JP4844464B2 - 磁性ガーネット単結晶及びそれを用いたファラデー回転子 - Google Patents

磁性ガーネット単結晶及びそれを用いたファラデー回転子 Download PDF

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Description

本発明は、液相エピタキシャル法(LPE法)により育成した磁性ガーネット単結晶及びそれを用いたファラデー回転子に関する。
ファラデー回転子は、通信用光アイソレータや光サーキュレータ等において、光の偏光面を45度(deg.)回転させる光学素子として使用される。ファラデー回転子は、一般に、LPE法で育成した磁性ガーネット単結晶板をファラデー回転角が45deg.となるように研磨し、光入射/射出面に反射防止膜を成膜して作製される。
ところで、LPE法で磁性ガーネット単結晶を育成する際の溶媒として酸化ホウ素(B)、酸化ビスマス(Bi)と共に酸化鉛(PbO)が用いられる。このため、磁性ガーネット単結晶の育成時には結晶中に少量の鉛(Pb)が混入する。
近年の環境規制に対応するため、ファラデー回転子から環境負荷物質である鉛の含有量を削減させる努力がなされている。その結果、LPE法で磁性ガーネット単結晶を育成する際の溶媒材料としてPbに代えてナトリウム(Na)を使用する技術が確立されつつある。
PARK J.H.,Growth of epitaxial garnet film by LPE for application to integrated magneto-optic light switch arrays,Physica Status Solidi A:Applied Research,June 2004,Vol. 201, No. 8,pp. 1976-1979,CODEN: PSSABA; ISSN: 0031-8965
ところがNaを溶媒に使用すると、少量のNaがガーネット単結晶膜に混入し、単結晶に光吸収が発生する。光吸収を持つガーネット単結晶で作製されたファラデー回転子は光損失が増加してしまう。光損失の大きいファラデー回転子で光アイソレータ等の通信用光デバイスを製造するとデバイス特性が低下してしまう問題が生じる。
そこで、4価のカチオン(陽イオン)となってNaと電荷補償できるSi、Ge、Ti、Ptなどの元素をガーネット単結晶中に添加することで光損失の低減が図られている。
しかしながら、これら4価のカチオンが安定な元素をガーネット単結晶中に単に添加しただけでは、ファラデー回転子の光損失のバラツキが大きくなり、再現性良く最小値まで光損失を低減させたファラデー回転子を製造できないことが分かってきた。
インライン光アイソレータのように低光損失が要求されるデバイスでは特に低い光損失のファラデー回転子が求められる。このような用途に対して、高い再現性で低光損失のファラデー回転子を提供できない点が課題として残っている。
本発明の目的は、Naを含む溶媒を用いて育成しても回転子の光損失を再現良く低減させることができる磁性ガーネット単結晶及びそれを用いたファラデー回転子を提供することにある。
上記目的は、化学式BiαNaβM13−α−βFe5−γM2γ12(M1はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選択される少なくとも1種類以上の元素、M2はSi、Ge、Ti、Pt、Ru、Sn、Hf、Zrから選択される少なくとも1種類以上の元素であり、0.600<α≦1.500、0.003≦β≦0.050、1.450≦3−α−β<2.397、0.20≦γ/(2β)≦0.85)で示されることを特徴とする磁性ガーネット単結晶によって達成される。
また上記目的は、化学式BiαNaβM13−α−βFe5−γM2γ12(M1はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選択される少なくとも1種類以上の元素、M2はSi、Ge、Ti、Pt、Ru、Sn、Hf、Zrから選択される少なくとも1種類以上の元素であり、0.600<α≦1.500、0.004<β≦0.040、1.460≦3−α−β<2.396、0.30≦γ/(2β)≦0.70)で示されることを特徴とする磁性ガーネット単結晶によって達成される。
また上記目的は、上記本発明の磁性ガーネット単結晶から作製されることを特徴とするファラデー回転子によって達成される。
本発明によれば、Naを含む溶媒を用いて育成した磁性ガーネット単結晶で作製されるファラデー回転子の光損失を再現良く低減させることができる。
本発明の一実施の形態による磁性ガーネット単結晶及びそれを用いたファラデー回転子について説明する。まず、水酸化ナトリウム(NaOH)、Bi及びBを含む溶媒を用いてLPE法で(BiGdYb)Fe12単結晶を育成した。得られた単結晶をファラデー回転子に加工し、波長1.55μmの光を入射させて光損失(挿入損失)を測定した。光損失は約3dBであった。
これに対し、Pbを含む溶媒を用いてLPE法で育成された(BiGdYb)Fe12単結晶で作製したファラデー回転子は、光損失を0.05dB以下にすることができる。このことから、Naを含む溶媒を用いて育成されたガーネット単結晶の光損失は非常に大きいことが分かる。蛍光X線分析で組成を調べたところ、Naを含む溶媒から育成したガーネット単結晶からは100〜300ppmのNaが検出された。Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶を構成するカチオン(陽イオン)は基本的に全て3価である。このため、1価が安定な価数であるNaがガーネット単結晶中に入ると、電荷のバランスが崩れてガーネット単結晶が半導体となる。これにより、Naを含むガーネット単結晶では光吸収が発生する。
光吸収を低減させるには、ケイ素(Si)、ゲルマニウム(Ge)、チタン(Ti)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、スズ(Sn)、ハフニウム(Hf)、ジルコニウム(Zr)のように安定に4価のカチオンとなる元素をガーネット単結晶に添加することが有効である。ガーネット単結晶の光吸収を抑制することにより、ファラデー回転子の光損失を低減させることが可能になる。Si、Ge、Ti、Pt、Ru、Sn、Hf、Zrはガーネット単結晶中で4価のカチオンが安定となり、ガーネット単結晶中に含有される1価のNaを電荷補償するので光損失は低くなる。
Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶を構成するカチオンは基本的に3価の電荷を持つため、ガーネット単結晶中に存在する1価のNaのカチオンを電荷補償するには、Na量の2倍(=2Na)に相当する量の4価のカチオンが化学量論的には必要になる。ところがNaの2倍の量の4価カチオンがガーネット単結晶中に存在していてもファラデー回転子の光損失は再現良く最小値にならなかった。
そこで4価のカチオンとなる元素としてゲルマニウム(Ge)を選び、ガーネット単結晶中のNaとGeの関係式(Ge/(2Na))の値を変えながらファラデー回転子の光損失及びそのバラツキを評価した。その結果、関係式(Ge/(2Na))の値が1より小さい条件(すなわち、Ge/(2Na)<1)で光損失が低くなる傾向があることが分かった。このとき、LPE法でのルツボ内の溶液のNa量とGe量を変えることにより、ガーネット単結晶中に含有されるNa量、Ge量及びNaとGeの関係式(Ge/(2Na))の値を変えた。
さらに詳細にNaとGeの関係式(Ge/(2Na))と光損失の関係を調べると、0.03dB以下の極めて低い光損失を持つファラデー回転子を再現良く作製するには、NaとGeの関係式(Ge/(2Na))の値が0.30以上、0.70以下であればよいことが分かった。さらに0.05dB以下の十分に低い光損失を持つファラデー回転子を再現良く作製する条件を求めたところ、NaとGeの関係式(Ge/(2Na))の値が0.20以上、0.85以下であることが望ましいことが分かった。
Naと電荷補償する元素は、Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶のFeと置換可能で、ガーネット単結晶中で4価のカチオンとなるものが適している。そのような元素M2としてはSi、Ge、Ti、Pt、Ru、Sn、Hf及びZrが上げられる。
そこで、Naと4価のカチオンとなる元素M2の関係式(M2/(2Na))の値が0.50となるように元素M2の少なくとも1種類以上が添加されたガーネット単結晶を育成してファラデー回転子を作製した。作製されたファラデー回転子の光損失を評価したところ、いずれの元素M2(又はそれらの組合わせ)を添加したガーネット単結晶から作製したファラデー回転子においても、光損失は再現良く低い値となった。ガーネット単結晶中で安定に4価のカチオンとなるこれらの元素M2は上記Geと同じ効果を持つ。従って、Naとの関係式(M2/(2Na);M2は4価が安定なカチオン)の値が0.30以上、0.70以下となる条件で、作製したファラデー回転子の光損失は再現良く最も低くなり、0.20以上、0.85以下で光損失の十分に低いファラデー回転子を再現良く作製することが可能になる。これらの効果は複数の4価のカチオンとなる元素M2を組み合わせた場合でも有効である。例えばGeとTiを添加した組成では、Naと元素M2の関係式は(Ge+Ti)/(2Na)となる。
Naと元素M2の関係式(M2/(2Na))の値が0.20となるガーネット単結晶は、Na量と比較してM2量を減らした溶液から育成できる。
M2/(2Na)が0.85で、Na量が0.003未満とNa含有量の少ないガーネット単結晶を育成するには、特にNa量が少なくM2量が多い溶液から結晶育成する必要がある。Na量を少なくした溶液では、溶媒の割合を一定に保つため、ルツボに充填するBi量を増やす必要が生じる。ところが、Biの融液は粘度が高いため、Biの割合が増えると溶液の粘性は高くなる。粘性の高い溶液で結晶育成を行うと、結晶が成長する液相−固相の界面への溶質の供給が阻害されるため、成長速度の低下や結晶欠陥の発生などの問題が生じる。従って、粘性の高い溶液は結晶育成には好ましくない。
このように、M2/(2Na)が0.85でNa量が0.003より少ないガーネット単結晶を育成するには、Bi量を増やした粘性の高い溶液から結晶育成する必要がある。しかしながら、これでは結晶欠陥の少ない品質の優れた結晶が得られ難くなり、ファラデー回転子の製造歩留まりが低下する傾向がある。
従って、M2/(2Na)が0.85以下となるガーネット単結晶を得るには、ルツボに充填するBi量を抑制して溶液の粘性が高くならないようにするため、Na含有量が0.003以上のガーネット単結晶を育成することが望ましい。また、同じ理由によりM2/(2Na)が0.70以下となるガーネット単結晶を得るには、Na含有量が0.004以上のガーネット単結晶を育成することが望ましい。
Naと元素M2の関係式(M2/(2Na))の値が0.85、あるいは0.70となるガーネット単結晶は、Na量に比較してM2量を増やした溶液から育成できる。そしてNa量が0.05とNa含有量の比較的大きなガーネット単結晶を育成するには、特にNa量とM2量の多い溶液から結晶育成する必要がある。Naと元素M2は電荷を補償しながらガーネット単結晶に入るため、Na量とM2量を同時に増やさなくてはガーネット単結晶中のNa含有量を大きくすることはできない。しかしながら溶液のNa量を増やし過ぎるとガーネットではなくNaFeOが析出するため、溶液中のNa量は25mol%程度が上限となる。Na量が約25mol%の溶液から、Na含有量が0.050より大きなガーネット単結晶を得るには、M2/(2Na)を0.85より大きくする必要がある。ところがM2/(2Na)が0.85より大きくなると作製されたファラデー回転子の光損失のバラツキが増し、損失の十分に低いファラデー回転子を再現良く作製できなくなる。従って、ガーネット単結晶中のNa含有量は0.050以下とすることが望ましい。
また、同じくNa量が約25mol%の溶液から、Na含有量が0.040より大きなガーネット単結晶を得るには、M2/(2Na)を0.70より大きくする必要がある。従って、M2/(2Na)を0.70以下とするためには、ガーネット単結晶中のNa含有量は0.040以下とすることが望ましい。
元素M1は、イットリウム(Y)、ユウロピウム(Eu)、ガドリニウム(Gd)、テルビウム(Tb)、ホルミウム(Ho)、イッテルビウム(Yb)、及びルテチウム(Lu)から選択される少なくとも1種類以上の元素である。元素M1には、上記以外の希土類元素である、ランタン(La)、セリウム(Ce)、プラセオジム(Pr)、ネオジム(Nd)、サマリウム(Sm)、ジスプロシウム(Dy)、エルビウム(Er)、及びツリウム(Tm)のいずれも選択することは可能である。しかし、磁気特性、光学特性、ファラデー回転係数などのファラデー回転子特性を改善する効果の観点から、Y、Eu、Gd、Tb、Ho、Yb、Luから選ばれる少なくとも1種類以上の元素をBi置換希土類鉄ガーネット単結晶の希土類材料に使用することが望ましい。
ガーネット単結晶中のBi量が減少するとファラデー回転係数(deg./μm)が小さくなるので、ファラデー回転子の厚さを厚くする必要が生じる。厚いファラデー回転子を作製するには厚いBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜が必要となるが、厚い単結晶膜の育成を試みると単結晶に割れが発生し易くなる。従って、ファラデー回転子を厚くすることは好ましくなく、Bi量は化学式で0.600以上にすることが望ましい。また、Bi量が1.500より大きいガーネット単結晶の育成を試みると、溶液の過飽和状態を安定に維持できなくなり、Bi置換希土類鉄ガーネット単結晶の育成が困難になる。従って、Bi量は0.600以上、1.500以下とすることが望ましい。
以下、本実施の形態による磁性ガーネット単結晶及びそれを用いたファラデー回転子について、実施例及び比較例を用いてより具体的に説明する。
まず、希土類元素M1(M1はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選択される少なくとも1種類以上の元素)の酸化物として、酸化ガドリニウム(Gd)、酸化イッテルビウム(Yb)、酸化テルビウム(Tb)、酸化ホルミウム(Ho)、酸化ユウロピウム(Eu)、酸化イットリウム(Y)、酸化ルテチウム(Lu)のいずれか1種類以上を選び、金(Au)製のルツボに充填した(図1参照)。
また、同ルツボに、酸化鉄(Fe)、酸化ホウ素(B)、酸化ビスマス(Bi)、水酸化ナトリウム(NaOH)を充填した。このとき、Na量が10〜24mol%の範囲になるようにNaOH配合量を調整した。
さらに、同ルツボに、ガーネット単結晶中で安定に4価のカチオンとなる元素M2の酸化物として、酸化ゲルマニウム(GeO)、酸化ケイ素(SiO)、酸化チタン(TiO)、酸化白金(PtO)、酸化ルテニウム(RuO)、酸化スズ(SnO)、酸化ハフニウム(HfO)、及び酸化ジルコニウム(ZrO)のいずれか1種類以上を充填した(図1参照)。このとき、4価のカチオンとなる元素M2とNaがガーネット単結晶中に含有される量の関係式(M2/(2Na))が0.20〜0.85の範囲となるように元素M2の酸化物の配合量を調整した。
次いで、ルツボを電気炉に配置した。950℃まで炉温を上げてルツボ内の材料を溶解し、金製の攪拌用冶具を使用して融液を攪拌した。
磁性ガーネット単結晶膜を育成するための基板には、引き上げ法により育成したガーネット単結晶のインゴットから作製された単結晶ウエハを用いる。本実施例では単結晶育成用基板としてCaMgZr置換GGG(ガドリニウム・ガリウム・ガーネット)単結晶基板((GdCa)(CaMgZr)12)を用いている。
以上は、下記の全ての実施例及び比較例で共通の作業である。
<実施例1>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP(Inductively Coupled Plasma;高周波誘導結合プラズマ)分析法で分析したところ、Bi0.8710Gd1.6240Yb0.4950Na0.0100Fe4.9900Ge0.010012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射して光損失を評価したところ、光損失が0.00dBのサンプルが6個、0.01dBのサンプルが88個、0.02dBのサンプルが31個得られた。従って本実施例においては、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical(代表)値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。なお、本願ではTypical値とは、最もサンプル数の多かった光損失測定値である。
<実施例2>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、842℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.9012Gd1.5950Yb0.4918Na0.0120Fe4.9860Ge0.014012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.58であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例3>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、851℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8691Gd1.6268Yb0.4971Na0.0070Fe4.9958Ge0.004212であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.30であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.03dB、typical値が0.02dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例4>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、845℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8717Gd1.6268Yb0.4815Na0.0200Fe4.9720Ge0.028012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.70であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.03dB、typical値が0.02dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例5>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、873℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.9122Gd1.5780Yb0.5068Na0.0030Fe4.9988Ge0.001212であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.20であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.01dB、最大値が0.05dB、typical値が0.03dBである十分低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例6>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、849℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8784Gd1.6355Yb0.4361Na0.0500Fe4.9150Ge0.085012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.85であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.01dB、最大値が0.05dB、typical値が0.03dBである十分低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例7>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8700Gd1.6245Yb0.4955Na0.0100Fe4.9900Si0.010012であることが分かった。SiとNaの関係式(Si/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例8>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8725Gd1.6223Yb0.4952Na0.0100Fe4.9900Ti0.010012であることが分かった。TiとNaの関係式(Ti/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例9>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8718Gd1.6256Yb0.4926Na0.0100Fe4.9900Pt0.010012であることが分かった。PtとNaの関係式(Pt/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例10>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8706Gd1.6260Yb0.4934Na0.0100Fe4.9900Ru0.010012であることが分かった。RuとNaの関係式(Ru/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例11>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8722Gd1.6247Yb0.4931Na0.0100Fe4.9900Sn0.010012であることが分かった。SnとNaの関係式(Sn/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例12>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8701Gd1.6241Yb0.4958Na0.0100Fe4.9900Hf0.010012であることが分かった。HfとNaの関係式(Hf/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例13>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8710Gd1.6234Yb0.4956Na0.0100Fe4.9900Zr0.010012であることが分かった。ZrとNaの関係式(Zr/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例14>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、850℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8710Gd1.6234Yb0.4956Na0.0100Fe4.9900Ge0.0055Ti0.004512であることが分かった。Ge+TiとNaの関係式((Ge+Ti)/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例15>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、831℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚500〜520μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi1.0150Tb1.8996Ho0.0754Na0.0100Fe4.9900Ge0.010012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.31μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.31μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例16>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、886℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を60時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚840〜870μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.6002Eu1.71040.6794Na0.0100Fe4.9900Ge0.010012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<実施例17>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、886℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を32時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚390〜420μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi1.4998Gd0.7030Lu0.7872Na0.0100Fe4.9900Ge0.010012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.00dB、最大値が0.02dB、typical値が0.01dBである極めて低い光損失が再現性良く得られた。
<比較例1>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、871℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8901Gd1.6110Yb0.4949Na0.0040Fe4.9988Ge0.001212であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.15であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.02dB、最大値が0.09dB、typical値が0.05dBと光損失が大きくなり、光損失の再現性が低下する傾向が確認された。
<比較例2>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、885℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を50時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚500〜550μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.9002Gd1.5808Yb0.5170Na0.0020Fe4.9660Ge0.034012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.85であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面には多くの結晶欠陥が確認できた。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、幾つかのファラデー回転子で結晶欠陥が確認された。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.01dB、最大値が0.05dB、typical値が0.03dBで、0.05dB以下の光損失が再現良く得られた。しかしながら、結晶欠陥が存在するファラデー回転子は消光比が低下するため不良品となるので、これらの単結晶板からファラデー回転子を生産するのは好ましくないことが分かった。
<比較例3>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、838℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を40時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚540〜570μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.8726Gd1.6377Yb0.4347Na0.0550Fe4.9010Ge0.099012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.90であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、結晶欠陥の少ない光沢性のある単結晶膜であった。
育成した各単結晶ウエハを研磨加工して、波長1.55μmの光に対してファラデー回転角が45deg.となる5枚の単結晶板を作製した。次いで各単結晶板の研磨面に反射防止膜を成膜した。次に、各単結晶板から縦横2(mm)×2(mm)の複数のファラデー回転子を作製した。次に、単結晶板毎に25個のファラデー回転子を抜き取り、全125個のファラデー回転子の結晶内部を赤外偏光顕微鏡で観察したところ、結晶欠陥は確認できなかった。さらに波長1.55μmの光を各ファラデー回転子に入射させて光損失を評価したところ、最小値が0.01dB、最大値が0.08dB、typical値が0.04dBと光損失が大きくなり、損失の再現性が低下する傾向が確認された。
<比較例4>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、892℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を75時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚940〜960μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi0.5009Eu1.88120.6079Na0.0100Fe4.9900Ge0.010012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、いずれの単結晶でも表面に同心円状に割れが確認された。育成した単結晶膜を加工して、単結晶板を得ることは割れのためできなかった。
<比較例5>
CaMgZr置換GGG基板を金製の固定冶具に取り付けて炉内に投入し、760℃まで炉温を下げてから基板の片面を融液に接触させてエピタキシャル成長を75時間行った。同じ工程により全部で5枚の単結晶ウエハを育成し、膜厚180〜250μmの磁性ガーネット単結晶膜が得られた。得られた単結晶の組成をICP分析法で分析したところ、Bi1.6041Gd0.4989Lu0.8870Na0.0100Fe4.9900Ge0.010012であることが分かった。GeとNaの関係式(Ge/(2Na))の値は0.50であった。得られたBi置換希土類鉄ガーネット単結晶膜の表面を観察すると、いずれの単結晶でも表面に多数の結晶欠陥が確認された。また膜厚が薄すぎるため、育成した単結晶膜を加工して、単結晶板を得ることはできなかった。
図1は、上記の実施例及び比較例について、元素M1、M2、育成したガーネット単結晶のNa量β、M2量γ、関係式(M2/(2Na))、及び作製したファラデー回転子の光損失(dB)等をまとめて示している。
図1に示すように、0.05dB以下の十分に低い光損失を持つファラデー回転子を再現良く作製するには、Naと元素M2の関係式(M2/(2Na))の値が0.20以上、0.85以下であればよいことが分かる(実施例1乃至17、及び比較例1乃至3参照)。
0.03dB以下の極めて低い光損失を持つファラデー回転子を再現良く作製するには、NaとM2の関係式(M2/(2Na))の値が0.30以上、0.70以下であればよいことが分かる(実施例5及び6を除く実施例1乃至17参照)。
本発明の一実施の形態の実施例1〜17及び比較例1〜5での関係式M2/(2Na)、Na量β、M2量γ、及び光損失等をまとめて示す表である。

Claims (2)

  1. 化学式BiαNaβM13−α−βFe5−γM2γ12(M1はY、La、Ce、Pr、Nd、Sm、Eu、Gd、Tb、Dy、Ho、Er、Tm、Yb、Luから選択される少なくとも1種類以上の元素、M2はSi、Ge、Ti、Pt、Ru、Sn、Hf、Zrから選択される少なくとも1種類以上の元素であり、0.600<α≦1.500、0.003≦β≦0.050、1.450≦3−α−β<2.397、0.30≦γ/(2β)≦0.70
    で示されること
    を特徴とする磁性ガーネット単結晶。
  2. 請求項記載の磁性ガーネット単結晶から作製されることを特徴とするファラデー回転子。
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