JP4839543B2 - 画像信号処理装置、撮像装置、画像信号処理方法及び記録媒体 - Google Patents

画像信号処理装置、撮像装置、画像信号処理方法及び記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、画像信号処理装置、撮像装置、画像信号処理方法及び記録媒体に関し、特に、微細化技術により高密度化、高解像度化の進んだイメージセンサにより得られる撮像出力のS/Nを信号処理により改善するようにした画像信号処理装置、撮像装置、画像信号処理方法及び記録媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】
CCD(Charge Coupled Device) イメージセンサなどの固体イメージセンサを用いた撮像装置には、主に、1つのCCDイメージセンサを用いた単板方式のもの(以後、単板式カメラという)と、3つのCCDイメージセンサを用いた3板方式のもの(以後、3板式カメラという)とがある。
【0003】
3板式カメラでは、例えばR信号用、G信号用及びB信号用の3つのCCDイメージセンサを用いて、その3つのCCDイメージセンサにより3原色信号を得る。そして、この3原色信号から生成されるカラー画像信号が記録媒体に記録される。
【0004】
単板式カメラでは、1画素毎に割り当てられた色フィルタアレイからなる色コーディングフィルタが前面に設置された1つのCCDイメージセンサを用いて、上記色コーディングフィルタにより色コーディングされた色成分の信号を1画素毎に得る。上記色コーディングフィルタを構成する色フィルタアレイとしては、例えば、R(Red) ,G(Green) ,B(Blue) の原色フィルタアレイや、Ye(Yellow) ,Cy(Cyanogen),Mg(Magenta) の補色フィルタアレイが用いられている。そして、単板式カメラにおいては、CCDイメージセンサにより1画素毎に1つの色成分の信号を得て、各画素が持っている色成分の信号以外の色信号を線形補間処理により生成して、3板式カメラにより得られる画像に近い画像を得るようしていた。ビデオカメラなどにおいて、小型化、軽量化を図る場合に、単板式が採用されている。
【0005】
また、撮像信号にデジタル処理による信号処理を施すようにした撮像装置では、A/D変換前のCCD出力に対してAGC(Automatic Gain Contorol) をかけることによって信号を増幅させ、A/D変換時の階調がある設定値になるように処理される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、CCDイメージセンサに代表される撮像素子を用いた撮像装置では、撮影の際、入射光量が少ないと、ノイズの多い画像が得られる。入射光量が少ない場合とは、夜間の撮影や被写体が暗い場合、また撮像素子の感度が低い場合などがこれに当たる。このような場合にはノイズの問題がつきまとう。これは、A/D変換前のAGCが、せまいダイナミック・レンジを増大させて階調を確保しようとするため、本来の信号値と一緒にノイズまで増幅してしまうことによる。
【0007】
特に、最近のCCDイメージセンサでは、微細化技術や高密度化技術によって画素数は格段に向上したが、1つ1つの画素サイズは極度に小さくなり、入射光を受け入れる面積が小さくなった結果、各画素に入射する光量も減少し、出力画像のS/Nが低下してしまうという問題が発生している。
【0008】
なお、AGCはA/D変換前のアナログ信号として処理されるが、一般にCCD出力のA/D変換後のデジタル信号に対して多階調化を行う信号処理は存在しない。
【0009】
そこで、本発明の目的は、微細化技術により高密度化、高解像度化の進んだCCDイメージセンサにより得られる撮像出力のS/Nを信号処理により改善することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明ではクラス分類適応処理を用いてA/D変換後に階調を創造することでS/Nを改善する。
【0011】
また、本発明では、撮影環境に適応的な階調創造を行い、S/Nを改善する。
【0012】
すなわち、本発明に係る画像信号処理装置は、入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施し、多階調化した出力画像信号を得る画像信号処理手段とを備え、上記画像信号処理手段は、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するクラスタップ抽出手段と、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出する予測タップ抽出手段と、上記クラスタップ抽出手段で抽出された画素値について、画像信号パターンのクラス分類を行うクラス分類手段と、上記クラス分類手段により分類される各クラス毎の予測係数セットを記憶した係数記憶手段と、上記クラス分類手段により分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットが上記係数記憶手段から与えられ、上記予測タップ抽出手段により抽出された予測タップの各画素値に上記予測係数セットを掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行い、求めた予測画素値を出力する適応処理手段とからなり、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成することを特徴とする。
【0013】
また、本発明に係る撮像装置は、被写体を撮像する撮像手段と、上記撮像手段による撮像信号として得られた入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施し、多階調化した出力画像信号を得る画像信号処理手段とを備え、上記画像信号処理手段は、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するクラスタップ抽出手段と、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出する予測タップ抽出手段と、上記クラスタップ抽出手段で抽出された画素値について、画像信号パターンのクラス分類を行うクラス分類手段と、上記クラス分類手段により分類される各クラス毎の予測係数セットを記憶した係数記憶手段と、上記クラス分類手段により分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットが上記係数記憶手段から与えられ、上記予測タップ抽出手段により抽出された予測タップの各画素値に上記予測係数セットを掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行い、求めた予測画素値を出力する適応処理手段とからなり、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成することを特徴とする。
【0014】
また、本発明に係る画像信号処理方法は、入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換ステップと、
デジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施す階調創造処理ステップとを有し、上記画像信号処理ステップでは、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するとともに、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出し、抽出された上記クラスタップ位置の画素値について画像信号パターンのクラス分類を行うことにより、各クラス毎の予測係数セットを記憶しておき、分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットを抽出された上記予測タップの各画素値に掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行うことにより、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成することを特徴とする。
【0015】
さらに、本発明に係る記録媒体は、入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換ステップと、デジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施す階調創造処理ステップとを有し、上記画像信号処理ステップでは、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するとともに、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出し、抽出された上記クラスタップ位置の画素値について画像信号パターンのクラス分類を行うことにより、各クラス毎の予測係数セットを記憶しておき、分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットを抽出された上記予測タップの各画素値に掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行うことにより、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成する画像信号処理を行うコンピュータ制御可能なプログラムが記録されてなる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0017】
本発明は、CCDイメージセンサをはじめとする画像入力装置一般に対して有力である。処理の対象は幾つか考えられ、図1に示すように単色用のCCDイメージセンサであったり、R,G,Bの3枚のCCDイメージセンサをもつ系では同じ画素数で、多階調化のみの処理を行えばよい。しかしながら、図2のように単板CCDイメージセンサからRGB画像を出力する場合には、多階調化とともに単板3板変換を行う必要がある。また、図3のように高解像度化を伴う場合も考えられるが、これについても入力が単色CCDイメージセンサであっても、単板CCDイメージセンサであっても処理は可能である。
【0018】
以下に説明する実施の形態では、ベイヤ配列などの色フィルタをもつ単板CCDを搭載したデジタルスチルカメラを想定しており、クラス分類適応処理によって解像度とともに階調を創造する処理を一括で行う。
【0019】
本発明は、例えば図4に示すような構成のデジタルスチルカメラ1に適用される。このデジタルスチルカメラ1は、1画素毎に割り当てられた色フィルタからなる色コーディングフィルタ4が前面に設置された1つのCCDイメージセンサ5を用いてカラー撮像を行う単板式カメラであって、被写体からの入射光が、レンズ2により集光され、アイリス3及び色コーディングフィルタ4を介してCCDイメージセンサ5に入射されるようになっている。上記CCDイメージセンサ5の撮像面上には、上記アイリス3により所定レベルの光量とされた入射光により被写体像が結像される。
【0020】
上記CCDイメージセンサ5は、タイミングジェネレータ9からのタイミング信号により制御される電子シャッタに応じて所定時間にわたって露光を行い、色コーディングフィルタ4を透過した入射光の光量に応じた信号電荷(アナログ量)を画素毎に発生することにより、上記入射光により結像された被写体像を撮像して、その撮像出力として得られる画像信号を信号調整部6に供給する。
【0021】
信号調整部6は、画像信号の信号レベルが一定となるようにゲインを調整するAGC(Automatic Gain Contorol) 回路と、CCDイメージセンサ5が発生する1/fのノイズを除去するCDS(Correiated Double Sampling)回路からなる。
【0022】
上記信号調整部6から出力される画像信号は、A/D変換部7によりアナログ信号からデジタル信号に変換されて、画像信号処理部8に供給される。上記A/D変換部7では、タイミングジェネレータ9からのタイミング信号に応じて、出力画像のビット数よりも少ない適当なビット数のディジタル撮像信号を生成する。
【0023】
このデジタルスチルカメラ1において、タイミングジェネレータ9は、CCDイメージセンサ5、信号調整部6、A/D変換部7及びCPU(Central Processing Unit) 10に各種タイミング信号を供給する。CPU10は、モータ11を駆動することにより、アイリス3を制御する。また、CPU10は、モータ12を駆動することにより、レンズ2などを移動させ、ズームやオートフォーカスなどの制御をする。さらに、CPU10は、必要に応じ、フラッシュ13により閃光を発する制御を行うようにされている。
【0024】
画像信号処理部8は、A/D変換部7から供給された画像信号に対し、欠陥補正処理、ディジタルクランプ処理、ホワイトバランス調整処理、ガンマ補正処理、クラス分類適応処理を用いた予測処理等の処理を行う。
【0025】
この画像信号処理部8に接続されたメモリ15は、例えば、RAM(Random Access Memory)で構成され、画像信号処理部8が画像処理を行う際に必要な信号を記憶する。画像信号処理部8により処理された画像信号は、インタフェース14を介してメモリ16に記憶される。このメモリ16に記憶された画像信号は、インタフェース14を介してデジタルスチルカメラ1に対して着脱可能な記録媒体17に記録される。
【0026】
なお、モータ11は、CPU10からの制御情報に基づいてアイリス3を駆動し、レンズ2を介して入射される光の量を制御する。また、モータ12は、CPU10からの制御情報に基づいてレンズ2のCCDイメージセンサ5に対するフォーカス状態を制御する。これにより、自動絞り制御動作や自動焦点制御動作が実現される。また、フラッシュ13は、CPU10による制御の下で、被写体に対して所定の閃光を照射する。
【0027】
また、インターフェース14は、画像信号処理部8からの画像信号を必要に応じてメモリ16に記憶し、所定のインターフェース処理を実行した後、記録媒体17に供給し、記憶させる。記録媒体17としては、デジタルスチルカメラ1の本体に対して着脱可能な記録媒体、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク等のディスク記録媒体、メモリカード等のフラッシュメモリ等を用いることができる。
【0028】
コントローラ18は、CPU10の制御の下で、画像信号処理部8及びインターフェース14に制御情報を供給してそれぞれを制御する。CPU10には、シャッタボタンやズームボタンなどの操作ボタンから構成される操作部20からユーザによる操作情報が入力さる。CPU10は、入力された操作情報を基に、上述した各部を制御する。電源部19は、バッテリ19AとDC/DCコンバータ19Bなどを有する。DC/DCコンバータ19Bは、バッテリ19Aからの電力を所定の値の直流電圧に変換し、装置内の各構成要素に供給する。充電可能なバッテリ19Aは、デジタルスチルカメラ1の本体に着脱可能とされている。
【0029】
次に、図5のフローチャートを参照し、図4に示したデジタルスチルカメラ1の動作について説明する。このデジタルスチルカメラ1は、ステップS1において、電源がオンされることにより、被写体の撮像を開始する。すなわち、CPU10は、モータ11及びモータ12を駆動し、焦点を合わせたりアイリス3を調整することにより、レンズ2を介してCCDイメージセンサ5上に被写体像を結像させる。
【0030】
ステップS2では、結像された像をCCDイメージセンサ5により撮像した画像信号が、信号調整部6において、信号レベルが一定となるようにゲイン調整され、さらにノイズが除去され、さらに、A/D変換部7によりデジタル化される。このA/D変換部7において、出力画像のビット数よりも少ない適当なビット数のディジタル撮像信号を生成することにより、ノイズまで増幅してしまうのを回避する。
【0031】
ここで、被写体像は、CCDイメージセンサ5の撮像出力として得られる画像信号を電子ビューファインダに表示することで、ユーザが確認できるようになっている。なお、被写体像は、光学的ビューファインダによりユーザが確認できるようにすることもできる。
【0032】
そして、ユーザは、ビューファインダにより確認した被写体像の画像を記録媒体17に記録したい場合、操作部20のシャッタボタンを操作する。デジタルスチルカメラ1のCPU10は、ステップS3において、シャッタボタンが操作されたか否かを判断する。
【0033】
デジタルスチルカメラ1のCPU10は、ステップS3に判定結果がNO、すなわち、シャッタボタンが操作されていない場合には、ステップS4において、上記A/D変換部7によりデジタル化された画像信号に対して、画像信号処理部8によりビューファインダにより被写体像の画像を表示するための第1の画像処理を行って、上記ステップS2に戻り、シャッタボタンが操作されたと判断するまで、ステップS2〜S4の処理を繰り返し、シャッタボタンが操作されたと判断すると、ステップS5に進む。
【0034】
ステップS5では、上記A/D変換部7によりデジタル化された画像信号に対して、画像信号処理部8によりクラス分類適応処理を含む第2の画像信号処理を行う。
【0035】
そして、ステップS6では、画像信号処理部8による第2の画像信号処理が施された画像信号をインターフェース14を介して記録媒体17に記録する。
【0036】
次に、図6を参照して画像信号処理部8について説明する。
【0037】
この画像信号処理部8は、上記A/D変換部7によりデジタル化された画像信号が供給される欠陥補正回路21を備える。CCDイメージセンサ5の画素の中で、何らかの原因により入射光に反応しない画素や、入射光に依存せず、電荷が常に蓄えられている画素、換言すれば、欠陥がある画素を検出し、その検出結果に従って、それらの欠陥画素の影響が露呈しないように、画像信号を補正する処理を行う。
【0038】
A/D変換部7では、負の値がカットされるのを防ぐため、一般に信号値を若干正の方向ヘシフトさせた状態でA/D変換が行われている。クランプ回路22は、欠陥補正回路21により欠陥補正された画像信号に対し、上述したシフト量がなくなるようにクランプする処理を行うことにより、負の値を確保する。
【0039】
クランプ回路22によりクランプされた画像信号は、ホワイトバランス調整回路23に供給される。ホワイトバランス調整回路23は、クランプ回路22から供給された画像信号のゲインを補正することにより、ホワイトバランスを調整する。このホワイトバランス調整回路23によりホワイトバランスが調整された画像信号は、スイッチ24を介してクラス分類適応処理部25又はガンマ補正回路26に供給される。
【0040】
ここで、上記スイッチ24は、シャッタ操作に連動して切り換えられ、シャッタボタンが操作されていない状態では上記ホワイトバランス調整回路23からの画像信号をガンマ補正回路26に供給し、シャッタボタンが操作されると上記ホワイトバランス調整回路23からの画像信号をクラス分類適応処理部25に供給する。
【0041】
クラス分類適応処理部25では、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding) 処理などにより局所的な画像の特徴量を抽出し、各特徴にもとづいてクラスを作成して局所的な処理を行う。具体的な処理としては、多階調化、単板画像から3板相等画像への変換、任意の画素数への変換などの処理をすべて一括で行う。このクラス分類適応処理部25によりクラス分類適応処理の施された画像信号は、ガンマ補正回路26に供給される。
【0042】
ガンマ補正回路26は、上記ホワイトバランス調整回路23からスイッチ24を介して供給される画像信号又は上記クラス分類適応処理部25において画像信号クラス分類適応処理の施された画像信号の信号レベルをガンマ曲線に従って補正する。このガンマ補正回路26によりガンマ補正された画像信号は、補正回路27に供給される。なお、ガンマ補正は非線形処理であるため、線形の信号処理を行うクラス分類適応処理部25が先にある方が信号処理の情度は向上することが考えられる。
【0043】
補正回路27は、上記ガンマ補正回路26により処理された画像信号に対してエッジ強調等の画像を視覚的に良く見せるために必要ないわゆる画作りのための処理を行う。
【0044】
そして、色空間変換回路28は、補正回路27によりエッジ強調などの処理が施された画像信号(RGB信号)をマトリクス変換してYUV(輝度Yと色差U,Vとでなる信号)などの所定の信号フォーマットの画像信号に変換する。ただし、マトリクス変換処理を行わず、色空間変換回路28からRGB信号をそのまま出力させても良い。この発明の一実施形態では、例えばユーザの操作によつて、YUV信号、RGB信号の何れを出力するかを切り換えることが可能とされている。色空間変換回路28により変換された画像信号は、上述のインタフェース14に供給される。
【0045】
ここで、上記図5に示したフローチャートのステップS4において、画像信号処理部8により行われる第1の画像信号処理について、図7のフローチャートを参照して説明する。
【0046】
すなわち、画像信号処理部8では、A/D変換部7によりデジタル化された画像信号に対する第1の画像信号処理を開始すると、先ず、ステップS41において、CCDイメージセンサ5の欠陥の影響が出ないように、欠陥補正回路21により画像信号の欠陥補正を行う。そして、次のステップS42では、欠陥補正回路21により欠陥補正された画像信号に対して、正の方向にシフトされていた量をもとに戻すクランプ処理をクランプ回路22により行う。
【0047】
次のステップS43では、クランプ回路22によりクランプされた画像信号に対して、ホワイトバランス調整回路23によりホワイトバランスの調整を行い各色信号間のゲインを調整する。
【0048】
次のステップS44では、上記ホワイトバランス調整回路23によりホワイトバランス調整された画像信号に対して、単板出力画像信号から3板相等画像信号への変換処理を行う。
【0049】
次のステップS45では、変換された3板相等画像信号に対してガンマ補正回路26によりガンマ曲線に従った補正を施す。
【0050】
さらに、ステップS46では、ガンマ補正された画像信号に対して、視覚的に良く見せるための補正処理を行う。ステップS47では、ステップS46で得られた画像信号に例えばRGB信号をYUV信号に変換するなどの色空間の変換処理を色空間変換回路28により施す。これにより、ビューファインダで被写体をモニタするための画像信号が生成される。
【0051】
次に、上記図5に示したフローチャートのステップS5において、画像信号処理部8により行われる第2の画像信号処理について、図8のフローチャートを参照して説明する。
【0052】
すなわち、画像信号処理部8では、A/D変換部7によりデジタル化された画像信号に対する第2の画像信号処理を開始すると、先ず、ステップS51において、CCDイメージセンサ5の欠陥の影響が出ないように、欠陥補正回路21により画像信号の欠陥補正を行う。そして、次のステップS52では、欠陥補正回路21により欠陥補正された画像信号に対して、正の方向にシフトされていた量をもとに戻すクランプ処理をクランプ回路22により行う。
【0053】
次のステップS53では、クランプ回路22によりクランプされた画像信号に対して、ホワイトバランス調整回路23によりホワイトバランスの調整を行い各色信号間のゲインを調整する。
【0054】
次のステップS54では、多階調化、単板出力画像信号から3板相等画像信号への変換、高解像度化などの処理をクラス分類適応処理を用いてクラス分類適応処理部25により一括して行う。
【0055】
次のステップS55では、クラス分類適応処理の施された画像信号に対して、ガンマ補正回路26によりガンマ曲線に従った補正を施す。
【0056】
さらに、ステップS56では、ガンマ補正された3板式カメラのCCD出力相当の画像に対して、視覚的に良く見せるための補正処理を行う。ステップS57では、ステップS56で得られた画像信号に例えばRGB信号をYUV信号に変換するなどの色空間の変換処理を色空間変換回路28により施す。これにより、例えば記録信号として好適な信号フォーマットを有する出力画像信号が生成される。
【0057】
ここで、上述の図5のフローチャートに示したデジタルスチルカメラ1の動作では、ビューファインダで被写体をモニタするための画像信号を生成するための第1の画像信号処理(ステップS4)と記録用の画像信号を生成するための第2の画像信号処理(ステップS5)を画像信号処理部8で行うようにしたが、図9のフローチャートに示すような動作を行うようにしても良い。
【0058】
すなわち、図9のフローチャートに示す動作では、デジタルスチルカメラ1は、ステップS11において、電源がオンされることにより、被写体の撮像を開始する。
【0059】
ステップS12では、結像された像をCCDイメージセンサ5により撮像した画像信号が、信号調整部6において、信号レベルが一定となるようにゲイン調整され、さらにノイズが除去され、さらに、A/D変換部7によりデジタル化される。このA/D変換部7において、出力画像のビット数よりも少ない適当なビット数のディジタル撮像信号を生成することにより、ノイズまで増幅してしまうのを回避する。これは、ビット数を少なくし、すなわち、分解能を低くし、1ビット当たりの量子化ステップを大きくすることにより、このような効果が得られる。
【0060】
ステップS13では、上記A/D変換部7によりデジタル化された画像信号に対して、画像信号処理部8により欠陥処理やホワイトバランス等の第1の画像処理を行う。
【0061】
このステップS13における第1の画像処理では、図10に示すステップS131〜S133の処理を行う。すなわち、ステップS131において、CCDイメージセンサ5の欠陥の影響が出ないように、欠陥補正回路21により画像信号の欠陥補正を行う。次のステップS132では、欠陥補正回路21により欠陥補正された画像信号に対して、正の方向にシフトされていた量をもとに戻すクランプ処理をクランプ回路22により行う。さらに、次のステップS133では、クランプ回路22によりクランプされた画像信号に対して、ホワイトバランス調整回路23によりホワイトバランスの調整を行い各色信号間のゲインを調整する。
【0062】
そして、ステップS14において、デジタルスチルカメラ1のCPU10は、操作部20のシャッタボタンが操作されたか否かを判断する。
【0063】
デジタルスチルカメラ1のCPU10は、ステップS14に判定結果がNO、すなわち、シャッタボタンが操作されていない場合には、ステップS15において、上記第1の画像処理の施された画像信号に対し、ビューファインダで被写体像を表示するための第2の画像処理を画像信号処理部8により行って、上記ステップS12に戻り、シャッタボタンが操作されたと判断するまで、ステップS12〜S15の処理を繰り返し、シャッタボタンが操作されたと判断すると、ステップS16に進む。
【0064】
上記ステップS15における第2の画像処理では、図11に示すステップS151〜S154の処理を行う。すなわち、ステップS151では、上記ホワイトバランス調整回路23によりホワイトバランス調整された画像信号に対して、単板出力画像信号から3板相等画像信号への変換処理を行う。
【0065】
次のステップS152では、変換された3板相等画像信号に対してガンマ補正回路26によりガンマ曲線に従った補正を施す。次のステップS153では、ガンマ補正された画像信号に対して、視覚的に良く見せるための補正処理を行う。さらに、ステップS154では、ステップS153で得られた画像信号に例えばRGB信号をYUV信号に変換するなどの色空間の変換処理を色空間変換回路28により施す。これにより、ビューファインダで被写体をモニタするための画像信号が生成される。
【0066】
ステップS16では、上記第1の画像処理の施された画像信号に対し、画像信号処理部8によりクラス分類適応処理を含む第3の画像信号処理を行う。
そして、ステップS17では、画像信号処理部8による第3の画像信号処理が施された画像信号をインターフェース14を介して記録媒体17に記録する。
【0067】
ここで、上記ステップS16における第3の画像処理では、図12に示すステップS161〜S164の処理を行う。すなわち、ステップS161では、多階調化、単板出力画像信号から3板相等画像信号への変換、高解像度化などの処理をクラス分類適応処理を用いてクラス分類適応処理部25により一括して行う。次のステップS162では、クラス分類適応処理の施された画像信号に対して、ガンマ補正回路26によりガンマ曲線に従った補正を施す。さらに、ステップS163では、ガンマ補正された3板式カメラのCCD出力相当の画像に対して、視覚的に良く見せるための補正処理を行う。ステップS164では、ステップS163で得られた画像信号に例えばRGB信号をYUV信号に変換するなどの色空間の変換処理を色空間変換回路28により施す。これにより、例えば記録信号として好適な信号フォーマットを有する出力画像信号が生成される。
【0068】
上述の図5や図9のフローチャートでは、カメラ本体側のビューファインダで被写体をモニタするための画像信号を生成する場合の動作について説明したが、光学的ビューファインダを用いる場合等にモニタするための画像信号を生成しない場合は、図13のに示すフローチャートに従った動作を行えばよい。
【0069】
すなわち、図13のフローチャートに示す動作では、デジタルスチルカメラ1は、ステップS21において、電源がオンされることにより、被写体の撮像を開始する。
【0070】
次のステップS22において、デジタルスチルカメラ1のCPU10は、操作部20のシャッタボタンが操作されたか否かを判断する。デジタルスチルカメラ1のCPU10は、シャッタボタンが操作されたと判断するまで、ステップS22の判定処理を繰り返し、シャッタボタンが操作されたと判断すると、ステップS23に進む。
【0071】
ステップS23では、結像された像をCCDイメージセンサ5により撮像した画像信号が、信号調整部6において、信号レベルが一定となるようにゲイン調整され、さらにノイズが除去され、さらに、A/D変換部7によりデジタル化される。このA/D変換部7において、出力画像のビット数よりも少ない適当なビット数のディジタル撮像信号を生成することにより、ノイズまで増幅してしまうのを回避する。
【0072】
ステップS24では、上記A/D変換部7によりデジタル化された画像信号に対して、画像信号処理部8によりクラス分類適応処理を含む上述の図8に示した画像処理(ステップS51〜S57)を行う。
そして、ステップS25では、画像信号処理部8による画像信号処理が施された画像信号をインターフェース14を介して記録媒体17に記録する。
【0073】
次に、図14を参照してクラス分類適応処理部25について説明する。
【0074】
クラス分類適応処理部25は、クラスタップ抽出回路31、クラス分類回路32、係数メモリ33、予測タップ抽出回路34、適応処理回路35等からなる。
【0075】
クラスタップ抽出回路31は、注目領域から指定されたタップ位置から画素値を抽出してクラス分類回路32に渡す。クラス分類回路32は、クラスタップ抽出回路31で抽出された画素値に対して、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)などの処理により特徴情報に基づいて画像信号パターンの分類を行い、分類結果を示すクラス番号(クラスコード)を出力する。係数メモリ33は、クラス分類回路32により分類されたクラス番号に対応する予測係数セットを適応処理回路35に供給する。予測タップ抽出回路34は、注目領域から指定されたタップ位置から画素値を抽出して適応処理回路35に渡す。適応処理回路35は、予測タップの各画素値に対応する予測係数をかけ、線形和を以て予測画素値とする処理を行い、求めた予測画素値を出力する。
【0076】
ここで、上記図8に示したフローチャートのステップS54や図12に示したフローチャートのステップS161において、クラス分類適応処理部25により行われるクラス分類適応処理について、図15のフローチャートを参照して説明する。
【0077】
すなわち、上記クラス分類適応処理部25は、先ず、ステップS81において、クラスタップ抽出回路31及び予測タップ抽出回路34によりクラスタップ及び予測タップの画素値を抽出する。
【0078】
次のステップS82では、クラス分類回路32によりクラスタップとして抽出された画素値について、ADRC処理によりクラスを分類するクラス分類処理を行う。そして、分類されたクラスに対応するクラス番号を適応処理回路35に与える。
【0079】
次のステップS83において、適応処理回路35は、クラス分類回路32より与えられたクラス番号に対応する予測係数セットを係数メモリ33から読み出し、その予測係数セットを対応する予測タップの画像信号に乗算し、それらの総和をとることで、予測画素値を演算する。
【0080】
そして、ステップS84では、全画面に対して処理を行ったかどうか判別し、また処理していない領域が存在すれば、ステップS2lの処理に戻る。すべての領域に対して処理が行われたか否かを判定する。すべての領域に対して処理が行われたと判定される場合には上述のステップS15に移行し、それ以外の場合にはステップS2lの処理に戻って、次の領域に対する処理を行う。
【0081】
上記予測係数セットは、予め学習により得られるもので、上記係数メモリ33に記憶されている。
【0082】
ここで、この学習について説明する。図16は、予測係数セットを学習により得る学習装置40の構成を示すブロック図である。
【0083】
この学習装置40では、クラス分類適応処理の結果として生成されるべき出力画像信号、すなわち3板式カメラのCCD出力相当の画像信号と同一の信号形式を有する画像信号が教師画像信号として間引き回路41及び予測対象画素抽出回路45に供給される。
【0084】
間引き回路41は、教師画像信号に対して、処理の倍率を考慮したローパスフィルタをかけ、その後色フィルタアレイの各色の配置にしたがって画素を間引く。間引き処理は、CCDイメージセンサ5に対して装着される光学ローパスフィルタを想定したフィルタをかけることによって行う。すなわち、実際の光学系を想定した間引き処理を行う。次に、間引いた画素値に対してビット数の削減を行う。実際に処理を行う系において、A/D変換を6ビットの精度で行い、後のクラス分類適応処理で8ビットまで階調を上げるのであれば、8ビットの画像をこの学習装置40の入力とし、この間引き回路41で6ビットまで落とすことを行う。間引き回路41の出力は、生徒画像信号としてクラスタップ抽出回路42及び予測タップ抽出回路44に供給される。
【0085】
クラスタップ抽出回路42は、間引き回路41によって作成された生徒画像信号から、クラス分類に用いるクラスタップを抽出する。
【0086】
クラス分類回路43は、クラスタップ抽出回路42で抽出された画素値に対して、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)などの処理により特徴情報に基づいて画像信号パターンの分類を行い、分類結果を示すクラス番号(クラスコード)を出力する。
【0087】
予測タップ抽出回路44は、生徒画像信号におけるクラスタップとの対応をとりながら予測タップを抽出する。
【0088】
予測対象画素抽出回路45は、生徒画像信号から抽出されるクラスタップ及び予測タップとの対応を取りながら、予測の対象となる画素値を教師画像信号から抽出する。
【0089】
演算回路46は、クラス分類回路43から出力されたクラス番号毎に、予測タップ抽出回路44により抽出された予測タップの画素値と予測対象画素抽出回路45により抽出された予測対象画素の画素値を、最小自乗法を解くための正規方程式に足し込み、予測係数セットを解とする方程式である正規方程式のデータを生成する演算を行う。上記演算回路46によつて生成される正規方程式のデータすなわちマトリクスの係数が学習データメモリ47に逐次読み込まれ、記憶される。
【0090】
演算回路48は、学習データメモリ47に蓄積された正規方程式のマトリクスをコレスキー分解などの解法を用いて解く処理を実行する。これにより、クラス毎の予測係数セットが算出される。算出された予測係数セットは、クラスに対応させて係数メモリ49に記憶される。係数メモリ49の記憶内容は、上述の係数メモリ33にロードされ、クラス分類適応処理を行う際に使用される。
【0091】
次に、図17のフローチャートを参照して、学習装置40の動作について説明する。
【0092】
この学習装置40に入力されるデジタル画像信号は、3板式カメラで撮像された画像に相当する画質が得られる画像信号である。なお、3板式カメラで得られる画像信号(教師画像信号)は、1画素の画像信号としてR,G,Bの3原色信号を含んでいるのに対し、単板式カメラで得られる画像信号(生徒画像信号)は、1画素の画像信号としてR,G,Bの3原色信号の内の1つの色信号のみを含んでいる。
【0093】
ステップS31では、間引き回路41によって、単板カメラのCCDイメージセンサ5に用いられる色コーディングフィルタ4に相当するフィルタをかける間引き処理を実行することで、3板CCD出力相等の教師画像信号から単板CCD出力相等の生徒画像信号を作成し、同時にビット数の削減を行う。
【0094】
次のステップS32では、間引き処理によって得られた生徒画像信号から、クラスタップ抽出回路42及び予測タップ抽出回路44によりクラスタップ及び予測タップの各画素値を抽出する。予測対象画素抽出回路45により、教師画像信号から生徒画像信号との対応をとりながら予測対象画素の画素値を抽出する。また、ステップS32では、3板式カメラで撮像された画像に相当する画質が得られる教師画像信号に対して間引き回路41により単板カメラのCCDイメージセンサ5に用いられる色コーディングフィルタ4に相当するフィルタをかける間引き処理を実行することで、単板式カメラのCCDイメージセンサ5が出力する画像信号に対応する生徒画像信号を教師画像信号から生成し、生成した生徒画像信号をクラスタップ抽出回路42に出力する。
【0095】
次のステップS33では、クラスタップ抽出回路42で抽出されたクラスタップの画素値に対して、クラス分類回路43によりADRC処理などを行い、クラス番号を出力する。
【0096】
次のステップS34では、クラス分類回路43から出力されたクラス番号にしたがって、演算回路46により予測タップの画素値と予測対象画素の画素値を正規方程式に足し込む。正規方程式は、学習データメモリ47に記憶される。
【0097】
次のステップS35では、演算回路46により正規方程式への足し込みの処理が、学習の対象画像すべてに対して行われたか否かを判定する。すべての足し込みが行われていればステップS36へ進み、終了していなければステップS32へ戻る。
【0098】
次のステップS36では、学習対象画像すべての画素値が足し込まれた正規方程式を演算回路48により例えば掃き出し法(Gauss-Jordan の消去法) やコレスキー分解法を用いて解く処理を実行することにより、予測係数セットを算出する。このようにして算出された予測係数セットはクラス分類回路43により出力されたクラスコードと関連付けられ、係数メモリ49に記憶される。
【0099】
そして、次のステップS37では、演算回路48においてすべてのクラスについての正規方程式を解く処理を実行したか否かを判定し、まだ実行していないクラスが残っている場合には、ステップS36に戻り、それ以降の処理を繰り返し実行する。このステップS37において、すべてのクラスについての正規方程式を解く処理が完了したと判定された場合、処理は終了される。
【0100】
このようにしてクラスコードと関連付けられて係数メモリ49に記憶された予測係数セットは、図14に示した画像信号処理部8の係数メモリ33に記憶されることになる。
【0101】
次に、クラス分類方法について説明する。
【0102】
クラス分類処理では、処理対象となる入力信号からクラスタップを抽出して、そこにクラスタップ間に存在する特徴量を抽出し、それを分類することによって各クラスを作成することになる。
【0103】
ここで、クラス分類の例として単板CCD出力から4倍密の高解像度化及び多階調化を行う場合について示す。
【0104】
これは飽くまで一例ではあるが、ベイヤー配列の色フィルタアレイにより色コーディングされた画像信号に対し、予測画素位置とクラスタップの配置の関係を図18〜図21に示す。この4種類は、予測画素位置によってR,G,Bそれぞれ4つのモードをもつことによる。
【0105】
図18の(A)に示すように単板CCD出力のBの周囲に4つの画素を作成して4倍密化を図る場合、図18の(B)に示すようなクラスタップをとることができる(モード1)。この場合のクラスの作成方法としては、各種の印のついているクラスタップのうち、同種の印のものの間で例えば1ビットADRCを行い、各タップに0又は1の値を与える。その結果のうち、図18の(B)に示す点線の四角形で囲まれた9タップの値のみもち寄って、その0と1の組合せによって512通りのクラスを作成することが可能になる。この場合に、R,G,Bそれぞれに別々のADRC処理を行う理由は、クラスに使用する特徴量に各信号内での波形の起伏を組み入れることを考慮してのことである。このクラス分類方法においては、各モードでのタップの配置は異なるが、R,G,B間でのクラス作成方法については全く同じになる。
【0106】
また、図19〜図21についても同様の方法によってクラスの分類を行う。
【0107】
すなわち、図19の(A)に示すように単板CCD出力の水平列でBに隣接するGの周囲に4つの画素を作成して4倍密化を図る場合、図19の(B)に示すようなクラスタップをとる(モード2)。
【0108】
図20の(A)に示すように単板CCD出力の水平列でRに隣接するGの周囲に4つの画素を作成して4倍密化を図る場合、図20の(B)に示すようなクラスタップをとることができる(モード3)。
【0109】
図21の(A)に示すように単板CCD出力の水平列でRの周囲に4つの画素を作成して4倍密化を図る場合、図21の(B)に示すようなクラスタップをとることができる(モード4)。
【0110】
予測タップの一例として、予測画素位置周辺に5×5の25画素にタップをはる構造を図22に示す。この場合においても、予測画素位置によって4つのモードは存在するものの、R,G,B間でのタップ配置についてはすべて同じになる。また、当然のことながら、それぞれのモードにおいて4つの画素を求める係数は互いに異なり、R,G,Bそれぞれの予測においても係数は異なることになる。
【0111】
クラスタップ及び予測タップの配置については様々考えられる。また、クラスタップ及び予測タップは、数多く使用すれば、その分処理の精度が向上することが確認されているが、実際には演算回路又は予測係数を保存するメモリの容量によって制限を受けることになる。
【0112】
以上の実施の形態の効果を評価するため、色フィルタアレイとしてベイヤー配列のものを用いた場合を想定し、シミュレーションを行った。
【0113】
十分に高い解像度度をもつRGB画像信号を用意し、それを学習における教師画像信号とする。その教師画像信号に対して間引き処理、又はローパスフィルタをかけることによって解像度を落とし、CCDイメージセンサの各画素への少ない入射光量を考慮してAGCでゲインアップした場合を想定してノイズを付加する。その画像信号に対して、各画素値のビット数の削減を行い、学習の生徒画像信号とする。生徒画像信号と教師画像信号をこのように設定した上で、学習装置40と同じ動作を行うアルゴリズムのソースコードを作成し、上記の手法にもとづいて予測係数を求めた。その予測係数を用いて実際にシミュレーションを行ったのであるが、本処理では単板3板変換、高解像度化、多階調化の3つの処理を一括で行っている。そして、処理結果をノイズを付加しただけでビット数の削減を行っていない生徒画像信号に対して、単板3板変換と高解像度化のみのクラス分類適応処理を施した画像信号との比較を行った。
【0114】
シミュレーションにはITE(Institute of Television Engineers) のハイビジョン標準画像9枚を使用し、クラス分類適応処理の学習もその9枚で行った。また、生徒画像信号を作成する際の解像度は1/4に、ビット数の削減は8ビットから6ビットヘの処理を行った。その結果、ビット数の削減を行っていない生徒画像信号にクラス分類適応処理を行った画像信号と比較して、かなりノイズの軽減された画像信号が得られた。また、単板3板変換や高解像度化を含まない、同解像度の画像信号に対するノイズ除去手法としての効果を確認したところでも、その効果は確認された。
【0115】
このように上記デジタルスチルカメラ1では、A/D変換部7での分解能を出力画像信号の解像度よりも低くすることでノイズを除去し、足りなくなった階調を画像信号処理部8におけるクラス分類適応処理で創造することによってS/Nを改善することができる。
【0116】
次に、本発明の他の実施形態について図23及び図24を参照して説明する。
【0117】
図23に示すデジタルスチルカメラ101は、上述の図1に示したデジタルスチルカメラ1を改良したもので、同一の構成要素については同一番号を付して、その詳細な説明を省略する。
【0118】
このデジタルスチルカメラ101は、CCDイメージセンサ5への入射光量に応じて適応的な階調創造を行うもので、CPU110により、信号調整部106におけるAGCの増幅の度合いを監視することでCCDイメージセンサ5への入射光量を検出し、信号調整部106におけるAGCの増幅の度合い、すなわち、CCDイメージセンサ5への入射光量に応じて、多階調化をどの程度行うかを決定する。
【0119】
具体的には、コントローラ118は、CPU110の制御の下で、信号調整部106におけるAGCの増幅の度合いに応じてA/D変換部107によるA/D変換出力のビット数を操作し、そのビット数によって画像信号処理部108におけるクラス分類適応処理での係数を変化させることにより、CCDイメージセンサ5への入射光量に応じて適応的な階調創造を行う。
【0120】
このデジタルスチルカメラ101では、A/D変換部107において選択できるビット数の種類だけ、クラス分類適応処理の係数を用意しておき、被写体が非常に明るい場合には、階調創造は全く行われずに処理されるのに対して、被写体が暗い場合には、その暗さに対応してノイズが強調されない最適な階調創造が行われる。つまり、撮影環境に適応的な階調創造が行われる。
【0121】
すなわち、このデジタルスチルカメラ101において、信号調整部106は、CCDイメージセンサ5による撮像出力として得られた画像信号について、信号レベルが一定となるようにゲインを調整するAGC処理における入力信号レベルを検知し、その値をCPU110に与えるようになっている。
【0122】
そして、A/D変換部107は、画素値を何ビットで出力するかという情報をCPU110からコントローラ118を介して受け取り、その指示にしたがって、上記信号調整部106から出力される画像信号をアナログ信号からデジタル信号に変換する。
【0123】
また、画像信号処理部108は、クラス分類回路32により分類されるクラス番号に対応する予測係数セットをA/D変換部107において選択できるビット数の種類だけ係数メモリ133に記憶している。そして、画像信号処理部108では、図24に示すように、何ビットでA/D変換を行ったかという情報をCPU110からコントローラ118を介して受け取り、クラス分類回路32により分類されたクラス番号と、A/D変換後のビット数に対応する予測係数セットを係数メモリ133から読み出して、適応処理回路135により、予測タップの各画素値に対応する予測係数をかけ、線形和を以て予測画素値とする処理を行い、求めた予測画素値を出力する。
【0124】
ここで、上記予測係数セットは、予め学習により得られるもので、上述の図16に示した学習装置40による学習処理によって求められる。学習装置40においては、A/D変換後のビット数の取りうるパターンの数だけ処理を行う。例えば、撮像系全体の出力が8ビットで、A/D変換後に取りうるビット数が4,5,6,7,8ビットのうちいずれかであるならば、出力と同じ8ビットを除いた4つのパターンの係数セットを学習することになる。上述の図17のフローチャートに従った一連の学習処理では、1つの係数セットしか得られないので、その系に必要なパターンの数だけ学習を行う必要がある。
【0125】
本発明の効果を評価するため、図23に示したデジタルスチルカメラ101について、単板CCDイメージセンサの色フィルタアレイにベイヤー配列を想定し、シミュレーションを行った。
【0126】
十分に高い解像度度をもつRGB画像信号を用意し、それを学習における教師画像信号とする。その教師画像信号に対して間引き処理、又はローパスフィルタをかけることによって解像度を落とし、CCDイメージセンサの各画素への少ない入射光量を考慮してAGCでゲインアップした場合を想定してノイズを付加する。ここでのノイズは、強さを変化させたものを幾つか用意しておき、それらを付加したノイズ画像信号を複数作成しておく。それらの画像信号に対して、各画素値のノイズ量に適応したビット数の削減を行い(ノイズ量が多いもの対しては大幅なビット数の削減、ノイズ量の少ないものに対しては若干のビット数の削減を行う)、学習の生徒画像信号とする。生徒画像信号と教師画像信号をこのように複数パターン用意した上で、学習装置と同じ動作を行うアルゴリズムのソースコードを作成し、上記の手法にもとづいてそれぞれのパターンの予測係数を求めた。その予測係数を用いて実際にシミュレーションを行ったのであるが、本処理では単板3板変換、高解像度化、多階調化の3つの処理を一括で行っている。そして、処理結果をノイズを付加しただけでビット数の削減を行っていない生徒画像信号に対して、単板3板変換と高解像度化のみのクラス分類適応処理を施した画像信号との比較をそれぞれのパターンにおいて行った。
【0127】
シミュレーションにはITEのハイビジョン標準画像9枚を使用し、クラス分類適応処理の学習もその9枚で行った。また、生徒画像信号を作成する際の解像度は1/4に、ビット数の削減はノイズ量に応じて8ビットから4ビット、8ビットから6ビットヘの処理を行った。その結果、ビット数の削減を行っていない生徒画像信号にクラス分類適応処理を行った画像信号と比較して、両方のパターンにおいてかなりノイズの軽減が確認された。また、単板3板変換や高解像度化を含まない、同解像度の画像信号に対してノイズ除去手法としての効果を確認したところでも、その効果は同様に確認された。
【0128】
なお、上述した説明では、色コーディングフィルタ4として、ベイヤー配列のものを用いた場合を説明したが、他の色コーディングフィルタを用いた場合においても、本発明を適応する事は可能である。
【0129】
ここで、このデジタルスチルカメラ1,101のCCDイメージセンサ5に用いることのできる色コーディングフィルタ4を構成する色フィルタアレイの構成例を図25A乃至図25Nに示す。
【0130】
図25A〜図25Gは、原色(R,G,B)成分を通過させる原色フィルタアレイで構成された色コーディングフィルタ4における緑(G)・赤(R)・青(B)の色配列の例を示している。
【0131】
図25Aはベイヤー配列を示し、図25Bはインタライン配列を示し、図25CはGストライプRB市松配列を示し、図25DはGストライプRB完全市松配列を示し、図25Eはストライプ配列を示し、図25Fは斜めストライプ配列を示し、図25Gは原色色差配列を示す。
【0132】
また、図25H〜図25Nは、補色(M,Y,C,W,G)成分を通過させる補色フィルタアレイで構成された色コーディングフィルタ4におけるマゼンタ(M)・黄(Y)・シアン(C)・白(W)の色配列を示す。図25Hはフィールド色差順次配列を示し、図25Iがフレーム色差順次配列を示し、図25JはMOS型配列を示し、図25Kは改良MOS型配列を示し、図25Lはフレームインターリーブ配列を示し、図25Mはフィールドインターリーブ配列を示し、図25Nはストライプ配列を示す。
【0133】
なお、補色(M,Y,C,W,G)成分は、
Y=G+R
M=R+B
C=G+B
W=R+G+B
にて与えられる。また、図25Iに示すフレーム色差順対応の色コーディングフィルタ4を通過する各色(YM,YG,CM,CG)成分は、
YM=Y+M=2R+G+B,
CG=C+G=2G+B,
YG=Y+G=R+2G
CM=C+M=R+G+2R
にて与えられる。
【0134】
また、この発明は、デジタルスチルカメラ以外に、例えばカメラ一体型VTR等の映像機器や、例えば放送業務に用いられる画像処理装置、さらには、例えばプリンタやスキャナ等に対しても適用することができる。
【0135】
また、上記画像信号処理部8におけるクラス分類適応処理や、上記学習装置40において予測係数セットを得るための学習処理は、例えば図26に示すように、バス311に接続されたCPU(Central Processing Unit) 312、メモリ313、入力インターフェース314、ユーザインターフェース315や出力インターフェース316などにより構成される一般的なコンピュータシステム310により実行することができる。上記処理を実行するコンピュータプログラムは、記録媒体に記録されて、画素位置毎に複数のうちの何れか一つを表す色成分を持つ入力画像信号を処理する画像信号処理を行うコンピュータ制御可能なプログラムが記録された記録媒体、又は、クラスに応じた予測係数セットを生成するための学習処理を行うコンピュータ制御可能なプログラムが記録された記録媒体として、ユーザに提供される。上記記録媒体には、磁気ディスク、CD−ROMなどの情報記録媒体の他、インターネット、デジタル衛星などのネットワークによる伝送媒体も含まれる。
【0136】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、A/D変換手段での分解能を出力画像信号よりも低くすることでノイズを除去し、足りなくなった階調を画像信号処理手段におけるクラス分類適応処理で創造することによってS/Nを改善することができる。
【0137】
また、本発明によれば、イメージセンサへの入射光量に応じて、A/D変換手段における出力ビット数を決定し、そのビット数によって画像信号処理手段におけるクラス分類適応処理での係数を変化させることによって、撮影環境に適応的な階調創造を行い、S/Nを改善することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】クラス分類適応処理を用いた高階調化の概念図である。
【図2】クラス分類適応処理を用いた高階調化及び単板3板変換の概念図である。
【図3】クラス分類適応処理を用いた高階調化、単板3板変換及び高解像度化の概念図である。
【図4】本発明を適用したデジタルスチルカメラの構成を示すブロック図である。
【図5】上記デジタルスチルカメラの動作例を示すフローチャートである。
【図6】上記デジタルスチルカメラにおける画像信号処理回路の構成を示すブロック図である。
【図7】上記デジタルスチルカメラの動作例における上記画像信号処理回路におよる第1の画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】上記デジタルスチルカメラの動作例における上記画像信号処理回路におよる第1の画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】上記デジタルスチルカメラの他の動作例を示すフローチャートである。
【図10】上記デジタルスチルカメラの他の動作例における上記画像信号処理回路におよる第1の画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図11】上記デジタルスチルカメラの他の動作例における上記画像信号処理回路におよる第2の画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図12】上記デジタルスチルカメラの他の動作例における上記画像信号処理回路におよる第3の画像処理の動作を示すフローチャートである。
【図13】上記デジタルスチルカメラの他の動作例を示すフローチャートである。
【図14】上記画像信号処理回路におけるクラス分類適応処理部の構成を示すブロック図である。
【図15】上記クラス分類適応処理部の動作を示すフローチャートである。
【図16】上記クラス分類適応処理に用いる係数セットを学習する学習装置の構成を示すブロック図である。
【図17】上記学習装置の動作を示すフローチャートである。
【図18】上記クラス分類適応処理における予測画素位置とクラスタップの配置の関係(モード1)を模式的に示す図である。
【図19】上記クラス分類適応処理における予測画素位置とクラスタップの配置の関係(モード2)を模式的に示す図である。
【図20】上記クラス分類適応処理における予測画素位置とクラスタップの配置の関係(モード3)を模式的に示す図である。
【図21】上記クラス分類適応処理における予測画素位置とクラスタップの配置の関係(モード4)を模式的に示す図である。
【図22】上記クラス分類適応処理における予測画素位置と予測タップの配置の関係(モード1〜4)を模式的に示す図である。
【図23】本発明を適用したデジタルスチルカメラの他の構成を示すブロック図である。
【図24】上記デジタルスチルカメラの画像信号処理回路におけるクラス分類適応処理部の構成を示すブロック図である。
【図25】上記デジタルスチルカメラのCCDイメージセンサに用いることのできる色コーディングフィルタを構成する色フィルタアレイの構成例を模式的に示す図である。
【図26】上記予測係数セットを得るための学習処理に使用されるコンピュータシステムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1 デジタルスチルカメラ、2 レンズ、3 アイリス、4 色コーディングフィルタ、5 CCDイメージセンサ、6 信号調整部、7 A/D変換部、8画像信号処理部、9 タイミングジェネレータ、10 CPU、11 モータ、12 モータ、13 フラッシュ、15 メモリ、14 インタフェース、16 メモリ、17 記録媒体、18 コントローラ、19 電源部、19A バッテリ、19B DC/DCコンバータ、20 操作部、21 欠陥補正回路、22 クランプ回路、23 ホワイトバランス調整回路、24 スイッチ、25クラス分類適応処理部、26 ガンマ補正回路、27 補正回路、28 空間変換回路、31 クラスタップ抽出回路、32 クラス分類回路、33 係数メモリ、34 予測タップ抽出回路、35 適応処理回路、40 学習装置、41間引き回路、42 クラスタップ抽出回路、43 クラス分類回路、44 予測タップ抽出回路、45 予測対象画素抽出回路、46 演算回路、47 学習データメモリ、48 演算回路、49 係数メモリ、101 デジタルスチルカメラ、110 CPU、106 信号調整部、118 コントローラ、107 A/D変換部、108 画像信号処理部、133 係数メモリ、135 適応処理回路、310 コンピュータシステム、311 バス、312 CPU、313 メモリ、314 入力インターフェース、315 ユーザインターフェース、316 出力インターフェース

Claims (6)

  1. 入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
    上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施し、多階調化した出力画像信号を得る画像信号処理手段とを備え
    上記画像信号処理手段は、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するクラスタップ抽出手段と、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出する予測タップ抽出手段と、上記クラスタップ抽出手段で抽出された画素値について、画像信号パターンのクラス分類を行うクラス分類手段と、上記クラス分類手段により分類される各クラス毎の予測係数セットを記憶した係数記憶手段と、上記クラス分類手段により分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットが上記係数記憶手段から与えられ、上記予測タップ抽出手段により抽出された予測タップの各画素値に上記予測係数セットを掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行い、求めた予測画素値を出力する適応処理手段とからなり、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成する画像信号処理装置。
  2. 上記クラス分類手段は、ADRC(Adaptive Dynamic Range Coding)処理により特徴情報に基づいて画像信号パターンの分類を行う請求項記載の画像信号処理装置。
  3. 被写体を撮像する撮像手段と、
    上記撮像手段による撮像信号として得られた入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換手段と、
    上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施し、多階調化した出力画像信号を得る画像信号処理手段とを備え
    上記画像信号処理手段は、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するクラスタップ抽出手段と、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出する予測タップ抽出手段と、上記クラスタップ抽出手段で抽出された画素値について、画像信号パターンのクラス分類を行うクラス分類手段と、上記クラス分類手段により分類される各クラス毎の予測係数セットを記憶した係数記憶手段と、上記クラス分類手段により分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットが上記係数記憶手段から与えられ、上記予測タップ抽出手段により抽出された予測タップの各画素値に上記予測係数セットを掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行い、求めた予測画素値を出力する適応処理手段とからなり、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成する撮像装置。
  4. 上記撮像手段は、ベイヤー配列のCCDイメージセンサである請求項3記載の撮像装置。
  5. 入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換ステップと、
    デジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施す階調創造処理ステップとを有し、
    上記画像信号処理ステップでは、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するとともに、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出し、抽出された上記クラスタップ位置の画素値について画像信号パターンのクラス分類を行うことにより、各クラス毎の予測係数セットを記憶しておき、分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットを抽出された上記予測タップの各画素値に掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行うことにより、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成する画像信号処理方法。
  6. 入力画像信号を出力画像信号よりも低い分解能でアナログ信号からデジタル信号に変換するアナログ/デジタル変換ステップと、
    デジタル信号に変換した入力画像信号に対してクラス分類適応処理による階調創造処理を施す階調創造処理ステップとを有し、
    上記画像信号処理ステップでは、上記入力画像信号の注目領域から指定されたクラスタップ位置の画素値を抽出するとともに、上記入力画像信号の注目領域から指定された予測タップ位置から画素値を抽出し、抽出された上記クラスタップ位置の画素値について画像信号パターンのクラス分類を行うことにより、各クラス毎の予測係数セットを記憶しておき、分類された画像信号パターンのクラス分類に対応する予測係数セットを抽出された上記予測タップの各画素値に掛け、線形和を以て予測画素値とする処理を行うことにより、上記アナログ/デジタル変換手段によりデジタル信号に変換した入力画像信号に対して、多階調化、高解像度化、及び、単板相当画像信号から3板相当画像信号への変換処理をクラス分類適応処理により一括して施し、上記出力画像信号として3板相当画像信号を生成する画像信号処理を行うコンピュータ制御可能なプログラムが記録された記録媒体。
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