JP4839438B2 - 被膜生成方法および被膜生成装置 - Google Patents

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本発明は、基板表面に被膜を生成する被膜生成方法および被膜生成装置に関し、特に、レーザー光で蒸散させた被膜原料を基板表面に付着させて被膜を生成する被膜生成方法および被膜生成装置に関する。
従来から、基板表面に被膜を生成する方法として、レーザー光を固体ターゲットに照射して、蒸散(アブレーション)した固体ターゲットの材料を基板表面に付着、堆積させるレーザーアブレーション法(または、レーザースパッタリング法)が知られている。
図4は従来のレーザーアブレーション法の被膜生成装置の全体説明図である。
図4において、従来の被膜生成装置01は、真空ポンプ02により真空排気された球体状のチャンバ03を有する。前記チャンバ03の中央部には、蒸散領域03aが設定されている。前記蒸散領域03aには、生成したい被膜の材料により構成された固体ターゲット04が配置されており、前記固体ターゲット04はターゲット保持装置05により保持されている。前記ターゲット保持装置05は、固体ターゲット04を蒸散領域03aに対して出入、回転等が可能に構成されており、蒸散領域03aの中心に固体ターゲット04の任意の表面を移動可能な機構により構成されている。前記チャンバ03内の蒸散領域03aの近傍には、固体ターゲット04に対向して被膜が形成される基板06が支持されている。前記チャンバ03の外部には、レーザー光源装置07が配置されており、前記レーザー光源装置07から出射されたレーザー光07aは、レンズ(集光光学系)08により蒸散領域03aに集光されて蒸散領域03aに配置された固体ターゲット04の表面に照射される。
なお、図4に示すようなレーザーアブレーション法により被膜を生成する技術は、特許文献1(特開平11−131229号公報)等にも記載されている。
特開平11−131229号公報
(従来技術の問題点)
前記従来のレーザーアブレーション法では、固体ターゲットを蒸散させて成膜するので、成膜を続けることにより固体ターゲットが少しずつ削れ、ターゲットのレーザー光照射条件が変化していくため、固体ターゲットを回転させたり、移動させるための移動機構を備えたターゲット保持装置が必要になるという問題がある。また、移動機構を有するターゲット保持装置を使用しても、固体ターゲットが削れて無くなっていくため、1つの固体ターゲットを使用するのにも限界があり、広い面積の被膜を生成する場合に問題となる。また、レーザー光が照射されて削れる際に、大きな塊が固体ターゲットから放出されて基板に付着することもあり、膜厚にムラができる等の成膜の質が低下する問題もあった。
本発明は、前述の事情に鑑み、長期間一定条件でターゲットを蒸散可能にすることを第1の技術的課題とする。
また、本発明は、高品質、大面積の被膜を生成することを第2の技術的課題とする。
(第1発明)
前記技術的課題を解決するために第1発明の被膜生成方法は、
レーザー光が照射される蒸散領域に、被膜原料を含む被膜原料溶液により構成された液体ターゲットを供給し、前記蒸散領域においてレーザー光が照射されて液体ターゲットから蒸散作用により生成された前記被膜原料に含まれる元素からなる原子、分子、イオン、クラスターの粒子群を基板表面に堆積することにより、前記基板に前記被膜原料を組成に含む被膜を生成することを特徴とする。
前記構成要件を備えた第1発明の被膜生成方法では、レーザー光が照射される蒸散領域に、被膜原料を含む被膜原料溶液により構成された液体ターゲットを供給し、前記蒸散領域においてレーザー光が照射されて液体ターゲットから蒸散作用により生成された前記被膜原料に含まれる元素からなる原子、分子、イオン、クラスターの粒子群を基板表面に堆積することにより前記被膜原料を組成に含む被膜を生成する。したがって、固体ターゲットを使用する従来技術に比べ、ターゲットが削れたり、減ったりすることがなく、長期間一定条件でターゲットを蒸散可能にできるとともに、高品質、大面積の被膜を生成することができる。
前記第1発明において、溶質としての前記被膜原料を含む前記被膜原料溶液を使用することができる。
この場合、前記被膜原料溶液の溶質としての前記被膜原料を蒸散させて成膜できる。
また、前記第1発明において、前記被膜原料の微粒子が分散され懸濁した前記被膜原料溶液を使用することができる。
この場合、前記被膜原料溶液に分散された被膜原料の微粒子を蒸散させて成膜できる。
また、この場合に、前記被膜原料としてのスズの微粒子が水に分散されたスズ微粒子分散溶液により構成された前記液体ターゲットを使用することができる。この場合、スズの被膜を生成することができる。
さらに、この場合に、重量濃度17%以上のスズ微粒子分散溶液により構成された前記液体ターゲットを使用することができる。この場合、スズを基板に付着堆積させることができる。
(第2発明)
前記技術的課題を解決するために、第2発明の被膜生成装置は、
蒸散室内に設定された蒸散領域に、被膜原料が含まれる被膜原料溶液により構成された液体ターゲットを供給する液体ターゲット供給装置と、
前記蒸散領域において液体ターゲットから前記被膜原料に含まれる元素からなる原子、分子、イオン、クラスターの粒子群を蒸散作用により生成させるレーザー光を照射するレーザー光源装置と、
前記被膜原料を組成に含む被膜が形成される基板を前記蒸散領域の近傍に支持する基板支持部材と、
を備えたことを特徴とする。
前記構成要件を備えた第2発明の被膜生成装置では、液体ターゲット供給装置は、蒸散室内に設定された蒸散領域に、被膜原料が含まれる被膜原料溶液により構成された液体ターゲットを供給する。レーザー光源装置は、前記蒸散領域において液体ターゲットから前記被膜原料に含まれる元素からなる原子、分子、イオン、クラスターの粒子群を蒸散作用により生成させるレーザー光を照射する。基板支持部材は、前記被膜原料を組成に含む被膜が形成される基板を前記蒸散領域の近傍に支持する。
したがって、第2発明の被膜生成装置では、固体ターゲットを使用する従来技術に比べ、ターゲットが削れたり、減ったりすることがなく、長期間一定条件でターゲットを蒸散可能にできるとともに、基板に高品質、大面積の被膜を生成することができる。
前記第2発明において、前記蒸散室内の物質と反応する反応材を供給する反応材供給装置、を備えることもできる。
この場合、反応材供給装置により前記蒸散室内の物質と反応する反応材が供給されるので、被膜原料またはその化合物を含む被膜を生成することができる。
前述の本発明は、長期間一定条件でターゲットを蒸散可能にすることができる。
また、本発明は、高品質、大面積の被膜を生成することができる。
次に図面を参照しながら、本発明の実施の形態を説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではない。
なお、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とし、矢印X,−X,Y,−Y,Z,−Zで示す方向または示す側をそれぞれ、前方、後方、右方、左方、上方、下方、または、前側、後側、右側、左側、上側、下側とする。
また、図中、「○」の中に「・」が記載されたものは紙面の裏から表に向かう矢印を意味し、「○」の中に「×」が記載されたものは紙面の表から裏に向かう矢印を意味するものとする。
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1の被膜生成装置の説明図である。
図1において、実施の形態1の被膜生成装置1は、球状のチェンバー2を有する。前記チェンバー2の上下、左右、右斜め上、右斜め下、左斜め上および左斜め下には、外部接続部2a〜2hが設けられている。なお、実施の形態1では、右側および右斜め下の外部接続部2d、2fは使用されないため、閉塞されている。
前記チェンバー2内の蒸散室3の中央部には、蒸散領域(プラズマ発生領域)3aが設定されている。
前記チェンバー2の左斜め下の外部接続部2hには、蒸散室3を真空状態に排気する真空ポンプ4が接続されている。
前記チェンバー2の右斜め上の外部接続部2eには、真空排気された蒸散室3内に還元ガス(反応材)を供給する還元ガス供給装置(反応材供給装置)5が接続されている。前記還元ガス供給装置5は、蒸散領域3aまで延びるノズル5aと、還元ガスの供給および供給停止を行うためのバルブ5bとを有する。
前記チェンバー2の上側の外部接続部2aには、液体ターゲット供給装置6が接続されている。前記液体ターゲット供給装置6は、被膜原料を含む被膜原料溶液が貯留されたターゲット溶液タンク6aと、前記ターゲット溶液タンク6aから前記蒸散室3の蒸散領域3aの上方まで延びる供給ノズル6bとを有する。ターゲット溶液タンク6a内の被膜原料溶液は、液滴状の液体ターゲットTとして前記供給ノズル6bから蒸散領域3aに断続的に供給される。
前記チェンバー2の下側の外部接続部2bには、液体ターゲット回収装置7が接続されている。前記液体ターゲット回収装置7は、蒸散室3外部に配置された回収タンク7aと、前記回収タンク7aから蒸散領域3aの下方まで延びる回収ノズル7bとを有する。液体ターゲット回収装置7は、前記供給ノズル6bから供給され蒸散領域3aを通過した液体ターゲットTを回収ノズル7bで回収し、回収タンク7aに貯留する。
前記チェンバー2の左側の外部接続部2cには、レーザー光導入窓8が形成されている。前記レーザー光導入窓8の外部には、レーザー光源装置9および集光レンズ(集光光学系)10とが配置されている。前記レーザー光源装置9から出射されたレーザー光Lは、集光レンズ10で集光され、前記蒸散領域3aに照射される。
前記チェンバー2の左斜め上の外部接続部2gには、基板交換装置11が支持されている。前記基板交換装置11は、交換ロッド11aと、交換ロッド11aの先端部に支持され且つ表面に基板12を支持する基板支持部材11bとを有する。前記基板交換装置11は、交換ロッド11aを抜差しすることにより、基板12を蒸散領域3aに対向する被膜生成位置(図1参照)と、チェンバー2外部で基板12の交換が可能な基板交換位置(図示せず)との間を移動可能に構成されている。
(実施の形態1の作用)
前記構成を備えた実施の形態1の被膜生成装置1では、蒸散領域3aに連続的に供給される液体ターゲットTにレーザー光Lが照射されて、液体ターゲットT中の被膜原料が蒸散する。蒸散した被膜原料は、蒸散領域3aに対向して配置された基板12の表面に付着、堆積して被膜原料を含む被膜が生成される。
なお、実施の形態1の被膜生成装置1では、蒸散領域3aにおいて、レーザー光により被膜原料がプラズマ化されて蒸散し、同じく蒸散した水に含まれる酸素と反応して、基板表面に被膜原料の酸化被膜が形成されている。
(実験例)
前記実施の形態1の被膜生成装置において実験を行った。
(実施例1)
実施例1では、被膜原料溶液として、平均粒径約5nm(最大粒径10nm程度)の微粒子状のスズが水に一様に分散され懸濁されたものを使用した。なお、スズの重量濃度は17%に設定した。蒸散領域3aに供給される液体ターゲットは、直径50μmの液滴状の液体ターゲットとした。
前記レーザー光源装置9として、Continuum社製のNd:YAGレーザー(Surelite III-10)を使用した。レーザー光の波長は1064nm、最大レーザーエネルギーは800mJ、パルス幅は10ns(FWHM(Full Width at Half Maximum)、半値全幅)であり、繰り返し周波数10Hzで動作させた。前記集光レンズ10として、f値(焦点距離)が300mmのレンズを使用した。レーザー光の集光径は、強度分布の半値全幅を集光径とし、175μm(FWHM)とした。なお、集光径は、拡大光学系とビームプロファイラーにより予め計測されている。
前記基板12としては、シリコン(Si)基板を使用した。
(比較例1)
比較例1では、前記スズの重量濃度を6%とした以外は、実施例1と同様の条件で実験を行った。
前記実施例1および比較例1において、液体ターゲットにNd:YAGレーザー光を1000秒間(10Hzで10000ショット)照射した後のシリコン基板12上に生成した被膜をX線光電子分光法(X-ray Photoelectron Spectroscopy、XPS)で分析を行った。
分析結果のXPSスペクトルでは、スズの3d(原子軌道)成分は、結合エネルギーが486.5eVおよび495eVに信号を持ち、酸素の1s成分は533eVに信号を持つ。なお、本実験例では、結合エネルギーは、一般的に用いられる炭素の1sの信号284.6eVで較正した。
図2はシリコン基板のスズの3d(原子軌道)成分のXPSスペクトルの分析結果であり、横軸に結合エネルギー(Binding energy)、縦軸に強度(Intensity)を取ったグラフであって、図2Aは実験例1の測定結果、図2Bは比較例1の測定結果である。
図3はシリコン基板の酸素の1s(原子軌道)成分のXPSスペクトルの分析結果であり、横軸に結合エネルギー(Binding energy)、縦軸に強度(Intensity)を取ったグラフであって、図3Aは実験例1の測定結果、図3Bは比較例1の測定結果である。
なお、図2、図3において、基板12において、蒸散領域3aに曝された曝露面のXPS測定結果を太実線で示し、蒸散領域3aに曝されていない非曝露面のXPS測定結果を細実線で示した。
図2において、重量濃度17%のスズの液体ターゲットTを使用した実施例1では、図2Aに示すように基板の曝露面(exposed)にスズが観測された。すなわち、基板にスズが付着、堆積して、スズを含む被膜が形成されている。一方、重量濃度6%の比較例1では、図2Bに示すように基板の曝露面(exposed)と非曝露面(unexposed)でのスペクトルがほぼ同一であるため、スズは観測されなかった。
図3において、スズの重量濃度17%の実施例1では、図3Aに示すように、曝露面(exposed)および非曝露面(unexposed)で酸素が観測されているが、曝露面での酸素が多く観測されている。なお、非曝露面においても酸素が観測されたのは、基板表面のシリコン自然酸化膜によるものである。したがって、実施例1では、基板表面には酸素が付着堆積し、酸素を含む被膜が形成されている。一方、スズの重量濃度が6%の比較例1では、図3Bに示すように、曝露面(exposed)と非曝露面(unexposed)でほとんど変化が見られず、酸素の付着、堆積が観測されなかった。
したがって、実施例1では、基板表面に酸化スズの被膜が生成され、比較例1では被膜が生成されなかったことがわかる。
この結果、実施の形態1の被膜生成装置1は、液体ターゲットTにレーザー光Lを照射して、被膜原料を蒸散させ、基板12表面に付着、堆積させることで、基板12表面に被膜を生成できる。
また、実施の形態1の被膜生成装置1は、蒸散領域3aに供給される液体ターゲットTを使用しているので、チェンバー2の外部に設置されたターゲット溶液タンク6aに溶液を適宜補給することで、理論的には無限の面積に被膜を形成することができる。したがって、固体ターゲットを使用する従来技術のように固体ターゲットが削れて減っていくことにより、被膜を生成できる面積が制限される問題を解消することができる。
さらに、実施の形態1の被膜生成装置1では、連続的に液体ターゲットTが供給されるので、固体ターゲットを使用する従来技術のように固体ターゲットが削れてレーザー光照射条件が変化することがなく、長期間一定の条件でターゲットTを供給することができる。したがって、デブリ(ゴミ、不純物)を減らすことができ、生成される被膜の品質を高めることができる。また、従来技術のようにレーザー光照射条件を一定にするために固体ターゲットを移動させる装置を設ける必要が無くなり、コストを低減することもできる。
また、実施の形態1の被膜生成装置1では、液体ターゲットTを使用しているので、固体ターゲットを使用する場合に大きな塊が放出されることが防止され、成膜の品質が低下することを防止できる。特に、実施例1では、ナノ微粒子を使用しているため、大きな塊の放出を抑えることができる。
さらに、実施の形態1の被膜生成装置1では、還元ガス供給装置5により還元ガスを供給することができるので、生成したい被膜の材料に応じて還元ガスを供給することで、還元された被膜原料の被膜を生成することができる。例えば、実施例1において、還元ガスとして水素を供給することで、水が蒸散した酸素を還元することができ、酸化スズの被膜ではなく、スズの被膜を生成することができる。
(変更例)
以上、本発明の実施例を詳述したが、本発明は、前記実施例に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨の範囲内で、種々の変更を行うことが可能である。
例えば、前記実施の形態において、スズの微粒子が分散され、懸濁された溶液を例示したが、これに限定されず、被膜原料を溶質または溶媒として含む溶液を液体ターゲットとして使用することも可能である。
また、前記実施の形態において、実施例の被膜原料としてスズを例示したが、これに限定されず、金属、半導体、絶縁物、生体適合材料など、原料液あるいは分散させる原料粒子は生成したい被膜に応じて変更可能である。
さらに、前記実施の形態において、液体ターゲットの重量濃度は17%のものを実施例とし、重量濃度6%のものを比較例として例示したが、スズの微粒子の平均粒子径やレーザー光の出力等に応じて、被膜が生成可能な範囲で濃度を調整することも可能であると考えられる。特に、本発明は、液体ターゲットを使用しているので、濃度の調整は容易である。
さらに、前記実施の形態では、Nd:YAGレーザーをレーザー光源装置として例示したが、これに限定されず、ターゲット中の被膜原料を蒸散可能な任意の光源装置を使用可能である。また、レーザー光の波長やエネルギー、パルス波か連続波か等は、適宜変更可能である。
また、前記実施の形態では、液滴状の液体ターゲットTを使用したが、これに限定されず、水流(連続流)状の液体ターゲットTとすることも可能である。連続流の液体ターゲットTを採用した場合には、供給ノズル6bの構成を簡素化できる利点がある。
さらに、前記反応材として、還元ガス(還元材)である水素を例示したが、これに限定されず、例えば、反応材としてのアンモニア(NH)を供給することにより、被膜原料を窒化して、窒化された被膜(窒化化合物の被膜)を生成できたり、COやCO等のガスを供給することで炭酸化合物の被膜を生成できるものと考えられる。したがって、被膜原料(例えばスズ)の酸化物(例えば、酸化スズ)の液体ターゲットから、被膜原料の窒化物(例えば、窒化スズや酸窒化スズ)の被膜、即ち、被膜原料(スズ)の組成を含む被膜を生成するといったことも考えられる。
図1は本発明の実施の形態1の被膜生成装置の説明図である。 図2はシリコン基板のスズの3d(原子軌道)成分のXPSスペクトルの分析結果であり、横軸に結合エネルギー(Binding energy)、縦軸に強度(Intensity)を取ったグラフであって、図2Aは実験例1の測定結果、図2Bは比較例1の測定結果である。 図3はシリコン基板の酸素の1s(原子軌道)成分のXPSスペクトルの分析結果であり、横軸に結合エネルギー(Binding energy)、縦軸に強度(Intensity)を取ったグラフであって、図3Aは実験例1の測定結果、図3Bは比較例1の測定結果である。 図4は従来のレーザーアブレーション法の被膜生成装置の全体説明図である。
符号の説明
1…被膜生成装置
2…チェンバー
2a〜2h…外部接続部
3…蒸散室
3a…蒸散領域
4…真空ポンプ
5…還元ガス供給装置
5a…ノズル
5b…バルブ
6…液体ターゲット供給装置
6a…ターゲット溶液タンク
6b…供給ノズル
7…液体ターゲット回収装置
7a…回収タンク
7b…回収ノズル
8…レーザー光導入窓
9…レーザー光源装置
10…集光レンズ
11…基板交換装置
11a…交換ロッド
11b…基板支持部材
12…基板
L…レーザー光
T…液体ターゲット

Claims (7)

  1. レーザー光が照射される蒸散領域に、被膜原料を含む被膜原料溶液により構成された液体ターゲットを供給し、前記蒸散領域においてレーザー光が照射されて液体ターゲットから蒸散作用により生成された前記被膜原料に含まれる元素からなる原子、分子、イオン、クラスターの粒子群を基板表面に堆積することにより、前記基板に前記被膜原料を組成に含む被膜を生成することを特徴とする被膜生成方法。
  2. 溶質としての前記被膜原料を含む前記被膜原料溶液を使用することを特徴とする請求項1に記載の被膜生成方法。
  3. 前記被膜原料の微粒子が分散され懸濁した前記被膜原料溶液を使用することを特徴とする請求項1に記載の被膜生成方法。
  4. 前記被膜原料としてのスズの微粒子が水に分散されたスズ微粒子分散溶液により構成された前記液体ターゲット、
    を使用することを特徴とする請求項3に記載の被膜生成方法。
  5. 重量濃度17%以上のスズ微粒子分散溶液により構成された前記液体ターゲット、
    を使用することを特徴とする請求項4に記載の被膜生成方法。
  6. 蒸散室内に設定された蒸散領域に、被膜原料が含まれる被膜原料溶液により構成された液体ターゲットを供給する液体ターゲット供給装置と、
    前記蒸散領域において液体ターゲットから前記被膜原料に含まれる元素からなる原子、分子、イオン、クラスターの粒子群を蒸散作用により生成させるレーザー光を照射するレーザー光源装置と、
    前記被膜原料を組成に含む被膜が形成される基板を前記蒸散領域の近傍に支持する基板支持部材と
    を備えたことを特徴とする被膜生成装置。
  7. 前記蒸散室内の物質と反応する反応材を供給する反応材供給装置、
    を備えたことを特徴とする請求項6に記載の被膜生成装置。
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