JP4842627B2 - 土木用袋体 - Google Patents

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Description

本発明は、筒状織物の内部に充填材が充填されることで形成されている土木構造体、その土木構造体を用いた地盤補強工法、およびその土木構造体を形成するために用いられる土木用袋体に関する。
軟弱地盤等の表層を補強する場合に面状に補強構造を構築することで軟弱地盤等の補強を行う工法が一般的に行われているが、施工の簡易性や強度等の観点から、筒状織物や袋状の織物といった土木用袋体を用いた工法も従来から行われている。そのような工法に関し、筒状織物からなる土木用袋体の内部にモルタルや泥土、砂などの充填材を充填することで形成した土木構造体を用い、織物の引張強度を積極的に利用して土質材料やコンクリート材料を補強するジャケット工法が最近になって開発されている(特許文献1、2、3参照)。この特許文献1、2、3に記載されたジャケット工法では、筒状織物からなる土木用袋体内にモルタル等の固化材を充填材として加圧充填することにより、モルタル類が脱水効果により早期に強度を発揮するようになっている。そしてさらに、硬化したモルタル類の外周に存在する筒状織物の経糸方向(筒状織物の長手方向)の引張強度による補強効果によって土木構造体の曲げ強度が向上するようになっている。このように、剛性の高い土木構造体としての補強体が形成される。
特開2004−251101号公報 特開2005−163309号公報 特開2005−256348号公報
しかしながら、特許文献1、2、3に記載されたジャケット工法に用いられる土木構造体は、充填材としてモルタル類を使用しているため重量の増大を招き易い。そのため、作業スペースが狭い施工現場等での取り扱いにおいて困難を伴う場合もある。そこで、十分な強度を確保するとともに作業環境に応じた容易な取り扱いを可能にする土木構造体を実現する観点からは、強度と重量とのバランスを容易に調整することができる土木構造体を形成することができる土木用袋体が望まれる。
本発明の目的は、強度と重量とのバランスを容易に調整することができることで十分な強度を確保するとともに作業環境に応じた容易な取り扱いを可能にする土木構造体を形成することができる土木用袋体を提供することである。
課題を解決するための手段及び発明の効果
本発明に係る土木用袋体は、内部に充填材を充填することで土木構造体を形成するために用いられる土木用袋体に関する。
そして、本発明に係る土木用袋体は、上記目的を達成するために以下のようないくつかの特徴を有している。すなわち、本発明の土木構造体は、以下の特徴を単独で、若しくは、適宜組み合わせて備えている。
上記目的を達成するための本発明に係る土木用袋体における第1の特徴は、外筒と内筒とを有する二重筒構造の筒状織物として形成されるとともに、前記外筒の内部で前記内筒が当該外筒の長手方向に沿って延びるように配置され、前記外筒の内周と前記内筒の外周との間にて前記筒状織物の長手方向における複数箇所に設けられ、前記外筒の内周と前記内筒の外周との間に空間を形成するリング状のスペーサを更に備えていることである。
この構成によると、外筒の内部で内筒が長手方向に沿って延びるように配置された二重筒構造の筒状織物として土木用袋体が形成される。このため、この土木用袋体を用いて土木構造体を形成する際に、外筒の内周と内筒の外周との間の領域と、内筒の内部の領域とに、それぞれ強度と重量が異なる充填材を充填することが可能になる。これにより、外筒と内筒の寸法を適宜設定することで、作製する土木構造体の強度と重量とのバランスを容易に調整することができる。したがって、この土木用袋体を用いることで、十分な強度を確保するとともに作業環境に応じた容易な取り扱いを可能にする土木構造体を形成することができる。
また、外筒と内筒との間にリング状のスペーサが設けられているため、外筒の内周と内筒の外周との間の領域を周方向に亘ってほぼ偏りなく均一なリング状断面の空間として形成することができる。また、筒状織物の長手方向における複数箇所にスペーサが設けられているため、長手方向に亘っても上記リング状断面の空間をほぼ偏りなく形成することができる。このため、土木構造体を形成するに際して、外筒の内周と内筒の外周との間の領域と、内筒の内部の領域とに対して、それぞれ強度と比重の異なる充填材を充填することで、ほぼ均一なリング状断面の層構造を持った土木構造体を形成することができる。
また、本発明に係る土木用袋体における第の特徴は、外筒と内筒とを有する二重筒構造の筒状織物として形成されるとともに、前記外筒の内部で前記内筒が当該外筒の長手方向に沿って延びるように配置され、
一重筒構造の筒状織物に対して、その長手方向と垂直な断面において断面積の異なる2つの閉断面が形成されるように前記一重筒構造の筒状織物の内面同士を部分的に接合して長手方向に亘って連続する仕切り部を設けることで、前記仕切り部を挟んで配置されて長手方向に平行に延びる大径筒部と小径筒部とを形成する大小径筒部形成工程と、前記大径筒部の表裏を裏返すことで前記小径筒部を前記大径筒部の内部に配して二重筒構造とする二重筒形成工程と、を経て作製され
前記小径筒部からなる前記内筒と前記大径筒部からなる前記外筒とが、前記筒状織物の長手方向において一体化された織物として形成されていることである。
この構成によると、外筒と内筒とが筒状織物の長手方向において一体化された織物として形成されているため、外筒の内部で内筒の位置が長手方向においてずれることがない。このため、長手方向に亘ってほぼ均一な層構造の断面を持った土木構造体を容易に形成することができる。また、大小径筒部形成工程を行った後に大径筒部の表裏を裏返しながら小径筒部を大径筒部の内部に配する二重筒形成工程を経て土木用袋体が作成されるため、外筒と内筒とが筒状織物の長手方向において一体化された織物としての土木用袋体を容易に形成することができる。
また、本発明に係る土木用袋体における第3の特徴は、前記筒状織物の長手方向と垂直な断面において前記外筒の中心位置と前記内筒の中心位置とが偏心するように形成されていることである。
この構成によると、外筒の中心位置と内筒の中心位置とが偏心して形成されているため、外筒の内周と内筒の外周との間の領域と、内筒の内部の領域とのうちのいずれか一方に他方よりも圧縮強度の高い充填材を充填して偏心した高強度層を有する土木構造体を形成することができる。これにより、この土木用袋体を用いて作製された土木構造体に対して長手方向と垂直な断面にて部分的に高い圧縮力が作用するような場合を考慮して圧縮強度の高い充填材を効率よく配置させた土木構造体を形成することができる。
以下、本発明の実施の形態の土木用袋体、土木構造体、地盤補強工法について図面を参照しながら説明する。
(土木用袋体の実施形態)
本発明の実施形態に係る土木用袋体は、内部に充填材を充填することで土木構造体を形成するために用いられるものとして広く適用することができるものである。以下、第1乃至第3実施形態に分けて説明する。
図1は、第1実施形態の土木用袋体1を示す斜視図である。この図1に示すように、土木用袋体1は、外筒11と内筒12とを有する二重筒構造の筒状織物として形成されている。そして、この土木用袋体1では、外筒11の内部で内筒12が外筒11の長手方向に沿って延びるように配置されている。外筒11及び内筒12を構成する筒状織物は、周方向において継ぎ目の無い円筒断面の織物として形成されている。なお、この土木用袋体1は、図2に示すように、外筒11の内部に内筒12を挿通することで作製される。
図3は筒状織物の長手方向(土木用袋体1の長手方向)と垂直な断面を示したものであるが、この図3に示すように、土木構造体の形成に用いる際に同心円状に外筒11と内筒12とを配置して用いることができる。また、土木構造体の形成に用いる際に、筒状織物の長手方向と垂直な断面において外筒11の中心位置と内筒12の中心位置とを偏心するように配置して用いることもできる。また、外筒11の内周と内筒12の外周とを部分的に接合しておき、外筒11の中心位置と内筒12の中心位置とが必ず偏心するように形成してもよい。
この土木用袋体1によると、外筒11の内部で内筒12が長手方向に沿って延びるように配置された二重筒構造の筒状織物として形成される。このため、この土木用袋体1を用いて土木構造体を形成する際に、外筒11の内周と内筒12の外周との間の領域と、内筒12の内部の領域とに、それぞれ強度と比重が異なる充填材を充填することが可能になる。これにより、外筒11と内筒12の直径を適宜設定することで各々の充填材の占める断面積を調整でき、作製する土木構造体の強度と重量とのバランスを容易に調整することができる。したがって、この土木用袋体1を用いることで、十分な強度を確保するとともに作業環境に応じた容易な取り扱いを可能にする土木構造体を形成することができる。
次に土木用袋体の第2実施形態について説明する。図4及び図5は第2実施形態の土木用袋体2を示す断面図であり、図4は筒状織物の長手方向と平行な断面で示したものであり、図5は長手方向と垂直な断面で示したものである。なお、図4は図5のIV−IV線矢視断面図になっており、図5は図4のV−V線矢視断面図になっている。
図4及び図5に示す土木用袋体2は、第1実施形態の土木用袋体1と同様に、外筒11と内筒12とを備えているが、土木用袋体1とは異なり、さらに複数のスペーサ13を備えている。スペース13は、リング状に形成されており、外筒11の内周と内筒12の外周との間にて筒状織物の長手方向における複数箇所に設けられている。そして、このスペーサ13が外筒11の内周と内筒12の外周との間の領域に配置されることで、その領域に空間を形成するようになっている。なお、各スペーサ13には、外筒11内に充填材が充填されたときにスペーサ13を充填材が通過して流動することができるようにするための複数の孔13aが設けられている。
この土木用袋体2によると、外筒11と内筒12との間にリング状のスペーサ13が設けられているため、外筒11の内周と内筒12の外周との間の領域を周方向に亘ってほぼ偏りなく均一な幅のリング状断面の空間として形成することができる。また、筒状織物の長手方向における複数箇所にスペーサ13が設けられているため、長手方向に亘っても上記リング状断面の空間をほぼ偏りなく形成することができる。このため、土木構造体を形成するに際して、外筒11の内周と内筒12の外周との間の領域と、内筒12の内部の領域とに対して、それぞれ強度と比重の異なる充填材を充填することで、ほぼ均一なリング状断面の層構造を持った土木構造体を形成することができる。
次に土木用袋体の第3実施形態について説明する。図6は第3実施形態の土木用袋体3を示す斜視図であり、図7は土木用袋体3の長手方向と垂直な断面での断面図である。図6及び図7に示す土木用袋体3は、第1実施形態の土木用袋体1と同様に、外筒14と内筒15とを有する二重筒構造の筒状織物として形成されるとともに、外筒14の内部で内筒15が外筒14の長手方向に沿って延びるように配置されている。しかし、第1実施形態とは異なり、土木用袋体3では、外筒14と内筒15とが、筒状織物の長手方向において一体化された織物として形成されている。すなわち、直線状に設けられている仕切り部16を介して外筒14と内筒15とが一体化された状態として形成されている。
図8は、土木用袋体3を作製する工程の例を説明する斜視図である。図8に作製工程を例示する土木用袋体3は、大小径筒部形成工程と、二重筒形成工程とを経て作製される。
図8に示すように、大小径筒部形成工程では、一重筒構造の筒状織物に対して、その長手方向と垂直な断面において断面積の異なる2つの閉断面が形成されるように一重筒構造の筒状織物の内面同士を部分的に接合して長手方向に亘って連続する仕切り部16が設けられる。この仕切り部16は、例えば、縫製によって形成される。そして、大小径筒部形成工程では、この連続する仕切り部16が設けられることで、断面積の大きい大径筒部17と断面積が小さい小径筒部18とが仕切り部16を挟んで配置されて長手方向に平行に延びるように形成される。
二重筒形成工程は、大小径筒部形成工程に引き続いて行われる。二重筒形成工程では、仕切り部16が設けられて大径筒部17と小径筒部18とが形成された筒状織物に対して、図8に矢印で示すように大径筒部17の表裏を裏返していくことで、小径筒部18を大径筒部17の内部に配し、最終的に図6に示すような二重筒構造が形成される。すなわち、土木用袋体3では、裏返された大径筒部17により外筒14が構成され、大径筒部17の中に入れられた小径筒部18により内筒15が構成されることになる。
この土木用袋体3によると、大小径筒部形成工程を行った後に大径筒部17の表裏を裏返しながら小径筒部18を大径筒部17の内部に配する二重筒形成工程を経て作成されるため、外筒14と内筒15とが筒状織物の長手方向において一体化された織物としての土木用袋体を容易に形成することができる。
(土木構造体の実施形態)
次に、土木構造体の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る土木構造体は、筒状織物の内部に充填材が充填されることで形成されるものとして広く適用することができるものである。以下、第1乃至第4実施形態に分けて説明する。
図9は、第1実施形態の土木構造体22を示す断面図であり、土木構造体22における長手方向と垂直な断面を示したものである。この土木構造体22は、土木用袋体の実施形態における第1実施形態の土木用袋体1を用いて作製することができる。
図9に示すように、土木構造体22は、二重筒として形成されている筒状織物であって外筒11と内筒12とを有する土木用袋体1と、比重の小さい軽量土層38と、圧縮強度の高い高強度層39とを備えて構成されている。そして、筒状織物の外筒11の内周と内筒12の外周との間に高強度層39が形成され、内筒12の内部に軽量土層38が形成されている。軽量土層38および高強度層39は、土木構造体22の長手方向に亘って同心円状の二層断面を形成するように設けられている。
軽量土層38を形成する軽量土としては、発泡廃ガラス、発泡ビーズ、およびゴムチップのうちの少なくともいずれか、またはこれらのうちの少なくともいずれかと粘土および砂質土のうちの少なくともいずれか一方との混合土、のうちのいずれかを用いることができる。また、軽量土として、エアモルタルまたはエアミルクを用いることもできる。高強度層39を形成する高強度充填材としては、金属、樹脂、コンクリート材料、セメントミルクおよび土質材料のうちの少なくともいずれかを用いることができる。
土木構造体22を作製するときは、外筒11と内筒12からなる二重筒の土木用袋体1を準備し、外筒11に対しては内部に充填材を注入可能な外筒用注入口を取り付け、内筒12に対しては内部に充填材を注入可能な内筒用注入口を取り付ける。そして、内筒12の長手方向における両端部分を縫製等によって閉じ合わせてから、内筒用注入口からエアミルク等の軽量土を注入して内筒12の内部に充満させて硬化させる。内筒12内の軽量土が硬化すると、この内筒12を外筒11の中に入れた状態で、外筒11の長手方向の両端部分を内筒12の長手方向の両端部分とともにそれぞれ縫製等によって閉じ合わせる。そして、この外筒11と内筒12とを真っ直ぐに吊り下げて、外筒用注入口からセメントミルク等の高強度充填材を注入する。これにより、外筒11の内周と内筒12の外周との間の領域に高強度充填材が充填されることになる。高強度充填材が硬化することで、二重筒の内側に軽量土層38が外側に高強度層39が同心円状に形成された土木構造体22が形成されることになる。なお、作製方法は必ずしもこの通りでなくてもよく、両端部分の閉じ合わせタイミングを変更してもよく、吊り下げる工程を経ずに作製してもよい。また、内筒用注入口や外筒用注入口を用いずに作製してもよい。
ここで、土木構造体22について実際に作製した実施例について説明する。土木用袋体1としては、経糸が295dtex/4×2×311本、緯糸が1222dtex/3×5.5本/cmで織成された呼称φ50cmの筒状織物を外筒とし、経糸が295dtex/6×2×130本、緯糸が1833dtex/1×6本/cmで織成された呼称φ25cmの筒状織物を内筒として用いた二重筒のポリエステル製筒状織物を用いた。そして、軽量土としてエアミルクを用いて軽量土層38を形成し、高強度充填材としてポルトランドセメントを用いて高強度層39を形成して土木構造体22の試験片を作製した。なお、作製後における試験片は、軽量土層38の直径が30mm、高強度層39の直径(外径)が55.6mm、長さ(長手方向の寸法)が400であった。なお、高強度層39のポルトランドセメントのW/C%は60%であり、軽量土層38のエアミルクは表1に示す配合のものを用いた。
Figure 0004842627
上述した試験片に対して、万能試験機を用いて試験速度5mm/min、支点間距離168mmで3点曲げ試験を行った。図10は、この3点曲げ試験結果を示したものであり、曲げ応力−ひずみ曲線を示したものである。なお、点線は土木構造体22の試験片と外径寸法が同一のポルトランドセメント単体の比較用試験片(袋体は用いられていないもの)の強度レベルを示している。図10に示すように、土木構造体22の試験片は、変位に対して急激に応力が増加し、充填材が初期破壊(初期破壊が発生したポイントを図中矢印Aで示す)を起こした後も応力は増加し続け、応力値21MPaで荷重点下の引張側で試験片が破断した。ポルトランドセメント単体の強度7MPaと比較すると、3倍の強度を有することがわかった。この結果より、土木構造体22によると、ポルトランドセメント単体よりも強度を向上させつつ軽量化も図れることが確認された。
以上説明した土木構造体22によると、十分な強度を確保するとともに作業環境に応じた容易な取り扱いを可能にする土木構造体を得ることができる。そして、この土木構造体22によると、二重筒として形成された筒状織物における外筒11と内筒12との間に高強度充填材を充填することで高強度層39を容易に形成することができる。そして、外筒11と内筒12との間に高強度層39を形成するため、土木構造体の外周近傍部分において周方向に亘ってほぼ偏りなく均一に分布した高強度層39を形成し易い。このため、長手方向と垂直な断面における強度上の偏りがなく施工時において土木構造体の配置にあたり、その外周面のどの位置をも高い圧縮力が作用する側に向けることができ、取り扱いが容易になる。また、内筒12の断面積寸法を適宜設定することで土木構造体としての強度と重量とのバランスを容易に調整することができる。
次に土木構造体の第2実施形態について説明する。図11は、第2実施形態の土木構造体23を示す断面図であり、土木構造体23における長手方向と垂直な断面を示したものである。この土木構造体23は、土木構造体22と同様に、土木用袋体の実施形態における第1実施形態の土木用袋体1を用いて作製することができる。
図11に示すように、土木構造体23は、二重筒として形成されている筒状織物であって外筒11と内筒12とを有する土木用袋体1と、比重の小さい軽量土層40と、圧縮強度の高い高強度層41とを備えて構成されている。そして、筒状織物の外筒11の内周と内筒12の外周との間に高強度層41が形成され、内筒12の内部に軽量土層40が形成されている。土木構造体23の長手方向と垂直な断面において外筒11の中心位置と内筒12の中心位置とが偏心するように、軽量土層40と高強度層41とが形成されている。また、軽量土層40および高強度層41は、土木構造体23の長手方向に亘って偏心した状態のままの二層断面を形成するように設けられている。なお、軽量土層40を構成する軽量土と、高強度層41を構成する高強度充填材とについては、第1実施形態の土木構造体22と同様の軽量土および高強度充填材を用いることができる。
図12は、土木構造体23を作製する工程を例示した断面図である。まず、二重筒状態の土木用袋体1において、両端部分を縫製等により閉じた内筒12に対して、図12(a)に示すように、取り付けた内筒用注入口(図示せず)から軽量土42を注入して内部に充填する。そして、軽量土42を硬化させた後、外筒11の両端部分を縫製等により閉じ合わせ、図12(b)に示すように、取り付けた外筒用注入口(図示せず)から高強度充填材を注入して外筒11と内筒12との間に充満させる。このとき、高強度充填材43よりも軽量土42の方が比重が小さいため、その比重差によって軽量土42が充填された内筒12が高強度充填材43中で浮き上がることになる(図12(b)参照)。このまま高強度充填材43を硬化させることで外筒11の中心位置と内筒12の中心位置とが偏心した軽量土層40と高強度層41とを有する断面状態の二重筒構造の土木構造体23が形成されることになる。なお、外筒11および内筒12の両端部分を閉じ合わせるタイミング、充填材(42、43)の注入の仕方、軽量土42の硬化タイミングと高強度充填材43の注入タイミングとの関係などについては、適宜変更して実施することができる。
次に土木構造体の第3実施形態について説明する。図13は、第3実施形態の土木構造体24を示す断面図であり、土木構造体24における長手方向と垂直な断面を示したものである。この土木構造体24は、第3実施形態の土木構造体23に対して軽量土層と高強度層との配置が入れ替わったものとして形成されている。
図13に示すように、土木構造体24は、二重筒として形成されている筒状織物であって外筒11と内筒12とを有する土木用袋体1と、比重の小さい軽量土層44と、圧縮強度の高い高強度層45とを備えて構成されている。そして、筒状織物の外筒11の内周と内筒12の外周との間に軽量土層44が形成され、内筒12の内部に高強度層45が形成されている。土木構造体24の長手方向と垂直な断面において外筒11の中心位置と内筒12の中心位置とが偏心するように、軽量土層44と高強度層45とが形成されている。また、軽量土層44および高強度層45は、土木構造体24の長手方向に亘って偏心した状態のままの二層断面を形成するように設けられている。なお、軽量土層44を構成する軽量土と、高強度層45を構成する高強度充填材とについては、第1実施形態の土木構造体22と同様の軽量土および高強度充填材を用いることができる。
土木構造体24を作製するときは、例えば、二重筒状態の土木用袋体1を水平に載置した状態で、まず、内筒12内に高強度充填材を充填して硬化させ、次いで、水平に載置した状態のままで外筒11と内筒12との間に軽量土を充填して硬化させることで形成することができる。
この土木構造体24によると、二重筒として形成された筒状織物における内筒12の内部に高強度充填材を充填することで軽量土層44と区画された状態で筒状織物の長手方向に延びる高強度層45を容易に形成することができる。そして、外筒11の中心位置と内筒12の中心位置とが偏心していて内筒11の内部に高強度層45が形成されているため、軽量土層44よりも高強度層45により高い圧縮力が作用するように高強度層45を配置することを容易に実現できる。これにより、高強度層45をより効率よく配置できるため、必要な強度を確保しつつより土木構造体の軽量化を図ることができる。また、内筒12の断面積寸法を適宜設定することで土木構造体としての強度と重量とのバランスを容易に調整することができる。
次に土木構造体の第4実施形態について説明する。図14は、第4実施形態の土木構造体25を示す断面図であり、土木構造体25における長手方向と垂直な断面を示したものである。この土木構造体25は、土木用袋体の実施形態における第3実施形態の土木用袋体3を用いて作製することができる。
図14に示すように、土木構造体25は、その長手方向において一体化された二重筒として形成されている筒状織物であって外筒14と内筒15とを有する土木用袋体3と、比重の小さい軽量土層46と、圧縮強度の高い高強度層47とを備えて構成されている。そして、筒状織物の外筒14の内周と内筒15の外周との間に軽量土層46が形成され、内筒15の内部に高強度層47が形成されている。土木構造体25の長手方向と垂直な断面において外筒14の中心位置と内筒15の中心位置とが偏心するように、軽量土層46と高強度層47とが形成されている。また、軽量土層46および高強度層47は、土木構造体25の長手方向に亘って偏心した状態のままの二層断面を形成するように設けられている。なお、軽量土層46を構成する軽量土と、高強度層47を構成する高強度充填材とについては、第1実施形態の土木構造体22と同様の軽量土および高強度充填材を用いることができる。
土木構造体25を作成するときは、例えば、土木用袋体3を水平に載置した状態で、まず、内筒15内に高強度充填材を充填して硬化させ、次いで、水平に載置した状態のままで外筒14と内筒15との間に軽量土を充填して硬化させることで形成することができる。
この土木構造体25によると、二重筒として形成された筒状織物における内筒15の内部に高強度充填材を充填することで高強度層47を容易に形成することができる。そして、外筒14の中心位置と内筒15の中心位置とが偏心していて内筒15の内部に高強度層47が形成されているため、軽量土層46よりも高強度層47により高い圧縮力が作用するように高強度層47を配置することを容易に実現できる。これにより、高強度層47をより効率よく配置できるため、必要な強度を確保しつつより土木構造体の軽量化を図ることができる。また、内筒15の断面積寸法を適宜設定することで土木構造体としての強度と重量とのバランスを容易に調整することができる。また、外筒14と内筒15とが一体化された織物として形成されているため、外筒14の内部で内筒15の位置が長手方向においてずれることがなく、安定した断面形状の軽量土層46と高強度層47とを容易に形成することができる。
図15は、土木構造体25を複数用いて浮島を構築する例を説明する斜視図である。この浮島は、並列配置した土木構造体25とシート48とを複数層積層することで構築されている。そして、並列配置された土木構造体25の斜視断面図である図16に示すように、外筒14と内筒15との間に充填されたエアモルタル等からなる軽量土層46に対して、内筒15内に充填されたモルタル等からなる高強度層47が天井側(上側)に位置するように、各土木構造体25が配置されている。これにより、軽量土層46よりも高強度層47により大きい圧縮力が作用するように各土木構造体25が配置されることになり、曲げ荷重に対して十分な耐力を発揮することができる。そして、筏状に組み合わされた土木構造体25における軽量土層46によって十分な軽量化が図れていることで、水に浮かぶ浮島を構築することができる。このように、土木構造体25の軽量性と梁としての剛性とを利用することで、浮島の基盤を作製することができる。なお、土木構造体25と同様に土木構造体22〜24を用いて浮島を構築することもできる。
(地盤補強工法の実施形態)
次に、地盤補強工法の実施形態について説明する。本発明の実施形態に係る地盤補強工法は、上述した第1乃至第4実施形態の土木構造体(22〜25)のいずれかを単独で若しくは適宜組み合わせて用いた地盤補強工法として実施される。そして、軽量土層よりも高強度層により大きい圧縮力が作用するように土木構造体(22〜25)を配置することで行われる。
図17は、土木構造体25を用いた地盤補強工法によって軟弱地盤を補強する地盤補強構造の例を説明する斜視図である。補強する軟弱地盤49上にシート50を配置し、そのシート50上に土木構造体25を格子状に配置することで、図17に示す地盤補強構造を構築することができる。土木構造体25としては、例えば、内筒15の内部には高強度充填材として砂を緻密に充填し、外筒14と内筒15との間には軽量土として発泡廃ガラスを充填したものを用いることができる。
この地盤補強構造を恒久的な地盤として形成してその上に道路等を構築することもでき、また、恒久的な地盤としてだけでなく仮設地盤として形成してその上に例えば鉄板等を載置して仮設の道路等を構築することもできる。また、具体的には、例えば、山間部での休耕田を一時的に重機が走行できる仮設道路として使用したり、台風災害等で発生した泥土流出地帯に重機等の機材が設置できる仮設地盤を形成したりすることに利用することができる。なお、土木構造体25と同様に土木構造体22〜24を用いて図17に示す地盤補強構造を構築することもできる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は前述の実施の形態に限られるものではなく、特許請求の範囲に記載した限りにおいて様々に変更して実施することが可能なものである。
本発明の第1実施形態の土木用袋体を示す斜視図である。 図1に示す土木用袋体を作製する工程を説明する斜視図である。 図1に示す土木用袋体の断面図である。 本発明の第2実施形態の土木用袋体を示す断面図である。 図4のV−V線矢視断面図である。 本発明の第3実施形態の土木用袋体を示す斜視図である。 図6に示す土木用袋体の断面図である。 図6に示す土木用袋体を作製する工程を説明する斜視図である。 本発明の第1実施形態の土木構造体を示す断面図である。 図9に示す土木構造体の試験片に対して3点曲げ試験を行った結果を示す図である。 本発明の第2実施形態の土木構造体を示す断面図である。 図17に示す土木構造体を作製する工程を説明する断面図である。 本発明の第3実施形態の土木構造体を示す断面図である。 本発明の第4実施形態の土木構造体を示す断面図である。 図14に示す土木構造体を用いて形成される浮島を説明する斜視図である。 図15に示す浮島における土木構造体の斜視図である。 本発明の実施形態に係る地盤補強工法によって形成される地盤補強構造を説明する斜視図である。
符号の説明
21 土木構造体
31 筒状織物
32 軽量土層
33 高強度層

Claims (3)

  1. 内部に充填材を充填することで土木構造体を形成するために用いられる土木用袋体であって、
    外筒と内筒とを有する二重筒構造の筒状織物として形成されるとともに、前記外筒の内部で前記内筒が当該外筒の長手方向に沿って延びるように配置され
    前記外筒の内周と前記内筒の外周との間にて前記筒状織物の長手方向における複数箇所に設けられ、前記外筒の内周と前記内筒の外周との間に空間を形成するリング状のスペーサを更に備えていることを特徴とする土木用袋体。
  2. 内部に充填材を充填することで土木構造体を形成するために用いられる土木用袋体であって、
    外筒と内筒とを有する二重筒構造の筒状織物として形成されるとともに、前記外筒の内部で前記内筒が当該外筒の長手方向に沿って延びるように配置され
    一重筒構造の筒状織物に対して、その長手方向と垂直な断面において断面積の異なる2つの閉断面が形成されるように前記一重筒構造の筒状織物の内面同士を部分的に接合して長手方向に亘って連続する仕切り部を設けることで、前記仕切り部を挟んで配置されて長手方向に平行に延びる大径筒部と小径筒部とを形成する大小径筒部形成工程と、
    前記大径筒部の表裏を裏返すことで前記小径筒部を前記大径筒部の内部に配して二重筒構造とする二重筒形成工程と、を経て作製され、
    前記小径筒部からなる前記内筒と前記大径筒部からなる前記外筒とが、前記筒状織物の長手方向において一体化された織物として形成されていることを特徴とする土木用袋体。
  3. 前記筒状織物の長手方向と垂直な断面において前記外筒の中心位置と前記内筒の中心位置とが偏心するように形成されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の土木用袋体。
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