JP4840632B2 - ゲルマニウム添加セリウム賦活シンチレータ - Google Patents

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Description

本発明は、医療用PET装置、高エネルギー物理及び石油探査等に用いられるシンチレータに関する。
陽電子放出核種断層撮像装置(Positron Emission computed Tomography、以下PET)では、どのような特性あるいは仕様のシンチレータを採用するかが装置全体の性能を向上させる上で最も重要な要因の一つとなる。米国を中心にPET診断の保険適用が進みビジネス拡大が進む中、高性能なPET装置を得るために、優れたシンチレータ材料の探索、実用化のための育成技術開発等が精力的に進められている。また、高エネルギー物理分野では、宇宙からの微量な高エネルギー粒子を検出する等の実験に使用するために、微量の高エネルギー粒子を効率よく検出できるシンチレータが求められている。
PETに用いられるシンチレータに求められる性能には、蛍光出力、蛍光減衰時間、エネルギー分解能等の特性があるが、患者の負担を軽減するためには特に、一人当たりの診断時間を短くする必要があり、そのためには蛍光減衰時間の短いシンチレータが求められている。蛍光減衰時間の短いシンチレータとして、CeLn2−xSiOまたは、CeLn2−yAIOシンチレータ(ここでLnはSc、Y、La、Gd又はLu、0<x<0.1、0<y<0.1)等が知られている。この場合、母材中のランタノイドの一部がセリウムで置換されて発光中心として機能し得る。
そして、例えば、CeGd2−xSiOを用いたシンチレータでは、ガドリニウムに対するセリウムの置換量を増加させることで蛍光減衰時間を短縮することができることが知られている。
特公平8−3532号公報
セリウムを発光中心とするシンチレータの問題点として、セリウムの価数変化がある。セリウムは3価と4価の価数変化を起こしやすい元素であるが、ここで、3価のセリウムは発光中心となるのに対し、4価のセリウムは発光に寄与しないばかりでなく、3価のセリウムからの発光を吸収するという問題がある。したがって、セリウムを発光中心とするシンチレータでは、シンチレータ中のセリウムを3価に安定させることで、発光効率を上げることが出来る。また、例えば、セリウム賦活珪酸ガドリニウム(CeGd2−xSiO)では、ガドリニウムに対するセリウムの置換量を増加させることで蛍光減衰時間を短縮することが出来ることが知られているが、ガドリニウムに対するセリウムの置換量を増加させると4価のセリウムの増加により、シンチレータが淡黄色に着色し、発光効率が下がるためにガドリニウムに対するセリウムの置換量を増加させることが困難であるという問題がある。
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、蛍光出力が十分に大きくかつエネルギー分解能の値が小さいシンチレータ性能が良いシンチレータを提供することを目的とする。
本発明者は上記課題を解決するために種々検討を行った結果、セリウムを発光中心とするシンチレータにゲルマニウムを添加することで、蛍光出力の増加とエネルギー分解能の向上したシンチレータ性能に優れるシンチレータが得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、[1]ガドリニウム珪酸結晶である母材中に、発光中心としてセリウムを含有し、さらにゲルマニウムを含有してなり、
前記ゲルマニウムの含有量が、モル比でセリウムの含有量の1/10000以上、1/10以下であるシンチレータである。
また、本発明は、[]前記母材中におけるガドリニウムの一部がセリウムにより置換されて発光中心とされた記[]に記載のシンチレータである。
また、本発明は、[]単結晶である前記[1]または前記[]に記載のシンチレータである。
本発明によれば、蛍光出力が十分に大きくかつエネルギー分解能の値が十分に小さいシンチレータ性能にすぐれたシンチレータを提供できる。
本発明は、母材中に、セリウムを発光中心として含むと共にゲルマニウムを含有するシンチレータである。
本実施形態に係るシンチレータについて以下に説明する。本実施形態に係るシンチレータは、母材としての希土類珪酸の単結晶に、ゲルマニウム及びセリウムが添加されたものである。結晶中において希土類元素の格子位置の一部には、希土類元素に代えてセリウムが存在する。すなわち、結晶中の希土類元素の一部がセリウムに置換され、このセリウムが発光中心として機能し得る。
希土類元素としては、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウムが挙げられる。
特に、希土類元素として、スカンジウム、イットリウム、ランタン、ガドリニウム及びルテチウムからなる群から選択される少なくとも一つの元素を含むと、蛍光出力や蛍光減衰時間等がより向上する。
中でも、希土類元素としてガドリニウムを含むと特に蛍光出力やエネルギー分解能が向上する。
ここで、セリウムに対するゲルマニウムのモル比は、1/10000〜1/10であることが好ましい。
このようなシンチレータは、以下のようにして容易に製造できる。例えば、希土類酸化物、二酸化珪素、酸化セリウム及び酸化ゲルマニウムの各粉末を混合した後、るつぼ中等で溶解して融液とし、この融液から、CZ法やFZ法等により単結晶を成長させ、冷却した後に所望の型に切断すればよい。
このようなシンチレータによれば、蛍光出力が十分に大きくかつエネルギー分解能が十分に小さくでき、シンチレータの性能が向上する。
このような作用効果が得られる要因は必ずしも明らかではないが、本発明者らは以下のように考えている。
希土類珪酸の結晶に添加されたセリウムは3価と4価の価数変化を起こしやすい。そして、結晶中において3価のセリウムは発光中心となるのに対し、4価のセリウムは発光に寄与しないばかりでなく3価のセリウムからの発光を吸収してしまう。
そして、結晶中に添加されたゲルマニウムは4価になり易い元素であり、さらにはゲルマニウムは4価では着色しないものと考えられる。そして、結晶中に4価になりやすいゲルマニウムが存在すると、結晶中のセリウムが3価になりやすくなるものと考えられる。そして、結晶中においてセリウムがこのようにして3価で安定すると、このセリウムが結晶中で発光中心として十分に機能してシンチレータの発光出力が上がるものと考えられる。
また、発光中心となる3価のセリウムが増えると、結果としてシンチレータのエネルギー分解能の値が小さく分解能が向上するものと考えられる。
なお、本実施形態に係るシンチレータは、上述の実施形態に限定されず様々な態様が可能である。例えば、母材が、希土類珪酸ではなく、希土類アルミン酸等の他の希土類酸化物や、さらには、希土類を含まない酸化物等でも効果はある。また、シンチレータは、透明性が高ければ多結晶体からなってもよい。
(実施例)
ここでは、本発明の実施例に係るシンチレータを作製して特性を評価した。なお、本実施例は好適な一例を示すものであり、本発明を限定するものではない。
まず、直径150mm、高さ150mm、厚み3mmのイリジウム製ルツボの中に、原料として酸化ガドリニウム(Gd、純度99.99重量%)を11952g、二酸化珪素(SiO、純度99.99重量%)を1991g、酸化セリウム(CeO、純度99.99重量%)を57.04g、添加物として酸化ゲルマニウム(GeO、純度99.99重量%)を0.69gからなる混合物を合計で14000.73g仕込み、高周波誘導加熱炉で1,950℃以上に加熱し融解して融液を得た。
ついでCZ法により単結晶を引き上げた。具体的には、まず所定の単結晶により種付けを行い、その後、結晶引上げ速度1〜3mm/時の速度でネック径8mmφ単結晶を引上げてネック部を形成した。続いて、コーン部の引上げを行い、直径が90mmφになった後、直胴部の引き上げを開始した。直胴部を育成した後、結晶を融液から切り離し、結晶を冷却した。
冷却終了後、得られた単結晶を取り出した。得られた単結晶は、結晶重量が約9.82kg、コーン部の長さが約60mm、直胴部の長さが約220mm、直胴部の直径が約90mmであった。
得られた単結晶を20mm間隔で輪切り切断し、輪切り切断面と垂直方向に6mmピッチで切断し、さらにそれら切断面と垂直方向に4mmピッチで切断し、4mm×6mm×20mmのサンプルを切り出した。
結晶上端から10サンプルを抜き出し、以下の方法で蛍光出力とエネルギー分解能を測定した。
4mm×6mm×20mmのサンプルの4mm×6mm面1面を除く5面に反射材としてPTFEテープを巻きつけ、残った4mm×6mmの面に光学グリースを用いてフォトマル面に固定し、137Csからの611KeVのガンマ線に対するエネルギースペクトルを測定した。蛍光出力とエネルギー分解能を従来技術である比較例とまとめて表1に示した。
(比較例)
比較例では、原料として酸化ガドリニウム(Gd、純度99.99重量%)を20489.1g、二酸化珪素(SiO、純度99.99重量%)を3413.1g、酸化セリウム(CeO、純度99.99重量%)を97.8gの混合物を合計で24000g仕込んだ以外は実施例と同様にして単結晶を得た。得られた単結晶は、結晶重量が約19.0kg、コーン部の長さが約80mm、直胴部の長さが約198mm、直胴部の直径が約120mmであった。
実施例と同様にして、結晶中のセリウム濃度およびゲルマニウム濃度を測定したところ、結晶中のセリウムの濃度はガドリニウムに対するモル比で結晶上部で約0.35%、結晶下部で約0.6%、結晶中のゲルマニウムの濃度はガドリニウムに対するモル比で結晶上部、結晶下部とも検出限界以下(<1ppm)であった。
得られた単結晶から実施例と同様にしてサンプルを切り出し、実施例と同様にして蛍光出力、エネルギー分解能を測定した。これらの結果を実施例及び比較例についてまとめて表1に示した。
Figure 0004840632
こここ、蛍光出力の値が大きいほど、エネルギー分解能の値が小さいほどシンチレータ性能が良いものである。セリウムを発光中心とするシンチレータにゲルマニウムを添加した実施例のシンチレータでは、蛍光出力の値が大きくなり、エネルギー分解能の値が小さくなることが分かった。すなわち、セリウムを発光中心とするシンチレータにゲルマニウムを添加することで、シンチレータ性能を向上させることができた。

Claims (3)

  1. ガドリニウム珪酸結晶である母材中に、発光中心としてセリウムを含有し、さらにゲルマニウムを含有してなり、
    前記ゲルマニウムの含有量が、モル比でセリウムの含有量の1/10000以上、1/10以下であるシンチレータ。
  2. 前記母材中におけるガドリニウムの一部がセリウムにより置換されて発光中心とされた請求項1に記載のシンチレータ。
  3. 結晶である請求項1または請求項2に記載のシンチレータ。
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