JP4843403B2 - 油類貯蔵容器用耐食鋼材およびその製造方法ならびに油類貯蔵容器 - Google Patents

油類貯蔵容器用耐食鋼材およびその製造方法ならびに油類貯蔵容器 Download PDF

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Description

本発明は、原油および石油由来の油類の貯蔵、輸送、機器搭載等のための油類貯蔵容器に用いる油類貯蔵容器用耐食鋼材およびその製造方法ならびに油類貯蔵容器に関する。
原油、重油、軽油、灯油、ガソリン、石油アスファルト、潤滑油、切削油、マシン油、グリース、石油ワックス、さび止め油、石油エーテル等の原油および石油由来の油類の貯蔵や運搬等に用いられるタンク(以下、適宜「油類タンク」という)は、鋼材で作製されるのが一般的である。しかしながら、近年、鋼材に含まれる硫黄分やタンク底に滞留する塩化物を含む水分等に起因して、油類タンクの鋼材が激しい局部腐食を受け、早期に穴あきに至ってしまうという問題が顕在化している。
このような問題に対し、通常行われている防食手段としては、(a)塗装、(b)防錆・防食シート、(c)電気防食等による鋼材の保護がよく知られており、実用化されている。このうち重塗装に代表される塗装では、塗膜欠陥が存在する可能性が高く、また、油類タンクの製造工程における衝突等によって塗膜に傷が付く場合もあるため、素地鋼材が露出してしまうことが多い。このような鋼材露出部においては、局部的にかつ集中的に鋼材が腐食してしまい、収容されている石油類の早期漏洩に繋がるという問題がある。
また、防錆・防食シートによる鋼材の保護も比較的効果は認められるものの、塗装と同様にシート傷部の鋼材露出部分での腐食は避けられないという問題がある。
さらに、電気防食は、海水等の導電率が高い電解質水溶液中に完全に浸漬された部位に対しては、非常に有効である。しかし、油類タンクでは、溶媒となる油類の電気伝導性が不十分であるため、犠牲アノードが作用する距離が小さく、電気防食は不向きである。
このような背景の中、基材鋼材の表面に、溶射あるいは亜鉛金属粉の塗装により、Znを主体とした金属被覆層を形成することで、金属被覆層の局部腐食を大幅に抑制し、かつ、基材鋼材の表面が露出した場合であっても、十分な犠牲防食効果を有する石油タンク用耐食鋼材が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
その他、化学成分の調整等によって鋼材自体の耐食性を向上させたものとして、C、Si、Mn、P、S、Cu等の元素を所定量に規制することで、母材および溶接部の耐局部腐食性を向上させた原油タンク底板用鋼材が提案されている(例えば、特許文献2参照)。また、C、Si、Mn、Al、Co、Mg等の元素を所定量に規制することで、耐食性を向上させた船舶用鋼材が提案されている(例えば、特許文献3参照)。
特開2002−60921号公報 特開2005−290479号公報 特開2006−9128号公報
しかしながら、前記した従来の耐食鋼材には、以下に示す問題があった。
前記したように、油類タンクにおいては、鋼材の耐食性の向上が図られているが、油類タンクの鋼材の腐食は、例えば原油タンカーでは、沈没事故といった重大事故を招くおそれがあるため、油類タンクの鋼材には、さらなる耐食性の向上が必要とされている。
ここで、特許文献1〜3に記載の鋼材においては、耐食性のレベルは向上しているが、非常に高い安全性が必要とされる油類タンクの鋼材においては、さらなる改善が望まれている。
本発明は、前記課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、油類貯蔵容器に用いる耐食性に優れる油類貯蔵容器用耐食鋼材およびその製造方法ならびに油類貯蔵容器を提供することにある。
本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、適切な量のCu、Ni、OおよびSを含有する表面層を鋼材等の容器材料の表面に形成させることによって、油類貯蔵容器として優れた耐食性を発現し、前記課題を解決できることを見出した。
すなわち、請求項1に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材は、鋼材の表面に表面層が設けられた、油類貯蔵容器用耐食鋼材において、前記鋼材がC:0.01〜0.30質量%、Si:0.01〜2.0%質量、Mn:0.01〜2.0質量%、Al:0.005〜0.10質量%、Cu:0.01〜1.0質量%、Ni:0.01〜1.0質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記表面層がCu:0.3〜20質量%、Ni:0.3〜20質量%、O:5〜20質量%、S:0.3〜10質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記表面層の厚さが50〜800μmであることを特徴とする。
このような構成によれば、鋼材が所定の元素を所定量含有することで、鋼材の脱酸が促進され、また、強度や耐食性が向上する。また、表面層がCu、Ni、O、Sを所定量含有することで、CuおよびNiが、Sと結合して硫化物を形成し、Oと結合して酸化物を形成する。この硫化物あるいは酸化物により、貯蔵容器内の滞留水分や油類自身に対して、表面層が難溶性皮膜となり、鋼材の腐食が抑制される。
また、表面層の厚さを所定範囲に規制することで、ピンホール等の欠陥が生じることが抑制され、また、耐久性が向上する。
請求項2に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材は、前記表面層が、更に、Cr:0.05〜5.0質量%、Co:0.05〜5.0質量%、Ti:0.05〜5.0質量%、Mg:0.05〜1.0質量%、Ca:0.05〜1.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする。
このような構成によれば、表面層が、更に、所定の元素を所定量含有することで、非酸化性の酸、アルカリ性の酸、酸化性の酸、アルカリ等に対する表面層の安定性や、表面層の耐熱性が向上する。また、鋼材腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下が緩和される。
請求項に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材は、前記鋼材が、更に、Cr:0.01〜1.0質量%、Co:0.005〜0.50質量%、Ti:0.005〜0.20質量%、Mg:0.0001〜0.005質量%、Ca:0.0001〜0.005質量%から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする。
このような構成によれば、鋼材が、更に、所定の元素を所定量含有することで、鋼材の耐食性が向上し、また、塩化物腐食環境において生成する錆が緻密化する。また、鋼材腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下が緩和される。
請求項に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材は、前記鋼材が、更に、B:0.0001〜0.010質量%、V:0.01〜0.50質量%、Nb:0.003〜0.50質量%から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする。
このような構成によれば、鋼材が、更に、所定の元素を所定量含有することで、鋼材の強度が向上する。
請求項に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法は、請求項1に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法において、鋼材を、塩水、塩酸および硫酸から選ばれる1種である水溶液とS粉末とを混合した溶液に浸漬することにより、当該鋼材に厚さが50〜800μmの表面層を形成することを特徴とする。
このような構成によれば、所定の元素を所量含有した鋼材を、塩水、塩酸および硫酸から選ばれる1種である水溶液とS粉末とを混合した溶液に浸漬することにより、鋼材中のCuおよびNi等と水溶液中のSおよびOとが反応する。これにより、形成された表面層に所定量のCu、Ni、S、O等が含有される。そして、S粉末を混合するための水溶液に、金属に対して腐食作用を有する塩水、塩酸または硫酸を使用することにより、鋼材中の表面層の構成成分とSおよびOとの反応が促進する。
請求項に係る油類貯蔵容器は、前記に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材を使用して作製されたことを特徴とする。
このような構成によれば、油類貯蔵容器の鋼材として、耐食性に優れる油類貯蔵容器用耐食鋼材を使用することで、油類貯蔵容器の耐食性が向上し、油類貯蔵容器が長寿命となる。
本発明に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材によれば、鋼材に、所定の元素を所定量含有し、所定厚さに規制した表面層を設けることで、油類貯蔵容器用耐食鋼材の耐食性を向上させることができ、油類貯蔵容器を長寿命とすることができる。
また、鋼材に、所定元素を所定量含有させることにより、油類貯蔵容器用耐食鋼材の強度や耐食性を向上させることができ、油類貯蔵容器をさらに長寿命とすることができる。
本発明に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法によれば、耐食性に優れる油類貯蔵容器用耐食鋼材を効率よく得ることができ、経済性が向上する。
本発明に係る油類貯蔵容器によれば、鋼材として、耐食性に優れる油類貯蔵容器用耐食鋼材を使用することで、油類貯蔵容器の耐食性も向上し、油類貯蔵容器を長寿命とすることができる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
本発明は、鋼材(以下、適宜「母材」という)の表面に表面層が設けられた、油類の貯蔵容器に用いられる油類貯蔵容器用耐食鋼材であり、この表面層が所定量のCu、Ni、O、Sを含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、さらに、表面層の厚さを所定範囲に規制したものである。
以下、表面層の成分の限定理由および厚さを規制した理由について説明する。
<Cu:0.3〜20質量%、Ni:0.3〜20質量%>
CuおよびNiは、Sと結合して硫化物を形成し、Oと結合して、酸化物を形成する。この硫化物と酸化物の混合物が表面層の難溶性に寄与している。表面層中のCuおよびNiが金属Cuおよび金属Niとして存在すると、母材との異種金属接触作用により母材の腐食を促進するため好ましくなく、酸化物あるいは硫化物であることが好ましい。表面層中のCuおよびNiの含有量が0.3質量%未満では、硫化物および酸化物が形成されにくく、表面層の難溶性が低いため、油類環境において母材の保護性が低くなる。一方、20質量%を超えると、表面層と母材との熱膨張係数の差が大きくなり、温度変動によってクラック等の損傷を受けやすくなる。したがって、表面層中のCuおよびNiの含有量は、0.3〜20質量%とし、より好ましくは、0.5〜15質量%とする。
<O:5〜20質量%>
Oは表面層の難溶性に寄与するCuおよびNiの酸化物を構成するのに必要な元素である。Oの含有量が5質量%未満では、CuおよびNiが金属Cuあるいは金属Niとして存在する傾向にあるため、上述の異種金属接触作用による腐食を生じる。一方、20質量%を超えると、表面層が脆化して剥離しやすくなる。したがって、Oの含有量は、5〜20質量%とし、より好ましくは、8〜20質量%、さらに好ましくは、10〜18質量%とする。
<S:0.3〜10質量%>
Sは表面層の難溶性に寄与するCuおよびNiの硫化物を構成するのに必要な元素である。Sは硫化物を形成して難溶性を確保するために、0.3質量%以上の含有量が必要であるが、10質量%を超えると、表面層が脆化して剥離しやすくなる。したがって、Sの含有量は、0.3〜10質量%とする。
<残部がFeおよび不可避的不純物>
本発明の油類貯蔵容器用耐食鋼材の表面層の成分は前記の通りであり、残部はFeおよび不可避的不純物からなるものである。母材として鋼材を用いる場合には、残部は鋼材に由来するFe、C、Si、Mn等の鋼材元素および鋼材に由来する不可避的不純物からなるものである。なお、表面層の不可避的不純物元素としては、例えば、P、N、H、Mo、W等が挙げられるが、本発明の効果を妨げない範囲においてこれらを含有することは許容され、これらの含有量は、合計で0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。
<表面層の厚さ:50〜800μm>
表面層の厚さが、50μm未満であると、ピンホール等の欠陥が生じる可能性があり、このピンホールによる母材露出部の腐食により、局部腐食が発生する。一方、800μmを超えると、表面層が母材から剥離しやすいため、耐久性の面で好ましくない。したがって、表面層の厚さは、50〜800μmとし、より好ましくは、80〜600μmとする。
本発明に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材の表面層は、前記成分に加えて、更に、Cr、Co、Ti、Mg、Ca、Znから選ばれる1種以上を含有することが好ましく、含有させる成分の種類に応じて表面層の特性が更に改善されることになる。以下、これらの限定理由について説明する。
<Cr:0.05〜5.0質量%>
Crは、非酸化性の酸に対する表面層の安定性を高める作用があるため、酸素の少ないタンク内環境における耐食効果を高めるのに有効な元素である。このような効果を発揮するためには、0.05質量%以上の含有量が必要である。一方、5.0質量%を超えると、表面層の脆化を起こして、剥離や割れ等の問題を生じやすい。したがって、Crの含有量は、0.05〜5.0質量%が好ましく、0.10〜4.0質量%がより好ましい。
<Co:0.05〜5.0質量%>
Coは、Crと同様に非酸化性の酸に対する表面層の安定性を高める作用がある。さらに、アルカリに対する表面層の安定性を高める作用を有するため、腐食反応によるアルカリ化が生じやすいカソード領域においても耐食効果を高めて局部腐食性を向上させるのに有効な元素である。このような効果を発揮するためには、0.05質量%以上の含有量が必要である。一方、5.0質量%を超えると、表面層の脆化を起こして、剥離や割れ等の問題を生じやすい。したがって、Coの含有量は、0.05〜5.0質量%が好ましく、0.10〜4.0質量%がより好ましい。
<Ti:0.05〜5.0質量%>
Tiは、酸化性の酸およびアルカリに対する表面層の安定性を高める作用を有するため、酸化剤を含む油類タンクや腐食反応によるアルカリ化が生じやすいカソード領域においても耐食効果を高めて局部腐食性を向上させるのに有効な元素である。このような効果を発揮するためには、0.05質量%以上の含有量が必要である。一方、5.0質量%を超えると、表面層の脆化を起こして、剥離や割れ等の問題を生じやすい。したがって、Tiの含有量は、0.05〜5.0質量%が好ましく、0.10〜4.0質量%がより好ましい。
<Mg:0.05〜1.0質量%、Ca:0.05〜1.0質量%>
MgおよびCaは、いずれも表面層の耐熱性を高める作用を有するため、高温油類を含有した場合において耐食効果を高めるのに有効な元素である。また、母材の鋼材腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下に対して緩和作用を有しており、局部腐食発生部のpH低下による腐食加速を抑制して局部腐食性を高めるのに有効である。このような効果を発揮するためには、0.05質量%以上の含有量が必要である。一方、1.0質量%を超えると、表面層の脆化を起こして、剥離や割れ等の問題を生じやすい。したがって、MgおよびCaの含有量は、0.05〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.9質量%がより好ましい。
<Zn:0.05〜1.0質量%>
Znは、MgやCaと同様に表面層の耐熱性を高める作用を有するため、高温油類を含有した場合において耐食効果を高めるのに有効な元素である。また、アルカリに対する安定性も高めるため、アルカリ化が生じやすいカソード領域において耐食効果を高めて局部腐食性を向上させるのに有効な元素である。このような効果を発揮するためには、0.05質量%以上の含有量が必要である。一方、1.0質量%を超えると、表面層の脆化を起こして、剥離や割れ等の問題を生じやすい。したがって、Znの含有量は、0.05〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.9質量%がより好ましい。
また、本発明の油類貯蔵容器用耐食材料の母材としては、機械特性や経済性の観点から鋼材を用いる。ただし、鋼材を用いる場合には、構造部材としての基本的特性を満足させるために、C、Si、Mn、Al等の成分を所定量含有することが好ましく、また、鋼材にCuおよびNiを所定量含有させることにより、耐食性はさらに向上する。以下に鋼材の成分範囲の限定理由について説明する。
<C:0.01〜0.30質量%>
Cは、鋼材の強度確保のために必要な元素である。油類タンクの構造部材としての最低強度、即ち、使用する鋼材の肉厚にもよるが、概ね400MPa程度の強度を得るためには、0.01質量%以上の含有量が必要である。一方、0.30質量%を超えると、靱性が劣化しやすい。したがって、Cの含有量は、0.01〜0.30質量%が好ましく、より好ましくは、0.02〜0.28質量%、さらには、0.04〜0.26質量%が好ましい。
<Si:0.01〜2.0質量%>
Siは鋼材の脱酸と強度確保のために必要な元素である。Siの含有量が0.01質量%未満では、油類タンクの構造部材としての最低強度を確保しにくい。一方、2.0質量%を超えると、溶接性が劣化しやすい。したがって、Siの含有量は、0.01〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.02〜1.80質量%、さらには、0.05〜1.60質量%が好ましい。
<Mn:0.01〜2.0質量%>
MnもSiと同様に脱酸および強度確保のために必要な元素である。Mnの含有量が0.01質量%未満では、油類タンクの構造部材としての最低強度を確保しにくい。一方、2.0質量%を超えると、靱性が劣化しやすい。したがって、Mnの含有量は、0.01〜2.0質量%が好ましく、より好ましくは、0.05〜1.80質量%、さらには、0.10〜1.60質量%が好ましい。
<Al:0.005〜0.10質量%>
AlもSi、Mnと同様に脱酸および強度確保のために必要な元素である。Alの含有量が0.005質量%未満では、脱酸の効果が低くなりやすい。一方、0.10質量%を超えると、溶接性が劣化しやすい。したがって、Alの含有量は、0.005〜0.10質量%が好ましく、より好ましくは、0.010〜0.090質量%、さらには、0.015〜0.080質量%が好ましい。
<Cu:0.01〜1.0質量%>
Cuは耐食性向上に有効な元素である。Cuは錆の緻密性を高める作用を有しているため、表面層に欠陥が生じて母材が露出した場合に、欠陥部に緻密な錆を形成し、環境遮断性を高めて耐食性を向上させる。これらの効果を発揮させるためには、0.01質量%以上の含有量が好ましい。一方、1.0質量%を超えると、溶接性や熱間加工性が劣化しやすい。したがって、Cuの含有量は、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.90質量%がより好ましい。
<Ni:0.01〜1.0質量%>
Niは耐食性向上に有効である。NiはCuと同様に錆の緻密性を高める作用を有しているため、表面層に欠陥が生じて母材が露出した場合に、欠陥部に緻密な錆を形成し、環境遮断性を高めて耐食性を向上させる。また、Niは、Cu添加による赤熱脆性を防止するのに必要な元素である。こうした効果を発揮させるためには、0.01質量%以上の含有量が好ましい。一方、1.0質量%を超えると、溶接性や熱間加工性が劣化しやすい。したがって、Niの含有量は、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.90質量%がより好ましい。
<残部がFeおよび不可避的不純物>
本発明の油類貯蔵容器用耐食鋼材に用いる鋼材の成分は前記の通りであり、残部は鉄および不可避的不純物からなるものである。不可避的不純物元素としては、例えば、P、S、O、N、H、Mo、W、Zn等が挙げられるが、本発明の効果を妨げない範囲においてこれらを含有することは許容され、これらの含有量は、合計で0.1質量%以下が好ましく、0.05質量%以下がより好ましい。
本発明に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材に用いる鋼材には、前記成分に加えて、更に、(1)Cr、Co、Ti、Mg、Caから選ばれる1種以上、(2)B、V、Nbから選ばれる1種以上等を含有させることが好ましく、含有させる成分の種類に応じて鋼材の特性が更に改善されることになる。以下、これらの限定理由について説明する。
<Cr:0.01〜1.0質量%>
Crは耐食性向上に有効な元素である。Crは、NiやCuと同様に錆の緻密性を高める作用を有しているため、表面層に欠陥が生じて母材が露出した場合に、欠陥部に緻密な錆を形成し、環境遮断性を高めて耐食性を向上させる。また、適量のCrは靭性を向上させるのに有効であり、容器素材として必要な機械特性を得るためにも必要な元素である。これらの効果を発揮させるためには、0.01質量%以上の含有量が好ましい。一方、1.0質量%を超えると、溶接性や熱間加工性が劣化しやすい。したがって、Crの含有量は、0.01〜1.0質量%が好ましく、0.05〜0.90質量%がより好ましい。
<Co:0.005〜0.50質量%>
Coは耐食性向上に有効な元素である。Coは、塩化物腐食環境において生成する錆を緻密化する作用を有しており、表面層の欠陥部における腐食進展を抑制する元素である。こうした効果を発揮させるためには、0.005質量%以上の含有量が好ましい。一方、0.50質量%を超えると、溶接性や熱間加工性が劣化しやすい。したがって、Coの含有量は、0.005〜0.50質量%が好ましく、0.02〜0.45質量%がより好ましい。
<Ti:0.005〜0.20質量%>
Tiは耐食性向上に有効な元素である。Tiは、塩化物腐食環境において生成する錆を緻密化する作用を有しており、表面層の欠陥部における腐食進展を抑制する元素である。こうした効果を発揮させるためには、0.005質量%以上の含有量が好ましい。一方、0.20質量%を超えると、溶接性や熱間加工性が劣化しやすい。したがって、Tiの含有量は、0.005〜0.20質量%が好ましく、0.008〜0.15質量%がより好ましい。
<Mg:0.0001〜0.005質量%>
Mgは耐食性向上に有効な元素である。Mgは、鋼材腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下に対して緩和作用を有しており、pH低下による腐食促進を抑制するのに効果的である。こうした効果を発揮させるためには、0.0001質量%以上の含有量が好ましい。一方、0.005質量%を超えると、加工性と溶接性が劣化しやすい。したがって、Mgの含有量は、0.0001〜0.005質量%が好ましく、0.0005〜0.004質量%がより好ましい。
<Ca:0.0001〜0.005質量%>
Caは耐食性向上に有効な元素である。CaはMgと同様に鋼材腐食によって溶解したFeイオンの加水分解によるpH低下に対して緩和作用を有しており、pH低下による腐食促進を抑制するのに効果的である。こうした効果を発揮させるためには、0.0001質量%以上の含有量が好ましい。一方、0.005質量%を超えると、加工性と溶接性が劣化しやすい。したがって、Caの含有量は、0.0001〜0.005質量%が好ましく、0.0005〜0.004質量%がより好ましい。
<B:0.0001〜0.010質量%、V:0.01〜0.50質量%、Nb:0.003〜0.50質量%>
B、VおよびNbは、いずれも機械特性の向上に有効な元素である。このうちBは、0.0001質量%以上含有させることによって焼入性が向上して強度向上に有効であるが、0.010質量%を超えると、鋼材の靭性が劣化しやすい。したがって、Bの含有量は、0.0001〜0.010質量%が好ましく、0.0003〜0.0090質量%がより好ましい。
Vは、0.01質量%以上含有させることによって強度向上に有効であるが、0.50質量%を超えると、鋼材の靭性が劣化しやすい。したがって、Vの含有量は、0.01〜0.50質量%が好ましく、0.02〜0.45質量%がより好ましい。
Nbは、0.003質量%以上含有させることによって強度向上に有効であるが、0.50質量%を超えると、鋼材の靭性が劣化しやすい。したがって、Nbの含有量は、0.003〜0.50質量%が好ましく、0.005〜0.45質量%がより好ましい。
次に、油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法について説明する。
前記したように、油類貯蔵容器用耐食鋼材は、鋼材の表面に、所定の元素を所定量含有した所定厚さの表面層を設けたものである。
本発明に供する鋼材を得るための方法は特に限定されるものではなく、通常用いられる方法により製造可能である。すなわち、転炉、電気炉等の通常の溶製方法により任意の原料を用いて溶鋼の化学成分を調整し、連続鋳造法、造塊法等の通常の鋳造方法で鋼塊とし、さらに熱間圧延を行って、所望の寸法形状として用いることができる。
表面層の形成方法としては、溶射法、物理蒸着法、化学蒸着法、あるいは塗布法等、従来の表面皮膜形成方法を用いることができる。しかし、量産性を考慮して、以下に説明するように、鋼材を、水溶液とS粉末とを混合した溶液に浸漬することにより、この鋼材に厚さが50〜800μmの表面層を形成する方法(浸漬法と記載)を用いることが好ましい。なお、処理速度の観点で推奨されるのは溶射法であり、目的の表面層の組成となるように原料の形状(線材、粉末等)や組成を選定して、溶線式や粉末式のフレーム溶射、プラズマ溶射あるいはレーザー溶射等の方式によって当該表面層を形成することが可能である。
浸漬法は、表面層が前記した成分組成となるように、適切な量のCu、Ni等の表面層成分を含有する鋼材を、水溶液(溶媒)に単体S(粉末S)を混合させた溶液に浸漬することにより接触させて、鋼中のCuおよびNi等と溶液中のSおよびOとを反応させる方法である。浸漬法は、溶射法等のような表面層形成装置が不要であることから、低コストで当該表面層を得ることができ、経済的には好ましい。
浸漬法では、鋼材が腐食することにより、鋼材中に含まれるCu等の表面層構成元素も溶出してイオンとなる。このイオン化した表面層構成元素は、水溶液に混合しているSと反応することによって硫化物となり、水分あるいは溶存酸素と反応することによって、酸化物となり、これらが表面に堆積して表面層を形成する。
浸漬法において用いるSは、均一な表面層を形成するという観点で粉末状が好ましい。粉末状のSであるS粉末としては、一般的に市販されている粉末状のS試薬を用いることができ、例えば、和光純薬工業(株)製の硫黄粉末(コードNo.195−04625)等が挙げられる。
Sを混合させる水溶液(溶媒)としては、鋼材に含有させた表面層の構成成分とSおよびOとを反応させる必要があるため、塩水、塩酸、硫酸等の金属に対して腐食作用を有するものが推奨される。
塩水を用いる場合は、1〜10質量%塩水、塩酸を用いる場合は、0.1〜5質量%塩酸、硫酸を用いる場合は、1〜20質量%硫酸を用いることが好ましい。また、S粉末を混合した混合物に鋼材を浸漬する処理温度は、20〜60℃が好ましく、処理時間は、1〜100時間が好ましい。さらに、溶媒と単体Sとの混合比は、質量比で溶媒1に対して、単体Sを0.1〜1程度が好ましい。
ここで、浸漬法による表面層の膜厚は、用いる溶媒の種類、溶媒とSとの混合比、処理温度あるいは処理時間等の浸漬条件を変化させて、50〜800μmに調整することが可能である。
本発明に係る油類貯蔵容器は、前記に記載した油類貯蔵容器用耐食鋼材を使用して作製されたものである。
油類貯蔵容器としては、原油、重油、軽油、灯油、ガソリン、石油アスファルト、潤滑油、切削油、マシン油、グリース、石油ワックス、さび止め油、石油エーテル等の原油および石油由来の油類の貯蔵や運搬等に用いられる容器、例えば、原油タンク等が挙げられる。
このような油類貯蔵容器においては、鋼材として、耐食性に優れる油類貯蔵容器用耐食鋼材を使用するため、油類貯蔵容器の耐食性も向上し、油類貯蔵容器を長寿命とすることができる。
次に、本発明に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材および油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法について、本発明の要件を満たす実施例と本発明の要件を満たさない比較例とを比較して具体的に説明する。
[供試材の作製]
容量500kgの大気溶解炉により鋼材の原料を溶製し、表1に示すAからSの化学成分を有する鋼塊を作製した。この鋼塊を熱間圧延することにより得られた表1に示すAからSの化学成分を有する鋼板(鋼材)から、100×100×10(mm)の大きさの試験片を切り出した。切り出した試験片全面を湿式回転研磨機(研磨紙;#600)で研磨仕上げし、水洗およびアセトン洗浄を行って、表2〜4に示す方法により表面層を形成した。
各種溶射法(粉末式フレーム溶射、RFプラズマ溶射、レーザー溶射)では、表面層の組成が表2〜4の組成となるように、表面層の構成金属元素の硫化物および酸化物の粉末を種々の混合比で混合したものを原料として用いた。
粉末式フレーム溶射では、熱源としてアセチレン炎を用い、溶射距離は150mmとして、ノズル移動速度を調整して表面層の膜厚を調整した。RFプラズマ溶射では、プラズマガスとしてArを用い、溶射距離は130mmとして、ノズル移動速度を調整して表面層の膜厚を調整した。レーザー溶射では、炭酸ガスレーザーを用い、溶射距離は120mmとして、ノズル移動速度を調整して表面層の膜厚を調整した。
また、浸漬法では、10%食塩水1に対して粉末状S試薬(和光純薬工業(株)製:コードNo.195−04625)0.5の質量比で混合した溶液に前記試験片を浸漬して表面層を形成した。浸漬法の処理温度はすべて30℃として、処理時間を3〜24時間で変化させて表面層の膜厚を調整した。なお、浸漬法による表面層形成は試験面1面のみとして、試験面以外の面はテフロン(登録商標)テープでマスキングを施して浸漬処理を行った。
前記の表面層形成の後、腐食試験において試験面以外が腐食するのを防ぐために、試験面以外にシリコンシーラントを塗布して被覆を施し、腐食試験用の試験片とした。なお、浸漬法により表面層を形成したものはマスキングのためのテフロン(登録商標)テープを剥がして、前記シリコンシーラント被覆を行った。試験片の個数は、表2〜4に示したNo.1〜47のそれぞれ5枚ずつを下記の腐食試験に供した。
形成した表面層の化学成分および厚さは表2〜4に示す通りである。表面層の化学成分は、カッターナイフで削り取った表面層の削り粉の化学分析によって求めた。表面層の厚さは、断面観察により求めた表面層厚さの任意の5カ所の平均値とした。
[腐食試験方法]
耐食性を評価するための腐食試験方法は下記の2種を用いた。腐食試験Aでは、JIS K2205において、3種2号に分類される重油に前記で作製した試験片を浸漬して腐食させた。試験容器は密閉容器を用いて、温度は60℃に保持した。このとき、重油1に対して、腐食促進のために300ppmNaCl+300ppmNaSO水溶液を質量比で0.01添加した。試験片の個数は、表2〜4に示したNo.1〜47をそれぞれ5枚ずつである。
腐食試験Bでは、クエート産の原油に前記で作製した試験片を浸漬して腐食させた。試験容器は密閉容器を用いて、温度は60℃に保持した。このとき、原油1に対して、腐食促進のために人工海水を質量比で0.01添加した。試験片の個数は、表2〜4に示したNo.1〜47をそれぞれ5枚ずつである。
いずれの腐食試験も試験時間は1年間として、試験前後の試験片の質量減少量を用いて、各々試験に用いた5枚の試験片の平均値を求めて、耐食性を評価した。ここでの試験前後の質量減少量とは、表面層を含まない母材(鋼材)の質量減少量を意味するものであり、試験前の質量としては表面層形成前の試験片質量を用いた。なお、浸漬法により表面層を形成した場合には、浸漬処理時の母材溶解量と表面層厚さの関係を予め求めておいて、表面層厚さより浸漬処理時の溶解量を見積もり、試験前質量を補正した。また、試験後の質量測定では、腐食試験後にウォータージェット法により腐食生成物および表面層を除去して、母材(鋼材)のみの質量を求めた。
耐食性の評価としては、単位面積当たりの質量減少量の平均値が、0.1kg/m未満であった場合を◎◎、0.1kg/m以上0.5kg/m未満を◎、0.5kg/m以上1kg/m未満を○、1kg/m以上5kg/m未満を△、5kg/m以上を×とした。
[腐食試験結果]
腐食試験結果は表2〜4に示す通りである。
なお、表中成分を含有していないものについては、「−」で示す。また、本発明の構成を満たさないもの等については、数値に下線を引いて示す。
Figure 0004843403
Figure 0004843403
Figure 0004843403
Figure 0004843403
実施例または参考例であるNo.1〜34(本発明の成分範囲に制御したもの、あるは参考例のもの)はいずれも、耐食性の評価において△以上のレベルであり、耐食性に優れていることがわかる。
これに対して、比較例である通常の鋼材のNo.35は、表面層を形成していないため、また、鋼材にCu、Niを含有していないため、いずれの試験においても質量減少量が5kg/m以上と耐食性に劣った。No.36は、鋼材にCu、Niを含有しているため、腐食試験Aでの耐食性がやや改善されてはいるが、表面層を形成していないため、腐食試験Bでは、質量減少量が5kg/m以上と耐食性に劣った。No.37〜No.47は腐食試験Aでの耐食性がやや改善されてはいるが、No.37では表面層中のCu含有量が規定値に満たないため耐食性は不十分な結果となった。No.38〜No.47では表面層中の成分は規定範囲を満たすものであるが、表面層の膜厚が規定値に満たないため耐食性は不十分な結果となった。
これらの結果から、金属元素としてCu、Ni等に加えて、さらにCr、Co等を表面層に規定量含有させることによって、耐食性向上効果は大きくなることがわかる。また、表面層に加えて鋼材の化学成分も調整することによっても耐食性向上効果は大きくなることがわかる。
なお、浸漬法により表面層を形成した場合には、他の形成方法に比べ、低コストで表面層を得ることができた。
以上のように、本発明に係る油類貯蔵容器用耐食鋼材は、重油や原油等の油類貯蔵用容器の材料として優れた耐食性を有することがわかり、腐食による穴あき防止に効果的であることがわかる。
以上、本発明の好適な実施形態、実施例について説明してきたが、本発明は前記実施形態、実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に適合し得る範囲において広く変更、改変して実施することも可能であり、それらはいずれも本発明の技術的範囲に含まれるものである。

Claims (6)

  1. 鋼材の表面に表面層が設けられた、油類貯蔵容器用耐食鋼材において、
    前記鋼材がC:0.01〜0.30質量%、Si:0.01〜2.0質量%、Mn:0.01〜2.0質量%、Al:0.005〜0.10質量%、Cu:0.01〜1.0質量%、Ni:0.01〜1.0質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、
    前記表面層がCu:0.3〜20質量%、Ni:0.3〜20質量%、O:5〜20質量%、S:0.3〜10質量%を含有し、残部がFeおよび不可避的不純物からなり、前記表面層の厚さが50〜800μmであることを特徴とする油類貯蔵容器用耐食鋼材。
  2. 前記表面層が、更に、Cr:0.05〜5.0質量%、Co:0.05〜5.0質量%、Ti:0.05〜5.0質量%、Mg:0.05〜1.0質量%、Ca:0.05〜1.0質量%、Zn:0.05〜1.0質量%から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材。
  3. 前記鋼材が、更に、Cr:0.01〜1.0質量%、Co:0.005〜0.50質量%、Ti:0.005〜0.20質量%、Mg:0.0001〜0.005質量%、Ca:0.0001〜0.005質量%から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材。
  4. 前記鋼材が、更に、B:0.0001〜0.010質量%、V:0.01〜0.50質量%、Nb:0.003〜0.50質量%から選ばれる1種以上を含有することを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれか一項に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材。
  5. 請求項1に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法において、鋼材を、塩水、塩酸および硫酸から選ばれる1種である水溶液とS粉末とを混合した溶液に浸漬することにより、当該鋼材に厚さが50〜800μmの表面層を形成することを特徴とする油類貯蔵容器用耐食鋼材の製造方法。
  6. 請求項1ないし請求項のいずれか一項に記載の油類貯蔵容器用耐食鋼材を使用して作製されたことを特徴とする油類貯蔵容器。
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