JP2004358501A - アーク溶接システムの制御方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】複数のアーク溶接ロボットを含むアーク溶接システムにおいて、溶接開始点で確実にアークを発生させ、高品質の溶接を実現できるシステムを提供する。
【解決手段】消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、回転軸を持ち前記ワークを設置している1台のポジショナと、前記ポジショナに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、複数台のロボットが溶接開始点に移動し(S1,S2,S3)、消耗式電極を前記トーチから下降させ(S4,S5,S6)、複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極がワークに接触を検知した後(S7)、溶接開始条件にて指定された溶接電圧を印加する(S8,S9,S10)と共に消耗式電極を上昇させ(S11,12,13)、複数のアーク溶接ロボット全てのアーク発生を確認後(S14)、複数のアーク溶接ロボットを移動させる(S15)。
【選択図】図1
【解決手段】消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、回転軸を持ち前記ワークを設置している1台のポジショナと、前記ポジショナに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、複数台のロボットが溶接開始点に移動し(S1,S2,S3)、消耗式電極を前記トーチから下降させ(S4,S5,S6)、複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極がワークに接触を検知した後(S7)、溶接開始条件にて指定された溶接電圧を印加する(S8,S9,S10)と共に消耗式電極を上昇させ(S11,12,13)、複数のアーク溶接ロボット全てのアーク発生を確認後(S14)、複数のアーク溶接ロボットを移動させる(S15)。
【選択図】図1
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアーク溶接ロボットシステムにおいて、複数のアーク溶接を同時に開始するアーク溶接制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術を図5に基づいて説明する。構成としては、2台のロボットと1台のポジショナが同期運転する溶接システムである。ステップ1は、第1ロボットがワークの溶接線の溶接開始点に移動する。同時にステップ2は、ステップ1の動作と同期をとりながら、第2ロボットがワークの溶接線の溶接開始点へ移動する。ステップ3は、予め設定された溶接開始条件C1で第1ロボットにより、溶接開始指令を第1溶接機W1へ出力する。同様に、ステップ4は、予め設定された溶接開始条件C2で第2ロボットにより、溶接開始指令を第2溶接機W2へ出力する。ステップ5は、ステップ3及びステップ4により、2つの溶接機W1、W2からともにアーク発生確認信号がロボット制御装置に入信するまで、第1ロボット、第2ロボットは、溶接開始点で待機する。
ステップ6は、ロボット制御装置は、双方からの溶接機からアーク発生確認信号が入信したので、第1ロボットは、溶接開始条件C1から溶接本条件C3へ溶接条件を切り替え、ワークの溶接線上の移動を開始する。ステップ7は、ステップ6と同様に第2ロボットは溶接開始条件C2から溶接本条件C4へ溶接条件を切り替え、ワークの溶接線上の移動を開始する(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−24369号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では、溶接開始点において、アークが発生するタイミングを同期制御していないため、あるロボットのアークが発生した状態で、他のロボットのアーク発生を待っているために、最初にアークが発生しているロボットの溶接個所では、溶着金属の量が多くなり、ビード外観の不良や応力集中による溶接不良が発生していた。また、薄板溶接を行う場合は、溶接開始点で溶け落ちなどによる溶接不良が発生するという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数のアーク溶接ロボットを含むアーク溶接システムにおいて、溶接開始点で確実にアークを発生させ、高品質の溶接を実現できるシステムを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のアーク溶接システムの制御方法は、消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、回転軸を持ち前記ワークを設置している1台のポジショナと、前記ポジショナに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、同時に前記複数のアーク溶接ロボットが溶接開始する場合、前記複数台のロボットが溶接開始点に移動し、前記制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、
前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、前記複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触を検知した後、溶接開始条件にて指定された溶接電圧を印加すると共に前記消耗式電極を上昇させ、前記複数のアーク溶接ロボット全てのアーク発生を確認後、前記複数のアーク溶接ロボットを移動させることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2記載のアーク溶接システムの制御方法は、消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、前記ワークを把持しているハンドリングロボットと、前記ハンドリングロボットに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、同時に前記複数のアーク溶接ロボットが溶接開始する場合、前記複数台のロボットが溶接開始点に移動し、前記制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、 前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、前記複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触したことを検知し、予め設定された溶接電圧を印加すると共に前記消耗式電極を上昇させることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図2は、本発明のシステム構成図である。図2を基にアーク溶接システムを説明する。アーク溶接ロボット1とアーク溶接ロボット2とアーク溶接ロボット3は、1台のロボット制御装置4で制御されている。また、ワーク50を把持しているポジショナ5もロボット制御装置4で制御されている。ロボット1の手首先端部には、溶接トーチ11が取り付けられている。消耗式電極である溶接ワイヤ12は、ワイヤ駆動装置13によりワイヤパック缶から引き出され、溶接トーチ11の内部を通るように構成されている。また、溶接電源(図示しない)は、溶接ワイヤ12とワーク50との間に電圧を印加して、溶接を実行する。同様に、ロボット2、ロボット3にも各々溶接機器が装着され、ワーク50を溶接するシステムとなっている。
【0008】
次に、本実施例の制御手順について図1を用いて説明する。ロボット1、ロボット2、ロボット3とポジショナ5は同期を取りながら、ワーク50を溶接する。S1ではロボット1、S2ではロボット2、S3ではロボット3を溶接開始点まで移動する。S4、S5、S6では、各ロボットについて、溶接ワイヤ12、22、32を送出する。S7では、ワイヤが接触することを確認する。ワーク50に、全てのワイヤ12が接触をロボット制御装置4で検出する。このワイヤ接触検出は、一定の電圧を印加おき、電圧レベルがある閾値以下で溶接ワイヤ12が接触したと判断できる。また、他の方法としては、一定の電圧を印加しておき、電流レベルがある閾値以上で溶接ワイヤ12が接触したと判断することもできる。
【0009】
S8,S9,S10で溶接ワイヤ12、22、32が接触した後、ロボット制御装置4は、溶接開始条件を溶接電源に指令する。その後、S11,S12,S13では、溶接ワイヤ12、22、32を逆に戻す。このようにすることで、確実にアークを発生させることができる。また、溶接ワイヤ12、22、32の何れかが接触した瞬間にアークが発生した場合は、10〜30Aの極めて小さい電流でアークを維持しながらワイヤを逆に戻す信号を待つ。その後、S14では、ロボット制御装置4がロボット1、2、3ともにアーク発生を確認した場合には、予め設定されている動作命令に従って溶接を実行する。
また、ポジショナをロボットに置き換えても同じ作用効果を得ることもできる。
【0010】
(実施例2)
実施例2では、ロボットとそのロボットを制御するロボット制御装置が複数台ある場合の例である。システムの構成を図3に示す。ロボット1には、ロボット制御装置100が接続され、ロボット2には、ロボット制御装置200、ロボット3には、ロボット制御装置300が接続されている。また、ロボット制御装置100は、ポジショナ5を駆動し、ワーク50を位置決めするものである。ここで、ロボット制御装置100、200、300は、シリアル通信手段400を介して接続されている。マスタのロボット制御装置を100として、フローチャートを図4に示す。
【0011】
図4では、ロボット1、2、3が溶接開始点に到着後の処理に関して説明する。D1ステップでは、マスタ制御装置100からスレーブ制御装置200、300に対して、ワイヤ送出指令を送出する。D2ステップでは、マスタ制御装置100からのワイヤ送出指令を受信し、ワイヤ送出を実行したこと(ワイヤ送出実行応答)をマスタ制御装置100へ送出する。D3ステップでは、マスタ制御装置100は、スレーブ制御装置200、300からのワイヤ送出実行応答を受信後、ワイヤ接触監視指令をスレーブ制御装置200、300に送出する。D4ステップでは、スレーブ制御装置200、300がワイヤとワークの接触を検知した時に、マスタ制御装置100にワイヤ接触完了を送出する。
【0012】
D5ステップでは、マスタ制御装置100は、ワイヤ12、22、32がワーク50に接触したことをスレーブ制御装置200から受信した後、スレーブ制御装置200、300に対して、ワイヤ22、32を逆に戻す(ワーク50に対して上昇させる)ように指令を出す。
以上のように、複数のロボット制御装置で構成されるアーク溶接システムの場合には、各溶接ステップ毎にマスタの制御装置からスレーブの制御装置へ指令を送出し、その指令に基づいて、スレーブ制御装置からマスタの制御装置へ応答を送出し、同期を取ながら溶接を実行するものである。また、上記の説明では、マスタの制御装置が制御するロボット1、ワイヤ12の動作の説明は、省略したが、マスタ制御装置もスレーブ制御装置に指令したように動作するものである。
【発明の効果】
本発明によれば、外部軸またはワーク持ちのロボットと協調動作を行うアーク溶接システムにおいて、確実にアークを発生させ、溶接品質を高品質に保つことができるという格段の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のフロー
【図2】本発明の第1の実施形態のシステム構成図
【図3】本発明の第2の実施形態のシステム構成図
【図4】本発明の第2の実施形態のフロー
【図5】従来技術の図
【符号の説明】
1、2、3:溶接ロボット
4、100、200、300:ロボット制御装置
5:ポジショナ
11、21、31:溶接トーチ
12、22、32:溶接ワイヤ
50:ワーク
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のアーク溶接ロボットシステムにおいて、複数のアーク溶接を同時に開始するアーク溶接制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来技術を図5に基づいて説明する。構成としては、2台のロボットと1台のポジショナが同期運転する溶接システムである。ステップ1は、第1ロボットがワークの溶接線の溶接開始点に移動する。同時にステップ2は、ステップ1の動作と同期をとりながら、第2ロボットがワークの溶接線の溶接開始点へ移動する。ステップ3は、予め設定された溶接開始条件C1で第1ロボットにより、溶接開始指令を第1溶接機W1へ出力する。同様に、ステップ4は、予め設定された溶接開始条件C2で第2ロボットにより、溶接開始指令を第2溶接機W2へ出力する。ステップ5は、ステップ3及びステップ4により、2つの溶接機W1、W2からともにアーク発生確認信号がロボット制御装置に入信するまで、第1ロボット、第2ロボットは、溶接開始点で待機する。
ステップ6は、ロボット制御装置は、双方からの溶接機からアーク発生確認信号が入信したので、第1ロボットは、溶接開始条件C1から溶接本条件C3へ溶接条件を切り替え、ワークの溶接線上の移動を開始する。ステップ7は、ステップ6と同様に第2ロボットは溶接開始条件C2から溶接本条件C4へ溶接条件を切り替え、ワークの溶接線上の移動を開始する(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平10−24369号公報(図1)
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の方法では、溶接開始点において、アークが発生するタイミングを同期制御していないため、あるロボットのアークが発生した状態で、他のロボットのアーク発生を待っているために、最初にアークが発生しているロボットの溶接個所では、溶着金属の量が多くなり、ビード外観の不良や応力集中による溶接不良が発生していた。また、薄板溶接を行う場合は、溶接開始点で溶け落ちなどによる溶接不良が発生するという問題があった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、複数のアーク溶接ロボットを含むアーク溶接システムにおいて、溶接開始点で確実にアークを発生させ、高品質の溶接を実現できるシステムを提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1記載のアーク溶接システムの制御方法は、消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、回転軸を持ち前記ワークを設置している1台のポジショナと、前記ポジショナに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、同時に前記複数のアーク溶接ロボットが溶接開始する場合、前記複数台のロボットが溶接開始点に移動し、前記制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、
前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、前記複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触を検知した後、溶接開始条件にて指定された溶接電圧を印加すると共に前記消耗式電極を上昇させ、前記複数のアーク溶接ロボット全てのアーク発生を確認後、前記複数のアーク溶接ロボットを移動させることを特徴とするものである。
【0006】
本発明の請求項2記載のアーク溶接システムの制御方法は、消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、前記ワークを把持しているハンドリングロボットと、前記ハンドリングロボットに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、同時に前記複数のアーク溶接ロボットが溶接開始する場合、前記複数台のロボットが溶接開始点に移動し、前記制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、 前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、前記複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触したことを検知し、予め設定された溶接電圧を印加すると共に前記消耗式電極を上昇させることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(実施例1)
図2は、本発明のシステム構成図である。図2を基にアーク溶接システムを説明する。アーク溶接ロボット1とアーク溶接ロボット2とアーク溶接ロボット3は、1台のロボット制御装置4で制御されている。また、ワーク50を把持しているポジショナ5もロボット制御装置4で制御されている。ロボット1の手首先端部には、溶接トーチ11が取り付けられている。消耗式電極である溶接ワイヤ12は、ワイヤ駆動装置13によりワイヤパック缶から引き出され、溶接トーチ11の内部を通るように構成されている。また、溶接電源(図示しない)は、溶接ワイヤ12とワーク50との間に電圧を印加して、溶接を実行する。同様に、ロボット2、ロボット3にも各々溶接機器が装着され、ワーク50を溶接するシステムとなっている。
【0008】
次に、本実施例の制御手順について図1を用いて説明する。ロボット1、ロボット2、ロボット3とポジショナ5は同期を取りながら、ワーク50を溶接する。S1ではロボット1、S2ではロボット2、S3ではロボット3を溶接開始点まで移動する。S4、S5、S6では、各ロボットについて、溶接ワイヤ12、22、32を送出する。S7では、ワイヤが接触することを確認する。ワーク50に、全てのワイヤ12が接触をロボット制御装置4で検出する。このワイヤ接触検出は、一定の電圧を印加おき、電圧レベルがある閾値以下で溶接ワイヤ12が接触したと判断できる。また、他の方法としては、一定の電圧を印加しておき、電流レベルがある閾値以上で溶接ワイヤ12が接触したと判断することもできる。
【0009】
S8,S9,S10で溶接ワイヤ12、22、32が接触した後、ロボット制御装置4は、溶接開始条件を溶接電源に指令する。その後、S11,S12,S13では、溶接ワイヤ12、22、32を逆に戻す。このようにすることで、確実にアークを発生させることができる。また、溶接ワイヤ12、22、32の何れかが接触した瞬間にアークが発生した場合は、10〜30Aの極めて小さい電流でアークを維持しながらワイヤを逆に戻す信号を待つ。その後、S14では、ロボット制御装置4がロボット1、2、3ともにアーク発生を確認した場合には、予め設定されている動作命令に従って溶接を実行する。
また、ポジショナをロボットに置き換えても同じ作用効果を得ることもできる。
【0010】
(実施例2)
実施例2では、ロボットとそのロボットを制御するロボット制御装置が複数台ある場合の例である。システムの構成を図3に示す。ロボット1には、ロボット制御装置100が接続され、ロボット2には、ロボット制御装置200、ロボット3には、ロボット制御装置300が接続されている。また、ロボット制御装置100は、ポジショナ5を駆動し、ワーク50を位置決めするものである。ここで、ロボット制御装置100、200、300は、シリアル通信手段400を介して接続されている。マスタのロボット制御装置を100として、フローチャートを図4に示す。
【0011】
図4では、ロボット1、2、3が溶接開始点に到着後の処理に関して説明する。D1ステップでは、マスタ制御装置100からスレーブ制御装置200、300に対して、ワイヤ送出指令を送出する。D2ステップでは、マスタ制御装置100からのワイヤ送出指令を受信し、ワイヤ送出を実行したこと(ワイヤ送出実行応答)をマスタ制御装置100へ送出する。D3ステップでは、マスタ制御装置100は、スレーブ制御装置200、300からのワイヤ送出実行応答を受信後、ワイヤ接触監視指令をスレーブ制御装置200、300に送出する。D4ステップでは、スレーブ制御装置200、300がワイヤとワークの接触を検知した時に、マスタ制御装置100にワイヤ接触完了を送出する。
【0012】
D5ステップでは、マスタ制御装置100は、ワイヤ12、22、32がワーク50に接触したことをスレーブ制御装置200から受信した後、スレーブ制御装置200、300に対して、ワイヤ22、32を逆に戻す(ワーク50に対して上昇させる)ように指令を出す。
以上のように、複数のロボット制御装置で構成されるアーク溶接システムの場合には、各溶接ステップ毎にマスタの制御装置からスレーブの制御装置へ指令を送出し、その指令に基づいて、スレーブ制御装置からマスタの制御装置へ応答を送出し、同期を取ながら溶接を実行するものである。また、上記の説明では、マスタの制御装置が制御するロボット1、ワイヤ12の動作の説明は、省略したが、マスタ制御装置もスレーブ制御装置に指令したように動作するものである。
【発明の効果】
本発明によれば、外部軸またはワーク持ちのロボットと協調動作を行うアーク溶接システムにおいて、確実にアークを発生させ、溶接品質を高品質に保つことができるという格段の効果を奏するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態のフロー
【図2】本発明の第1の実施形態のシステム構成図
【図3】本発明の第2の実施形態のシステム構成図
【図4】本発明の第2の実施形態のフロー
【図5】従来技術の図
【符号の説明】
1、2、3:溶接ロボット
4、100、200、300:ロボット制御装置
5:ポジショナ
11、21、31:溶接トーチ
12、22、32:溶接ワイヤ
50:ワーク
Claims (4)
- 消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、回転軸を持ち前記ワークを設置している1台のポジショナと、前記ポジショナに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、
同時に前記複数のアーク溶接ロボットが溶接開始する場合、前記複数台のロボットが溶接開始点に移動し、
前記制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、
前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、
前記複数台のロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触を検知した後、溶接開始条件にて指定された溶接電圧を印加すると共に前記消耗式電極を上昇させ、
前記複数のアーク溶接ロボット全てのアーク発生を確認後、前記複数のアーク溶接ロボットを移動させることを特徴とするアーク溶接システムの制御方法。 - 消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、前記ワークを把持しているハンドリングロボットと、前記ハンドリングロボットに前記複数のアーク溶接ロボットが同期制御する制御装置とからなるアーク溶接システムの制御方法において、
同時に前記複数のアーク溶接ロボットが溶接開始する場合、前記複数台のロボットが溶接開始点に移動し、
前記制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、
前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、
前記複数台のアーク溶接ロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触したことを検知し、
予め設定された溶接電圧を印加すると共に前記消耗式電極を上昇させることを特徴とするアーク溶接システムの制御方法。 - 消耗式電極を溶接トーチから送出させる駆動装置と、前記駆動装置を制御し前記消耗式電極とワークに電圧を印加する溶接電源と、前記溶接トーチを把持しワークに対して溶接作業を行う複数のアーク溶接ロボットと、前記アーク溶接ロボットを制御する複数のロボット制御装置とを備え、複数台の前記アーク溶接ロボットにて溶接作業を行うアーク溶接システムの制御方法において、
前記複数台のロボット制御装置は、溶接開始指令を同時に前記溶接電源に出力し、
前記溶接電源は、溶接開始指令を受信後予め設定した電圧を印加するとともに、前記消耗式電極を前記トーチから下降させ、
前記複数台のアーク溶接ロボットが把持している全ての消耗式電極が前記ワークに接触を検知した後、前記複数台のアーク溶接ロボットが把持している全ての前記消耗式電極を上昇させることを特徴とするアーク溶接システムの制御方法。 - 前記複数台のロボット制御装置のうち1台をマスタ制御装置とし、他をスレーブ制御装置とする構成であって、
前記マスタ制御装置から前記スレーブ制御装置へ、溶接作業のステップ毎に指令を送出し、
前記スレーブ制御装置から前記マスタ制御装置へ、前記指令に対応した応答を送出することを特徴とする請求項3記載のアーク溶接システムの制御方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003158847A JP2004358501A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | アーク溶接システムの制御方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2003158847A JP2004358501A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | アーク溶接システムの制御方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2004358501A true JP2004358501A (ja) | 2004-12-24 |
Family
ID=34052077
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2003158847A Pending JP2004358501A (ja) | 2003-06-04 | 2003-06-04 | アーク溶接システムの制御方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2004358501A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007203349A (ja) * | 2006-02-02 | 2007-08-16 | Kobe Steel Ltd | アーク溶接装置の制御方法 |
JP2008126232A (ja) * | 2006-11-16 | 2008-06-05 | Daihen Corp | 開始同期アーク溶接方法 |
EP2928634B1 (de) * | 2012-12-07 | 2018-02-21 | SEHO Systemtechnik GmbH | Verfahren und lötvorrichtung zum selektivlöten mit mindestens einer lötdüse und einem anderen funktionselement, die durch eine bewegungseinrichtung synchron bewegt werden |
-
2003
- 2003-06-04 JP JP2003158847A patent/JP2004358501A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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