JP4839059B2 - フライホイール用の回転体と、それを使用する電力貯蔵用のフライホイール - Google Patents

フライホイール用の回転体と、それを使用する電力貯蔵用のフライホイール Download PDF

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Description

この発明は、電力貯蔵用の用途に好適に使用することができるフライホイール用の回転体と、それを使用する電力貯蔵用のフライホイールに関する。
電力貯蔵用の用途に用いるフライホイール用の回転体として、螺旋状織物を強化材とする繊維強化プラスチック材を使用することが提案されている(特許文献1)。螺旋状織物は、軸方向に積層して円筒状の回転体を作ることにより、経糸が周方向に連続するため高度の耐遠心力強度を容易に実現することができるからである。なお、螺旋状織物は、炭素繊維やアラミド繊維などの高強度繊維を経糸、緯糸として使用するとともに、経糸を螺旋状に湾曲させ、経糸の径方向に緯糸を配置し、両者を螺旋形のシート状に織り上げて形成することができる。
特開2002−210737号公報
かかる従来技術によるときは、円筒状の回転体は、螺旋状織物を強化材とする繊維強化プラスチック材により全体が一様に構成されているため、外周部分の比重が小さく、エネルギの蓄積効率が高くないという問題があった。
そこで、この発明の目的は、かかる従来技術の問題に鑑み、金属製の内部材と、長繊維糸を周方向に巻き付けて強化材とする繊維強化プラスチック材の外部材とを組み合わせることによって、エネルギの蓄積効率を向上させることができるフライホイール用の回転体と、それを使用する電力貯蔵用のフライホイールを提供することにある。
かかる目的を達成するためのこの出願に係る第1発明(請求項1に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、金属製の円筒状の内部材と、内部材の外周に一体に組み合わせる円筒状の外部材と、内部材の上下に突出している外部材の両端に装着する上下の端板とを備えてなり、内部材は、逆方向の切れ目を母線方向に交互に等間隔に形成して遠心力により径方向に拡大変形可能とし、外部材は、長繊維糸を周方向に巻き付け、径方向に積層して強化材とする繊維強化プラスチック材とし、各端板は、中心部のボス材の外周にリング板を装着し、各切れ目は、内部材の下端、上端から先端までの距離a、隣接する周方向の間隔bとしてa≦bに設定することをその要旨とする。
なお、リング板は、螺旋状織物を軸方向に積層して強化材とする繊維強化プラスチック材とすることができ、ボス材の外周の軸方向の円筒状のリブに装着することができ、各リブは、遠心力に対する変形強度をほぼ同一に設定することができる。
第2発明(請求項5に係る発明をいう、以下同じ)の構成は、第1発明に係るフライホイール用の回転体と、上の端板上の軸を振れ止めする永久磁石の磁気軸受と、下の端板に垂設するピボット軸を振れ止めする永久磁石の磁気軸受と、下の端板に付設する電動発電機用のロータと、各磁気軸受とともに回転体を収納する容器とを備えることをその要旨とする。
なお、ピボット軸用の磁気軸受には、ダンパ機構を組み合わせることができる。
かかる第1発明の構成によるときは、内部材の外側に配置する外部材は、長繊維糸を周方向に巻き付けて径方向に積層する強化材を使用するから、螺旋状織物を強化材とする場合に比して製造効率が格段によい上、周方向に十分強大な剛性を有し、したがって、内部材を効果的に補強して安全性を向上させることができる。また、金属製の内部材は、比重が大きく、エネルギの蓄積効率を向上させる事ができる。なお、上下の各端板は、螺旋状織物を強化材とするリング板を外周部分に使用することにより、必要な強度を容易に確保することができ、高価な螺旋状織物の使用量を必要最少に抑えることができる。
リング板の強化材としての螺旋状織物は、経糸、緯糸として、たとえばピッチ系またはPAN系の炭素繊維の他、ガラス繊維、アラミド繊維、チラノ繊維、アルミナ繊維、シリカ繊維、ボロン繊維、チタン酸カリウム繊維、ジルコニア繊維、炭化ケイ素繊維、ポリアクリロニトリル繊維、ポリアクリレート繊維、全芳香族ポリエステル繊維、超高分子ポリエチレン繊維、高強度ビニロン繊維、高強度アクリル繊維、金属繊維などの高強度繊維を使用することができる。これらの経糸、緯糸は、それぞれ任意の単糸太さのフィラメントを幅数mm、厚さ0.1〜0.4mm程度の偏平断面の帯状に平行に引き揃えて任意の繊度のマルチフィラメント糸とし、互いに交絡させながら幅方向に配列して螺旋状織物の面を形成するようにして使用する。なお、炭素繊維、ガラス繊維、アルミナ繊維等は、たとえば直径5〜10μm程度の単糸を1000〜36000本程度集合させることが好ましく、アラミド繊維等は、たとえば1〜5d程度の単糸を集合して全糸デニールを数千ないし数万dとすることが好ましい。
螺旋状織物は、経糸、緯糸を平織り、綾織り、朱子織り等の任意の織組織に製織して形成することができる。螺旋状織物を製織するに際しては、レピア機構やニードル機構の他、エアまたは水ジェットを使用する流体ジェット方式等の緯入れ方式の織機を使用することが可能である。なお、螺旋状織物の経糸、緯糸は、同一の繊度にする他、互いに異なる繊度であってもよく、両者は、同一の素材または異なる素材であってもよい。また、経糸は、径方向の外側に対し、比弾性率、比強度が内側より大きいものを使用してもよい。
リング板のマトリクス材としては、エポキシ樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、フェノール樹脂、ポリイミド、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンエーテル、ポリアリレート、ポリフェニレンスルフィド、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、エチレンビニルアルコール共重合体などの高強度エンジニアリングプラスチック材料を使用することができる。なお、これらの材料は、機械的強度、耐熱性、耐摩耗性等を向上させるために、適切な有機化合物、無機物、砥粒、セラミックス、金属等の繊維、ウィスカ、粉末等を充填材として分散混入し、または表面コーティングしてもよい。
外部材の強化材としての長繊維糸は、リング板用の螺旋状織物の経糸、緯糸と同様の高強度繊維を使用し、マトリクス材も、リング板のそれと同等のものを使用する。ただし、外部材の強度、剛性は、内部材の変形を抑え込み、内部材を補強するために、十分大きくするものとする。長繊維糸は、所定の繊度のモノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を周方向にほぼ平行に巻き付けて径方向に積層してもよく、螺旋状織物の経糸、緯糸と同様の偏平断面の帯状に引き揃えたマルチフィラメント糸を周方向にほぼ平行に巻き付けて径方向に積層してもよい。なお、後者の場合、マルチフィラメント糸の幅を外部材用の強化材の仕上り高さに等しく設定すれば、巻付回数に等しい積層数をダイレクトに実現することができ、巻付効率を最大にすることができる。
各端板のリング板は、ボス材の外周のリブに装着することにより、ボス材との一体性を向上させることができる。ボス材のリブは、遠心力に対して円筒材として挙動し、リング板の拡大変形に追随し易くなるからである。ただし、ボス材は、たとえばアルミニウム材によって作るものとする。また、内部材は、逆方向の切れ目を母線方向に交互に形成することにより、径方向に拡大変形し易くなり、したがって、比重の大きな金属製であっても、応力破壊を生じるおそれがない。なお、内部材は、たとえば黄銅製とし、切れ目は、内部材を周方向に6〜24等分するように設けることが好ましい。切れ目を有する内部材は、万一の破壊の際にも、大きな破片を生じることがなく、安全性を高めることができる。
第2発明の構成によるときは、フライホイール用の回転体は、ピボット軸を介して回転自在に支持され、上下の永久磁石の磁気軸受を介して振れ止めされ、電動発電機用のロータを介して回転駆動されてエネルギを蓄積し、蓄積したエネルギを電力として外部に取り出すことができる。すなわち、電磁石の磁気軸受を使用しないから、蓄積エネルギの利用効率を向上させることができる上、電源喪失時においても、ロータの回転姿勢を自律的に良好に維持することができる。また、ロータは、下の端板に付設し、ピボット軸に装着しないから、ピボット軸の軸径の設定自由度が大きく、軸振動の固有振動数を十分低くして起動を容易にすることができる。ただし、回転体を収納する容器は、真空容器として回転体の空気抵抗を少なくすることが好ましく、回転体の万一の破壊に備えて、十分な強度の安全容器とすることが好ましい。
ピボット軸用の磁気軸受に組み合わせるダンパ機構は、ピボット軸の振れ振動を制振し、起動を一層容易にすることができる。なお、ダンパ機構は、たとえばピボット軸を支持する軸受板の横移動を油の粘性抵抗によって抑制する構成とする。
以下、図面を以って発明の実施の形態を説明する。
フライホイール用の回転体(以下、単に回転体という)10は、金属製の円筒状の内部材11の外側に円筒状の外部材12を一体に組み合わせ、上下の端板13、14を付設してなる(図1)。なお、端板13、14は、それぞれ中心部のボス材13a、14aの外周にリング板13b、14bを装着して形成されている。
内部材11は、たとえば黄銅製の薄肉の円筒状部材である(図2)。内部材11には、上向き、下向きの切れ目11a、11a…、11b、11b…が母線方向に交互に形成されている。なお、各切れ目11a、11bは、それぞれ内部材11の高さの半分以上の長さであり、したがって、両者は、互いに上下方向に交錯している。また、切れ目11a、11a…、11b、11b…は、内部材11を周方向に6〜24等分するように、交互に等間隔に形成するものとし、内部材11の下端、上端から各切れ目11a、11bの先端までの距離aは、隣接する切れ目11a、11bの周方向の間隔bとほぼ等しく、a≦bに設定することが好ましい。内部材11は、大きな遠心力がかかると、切れ目11a、11a…、11b、11b…を介し、径方向に容易に拡大変形することができる。
外部材12は、繊維強化プラスチック材により一体成形され、内部材11の外周に一体に装着されている(図1)。なお、外部材12は、内部材11の上下に突出するように、内部材11の高さより高く仕上げられている。
外部材12の強化材12aは、高強度繊維の長繊維糸Sc を周方向に巻き付けて径方向に積層されている(図3)。ただし、長繊維糸Sc は、所定の繊度のモノフィラメント糸またはマルチフィラメント糸を密着させて平行に巻き付けて平行巻にしてもよく(図3(A))、上下に折り返しながら所定のピッチごとに平行に巻き付けてヘリカル巻にしてもよい(同図(B))。ただし、図3(A)、(B)の平行巻、ヘリカル巻は、各巻層ごとに交互に併用してもよい。また、長繊維糸Sc は、外部材12の高さより十分小さい幅wの偏平断面の帯状のマルチフィラメント糸を密着して巻き付けてもよく(同図(C))、外部材12の高さにほぼ等しい幅wの帯状のマルチフィラメント糸を単純に重ね巻にして巻き付けてもよい(同図(D))。長繊維糸Sc の巻付け方向は、回転体10の回転方向(図4(A)〜(D)の各矢印方向)に回転させると巻き進む方向に定めることが好ましい。強化材12aは、外部材12のほぼ全体積を占めるように形成し、図示しないマトリクス材を真空充填することにより、マトリクス材に埋設されている。
上の端板13のボス材13aの中心には、ナット15aを介し、短い振れ止め用の軸15が上向きにねじ止めされている(図1、図4)。ボス材13aの外周には、上向きの溝13a1 を介してリブ13a2 が形成されており、リブ13a2 の上端には、外フランジ13a3 が形成されている。また、ボス材13aの上面には、押えリング16a、補強リング16bを介し、リング状の永久磁石16がねじ止めされている。ただし、押えリング16aは、たとえば非磁性のチタン材であり、永久磁石16の磁極は、上下に形成されている。また、補強リング16bは、外部材12と同様の長繊維糸Sc を強化材とする繊維強化プラスチック材である。上の端板13のリング板13bは、ボス材13aのリブ13a2 の外周上部と、内部材11の上端に突出する外部材12の内周との間において、外フランジ13a3 の下面に接するようにして装着されている。
下の端板14のボス材14aの中心には、ピボット軸17がねじ止めされて垂設されている(図1、図5)。ボス材14aの外周には、上向きの溝14a1 を介してリブ14a2 が形成されており、リブ14a2 の外周下端部には、外フランジ14a3 が形成されている。そこで、下の端板14のリング板14bは、ボス材14aのリブ14a2 の外周上部と、内部材11の下端に突出する外部材12の内周との間において、外フランジ14a3 の上面に接するようにして装着されている。なお、上下のボス材13a、14aのリブ13a2 、14a2 は、遠心力に対する変形強度がほぼ同一に設定されている。
ピボット軸17の下端は、頂面が僅かにドーム状に膨出する円錐状、または半球状に硬質仕上げされている。また、端板14の下面には、ピボット軸17の基部にねじ止めする円筒状のホルダ18aを介してロータ18が付設されている。ただし、ロータ18は、適切なギャップを介して外周に配設する励磁コイル19と組み合わせることにより電動発電機を形成するものとする。
上下の端板13、14のリング板13b、14bは、それぞれ螺旋状織物Sを軸方向に積層して強化材とする繊維強化プラスチック材により形成されている(図6)。ただし、図6(A)は、同図(B)、(C)の要部拡大平面図である。
螺旋状織物Sは、螺旋状に配列する経糸Sp 、Sp …と、経糸Sp 、Sp …に交互に交絡しながら経糸Sp 、Sp …の径方向に配置する緯糸Sf 、Sf …とを備えている(図6(A))。なお、最外周の経糸Sp の外側、最内周の経糸Sp の内側は、それぞれ耳糸S1 、S1 、耳糸S2 、S2 を介してほつれ止めされている。ただし、各耳糸S1 、S2 は、熱融着糸を使用してもよい。螺旋状織物Sは、経糸Sp 、Sp …、緯糸Sf 、Sf …を製織して、螺旋形のシート状に形成されている。
経糸Sp 、Sp …は、たとえば所定の繊度の偏平断面の帯状のマルチフィラメント糸であり、径方向に均一なピッチごとに配列して螺旋状に湾曲されている。また、緯糸Sf 、Sf …も、経糸Sp 、Sp …と同様のマルチフィラメント糸であり、経糸Sp 、Sp …の径方向に放射状に配列されている。緯糸Sf 、Sf …は、螺旋状織物Sの最外周側の耳糸S1 、S1 、最内周側の耳糸S2 、S2 のそれぞれ外側、内側において切り揃えられ、最外周の経糸Sp の外側、最内周の経糸Sp の内側にそれぞれ短く突出している。
螺旋状織物Sの経糸Sp 、Sp …は、螺旋状織物Sの内側から外側に向けて径方向のピッチを順に小さくして配列してもよく、内側から外側に向けて繊度を順に大きくしてもよい。螺旋状織物Sの内側から外側に向けて放射状に配列する緯糸Sf 、Sf …の実質的な緯糸密度が低下しても、それを補償して全体の目付を均一にすることができる。なお、図6(A)において、緯糸Sf 、Sf …は、耳糸S1 、S1 、S2 、S2 を介してほつれ止めするに代えて、最外周の経糸Sp の外側、最内周の経糸Sp の内側において順次交互に折り返し、螺旋状織物Sの全体に亘って連続させてもよい。
螺旋状織物Sは、図示しない型枠内において、軸方向に積層してマトリクス材を真空充填して含浸することにより(図6(B))、所定の厚さのリング板13b、14bを作ることができる。ただし、螺旋状織物Sは、切れ目Sa を介して1ターンごとにリング状に切断し(同図(C))、複数枚を軸方向に積層してもよい。なお、切れ目Sa の位置は、1枚ごとに周方向にランダムに違えるものとする。
回転体10は、円筒状の容器20に同軸状に収納して電力貯蔵用のフライホイールを構成することができる(図7)。ただし、容器20は、低圧に排気する真空の安全容器であることが好ましい。
容器20は、底板22付きの円筒状の本体21に対し、蓋板23をねじ止めして形成されている。底板22の中心部には、大径の取付孔22aが開口されており、底板22の上面側には、取付孔22aを利用して、励磁コイル19を支持する支持材24がねじ止めされている。また、底板22の下面側には、取付孔22aをシールするようにして、ピボット軸17用の軸受板31を搭載するオイルパン25がねじ止めされている。オイルパン25には、ピボット軸17の下端を越えるレベルにまで潤滑油を貯留することができる。励磁コイル19は、図示しない電線を介し、容器20の外面に付設する端子板26に引き出されている。
蓋板23の下面には、たとえば銅製の押えリング32aを介してリング状の永久磁石32がねじ止めされている(図4)。永久磁石32は、回転体10の端板13側の永久磁石16に対応するものとし、両者は、互いに吸引する方向に配置されている。永久磁石16、32は、端板13上の軸15を振れ止めする磁気軸受を構成している。また、蓋板23の下面中心部には、ブラケット33aを介し、軸15が下から上に貫通するベアリング33が配設されている。ベアリング33は、地震などの際に生じる軸15の過大な振れを機械的に制限することができる。
励磁コイル19用の支持材24には、ピボット軸17が上から下に貫通するベアリング34が装着されている(図5、図7)。ベアリング34は、地震などの際に生じるピボット軸17の過大な振れを機械的に制限することができる。
軸受板31は、たとえば耐摩耗性のベリリウム材で作られており、軸受板31の上面中心には、ピボット軸17の先端を受容する半球状または略半球状の凹部が形成されている。ただし、ピボット軸17の先端と、それを受容する軸受板31の凹部とは、良好な軸受特性を実現するために、それぞれの形状を適宜変更してもよく、その一方または双方の表面に油溝を形成してもよい。軸受板31は、非磁性体の可動板35の上面にねじ止めされており、可動板35は、ボール36、36…を介してオイルパン25上に横移動自在に支持されている。なお、ボール36、36…は、上半部が転動可能に突出するホルダ36aを介してオイルパン25上に円形に配列されており(図5、図8)、可動板35は、下面に付設するリング板35aを介してボール36、36…上に載せられている。ただし、図8(A)は、ボール36、36…、ホルダ36aの上面図であり、同図(B)は、同図(A)のX−X線矢視相当断面図である。
可動板35の外周部分には、複数の永久磁石37、37…が円形に配列されて埋設されている。また、オイルパン25上には、非磁性体のリング状の固定ブラケット38aを介し、可動板35側の永久磁石37、37…に対応するようにして永久磁石38、38…が円形に配置されている。各組の永久磁石37、38は、互いに吸引することにより、ピボット軸17を振れ止めする磁気軸受を形成している。なお、ボール36、36…を介して支持する可動板35の下面は、オイルパン25にねじ止めする永久磁石38、38…用の固定ブラケット38aの上面との間に、極く微少のリング状のギャップを形成するものとする(図5の三角形G、Gの位置)。
オイルパン25上には、ピン39、39が立設されている。各ピン39の上端部は、多少の余裕を以って可動板35を下から上に貫通しており、可動板35の回り止めとなっている。なお、図5には、オイルパン25内の潤滑油の油面Lが併せて図示されている。
外部の端子板26を介して励磁コイル19に電力を供給すると、励磁コイル19、ロータ18は、電動機となって回転体10を回転駆動し、回転体10を定格回転数にまで増速してエネルギを貯蔵することができる。このようにして回転体10を起動する際に、仮にピボット軸17の下端と軸受板31との球面の軸受部分に油膜が存在していなかったとしても、軸受板31を支持する可動板35は、永久磁石37、37…、38、38…による磁気軸受により回り止めされ、さらに、ピン39、39を介して回り止めされているから、可動板35が不用意に回転することがない。また、ピボット軸17が軸受板31上において一旦相対回転すれば、球面の軸受部分に直ちに油膜が形成され、以後の増速に支障を来たすおそれがない。なお、永久磁石37、37…、38、38…による可動板35の回り止め効果が十分であれば、ピン39、39を省略することができる。
回転体10の増速の途中において、たとえばピボット軸17の固有振動数を通過する際にピボット軸17の振れが大きくなると、永久磁石37、37…、38、38…による磁気軸受が振れを抑制する。各組の永久磁石37、38は、互いに吸引し合う関係にあるからである。加えて、可動板35と、永久磁石38、38…用の固定ブラケット38aとの間のギャップには、潤滑油が満たされているから、油の粘性抵抗によって可動板35の横移動が抑制され、ピボット軸17の振れ振動を抑制することができる。すなわち、可動板35と固定ブラケット38aとの間のギャップは、油の粘性抵抗を利用するダンパ機構を形成している。なお、このようなダンパ機構のダンパ性能は、たとえばギャップ内の油の流れを制限するように可動板35の下面、固定ブラケット38aの上面に適切な迷路を作るなどの手法により、適切に調節設定することができる。
また、回転体10の上部の永久磁石16、32による磁気軸受は、軸15を振れ止めするとともに、ピボット軸17に負荷される回転体10の重量を軽減する。リング状の永久磁石16、32は、互いに吸引し合う関係にあるからである。
回転体10が定格回転数に到達したら、そのまま僅かな電力を励磁コイル19に供給して回転体10の回転を維持し、蓄積したエネルギを保持させる。また、外部電源が喪失したら、電動発電機を発電機として作用させ、励磁コイル19、端子板26を介して回転体10のエネルギを電力として外部に取り出して利用する。
なお、この発明によれば、回転体10の外径394mm、定格回転数34000rpm (周速700m/s)として、蓄積エネルギ1kwh (最大1.3kwh )を実現することができた。
回転体の中央縦断面図 要部拡大斜視図 要部模式説明図(1) 要部拡大図(1) 要部拡大図(2) 要部模式説明図(2) 全体構成中央縦断面図 要部拡大説明図
符号の説明
S…螺旋状織物
Sc …長繊維糸
10…回転体
11…内部材
11a、11b…切れ目
12…外部材
12a…強化材
13、14…端板
13a、14a…ボス材
13a2 、14a2 …リブ
13b、14b…リング板
15…軸
16…永久磁石
17…ピボット軸
18…ロータ
20…容器
32、37、38…永久磁石

特許出願人 株式会社 エマージー
代理人 弁理士 松 田 忠 秋

Claims (6)

  1. 金属製の円筒状の内部材と、該内部材の外周に一体に組み合わせる円筒状の外部材と、前記内部材の上下に突出している前記外部材の両端に装着する上下の端板とを備えてなり、前記内部材は、逆方向の切れ目を母線方向に交互に等間隔に形成して遠心力により径方向に拡大変形可能とし、前記外部材は、長繊維糸を周方向に巻き付け、径方向に積層して強化材とする繊維強化プラスチック材とし、前記各端板は、中心部のボス材の外周にリング板を装着し、前記各切れ目は、前記内部材の下端、上端から先端までの距離a、隣接する周方向の間隔bとしてa≦bに設定することを特徴とするフライホイール用の回転体。
  2. 前記リング板は、螺旋状織物を軸方向に積層して強化材とする繊維強化プラスチック材とすることを特徴とする請求項1記載のフライホイール用の回転体。
  3. 前記リング板は、前記ボス材の外周の軸方向の円筒状のリブに装着することを特徴とする請求項2記載のフライホイール用の回転体。
  4. 前記各リブは、遠心力に対する変形強度をほぼ同一に設定することを特徴とする請求項記載のフライホイール用の回転体。
  5. 請求項1ないし請求項4のいずれか記載のフライホイール用の回転体と、前記上の端板上の軸を振れ止めする永久磁石の磁気軸受と、前記下の端板に垂設するピボット軸を振れ止めする永久磁石の磁気軸受と、前記下の端板に付設する電動発電機用のロータと、前記各磁気軸受とともに前記回転体を収納する容器とを備えてなる電力貯蔵用のフライホイール。
  6. 前記ピボット軸用の磁気軸受には、ダンパ機構を組み合わせることを特徴とする請求項5記載の電力貯蔵用のフライホイール。
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