第1の発明は、機器制御システムにおいて、通信距離を段階的に制御可能な送受信手段を端末と機器とに各々具備し、前記段階的に制御した通信距離ごとに、それぞれ固有の動作を行うようにした。
これにより、端末と機器との距離に応じて、それぞれ最適な動作をさせることが可能となり、機器に対して、端末との距離に応じて自動的に動作開始を行う、あるいは動作停止することにより、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第2の発明は、特に第1の発明の機器制御システムにおいて、前記送受信手段は、接触距離状態(例えば数センチ以内)で通信可能な接触距離モード、それよりも少し離れた(例えば数十センチ以内)で通信可能な接近距離モード、さらにそれよりも離れた(例えば1メートル数十センチ以内)で通信可能な近距離モード、さらにそれよりも離れた(例えば数メートル以内)で通信可能な中距離モード、さらにそれよりも離れた遠距離(例えば数十メートル以内)で通信可能な遠距離モードのうち少なくとも2つ以上を切り換えて通信距離を制御するようにした。
これにより、端末と機器との距離に応じて、段階的にそれぞれ最適な動作をさせることが可能となり、機器に対して、端末との距離に応じて自動的に動作開始を行う、あるいは動作停止することにより、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第3の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末と機器との通信が、中距離モードから近距離モードになった時点で前記機器が動作開始、あるいは、近距離モードから中距離モードになった時点で動作停止するようにした。
これにより、端末が近づいてきて機器との距離が遠距離から中距離になった時に、特定の機器が動作を開始して、逆に端末が離れていき機器との距離が中距離から遠距離になったときに、特定の機器が動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第4の発明は、特に第3の発明の機器制御システムにおいて、機器の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものであって、前記機器に少なくとも、照明機器、あるいは、テレビ、あるいは、ラジオのいずれかが含まれるようにした。
これにより、端末が近づいてきて照明機器、あるいは、テレビ、あるいは、ラジオなどの機器との距離が遠距離から中距離になったときに、これらの機器が動作を開始して、逆に端末が離れていきこれらの機器との距離が中距離から遠距離になったときに、これらの機器が動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので快適性、あるいは、利便性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第5の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末と機器との通信が、近距離モードから接近距離モードになった時点で前記機器が動作開始、あるいは、接近距離モードから近距離モードになった時点で動作停止するようにした。
これにより、端末が近づいてきて機器との距離が近距離から接近距離になったときに、特定の機器が動作を開始して、逆に端末が離れていき機器との距離が接近距離から近距離になったときに、特定の機器が動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第6の発明は、特に第5の発明の機器制御システムにおいて、機器の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものであって、前記機器に少なくとも、卓上電気スタンドが含まれるようにした。
これにより、端末が近づいてきて卓上電気スタンドとの距離が近距離から接近距離になったときに、卓上電気スタンドが動作を開始(点灯)して、逆に端末が離れていきこれらの機器との距離が接近距離から近距離になったときに、卓上電気スタンドが動作を停止(消灯)することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また卓上電気スタンドの制御を意識することなしに、卓上電気スタンド自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止(消灯)することにより省エネルギーにも貢献する。
第7の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末と機器との通信が、遠距離モードから中距離モードになった時点で前記機器が動作開始、あるいは、中距離モードから遠距離モードになった時点で動作停止するようにした。
これにより、端末が近づいてきて機器との距離が遠距離から中距離になったときに、特定の機器が動作を開始して、逆に端末が離れていき機器との距離が中距離から遠距離になったときに、特定の機器が動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第8の発明は、特に第7の発明の機器制御システムにおいて、機器の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものであって、前記機器に少なくとも、空気洗浄器、または換気扇が含まれるようにした。
これにより、端末が近づいてきて空気洗浄器または換気扇との距離が遠距離から中距離になったときに、空気洗浄器または換気扇が動作を開始して、逆に端末が離れていきこれらの機器との距離が中距離から遠距離になったときに、空気洗浄器または換気扇が動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また空気洗浄器の制御を意識することなしに、空気洗浄器または換気扇自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性の向上が期待できるとともに、人が近くにいなくなった時に動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。特にたとえば花粉時期のように帰宅した人が花粉を建物の中に持ち込むようになったときに、建物に入ったとたん、空気洗浄器または換気扇が動いて花粉の拡散を少しでも防止できる。
第9の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末と機器との通信が、圏外(通信不可能)から遠距離モードになった時点で前記機器が動作開始、あるいは、遠距離モードから圏外(通信不可能)になった時点で動作停止するようにした。
これにより、端末が近づいてきて機器との距離が圏外(通信不可能)から遠距離モードになったときに、特定の機器が動作を開始して、逆に端末が離れていき機器との距離が遠距離モードから圏外(通信不可能)になったときに、特定の機器が動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できるとともに、人が外出した時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第10の発明は、特に第9の発明の機器制御システムにおいて、機器の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものであって、前記機器に少なくとも、エアコンが含まれるようにした。
これにより、端末が近づいてきてエアコンとの距離が圏外(通信不可能)から遠距離モードになったときに、エアコンが動作を開始して、逆に端末が離れていきこれらの機器との距離が遠距離モードから圏外(通信不可能)になったときに、エアコンが動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、またエアコンの制御を意識することなしに、エアコン自身が自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性の向上が期待できるとともに、人が近くにいなくなった時に動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。特に帰宅時、帰宅途中でエアコンが動作開始して、帰宅した時には冷房(暖房)が効いているというサービスが実現できる。
第11の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて端末と機器との通信が、近距離モードから接近距離モードになった時点で前記機器の動作開始が可能となり(自動的に開始しない)、あるいは、近距離モードから中距離モードになった時点、または、中距離モードから遠距離モードになった時点で、動作停止するようにした。
これにより、端末が近づいてきて機器との距離が近距離から接近距離になったときに、特定の機器の動作開始が可能となるが、自動的には動作開始せず、逆に端末が離れていき機器との距離が中近距離から遠距離になったときに、機器が動作を停止することが出来るので、人間が安全を確認した上で動作を開始し、あるいはその逆に、動作させたまま不用意にその場所から遠ざかってしまった場合には、安全を重視して、動作を停止させることが出来るので、特に安全性向上が期待できると共に、人が近くにいない時には動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。
第12の発明は、特に第11の発明の機器制御システムにおいて、機器の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のあるものであって、前記機器に少なくとも、ガス、または、電気、または、灯油を用いた暖房機、または、調理器が含まれるようにした。
これにより、ガス、または、電気、または、灯油を用いた暖房機、または、調理器といった機器に、端末が近づいてきて、これらの機器との距離が近距離から接近距離になったときに、これらの機器の動作開始が可能となるが、自動的には動作開始せず、逆に端末が離れていき、これらの機器との距離が中近距離から遠距離になったときに、これらの機器が動作を停止することが出来るので、人間が安全を確認した上で動作を開始し、あるいはその逆に、動作させたまま不用意にその場所から遠ざかってしまった場合には、安全を重視して、動作を停止させることが出来るので、特に安全性向上が期待できるとともに、人が近くにいない時には動作を停止(消火)することにより省エネルギーにも貢献する。
第13の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末と機器との通信が、接触距離モードで通信可能となった時点で動作を行ない、あるいは、接近距離モードから近距離モードになった時点で前記動作とは異なる動作を行うようにした。
これにより、機器との距離が接触距離になったときに、特定の機器が動作を開始して、逆に端末が離れていき機器との距離が接近距離から近距離になったときに、特定の機器が逆動作をおこなうようにしたので、人がその度に操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できる。
第14の発明は、特に第13の発明の機器制御システムにおいて、機器が電気鍵であって、端末と前記電気鍵の通信が、接触距離モードで通信可能となった時点で開錠、あるいは、接近距離モードから近距離モードになった時点で施錠するようにした。
これにより、電気鍵との距離が接触距離になったときに、電気鍵が(自動的に)開錠動作して、逆に電気鍵が離れていき電気鍵との距離が接近距離から近距離になったときに、電気鍵が施錠動作をおこなうようにしたので、人がその度に施錠開錠の操作する必要も無く、また機器の制御を意識することなしに、機器自身が自動的に制御を行なうので快適性、あるいは、利便性、あるいは、(防犯という観点で)安全性の向上が期待できる。
第15の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末が振動検知手段を具備し、前記振動検知手段で振動を検知した時点で前記端末が起動して定期的に信号を発生し、一定時間以内に振動を検知しなかった場合、前記端末が休止して信号を発生しないようにした。
これにより、人が端末を身につけている、あるいは手に持って端末がある程度の振動を受け続けている時には、端末が起動しているので定期的に信号を発生して機器と通信するが、端末がどこかに放置されたような場合、休止して信号を発生しなくなる。すなわち、持ち主である人と共に移動している時にだけ、機器制御システムとして有効に働き、利便性を享受できるが、持ち主の手を離れ、単に机上などに放置された場合、機器制御システムから遮断されると共に端末の省エネルギー(休止すると電池寿命が延びる)にも貢献する。
第16の発明は、特に第2の発明の機器制御システムにおいて、端末と機器との通信が、中距離モードから遠距離モードになった時点、または、遠距離モードから圏外(通信不可能)になった時点、または、遠距離モードになった時点、または、圏外(通信不可能)になった時点で、それぞれ固有の動作を行うようにした。
これにより、機器から遠くなった(例えば端末を携帯する人が外出した)時に、動作させる必要の無い機器(例えば、ストーブ、ガスコンロ)は動作を停止して、動作させる必要のある機器(例えば、侵入者センサー、窓開閉センサー)は動作を開始するようにして、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できる。特に、妨害電波などの何らかのトラブルで、中距離モードを経過しないでいきなり遠距離モード、あるいは圏外(通信不可能)になったような場合でも、より安全側に動作することが期待できる。
第17の発明は、特に第1〜16のいずれかの発明の機器制御システムにおいて、少なくともひとつの手段や動作をコンピュータに実行させるためのプログラムであり、CPU、RAM、ROM、記憶装置、I/Oなどを備えた電気情報機器、コンピュータ等のハードリソースを協働させて本発明の一部あるいは全てをプログラムとして容易に実現することができる。また記録媒体に記録あるいは、通信回線を用いてプログラム配信することにより、プログラム配布が他の手段に比べて極めて簡単に実現できる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて一実施形態について詳細に説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
移動端末は個人ごとに所持していて、個人ごとに異なるIDをもち、個人個人が常時携帯しておくことを想定しており、常時携帯するに困らない形状(例えば、ペンダント式、キーホルダ式、カード式)であって、非常に小さくて軽量なものであることを想定している。この移動端末を持っているだけで、機器との距離に応じてさまざまなサービス(機能)が提供されることになる。
図1は、本発明の移動通信システム構成の一例を示す図である。図1において、移動端末1000は人が携帯して移動するための端末であって、家庭内に設置された機器2000と小電力無線で通信することを想定している。
移動端末1000は、第1の送受信手段100と、それらを含めて全体を制御する第1の制御手段110と、振動検知手段120とを具備している。
振動検知手段120は、例えばバネと電気的接点で構成され(図示なし)、人が端末を身につけている、あるいは手に持って移動端末1000がある程度の振動を受けている時には、前記バネと電気的接点が接触して電気的信号を第1の制御手段110に送り、制御手段110ではこの電気的信号を受けた後、一定時間は起動状態となり、第1の制御手段100から定期的に信号を発生して機器2000と通信する。
逆に、端末1000がどこかに放置されたような場合、バネと電気的な接点が接触しないので電気的信号を発生しなくなり、制御手段110は一定時間後に休止してしまい(休止モード)、第1の制御手段100から定期的に発生していた信号を発生しなくなり、機器2000への通信は途切れる。
このようにして、持ち主である人と共に移動している時にだけ、移動端末1000が機器2000と通信するので機器制御システムとして有効に働き、利便性を享受できるが、持ち主の手を離れ、単に机上などに放置された場合、機器制御システムから遮断されると共に端末1000の省エネルギー(休止モード自身が省電力モードであり、加えて通信もおこなわなくなるので、電池寿命が延びる)にも貢献する。
なお、振動検知手段120の構成は上記に限定しない。
機器2000は、第1の送受信手段100と通信する第2の送受信手段200と、それらを含めて全体を制御する第2の制御手段210と、第2の制御手段210により制御されさまざまな報知を行なう報知手段220と、機器固有の動作を行う機器固有動作手段230を具備している。
ここで言うところの機器固有動作とは、例えば照明機器であれば照明動作、テレビであれば映像音声出力動作、ラジオであれば音声音楽出力動作、卓上電気スタンドであれば机上を照らすといった机上照明動作、暖房機であれば暖房動作、調理器であれば加熱調理動作、電気鍵であれば施錠動作、あるいは、開錠動作といった、機器に固有の、機器が具備している本来機能の動作を示しており、これらの動作を行なう手段を機器固有動作手段230と呼ぶ。
移動端末1000と、機器2000とは無線通信を行なうが、基本となる状態は遠距離モードであり、第1の送受信手段110が一定間隔(例えば1秒)ごとに、信号を発信する。この信号には第1の制御手段110の内部に記憶された移動端末ごとに固有のIDコード情報を含んでいる。
この信号を機器2000の第2の送受信手段200が受信し、第2の制御手段210で処理を行ない、第2の制御手段210の内部に記憶されたIDコードと、そのIDコードに相当する家族の氏名に関する情報を取得して、家族のだれそれが遠距離領域であるということを機器2000が検知することになる。
なお、機器2000は、少なくとも1台以上の、1種類以上の機器であって、上記で述べてきたような家庭内に存在するいくつかの機器であり、これらの機器がそれぞれ独立して上記の動作を行い、第2の制御手段210が制御して、必要に応じて報知手段220から報知する、あるいは、機器固有動作手段230にて機器本来の動作を開始(停止)する。
個別の機器ごとの動作についての詳細は別途後述しているので、先に通信距離の制御方法について図2を用いて説明する。
図2は、第1の送受信手段100と、第2の送受信手段200とに関して、詳細な内部構成を示した図である。
図2において、第1の送受信手段100は、(送信信号を減衰させる)第1の減衰手段10と、第1の送信手段11と、第1の受信手段12と、第1の送受信制御手段13とを具備しており、第2の送受信手段200は、(受信信号を減衰させる)第2の減衰手段20と、第2の送信手段21と、第2の受信手段22と、第2の送受信制御手段23とを具備している。
なお、第1の減衰手段10と第2の減衰手段20は減衰の強度を外部からの制御により変化させることが出来るものであり、それぞれの減衰手段において段階的に減衰の強度を変更することにより、例えば次のような電波強弱による通信距離制御モードを設定することができる。
1)数十メートル以内で通信可能となるような遠距離モード(減衰なし)
2)数メートル以内で通信可能な中距離モード(減衰中程度)
3)1メートル数十センチ以内であれば通信可能な近距離モード(減衰やや強)
4)数十センチ以内であれば通信可能な接近距離モード(減衰強)
5)数センチ以内でしか通信できない接触距離モード(減衰最強)。
なお、第1の減衰手段10だけで十分な効果が得られるが、より厳密な接触距離モードを実現するために、第2の減衰手段20も同時に用いてもかまわない。
ここで、減衰させて接触距離モードでしか通信できなくなった場合でも、問題なく長距離モードなどに復帰できるように、第2の送受信手段200の送信信号と、第1の送受信装置100の受信信号は一切減衰させることなく通信可能となるように構成している。
すわなち、第2の送受信手段200の送信信号から第1の送受信装置100には、上記の通信距離制御モードにかかわらず常時遠距離モード(減衰なし)で通信できるようになっているので、第2の送受信手段200からの指示により、第1の送受信装置100において第1の減衰手段10を制御して第1の送受信装置100の送信信号の電波の強度を変化させることが出来る。
次に、図3、図4を用いて、移動端末1000と機器2000の通信モードを切り換えて動作するための仕組みについて説明する。
(1)まず、最初に、移動端末1000が機器2000の方に近づいてくる場合について説明する。図3は機器2000の第2の制御手段210にて行なわれる処理の流れを示している。
上述したように、移動端末1000と機器2000は一定時間(例えば1秒)ごとに信号を送っており、この信号を機器2000が常時モニターしており、機器2000がこの信号を受信した場合(S500)、移動端末1000が遠距離領域に入ったことを検知して固有の動作をする(S510)。
この時に、信号に含まれたIDコードを機器2000の第2の送受信手段200が受信し、第2の制御手段210で処理を行ない、第2の制御手段210の内部に記憶されたIDコードと、そのIDコードに相当する家族の氏名に関する情報を取得して、家族のだれそれが遠距離領域に入ったということを検知して、個人情報を加味した固有の動作をすることも考えられる(図示していない)。
また、IDコードに相当するのが物品であっても良く、特定の物品により家族を連想するといったこともありうる。
次に移動端末1000に対して、中距離モードに設定するように指示を出す(S530)。一定時間以内に機器2000が移動端末1000からの信号を受けるかどうかモニターしておき、信号を受けなかったら(S540)、元の状態である遠距離モードに戻す(S520)。中距離モードでも通信可能であれば(S540)、移動端末1000が中距離モードの範囲内に入ったと判断して固有の動作をすることが出来る(S550)。
この状態において、さらに移動端末1000が近づいてくることを想定して、機器2000が移動端末1000に対して、近距離モードに設定して(S560)、移動端末1000から一定時間ごとに送られる信号をモニターしておき、この信号を検知した段階で(S570)、移動端末1000が近距離にいることを検知できるので、固有の動作をする(S580)。
さらに同様に、この状態において、さらに移動端末1000が近づいてくることを想定して、機器2000が移動端末1000に対して、接近距離モードに設定して(S590)、移動端末1000から一定時間ごとに送られる信号をモニターしておき、この信号を検知した段階で(S600)、移動端末1000が接近距離にいることを検知できるので、固有の動作をする(S610)。
最後に移動端末1000が機器2000に接触するような距離まで近づくことを想定して、機器2000が移動端末1000に対して、接触距離モードに設定して(S620)、移動端末1000から一定時間ごとに送られる信号をモニターしておき、この信号を検知した段階で(S630)、移動端末1000が機器2000に接触するほど近づいたとき固有の動作をする(S640)。
この接触モードの一例として典型的なものは、機器2000が玄関ドアに設置された自動施錠、または開錠装置であり、移動端末1000を玄関ドア(機器2000)に接触させるなどして、玄関ドアのロックを開錠する(図示せず)といったことも可能である。
すなわち、移動端末1000がドアの前まで戻った時に、玄関ドア(機器2000)が具備した第2の制御手段210により、ドア施錠開錠手段(機器固有動作手段230)を制御してドアの鍵を開けるといったオートアンロックのサービスが可能となる。
ここまでは、移動端末1000が近づいてくることを想定して遠距離モード、中距離モード、近距離モード、接近距離モード、接触距離モードに移行するとして説明してきたが、単に移動端末1000が機器の近くを通りかかっただけの場合などに備えて、機器2000が移動端末1000から一定時間ごとに送られる信号をモニターしておき、一定時間に経過してもこの信号を検知できなかった場合には、リセットして遠距離モードに戻して、最初(S500)から仕切りなおしといったことを行なって、意図せぬ動作を防止することも効果的である(図示していない)。またあわせて、機器2000が玄関ドアであった場合には接触距離モードで開錠したドアの鍵を再び施錠することも考えられる。
(2)次に、移動端末1000が機器2000から離れていく場合について説明する。図4は、機器2000の第2の制御手段210にて行なわれる処理の流れを示している。
ここでも(1)と同様に、移動端末1000と機器2000は一定時間ごとに信号を送っており、この信号を機器2000が常時モニターしており、機器2000がこの信号を受信した場合(S700)、そのままモニターを継続(S700)、機器2000がこの信号を受信しなかった場合、移動端末1000が接触領域から出たと判断して固有の動作をすることが出来る(S710)。
この時に、信号に含まれたIDコードを機器2000の第2の送受信手段200が受信し、第2の制御手段210で処理を行ない、第2の制御手段210の内部に記憶されたIDコードと、そのIDコードに相当する家族の氏名に関する情報を取得して、家族のだれそれであるということを検知して、個人情報を加味した固有の動作をすることも考えられる(図示していない)。
ここでも、同様にIDコードに相当するのが物品であっても良く、特定の物品により家族を連想するといったこともありうる。
次に移動端末1000に対して、接近距離モードに設定するように指示を出す(S730)。一定時間以内に機器2000が移動端末1000からの信号を受けるかどうかモニターしておき、信号を受ければ(S740のY)、移動端末1000を接触距離モードにして(S720)、最初(S700)から繰り返し信号を受けなかったら(S740のN)、移動端末1000が接近距離領域を出た(近距離に入りつつある)ことを検知して固有の動作をする(S750)。
次に移動端末1000に対して、近距離モードに設定するように指示を出す(S760)。一定時間以内に機器2000が移動端末1000からの信号を受けるかどうかモニターしておき、信号を受ければ(S770のY)、S730に戻り、信号を受けなかったら(S770のN)、移動端末1000が近距離領域を出た(中距離に入りつつある)ことを検知して固有の動作をする(S780)。
次に移動端末1000に対して、中距離モードに設定するように指示を出す(S790)。一定時間以内に機器2000が移動端末1000からの信号を受けるかどうかモニターしておき、信号を受ければ(S800のY)、S760に戻り、信号を受けなかったら(S800のN)、移動端末1000が中距離領域を出た(遠距離領域に入りつつある)ことを検知して固有の動作をする(S810)。
次に移動端末1000に対して、遠距離モードに設定するように指示を出す(S820)。一定時間以内に機器2000が移動端末1000からの信号を受けるかどうかモニターしておき、信号を受ければ(S830のY)、S790に戻り、信号を受けなかったら(S830のN)、移動端末1000が遠近距離領域を出た(通信不可能、あるいは圏外)ことを検知して固有の動作をする(S840)。
なお、移動端末1000は独自のIDコードを第1の制御手段110の内部に保持しており、特定の機器2000とだけ通信可能であることが前提になっており、そのために第2の制御手段210の内部でも前記IDコードを記憶しており、コード認証を行っているが、移動端末1000はひとつだけとは限らず、それぞれ異なる独自IDコードを有した複数の移動端末1000が、ひとつの機器2000とだけ通信可能であっても構わないし、機器2000が複数あっても構わない。
(3)機器2000にはいろいろな機器が想定され、それらの機器ごとに固有の動作をおこさせる仕組みについては、これまで述べたとおりであるが、最後に固有の動作そのものについて説明していく(図示していない)。
(3−1)機器2000が照明機器、テレビ、ラジオのような機器であって、機器の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものの場合を考えてみる。
これらの機器では、無人動作したままであっても危険性はないものの、人が近くにいない時には動作させておく必要がないことが多く、省エネルギー、あるいは機器寿命の観点からも自動停止するほうが好ましいことも多い。このような機器2000(照明機器、テレビ、ラジオ)に対しては、移動端末1000との通信が、中距離モード(建物の中にいるが別の部屋にいる)から近距離モードになった(機器の置かれた部屋に入った)時点で、機器2000(照明機器、テレビ、ラジオ)が動作開始して、部屋が明るくなり、テレビやラジオが鳴り出すといったことが可能になる。
逆に移動端末1000との通信が、近距離モード(機器が置かれた部屋にいた状態)から中距離モード(機器が置かれた部屋を出たが建物の中にいる)に移動した場合には、それらの機器2000(照明機器、テレビ、ラジオ)を消してしまう(動作停止する)ことが考えられる。
(3−2)機器2000が卓上電気スタンドのような機器であって、機器2000の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものの場合を考えてみる。
このような機器2000(卓上電気スタンド)は、移動端末1000との通信が、近距離モード(機器が設置された部屋のなかにいる)から接近距離モードになった(席に座った)時点で点灯して、その逆に移動端末1000との通信が、接近モード(席に座っている)から近距離モードになった(席を立ったが部屋の中にいる)時点に消灯して、再び接近モードになった(席に座った)時点で点灯するという、非常にこまめな照明制御を行なうことが考えられる。
参考書を取りに席を立った、トイレに行った、食事に行った、という短時間の移動時にも、消し忘れなどなく自動的に消灯して、席に戻れば自動的に点灯しているので使用者が気づかないように制御することにもありうるので誰の迷惑にもならないし、省エネルギー効果が見込める。
このように、人がその都度に制御することなど面倒なので点灯(動作)したままにしがちなものに対して、端末1000との距離がはなれて不要になった時には消灯(停止)するといったことが自動的に行なわれる。
(3−3)機器2000が空気洗浄器、または換気扇のような機器であって、機器2000の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものの場合を考えてみる。
このような機器2000(空気洗浄器、または換気扇)は、移動端末1000との通信が、遠距離モード(戸外にいる)から中距離モードになった(屋内に入った)時点で動作開始して、その逆に移動端末1000との通信が、中距離モード(屋内にいる)から遠距離モードになった(戸外に出た)時点に動作停止するという、運転制御を行なうことが考えられる。
戸外に出て動作させておく必要がなくなったときに停止して、省エネルギー効果が見込めるのはもちろんであるが、特に花粉時期のように帰宅した人が花粉を建物の中に持ち込むようになったときに建物に入ったとたん、空気洗浄器または換気扇が動いて花粉の拡散を少しでも防止できる。
(3−4)機器2000がエアコンのような動作させてから効果が出るまで少し時間がかかるような機器であって、機器2000の動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のないものの場合を考えてみる。
このような機器2000(エアコン)は、移動端末1000との距離が圏外(通信不可能な遠いところにいる)から遠距離モード(電波が届く戸外にいる)になったときに、動作を開始して、逆に移動端末1000が離れていき、移動端末1000との距離が遠距離モードから圏外(通信不可能)になったときに、動作を停止することが出来るので、人がその度に操作する必要も無く、また制御を意識することなしに、自動的に制御を行なうので、快適性、あるいは、利便性の向上が期待できるとともに、人が近くにいなくなった時に動作を停止することにより省エネルギーにも貢献する。特に帰宅時、帰宅途中で動作開始して、帰宅した時には冷房(暖房)が効いているというサービスが実現できる。
(3−5)機器2000がガス、または、電気、または、灯油を用いた暖房機、または、調理器のような機器であって、動作が火災、または、ガス中毒など事故に繋がるような危険性のあるものの場合を考えてみる。
このような機器2000(暖房機、調理器)では、危険を避けるため出来るだけ動作させないようにしておくことが優先される。つまり、移動端末1000との通信が、近距離モード(機器が設置された部屋に入った)から接近距離モードになった(機器に近づいた)時点で、機器2000(暖房機、調理器)の動作開始が可能となり(ただし、自動的に開始しない)、人が敢えて動作させれば動作をするようにしておく。
人がいないのに、落下物が電源スイッチを押してしまい点火して、火災事故に至るというような偶発的な動作を回避する効果が見込める。
逆に、移動端末1000との通信が、中距離モード(建物の中にいた)から遠距離モードになった(戸外に出た)時点で、動作停止してしまうことが考えられる。この場合には、機器2000(暖房機、調理器)を動作させたまま外出してしまっても自動的に停止するので、事故を未然に防ぐという効果が見込める。
もちろん、近距離モード(機器の設置された部屋にいる)から中距離モード(部屋を出て建物の中にいる)の時点で、動作停止して、より安全性を追求することも考えられる。
(3−6)機器2000が玄関ドアなどに組み込まれた電気鍵であった場合を考えてみる。
移動端末1000と機器2000(電気鍵)の通信が、接近距離モード(ドアに近づいてきた)から接触距離モードになった(端末をドアの電気鍵に接触させた)時点で開錠することで、キーレスエントリーが実現できる。あるいは逆に、接近距離モード(ドアに近くにいた)から近距離モード(ドアから離れていく)になった時点で施錠することにより、オートロックが実現できる。
このように、移動端末1000との距離を常時モニターしながら、移動端末1000(実際にはそれを所持する人)の動きを検知した上で機器固有の動作をおこなうことにより、より確実で快適な機器制御を行なうようにしている。
(3−7)機器2000を特に限定しないが、移動端末1000との通信が、中距離モードから遠距離モードになった時点、または、遠距離モードから圏外(通信不可能)になった時点、または、遠距離モードになった時点、または、圏外(通信不可能)になった時点で、それぞれ固有の動作を行うことも考えられる。
すなわち、移動端末1000との距離が遠くなった(例えば端末を携帯する人が外出した)時に、動作させる必要の無い機器(例えば、ストーブ、ガスコンロ)は動作を停止して、動作させる必要のある機器(例えば、侵入者センサー、窓開閉センサー)は動作を開始するようにして、快適性、あるいは、利便性、あるいは、安全性の向上が期待できる。特に、妨害電波などの何らかのトラブルで、中距離モードを経過しないでいきなり遠距離モード、あるいは圏外(通信不可能)になったような場合でも、より安全側に動作することが期待できる。
ここまでの説明では、
数十メートル以内で通信可能となるような遠距離モード(減衰なし)、
数メートル以内で通信可能な中距離モード(減衰中程度)、
1メートル数十センチ以内であれば通信可能な近距離モード(減衰やや強)、
数十センチ以内でしか通信できない接近距離モード(減衰強)、
数センチ以内でしか通信できない接触距離モード(減衰最強)
といった電波強弱による通信距離制御モードを定義してきたが、必ずしもこれに拘る必要は無い。すなわち、数キロメートルを遠距離モードとして、それを超えない中距離モードといった形式、あるいは数メートルを遠距離モードとして、それを超えない中距離モードといった形式に置き換えても何ら問題はない。
なお、本実施の形態で説明した手段は、CPU(またはマイコン)、RAM、ROM、記憶・記録装置、I/Oなどを備えた電気・情報機器、コンピュータ、サーバ等のハードリソースを協働させるプログラムの形態で実施してもよい。プログラムの形態であれば、磁気メディアや光メディアなどの記録媒体に記録、もしくはインターネットなどの通信回線を用いて配信することで新しい機能の配布・更新やそのインストール作業が簡単にできる。
なお、本実施の形態では小電力無線通信で説明したが、これに限らない。
以上、移動端末1000を持っているだけで、機器2000との距離に応じてさまざまなサービス(機能)が提供されることになると述べてきたが、本実施の形態の移動端末を自動車や自転車などの移動手段に備えても良い。また移動端末1000が携帯電話に内蔵されていても構わないし、機器2000が、事務所、あるいは、学校などであってももちろんかまわないし、自動車に装備されていても構わない。
なお、実施の形態1において機器2000の側に第1の送受信手段を、移動端末1000の側に第2の送受信手段を備えるようにしてもよい。
また、通信距離の段階的な制御を行う回路構成は図2に限定しない。