JP4847291B2 - 開始同期アーク溶接方法 - Google Patents

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Description

本発明は、2つの溶接個所に対して2つの溶接トーチを使用し、溶接を開始するタイミングを同期させて同時に溶接を行うための開始同期アーク溶接方法に関するものである。
2つの溶接個所に対して2つの溶接トーチを使用し、溶接を開始するタイミングを同期させて同時に溶接する開始同期アーク溶接方法が従来から行われている。例えば、1つのワークに対称の2個所の溶接個所がある場合、溶接中の熱変形を考慮して2個所を同時に溶接することによって溶接品質を良好にすることができる。また、回転治具にワークを固定し、2個所を2つの溶接トーチを使用して同時に溶接する場合、両溶接トーチの溶接開始及び回転治具の回転開始を同期させる必要がある。以下、2台のロボットを使用した溶接装置において、開始同期アーク溶接方法を実施する場合の従来技術について説明する。
図2は、2台のロボットを使用して2個所を同時に溶接する溶接装置の構成図である。以下、同図を参照して各構成について説明する。
ロボット制御装置RCは、1台で後述する2台のロボットRM1、RM2及び回転治具PTを動作制御する第1動作制御信号Mc1、第2動作制御信号Mc2及び外部軸制御信号Pcを出力する。さらに、ロボット制御装置RCは、第1溶接電源PS1との間で第1溶接制御信号Wc1及び第1アーク発生信号Ac1を送受信すると共に、第2溶接電源PS2との間で第2溶接制御信号Wc2及び第2アーク発生信号Ac2を送受信する。
第1溶接電源PS1は、上記のロボット制御装置RCから第1溶接制御信号Wc1を受信し、第1アーク発生信号Ac1を送信すると共に、第1送給モータM1を回転制御する第1送給制御信号Fc1を出力し第1溶接電圧Vw1及び第1溶接電流Iw1を出力する。第2溶接電源PS2は、上記のロボット制御装置RCから第2溶接制御信号Wc2を受信し、第2アーク発生信号Ac2を送信すると共に、第2送給モータM2を回転制御する第2送給制御信号Fc2を出力し第2溶接電圧Vw2及び第2溶接電流Iw2を出力する。上記の第1及び第2溶接制御信号Wc1、Wc2には、図示していないが起動信号、電流設定信号、電圧設定信号、電流波形パラメータ信号等が含まれている。電流波形パラメータ信号とは、CO2/MAG溶接にあっては短絡期間中の溶接電流の波形を設定する信号であり、パルスアーク溶接にあってはパルス電流の波形を設定する信号等である。また、上記の第1及び第2アーク発生信号Ac1、Ac2は、溶接開始時にアークが発生したことを判別し上記のロボット制御装置RCに通知する信号である。
第1送給モータM1は、第1溶接トーチ41を通って第1溶接ワイヤ11を送給し、第1溶接ワイヤ11とワーク2との間に第1アーク31が発生して溶接が行われる。第2送給モータM2は、第2溶接トーチ42を通って第2溶接ワイヤ12を送給し、第2溶接ワイヤ12とワーク2との間に第2アーク32が発生して溶接が行われる。回転治具PTは、その上にワーク2を固定し、上記の外部軸制御信号Pcによって回転制御される。
同図では、回転治具PT上に1つのワーク2が載置されており、第1溶接トーチ41及び第2溶接トーチ42を使用して2箇所を同時に溶接する。したがってこの溶接を行うためには、両溶接トーチ41、42の溶接開始及び回転治具PTの回転開始を同期させる必要がある。
[従来技術1]
図3は、上述した溶接装置において、従来技術1の開始同期アーク溶接方法を行うときのタイミングチャートである。同図(A)は第1溶接ワイヤ11先端とワーク2との距離である第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1を示し、同図(B)は第1溶接電流Iw1を示し、同図(C)は第1電流設定信号Ir1を示し、同図(D)は第1アーク発生信号Ac1を示し、同図(E)は第2溶接ワイヤ12先端とワーク2との距離である第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2を示し、同図(F)は第2溶接電流Iw2を示し、同図(G)は第2電流設定信号Ir2を示し、同図(H)は第2アーク発生信号Ac2を示す。上記の第1電流設定信号Ir1は第1溶接制御信号Wc1に含まれており、上記の第2電流設定信号Ir2は第2溶接制御信号Wc2に含まれている。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1において、第1ロボットRM1及び第2ロボットRM2が各々の溶接開始位置に到達する。先に到達したロボットは他のロボットが到達するまで待機する。時刻t1において、両溶接電源PS1、PS2に起動信号(図示せず)が入力されると両溶接ワイヤ11、12の送給が開始されるので、同図(A)に示すように、第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1は短くなり、同図(E)に示すように、第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2は次第に短くなる。ここで、前回の溶接終了時のワイヤ燃え上がり高さがバラツクためにワイヤ突出し長さがバラツクことになる。この結果、時刻t1時点での上記の第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1と第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2とには差が生じる。溶接ワイヤがワークに接触するまでの送給速度であるスローダウン速度は非常に遅い速度に設定されているので、結局、両溶接ワイヤがワークに接触するタイミングに時差(時刻t2とt3)が生じることになる。
時刻t2において、同図(A)に示すように、第1溶接ワイヤ11がワーク2に接触して第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1がゼロになると、同図(B)に示すように、第1アーク31が発生して第1溶接電流Iw1が通電する。このときに、同図(C)に示すように、電流設定信号Ir1は第1ロボットRM1が溶接開始位置に到達する以前又は到達した時点で第1定常電流設定値Ic1に設定されているので、第1溶接電流Iw1は定常電流設定値Ic1によって設定された値となる。同図(D)に示すように、時刻t2において第1アーク31が発生するので、第1アーク発生信号Ac1がロボット制御装置RCに送信される。しかし、この時点(時刻t2)ではまだ同図(H)に示す第2アーク発生信号Ac2が送信されていないので、両ロボットRM1、RM2は共に溶接開始位置に停止したままである。
時刻t3において、同図(E)に示すように、第2溶接ワイヤ12が遅れてワーク2に接触すると第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2はゼロになり、同図(F)に示すように、第2アーク32が発生して第2溶接電流Iw2が通電する。このとき、同図(G)に示すように、第2電流設定信号Ir2は第2ロボットRM2が溶接開始位置に到達する以前又は到達時点において第2定常電流設定値Ic2に設定されている。したがって、上記の第2溶接電流Iw2はこの第2定常電流設定値Ic2によって設定された値となる。時刻t3において第2アーク32が発生すると、同図(H)に示すように、第2アーク発生信号Ac2がロボット制御装置RCに送信される。
上記の結果、時刻t3において同図(D)に示す第1アーク発生信号Ac1及び同図(H)に示す第2アーク発生信号Ac2が共にHighレベル(ロボット制御装置RCに送信された状態)になるので、第1ロボットRM1及び第2ロボットRM2は予め教示された各々の溶接線に沿って移動を開始して溶接が開始される。これに同期してワーク2を載置した回転治具PTも回転を開始する。
上述した従来技術1においては、先行して第1アーク31が発生したときは第1ロボットRM1を停止したままで第1定常電流設定値Ic1に基づく第1溶接電流Iw1を通電しながら待機する。そして、遅れて第2アーク32が発生すると、両ロボットRM1、RM2の移動及び回転治具PTの回転が同期して開始される。このようにして、従来技術1では開始同期アーク溶接方法を行う。
上記のアーク発生信号は溶接電流が通電したことを判別してアークが発生したと判別することが多い。また、溶接電圧値が、無負荷電圧値ほど高くなく、かつ、短絡電圧値ほど低くない中間の値であるアーク電圧値になったことを判別してアーク発生を判別する場合もある。また、上記においてはアーク発生タイミングがズレる理由として、各溶接トーチのワイヤ突出し長さのバラツキを例示したが、これ以外にも溶接ワイヤがワークに接触してからアークが発生するまでに時間差が生じる場合もある。また、各溶接ワイヤのスローダウン速度が異なる場合もある。
[従来技術2]
図4は、図2で上述した溶接装置を用いた従来技術2の開始同期アーク溶接方法をを示すタイミングチャートである。同図は上述した図3と対応しており、同図(A)〜(H)の各信号は同一である。以下、図3と異なる動作部分について説明する。
時刻t2において、同図(A)にに示すように、第1溶接ワイヤ11がワーク2に接触すると第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1はゼロになり、同図(B)に示すように、第1アーク31が発生して第1溶接電流Iw1が通電する。このとき、同図(C)に示すように、第1電流設定信号Ir1は第1溶接開始電流設定値Is1に設定されているので、同図(B)に示すように、この設定値Is1に相当する溶接開始電流が通電する。この溶接開始電流は定常溶接電流よりも小さな値である。この時刻t2において、同図(D)に示すように、第1アーク発生信号Ac1が送信される。しかし、この時点では同図(H)に示す第2アーク発生信号Ac2は送信(Highレベル)されていないので、両ロボットRM1、RM2は共に停止したままである。
時刻t3において、同図(E)に示すように、第2溶接ワイヤ12がワーク2に接触すると第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2はゼロになり、同図(F)に示すように、第2アーク32が発生して第2溶接電流Iw2が通電する。このとき、同図(G)に示すように、第2電流設定信号Ir2は、時刻t3までは第2溶接開始電流設定値Is2である、その後は第2定常電流設定値Ic2に変化する。これに応動して、同図(F)に示すように、第2溶接電流Iw2は、溶接開始電流から定常溶接電流に変化する。この時刻t3において、同図(H)に示すように、第2アーク発生信号Ac2が送信(Highレベル)される。この結果、両アーク発生信号Ac1、Ac2が共に送信(Highレベル)されるので、両ロボットRM1、RM2の移動及び回転治具PTの回転が同期して開始され溶接は開始される。
上述したように、従来技術2では、先行して第1アーク31が発生してから遅れて第2アーク32が発生するまでの待機期間中は、先行した第1アーク31に定常溶接電流よりも小さな値の溶接開始電流を通電する。これにより、待機期間中の溶け落ちの防止、ビード幅の拡大防止を図るものである(例えば、特許文献1参照)。
特許第3733979号公報
図3で上述した従来技術1では、第1溶接トーチ41に第1アーク31が先行して発生から遅れて第2溶接トーチ42に第2アーク32が発生するまでの待機期間中は、第1アーク31に定常溶接電流を通電する。このために、待機期間が短いときは溶接品質上問題がないが、長くなると停止したままであるので溶け落ちが発生したり、その部分のビード幅が広がり過ぎて溶接品質が悪くなったりすることがある。
また、図4で上述した従来技術2では、上記の待機期間中は、第1アーク31に溶接開始電流を通電する。この溶接開始電流は定常溶接電流よりも小さな値に設定される。このために、待機期間が長くなっても溶け落ち又はビード幅の拡大が抑制される。しかし、従来技術2では、上述したように、第1アーク31及び第2アーク32共に上記の溶接開始電流でアークスタートを行うことになる。ワーク2の継手、板厚等を考慮して定常溶接電流は設定されている。他方、溶接開始電流は定常溶接電流よりも小さな値であるために、ワーク2の継手、板厚等に対しては適正値ではない。この結果、アークスタート時の安定性はあまりよくない。すなわち、アークスタートに失敗しやすくなったり、スパッタが多く発生したりすることになる。従来技術2では、第1アーク31及び第2アーク32共に溶接開始電流からアークスタートするので、上記の問題は両アークに生じることになる。そもそもアークスタート性は、溶接電流値が大きくなるほど良好になる傾向があり、100A以下程度の小電流域では特に悪くなる傾向がある。待機期間中の溶け落ち等を抑制するためには、溶接開始電流の値を100A以下にする場合も多いので、結果的にアークスタート性は悪くなることになる。
そこで、本発明では、待機期間中の溶け落ち及びビード幅の拡大を抑制し、かつ、アークスタート時の安定性も確保することができる開始同期アーク溶接方法を提供する。
上述した課題を解決するために、第1の発明は、第1溶接トーチ及び第2溶接トーチを各々予め教示された溶接開始位置に移動させて停止させ、前記第1溶接トーチに定常溶接条件で先行してアークが発生したときはその状態で待機させ、遅れて前記第2溶接トーチに定常溶接条件でアークが発生したときは前記待機状態を終了して両溶接トーチを各々予め教示された溶接線に沿って移動させて溶接する開始同期アーク溶接方法において、
前記第1溶接トーチに発生した先行アークの待機時間が所定切換時間以上になったときは溶接条件を定常溶接条件から予め定めた待機溶接条件に変化させ、待機状態が終了した時点で再び定常溶接条件に復帰させる、ことを特徴とする開始同期アーク溶接方法である。
第2の発明は、前記溶接条件には少なくとも溶接電流の設定条件を含む、ことを特徴とする第1の発明記載の開始同期アーク溶接方法である。
また、第3の発明は、前記待機溶接条件は前記定常溶接条件よりも前記溶接電流条件が小さな値である、ことを特徴とする第2の発明記載の開始同期アーク溶接方法である。
また、第4の発明は、前記切換時間は前記先行アークによって溶接開始部のビードが定常時よりも幅広くならない時間以内に設定される、ことを特徴とする第1〜第3の発明のいずれか1項に記載の開始同期アーク溶接方法である。
また、第5の発明は、前記溶接トーチの溶接線に沿った移動が、溶接トーチは停止したままでワークが移動することによって溶接トーチが相対移動することである、ことを特徴とする第1〜第4の発明のいずれか1項に記載の開始同期アーク溶接方法である。
本発明によれば、第1溶接トーチ及び第2溶接トーチによって発生する第1アーク及び第2アーク共に、ワークに適した定常溶接条件でアークスタートするので、アークスタート時に安定した溶接状態を得ることができる。さらに、先行して発生したアークが切換時間に達したときは待機溶接条件に変化させることによって、先行アークによる溶け落ち、ビード幅の拡大等を抑制することができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る開始同期アーク溶接方法を示すタイミングチャートである。溶接装置は上述した図2と同一であるが、制御方法が異なる。したがって、同図は図2における各信号のタイミングチャートである。同図(A)は第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1を示し、同図(B)は第1溶接電流Iw1を示し、同図(C)は第1電流設定信号Ir1を示し、同図(D)は第1アーク発生信号Ac1を示し、同図(E)は第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2を示し、同図(F)は第2溶接電流Iw2を示し、同図(G)は第2電流設定信号Ir2を示し、同図(H)は第2アーク発生信号Ac2を示す。以下、同図を参照して説明する。
時刻t1において、第1ロボットRM1及び第2ロボットRM2が溶接開始位置に到達しその位置に停止する。一方のロボットが先に到達したときは、他のロボットが到達するまで待機する。時刻t1において、同図(A)に示すように、第1溶接ワイヤ11のスローダウン送給を開始するので第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1は次第に短くなり、同図(E)に示すように、第2溶接ワイヤ12もスローダウン送給を開始するので第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2は次第に短くなる。ここで、第1溶接ワイヤ11及び第2溶接ワイヤ12はワイヤ突出し長さに各々バラツキがある。同図は第1溶接ワイヤ11のワイヤ突出し長さが長いために時刻t1における第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1の方が第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2よりも短い場合である。この結果、第1溶接ワイヤ11の方が第2溶接ワイヤ12よりも先にワーク2に接触する。
時刻t2において、同図(A)に示すように、第1溶接ワイヤ11がワーク2に接触すると第1ワイヤ・ワーク間距離Lw1はゼロになるので、同図(B)に示すように、第1アーク31が発生して第1溶接電流Iw1が通電する。ここで、同図(C)に示すように、第1電流設定信号Ir1は、時刻t1時点又は以前において定常電流設定値Ic1に設定されている。このために、第1アーク31は、定常電流設定値Ic1に相当する定常溶接電流によってアークスタートする。したがって、安定したアークスタート性を確保することができる。時刻t2において、同図(D)に示すように、第1アーク発生信号Ac1がHighレベルになりロボット制御装置RCに送信される。しかし、同図(H)に示すように、第2アーク発生信号Ac2がまだLowレベルであるので、第1ロボットRM1及び第2ロボットRM2は溶接開始位置に停止したままである。
時刻t21において、第1アーク31が発生してから予め定めた切換時間Tcが経過すると、同図(C)に示すように、第1電流設定信号Ir1が予め定めた待機電流設定値Itに変化する。これに応動して、同図(B)に示すように、第1溶接電流Iw1は待機電流設定値Itに相当する待機溶接電流が通電する。この待機溶接電流の値は、定常溶接電流よりも小さな値に設定される。
時刻t3において、同図(E)に示すように、第2溶接ワイヤ12がワーク2に接触すると第2ワイヤ・ワーク間距離Lw2はゼロになるので、同図(F)に示すように、第2アーク32が発生して第2溶接電流Iw2が通電する。ここで、同図(G)に示すように、第2電流設定信号Ir2は時刻t1時点又は以前において第2定常電流設定値Ic2に設定されているので、第2溶接電流Iw2は定常溶接電流となる。したがって、第2アーク32のアークスタート性は良好になる。
時刻t3において、同図(H)に示すように、第2アーク発生信号Ac2がHighレベルになりロボット制御装置RCに送信される。これに応動して、同図(C)に示すように、第1電流設定信号Ir1は第1定常電流設定値Ic1に復帰するので、同図(B)に示すように、第1溶接電流Iw1は定常溶接電流が通電する。この結果、時刻t3において、同図(D)に示す第1アーク発生信号Ac1及び同図(H)に示す第2アーク発生信号Ac2が共にHighレベルになるので、第1ロボットRM1及び第2ロボットRM2が予め教示された各々の溶接線に沿って移動を開始すると共に回転治具PTの回転を開始して溶接を行う。
同図においては、溶接条件が電流設定信号である場合について説明したが、これ以外にも溶接条件には電圧設定信号、波形パラメータ設定信号等も含まれる。また、上記の切換時間は、先行して発生した第1アークによって溶接開始部のビードが定常時よりも幅広くならない時間以内に設定される。また、溶接トーチが移動する代わりに、溶接トーチは停止したままで治具が移動してワークが移動することによって溶接トーチが相対移動するような場合でも良い。
上述した実施の形態によれば、第1溶接トーチ及び第2溶接トーチによって発生する第1アーク及び第2アーク共に、ワークに適した定常溶接条件でアークスタートするので、アークスタート時に安定した溶接状態を得ることができる。さらに、先行して発生したアークが切換時間に達したときは待機溶接条件に変化させることによって、先行アークによる溶け落ち、ビード幅の拡大等を抑制することができる。
本発明の実施の形態に係る開始同期アーク溶接方法を示すタイミングチャートである。 従来技術の開始同期アーク溶接方法を実施するための溶接装置の構成図である。 従来技術1の開始同期アーク溶接方法を示すタイミングチャートである。 従来技術2の開始同期アーク溶接方法を示すタイミングチャートである
符号の説明
2 ワーク
11 第1溶接ワイヤ
12 第2溶接ワイヤ
31 第1アーク
32 第2アーク
41 第1溶接トーチ
42 第2溶接トーチ
Ac1 第1アーク発生信号
Ac2 第2アーク発生信号
Fc1 第1送給制御信号
Fc2 第2送給制御信号
Ic1 第1定常電流設定値
Ic2 第2定常電流設定値
Ir1 第1電流設定信号
Ir2 第2電流設定信号
Is1 第1溶接開始電流設定値
Is2 第2溶接開始電流設定値
It 待機電流設定値
Iw1 第1溶接電流
Iw2 第2溶接電流
Lw1 第1ワイヤ・ワーク間距離
Lw2 第2ワイヤ・ワーク間距離
M1 第1送給モータ
M2 第2送給モータ
Mc1 第1動作制御信号
Mc2 第2動作制御信号
Pc 外部軸制御信号
PS1 第1溶接電源
PS2 第2溶接電源
PT 回転治具
RC ロボット制御装置
RM1 第1ロボット
RM2 第2ロボット
Tc 切換時間
Vw1 第1溶接電圧
Vw2 第2溶接電圧
Wc1 第1溶接制御信号
Wc2 第2溶接制御信号

Claims (5)

  1. 第1溶接トーチ及び第2溶接トーチを各々予め教示された溶接開始位置に移動させて停止させ、前記第1溶接トーチに定常溶接条件で先行してアークが発生したときはその状態で待機させ、遅れて前記第2溶接トーチに定常溶接条件でアークが発生したときは前記待機状態を終了して両溶接トーチを各々予め教示された溶接線に沿って移動させて溶接する開始同期アーク溶接方法において、
    前記第1溶接トーチに発生した先行アークの待機時間が所定切換時間以上になったときは溶接条件を定常溶接条件から予め定めた待機溶接条件に変化させ、待機状態が終了した時点で再び定常溶接条件に復帰させる、ことを特徴とする開始同期アーク溶接方法。
  2. 前記溶接条件には少なくとも溶接電流の設定条件を含む、ことを特徴とする請求項1記載の開始同期アーク溶接方法。
  3. 前記待機溶接条件は前記定常溶接条件よりも前記溶接電流の設定条件が小さな値である、ことを特徴とする請求項2記載の開始同期アーク溶接方法。
  4. 前記切換時間は前記先行アークによって溶接開始部のビードが定常時よりも幅広くならない時間以内に設定される、ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の開始同期アーク溶接方法。
  5. 前記溶接トーチの溶接線に沿った移動が、溶接トーチは停止したままでワークが移動することによって溶接トーチが相対移動することである、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の開始同期アーク溶接方法。

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