気的に接続される対向電極接続用パッドPD2とが配置されている。対向電極接続用パッドPD2及び第1の容量素子接続用パッドPD1が第1の方向に隣接して配置される。そして、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが、第1の方向と交差する第2の方向に第1の容量素子接続用パッドPD1と隣接して配置される。第1の容量素子接続用パッドPD1は、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWを構成するN型トランジスタとP型トランジスタと、図示しない配線層を介して電気的に接続される。
図34において、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWを構成するN型トランジスタは、アクティブ領域ACT1上にゲート電極(図34においてGで表す)が配置される領域に形成される。図34において、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWを構成するP型トランジスタは、アクティブ領域ACT2上にゲート電極(図34においてGで表す)が配置される領域に形成される。
また、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWの形成領域が、平面視において第1の容量素子接続用パッドPD1(パッドメタル)の少なくとも一部がオーバーラップするように形成されていてもよい。
図35に、第1の容量素子接続用パッドPD1の近傍領域に形成される対向電極電荷蓄積用スイッチCVWのレイアウト配置の他の例を示す。
図35において、図34と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図35においても、対向電極接続用パッドPD2及び第1の容量素子接続用パッドPD1が隣接して配置される。そして、対向電極電荷蓄積用スイッチVSWが、第1の容量素子接続用パッドPD1(或いは対向電極電荷接続用パッドPD2)の下層に配置される。
図34又は図35のように配置することで、第1の容量素子接続用パッドPD1と対向電極電荷蓄積用スイッチCVWとの接続線の長さを短くすることができる。その結果、容量が大きい第1の容量素子CCVから充放電される電荷に基づく電流消費を削減できる。また、対向電極電荷蓄積用スイッチCVWを構成するトランジスタのサイズを大きくしても表示ドライバ60のチップ面積の増大を抑えることができるので、対向電極電荷蓄積用スイッチCVWのオン抵抗を低くして、第1の容量素子CCVから充放電される電荷に基づく電流消費をより一層低くすることができる。
上述のように第2の容量素子CCSを用いた電荷再利用の効果が表示データに依存する一方、高電位側電圧VCOMH又は低電位側電圧VCOMLを印加する際に電荷が再利用される第1の容量素子CCVを用いた電荷再利用の効果は著しく高い。従って、第1の容量素子接続用端子TL1としての第1の容量素子接続用パッドPD1の近傍又はその下層に対向電極電荷蓄積用スイッチCVWを配置することで、チップ面積の削減と電荷再利用の効果を最大限に得ることができる。
5. 変形例
本実施形態では、図1又は図2に示す表示パネル12を駆動する表示ドライバ60について説明したが、これに限定されるものではない。
図36に、表示パネルの他の構成例の概要を示す。
図36において、図1又は図2と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図36の表示パネル200は、表示ドライバによって駆動されるソース出力毎にデマルチプレクサを含む。即ち、ソース線SLに対応してデマルチプレクサDMUXL、ソース線SL+1に対応してデマルチプレクサDMUXL+1を含む。デマルチプレクサDMUXは、各ソース出力を3つの色成分用ソース線に分割する。表示パネル200では、各色成分用ソース線にTFTのソースが接続される。従って、各ソース出力に、3ドット分の表示データに対応したデータ電圧を時分割で出力することで、デマルチプレクサDMUXが時分割多重されたデータ電圧を分離して、各色成分用ソース線に出力させることができる。
図37に、図36の表示パネルを駆動する表示ドライバの構成要部を示す。
図37において、図13と同一部分には同一符号を付し、適宜説明を省略する。図37の表示ドライバでは、各演算増幅器ブロックに、予め3ドット分のデータ電圧が時分割多重されて入力される。そして、その時分割多重タイミング信号を、表示パネル200に供給することで、デマルチプレクサDMUX1〜DMUXNのそれぞれは、各ソース出力を分離することができる。
なお、図36のデマルチプレクサDMUX1〜DMUXNを、図38に示すように表示ドライバ側に設けてもよい。即ち、表示ドライバ202は、各ソース出力ノードの時分割された電圧を複数の出力電圧に分離するためのデマルチプレクサを含み、複数の出力電圧の各出力電圧を、表示パネルの各ソース線に供給する。この場合、データ電圧の時分割多重タイミング信号を表示パネルに供給する必要がなくなるので、実装面積をより小さくすることができるようになる。
6. 電子機器
図39に、本実施形態における電子機器の構成例のブロック図を示す。ここでは、電子機器として、携帯電話機の構成例のブロック図を示す。
携帯電話機900は、カメラモジュール910を含む。カメラモジュール910は、CCDカメラを含み、CCDカメラで撮像した画像のデータを、YUVフォーマットで表示コントローラ540に供給する。表示コントローラ540は、図1又は図2の表示コントローラ40の機能を有する。
携帯電話機900は、表示パネル512を含む。表示パネル512は、ソースドライバ520及びゲートドライバ530によって駆動される。表示パネル512は、複数のゲート線、複数のソース線、複数の画素を含む。表示パネル512は、図1又は図2の表示パネル12の機能を有する。
表示コントローラ540は、ソースドライバ520及びゲートドライバ530に接続され、ソースドライバ520に対してRGBフォーマットの階調データを供給する。
電源回路542は、ソースドライバ520及びゲートドライバ530に接続され、各ドライバに対して、駆動用の電源電圧を供給する。電源回路542は、図1又は図2の電源回路50の機能を有する。表示ドライバ544としてソースドライバ520、ゲートドライバ530及び電源回路542を含み、該表示ドライバ544が表示パネル512を駆動できる。
ホスト940は、表示コントローラ540に接続される。ホスト940は、表示コントローラ540を制御する。またホスト940は、アンテナ960を介して受信された階調データを、変復調部950で復調した後、表示コントローラ540に供給できる。表示コントローラ540は、この階調データに基づき、ソースドライバ520及びゲートドライバ530により表示パネル512に表示させる。ソースドライバ520は、図1又は図2のソース線駆動回路20の機能を有する。ゲートドライバ530は、図1又は図2のゲート線駆動回路30の機能を有する。
ホスト940は、カメラモジュール910で生成された階調データを変復調部950で変調した後、アンテナ960を介して他の通信装置への送信を指示できる。
ホスト940は、操作入力部970からの操作情報に基づいて階調データの送受信処理、カメラモジュール910の撮像、表示パネル512の表示処理を行う。
なお、本発明は上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内で種々の変形実施が可能である。例えば、本発明は上述の液晶表示パネルの駆動に適用されるものに限らず、エレクトロクミネッセンス、プラズマディスプレイ装置の駆動に適用可能である。
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。