JP4842456B2 - ウエットモータポンプ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ウエットモータポンプに係り、特にウエットモータポンプのハウジングの構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、遠心型ポンプでモータとポンプを一体化し取扱い液が漏れないようにしたシールレスモータポンプにおいて、取扱い液の一部をモータ部に導入して、軸受けの潤滑、モータの冷却を図るウエットモータポンプまたはサブマージドポンプが用いられる。図3は、従来例のウエットモータポンプの断面図で、モータ部1とポンプ部2が一体化されている。モータ部1は、ハウジング3の内部にロータ5とステータ6を備え、ステータ6は必要な場合止め具7によりハウジングに強固に固定される。ポンプ部2において、モータ回転軸4の一方端にインペラ8が取付けられ、取扱い液吸込口9、吐出口10を備える。またモータ部1に取扱い液の導入口11a、排出口11cが設けられ、モータ内部に取扱い液の一部が流れるモータ内部流路11bが形成される。この従来例において、モータが駆動されると、回転軸に取付けられたインペラ8が高速回転し、吸込口9より取扱い液を吸込んで、遠心力により吐出口より吐出し、ポンプの所定の揚圧を得る。また、取扱い液の一部は取扱い液導入口11aからモータ内部に導入され、モータ内部流路11bにより軸受けの潤滑、ステータコイル等の発熱部の冷却を行ない、取扱い液排出口11cより排出される。このモータ内部流路11bにおいて、流路抵抗が最大となるところは、ロータ5とステータ6の隙間で形成されるロータとステータの間の流路12aで、ここでモータ内部流路11bの総流量が制限される。この隙間が小さいと所定の冷却能力を発揮するには、導入される取扱い液の圧力を高くしなければならないがそれにも限度があった。
【0003】
そこで、ハウジングを鋳物製とし、その内部に新たな流路を設けることが行われる。図4に鋳物製ハウジングの例として、図4(a)に回転軸に沿った断面図、図4(b)に回転軸に直角なB−B面における断面図を示す。ここでは、鋳物製ハウジング13の内面に前記ステータ6の外周と密接するステータ保持部と、前記ステータ6との間に間隙を設けるハウジング液流路部12bを設けている。これにより所定の冷却能力を確保できることから、鋳物製ハウジングが多く用いられる。しかし、鋳物製ハウジング13は、ステータ外径が異なると別木型が必要となる。これをある程度防ぐためには、ハウジング液流路部12bの底からステータ保持部の頂部までの凸部の高さhを予め高くし、ステータ外径が異なってもその外径に合わせてその凸部の高さhを追加工して低くすることにより対応してきた。しかしこの場合、その凸部の高さhを予め高く設定するため、ハウジングの外径が大きくなり、ウエットモータポンプ全体の外径も大型化する課題がある。
【0004】
一方で、ステータ外径が異なっても設計上小型化が容易で、より簡明なハウジングの構造として、板材を曲げて、ステータ6の外周に沿わせてバンド状に巻き、筒状にしてしっかりと密接させつなぎ目を溶接等で接合するバンド型ハウジング14とする構造がある。図5にバンド型ハウジングについて回転軸に沿った断面図を示したが、この場合モータ内部流路11bは、ロータとステータの間の流路12aで制限されるので、前述の冷却能力に問題がある。この場合冷却液の総量が少なくてもモータとして適用できるよう、例えばモータの材料を適切に変更するなどの方法で解決していく必要が有るが、これらは当然コスト高となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
このように従来のウエットモータポンプにおいて、鋳物製ハウジングは、冷却能力の確保には対応できるが、多種多様の外形の異なるステータに適合するためには、それぞれ別木型を用意するか、あるいは予め大き目に作っておいて追加工で対応するか、いずれにせよ多種多様の鋳物製ハウジングを在庫として用意せねばならない。
【0006】
そこで本発明の目的は、ウエットモータポンプにおいて、従来例の課題を解決し、冷却能力を確保する液流路を設けることができて、多種多様の外径の異なるステータに適合するためのハウジングの構造の変更を簡易な方法で行うことができ、用意すべきハウジングの型の種類を少なくすることで、冷却能力を確保しつつ経済効果が高いバンド型ハウジングを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
前述の目的を達成するため、本発明は、ハウジング内にロータとステータを備えるモータ部と、モータ回転軸の少なくとも一方端に配設されたポンプ部を有し、前記ポンプ部の取扱い液の一部を前記モータ部に導入するウエットモータポンプにおいて、前記ハウジングは、板材を曲げて、前記モータ部のステータの外周に合わせてバンド状に巻き、筒状にして密接させ、つなぎ目を接合するバンドの外形を形成する外形部分と、前記外形部分の内面側に、複数の短冊形の別部材を溶接で接合して形成される複数の凸部と、を有し、前記複数の凸部が前記モータ部の前記ステータの外周と密接して前記ステータを保持し、隣接する前記凸部の間に設けられる間隙が前記ハウジング内を流れる液の液流路部を形成することを特徴とする。
【0008】
また本発明に係るウエットモータポンプにおいては、前記複数の凸部は、短冊形の前記別部材を前記外形部分に溶接して形成されることを特徴とする。
【0009】
本発明に係るウエットモータポンプにおいては、ハウジングを、板材を筒状にし、その内面に前記ステータの外周と密接するステータ保持部と、前記ステータとの間に間隙を設ける液流路部とを有するバンド型ハウジングとしたので、冷却能力を確保する液流路を設けることができて、多種多様の外径の異なるステータに適合するためのハウジングの構造の変更を簡易な方法で行うことができ、用意すべきハウジングの型の種類を少なくすることができる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下図面を用いて本発明の実施の形態について詳細に説明する。図1に、本発明のウエットモータポンプにおけるバンド型ハウジングの第一の実施の形態を示す。図1(a)は回転軸に沿ったA−A切断面におけるハウジング周りの断面図、図1(b)はB−B切断面におけるハウジング周りの断面図である。バンド型ハウジング14は、ステータ6の外周に密接する内バンド15と、内バンド15の外周にある外バンド16の二層構造である。図1(c)は内バンド15の展開図を示し、図1(d)は、(c)で示すD−D切断面における断面図である。内バンド15には溝穴17が設けられ、溝穴17の長手方向の長さはステータ6の軸方向の長さより長い。溝穴17は貫通穴でなくても溝底を有する溝でも良い。この内バンド15を曲げて、ステータ6の外周に沿わせてバンド状に巻き、筒状にしてしっかりと密接させ必要なときはつなぎ目を溶接等で接合し、つぎにその外周に沿わせて外バンド16をバンド状に巻き、筒状にしてしっかりとつなぎ目を溶接等で接合する。
【0011】
かかる本発明の第一の実施の形態においては、溝穴でない部分18でステータ6の外周と密接してステータ6を保持し、溝穴17の部分がハウジング液流路部を形成する。そこで内バンド15について、ウエットモータポンプの冷却能力から要求されるモータ内部流路11bの設計に従って、必要な溝穴の数、大きさまたは溝底を有する溝の数、深さ、大きさを定めることで、冷却能力を確保する液流路を設けることができて、多種多様の外径の異なるステータに適合するためのハウジングの構造の変更を、必要な溝穴または溝底を有する溝を加工する簡易な方法で行うことができ、用意すべきハウジングの型の種類を少なくすることができる。
【0012】
図2に、本発明のウエットモータポンプにおけるバンド型ハウジングの第二の実施の形態を示す。図2(a)は回転軸に沿ったA−A切断面におけるハウジング周りの断面図、図2(b)はB−B切断面におけるハウジング周りの断面図、図2(c)はバンド型ハウジング14の展開図、図2(d)はその展開図におけるD−D切断面における断面図である。バンド型ハウジング14は、バンドの外形を構成する部分19と、凸部を形成する部分20を有する構造で、凸部を形成する部分20はバンドの外形を構成する部分19の内面に配置される。この凸部を形成する部分20は、バンドの外形を構成する部分19の板材に、複数の短冊状の別板材を準備して溶接などで接合して形成できる。バンド型ハウジング14は、このようにして形成した板材を曲げて、凸部を形成する部分20をステータ6の外周に沿わせつつバンド状に巻き、筒状にしてしっかりと密接させつなぎ目を溶接等で接合する方法で製作できる。このときのクランプ力でステータ6の軸方向の保持が行われるが、それでもクランプ力が足りない場合はピン等の止め具を用いて固定することもできる。
【0013】
かかる本発明の第二の実施の形態においては、凸部を形成する部分20がステータ6の外周と密接してステータ6を保持し、凸部と凸部の間の空間21によってバンドの外形を構成する部分19とステータ6との間に間隙が設けられ、その間隙がハウジング液流路部を形成する。したがって、ウエットモータポンプの冷却能力から要求されるモータ内部流路11bの設計に従って、凸部と凸部の間の空間21の広さおよび凸部を形成する部分20の幅、高さ(厚み)、数を定め、これに対応する短冊状の別部材をバンドの外形を形成する部分19に溶接等により接合することで、冷却能力を確保する液流路を設けることができて、多種多様の外径の異なるステータに適合するためのハウジングの構造の変更を、必要な短冊形の別部材を溶接する簡易な方法で行うことができ、用意すべきハウジングの型の種類を少なくすることができる。またこの凸部を形成する部分20とバンドの外形を構成する部分19を圧延、プレス加工などで一体化製作してもよく、また凸部を形成する部分20はその上面が平面であることは必要でなく、たとえば上面が円弧状の凸形状を有するものでも良い。
【0014】
本発明の実施の形態においては、バンド型ハウジングの板材の一方の面は平坦である図面で説明したが、これに限定されず、例えば波型断面の板材を曲げて筒状として、その内面の波形の凸部にステータ6を密接させ、凹部とステータ6の間隙をハウジング液流路部としたバンド型ハウジングとして本発明を簡単な工程で実施できる。
【0015】
【発明の効果】
本発明に係るウエットモータポンプにおいては、ハウジングを、板材を筒状にし、その内面に前記ステータの外周と密接するステータ保持部と、前記ステータとの間に間隙を設ける液流路部とを有するバンド型ハウジングとしたので、冷却能力を確保する液流路を設けることができた。さらに多種多様の外径の異なるステータに適合するためのハウジングの構造の変更を簡易な方法で行うことができ、用意すべきハウジングの型の種類を少なくすることができ、冷却能力を確保しつつ経済効果が高いバンド型ハウジングを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】 (a)と(b)は本発明のウエットモータポンプにおけるバンド型ハウジングの第一の実施の形態の断面図、(c)は内バンドの展開図、(d)は展開した内バンドの断面図である。
【図2】 (a)と(b)は本発明のウエットモータポンプにおけるバンド型ハウジングの第二の実施の形態の断面図、(c)はその展開図、(d)はその展開図における断面図である。
【図3】 従来例のウエットモータポンプの断面図である。
【図4】 (a),(b)は従来例の鋳物製ハウジングの断面図である。
【図5】 従来例のバンド型ハウジングの断面図である。
【符号の説明】
1 モータ部、2 ポンプ部、3 ハウジング、4 回転軸、5 ロータ、6ステータ、7 止め具、8 インペラ、9 吸込口、10 吐出口、11a 取扱い液導入口、11b モータ内部流路、11c 取扱い液排出口、12a ロータとステータの間の流路、12b ハウジング液流路部、13 鋳物製ハウジング、14 バンド型ハウジング、15 内バンド、16 外バンド、17 溝穴、18 溝穴でない部分、19 バンドの外形を構成する部分、20 凸部を形成する部分、21 凸部と凸部の間の空間。

Claims (1)

  1. ハウジング内にロータとステータを備えるモータ部と、モータ回転軸の少なくとも一方端に配設されたポンプ部を有し、前記ポンプ部の取扱い液の一部を前記モータ部に導入するウエットモータポンプにおいて、
    前記ハウジングは、板材を曲げて、前記モータ部のステータの外周に合わせてバンド状に巻き、筒状にして密接させ、つなぎ目を接合するバンドの外形を形成する外形部分と、
    前記外形部分の内面側に、複数の短冊形の別部材を溶接で接合して形成される複数の凸部と、
    を有し、
    前記複数の凸部が前記モータ部の前記ステータの外周と密接して前記ステータを保持し、隣接する前記凸部の間に設けられる間隙が前記ハウジング内を流れる液の液流路部を形成することを特徴とするウエットモータポンプ。
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