JP4848248B2 - スロットマシン - Google Patents

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Description

本発明は、各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な可変表示装置の表示結果に応じて所定の入賞が発生可能なスロットマシンに関する。
この種のスロットマシンとしては、ゲームの開始時に行われる内部抽選において入賞に当選したときに、複数のリールに当選した入賞に対応する図柄の組み合わせが揃うように制御するとともに、内部抽選において当選していない入賞に対応する図柄の組み合わせが揃わないように制御し、揃った図柄の組み合わせに応じて入賞を発生させるものが一般的である。
上述のように、内部抽選の結果に応じて入賞に対応する図柄の組み合わせが揃ったり揃わないように制御する方法としては、主にコントロール方式とテーブル方式がある。コントロール方式では、停止操作がなされた際に、抽選結果に対応する図柄が入賞ラインへの引込範囲内に位置するか否かを判定し、引込範囲内に位置すれば当該図柄を入賞ラインに引き込んで停止させる引込制御を行う一方、抽選結果に対応しない図柄が入賞ライン上に位置する場合には、引込範囲内に位置する他の図柄を引き込んで抽選結果に対応する図柄が入賞ライン上に停止しないように蹴飛ばし制御を行う(例えば、特許文献1参照)。また、テーブル方式では、停止操作のタイミング毎に入賞ラインに停止させる図柄(滑りコマ数)を定めたリールテーブルを予め記憶しておき、停止操作が行われた際に、当該ゲームの抽選結果に対応するリールテーブルを参照し、停止操作が行われたタイミングに対してリールテーブルに定められた図柄を入賞ライン上に停止させる制御を行うことによって、前述した引込制御や蹴飛ばし制御を実現している(例えば、特許文献2参照)
特開平2−283385号公報 特開2003−325753号公報
しかしながら、特許文献1に記載されたスロットマシンのようにリールの停止制御としてコントロール方式を用いたものにおいては、内部抽選の結果に応じて引込制御及び蹴飛ばし制御が一義的に行われることとなるため、表示結果が単調となってしまい、興趣に欠けるものであった。一方、特許文献2に記載されたスロットマシンのようにテーブル方式を用いたものにおいては、表示結果を多様にできるものの、内部抽選の結果、停止時期(全てのリールが回転中の状態、いずれか1つのリールが既に停止している状態、いずれか2つのリールが既に停止している状態など)、既に停止しているリールの表示結果など、各状況別に個別のテーブルを用意する必要があり、テーブルデータの格納容量が膨大なものとなってしまうという問題があった。
本発明は、このような問題点に着目してなされたものであり、可変表示装置の表示結果を多様化でき、かつ表示結果の導出制御に用いるテーブルデータの格納容量を抑えることができるスロットマシンを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載のスロットマシンは、
各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域(左リール、中リール、右リール)のそれぞれに表示結果を導出表示させることが可能な可変表示装置(リール2L、2C、2R)を備え、
遊技用価値(メダル)を用いて1ゲームに対して所定数(1、3)の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域に導出表示された表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシン(スロットマシン1)であって、
少なくともいずれか1つの可変表示領域の表示結果が導出される前(スタートスイッチ7の検出時)に、第1の入賞(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)及び第2の入賞(チェリー)を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段(内部抽選)と、
前記複数の可変表示領域の表示結果を導出させる際に操作されるそれぞれの導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)と、
予め定められた複数の操作タイミング(停止操作位置)のそれぞれに対して、各操作タイミングで前記導出操作手段(ストップスイッチ8L、8C、8R)が操作されてから前記可変表示領域の変動が停止するまでの変動量を示す変動情報(滑りコマ数)が一意的に定められ、該変動情報から前記可変表示領域に導出される表示結果が特定可能となるテーブル(滑りコマ数データ)であって、前記第1の入賞(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)のみ発生を許容する旨が決定されている場合と、前記第2の入賞(チェリー)のみ発生を許容する旨が決定されている場合と、前記第1の入賞(ビッグボーナス、レギュラーボーナス)および前記第2の入賞(チェリー)の発生を許容する旨が決定されている場合の導出制御に用いられ、前記複数の操作タイミングのうち重複しないタイミングに対して、前記第1の入賞に対応する第1の入賞表示結果(入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」または「赤7−赤7−BAR」が揃う表示態様)と、前記第2の入賞に対応する第2の入賞表示結果(入賞ライン上に「チェリー−any−any」が揃う表示態様)と、がそれぞれ特定可能となる前記変動情報が定められた共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)を記憶する導出制御テーブル記憶手段(ROM41bに格納された停止制御テーブル)と、
前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されているとき(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス当選時)に、前記共通導出制御テーブルに基づいていずれかの操作タイミングに対する変動情報から前記第2の入賞表示結果(入賞ライン上に「チェリー−any−any」が揃う表示態様)が特定される場合に、該操作タイミングに対応して前記第2の入賞表示結果が特定される代わりに、該第2の入賞の成立を回避する表示結果である第2の非入賞表示結果(入賞ライン上に「チェリー−any−any」が揃わない停止位置)が特定されるように前記共通導出制御テーブルの前記変動情報を更新する第1のテーブル更新手段と、
前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されているとき(チェリー当選時)に、前記共通導出制御テーブルに基づいていずれかの操作タイミングに対する変動情報から前記第1の入賞表示結果(入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」または「赤7−赤7−BAR」が揃う表示態様)が特定される場合に、該操作タイミングに対応して前記第1の入賞表示結果が特定される代わりに、該第1の入賞の成立を回避する表示結果である第1の非入賞表示結果(入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」または「赤7−赤7−BAR」が揃わない表示態様)が特定されるように前記共通導出制御テーブルの前記変動情報を更新する第2のテーブル更新手段と、
前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域に表示結果を導出させる制御を行う手段であり、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている場合には、前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルの前記変動情報から特定される表示結果を導出させる制御を行い、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている場合には、前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルの前記変動情報から特定される表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
を備える
ことを特徴としている。
この特徴によれば、共通導出制御テーブルを用いることによって、第1の入賞、及び第2の入賞の発生を許容する旨が決定された場合の表示結果を容易に設計できるとともに、第1の入賞のみの発生を許容する旨が決定された場合と、第2の入賞のみの発生を許容する旨が決定された場合と、で個別に導出制御テーブルを用意せずに双方の決定結果に応じて表示結果を導出させる制御を行うことが可能となるので、可変表示装置の表示結果を多様化しつつ、導出制御テーブルの格納容量を削減することができる。
尚、所定数の賭数とは、少なくとも1以上の賭数であって、2以上の賭数が設定されることや最大賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。また、複数の遊技状態に応じて定められた賭数が設定されることでゲームが開始可能となるようにしても良い。
また、予め定められた複数の操作タイミングのそれぞれに対して、各操作タイミングで前記導出操作手段が操作されてから前記可変表示領域の変動が停止するまでの変動量を示す変動情報が一意的に定められ、該変動情報から前記可変表示領域に導出される表示結果が特定可能となるテーブルとは、導出操作手段が操作されてから表示結果が導出されるまでの図柄の移動量(いわゆる滑りコマ数)や、導出される表示結果を特定可能な識別番号などが各操作タイミング毎に登録されたデータ、予め定められた複数の導出位置のうち導出可能な導出位置を定めることによって、各操作タイミング毎に可変表示領域に導出される表示結果が特定可能となるようにしたデータなどである。また、これらのデータが所定のアルゴリズムにて展開できるように圧縮された状態のデータであっても良い。
また、第1のテーブル更新手段(第2のテーブル更新手段)が、前記事前決定手段により前記第1の入賞(第2の入賞)のみ発生を許容する旨が決定されているときに、前記共通導出制御テーブルに基づいていずれかの操作タイミングから前記第2の入賞表示結果(第1の入賞表示結果)が特定される場合に、該操作タイミングに対応して前記第2の入賞表示結果(第1の入賞表示結果)が特定される代わりに、該第2の入賞の成立を回避する表示結果である第2の非入賞表示結果(第1の非入賞表示結果)が特定されるように前記共通導出制御テーブルを更新するとは、導出可能な表示結果のうち前記第2の入賞(第1の入賞)の成立を回避する第2の非入賞表示結果(第1の非入賞表示結果)が複数ある場合に、そのうちのいずれか1つを特定するものであればよい。
また、前記第1の入賞(第2の入賞)の成立を回避する第2の非入賞表示結果(第1の非入賞表示結果)とは、複数の可変表示領域の全てに表示結果が導出された時点で第1の入賞(第2の入賞)の組み合わせを構成しない表示結果である。
本発明の請求項2に記載のスロットマシンは、請求項1に記載のスロットマシンであって、
前記第1の入賞(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)への移行を伴う入賞であり、
前記スロットマシンは、前記事前決定手段により前記第1の入賞の発生を許容する旨が決定され、該第1の入賞が発生しなかったときに、当該第1の入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが当選し、かつ入賞しなかった場合に当選フラグを次ゲームに持ち越す)持越手段を備え、
前記事前決定手段は、前記第1の入賞(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)及び前記第2の入賞(チェリー)の発生を同時に許容する旨を決定することが可能である、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、表示結果の組み合わせが第2の入賞の組み合わせとなった場合でも、第1の入賞の発生を許容する旨が決定されている可能性があるため、特別遊技状態への移行を伴う第2の入賞の発生が許容されていることに対する遊技者の期待感を持続させることができる。
本発明の請求項3に記載のスロットマシンは、請求項1または2に記載のスロットマシンであって、
前記第1の入賞(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)は、遊技者にとって有利な特別遊技状態(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス)への移行を伴う入賞であり、
前記スロットマシンは、前記事前決定手段により前記第1の入賞の発生を許容する旨が決定され、該第1の入賞が発生しなかったときに、当該第1の入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す(ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが当選し、かつ入賞しなかった場合に当選フラグを次ゲームに持ち越す)持越手段を備え、
前記複数種類の可変表示領域(左リール、中リール、右リール)のうち特定の可変表示領域(左リール)に特定の表示結果(チェリー)が導出されることで前記第2の入賞(チェリー)が発生する、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、特定の可変表示領域以外は、第1の入賞の発生が許容されている場合と、第2の入賞の発生が許容されている場合と、でともに共通導出制御テーブルから特定される表示結果が導出される機会が多くなり、共通導出制御テーブルから特定される表示結果が導出されることで、例え第2の入賞を取りこぼした状況であっても、特別遊技状態への移行を伴う第2の入賞の発生が許容されていることに対する遊技者の期待感を持続させることができる。
本発明の請求項4に記載のスロットマシンは、請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記導出制御テーブル記憶手段は、少なくとも前記複数の可変表示領域の全てに未だ表示結果が導出されていない状況(全リール回転中)における各可変表示領域(左リール、中リール、右リール)別の前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)を記憶し、
前記第1のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況(ビッグボーナス、レギュラーボーナス当選時)において、少なくとも前記複数の可変表示領域のうち最初に表示結果を導出させる可変表示領域(第1停止リール)に対応する前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)の更新を行い、
前記第2のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、少なくとも前記複数の可変表示領域(左リール、中リール、右リール)のうち最初に表示結果を導出させる可変表示領域(第1停止リール)に対応する前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)の更新を行い、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されており、少なくとも前記複数の可変表示領域の全てに未だ表示結果が導出されていない状況(全リール回転中)において前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)から特定される表示結果を導出させる制御を行い、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されており、少なくとも前記複数の可変表示領域の全てに未だ表示結果が導出されていない状況において前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)から特定される表示結果を導出させる制御を行う、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の入賞の発生を許容する旨が決定された状況において、複数の可変表示領域が全て変動している状態で最初に導出される可変表示領域については、前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果導出されるので、最初に導出される表示結果を容易に設計することができ、また、第2の入賞の発生を許容する旨が決定された状況において、複数の可変表示領域が全て変動している状態で最初に導出される可変表示領域については、前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果が導出されるので、最初に導出される表示結果を容易に設計することができる。
本発明の請求項5に記載のスロットマシンは、請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシンであって、
前記導出制御テーブル記憶手段は、前記複数の可変表示領域の導出状況(リールの停止状況、停止済みリールの停止位置)別の前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)を記憶し、
前記第1のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況(ビッグボーナス、レギュラーボーナス当選時)において、前記複数の可変表示領域の全てについて当該可変表示領域に対応する前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)の更新をそれぞれ行い、
前記第2のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて当該可変表示領域に対応する前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)の更新をそれぞれ行い、
前記導出制御手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて対応する導出操作手段がそれぞれ操作されたとき(第1停止時、第2停止時、第3停止時)に、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)から特定される表示結果を導出させる制御を行い、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて対応する導出操作手段がそれぞれ操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブル(共通滑りコマ数データ)から特定される表示結果を導出させる制御を行う、
ことを特徴としている。
この特徴によれば、第1の入賞の発生を許容する旨が決定された状況において、全ての可変表示領域について表示結果を導出させるときに、前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果が導出されるので、第1の入賞の発生を許容する旨が決定されたゲームにおいて各可変表示領域に導出される表示結果を容易に設計することができ、また、第2の入賞の発生を許容する旨が決定された状況において全ての可変表示領域について表示結果を導出させるときに、、前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果が導出されるので、第1の入賞の発生を許容する旨が決定されたゲームにおいて各可変表示領域に導出される表示結果を容易に設計することができる。
本発明の実施例を以下に説明する。
本発明が適用されたスロットマシンの実施例を図面を用いて説明すると、本実施例のスロットマシン1は、前面が開口する筐体(図示略)と、この筺体の側端に回動自在に枢支された前面扉と、から構成されている。
本実施例のスロットマシン1の筐体内部には、外周に複数種の図柄が配列されたリール2L、2C、2R(以下、左リール、中リール、右リールともいう)が水平方向に並設されており、図1に示すように、これらリール2L、2C、2Rに配列された図柄のうち連続する3つの図柄が前面扉に設けられた透視窓3から見えるように配置されている。
リール2L、2C、2Rの外周部には、図2に示すように、それぞれ「赤7(図中黒7)」、「BAR」、「リプレイ」、「スイカ」、「チェリー」、「ベル」といった互いに識別可能な複数種類の図柄が所定の順序で、それぞれ21個ずつ描かれている。リール2L、2C、2Rの外周部に描かれた図柄は、透視窓3において各々上中下三段に表示される。
各リール2L、2C、2Rは、各々対応して設けられリールモータ32L、32C、32R(図3参照)によって回転させることで、各リール2L、2C、2Rの図柄が透視窓3に連続的に変化しつつ表示されるとともに、各リール2L、2C、2Rの回転を停止させることで、透視窓3に3つの連続する図柄が表示結果として導出表示されるようになっている。
また、前面扉には、メダルを投入可能なメダル投入部4、メダルが払い出されるメダル払出口9、クレジット(遊技者所有の遊技用価値として記憶されているメダル数)を用いてメダル1枚分の賭数を設定する際に操作される1枚BETスイッチ5、クレジットを用いて、その範囲内において遊技状態に応じて定められた規定数の賭数(本実施例では後述の通常遊技状態においては3、後述のレギュラーボーナスにおいては1)を設定する際に操作されるMAXBETスイッチ6、クレジットとして記憶されているメダル及び賭数の設定に用いたメダルを精算する(クレジット及び賭数の設定に用いた分のメダルを返却させる)際に操作される精算スイッチ10、ゲームを開始する際に操作されるスタートスイッチ7、リール2L、2C、2Rの回転を各々停止する際に操作されるストップスイッチ8L、8C、8Rが設けられている。
また、前面扉には、クレジットとして記憶されているメダル枚数が表示されるクレジット表示器11、後述するビッグボーナス中のメダルの獲得枚数やエラー発生時にその内容を示すエラーコード等が表示される遊技補助表示器12、入賞の発生により払い出されたメダル枚数が表示されるペイアウト表示器13が設けられている。
また、前面扉には、賭数が1設定されている旨を点灯により報知する1BETLED14、賭数が2設定されている旨を点灯により報知する2BETLED15、賭数が3設定されている旨を点灯により報知する3BETLED16、メダルの投入が可能な状態を点灯により報知する投入要求LED17、スタートスイッチ7の操作によるゲームのスタート操作が有効である旨を点灯により報知するスタート有効LED18、ウェイト(前回のゲーム開始から一定期間経過していないためにリールの回転開始を待機している状態)中である旨を点灯により報知するウェイト中LED19、後述するリプレイゲーム中である旨を点灯により報知するリプレイ中LED20が設けられている。
また、MAXBETスイッチ6の内部には、1枚BETスイッチ5及びMAXBETスイッチ6の操作による賭数の設定操作が有効である旨を点灯により報知するBETスイッチ有効LED21(図3参照)が設けられており、ストップスイッチ8L、8C、8Rの内部には、該当するストップスイッチ8L、8C、8Rによるリールの停止操作が有効である旨を点灯により報知する左、中、右停止有効LED22L、22C、22R(図3参照)がそれぞれ設けられている。
また、前面扉の内側には、所定のキー操作により後述するRAM異常エラーを除くエラー状態及び後述する打止状態を解除するためのリセット操作を検出するリセットスイッチ23、後述する設定値の変更中や設定値の確認中にその時点の設定値が表示される設定値表示器24、メダル投入部4から投入されたメダルの流路を、筐体内部に設けられた後述のホッパータンク(図示略)側またはメダル払出口9側のいずれか一方に選択的に切り替えるための流路切替ソレノイド30、メダル投入部4から投入され、ホッパータンク側に流下したメダルを検出する投入メダルセンサ31が設けられている。
筐体内部には、前述したリール2L、2C、2R、リールモータ32L、32C、32R、各リール2L、2C、2Rのリール基準位置をそれぞれ検出可能なリールセンサ33からなるリールユニット(図示略)、メダル投入部4から投入されたメダルを貯留するホッパータンク(図示略)、ホッパータンクに貯留されたメダルをメダル払出口9より払い出すためのホッパーモータ34、ホッパーモータ34の駆動により払い出されたメダルを検出する払出センサ35、電源ボックス(図示略)が設けられている。
電源ボックスの前面には、後述のビッグボーナス終了時に打止状態(リセット操作がなされるまでゲームの進行が規制される状態)に制御する打止機能の有効/無効を選択するための打止スイッチ36、後述のビッグボーナス終了時に自動精算処理(クレジットとして記憶されているメダルを遊技者の操作によらず精算(返却)する処理)に制御する自動精算機能の有効/無効を選択するための自動精算スイッチ29、起動時に設定変更モードに切り替えるための設定キースイッチ37、通常時においてはRAM異常エラーを除くエラー状態や打止状態を解除するためのリセットスイッチとして機能し、設定変更モードにおいては後述する内部抽選の当選確率(出玉率)の設定値を変更するための設定スイッチとして機能するリセット/設定スイッチ38、電源をON/OFFする際に操作される電源スイッチ39が設けられている。
本実施例のスロットマシン1においてゲームを行う場合には、まず、メダルをメダル投入部4から投入するか、あるいはクレジットを使用して賭数を設定する。クレジットを使用するには1枚BETスイッチ5、またはMAXBETスイッチ6を操作すれば良い。遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されると、入賞ラインL1〜L5(図1参照)が有効となり、スタートスイッチ7の操作が有効な状態、すなわち、ゲームが開始可能な状態となる。尚、本実施例では、規定数の賭数として後述する通常遊技状態においては3枚が定められており、後述するレギュラーボーナス中においては、1枚が定められている。尚、遊技状態に対応する規定数を超えてメダルが投入された場合には、その分はクレジットに加算される。
ゲームが開始可能な状態でスタートスイッチ7を操作すると、各リール2L、2C、2Rが回転し、各リール2L、2C、2Rの図柄が連続的に変動する。この状態でいずれかのストップスイッチ8L、8C、8Rを操作すると、対応するリール2L、2C、2Rの回転が停止し、透視窓3に表示結果が導出表示される。
そして全てのリール2L、2C、2Rが停止されることで1ゲームが終了し、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に予め定められた図柄の組み合わせ(以下、役とも呼ぶ)が各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には入賞が発生し、その入賞に応じて定められた枚数のメダルが遊技者に対して付与され、クレジットに加算される。また、クレジットが上限数(本実施例では50)に達した場合には、メダルが直接メダル払出口9(図1参照)から払い出されるようになっている。尚、有効化された複数の入賞ライン上にメダルの払出を伴う図柄の組み合わせが揃った場合には、有効化された入賞ラインに揃った図柄の組み合わせそれぞれに対して定められた払出枚数を合計し、合計した枚数のメダルが遊技者に対して付与されることとなる。ただし、1ゲームで付与されるメダルの払出枚数には、上限(本実施例では、15枚)が定められており、合計した払出枚数が上限を超える場合には、上限枚数のメダルが付与されることとなる。また、有効化されたいずれかの入賞ラインL1〜L5上に、遊技状態の移行を伴う図柄の組み合わせが各リール2L、2C、2Rの表示結果として停止した場合には図柄の組み合わせに応じた遊技状態に移行するようになっている。
図3は、スロットマシン1の構成を示すブロック図である。スロットマシン1には、図3に示すように、遊技制御基板40、演出制御基板90、電源基板100が設けられており、遊技制御基板40によって遊技状態が制御され、演出制御基板90によって遊技状態に応じた演出が制御され、電源基板100によってスロットマシン1を構成する電気部品の駆動電源が生成され、各部に供給される。
電源基板100には、外部からAC100Vの電源が供給されるとともに、このAC100Vの電源からスロットマシン1を構成する電気部品の駆動に必要な直流電圧が生成され、遊技制御基板40及び遊技制御基板40を介して接続された演出制御基板90に供給されるようになっている。また、電源基板100には、前述したホッパーモータ34、払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38、電源スイッチ39が接続されている。
遊技制御基板40には、前述した1枚BETスイッチ5、MAXBETスイッチ6、スタートスイッチ7、ストップスイッチ8L、8C、8R、精算スイッチ10、リセットスイッチ23、投入メダルセンサ31、リールセンサ33が接続されているとともに、電源基板100を介して前述した払出センサ35、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29、設定キースイッチ37、リセット/設定スイッチ38が接続されており、これら接続されたスイッチ類の検出信号が入力されるようになっている。
また、遊技制御基板40には、前述したクレジット表示器11、遊技補助表示器12、ペイアウト表示器13、1〜3BETLED14〜16、投入要求LED17、スタート有効LED18、ウェイト中LED19、リプレイ中LED10、BETスイッチ有効LED21、左、中、右停止有効LED22L、22C、22R、設定値表示器24、流路切替ソレノイド30、リールモータ32L、32C、32Rが接続されているとともに、電源基板100を介して前述したホッパーモータ34が接続されており、これら電気部品は、遊技制御基板40に搭載された後述のメイン制御部41の制御に基づいて駆動されるようになっている。
遊技制御基板40には、CPU41a、ROM41b、RAM41c、I/Oポート41dを備えたマイクロコンピュータからなり、遊技の制御を行うメイン制御部41、所定範囲(本実施例では0〜16383)の乱数を発生させる乱数発生回路42、乱数発生回路から乱数を取得するサンプリング回路43、遊技制御基板40に直接または電源基板100を介して接続されたスイッチ類から入力された検出信号を検出するスイッチ検出回路44、リールモータ32L、32C、32Rの駆動制御を行うモータ駆動回路45、流路切替ソレノイド30の駆動制御を行うソレノイド駆動回路46、遊技制御基板40に接続された各種表示器やLEDの駆動制御を行うLED駆動回路47、スロットマシン1に供給される電源電圧を監視し、電圧低下を検出したときに、その旨を示す電圧低下信号をメイン制御部41に対して出力する電断検出回路48、電源投入時またはCPU41aからの初期化命令が入力されないときにCPU41aにリセット信号を与えるリセット回路49、その他各種デバイス、回路が搭載されている。
CPU41aには、処理を実行するのに必要なデータの読み出し及び書き込みが行われる複数のレジスタ(記憶領域)が設けられている。詳しくは、主に演算用データが格納されるA、Fレジスタ(フラグレジスタ)、汎用データが格納されるB、C、D、E、H、Lレジスタ、実行中のプログラムの位置を示すデータが格納されるPCレジスタ、スタックポインタ(後述するスタック領域の現在の位置を示すアドレス)が格納されるSPレジスタ、後述するリフレッシュ動作を行うRAM41cのメモリブロックを示すデータが格納されるRレジスタ、RAM41cの格納領域を参照する際の基準となる位置を示すデータが格納されるIX、IYレジスタ、割込発生時に参照する割込テーブルの位置を示すデータが格納されるIレジスタが設けられている。
CPU41aは、計時機能、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備え、ROM41bに記憶されたプログラム(後述)を実行して、遊技の進行に関する処理を行うととともに、遊技制御基板40に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。ROM41bは、CPU41aが実行するプログラムや各種テーブル等の固定的なデータを記憶する。RAM41cは、CPU41aがプログラムを実行する際のワーク領域等として使用される。I/Oポート41dは、メイン制御部41が備える信号入出力端子を介して接続された各回路との間で制御信号を入出力する。
メイン制御部41は、信号入力端子DATAを備えており、遊技制御基板40に接続された各種スイッチ類の検出状態がこれら信号入力端子DATAを介して入力ポートに入力される。これら信号入力端子DATAの入力状態は、CPU41aにより監視されており、CPU41aは、信号入力端子DATAの入力状態、すなわち各種スイッチ類の検出状態に応じて段階的に移行する基本処理を実行する。
また、CPU41aは、前述のように割込機能を備えており、割込の発生により基本処理に割り込んで割込処理を実行できるようになっている。本実施例では、割込1〜4の4種類の割込を実行可能であり、各割込毎にカウンタモード(信号入力端子DATAとは別個に設けられたトリガー端子CLK/TRGからの信号入力に応じて外部割込を発生させる割込モード)とタイマモード(CPU41aのクロック入力数に応じて内部割込を発生させる割込モード)のいずれかを選択して設定できるようになっている。
本実施例では、割込1〜4のうち、割込2がカウンタモードに設定され、割込3がタイマモードに設定され、割込1、4は未使用とされている。トリガー端子CLK/TRGは、前述した電断検出回路48と接続されており、CPU41aは電断検出回路48から出力された電圧低下信号の入力に応じて割込2を発生させて後述する電断割込処理を実行する。また、CPU41aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定時間間隔(本実施例では、約0.56ms)毎に割込3を発生させて後述するタイマ割込処理(メイン)を実行する。また、割込1、4は、未使用に設定されているが、ノイズ等によって割込1、4が発生することがあり得る。このため、CPU41aは、割込1、4が発生した場合に、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の実行中に他の割込を禁止するように設定されているとともに、複数の割込が同時に発生した場合には、割込2、3、1、4の順番で優先して実行する割込が設定されている。すなわち割込2とその他の割込が同時に発生した場合には、割込2を優先して実行し、割込3と割込1または4が同時に発生した場合には、割込3を優先して実行するようになっている。
また、CPU41aは、割込1〜4のいずれかの割込の発生に基づく割込処理の開始時に、レジスタに格納されている使用中のデータをRAM41cに設けられた後述のスタック領域に一時的に退避させるとともに、当該割込処理の終了時にスタック領域に退避させたデータをレジスタに復帰させるようになっている。
RAM41cには、DRAM(Dynamic RAM)が使用されており、記憶しているデータ内容を維持するためのリフレッシュ動作が必要となる。CPU41aには、このリフレッシュ動作を行うための前述したR(リフレッシュ)レジスタが設けられている。Rレジスタは、8ビットからなり、そのうちの下位7ビットが、CPU41aがROM41bから命令をフェッチする度に自動的にインクリメントされるもので、その値の更新は、1命令の実行時間毎に行われる。
また、メイン制御部41には、停電時においてもバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU41aによりリフレッシュ動作が行われてRAM41cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
また、CPU41aは、起動時において、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能の有効/無効、自動精算機能の有効/無効を設定するようになっている。打止スイッチ36及び自動精算スイッチ29の状態は起動時においてのみ取得し、取得した状態に基づいて打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されるため、その後に打止スイッチ36や自動精算スイッチ29が操作されても、新たに打止及び自動精算機能の有効/無効が設定されることはない。
乱数発生回路42は、後述するように所定数のパルスを発生する度にカウントアップして値を更新するカウンタによって構成され、サンプリング回路43は、乱数発生回路42がカウントしている数値を取得する。乱数発生回路42は、乱数の種類毎にカウントする数値の範囲が定められており、本実施例では、その範囲として0〜16383が定められている。CPU41aは、その処理に応じてサンプリング回路43に指示を送ることで、乱数発生回路42が示している数値を乱数として取得する(以下、この機能をハードウェア乱数機能という)。後述する内部抽選用の乱数は、ハードウェア乱数機能により抽出した乱数をそのまま使用するのではなく、ソフトウェアにより加工して使用するが、その詳細については詳しく説明する。また、CPU41aは、前述のタイマ割込処理(メイン)により、特定のレジスタの数値を更新し、こうして更新された数値を乱数として取得する機能も有する(以下、この機能をソフトウェア乱数機能という)。
CPU41aは、I/Oポート41dを介して演出制御基板90に、各種のコマンドを送信する。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドは一方向のみで送られ、演出制御基板90から遊技制御基板40へ向けてコマンドが送られることはない。遊技制御基板40から演出制御基板90へ送信されるコマンドの伝送ラインは、ストローブ(INT)信号ライン、データ伝送ライン、グラウンドラインから構成されているとともに、演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40と演出制御基板90とが直接接続されない構成とされている。
演出制御基板90には、スロットマシン1の前面扉に配置された液晶表示器51(図1参照)、演出効果LED52、スピーカ53、54、リールLED55等の電気部品が接続されており、これら電気部品は、演出制御基板90に搭載された後述のサブ制御部91による制御に基づいて駆動されるようになっている。
演出制御基板90には、メイン制御部41と同様にCPU91a、ROM91b、RAM91c、I/Oポート91dを備えたマイクロコンピュータにて構成され、演出の制御を行うサブ制御部91、演出制御基板90に接続された液晶表示器51の駆動制御を行う液晶駆動回路92、演出効果LED52、リールLED55の駆動制御を行うランプ駆動回路93、スピーカ53、54からの音声出力制御を行う音声出力回路94、電源投入時またはCPU91aからの初期化命令が入力されないときにCPU91aにリセット信号を与えるリセット回路95、その他の回路等、が搭載されており、CPU91aは、遊技制御基板40から送信されるコマンドを受けて、演出を行うための各種の制御を行うとともに、演出制御基板90に搭載された制御回路の各部を直接的または間接的に制御する。
CPU91aは、メイン制御部41のCPU41aと同様に、タイマ割込などの割込機能(割込禁止機能を含む)を備える。サブ制御部91の割込端子(図示略)は、コマンド伝送ラインのうち、メイン制御部41がコマンドを送信する際に出力するストローブ(INT)信号線に接続されており、CPU91aは、ストローブ信号の入力に基づいて割込を発生させて、メイン制御部41からのコマンドを取得し、バッファに格納するコマンド受信割込処理を実行する。また、CPU91aは、クロック入力数が一定数に到達する毎、すなわち一定間隔毎に割込を発生させて後述するタイマ割込処理(サブ)を実行する。また、CPU91aにおいても未使用の割込が発生した場合には、もとの処理に即時復帰させる未使用割込処理を実行するようになっている。
また、CPU91aは、CPU41aとは異なり、ストローブ信号(INT)の入力に基づいて割込が発生した場合には、他の割込に基づく割込処理の実行中であっても、当該処理に割り込んでコマンド受信割込処理を実行し、他の割込が同時に発生してもコマンド受信割込処理を最優先で実行するようになっている。
また、サブ制御部91にも、停電時においてバックアップ電源が供給されており、バックアップ電源が供給されている間は、CPU91aによりリフレッシュ動作が行われてRAM91cに記憶されているデータが保持されるようになっている。
本実施例のスロットマシン1は、設定値に応じてメダルの払出率が変わるものであり、後述する内部抽選の当選確率は、設定値に応じて定まるものとなる。以下、設定値の変更操作について説明する。
設定値を変更するためには、設定キースイッチ37をON状態としてからスロットマシン1の電源をONする必要がある。設定キースイッチ37をON状態として電源をONすると、設定値表示器24に設定値の初期値として1が表示され、リセット/設定スイッチ38の操作による設定値の変更操作が可能な設定変更モードに移行する。設定変更モードにおいて、リセット/設定スイッチ38が操作されると、設定値表示器24に表示された設定値が1ずつ更新されていく(設定6から更に操作されたときは、設定1に戻る)。そして、スタートスイッチ7が操作されると設定値が確定し、確定した設定値がメイン制御部41のRAM41cに格納される。そして、設定キースイッチ37がOFFされると、遊技の進行が可能な状態に移行する。
本実施例のスロットマシン1においては、メイン制御部41のCPU41aが電圧低下信号を検出した際に、電断割込処理を実行する。電断割込処理では、レジスタを後述するRAM41cのスタックに退避し、メイン制御部41のRAM41cにいずれかのビットが1となる破壊診断用データ(本実施例では、5AH)、すなわち0以外の特定のデータを格納するとともに、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0となるようにRAMパリティ調整用データを計算し、RAM41cに格納する処理を行うようになっている。尚、RAMパリティとはRAM41cの該当する領域(本実施例では、全ての領域)の各ビットに格納されている値の排他的論理和として算出される値である。このため、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが0であれば、RAMパリティ調整用データは0となり、RAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づくRAMパリティが1であれば、RAMパリティ調整用データは1となる。
そして、CPU41aは、その起動時においてRAM41cの全ての領域に格納されたデータに基づいてRAMパリティを計算するとともに、破壊診断用データの値を確認し、RAMパリティが0であり、かつ破壊診断用データの値も正しいことを条件に、RAM41cに記憶されているデータに基づいてCPU41aの処理状態を電断前の状態に復帰させるが、RAMパリティが0でない場合(1の場合)や破壊診断用データの値が正しくない場合には、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをレジスタにセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、RAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において当該ゲームにおいて設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定する。そして、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、前述のようにRAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
また、CPU41aは、後述する内部抽選処理において設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定するとともに、内部抽選に用いる設定値が適正な値であるか否かを判定する。
そして、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合、または内部抽選に用いる設定値が適正な値でない場合にも、RAM異常と判定し、RAM異常エラーコードをセットしてRAM異常エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、前述のようにRAM異常エラー状態は、他のエラー状態と異なり、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
本実施例のスロットマシン1は、前述のように遊技状態に応じて設定可能な賭数の規定数が定められており、遊技状態に応じて定められた規定数の賭数が設定されたことを条件にゲームを開始させることが可能となる。本実施例では、後に説明するが、遊技状態として、レギュラーボーナス、通常遊技状態があり、このうちレギュラーボーナスに対応する賭数の規定数として1が定められており、通常遊技状態に対応する賭数の規定数として3が定められている。このため、遊技状態がレギュラーボーナスにあるときには、賭数として1が設定されるとゲームを開始させることが可能となり、遊技状態が通常遊技状態にあるときには、賭数として3が設定されるとゲームを開始させることが可能となる。尚、本実施例では、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定された時点で、全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されるようになっており、遊技状態に応じた規定数が1であれば、賭数として1が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化され、遊技状態に応じた規定数が3であれば、賭数として3が設定された時点で全ての入賞ラインL1〜L5が有効化されることとなる。
本実施例のスロットマシン1は、全てのリール2L、2C、2Rが停止した際に、有効化された入賞ライン(本実施例の場合、常に全ての入賞ラインが有効化されるため、以下では、有効化された入賞ラインを単に入賞ラインと呼ぶ)上に役と呼ばれる図柄の組み合わせが揃うと入賞となる。入賞となる役の種類は、遊技状態に応じて定められているが、大きく分けて、メダルの払い出しを伴う小役と、賭数の設定を必要とせずに次のゲームを開始可能となる再遊技役と、遊技状態の移行を伴う特別役と、がある。以下では、小役と再遊技役をまとめて一般役とも呼ぶ。遊技状態に応じて定められた各役の入賞が発生するためには、後述する内部抽選に当選して、当該役の当選フラグがRAM41cに設定されている必要がある。
尚、これら各役の当選フラグのうち、小役及び再遊技役の当選フラグは、当該フラグが設定されたゲームにおいてのみ有効とされ、次のゲームでは無効となるが、特別役の当選フラグは、当該フラグにより許容された役の組み合わせが揃うまで有効とされ、許容された役の組み合わせが揃ったゲームにおいて無効となる。すなわち特別役の当選フラグが一度当選すると、例え、当該フラグにより許容された役の組み合わせを揃えることができなかった場合にも、その当選フラグは無効とされずに、次のゲームへ持ち越されることとなる。
図4は、当選役テーブルを示す図である。当選役テーブルは、メイン制御部41のROM41bに予め格納されており、内部抽選において抽選対象となる役及び役の組み合わせに対応して、抽選が行われる順番に割り当てられた役番号(1〜7)が登録されている。
このスロットマシン1における役としては、特別役としてビッグボーナス、レギュラーボーナスが、小役としてチェリー、ベルが、再遊技役としてリプレイが定められている。また、スロットマシン1における役の組み合わせとしては、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーが定められている。すなわち、役及び役の組み合わせの合計は7となっている。
本実施例のスロットマシン1においては、図4に示すように、遊技状態が、通常遊技状態であるか、レギュラーボーナスであるか、によって抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。更に遊技状態が通常遊技状態である場合には、いずれかの特別役の持ち越し中か否か(特別役の当選フラグにいずれかの特別役が当選した旨が既に設定されているか否か)によっても抽選の対象となる役及び役の組み合わせが異なる。本実施例では、遊技状態に応じた状態番号が割り当てられており、内部抽選を行う際に、現在の遊技状態に応じた状態番号を設定し、この状態番号に応じて抽選対象となる役を特定することが可能となる。具体的には、通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、状態番号として「0」が設定され、通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、状態番号として「1」が設定され、レギュラーボーナスである場合には、状態番号として「2」が設定されるようになっている。
図4に示すように、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」が設定されている場合には、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリー、リプレイ、チェリー、ベル、すなわち全ての役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「1」が設定されている場合には、リプレイ、チェリー、ベル、すなわち役番号5以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「2」が設定されている場合には、チェリー、ベル、すなわち役番号6以降の役及び役の組み合わせが内部抽選の対象となる。
チェリーは、いずれの遊技状態においても左リールについて入賞ラインのいずれかに「チェリー」の図柄が導出されたときに入賞となり、通常遊技状態においては2枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。尚、「チェリー」の図柄が左リールの上段または下段に停止した場合には、入賞ラインL2、L4または入賞ラインL3、L5の2本の入賞ラインにチェリーの組み合わせが揃うこととなり、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞したこととなるので、通常遊技状態においては4枚のメダルが払い出されることとなるが、レギュラーボーナスでは、2本の入賞ライン上でチェリーに入賞しても、1ゲームにおいて払い出されるメダル枚数の上限が15枚に設定されているため、15枚のみメダルが払い出されることとなる。ベルは、いずれの遊技状態においても入賞ラインのいずれかに「ベル−ベル−ベル」の組み合わせが揃ったときに入賞となり、通常遊技状態においては8枚のメダルが払い出され、レギュラーボーナスにおいては15枚のメダルが払い出される。
リプレイは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。リプレイ入賞したときには、メダルの払い出しはないが次のゲームを改めて賭数を設定することなく開始できるので、次のゲームで設定不要となった賭数(レギュラーボーナスではリプレイ入賞しないので必ず3)に対応した3枚のメダルが払い出されるのと実質的には同じこととなる。
レギュラーボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。レギュラーボーナス入賞すると、遊技状態が通常遊技状態からレギュラーボーナスに移行する。レギュラーボーナスは、12ゲームを消化したとき、または8ゲーム入賞(役の種類は、いずれでも可)したとき、のいずれか早いほうで終了する。遊技状態がレギュラーボーナスにある間は、レギュラーボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
ビッグボーナスは、通常遊技状態において入賞ラインのいずれかに「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃ったときに入賞となる。ビッグボーナス入賞すると、遊技状態がビッグボーナスに移行する。ビッグボーナスに移行すると、ビッグボーナスへの移行と同時にレギュラーボーナスに移行し、レギュラーボーナスが終了した際に、ビッグボーナスが終了していなければ、再度レギュラーボーナスに移行し、ビッグボーナスが終了するまで繰り返しレギュラーボーナスに制御される。すなわちビッグボーナス中は、常にレギュラーボーナスに制御されることとなる。そして、ビッグボーナスは、当該ビッグボーナス中において遊技者に払い出したメダルの総数が465枚を超えたときに終了する。この際、レギュラーボーナスの終了条件が成立しているか否かに関わらずレギュラーボーナスも終了する。遊技状態がビッグボーナスにある間は、ビッグボーナス中フラグがRAM41cに設定される。
尚、前述したレギュラーボーナス、ビッグボーナスをまとめて、単に「ボーナス」と呼ぶ場合があるものとする。
以下、本実施例の内部抽選について説明する。内部抽選は、上記した各役への入賞を許容するか否かを、全てのリール2L、2C、2Rの表示結果が導出表示される以前に(実際には、スタートスイッチ7の検出時)決定するものである。内部抽選では、まず、後述するように内部抽選用の乱数(0〜16383の整数)が取得される。そして、遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせについて、取得した内部抽選用の乱数と、遊技状態及び設定値に応じて定められた各役及び役の組み合わせの判定値数に応じて行われる。本実施例においては、各役及び役の組み合わせの判定値数から、一般役、特別役がそれぞれ単独で当選する判定値の範囲と、一般役及び特別役が重複して当選する判定値の範囲と、が特定されるようになっており、内部抽選における当選は、排他的なものではなく、1ゲームにおいて一般役と特別役とが同時に当選することがあり得る。ただし、種類の異なる特別役については、重複して当選する判定値の範囲が特定されることがなく、種類の異なる特別役については、排他的に抽選を行うものである。
遊技状態に応じて定められた各役及び役の組み合わせの参照は、図4に示した当選役テーブルに登録された役番号の順番で行われる。
遊技状態が通常遊技状態であり、いずれの特別役も持ち越されていない状態、すなわち状態番号として「0」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号1〜7の役及び役の組み合わせ、すなわちビッグボーナス[役番号1]、レギュラーボーナス[役番号2]、ビッグボーナス+チェリー[役番号3]、レギュラーボーナス+チェリー[役番号4]、リプレイ[役番号5]、チェリー[役番号6]、ベル[役番号7]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態が通常遊技状態であり、いずれかの特別役が持ち越されている状態、すなわち状態番号として「1」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号5〜7の役及び役の組み合わせ、すなわちリプレイ[役番号5]、チェリー[役番号6]、ベル[役番号7]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
また、遊技状態がレギュラーボーナス、すなわち状態番号として「2」が設定されている場合には、当選役テーブルを参照し、役番号6、7の役及び役の組み合わせ、すなわちチェリー[役番号6]、ベル[役番号7]が内部抽選の対象役として順に読み出される。
内部抽選では、内部抽選の対象となる役または役の組み合わせ及び現在の遊技状態を示す状態番号について定められた判定値数を、内部抽選用の乱数に順次加算し、加算の結果がオーバーフローしたときに、当該役または役の組み合わせに当選したものと判定される。
そして、いずれかの役または役の組み合わせの当選が判定された場合には、当選が判定された役または役の組み合わせに対応する当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)に設定する。内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)は、2バイトの格納領域にて構成されており、そのうちの上位バイトが、特別役の当選フラグが設定される特別役格納ワークとして割り当てられ、下位バイトが、一般役の当選フラグが設定される一般役格納ワークとして割り当てられている。詳しくは、役番号1、2のいずれかの役(特別役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、一般役格納ワークに設定されている当選フラグをクリアする。また、役番号3、4のいずれかの役(特別役+一般役)が当選した場合には、当該特別役が当選した旨を示す特別役の当選フラグを特別役格納ワークに設定し、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。また、役番号5〜7のいずれかの役(一般役)が当選した場合には、当該一般役が当選した旨を示す一般役の当選フラグを一般役格納ワークに設定する。尚、いずれの役及び役の組み合わせにも当選しなかった場合には、一般役格納ワークのみクリアする。
各役及び役の組み合わせの判定値数は、メイン制御部41のROM41bに予め格納された図示しない役別テーブルに登録されている判定値数の格納アドレスに従って読み出されるものとなる。
判定値数は、その値が256以上のものとなるものもあり、1バイト分では記憶できないので、判定値数毎に2バイト分の記憶領域を用いて登録されるものとなる。また、判定値数は、前述した遊技状態を特定可能な状態番号に対応して登録されている。同一の役または同一の役の組み合わせであっても、遊技状態に応じて当選確率が異なっている場合があるからである。また、それぞれの判定値数は、設定値に関わらずに共通になっているものと、設定値に応じて異なっているものとがある。判定値数が設定値に関わらずに共通である場合には、共通フラグが設定される(値が「1」とされる)。
役別テーブルにはビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリー、リプレイ、チェリー、ベルの判定値数の格納アドレスが状態番号に対応して登録されており、更に、設定値に関わらず当選確率が共通である場合には、共通フラグが設定されているとともに、共通の格納アドレスが1つ登録され、設定値に応じて当選確率が異なる場合には、共通フラグは設定されず、設定値に応じて異なる格納アドレスがそれぞれ登録されている。
また、役別テーブルには、各役に入賞したときに払い出されるメダルの払出枚数も登録されている。もっとも、入賞したときにメダルの払い出し対象となる役は、小役であるチェリー、ベルだけである。ビッグボーナス、レギュラーボーナスの入賞は、遊技状態の移行を伴うものであり、メダルの払い出し対象とはならない。リプレイでは、メダルの払い出しを伴わないが、次のゲーム(必ず通常遊技状態)で賭数の設定に用いるメダルの投入が不要となるので実質的には3枚の払い出しと変わらない。
次に、リール2L、2C、2Rの停止制御について説明する。
本実施例では、リールの停止制御の方法として、予めROM41bに登録されている停止制御テーブルの滑りコマ数データによる停止制御(以下テーブル方式とも呼ぶ)、停止操作のタイミング毎に引込可能位置を検索し、その検索結果に基づく停止制御(以下コントロール方式とも呼ぶ)、テーブル方式とコントロール方式の双方による停止制御(以下テーブル+コントロール方式とも呼ぶ)の3つの方法を採用しており、内部抽選の結果、リールの停止状況に応じていずれかの方法によって停止制御を行う。
これら3つの方法のうちどの方法で停止制御を行うかは予め定められている。詳しくは、図5に示すように、内部抽選の結果がハズレの場合には、ゲーム開始後、全てのリールが未だ回転中の状態で最初に行われる停止操作(以下、第1停止とも呼ぶ)、いずれか1つのリールが既に停止し、2つのリールが回転中の状態、すなわち2番目に行われる停止操作(以下、第2停止とも呼ぶ)、いずれか2つのリールが停止し、1つのリールが回転中の状態、すなわち3番目に行われる停止操作(以下、第3停止とも呼ぶ)のいずれの停止操作においてもテーブル方式によって停止制御を行う。
内部抽選の結果がチェリーの場合には、第1停止、第2停止、第3停止のいずれの停止操作においてもテーブル+コントロール方式によって停止制御を行う。
内部抽選の結果がベル、またはリプレイの場合には、第1停止、第2停止、第3停止のいずれの停止操作においてもコントロール方式によって停止制御を行う。
内部抽選の結果がビッグボーナス、レギュラーボーナスの場合には、第1停止、第2停止、第3停止のいずれの停止操作においてもテーブル+コントロール方式によって停止制御を行う。
内部抽選の結果がボーナス+小役の場合には、第1停止、第2停止、第3停止のいずれの停止操作においてもテーブル+コントロール方式によって停止制御を行い、内部抽選の結果がボーナス+リプレイの場合には、第1停止、第2停止、第3停止のいずれの停止操作においてもコントロール方式によって停止制御を行う。
テーブル方式及びテーブル+コントロール方式によって停止制御を行う際に用いる停止制御テーブルは、ROM41bに予め登録されており、ROM41bに格納されているテーブルインデックスを参照して選択される。
テーブルインデックスには、図6に示すように、当選役別に、テーブルインデックスを参照する際の基準アドレス(table_index)から、停止制御テーブルが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されているアドレスまでの差分が登録されている。これにより当選役に応じた差分を取得し、基準アドレス(table_index)に対してその差分を加算することで該当するインデックスデータを取得することが可能となる。
本実施例では、内部抽選の結果の全てについて停止制御テーブルを用いるものではなく、更に、停止制御テーブルを用いる場合にも個別の停止制御テーブルを用いるものではない。詳しくは、ベル、リプレイ、ボーナス+リプレイの場合に、停止制御テーブルを用いず、コントロール方式のみで停止制御を行い、チェリー、ボーナス、ボーナス+小役の場合には、共通の停止制御テーブルを用いるため、テーブルインデックスには、ハズレ、共通のそれぞれについて、停止制御テーブルが格納された領域の先頭アドレスを示すインデックスデータが格納されている。
停止制御テーブルは、停止操作位置に応じた滑りコマ数を示す滑りコマ数データと、リールの停止状況に応じて参照すべき滑りコマ数データのアドレスと、からなる。
リールの停止状況に応じて参照される滑りコマ数データは、第1停止か、第2停止において左リールのみ停止しているか、中リールのみ停止しているか、右リールのみ停止しているか、第3停止において左、中リールが停止しているか、左、右リールが停止しているか、中、右リールが停止しているか、によって異なる場合があり、更に、いずれかのリールが停止している状況においては、停止済みのリールの停止位置によっても異なる場合があるので、それぞれの状況について、参照すべき滑りコマ数データのアドレスが回転中のリール別に登録されており、停止制御テーブルの先頭アドレスに基づいて、それぞれの状況に応じて参照すべき滑りコマ数データのアドレスが特定可能とされ、この特定されたアドレスから、それぞれの状況に応じて必要な滑りコマ数データを特定できるようになっている。
尚、内部抽選の結果、リールの停止状況や停止済みのリールの停止位置が異なる場合でも、同一の滑りコマ数データが適用される場合においては、滑りコマ数データのアドレスとして同一のアドレスが登録されているものもあり、このような場合には、同一の滑りコマ数データが参照されることとなる。
滑りコマ数データは、停止操作が行われたタイミング別の滑りコマ数を特定可能なデータである。本実施例では、リールモータ32L、32C、32Rに、168ステップ(0〜167)の周期で1周するステッピングモータを用いている。すなわちリールモータ32L、32C、32Rを168ステップ駆動させることでリール2L、2C、2Rが1周することとなる。そして、図11に示すように、リール1周に対して8ステップ(1図柄が移動するステップ数)毎に分割した21の領域(コマ)が定められており、これらの領域には、リール基準位置から1〜21の領域番号が割り当てられている。一方、1リールに配列された図柄数も21であり、各リールの図柄に対して、リール基準位置から1〜21の図柄番号が割り当てられているので、1番図柄から21番図柄に対して、それぞれ1〜21の領域番号が順に割り当てられていることとなる。そして、滑りコマ数データには、領域番号別の滑りコマ数が所定のルールで圧縮して格納されており、滑りコマ数データを展開することによって領域番号別の滑りコマ数を取得できるようになっている。
本実施例の共通の停止制御テーブルには、ビッグボーナスに対応する「赤7−赤7−赤7」の組み合わせ、レギュラーボーナスに対応する「赤7−赤7−BAR」の組み合わせ、チェリーに対応する「チェリー−any−any」の組み合わせが入賞ライン上に揃う停止位置を4コマの範囲で最大限に引き込むように定められた共通滑りコマ数データが特定可能に格納されている。
図12は、共通滑りコマ数データの一例を示す図であり、特に、全てのリールが回転中の状態で、左リールに適用される共通滑りコマ数データである。
図12に示すように、全てのリールが回転中の状態で、左リールに適用される共通滑りコマ数データにおいては、最大4コマの範囲で「チェリー」を入賞ライン上に引込可能な領域番号6〜12に対して、「チェリー」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められている。また、最大4コマの範囲で「赤7」を入賞ライン上に引込可能な領域番号16〜21、1に対して、「赤7」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められている。尚、本実施例では、左リールにおいて「チェリー」を最大4コマの範囲で入賞ライン上に引込可能な範囲と、「赤7」を最大4コマの範囲で入賞ライン上に引込可能な範囲と、が重複しないため、双方の図柄を共通して引込可能な範囲は存在しないようになっている。また、最大4コマの範囲で「赤7」及び「チェリー」のいずれも入賞ライン上に引き込めない範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目(ハズレ時に適用される停止制御テーブルから特定される滑りコマ数データでは停止することのない停止位置であり、本実施例では、左リールにおいてチャンス目を構成する停止位置として領域番号10〜12、領域番号18〜20の「リプレイ・ベル・リプレイ」が該当する)が割り当てられており、これらの停止位置を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を構成する停止位置を引き込む滑りコマ数が定められている。
また、左リールを除く少なくともいずれか1つのリールが停止している場合において左リールに適用される共通滑りコマ数データは複数種類存在し、停止済みのリールの停止位置によって異なる。停止済みのリールの停止位置が、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが入賞ライン上に揃い得る停止位置である場合(例えば、いずれか1つのリールが停止しており、そのリールの入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせを構成する図柄が停止している場合や、中、右のリールが停止しており、いずれかの入賞ライン上に「回転中−赤7−赤7」または「回転中−赤7−BAR」が停止している場合)に適用される共通滑りコマ数データにおいては、最大4コマの範囲で「赤7」を、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「赤7」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められ、最大4コマの範囲で「チェリー」を入賞ライン上に引込可能な領域番号6〜12に対して、「チェリー」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められている。また、最大4コマの範囲で「チェリー」を入賞ライン上に引き込めない範囲、及び最大4コマの範囲で「赤7」を、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引き込めない範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。尚、停止済みのリールの停止位置が、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが入賞ライン上に揃い得ない停止位置である場合(例えば、いずれか1つのリールでも、そのリールの入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせを構成する図柄が停止していない場合)に適用される共通滑りコマ数データについては、最大4コマの範囲で「チェリー」を入賞ライン上に引込可能な領域番号6〜12に対して、「チェリー」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められ、それ以外の範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。
また、全てのリールが回転中の状態で、中リールに適用される共通滑りコマ数データにおいては、最大4コマの範囲で「赤7」を入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「赤7」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められており、最大4コマの範囲で「赤7」を入賞ライン上に引き込めない範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。
また、中リールを除く少なくともいずれか1つのリールが停止している場合において中リールに適用される共通滑りコマ数データは複数種類存在し、停止済みのリールの停止位置によって異なる。停止済みのリールの停止位置が、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが入賞ライン上に揃い得る停止位置である場合(例えば、いずれか1つのリールが停止しており、そのリールの入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせを構成する図柄が停止している場合や、左、右のリールが停止しており、いずれかの入賞ライン上に「赤7−回転中−赤7」または「赤7−回転中−BAR」が停止している場合)に適用される共通滑りコマ数データにおいては、最大4コマの範囲で「赤7」を、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「赤7」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められ、最大4コマの範囲で「赤7」を、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引き込めない範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。また、停止済みのリールの停止位置が、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが入賞ライン上に揃い得ない停止位置である場合に適用される共通滑りコマ数データについては、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。
また、全てのリールが回転中の状態で、右リールに適用される共通滑りコマ数データにおいては、最大4コマの範囲で「赤7」を入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「赤7」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められており、最大4コマの範囲で「BAR」を入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「BAR」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められている。尚、本実施例では、右リールにおいて「赤7」を最大4コマの範囲で入賞ライン上に引込可能な範囲と、「BAR」を最大4コマの範囲で入賞ライン上に引込可能な範囲と、が重複しないため、双方の図柄を共通して引込可能な範囲は存在しないようになっている。また、最大4コマの範囲で「赤7」及び「BAR」のいずれも入賞ライン上に引き込めない範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。
また、右リールを除く少なくともいずれか1つのリールが停止している場合において右リールに適用される共通滑りコマ数データは複数種類存在し、停止済みのリールの停止位置によって異なる。停止済みのリールの停止位置が、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが入賞ライン上に揃い得る停止位置である場合(例えば、いずれか1つのリールが停止しており、そのリールの入賞ライン上に「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせを構成する図柄が停止している場合や、左、中のリールが停止しており、いずれかの入賞ライン上に「赤7−赤7−回転中」が停止している場合)に適用される共通滑りコマ数データにおいては、最大4コマの範囲で「赤7」を、「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「赤7」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められ、最大4コマの範囲で「BAR」を、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引込可能な領域番号に対して、「BAR」を入賞ライン上に引き込む滑りコマ数が定められている。尚、この場合も双方の図柄を共通して引込可能な範囲は存在しないようになっている。また、最大4コマの範囲で「赤7」を、「赤7−赤7−赤7」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引き込めない範囲、及び最大4コマの範囲で「BAR」を、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが揃い得る入賞ライン上に引き込めない範囲については、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。また、停止済みのリールの停止位置が、「赤7−赤7−赤7」、「赤7−赤7−BAR」の組み合わせが入賞ライン上に揃い得ない停止位置である場合に適用される共通滑りコマ数データについては、最大4コマの範囲でチャンス目を引込可能な領域番号に対して、チャンス目を引き込む滑りコマ数が定められている。
ここで停止制御の方法別の停止制御の内容について説明する。
まず、CPU41aが、テーブル方式によって停止制御を行う場合、すなわち内部抽選の結果が、ハズレの場合には、図7に示すように、リールの回転が開始したとき、またはリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階においてテーブルインデックスを参照し、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールがある場合には、そのリールの停止位置に対応する停止制御テーブルの滑りコマ数データを選択する。
そして、選択した滑りコマ数データを展開してリール別にRAM41cに割り当てられた仮想滑りコマテーブル(図11参照)に格納する。
仮想滑りコマテーブルは、図11に示すように、各リール毎に、領域番号に対応して、各領域番号に対応する領域が停止基準位置(本実施例では、透視窓3の下段図柄の領域)に位置するタイミング(リール基準位置からのステップ数が各領域番号のステップ数の範囲に含まれるタイミング)でストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出された場合の滑りコマ数がそれぞれ格納されるテーブルであり、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数が、該当するリールの該当する領域番号に対応して格納されることとなる。
次に、CPU41aが、コントロール方式によって停止制御を行う場合、すなわちベル、リプレイ、ボーナス+リプレイが当選している場合には、図8に示すように、リールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階において未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に基づいて、停止位置毎に不正入賞(内部抽選で当選していない役)の判定及び停止禁止位置(停止した場合に、未停止のリールにおいて不正入賞(当選役以外の入賞)や重複入賞を回避できなくなる停止位置)の判定を行い、不正入賞や停止禁止位置である場合には、停止禁止位置フラグを設定する。
次いで、停止操作位置毎に内部抽選の結果に対応する停止位置(当選役が入賞ライン上に揃う停止位置)を検索する。
詳しくは、停止操作位置毎に、0〜4の滑りコマ数別の停止位置を、役に応じた順番(ベルの場合には、滑りコマ数が4、3、2、1、0の順番、リプレイ、ボーナス+リプレイの場合には、滑りコマ数が0、1、2、3、4の順番)で特定し、特定した停止位置が当選役が入賞ライン上に揃う停止位置か否かの判定をで行い、当選役が入賞ライン上に揃う停止位置と判定された場合には、更に、その停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されているか否かの判定を行い、停止禁止位置フラグが設定されていなければ、その停止位置を取得し、取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納する。
また、当選役が入賞ライン上に揃う停止位置と判定された場合でも、その停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されていれば、次の停止位置についての判定を行う。また、全ての滑りコマ数の停止位置の判定を行っても当選役が入賞ライン上に揃う停止位置がない場合、または当選役が入賞ライン上に揃う停止位置があっても停止禁止位置フラグが設定されている場合には、最後に判定した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルの該当するリール、該当する停止操作位置の領域番号に格納する。すなわちベルの場合には、滑りコマ数4、リプレイの場合には0がそれぞれ格納されることとなる。また、最後に判定した停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定されている場合には、停止禁止位置フラグが設定されていない停止位置まで遡って取得し、取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納する。尚、本実施例では、後述するように「ベル」、「リプレイ」の図柄が全てのリールにおいて4コマ以内の間隔で配置されており、0〜5コマの範囲でリールを引き込んで停止させることにより必ずベルまたはリプレイを入賞ライン上に揃えることが可能であるため、必ず当選役が入賞ライン上に揃う停止位置となる滑りコマ数が格納されることとなる。
仮想滑りコマテーブルにおける回転中のリールの全ての領域番号に対して滑りコマ数が格納された後、停止操作を有効とし、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの仮想滑りコマテーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして取得した滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
次に、CPU41aが、テーブル+コントロール方式によって停止制御を行う場合、すなわち内部抽選の結果がチェリー、ボーナス、ボーナス+小役の場合には、図9に示すように、リールの回転が開始したとき、またはリールが停止し、かつ未だ回転中のリールが残っているときに、リールの停止操作が有効になる前の段階においてテーブルインデックスを参照し、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に対応する停止制御テーブルの滑りコマ数データを選択する。尚、本実施例では、内部抽選の結果がチェリー、ボーナス、ボーナス+小役のいずれであっても、共通停止制御テーブルを参照し、未停止のリールについて共通滑りコマ数データが選択される。
そして、選択した滑りコマ数データを展開して停止操作位置毎の滑りコマ数を取得し、取得した滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する領域番号に格納する。
次いで、未停止のリールについて内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に基づいて、停止位置毎に不正入賞(内部抽選で当選していない役)の判定及び停止禁止位置(停止した場合に、未停止のリールにおいて不正入賞(当選役以外の入賞)や重複入賞を回避できなくなる停止位置)の判定を行い、不正入賞や停止禁止位置である場合には、停止禁止位置フラグを設定する。
特に、本実施例では、チェリー、ボーナス、ボーナス+小役の場合に選択される共通の停止制御テーブル(共通滑りコマ数データ)において、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスのいずれも入賞ライン上に揃えることが可能とされている。
このため、チェリーのみが当選しているときには、最終停止リールについて、他の停止済みのリールの結果としてビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの組み合わせを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合には、その入賞ライン上にビッグボーナスまたはレギュラーボーナスの組み合わせを構成する図柄が揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定される。また、第1停止または第2停止であっても、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置(例えば、ボーナスは回避できるものの、ベルが揃ってしまう等)について停止禁止位置フラグが設定される。
また、ビッグボーナスまたはビッグボーナス+ベルが当選しているときには、左リールについて「チェリー」が入賞ライン上に揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置が設定されるとともに、最終停止リールについて、他の停止済みのリールの結果としてレギュラーボーナスの組み合わせを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合には、その入賞ライン上にレギュラーボーナスの組み合わせを構成する図柄が揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定される。また、第1停止または第2停止であっても、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置について停止禁止位置フラグが設定される。
また、レギュラーボーナスまたはレギュラーボーナス+ベルが当選しているときには、左リールについて「チェリー」が入賞ライン上に揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置が設定されるとともに、最終停止リールについて、他の停止済みのリールの結果としてビッグボーナスの組み合わせを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合には、その入賞ライン上にビッグボーナスの組み合わせを構成する図柄が揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定される。また、第1停止または第2停止であっても、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置について停止禁止位置フラグが設定される。
また、ビッグボーナス+チェリーが当選しているときには、最終停止リールについて、他の停止済みのリールの結果としてレギュラーボーナスの組み合わせを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合には、その入賞ライン上にレギュラーボーナスの組み合わせを構成する図柄が揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定される。また、第1停止または第2停止であっても、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置について停止禁止位置フラグが設定される。尚、本実施例では、左リールにビッグボーナスを構成する「赤7」と「チェリー」とを同時に引き込む停止操作位置が存在しないので、例え、左リールにチェリーが停止している場合でも、チェリーとビッグボーナスが重複入賞することはない。
また、レギュラーボーナス+チェリーが当選しているときには、最終停止リールについて、他の停止済みのリールの結果としてビッグボーナスの組み合わせを構成する図柄が入賞ライン上に揃っている場合には、その入賞ライン上にビッグボーナスの組み合わせを構成する図柄が揃ってしまう停止位置に対して停止禁止位置フラグが設定される。また、第1停止または第2停止であっても、未停止のリールにおいて不正入賞や重複入賞を回避できなくなる停止位置について停止禁止位置フラグが設定される。尚、本実施例では、左リールにレギュラーボーナスを構成する「赤7」と「チェリー」とを同時に引き込む停止操作位置が存在しないので、例え、左リールにチェリーが停止している場合でも、チェリーとレギュラーボーナスが重複入賞することはない。
次いで、停止操作位置毎に、内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に基づいて、停止操作位置毎に停止位置を検索する。
詳しくは、停止操作位置毎に、0〜4の滑りコマ数別の停止位置を、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数に応じて定められた順番(本実施例では、図10(a)に示す順番が定められている。例えば、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数が0であれば、滑りコマ数0、滑りコマ数3、滑りコマ数、滑りコマ数2、滑りコマ数4の順番)で特定し、特定した停止位置の優先度と、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数データから展開された滑りコマ数による停止位置の優先度と、を比較する。
そして、比較の結果、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度よりも滑りコマ数別に特定した停止位置の優先度の方が高いか否かを判定する。停止位置の優先度は、図10(b)に示すように、停止禁止位置フラグが設定されている停止位置よりも停止禁止位置フラグが設定されていない停止位置の方が優先度が高く、当選役がいずれの入賞ライン上にも揃わない停止位置よりも当選役がいずれかの入賞ライン上に揃う停止位置の方が優先度が高く、当選役がボーナス+小役である場合には、小役がいずれかの入賞ライン上に揃う停止位置よりもボーナスがいずれかの入賞ライン上に揃う停止位置の方が優先度が高いものとして判定する。また、第1停止及び第2停止においては、当選役がボーナス+小役(ベル)である場合に、当選したボーナスと小役の双方が入賞ライン上に揃う停止位置があれば、停止禁止位置フラグが設定されている場合を除いて、その停止位置を単独でボーナスや小役が入賞ライン上に揃う停止位置よりも優先度が高いものとして判定する。尚、停止位置の優先度を判定する際には、図10(b)に示すように停止位置の種類同士の優先度を設定した優先度テーブルを設け、優先度テーブルを参照してどちらの停止位置の優先度が高いか否かを判定するようにしても良いし、予め定められた優先度(図10(b)に示す優先度)に従って、優先度の高い停止位置が優先度の低い停止位置よりも優先度が高いと判定されるようにしたプログラム(例えば、双方の停止位置が当選役が揃う停止位置か否かを判定し、一方は当選役が揃わない停止位置であり、他方は当選役が揃う停止位置であれば、当選役が揃う停止位置の方が優先度が高いと判定するようにし、ボーナス+小役である場合には、双方の停止位置がボーナスが揃う停止位置か否か、及び小役が揃う停止位置か否か、をそれぞれ判定し、一方はボーナスか小役が揃う停止位置が、他方はボーナスも小役も揃わない停止位置であれば、ボーナスか小役が揃う停止位置の方が優先度が高いと判定し、一方はボーナスが揃う停止位置であり、他方は小役が揃うがボーナスが揃わない停止位置であれば、ボーナスが揃う停止位置の方が優先度が高いと判定するようにしたプログラムなど)とすることで、どちらの停止位置の優先度が高いか否かを判定するようにしても良い。
そして、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度よりも滑りコマ数別に特定した停止位置の優先度の方が高いと判定された場合には、仮想滑りコマテーブルにおける該当するリールの該当する停止操作位置の領域番号に格納されている滑りコマ数を、滑りコマ数別に検索した停止位置となる滑りコマ数に更新する。
また、全ての滑りコマ数の停止位置と比較しても、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度よりも滑りコマ数別に検索した停止位置の優先度の方が高いと判定されなかった場合には、仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数を更新せず、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数を維持する。
例えば、ビッグボーナスのみが当選しており、全てのリールが未だ回転中の状態を例に説明すると、図12に示すように、左リールの領域番号1〜5、13〜21については、滑りコマ数データから展開された滑りコマ数による停止位置に対して停止禁止フラグも設定されておらず、かつこれら停止位置の優先度よりも高い停止位置が、滑りコマ数別に特定した停止位置には存在しないことから、滑りコマ数データから展開されて仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数が維持される。また、領域番号6〜12については、滑りコマ数データから展開された滑りコマ数による停止位置(領域番号6〜8)に対して停止禁止位置フラグが設定されている。すなわちこれらの停止操作位置の優先度よりも高い停止位置が存在するので、そのうち図10(a)に示す順番で、最も早い段階で優先度が高いと判定される滑りコマ数(領域番号6〜8については滑りコマ数3、領域番号9〜12については滑りコマ数0)に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を更新する。
そして、仮想滑りコマテーブルにおける回転中のリールの全ての領域番号に対して滑りコマ数の優先度の比較が終了した後、停止操作を有効とし、この状態でストップスイッチ8L、8C、8Rのうち、回転中のリールに対応するいずれかの操作が有効に検出されたときに、停止操作を検出した時点のリール基準位置からのステップ数に基づいて停止操作位置の領域番号を特定し、停止操作が検出されたリールの仮想滑りコマテーブルを参照し、特定した停止操作位置の領域番号に対応する滑りコマ数を取得する。そして取得した滑りコマ数に基づいて、操作されたストップスイッチ8L、8C、8Rに対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる制御を行う。
また、本実施例では、滑りコマ数が必ず0〜4の範囲となるため、停止操作を検出してから最大4コマ図柄を引き込んでリールを停止させることが可能である。すなわち停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5コマの範囲から図柄の停止位置を指定できるようになっている。また、1図柄分リールを移動させるのに1コマの移動が必要であるので、停止操作を検出してから最大4図柄を引き込んでリールを停止させることが可能であり、停止操作を検出した停止操作位置を含め、最大5図柄の範囲から図柄の停止位置を指定できることとなる。
詳しくは、テーブルインデックスにおいて、ハズレの場合に対応するアドレスには、最大4コマの範囲でいずれの役も揃わないように引き込む滑りコマ数が定められた停止制御テーブルを特定するインデックスデータが格納されており、テーブル方式で停止制御を行う場合、すなわち内部抽選の結果がハズレの場合には、最大4コマの範囲でいずれの役も揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納される。
また、コントロール方式で停止制御を行う場合、すなわち内部抽選の結果がベル、リプレイ、ボーナス+リプレイの場合には、当選役(ボーナス+リプレイの場合にはリプレイ)を4コマの範囲で最大限に引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納される。
また、テーブル+コントロール方式で停止制御を行う場合、すなわち内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ボーナス+小役の場合においては、当選役を4コマの範囲で最大限に引き込む滑りコマ数が優先して仮想滑りコマテーブルに格納されるとともに、最大4コマの範囲で当選役以外の役が揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納される。
このため、いずれかの役に当選している場合には、停止制御の方法に関わらず、当選役を4コマの範囲で最大限引き込み、当選していない役が揃わないように引き込む滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納され、リールの停止制御が行われる一方、いずれの役にも当選していない場合には、いずれの役も揃わない滑りコマ数が仮想滑りコマテーブルに格納され、リールの停止制御が行われる。これにより、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲で当選している役の図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、最大4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。
本実施例では、図2に示すように、「ベル」、「リプレイ」については、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができる。つまり、ベル、リプレイ、ボーナス+リプレイが当選しているときには、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずベルまたはリプレイを入賞させることができる。
これに対して「赤7」、「BAR」、「チェリー」は、必ずしも5図柄以内に配置されていないため、いずれかのボーナスが当選している場合や、チェリーが当選している場合、ボーナス+チェリー、ボーナス+ベルが当選している場合には、該当する図柄が引込範囲内になければ、これら当選した役を入賞ライン上に揃えることができない。すなわち停止操作位置によっては入賞させることができない場合もあり得る。
内部抽選の結果がハズレである場合には、ハズレ用の停止制御テーブルに基づいて入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でいずれの役も入賞ライン上に揃わない停止位置となる滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納されるので、停止操作が行われた際に、いずれの役も入賞ライン上に揃わないように停止させる制御が行われる。
また、内部抽選の結果がベルである場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でベルを揃えて停止させる停止位置が停止操作位置毎に検索され、ベルを揃えて停止させる停止位置となる滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納されるので、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でベルを揃えて停止させる制御が行われる。尚、後述するように「ベル」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、内部抽選の結果がリプレイの場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずベルが揃って入賞することとなる。
また、内部抽選の結果がリプレイである場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でリプレイを揃えて停止させる停止位置が停止操作位置毎に検索され、リプレイを揃えて停止させる停止位置となる滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納されるので、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でリプレイを揃えて停止させる制御が行われる。尚、後述するように「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、内部抽選の結果がリプレイの場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずリプレイが揃って入賞することとなる。
また、内部抽選の結果がボーナス+リプレイである場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でリプレイを揃えて停止させる停止位置が停止操作位置毎に検索され、リプレイを揃えて停止させる停止位置となる滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納されるので、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でリプレイを揃えて停止させる制御が行われる。尚、後述するように「リプレイ」は、リール2L、2C、2Rのいずれについても5図柄以内、すなわち4コマ以内の間隔で配置されており、4コマの引込範囲で必ず任意の位置に停止させることができるので、内部抽選の結果がリプレイの場合には、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作タイミングに関わらずに、必ずリプレイが揃って入賞することとなる。更にボーナス+リプレイの場合には、ボーナスよりもリプレイを入賞ライン上に揃える制御が優先され、必ずリプレイが入賞することとなる。
また、内部抽選の結果がチェリーの場合には、共通停止制御テーブルに基づいて、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスをそれぞれ最大4コマの範囲で引き込むとともに、これらの役を引き込めない停止操作位置については、チャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納された後、チェリー以外の役の入賞(不正入賞)や重複入賞を回避できない停止禁止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置については、停止禁止位置以外の停止位置となる滑りコマ数に更新される。詳しくは、第1停止及び第2停止時においては、第3停止リールの停止操作位置によってはチェリー以外の入賞や重複入賞を回避不可能となる停止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置の滑りコマ数が、チェリー以外の入賞や重複入賞を回避可能となる停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。また、第3停止時においては、チェリー以外の入賞や重複入賞を回避不可能となる停止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置の滑りコマ数が、チェリー以外の入賞や重複入賞を回避可能となる停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。このため、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でチェリーを揃えて停止させる制御、及びチャンス目を引き込む制御が行われるとともに、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなどチェリー以外の役が入賞ライン上に揃わないように停止させる制御が行われる。
また、内部抽選の結果がビッグボーナスの場合には、共通停止制御テーブルに基づいて、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスをそれぞれ最大4コマの範囲で引き込むとともに、これらの役を引き込めない停止操作位置については、チャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納された後、ビッグボーナス以外の役の入賞(不正入賞)や重複入賞を回避できない停止禁止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置については、停止禁止位置以外の停止位置となる滑りコマ数に更新される。詳しくは、第1停止及び第2停止時においては、第3停止リールの停止操作位置によってはビッグボーナス以外の入賞や重複入賞を回避不可能となる停止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置の滑りコマ数が、ビッグボーナス以外の入賞や重複入賞を回避可能となる停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。また、第3停止時においては、ビッグボーナス以外の入賞や重複入賞を回避不可能となる停止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置の滑りコマ数が、ビッグボーナス以外の入賞や重複入賞を回避可能となる停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。このため、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でビッグボーナスを揃えて停止させる制御、及びチャンス目を引き込む制御が行われるとともに、チェリーやレギュラーボーナスなどビッグボーナス以外の役が入賞ライン上に揃わないように停止させる制御が行われる。また、内部抽選の結果がレギュラーボーナスの場合には、ビッグボーナスと同様の制御が行われる。
また、内部抽選の結果がビッグボーナス+チェリーの場合には、共通停止制御テーブルに基づいて、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスをそれぞれ最大4コマの範囲で引き込むとともに、これらの役を引き込めない停止操作位置については、チャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納された後、ビッグボーナス及びチェリー以外の役の入賞(不正入賞)や重複入賞を回避できない停止禁止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置については、停止禁止位置以外の停止位置となる滑りコマ数に更新される。詳しくは、第1停止及び第2停止時においては、第3停止リールの停止操作位置によってはビッグボーナス及びチェリー以外の入賞や重複入賞を回避不可能となる停止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置の滑りコマ数が、ビッグボーナス及びチェリー以外の入賞や重複入賞を回避可能となる停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。また、第3停止時においては、ビッグボーナス及びチェリー以外の入賞や重複入賞を回避不可能となる停止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置の滑りコマ数が、ビッグボーナス及びチェリー以外の入賞や重複入賞を回避可能となる停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。このため、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でビッグボーナスまたはチェリーを揃えて停止させる制御、及びチャンス目を引き込む制御が行われるとともに、レギュラーボーナスなどビッグボーナス及びチェリー以外の役が入賞ライン上に揃わないように停止させる制御が行われる。内部抽選の結果がレギュラーボーナス+チェリーの場合にも同様の制御が行われる。
また、内部抽選の結果がビッグボーナス+ベルの場合には、共通停止制御テーブルに基づいて、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスをそれぞれ最大4コマの範囲で引き込むとともに、これらの役を引き込めない停止操作位置については、チャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納された後、ビッグボーナス及びチェリー以外の役の入賞(不正入賞)や重複入賞を回避できない停止禁止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置については、停止禁止位置以外の停止位置となる滑りコマ数に更新される。更に、第1停止及び第2停止時においては、ビッグボーナスを構成する図柄を入賞ライン上に引き込めない停止操作位置のうち、ベルが入賞ライン上に揃う停止位置とならない停止操作位置の滑りコマ数が、ベルが入賞ライン上に揃う停止位置となる滑りコマ数に更新され、ビッグボーナスを構成する図柄を入賞ライン上に引き込むがベルが入賞ライン上に揃う停止位置とならない停止操作位置のうち、ビッグボーナスを構成する図柄及びベルの双方が入賞ライン上に揃う停止位置を最大4コマの範囲で引き込める停止操作位置であれば、ビッグボーナスを構成する図柄及びベルの双方が入賞ライン上に揃う停止位置となる滑りコマ数に更新される。また、第3停止時においては、第1停止及び第2停止リールのいずれかの入賞ライン上にベルが揃っている場合には、当該入賞ライン上にベル以外の図柄を引き込む停止操作位置の滑りコマ数を、当該入賞ライン上にベルを引き込む滑りコマ数に更新される。尚、これら以外の停止操作位置の滑りコマ数は維持される。このため、停止操作が行われた際に、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でビッグボーナスの構成図柄を揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でビッグボーナスの構成図柄を引き込めない場合には、入賞ライン上に最大4コマの引込範囲でベルを揃えて停止させることができれば、これを揃えて停止させる制御が行われ、当選していない役の図柄は、4コマの引込範囲でハズシて停止させる制御が行われることとなる。すなわちこのような場合には、ベルよりもビッグボーナスを入賞ライン上に揃える制御が優先され、ビッグボーナスを引き込めない場合にのみ、ベルを入賞させることが可能となる。また、内部抽選の結果がレギュラーボーナス+ベルの場合にも同様の制御が行われる。
このように本実施例では、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスをそれぞれ最大4コマの範囲で引き込むとともに、これらの役を引き込めない停止操作位置については、チャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納された後、当選役以外の役の入賞(不正入賞)や重複入賞を回避できない停止禁止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置については、停止禁止位置以外の停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数が維持されるようになっているので、内部抽選の結果に応じて停止禁止位置以外の停止位置となる停止操作位置で停止操作がなされた場合には、表示結果が同一となる。特に、本実施例では、共通停止制御テーブルの滑りコマ数として、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを引き込めない停止操作位置については、チャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が定められているので、前述のような制御を行うことにより、共通のチャンス目を導出させることが可能となる。
また、チェリーについては、左リールの入賞ライン上にチェリーが停止するのみで、入賞となるので、チェリー当選時において左リールの入賞ライン上に「赤7」または「チェリーが」が停止しなかった場合には、中、右リールの滑りコマ数として、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが当選している場合と同一の滑りコマ数が適用される。また、チェリー当選時において左リールの入賞ライン上に「赤7」が停止した場合でも、中リールの滑りコマ数として、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが当選している場合と同一の滑りコマ数が適用され、右リールの滑りコマ数としてビッグボーナスが当選している場合、またはレギュラーボーナスが当選している場合のいずれかと同一の滑りコマ数が適用される。このため、チェリーに当選し、かつ取りこぼした場合には、ビッグボーナスやレギュラーボーナスを取りこぼした場合と同一の停止位置が高い割合で停止することとなる。
また、本実施例では、一の遊技状態における一の内部抽選結果、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対応する停止制御の方法、テーブル方式及びテーブル+コントロール方式で停止制御を行う際に参照する滑りコマ数データ、コントロール方式で停止制御を行う際の停止位置の検索順、テーブル+コントロール方式で停止制御を行う際の停止位置の優先度の判定順、が一意的に定められており、仮想滑りコマテーブルに格納される滑りコマ数も、一の遊技状態における一の内部抽選結果、及びリールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)に対して一意となる。このため、遊技状態、内部抽選結果、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置)の全てが同一条件となった際に、同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなる。
次に、チャンス目について説明する。本実施例におけるチャンス目とは、通常遊技状態においていずれかのボーナスが当選しているとき、またはチェリーが当選しているときに導出されうる表示態様であり、本実施例では、左リールの表示結果として、10〜12番図柄の「リプレイ・ベル・リプレイ」、または18〜20番図柄の「リプレイ・ベル・リプレイ」が停止し、いずれの役も入賞ライン上に揃っていない表示態様をチャンス目として適用している。
また、本実施例では、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合、またはチェリーに当選している場合に、各リール2L、2C、2Rの停止操作が行われた順番に関わらず、チャンス目を導出させることが可能に制御されるが、特定の条件を満たす順番(例えば、左、中、右)で各リールの停止操作が行われたことを条件にチャンス目を導出できるようにしても良い。
また、本実施例においてCPU41aは、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
尚、本実施例では、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっているが、リールの回転が開始してから、予め定められた自動停止時間が経過した場合に、リールの停止操作がなされない場合でも、停止操作がなされたものとみなして自動的に各リールを停止させる自動停止制御を行うようにしても良い。この場合には、遊技者の操作を介さずにリールが停止することとなるため、例え、いずれかの役が当選している場合でもいずれの役も構成しない表示結果を導出させることが好ましい。
本実施例のCPU41aは、全てのリールが停止した時点で、当該ゲームにおいて許容されていない役が入賞ライン上に揃っているか否かを判定する異常入賞判定を行う。そして、当該ゲームにおいて許容されていない役が入賞ライン上に揃った場合には、異常入賞エラー状態に制御し、遊技の進行を不能化させるようになっている。尚、異常入賞エラー状態は、前述したRAM異常エラーと同様に、リセットスイッチ23やリセット/設定スイッチ38を操作しても解除されないようになっており、前述した設定変更モードにおいて新たな設定値が設定されるまで解除されることがない。
この異常入賞判定について説明すると、まずCPU41aは、内部抽選時に当該ゲームにおいて許容されている役を示す当選フラグをRAM41cに割り当てられた内部当選フラグ格納ワーク(iwin_flag)に設定するとともに、全てのリールが停止した時点で入賞ライン上に揃っている役を示す入賞図柄フラグを設定する。そして、当選フラグから異常入賞判定用フラグを作成し、作成した異常入賞判定用フラグと入賞図柄フラグとに基づいて異常入賞か否かを判定するようになっている。
当選フラグは、当該ゲームにおいて入賞が許容されている役を示す16ビット(2バイト)の2進数値であり、それぞれの役に対して個別に定められたビットの値が1である場合に、当該役の入賞が許容された旨を示し、0である場合に当該役の入賞が許容されていない旨を示す。
尚、本実施例においては、1ゲームにおいて複数個の役が許容される場合があり、その場合には、当選フラグにおいて、許容された役に対応するそれぞれのビットの値を1とするようになっている。
異常入賞判定用フラグは、当該ゲームにおいて入賞が許容されている役を示す16ビット(2バイト)の2進数値であるが、それぞれの役に対して個別に定められたビットの値が0である場合に、当該役の入賞が許容された旨を示し、1である場合に、当該役の入賞が許容されていない旨を示す。すなわち異常入賞判定用フラグは、当選フラグの0と1を反転させた値である。
入賞図柄フラグは、入賞ライン上に揃った役を示す16ビット(2バイト)の2進数値であり、それぞれの役に対して個別に定められたビットの値が1である場合に、当該役が入賞した旨を示し、0である場合に当該役が入賞していない旨を示す。この入賞図柄フラグと当選フラグとを比較することで、CPU41aは異常入賞判定を実施する。
CPU41aは、異常入賞判定フラグと入賞図柄フラグとを論理積演算することにより異常入賞が発生したか否かを判定する。異常入賞判定フラグのうち当該ゲームにおいて許容されている役に対応するビットの値は0であり、この役が入賞した場合、すなわち入賞図柄フラグの対応するビットの値が1である場合であっても、入賞しなかった場合、すなわち入賞図柄フラグの対応するビットの値が0である場合であっても、論理積演算した結果は、必ず0となる。一方、異常入賞判定フラグのうち当該ゲームにおいて許容されていない役に対応するビットの値は1であり、この役が入賞しなかった場合、すなわち入賞図柄フラグの対応するビットの値が0である場合には、論理積演算した結果が0となるが、入賞した場合、すなわち入賞図柄フラグの対応するビットの値が1である場合には、論理積演算した結果が1となる。このため、許容されていない役が1つでも入賞した場合には、異常入賞判定フラグと入賞図柄フラグとを論理積演算した結果が、0以外の値となるので、この場合に異常入賞が判定されることとなる。
次に、メイン制御部41のRAM41cの初期化について説明する。メイン制御部41のRAM41cの格納領域は、重要ワーク、一般ワーク、特別ワーク、設定値ワーク、非保存ワーク、未使用領域、スタック領域に区分されている。
重要ワークは、各種表示器やLEDの表示用データ、I/Oポート41dの入出力データ、遊技時間の計時カウンタ等、ビッグボーナス終了時に初期化すると不都合があるデータが格納されるワークである。一般ワークは、停止制御テーブル、停止図柄、メダルの払出枚数、ビッグボーナス中のメダル払出総数等、ビッグボーナス終了時に初期化可能なデータが格納されるワークである。特別ワークは、演出制御基板90へコマンドを送信するためのデータ、各種ソフトウェア乱数等、設定開始前にのみ初期化されるデータが格納されるワークである。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定開始前(設定変更モードへの移行前)の初期化において0が格納された後、1に補正され、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に設定値ワークから読み出された設定値が、設定終了時に格納された設定値と一致するか否かを判定する際に用いる設定値が格納されるワークであり、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されることとなる。設定値ワークは、内部抽選処理で抽選を行う際に設定値ワークから読み出された設定値が、前のゲームの内部抽選処理で抽選を行う際に用いた設定値と一致するか否かを判定する際に用いる設定値、すなわち前のゲームの設定値が格納されるワークであり、設定終了時(設定変更モードへの終了時)に新たに設定された設定値が格納されるとともに、1ゲーム毎に内部抽選処理で抽選を行う際に設定値ワークから読み出された値に更新されることとなる。非保存ワークは、各種スイッチ類の状態を保持するワークであり、起動時にRAM41cのデータが破壊されているか否かに関わらず必ず値が設定されることとなる。未使用領域は、RAM41cの格納領域のうち使用していない領域であり、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなる。スタック領域は、CPU41aのレジスタから退避したデータが格納される領域であり、このうちの未使用スタック領域は、未使用領域と同様に、後述する複数の初期化条件のいずれか1つでも成立すれば初期化されることとなるが、使用中スタック領域は、プログラムの続行のため、初期化されることはない。
本実施例においてメイン制御部41のCPU41aは、設定開始前(設定変更モードへの移行前)、ビッグボーナス終了時、起動時にRAM41cのデータが破壊されていないとき、1ゲーム終了時の4つからなる初期化条件が成立した際に、各初期化条件に応じて初期化される領域の異なる4種類の初期化を行う。
初期化1は、起動時において設定キースイッチ37がONの状態であり、設定変更モードへ移行する場合において、その前に行う初期化であり、初期化1では、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)が初期化される。初期化2は、ビッグボーナス終了時に行う初期化であり、初期化2では、RAM41cの格納領域のうち、一般ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化3は、起動時において設定キースイッチ37がOFFの状態であり、かつRAM41cのデータが破壊されていない場合において行う初期化であり、初期化3では、非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。初期化4は、1ゲーム終了時に行う初期化であり、初期化4では、RAM41cの格納領域のうち、未使用領域及び未使用スタック領域が初期化される。
尚、本実施例においてRAM41cの記憶領域を初期化するとは、対象となる領域のデータを0クリアすること、すなわち対象となる領域の値を0に更新することであるが、例えば、対象となる領域のデータを予め定められた初期値に書き換えるようにしても良い。
次に、本実施例におけるメイン制御部41のCPU41aが実行する各種制御内容を、図13〜図25に基づいて以下に説明する。
CPU41aは、リセット回路49からリセット信号が入力されると、図13のフローチャートに示す起動処理を行う。尚、リセット信号は、電源投入時及びメイン制御部41の動作が停滞した場合に出力される信号であるので、起動処理は、電源投入に伴うCPU41aの起動時及びCPU41aの不具合に伴う再起動時に行われる処理である。
起動処理では、まず、内蔵デバイスや周辺IC、割込モード、スタックポインタ等を初期化した後(Sa1)、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否か、すなわち電圧が安定しているか否かを判定し(Sa2)、電圧低下信号が入力されている場合には、電圧低下信号が入力されているか否かの判定以外は、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
Sa2のステップにおいて電圧低下信号が入力されていないと判定した場合には、Iレジスタ及びIYレジスタの値を初期化する(Sa3)とともに、打止スイッチ36、自動精算スイッチ29の状態を取得し、CPU41aの特定のレジスタに打止機能、自動精算機能の有効/無効を設定する(Sa4)。Iレジスタ及びIYレジスタの初期化により、Iレジスタには、割込発生時に参照する割込テーブルのアドレスが設定され、IYレジスタには、RAM41cの格納領域を参照する際の基準アドレスが設定される。これらの値は、固定値であり、起動時には常に初期化されることとなる。
次いで、RAM41cへのアクセスを許可し(Sa5)、設定キースイッチ37がONの状態か否かを判定する(Sa6)。Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態でなければ、RAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)のRAMパリティを計算し(Sa7)、RAMパリティが0か否かを判定する(Sa8)。正常に電断割込処理が行われていれば、RAMパリティが0になるはずであり、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0でなければ、RAM41cに格納されているデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図14に示すエラー処理に移行する。
また、Sa8のステップにおいてRAMパリティが0であれば、更に破壊診断用データが正常か否かを判定する(Sa9)。正常に電断割込処理が行われていれば、破壊診断用データが設定されているはずであり、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常でない場合(破壊診断用データが電断時に格納される5A(H)以外の場合)にも、RAM41cのデータが正常ではないので、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに設定し(Sa10)、図14に示すエラー処理に移行する。
エラー処理では、図14に示すように、現在の遊技補助表示器12の表示状態をスタックに退避し(Sb1)、レジスタに格納されているエラーコードを遊技補助表示器12に表示する(Sb2)。
次いで、レジスタに格納されているエラーコードを確認し、当該エラーコードがRAM異常エラーを示すエラーコードであるか否かを判定し(Sb3)、RAM異常エラーを示すエラーコードである場合には、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を行った後(Sb4)、いずれの処理も行わないループ処理に移行する。
また、Sb3のステップにおいて、RAM異常以外を示すエラーコードではないと判定された場合には、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されているか否かを判定し(Sb5)、リセット/設定スイッチ38の操作が検出されていなければ、更にリセットスイッチ23の操作が検出されているか否かを判定し(Sb6)、リセットスイッチ23の操作も検出されていなければ、Sb4のステップに戻る。すなわちリセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23の操作が検出されるまで、遊技の進行が不能な状態で待機する。
そして、Sb5のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出された場合、またはSb6のステップにおいてリセットスイッチ23の操作が検出された場合には、レジスタに格納されているエラーコードをクリアし(Sb7)、遊技補助表示器12の表示状態をSb1のステップにおいてスタックに退避した表示状態に復帰させて(Sb8)、もとの処理に戻る。
このようにエラー処理においては、RAM異常エラー以外によるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されることで、エラー状態を解除してもとの処理に復帰するが、RAM異常エラーによるエラー処理であれば、リセット/設定スイッチ38またはリセットスイッチ23が操作されてもエラー状態が解除されることはない。
図13に戻り、Sa9のステップにおいて破壊診断用データが正常であると判定した場合には、RAM41cのデータは正常であるので、RAM41cの非保存ワーク、未使用領域及び未使用スタック領域を初期化する初期化3を行った後(Sa11)、破壊診断用データをクリアする(Sa12)。次いで、各レジスタを電断前の状態、すなわちスタックに保存されている状態に復帰し(Sa13)、割込を許可して(Sa14)、電断前の最後に実行していた処理に戻る。
また、Sa6のステップにおいて設定キースイッチ37がONの状態であれば、RAM41cの格納領域のうち、使用中スタック領域を除く全ての格納領域を初期化する初期化1を実行した後(Sa15)、設定値ワークに格納されている値(この時点では0)を1に補正する(Sa16)。次いで、割込を許可して(Sa17)、図15に示す設定変更処理、すなわち設定変更モードに移行し(Sa18)、設定変更処理の終了後、ゲーム処理に移行する。
設定変更処理では、図15に示すように、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値(設定変更処理に移行する前に設定値ワークの値は1に補正されているので、ここでは1である)を読み出す(Sc1)。
その後、リセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態となり(Sc2、Sc3)、Sc2のステップにおいてリセット/設定スイッチ38の操作が検出されると、Sc1のステップにおいて読み出した設定値に1を加算し(Sc4)、加算後の設定値が7であるか否か、すなわち設定可能な範囲を超えたか否かを判定し(Sc5)、加算後の設定値が7でなければ、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻り、Sc5のステップにおいて加算後の設定値が7であれば設定値を1に補正した後(Sc6)、再びSc2、Sc3のステップにおけるリセット/設定スイッチ38とスタートスイッチ7の操作の検出待ちの状態に戻る。
また、Sc3のステップにおいてスタートスイッチ7の操作が検出されると、その時点で選択されている変更後の設定値をRAM41cの設定値ワークにそれぞれ格納して、設定値を確定した後(Sc7)、設定キースイッチ37がOFFの状態となるまで待機する(Sc8)。そして、Sc8のステップにおいて設定キースイッチ37のOFFが判定されると、図13のフローチャートに復帰し、ゲーム処理に移行することとなる。
このように起動処理においては、設定キースイッチ37がONの状態ではない場合に、RAMパリティが0であるか否か、破壊診断用データが正常であるか否かを判定することでRAM41cに記憶されているデータが正常か否かを判定し、RAM41cのデータが正常でなければ、エラー処理に移行する。RAM異常エラーによるエラー処理では、RAM異常エラーを示すエラーコードを遊技補助表示器12に表示させた後、いずれの処理も行わないループ処理に移行するので、ゲームの進行が不能化される。そして、RAM41cのデータが正常でなければ、割込が許可されることがないので、一度RAM異常エラーによるエラー処理に移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、割込が許可されるまでは、電断しても電断割込処理は行われない。すなわち電断割込処理において新たにRAMパリティが0となるようにRAM調整用データが計算されて格納されることはなく、破壊診断用データが新たに設定されることもないので、CPU41aが再起動しても設定キースイッチ37がONの状態で起動した場合を除き、CPU41aを再起動させてもゲームを再開させることができないようになっている。
そして、RAM異常エラーによるエラー処理に一度移行すると、設定キースイッチ37がONの状態で起動し、RAM41cの使用中スタック領域を除く全ての領域が初期化された後、設定変更処理が行われ、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されるまで、ゲームの進行が不能な状態となる。すなわちRAM異常エラーによるエラー処理に移行した状態では、リセット/設定スイッチ38の操作により新たに設定値が選択・設定されたことを条件に、ゲームの進行が不能な状態が解除され、ゲームを再開させることが可能となる。
図16は、CPU41aが実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。
ゲーム処理では、BET処理(Sd1)、内部抽選処理(Sd2)、リール回転処理(Sd3)、入賞判定処理(Sd4)、払出処理(Sd5)、ゲーム終了時処理(Sd6)を順に実行し、ゲーム終了時処理が終了すると、再びBET処理に戻る。
Sd1のステップにおけるBET処理では、賭数を設定可能な状態で待機し、遊技状態に応じた規定数の賭数が設定され、スタートスイッチ7が操作された時点で賭数を確定する処理を実行する。
Sd2のステップにおける内部抽選処理では、Sd1のステップにおけるスタートスイッチ7の検出によるゲームスタートと同時に内部抽選用の乱数を抽出し、抽出した乱数の値に基づいて上記した各役への入賞を許容するかどうかを決定する処理を行う。この内部抽選処理では、それぞれの抽選結果に基づいて、RAM41cに当選フラグが設定される。
Sd3のステップにおけるリール回転処理では、各リール2L、2C、2Rを回転させる処理、遊技者によるストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことに応じて対応するリール2L、2C、2Rの回転を停止させる処理を実行する。
Sd4のステップにおける入賞判定処理では、Sd3のステップにおいて全てのリール2L、2C、2Rの回転が停止したと判定した時点で、各リール2L、2C、2Rに導出された表示結果に応じて入賞が発生したか否かを判定する処理を実行する。
Sd5のステップにおける払出処理では、Sd4のステップにおいて入賞の発生が判定された場合に、その入賞に応じた払出枚数に基づきクレジットの加算並びにメダルの払出等の処理を行う。
Sd6のステップにおけるゲーム終了時処理では、次のゲームに備えて遊技状態を設定する処理を実行する。
図17は、CPU41aがSd2のステップにおいて実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。
本実施例の内部抽選処理では、まず、当該ゲームの遊技状態に応じて予め定められたメダルの投入枚数である規定枚数を読み出し(Sg1)、Sg2のステップに進む。規定枚数は、通常遊技状態においては3枚、レギュラーボーナスの遊技状態においては1枚とされている。
Sg2のステップでは、メダルの投入枚数、すなわちBETカウンタの値が、Sg1のステップにて読み出した規定枚数か否かを判定し、メダルの投入枚数が規定枚数であればSg3のステップに進み、メダルの投入枚数が規定枚数でなければSg4のステップに進む。
Sg3のステップでは、RAM41cの設定値ワークに格納されている設定値が1〜6の範囲であるか否か、すなわち設定値ワークに格納されている設定値が適正な値か否かを判定し、設定値が1〜6の範囲であればSg5のステップに進み、1〜6の範囲でなければSg4のステップに進む。
Sg4のステップでは、RAM41cに格納されているデータが正常ではないと判定されたため、RAM異常を示すエラーコードをレジスタに格納し、図14に示すエラー処理に移行する。
Sg5のステップでは、乱数発生回路42から乱数を取得する乱数取得処理を行い、当該ゲームの遊技状態に応じて状態番号(0〜2のいずれか)をRAM41cに格納し、Sg7のステップに進む。Sg7のステップでは、状態番号が示す遊技状態において最初に抽選対象とする役番号をRAM41cに格納し、Sg8のステップに進む。Sg7のステップでは、状態番号が0の場合、すなわち通常遊技状態においていずれの特別役も持ち越されていない場合には、最初に抽選対象とする役番号として1(ビッグボーナス)を設定し、状態番号が1の場合、すなわち通常遊技状態においていずれかの特別役が持ち越されている場合には、最初に抽選対象とする役番号として5(リプレイ)を設定し、状態番号が2の場合、すなわちレギュラーボーナスの場合には、最初に抽選対象とする役番号として6(チェリー)を設定する。
Sg8のステップでは、抽選対象とする役番号が8であるか否か、すなわち抽選対象となる全ての役の抽選が終了したか否かを確認し、8である場合、すなわち抽選対象となる全ての役の抽選が終了している場合にはSg9のステップに進む。8でない場合にはSg10のステップに進む。
Sg9のステップでは、RAM41cにおいて一般役の当選フラグが格納される一般役格納ワークをクリアして、内部抽選処理を終了し、図16に示すフローチャートに復帰する。
Sg10のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて、図示しない役別テーブルに登録されている共通フラグが1か否かを確認し、1である場合にはSg11のステップに進み、1でない場合にはSg12のステップに進む。
Sg11のステップでは、処理対象の役番号に対応付けて図示しない役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Sg13のステップに進む。
Sg12のステップでは、まず、RAM41cに格納されている設定値を読み出し、更に、処理対象の役番号と読み出した設定値に対応付けて、図示しない役別テーブルに登録されているROM41bの判定値数の格納領域のアドレスを読み出す。そして、このアドレスに格納されている判定値数を取得して、Sg13のステップに進む。
Sg13のステップでは、内部抽選用の乱数値に、Sg11またはSg12のステップにおいて取得した判定値数を加算し、加算の結果を新たな乱数値とし、Sg14のステップに進み、判定値数を内部抽選用の乱数値に加算したときにオーバーフローが生じたかを判定する。尚、オーバーフローの発生は、処理対象の役番号に該当する役が当選した旨を示している。そしてオーバーフローが生じた場合にはSg16のステップに進み。オーバーフローが生じなかった場合にはSg15のステップに進む。
Sg15のステップでは、処理対象の役番号に1を加算し、Sg8のステップに戻る。
Sg16のステップでは、役番号が1〜4であるか、すなわち特別役または特別役を含む役の組み合わせを示す役番号か否かを確認し、役番号が1〜4の場合にはSg17のステップに進み、役番号が1〜4でない場合にはSg18のステップに進む。
Sg17のステップでは、RAM41cにおいて特別役の当選フラグが格納される特別役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する特別役の当選フラグを設定し、Sg18のステップでは、RAM41cの一般役格納ワークに、処理対象の役番号に対応する一般役の当選フラグを設定して、内部抽選処理を終了し、図16に示すフローチャートに復帰する。尚、Sg18のステップでは、役番号が1〜4の場合、一般役は当選していないため、この場合には、RAM41cの一般役格納ワークをクリアする。
図18は、CPU41aがSd3のステップにおいて実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。
リール回転処理では、まず、前のゲームのリール回転開始時点からウェイトタイム(本実施例では、約4.1秒)が経過したか否かを判定し(Si1)、ウェイトタイムが経過していなければ、ウェイトタイムが経過するまで待機する。
そして、Si1のステップにおいてウェイトタイムが経過していれば、ウェイトタイムを新たに設定する(Si2)。
次いで、リールモータの回転開始時の設定を行い、リールの回転を開始させる(Si3)。そして、回転中のリール別に仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を設定する滑りコマ数設定処理を行い(Si4)、停止準備完了時の設定を行う(Si5)。これにより、停止操作を有効化させることが可能な状態となり、その後、後述するタイマ割込処理の原点通過時処理において、リールの定速回転が検出された時点で、停止操作が有効となる。
次いで、ストップスイッチ8L、8C、8Rのいずれかのストップスイッチの操作が検出されたか否かを判定し(Si6)、いずれのストップスイッチの操作も検出されていなければ、リール回転エラー(一定期間以上、リールセンサ33によりリール基準位置が検出されない場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si7)、リール回転エラーが発生していなければ、更に、投入エラー(メダルの投入が許可されている期間以外で、メダルの投入を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否か、及び払出エラー(メダルの払出が許可されている期間以外で、メダルの払出を検出した場合に判定されるエラー)が発生したか否かを判定し(Si8、Si9)、Si7〜Si9のステップにおいていずれのエラーの発生も判定されなければ、Si6のステップに戻る。
また、Si8のステップにおいて投入エラーの発生が判定された場合、またはSi9のステップにおいて払出エラーが判定された場合には、リール回転中の投入・払出エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si10)、図14に示すエラー処理に移行する(Si11)。そして、エラーが解除された場合には、再びSi6のステップに戻る。
また、Si7のステップにおいてリール回転エラーの発生が判定された場合には、リール回転エラーを示すエラーコードをレジスタに設定し(Si12)、図14に示すエラー処理に移行する(Si13)。これに伴い、リールの回転も一時的に停止する。そして、エラーが解除された場合には、再びSi3のステップに戻り、リールの回転が再開する。
また、Si6のステップにおいていずれかのストップスイッチの操作が検出された場合には、ストップスイッチに対応するリールモータにおける、その時点のリール基準位置からのステップ数(停止操作位置となるステップ数)を取得し、停止リールに対応するワークに設定した後(Si14)、停止操作に対応するリールの回転が停止するまで待機する(Si15)。
そして、停止操作に対応するリールの回転が停止すると、全てのリールが停止したか否かを判定し(Si16)、全てのリールが停止していなければ、Si4のステップに戻り、全てのリールが停止していれば、リール回転処理を終了して、図16のフローチャートに復帰する。
以上のようにリール回転処理では、リール2L、2C、2Rの回転が開始した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。尚、リール回転エラーの発生により、一時的にリールの回転が停止した場合でも、その後リール回転が再開した後、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されるまで、停止操作が未だ検出されていないリールの回転を継続し、ストップスイッチ8L、8C、8Rの操作が検出されたことを条件に、対応するリールに表示結果を停止させる制御を行うようになっている。
図19は、CPU41aがSi4のステップにおいて実行する滑りコマ数設定処理の制御内容を示すフローチャートである。
まず、滑りコマ数設定処理では、Si101のステップにおいて内部抽選の結果が、ベル、リプレイ、ボーナス+リプレイのいずれかであるかを判定し、ベル、リプレイ、ボーナス+リプレイ以外の結果であれば、Si102のステップに進み、ベル、リプレイ、ボーナス+リプレイのいずれかであれば、Si105のステップに進む。
Si102のステップでは、テーブルインデックスを参照し、内部抽選の結果及び停止済みのリールの停止位置に対応する停止制御テーブルの滑りコマ数データを選択し、選択した滑りコマ数データを展開して仮想滑りコマテーブルに滑りコマ数を格納する滑りコマ数データ展開処理を行った後、Si103のステップに進む。Si102のステップでは、内部抽選の結果がハズレであれば、ハズレ用の停止制御テーブルから、停止済みのリールの停止位置に対応する滑りコマ数データを選択するようになっており、内部抽選の結果がチェリー、ボーナス、ボーナス+小役であれば、共通停止制御テーブルから、停止済みのリールの停止位置に対応する滑りコマ数データを選択するようになっている。
Si103のステップでは、内部抽選の結果がチェリー、ボーナス、ボーナス+小役のいずれであるかを判定し、チェリー、ボーナス、ボーナス+小役以外の結果であれば、すなわちハズレであれば、そのまま滑りコマ数設定処理を終了し、図18のフローチャートに復帰し、ボーナス+小役であれば、Si104のステップに進む。
Si104のステップでは、停止操作位置毎に、滑りコマ数別の停止位置を検索するとともに、検索した停止位置の優先度と仮想滑りコマテーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度とを比較し、検索した停止位置の優先度の方が高い場合には、仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を更新する滑りコマ数更新処理を行った後、滑りコマ数設定処理を終了し、図18のフローチャートに復帰する。
また、Si105のステップでは、停止操作位置毎に、0〜4の滑りコマ数による停止位置から当選役が入賞ライン上に揃う停止位置を検索し、検索によって取得した停止位置となる滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納する停止位置検索処理を行った後、滑りコマ数設定処理を終了し、図18のフローチャートに復帰する。
図20は、CPU41aがSi104のステップにおいて実行する滑りコマ数更新処理の制御内容を示すフローチャートである。
まず、滑りコマ数更新処理では、Si201のステップにおいて処理の対象とするリールを設定する。すなわち回転中のリールのうち未だ処理が済んでいないリールを対象リールとして設定し、Si202のステップに進む。
Si202のステップでは、処理の対象とする停止位置を示す停止位置ポインタを1に設定し、Si203のステップに進んで処理の対象とする停止位置となった場合に、不正入賞が発生するか否かを判定する仮想入賞判定を行って、Si204のステップに進み、仮想入賞判定の結果、不正入賞となるか否かを判定する。
Si204のステップにおいて不正入賞でなければ、Si205のステップに進み、更に停止禁止位置となるか否かを判定する禁止位置判定を行って、Si206のステップに進み、禁止位置判定の結果、停止禁止位置となるか否かを判定する。
Si206のステップにおいて停止禁止位置ではなければ、Si208のステップに進み、Si204のステップにおいて不正入賞となると判定された場合、またはSi206のステップにおいて停止禁止位置となると判定された場合には、Si207のステップに進み、停止位置ポインタが示す停止位置に対応して停止禁止位置を示す停止禁止位置フラグを設定した後、Si208のステップに進む。
Si208のステップでは、停止位置ポインタを1進めて、Si209のステップに進み、停止位置ポインタが22であるか否かを判定し、停止位置ポインタが22でなければ、Si203のステップに戻り、停止位置ポインタが22、すなわち全ての領域番号についての判定が終了したと判定された場合には、Si210のステップに進む。
Si210のステップでは、処理の対象とする停止操作位置を示す停止操作位置ポインタを1に設定し、Si211のステップに進んで、仮想滑りコマ数テーブルにおいて該当するリール(対象リールとして設定されているリール)の該当する停止操作位置(停止操作位置ポインタが示す領域番号)に対応して格納されている滑りコマ数に応じた順番(図10(a)参照)で滑りコマ数を1つ取得してSi212のステップに進む。
Si212のステップでは、Si211で取得した滑りコマ数による停止位置を取得し、Si213のステップに進んで、取得した停止位置が停止禁止位置か、すなわち停止禁止位置フラグが設定されているか否かを判定する。
Si213のステップにおいて停止禁止位置であると判定された場合には、Si211のステップに戻り、停止禁止位置ではないと判定された場合には、Si214のステップに進む。
Si214のステップでは、仮想滑りコマ数テーブルにおいて該当するリール(対象リールとして設定されているリール)の該当する停止操作位置(停止操作位置ポインタが示す領域番号)に対応して格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度と、Si212のステップで取得した停止位置の優先度と、を図10(b)に示す関係に基づいて比較し、Si215のステップに進む。
Si215のステップでは、Si214のステップにおける比較結果としてSi212のステップで取得した停止位置の優先度の方が、仮想滑りコマ数テーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度よりも高いか否かを判定し、仮想滑りコマ数テーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度よりも高くなければ(優先度が同じ場合も含む)Si217のステップに進み、仮想滑りコマ数テーブルに格納されている滑りコマ数による停止位置の優先度よりも高ければ、Si216のステップに進む。
Si216のステップでは、仮想滑りコマ数テーブルにおいて該当するリール(対象リールとして設定されているリール)の該当する停止操作位置(停止操作位置ポインタが示す領域番号)に対応して格納されている滑りコマ数を、それよりも優先度の高いと判定された停止位置となる滑りコマ数に更新し、Si218のステップに進む。
Si217のステップでは、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較をしたか否かを判定し、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較が終了していればSi218のステップに進み、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較が終了していなければSi211のステップに戻る。
Si218のステップでは、停止操作位置ポインタを1進めて、Si219のステップに進み、停止操作位置ポインタが22であるか否かを判定し、停止操作位置ポインタが22でなければ、Si211のステップに戻り、停止操作位置ポインタが22であれば、すなわち1〜21の領域番号全てについての判定が終了したと判定された場合には、Si220のステップに進む。
Si220のステップでは、未処理の回転中リールがあるか否かを判定し、未処理の回転中リールがあればSi201のステップに戻り、未処理の回転中リールがなければ、滑りコマ数更新処理を終了して、図19に示すフローチャートに復帰する。
図21は、CPU41aがSi107、Si112のステップにおいて実行する停止位置検索処理の制御内容を示すフローチャートである。
まず、停止位置検索処理では、Si301のステップにおいて処理の対象とするリールを設定する。すなわち回転中のリールのうち未だ処理が済んでいないリールを対象リールとして設定し、Si302のステップに進む。
Si302のステップでは、処理の対象とする停止位置を示す停止位置ポインタを1に設定し、Si303のステップに進んで処理の対象とする停止位置となった場合に、不正入賞が発生するか否かを判定する仮想入賞判定を行って、Si304のステップに進み、仮想入賞判定の結果、不正入賞となるか否かを判定する。
Si304のステップにおいて不正入賞でなければ、Si305のステップに進み、更に停止禁止位置となるか否かを判定する禁止位置判定を行って、Si306のステップに進み、禁止位置判定の結果、停止禁止位置となるか否かを判定する。
Si306のステップにおいて停止禁止位置ではなければ、Si308のステップに進み、Si304のステップにおいて不正入賞となると判定された場合、またはSi306のステップにおいて停止禁止位置となると判定された場合には、Si307のステップに進み、停止位置ポインタが示す停止位置に対応して停止禁止位置を示す停止禁止位置フラグを設定した後、Si308のステップに進む。
Si308のステップでは、停止位置ポインタを1進めて、Si309のステップに進み、停止位置ポインタが22であるか否かを判定し、停止位置ポインタが22でなければ、Si303のステップに戻り、停止位置ポインタが22、すなわち全ての領域番号についての判定が終了したと判定された場合には、Si310のステップに進む。
Si310のステップでは、処理の対象とする停止操作位置を示す停止操作位置ポインタを1に設定し、Si311のステップに進んで、当選役に応じた順番(ベルであれば、4、3、2、1、0の順番、リプレイまたはボーナス+リプレイであれば、0、1、2、3、4の順番)で滑りコマ数を取得してSi312のステップに進む。
Si312のステップでは、Si311で取得した滑りコマ数による停止位置を取得し、Si313のステップに進んで、取得した停止位置が停止禁止位置か、すなわち停止禁止位置フラグが設定されているか否かを判定する。
Si313のステップにおいて停止禁止位置であると判定された場合には、Si311のステップに戻り、停止禁止位置ではないと判定された場合には、Si314のステップに進む。
Si314のステップでは、取得した停止位置となった場合に入賞ライン上に当選役が揃うか否かを判定し、入賞ライン上に当選役が揃わなければSi315のステップに進み、入賞ライン上に当選役が揃うと判定された場合には、Si316のステップに進む。
Si315のステップでは、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較をしたか否かを判定し、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較が終了していればSi316のステップに進み、0〜4の全ての滑りコマ数について停止位置の比較が終了していなければSi311のステップに戻る。
Si316のステップでは、仮想滑りコマ数テーブルにおいて該当するリール(対象リールとして設定されているリール)の該当する停止操作位置(停止操作位置ポインタが示す領域番号)に対応してSi312のステップにおいて最後に取得した停止位置となる滑りコマ数を格納し、Si317のステップに進む。尚、最後に取得した停止位置となる滑りコマ数が停止禁止位置である場合には、それよりも前に取得した停止位置となる滑りコマ数のうち停止禁止位置ではない滑りコマ数を格納する。
Si317のステップでは、停止操作位置ポインタを1進めて、Si318のステップに進み、停止操作位置ポインタが22であるか否かを判定し、停止操作位置ポインタが22でなければ、Si311のステップに戻り、停止操作位置ポインタが22であれば、すなわち1〜21の領域番号全てについての判定が終了したと判定された場合には、Si319のステップに進む。
Si319のステップでは、未処理の回転中リールがあるか否かを判定し、未処理の回転中リールがあればSi301のステップに戻り、未処理の回転中リールがなければ、滑りコマ数更新処理を終了して、図19に示すフローチャートに復帰する。
図22及び図23は、CPU41aが割込3の発生に応じて、すなわち0.56msの間隔で起動処理やゲーム処理に割り込んで実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。
タイマ割込処理においては、まず、割込を禁止する(Sn1)。すなわち、タイマ割込処理の実行中に他の割込処理が実行されることを禁止する。そして、使用中のレジスタをスタック領域に退避する(Sn2)。
次いで、4種類のタイマ割込1〜4から当該タイマ割込処理において実行すべきタイマ割込を識別するための分岐用カウンタを1進める(Sn3)。Sn3のステップでは、分岐用カウンタ値が0〜2の場合に1が加算され、カウンタ値が3の場合に0に更新される。すなわち分岐用カウンタ値は、タイマ割込処理が実行される毎に、0→1→2→3→0・・・の順番でループする。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して2または3か、すなわちタイマ割込3またはタイマ割込4かを判定し(Sn4)、タイマ割込3またはタイマ割込4ではない場合、すなわちタイマ割込1またはタイマ割込2の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中か否かを確認し、リールモータ32L、32C、32Rの始動時または定速回転中であれば、後述するSn8のモータステップ処理において変更した位相信号データや後述するSn23の最終停止処理において変更した位相信号データを出力するモータ位相信号出力処理を実行する(Sn5)。
次いで、分岐用カウンタ値を参照して1か否か、すなわちタイマ割込2か否かを判定し(Sn6)、タイマ割込2ではない場合、すなわちタイマ割込1の場合には、リールモータ32L、32C、32Rの始動時のステップ時間間隔の制御を行うリール始動処理(Sn7)、リールモータ32L、32C、32Rの位相信号データの変更を行うモータステップ処理(Sn8)、リールモータ32L、32C、32Rの停止後、一定時間経過後に位相信号を1相励磁に変更するモータ位相信号スタンバイ処理(Sn9)を順次実行した後、Sn2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sn20)、Sn1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sn21)、割込前の処理に戻る。
また、Sn6のステップにおいてタイマ割込2の場合には、各種表示器をダイナミック点灯させるLEDダイナミック表示処理(Sn10)、各種LED等の点灯信号等のデータを出力ポートへ出力する制御信号等出力処理(Sn11)、各種ソフトウェア乱数を更新する乱数更新処理(Sn12)、各種時間カウンタを更新する時間カウンタ更新処理(Sn13)、コマンドキューに格納されたコマンドを演出制御基板90に対して送信するコマンド送信処理(Sn14)、外部出力信号を更新する外部出力信号更新処理(Sn15)を順次実行した後、Sn2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sn20)、Sn1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sn21)、割込前の処理に戻る。
また、Sn4のステップにおいてタイマ割込3またはタイマ割込4であれば、更に、分岐用カウンタ値を参照して3か否か、すなわちタイマ割込4か否かを判定し(Sn16)、タイマ割込4でなければ、すなわちタイマ割込3であれば、入力ポートから各種スイッチ類の検出データを入力するポート入力処理(Sn17)、回転中のリール2L、2C、2Rの原点通過(リール基準位置の通過)をチェックし、リール回転エラーの発生を検知するとともに、停止準備が完了しているか(停止準備完了コードが設定されているか)を確認し、停止準備が完了しており、かつ定速回転中であれば、回転中のリールに対応するストップスイッチの操作を有効化する原点通過時処理(Sn18)、各種スイッチ類の検出信号に基づいてこれら各種スイッチが検出条件を満たしているか否かを判定するスイッチ入力判定処理(Sn19)を順次実行した後、Sn2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sn20)、Sn1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sn21)、割込前の処理に戻る。
また、Sn16のステップにおいてタイマ割込4であれば、ストップスイッチ8L、8C、8Rの検出、または自動停止制御に伴って停止リールのワークに停止操作位置が格納されたときに、停止リールのワークに格納された停止操作位置から停止位置を決定し、何ステップ後に停止すれば良いかを算出する停止スイッチ処理(Sn22)、停止スイッチ処理で算出された停止までのステップ数をカウントして、停止する時期になったら2相励磁によるブレーキを開始する停止処理(Sn23)、停止処理においてブレーキを開始してから一定時間後に3相励磁とする最終停止処理(Sn24)を順次実行した後、Sn2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sn20)、Sn1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sn21)、割込前の処理に戻る。
図24は、CPU41aが前述したタイマ割込処理のタイマ割込4内において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。
停止スイッチ処理では、まず、左、中、右の順番で全てのリールについて、該当するリールのワークに停止操作位置が設定されているか否か、すなわち停止操作が検出されたか、或いは自動停止により停止が指示されたかを判定し(Sp1、Sp2)、全てのリールについて停止操作が検出されていないか、停止が指示されていなければ、停止スイッチ処理を終了し、図23のフローチャートに復帰する。
また、Sp1のステップにおいて、いずれかのリールの停止操作が検出されている場合もしくはリールの停止が指示されている場合には、Sp3のステップに進む。
Sp3のステップでは、当該リールに対応する仮想滑りコマテーブルを参照し、停止リールに対応するワークに設定されている停止操作位置のステップ数を含む領域番号から、停止位置となる領域番号を特定し、Sp4のステップに進み、現在のリール基準位置からのステップ数から、Sp3のステップにおいて特定した停止位置までに要するステップ数を算出し、算出したステップ数を設定した後、停止スイッチ処理を終了し、図23のフローチャートに復帰する。
図25は、CPU41aが割込2の発生に応じて、すなわち電断検出回路48からの電圧低下信号が入力されたときに起動処理やゲーム処理に割り込んで実行する電断割込処理の制御内容を示すフローチャートである。
電断割込処理においては、まず、割込を禁止する(Sq1)。すなわち電断割込処理の開始にともなってその他の割込処理が実行されることを禁止する。次いで、使用している可能性がある全てのレジスタをスタック領域に退避する(Sq2)。尚、前述したIレジスタ及びIYレジスタの値は使用されているが、起動時の初期化に伴って常に同一の固定値が設定されるため、ここでは保存されない。
次いで、入力ポートから電圧低下信号の検出データを取得し、電圧低下信号が入力されているか否かを判定する(Sq3)。この際、電圧低下信号が入力されていなければ、Sq2においてスタック領域に退避したレジスタを復帰し(Sq4)、Sq1のステップにおいて禁止した割込を許可して(Sq5)、割込前の処理に戻る。
また、Sq3のステップにおいて電圧低下信号が入力されていれば、破壊診断用データ(本実施例では、5A(H))をセットして(Sq6)、全ての出力ポートを初期化する(Sq7)。次いでRAM41cの全ての格納領域(未使用領域及び未使用スタック領域を含む)の排他的論理和が0になるようにRAMパリティ調整用データを計算してセットし(Sq8)、RAM41cへのアクセスを禁止する(Sq9)。
そして、電圧低下信号が入力されているか否かの判定(Sq10、尚、Sq10は、Sq3と同様の処理である)を除いて、何らの処理も行わないループ処理に入る。すなわち、そのまま電圧が低下すると内部的に動作停止状態になる。よって、電断時に確実にCPU41aは動作停止する。また、このループ処理において、電圧が回復し、電圧低下信号が入力されない状態となると、前述した起動処理が実行され、RAMパリティが0となり、かつ破壊診断用データが正常であれば、元の処理に復帰することとなる。
尚、本実施例では、RAM41cへのアクセスを禁止した後、電圧低下信号の出力状況を監視して、電圧低下信号が入力されなくなった場合に電圧の回復を判定し、起動処理へ移行するようになっているが、ループ処理において何らの処理も行わず、ループ処理が行われている間に、電圧が回復し、リセット回路49からリセット信号が入力されたことに基づいて、起動処理へ移行するようにしても良い。
以上説明したように、本実施例のスロットマシン1では、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスをそれぞれ最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数データが定められた共通停止制御テーブルを用いて停止制御を行うので、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に導出される表示結果をコントロール方式でリールの停止制御を行う場合に比較して容易に設計できるとともに、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーが当選した場合のそれぞれについて個別に停止制御テーブルを用意せずに決定結果に応じてリールを停止させる制御を行うことが可能となるので、リール2L、2C、2Rの表示結果を多様化しつつ、停止制御テーブルの格納容量を削減することができる。
また、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に、共通停止制御テーブルに基づく滑りコマ数が停止操作位置毎に仮想滑りコマテーブルに格納された後、当選役以外の役の入賞(不正入賞)や重複入賞を回避できない停止禁止位置となる滑りコマ数が格納された停止操作位置については、停止禁止位置以外の停止位置となる滑りコマ数に更新され、それ以外の停止操作位置の滑りコマ数が維持されるようになっているので、内部抽選の結果に応じて停止禁止位置以外の停止位置となる停止操作位置で停止操作がなされた場合には、表示結果が同一となるので、チェリーのみが当選し、かつ取りこぼした場合でも、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが当選し、かつ取りこぼした場合と同一の表示結果が導出される割合が高くなるため、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役が当選していることに対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
特に、本実施例では、共通停止制御テーブルの滑りコマ数として、チェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスを引き込めない停止操作位置については、通常の大半を占めるハズレの場合(いずれの役も当選していない場合)には出現することのないチャンス目を最大4コマの範囲で引き込む滑りコマ数が定められているので、前述のような制御を行うことにより、チャンス目が導出されることにより、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役が当選していることに対する遊技者の期待感を更に効果的に高めることができる。
また、本実施例では、左リールの入賞ライン上にチェリーが停止するのみで、入賞となるチェリーと、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役と、で共通停止制御テーブルが適用されるようになっている。すなわち、チェリー当選時において左リールの入賞ライン上に「赤7」または「チェリーが」が停止しなかった場合には、中、右リールの滑りコマ数として、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが当選している場合と同一の滑りコマ数が適用されることとなる。また、チェリー当選時において左リールの入賞ライン上に「赤7」が停止した場合でも、中リールの滑りコマ数として、ビッグボーナスやレギュラーボーナスが当選している場合と同一の滑りコマ数が適用され、右リールの滑りコマ数としてビッグボーナスが当選している場合、またはレギュラーボーナスが当選している場合のいずれかと同一の滑りコマ数が適用されることとなる。このため、チェリーに当選し、かつ取りこぼした場合には、ビッグボーナスやレギュラーボーナスを取りこぼした場合と同一の停止位置が一層高い割合で停止することとなるので、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役が当選していることに対する遊技者の期待感を更に効果的に高めることができる。
尚、本実施例では、左リールの入賞ライン上にチェリーが停止するのみで、入賞となるチェリーと、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役と、で共通停止制御テーブルが適用されるようになっているが、いずれか2つのリールまたは全てのリールの表示結果の組み合わせに応じて入賞となる役と、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役と、で共通停止制御テーブルが適用されるようにしても良く、この場合には、取りこぼしの多い役(該当する図柄が引込可能範囲を超えて配置されている役)と、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役と、で共通停止制御テーブルが適用されることが好ましく、この場合でも、取りこぼす割合が高まることによってビッグボーナスやレギュラーボーナスを取りこぼした場合と同一の停止位置が一層高い割合で停止することとなるので、ビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役が当選していることに対する遊技者の期待感を更に効果的に高めることができる。
また、本実施例では、チェリーがビッグボーナスやレギュラーボーナスと同時に当選し得る役であるため、チェリーが当選し、チェリーが入賞して、チャンス目が導出されなかった場合であっても、ビッグボーナスやレギュラーボーナスに当選している可能性が残るため、このような場合であってもビッグボーナスやレギュラーボーナスなど遊技者にとって有利な役が当選していることに対する遊技者の期待感を高めることができる。
また、本実施例では、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に、全てのリールについてその停止時(第1停止時、第2停止時、第3停止時)に、共通停止制御テーブルに基づく滑りコマ数データが適用されるので、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に導出される表示態様、特には、これらの役が当選している場合のみ導出されるチャンス目の表示態様を容易に設計することができる。
尚、本実施例では、内部抽選の結果がチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナス、ビッグボーナス+チェリー、レギュラーボーナス+チェリーである場合に、全てのリールについてその停止時(第1停止時、第2停止時、第3停止時)に、共通停止制御テーブルに基づく滑りコマ数データが適用されるようになっているが、少なくとも最初に停止するリール、すなわち第1停止リールについて、共通停止制御テーブルに基づく滑りコマ数が適用されるものであっても上記と同様の効果を得られる。すなわち最初に停止する出目、いわば最も遊技者が注目する出目の表示態様を容易に設計することができる。
また、本実施例では、停止操作のタイミングによっては取りこぼしの生じるチェリー、ビッグボーナス、レギュラーボーナスの当選時に、テーブル+コントロール方式による停止制御を行っているため、取りこぼしの生じる役が当選し、かつ当選した役を取りこぼした場合の表示結果を多様化できる。
特に、多くのメダルの獲得が期待できるビッグボーナス、レギュラーボーナスの当選時に、テーブル+コントロール方式による停止制御を行っているため、これら当選したボーナスを取りこぼした際の表示結果(いわゆるチャンス目やリーチ目)を多様化できる。また、本実施例では、ボーナスの当選時に加えていずれの役も当選していないハズレの場合にも、テーブル方式による停止制御を行っているため、ハズレの場合の表示結果も多様化することが可能となり、結果としてボーナスの当選時にも、非当選時にも出現し得る表示結果の設計の自由度が広がる。すなわちハズレの場合の停止位置を滑りコマ数データによって制限できるため、ボーナスに当選している可能性の高い出目となる停止位置やその出現割合の調整が容易となる。
尚、本実施例では、ボーナスの当選時とハズレ時とでは、異なる滑りコマ数データを適用しているが、例えば、ボーナスの当選時にもハズレ時にも第1停止を共通の滑りコマ数データ、すなわち第1停止時のみハズレの場合にも共通停止制御テーブルの滑りコマ数データ(ただし、左リールでは、チェリーが入賞してしまうのでこのような場合は例外とする。)を用いて停止制御を行うようにしても良く、このようにすることで、第1停止のリールに表示結果が停止した時点では、その停止位置からボーナスが当選しているか否かを判別することができないので、それ以降に遊技者の期待感を持続させることができる。また、前述したように左リールでは、チェリーが入賞してしまうので、左リールが第1停止である場合には、ハズレであってもテーブル+コントロール方式で停止制御を行うことにより、左リールが第1停止となってもチェリーが入賞してしまうことを防止できる。
また、取りこぼしの生じないベルやリプレイの当選時には、ボーナスを取りこぼした際の表示結果(チャンス目)との関連が薄い。すなわちベルやリプレイが出現した時点でボーナスの当選があまり期待できず、ベルやリプレイの当選時に、表示結果を多様化させる必要性が低い。このため、本実施例では、これらベルやリプレイといった取りこぼしの生じない役の当選時に、コントロール方式による停止制御を行っているので、効果的に滑りコマ数データの格納容量を削減することが可能となる。すなわち内部抽選の結果の性質に合わせて表示結果を多様にすることも滑りコマ数データの格納容量を削減することも可能となる。
尚、本実施例では、テーブル+コントロール方式にて停止制御を行う場合に、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納し、その滑りコマ数による停止位置の優先度と、滑りコマ数別に取得した停止位置の優先度とを比較し、滑りコマ数別に取得した停止位置の優先度の方が高い場合に、仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を更新するようになっているが、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数による停止位置の優先度と、滑りコマ数別に取得した停止位置の優先度とを比較し、滑りコマ数別に取得した停止位置の優先度の方が高い場合に、その滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納し、それ以外の場合には、滑りコマ数データから展開した滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納するようにしても良く、このようにした場合にも上記と同様の効果を得られる。
また、本実施例では、停止位置の優先度を判定する際に、停止禁止位置か否かや入賞ライン上に揃う役の種類によって優先度を判定しているが、例えば、当選した役がどの入賞ラインに揃うかに応じて停止位置の優先度を判定するようにしても良く、例えば、滑りコマ数データでは、下段の入賞ラインL3に当選役が揃うように滑りコマ数を登録しておくとともに、当選役を揃えることが可能な場合には、右上がりの入賞ラインL5に当選役が揃う停止位置の優先度を高くすることで、当選役を揃えることが可能な場合には、下段の入賞ラインL3にも右上がりの入賞ラインL5にも当選役が揃い得るが、取りこぼした場合(すなわち滑りコマ数が優先度の判定によって更新されていない停止操作位置で停止操作がなされた場合)には、当選役を構成する図柄が入賞ラインL3上にのみ停止するようになり、当選役を構成する図柄の停止位置を制限することが可能となる。このため、ボーナスの当選時にのみ制限した停止位置を出現可能な滑りコマ数データを用いることにより、当選役の取りこぼしでは出現し得ないリーチ目を停止させることが可能となる。
また、本実施例では、テーブル方式によって停止制御を行う場合に、停止操作が有効となる前、すなわち停止操作が検出される前に、滑りコマ数データに登録された滑りコマ数を展開し、仮想滑りコマテーブルに格納するとともに、停止操作が検出された際には、仮想滑りコマテーブルを参照し、該当する停止操作位置の滑りコマ数を取得して停止制御を行うようになっており、停止操作が検出された後に滑りコマ数データを展開して滑りコマ数を取得する必要がないので、停止操作が検出された後、リールを停止させる制御を速やかに行うことが可能となり、停止操作の検出後、リールが停止するまでのタイムラグを極力短くすることができる。
また、コントロール方式によって停止制御を行う場合にも、停止操作が有効となる前に、停止操作位置毎に、当選役に応じた停止位置を検索し、その検索結果に基づく滑りコマ数を仮想滑りコマテーブルに格納するとともに、停止操作が検出された際には、仮想滑りコマテーブルを参照し、該当する停止操作位置の滑りコマ数を取得して停止制御を行うようになっており、停止操作が検出された後に当選役に応じた停止位置を検索する必要がないので、停止操作が検出された後、リールを停止させる制御を速やかに行うことが可能となり、停止操作の検出後、リールが停止するまでのタイムラグを極力短くすることができる。
また、本実施例では、テーブル+コントロール方式によって停止制御を行う場合にも、停止操作が有効となる前に、滑りコマ数データに登録された滑りコマ数を展開し、仮想滑りコマテーブルに格納し、更に滑りコマ数別に停止位置を取得し、取得した停止位置との優先度に基づいて仮想滑りコマテーブルの滑りコマ数を更新する処理を行うとともに、停止操作が検出された際には、仮想滑りコマテーブルを参照し、該当する停止操作位置の滑りコマ数を取得して停止制御を行うようになっており、停止操作が検出された後に滑りコマ数データを展開して滑りコマ数を取得する必要や優先度の比較、滑りコマ数の更新などを行う必要がないので、停止操作が検出された後、リールを停止させる制御を速やかに行うことが可能となり、停止操作の検出後、リールが停止するまでのタイムラグを極力短くすることができる。
また、本実施例では、停止制御の方法、テーブル方式及びテーブル+コントロール方式で停止制御を行う際に参照する滑りコマ数データ、コントロール方式で停止制御を行う際の停止位置の検索順、テーブル+コントロール方式で停止制御を行う際の停止位置の優先度の判定順といった、リールの停止制御を行うための制御パターンが、全てのリールが回転中においては、内部抽選の結果に対して一意的に定められ、これらの制御パターンが内部抽選の結果に応じて一意的に選択され、選択された制御パターンに従ってリールの停止制御が行われるとともに、いずれかのリールが既に停止している場合においては、内部抽選の結果、停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた制御パターンが選択し、選択された制御パターンに従ってリールの停止制御が行われるようになっており、内部抽選の結果、リールの停止状況(及び停止済みのリールの停止位置(表示結果))の全てが同一条件となった際に、同一の制御パターンに基づいてリールの停止制御が行われることとなるので、従来のように一の内部抽選結果に対して複数の制御テーブルからいずれか1つの制御テーブルを内部抽選とは異なる抽選(例えばリール制御の振分抽選など)などにより更に選択する必要がなく、リールを停止させる際の制御が複雑化することがない。
また、本実施例では、いずれかのリールが既に停止している場合において、内部抽選結果、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止位置に対して一意的に定められた制御パターンに従ってリールの停止制御が行われるようになっているが、いずれかのリールが既に停止している場合において、内部抽選結果、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた制御パターンに従ってリールの停止制御が行われるようにしても良く、このようにすることで内部抽選結果が同一であり、かつ停止済みのリールの停止位置(停止図柄)が同一の場合であっても、停止済みのリールの停止操作位置が異なる場合には、異なる停止制御テーブルが適用されることがあるため、リールの表示結果をより多彩なものにできる。
また、この場合には、1/2図柄が変動する範囲の領域、すなわち1図柄が変動する範囲未満の単位で停止済みのリールの停止操作位置を判定し、その停止操作位置に対して一意的に定められた制御パターンに従ってリールの停止制御を行うこと、すなわちある図柄が基準位置に位置するステップ数から1図柄が変動する範囲以内の異なるステップ数に対して異なる制御パターンを選択可能とすることが好ましく、このようにすれば、停止済みのリールの停止位置が同一であり、停止操作が行われたタイミングが1図柄が変動する範囲以内であっても、他のリールに適用される制御パターンを変化させることができるので、各リールの表示結果をより一層多様化することができる。
また、いずれかのリールが既に停止している場合において、内部抽選結果、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた制御パターンに従ってリールの停止制御を行うものでは、例えば、いずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、ある特定のリールにおいて同一の停止位置が定められた領域番号の範囲で停止操作が行われた場合において同一の表示結果が導出されるが、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号の領域で停止操作が行われた場合のみ、他のリールの制御パターンとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な停止制御テーブルを選択し、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号以外の領域で停止操作が行われた場合に、他のリールの制御パターンとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な制御パターンを選択することが好ましい。これにより特定のリールを停止した時点での当該リールの停止位置が同一の場合であってもその停止操作位置が異なることによって最終的にチャンス目を導出可能に制御する場合と導出不可能に制御する場合とがあるので、いずれの役にも当選していない場合(ハズレ)のリールの表示結果が単調化してしまうことを防止できる。
また、いずれかのリールが既に停止している場合において、内部抽選結果、リールの停止状況及び停止済みのリールの停止操作位置に対して一意的に定められた制御パターンに従ってリールの停止制御を行うものにおいては、リールが停止する毎に、停止するリールが左リール、中リール、右リールのいずれかであるか、該当するリールの停止操作位置の領域番号、該当するリールの停止位置の領域番号、を特定可能なリール停止コマンドを、サブ制御部91に対して送信することが好ましく、このようにすることでサブ制御部91のCPU91aは、リールが停止した際に、そのリールの停止位置のみならず、停止操作位置に応じて異なる演出を行うことが可能となる。
特に、通常遊技状態においていずれの役にも当選していない場合(ハズレ)において、ある特定のリールにおいて同一の停止位置が定められた領域番号の範囲で停止操作が行われた場合において同一の表示結果が導出されるが、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号の領域で停止操作が行われた場合のみ、他のリールの制御パターンとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な制御パターンを選択し、同一の停止位置が定められた領域番号のうちの特定の領域番号以外の領域で停止操作が行われた場合に、他のリールの制御パターンとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な制御パターンを選択するとともに、通常遊技状態においていずれかのボーナスに当選している場合に、同一の停止位置が定められた領域番号のうち、通常遊技状態においていずれの役も当選していない場合よりも多くの領域番号に対して、他のリールの制御パターンとしてチャンス目を構成する表示結果を導出させることが可能な制御パターンを選択する場合には、リール停止コマンドを受信した際に、停止操作位置がチャンス目の導出条件を満たす場合、すなわちチャンス目を構成する表示結果を導出可能な制御パターンが選択される停止操作位置である場合において、チャンス目の導出条件を満たさないが同一の停止位置となる他の停止操作位置である場合よりも高い割合で、いずれかの特別役に当選している可能性を報知する特殊演出(例えば、通常とは異なる停止音など)を行うようにしても良く、このようにすれば、特定のリールの停止時に特殊演出が行われることで、特定のリールの停止時に特殊演出が行われない場合よりも最終的にチャンス目が導出される可能性が高まることとなり、特殊演出が行われることに伴ってチャンス目の導出、更には特別役の当選に対する遊技者の期待感を効果的に高めることができる。
また、本実施例のスロットマシン1では、設定値ワークから読み出した値が1〜6の範囲か否か、すなわち内部抽選に用いる設定値が適正な範囲の値か否かを1ゲーム毎に判定し、設定値ワークから読み出した値が1〜6の範囲の値でなければ、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。本実施例において設定値ワークに格納される値、すなわち設定変更処理により選択可能な設定値の範囲は1〜6の値であるので、設定値ワークに格納されている値が1〜6の範囲の値でなければゲームの進行が不能化されることとなる。
更に、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数であるか否かを判定する処理を1ゲーム毎に実行し、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にも、RAM異常エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。本実施例では、遊技状態毎に対応する賭数が定められているが、その賭数とは異なる賭数でゲームが行われている場合には、RAM41cに格納されているデータが壊れているか、或いは不正なプログラムが作動している可能性があるので、設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合にもゲームの進行が不能化されることとなる。
そして、一度RAM異常エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわちデータ化けや不正なプログラムの作動などにより、設定値が適正でない場合や設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合には、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、本実施例のスロットマシン1では、異常入賞が発生した場合、すなわち当該ゲームにおいて許容されていない役が入賞した場合には、異常入賞エラーによるエラー状態に制御され、ゲームの進行が不能化される。すなわち、許容されていない役が入賞した場合には、データが破壊されているか、異常なプログラムが作動している可能性があるため、ゲームの進行が不能化されることとなる。
そして、一度RAM異常エラーや異常入賞エラーによるエラー状態に制御されると、設定変更モードに移行させて、設定変更操作に基づいて設定値を新たに選択・設定しなければ、ゲームの進行が不能化された状態が解除されない。すなわちデータ化けや異常なプログラムの作動などにより、設定値が適正でない場合や設定された賭数が遊技状態に応じた賭数ではない場合、許容されていない役が入賞した場合には、スロットマシンにより自動的に設定された設定値ではなく、設定変更操作に基づいて選択・設定された設定値(一般的に、設定変更操作は遊技店の従業員により行われるので、遊技店側が選択した設定値である)に基づいてゲームが行われることが担保されるので、ゲームの公平性を図ることができる。
また、本実施例では、CPU41aが演出制御基板90に対して遊技の進行に応じたコマンドを送信し、演出制御基板90に搭載されたサブ制御部91は、遊技制御基板40から送信されたコマンドに基づいて演出の制御を行うようになっており、CPU41aは、コマンドを送信するのみで演出の制御を行う必要がないので、CPU41aの処理負荷を軽減できるうえに、演出を多彩なものにできる。
また、遊技制御基板40から演出制御基板90にコマンドが送信されるコマンド伝送ラインが、遊技制御基板40と演出制御基板90との間で演出中継基板80を介して接続されており、遊技制御基板40に演出制御基板90が直接接続される構成ではないので、コマンド伝送ラインからCPU41aに対して外部から不正な信号が入力され、遊技の制御に影響を与えられてしまうことを防止できる。
以上、本発明の実施例を図面により説明してきたが、本発明はこの実施例に限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲における変更や追加があっても本発明に含まれることは言うまでもない。
例えば、滑りコマ数データに登録された滑りコマ数を展開する処理や、滑りコマ数別の停止位置を取得する処理、停止位置の優先度を比較する処理などを、停止操作が有効となる前に行い、滑りコマ数を予め仮想滑りコマテーブルに格納しておくとともに、停止操作が検出された際には、仮想滑りコマテーブルを参照し、該当する停止操作位置の滑りコマ数を取得して停止制御を行うようになっているが、仮想滑りコマテーブルを設けず、停止操作が行われた時点で、上記の処理を行って停止操作のタイミングに対応する滑りコマ数を取得するようにしても良い。
また、前記実施例では、導出情報として滑りコマ数を適用しているが、少なくとも停止位置を特定できるものであれば良く、例えば、基準位置に停止する領域番号(図柄番号)などを導出情報として適用しても良い。
また、前記実施例では、テーブル方式、コントロール方式、テーブル+コントロール方式による停止制御を、内部抽選の結果に応じて選択しているが、例えば、停止時期(最初に停止するリール(第1停止)か、2番目に停止するリール(第2停止)か、3番目に停止するリール(第2停止)か、に応じて選択するようにしても良く、例えば、内部抽選の結果に関わらず、第1停止については、テーブル方式にて停止制御を行い、第2停止以降について、内部抽選の結果、停止済みリールの停止位置などによって、テーブル方式、コントロール方式、テーブル+コントロール方式による停止制御を選択するようにしても良い。
また、前記実施例では、メダル並びにクレジットを用いて賭数を設定するスロットマシンを用いているが、本発明はこれに限定されるものではなく、遊技球を用いて賭数を設定するスロットマシンや、クレジットのみを使用して賭数を設定する完全クレジット式のスロットマシンであっても良い。
更に、図26に示すように、流路切替ソレノイド30や投入メダルセンサ31など、メダルの投入機構に加えて、遊技球の取込を行う球取込装置30’、球取込装置30’により取り込まれた遊技球を検出する取込球検出スイッチ31’を設けるとともに、ホッパーモータ34や払出センサ35など、メダルの払出機構に加えて、遊技球の払出を行う球払出装置34’、球払出装置34’により払い出された遊技球を検出する払出球検出スイッチ35’を設け、メダル及び遊技球の双方を用いて賭数を設定してゲームを行うことが可能であり、かつ入賞の発生によってメダル及び遊技球が払い出されるスロットマシンに適用しても良い。
本発明が適用された実施例のスロットマシンの正面図である。 リールの図柄配列を示す図である。 スロットマシンの構成を示すブロック図である。 (a)は、当選役テーブルを示す図である。(b)は、役別テーブルを示す図である。 内部抽選の結果、停止時期により適用される停止制御を示す図である。 ROMに格納されたテーブルインデックスの構成を示す図である。 テーブル方式による停止制御の手順を示す図である。 コントロール方式による停止制御の手順を示す図である。 テーブル+コントロール方式による停止制御の手順を示す図である。 (a)は滑りコマ数別の停止位置の優先度の比較順序を示す図であり、(b)は停止位置の優先度の関係を示す図である。 仮想滑りコマテーブルの構成を示す図である。 共通滑りコマ数データの一例、並びに、テーブル+コントロール方式による停止制御を行った際の仮想滑りコマテーブルの更新状況の一例を示す図である。 メイン制御部のCPUが起動時に実行する起動処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUがエラー発生時に実行するエラー処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが起動処理において実行する設定変更処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが起動処理後に実行するゲーム処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行する内部抽選処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUがゲーム処理において実行するリール回転処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUがリール回転処理において実行する滑りコマ数設定処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが滑りコマ数設定処理において実行する滑りコマ数更新処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが滑りコマ数設定処理において実行する停止位置検索処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが定期的に実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが定期的に実行するタイマ割込処理(メイン)の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUがタイマ割込処理(メイン)において実行する停止スイッチ処理の制御内容を示すフローチャートである。 メイン制御部のCPUが、電断検出回路から電圧低下信号の入力されることによって実行する電断割込処理の制御内容を示すフローチャートである。 スロットマシンの構成の変形例を示すブロック図である。
符号の説明
1 スロットマシン
2L、2C、2R リール
8L、8C、8R ストップスイッチ
40 遊技制御基板
41 メイン制御部
41a CPU
41b ROM
41c RAM

Claims (5)

  1. 各々が識別可能な複数種類の図柄を変動表示可能な複数の可変表示領域のそれぞれに表示結果を導出表示させることが可能な可変表示装置を備え、
    遊技用価値を用いて1ゲームに対して所定数の賭数を設定することによりゲームが開始可能となるとともに、前記複数の可変表示領域の全てに表示結果が導出表示されたことにより1ゲームが終了し、前記複数の可変表示領域に導出表示された表示結果の組み合わせに応じて入賞が発生可能とされたスロットマシンであって、
    少なくともいずれか1つの可変表示領域の表示結果が導出される前に、第1の入賞及び第2の入賞を含む複数種類の入賞について発生を許容するか否かを決定する事前決定手段と、
    前記複数の可変表示領域の表示結果を導出させる際に操作されるそれぞれの導出操作手段と、
    予め定められた複数の操作タイミングのそれぞれに対して、各操作タイミングで前記導出操作手段が操作されてから前記可変表示領域の変動が停止するまでの変動量を示す変動情報が一意的に定められ、該変動情報から前記可変表示領域に導出される表示結果が特定可能となるテーブルであって、前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている場合と、前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている場合と、前記第1の入賞および前記第2の入賞の発生を許容する旨が決定されている場合の導出制御に用いられ、前記複数の操作タイミングのうち重複しないタイミングに対して、前記第1の入賞に対応する第1の入賞表示結果と、前記第2の入賞に対応する第2の入賞表示結果と、がそれぞれ特定可能となる前記変動情報が定められた共通導出制御テーブルを記憶する導出制御テーブル記憶手段と、
    前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されているときに、前記共通導出制御テーブルに基づいていずれかの操作タイミングに対する変動情報から前記第2の入賞表示結果が特定される場合に、該操作タイミングに対応して前記第2の入賞表示結果が特定される代わりに、該第2の入賞の成立を回避する表示結果である第2の非入賞表示結果が特定されるように前記共通導出制御テーブルの前記変動情報を更新する第1のテーブル更新手段と、
    前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されているときに、前記共通導出制御テーブルに基づいていずれかの操作タイミングに対する変動情報から前記第1の入賞表示結果が特定される場合に、該操作タイミングに対応して前記第1の入賞表示結果が特定される代わりに、該第1の入賞の成立を回避する表示結果である第1の非入賞表示結果が特定されるように前記共通導出制御テーブルの前記変動情報を更新する第2のテーブル更新手段と、
    前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域に表示結果を導出させる制御を行う手段であり、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている場合には、前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルの前記変動情報から特定される表示結果を導出させる制御を行い、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている場合には、前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルの前記変動情報から特定される表示結果を導出させる制御を行う導出制御手段と、
    を備える
    ことを特徴とするスロットマシン。
  2. 前記第1の入賞は、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う入賞であり、
    前記スロットマシンは、前記事前決定手段により前記第1の入賞の発生を許容する旨が決定され、該第1の入賞が発生しなかったときに、当該第1の入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段を備え、
    前記事前決定手段は、前記第1の入賞及び前記第2の入賞の発生を同時に許容する旨を決定することが可能である、
    ことを特徴とする請求項1に記載のスロットマシン。
  3. 前記第1の入賞は、遊技者にとって有利な特別遊技状態への移行を伴う入賞であり、
    前記スロットマシンは、前記事前決定手段により前記第1の入賞の発生を許容する旨が決定され、該第1の入賞が発生しなかったときに、当該第1の入賞の発生を許容する旨の決定を次ゲーム以降に持ち越す持越手段を備え、
    前記複数種類の可変表示領域のうち特定の可変表示領域に特定の表示結果が導出されることで前記第2の入賞が発生する、
    ことを特徴とする請求項1または2に記載のスロットマシン。
  4. 前記導出制御テーブル記憶手段は、少なくとも前記複数の可変表示領域の全てに未だ表示結果が導出されていない状況における各可変表示領域別の前記共通導出制御テーブルを記憶し、
    前記第1のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、少なくとも前記複数の可変表示領域のうち最初に表示結果を導出させる可変表示領域に対応する前記共通導出制御テーブルの更新を行い、
    前記第2のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、少なくとも前記複数の可変表示領域のうち最初に表示結果を導出させる可変表示領域に対応する前記共通導出制御テーブルの更新を行い、
    前記導出制御手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されており、少なくとも前記複数の可変表示領域の全てに未だ表示結果が導出されていない状況において前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果を導出させる制御を行い、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されており、少なくとも前記複数の可変表示領域の全てに未だ表示結果が導出されていない状況において前記導出操作手段が操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果を導出させる制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のスロットマシン。
  5. 前記導出制御テーブル記憶手段は、前記複数の可変表示領域の導出状況別の前記共通導出制御テーブルを記憶し、
    前記第1のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて当該可変表示領域に対応する前記共通導出制御テーブルの更新をそれぞれ行い、
    前記第2のテーブル更新手段は、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて当該可変表示領域に対応する前記共通導出制御テーブルの更新をそれぞれ行い、
    前記導出制御手段は、前記事前決定手段により前記第1の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて対応する導出操作手段がそれぞれ操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第1のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果を導出させる制御を行い、前記事前決定手段により前記第2の入賞のみ発生を許容する旨が決定されている状況において、前記複数の可変表示領域の全てについて対応する導出操作手段がそれぞれ操作されたときに、該導出操作手段に対応する可変表示領域について、当該可変表示領域に対応する前記第2のテーブル更新手段により更新された前記共通導出制御テーブルから特定される表示結果を導出させる制御を行う、
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のスロットマシン。
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