JP2021091977A - 繊維構造体 - Google Patents
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Abstract
【課題】組織崩れを抑制すること。【解決手段】第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42は、非連続繊維42aから形成されている。これによれば、非連続繊維42aから形成される第2結合糸42の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部25において第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42が隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42によって支持される。したがって、第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。【選択図】図5
Description
本発明は、繊維構造体に関する。
例えば特許文献1には、第1方向に延びる第1糸が第1方向に対して直交する方向である第2方向に複数配列された第1糸層と、第2方向に延びる第2糸が第1方向に複数配列されるとともに第1糸層に対して積層される第2糸層と、第1糸層と第2糸層とを結合する結合糸と、を備えた繊維構造体が開示されている。結合糸は、隣り合う第1糸同士の間に配列されるとともに第1糸層及び第2糸層の積層方向の両端に位置する第2糸層の第2糸にそれぞれ係合されることにより第1糸層と第2糸層とを結合している。
ところで、このような繊維構造体は、第1糸と第2糸とが互いに交絡していないため、第1糸、第2糸、及び結合糸それぞれに所定の張力を付与した状態で製織される。ここで、繊維構造体は、第2糸が真っ直ぐに延びる第2糸直線部と、第2糸が湾曲して延びる第2糸湾曲部と、を有するように製織される場合がある。この場合、第1糸が第2糸に対して交絡されていないため、第2糸湾曲部においては、第1糸が第2糸に沿って滑り落ち易い。また、例えば、結合糸が、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸である場合、結合糸の外面の摩擦係数が比較的小さいため、結合糸が第2糸に係合されていても、第2糸湾曲部においては、結合糸が第2糸に沿って滑り落ち易い。したがって、第2糸湾曲部において組織崩れが生じてしまう虞がある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであって、その目的は、組織崩れを抑制することができる繊維構造体を提供することにある。
上記課題を解決する繊維構造体は、第1方向に延びる第1糸が前記第1方向に対して直交する方向である第2方向に複数配列された第1糸層と、前記第2方向に延びる第2糸が前記第1方向に複数配列されるとともに前記第1糸層に対して積層される第2糸層と、隣り合う前記第1糸同士の間に配列されるとともに前記第1糸層及び前記第2糸層の積層方向の両端に位置する前記第2糸層の前記第2糸にそれぞれ係合されることにより前記第1糸層と前記第2糸層とを結合する結合糸と、を備え、前記第2糸が真っ直ぐに延びる第2糸直線部と、前記第2糸が湾曲して延びる第2糸湾曲部と、を有している繊維構造体であって、少なくとも前記第2糸湾曲部を構成する前記結合糸は、非連続繊維から形成されている。
これによれば、非連続繊維から形成される結合糸の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部において結合糸が第2糸に沿って滑り落ち難くなる。そして、結合糸が隣り合う第1糸同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部において第2糸に沿って滑り落ちようとする第1糸が結合糸によって支持される。したがって、第2糸湾曲部において、第1糸及び結合糸が第2糸に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れを抑制することができる。
上記課題を解決する繊維構造体は、第1方向に延びる第1糸が前記第1方向に対して直交する方向である第2方向に複数配列された第1糸層と、前記第2方向に延びる第2糸が前記第1方向に複数配列されるとともに前記第1糸層に対して積層される第2糸層と、隣り合う前記第1糸同士の間に配列されるとともに前記第1糸層及び前記第2糸層の積層方向の両端に位置する前記第2糸層の前記第2糸にそれぞれ係合されることにより前記第1糸層と前記第2糸層とを結合する結合糸と、を備え、前記第2糸が真っ直ぐに延びる第2糸直線部と、前記第2糸が湾曲して延びる第2糸湾曲部と、を有している繊維構造体であって、少なくとも前記第2糸湾曲部を構成する前記結合糸は、連続繊維を撚って形成された撚糸である。
これによれば、連続繊維を撚って形成された撚糸である結合糸の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部において結合糸が第2糸に沿って滑り落ち難くなる。そして、結合糸が隣り合う第1糸同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部において第2糸に沿って滑り落ちようとする第1糸が結合糸によって支持される。したがって、第2糸湾曲部において、第1糸及び結合糸が第2糸に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れを抑制することができる。
この発明によれば、組織崩れを抑制することができる。
(第1の実施形態)
以下、繊維構造体を具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。以下に説明する実施形態の繊維構造体は、圧力容器である高圧タンクに用いられている。高圧タンクは、例えば、燃料電池を動力源とする燃料電池自動車に搭載されている。高圧タンクには、燃料電池の燃料である水素ガスが貯蔵されている。
以下、繊維構造体を具体化した第1の実施形態を図1〜図6にしたがって説明する。以下に説明する実施形態の繊維構造体は、圧力容器である高圧タンクに用いられている。高圧タンクは、例えば、燃料電池を動力源とする燃料電池自動車に搭載されている。高圧タンクには、燃料電池の燃料である水素ガスが貯蔵されている。
図1に示すように、高圧タンク10は、細長中空状のライナ11と、ライナ11の外側を覆う繊維強化基材12と、を有する繊維構造体20にマトリックス樹脂Maを含浸させて構成されている。高圧タンク10は、マトリックス樹脂Maの含浸された繊維強化基材12よりなる繊維強化複合材層13によってライナ11を補強し、高圧タンク10の耐圧性(機械的強度)を確保している。
ライナ11は樹脂製である。ライナ11の中心軸線Lの延びる方向を軸方向とする。ライナ11は、円筒状の胴体部14を備える。胴体部14の中心軸線はライナ11の中心軸線Lと一致する。ライナ11は、胴体部14の軸方向に位置する両端部にそれぞれ連続するドーム部15を有している。各ドーム部15の軸方向は、ライナ11の軸方向と一致する。ライナ11は、各ドーム部15から軸方向に沿って外側に突出した口金部16を有している。各口金部16は、金属製(例えばステンレス製)である。各口金部16は、ライナ11内の空間と連通する孔部17を有している。ライナ11の軸方向の一端側に位置する口金部16の孔部17には、バルブ18が装着されている。ライナ11の軸方向の他端側に位置する口金部16の孔部17には螺子19が螺合されている。
図2に示すように、繊維強化基材12は、第1方向に延びる第1糸としての経糸21と、第1方向に対して直交する方向である第2方向に延びる第2糸としての緯糸22と、を備えている。したがって、経糸21と緯糸22とは互いに直交している。本実施形態の経糸21及び緯糸22は、連続繊維である複数の強化繊維が束ねられてなる繊維束である。強化繊維は、例えば、炭素繊維である。
図3、図4、図5及び図6に示すように、繊維強化基材12は、経糸21が第2方向に複数配列された第1糸層としての経糸層31と、緯糸22が第1方向に複数配列された第2糸層としての緯糸層32と、を備えている。緯糸層32は、経糸層31に対して積層されている。本実施形態の繊維強化基材12は、緯糸層32が、経糸層31に対して、経糸層31及び緯糸層32の積層方向の両側にそれぞれ1層ずつ配置された構成になっている。
繊維強化基材12は、経糸層31と各緯糸層32とを結合する結合糸23を備えている。結合糸23の繊度は、経糸21及び緯糸22の繊度よりも小さい。結合糸23は、隣り合う経糸21同士の間に配列されるとともに各緯糸層32の緯糸22にそれぞれ係合されている。したがって、本実施形態の繊維強化基材12は、多層織りによって製織された多層織物である。なお、図示の都合上、図2では、結合糸23の図示を省略している。
結合糸23は、経糸層31に対して積層方向の一方に位置する緯糸層32の緯糸22の外面で折り返されながら緯糸22に係合される。その後、結合糸23は、隣り合う経糸21同士の間に配列されながら、経糸層31に対して積層方向の他方に位置する緯糸層32に向かって延び、経糸層31に対して積層方向の他方に位置する緯糸層32の緯糸22の外面で折り返されながら緯糸22に係合される。そして、結合糸23は、隣り合う経糸21同士の間に配列されながら、経糸層31に対して積層方向の一方に位置する緯糸層32に向かって延び、経糸層31に対して積層方向の一方に位置する緯糸層32の緯糸22の外面で折り返されながら緯糸22に係合される。これが繰り返し行われることにより、結合糸23が、各緯糸層32の緯糸22にそれぞれ係合され、経糸層31と各緯糸層32とを結合する。したがって、結合糸23は、隣り合う経糸21同士の間に配列されるとともに積層方向の両端に位置する緯糸層32の緯糸22にそれぞれ係合されることにより経糸層31と各緯糸層32とを結合する。
図2に示すように、複数の経糸21は、ライナ11の軸方向に配列されるとともに、互いに平行な状態で胴体部14及び各ドーム部15に対して配置されている。各経糸21の糸主軸方向X1は、胴体部14及びドーム部15においてライナ11の周方向Zに一致している。
複数の緯糸22は、一部分が胴体部14の外周面に沿って真っすぐに延びるとともに、その他の部分が各ドーム部15の外周面に沿って湾曲して延びている。したがって、本実施形態の繊維構造体20は、緯糸22が真っ直ぐに延びる第2糸直線部24と、緯糸22が湾曲して延びる第2糸湾曲部25と、を有するように製織されている。
第2糸直線部24は、胴体部14全体を覆う円筒状である。第2糸直線部24の中心軸線はライナ11の中心軸線Lと一致する。そして、繊維構造体20は、第2糸直線部24の軸方向に位置する両端部にそれぞれ連続する第2糸湾曲部25を有している。両第2糸湾曲部25の一方は、第2糸直線部24の軸方向の一方に位置する端部に連続している。両第2糸湾曲部25の他方は、第2糸直線部24の軸方向の他方に位置する端部に連続している。各第2糸湾曲部25の軸方向は、ライナ11の軸方向と一致する。各第2糸湾曲部25は、各ドーム部15全体をそれぞれ覆っている。
第2糸直線部24を形成する複数の緯糸22の部分は、ライナ11の周方向Zに配列されるとともに、互いに平行な状態で胴体部14に対して配置されている。第2糸直線部24を形成する複数の緯糸22の部分の糸主軸方向X2は、胴体部14の軸方向に延びている。各第2糸湾曲部25を形成する複数の緯糸22の部分は、各ドーム部15の外周面に沿って湾曲している。
このように、経糸21と緯糸22とは直交して配列され、経糸21の糸主軸方向X1の延びる方向をライナ11の周方向に一致させることで、ライナ11の径方向が補強され、緯糸22の糸主軸方向X2をライナ11の軸方向に一致させることで、ライナ11の軸方向が補強されている。
図3及び図4に示すように、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、第2糸直線部24を構成する結合糸23を第1結合糸41とすると、第1結合糸41は、断面視円形状の連続繊維である複数の非強化繊維が束ねられてなる繊維束である。非強化繊維は、例えば、ナイロンが使用されている。第1結合糸41は、無撚糸である。
図5及び図6に示すように、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、両第2糸湾曲部25をそれぞれ構成する結合糸23を第2結合糸42とすると、第2結合糸42は、複数の非連続繊維42aから形成されている。非連続繊維42aとしては、強化繊維である有機繊維又は無機繊維が使用される。有機繊維としては、アラミド繊維、ポリ−p−フェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等が挙げられ、無機繊維としては、炭素繊維、ガラス繊維、セラミック繊維等が挙げられる。非連続繊維42aから形成される第2結合糸42の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高い。
次に、第1の実施形態の作用について説明する。
ところで、このような繊維構造体20は、経糸21と緯糸22とが互いに交絡していないため、経糸21、緯糸22、及び結合糸23それぞれに所定の張力を付与した状態で製織される。ここで、経糸21が緯糸22に対して交絡されていないため、両第2糸湾曲部25においては、経糸21が緯糸22に沿って滑り落ちようとする。このとき、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42は、非連続繊維42aから形成されており、第2結合糸42の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高い。このため、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42が断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸である場合に比べると、両第2糸湾曲部25において第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42が隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、両第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42によって支持される。したがって、両第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れが抑制される。
ところで、このような繊維構造体20は、経糸21と緯糸22とが互いに交絡していないため、経糸21、緯糸22、及び結合糸23それぞれに所定の張力を付与した状態で製織される。ここで、経糸21が緯糸22に対して交絡されていないため、両第2糸湾曲部25においては、経糸21が緯糸22に沿って滑り落ちようとする。このとき、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42は、非連続繊維42aから形成されており、第2結合糸42の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高い。このため、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42が断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸である場合に比べると、両第2糸湾曲部25において第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42が隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、両第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42によって支持される。したがって、両第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れが抑制される。
第1の実施形態では以下の効果を得ることができる。
(1−1)第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42は、非連続繊維42aから形成されている。これによれば、非連続繊維42aから形成される第2結合糸42の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部25において第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42が隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42によって支持される。したがって、第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れを抑制することができる。
(1−1)第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42は、非連続繊維42aから形成されている。これによれば、非連続繊維42aから形成される第2結合糸42の外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部25において第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42が隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42によって支持される。したがって、第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42が緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れを抑制することができる。
(第2の実施形態)
以下、繊維構造体を具体化した第2の実施形態を図7及び図8にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
以下、繊維構造体を具体化した第2の実施形態を図7及び図8にしたがって説明する。なお、以下に説明する実施形態では、既に説明した第1の実施形態と同一構成について同一符号を付すなどして、その重複する説明を省略又は簡略する。
図7及び図8に示すように、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、両第2糸湾曲部25をそれぞれ構成する結合糸23を第2結合糸42Aとすると、第2結合糸42Aは、複数の連続繊維を撚って形成された撚糸である。第2結合糸42Aは、断面視円形状の連続繊維である複数の非強化繊維が束ねられた状態で撚って形成された繊維束である。非強化繊維は、例えば、ナイロンが使用されている。複数の連続繊維を撚って形成された第2結合糸42Aの外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高い。
次に、第2の実施形態の作用について説明する。
経糸21が緯糸22に対して交絡されていないため、両第2糸湾曲部25においては、経糸21が緯糸22に沿って滑り落ちようとする。このとき、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42Aは、複数の連続繊維を撚って形成された撚糸であり、第2結合糸42Aの外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高い。このため、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42Aが断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸である場合に比べると、両第2糸湾曲部25において第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42Aが隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、両第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42Aによって支持される。したがって、両第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れが抑制される。
経糸21が緯糸22に対して交絡されていないため、両第2糸湾曲部25においては、経糸21が緯糸22に沿って滑り落ちようとする。このとき、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42Aは、複数の連続繊維を撚って形成された撚糸であり、第2結合糸42Aの外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高い。このため、両第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42Aが断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸である場合に比べると、両第2糸湾曲部25において第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42Aが隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、両第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42Aによって支持される。したがって、両第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れが抑制される。
第2の実施形態では、以下の効果を得ることができる。
(2−1)第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42Aは、連続繊維を撚って形成された撚糸である。これによれば、連続繊維を撚って形成された撚糸である第2結合糸42Aの外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部25において第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42Aが隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42Aによって支持される。したがって、第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れを抑制することができる。
(2−1)第2糸湾曲部25を構成する第2結合糸42Aは、連続繊維を撚って形成された撚糸である。これによれば、連続繊維を撚って形成された撚糸である第2結合糸42Aの外面の摩擦係数は、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高いため、第2糸湾曲部25において第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなる。そして、第2結合糸42Aが隣り合う経糸21同士の間に配列されているため、第2糸湾曲部25において緯糸22に沿って滑り落ちようとする経糸21が第2結合糸42Aによって支持される。したがって、第2糸湾曲部25において、経糸21及び第2結合糸42Aが緯糸22に沿って滑り落ち難くなるため、組織崩れを抑制することができる。
なお、上記各実施形態は、以下のように変更して実施することができる。上記各実施形態及び以下の変更例は、技術的に矛盾しない範囲で互いに組み合わせて実施することができる。
○ 第1の実施形態において、第2糸直線部24を構成する第1結合糸41が、例えば、複数の非連続繊維から形成されていてもよい。要は、少なくとも第2糸湾曲部25を構成する結合糸23が、非連続繊維から形成されていればよい。つまり、繊維構造体20は、少なくとも第2糸湾曲部25を構成する結合糸23の外面の摩擦係数が、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高ければよい。
○ 第2の実施形態において、第2糸直線部24を構成する第1結合糸41が、例えば、複数の連続繊維を撚って形成された撚糸であってもよい。要は、少なくとも第2糸湾曲部25を構成する結合糸23が、連続繊維を撚って形成された撚糸であればよい。つまり、繊維構造体20は、少なくとも第2糸湾曲部25を構成する結合糸23の外面の摩擦係数が、断面視円形状である複数の連続繊維が束ねられてなる無撚糸の外面の摩擦係数よりも高ければよい。
○ 上記各実施形態では、第1糸を経糸21とし、第2糸を緯糸22としたが、第1糸を緯糸とし、第2糸を経糸としてもよい。この場合、複数の経糸は、一部分が胴体部14の外周面に沿って真っすぐに延びるとともに、その他の部分が各ドーム部15の外周面に沿って湾曲して延びている。したがって、繊維構造体20は、経糸が真っ直ぐに延びる第2糸直線部と、経糸が湾曲して延びる第2糸湾曲部と、を有するように製織される。
○ 上記各実施形態において、経糸21及び緯糸22を構成する強化繊維は、炭素繊維に限らず、例えば、ガラス繊維や炭化ケイ素系セラミック繊維やアラミド繊維、超高分子量ポリエチレン繊維等の一般に高弾性・高強度といわれるその他の繊維であってもよい。
○ 上記各実施形態において、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、第2糸直線部24を構成する第1結合糸41の非強化繊維は、ナイロンに限らない。非強化繊維としては、マトリックス樹脂Maと複合化されても、マトリックス樹脂Maの強化機能の役割を果たす必要はなく、少なくとも形状保持の役割を果たせる繊維であればよい。
○ 上記各実施形態において、緯糸22が、複数の非強化繊維が束ねられてなる繊維束であってもよい。
○ 上記各実施形態において、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、第2糸直線部24を構成する第1結合糸41が、複数の強化繊維が束ねられてなる繊維束であってもよい。
○ 上記各実施形態において、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、第2糸直線部24を構成する第1結合糸41が、複数の強化繊維が束ねられてなる繊維束であってもよい。
○ 第2の実施形態において、繊維強化基材12を構成する結合糸23のうち、両第2糸湾曲部25をそれぞれ構成する第2結合糸42Aが、複数の強化繊維が束ねられた状態で撚って形成された繊維束であってもよい。
○ 上記各実施形態において、経糸層31及び緯糸層32の数は適宜変更してもよい。
○ 上記各実施形態において、ライナ11は、胴体部14の軸方向の一端側にドーム部15が連続し、胴体部14の軸方向の他端側には平坦面状の底壁が連続した形状であってもよい。この場合、口金部16は、ドーム部15が存在する軸方向の一端側のみに存在する。
○ 上記各実施形態において、ライナ11は、胴体部14の軸方向の一端側にドーム部15が連続し、胴体部14の軸方向の他端側には平坦面状の底壁が連続した形状であってもよい。この場合、口金部16は、ドーム部15が存在する軸方向の一端側のみに存在する。
○ 上記各実施形態において、高圧タンク10は、燃料電池搭載電気自動車の水素源として搭載されて使用するものに限らず、例えば、水素エンジンの水素源やヒートポンプ等に適用してもよい。また、家庭用電源の燃料電池の水素源として使用してもよい。
○ 上記各実施形態において、高圧タンク10は、水素ガスを貯蔵する圧力容器に限らず、例えば、窒素、圧縮天然ガス等の他のガスを貯蔵する圧力容器に適用してもよい。
20…繊維構造体、21…第1糸としての経糸、22…第2糸としての緯糸、23…結合糸、24…第2糸直線部、25…第2糸湾曲部、31…第1糸層としての経糸層、32…第2糸層としての緯糸層、41…結合糸である第1結合糸、42,42A…結合糸である第2結合糸、42a…非連続繊維。
Claims (2)
- 第1方向に延びる第1糸が前記第1方向に対して直交する方向である第2方向に複数配列された第1糸層と、
前記第2方向に延びる第2糸が前記第1方向に複数配列されるとともに前記第1糸層に対して積層される第2糸層と、
隣り合う前記第1糸同士の間に配列されるとともに前記第1糸層及び前記第2糸層の積層方向の両端に位置する前記第2糸層の前記第2糸にそれぞれ係合されることにより前記第1糸層と前記第2糸層とを結合する結合糸と、を備え、
前記第2糸が真っ直ぐに延びる第2糸直線部と、前記第2糸が湾曲して延びる第2糸湾曲部と、を有している繊維構造体であって、
少なくとも前記第2糸湾曲部を構成する前記結合糸は、非連続繊維から形成されていることを特徴とする繊維構造体。 - 第1方向に延びる第1糸が前記第1方向に対して直交する方向である第2方向に複数配列された第1糸層と、
前記第2方向に延びる第2糸が前記第1方向に複数配列されるとともに前記第1糸層に対して積層される第2糸層と、
隣り合う前記第1糸同士の間に配列されるとともに前記第1糸層及び前記第2糸層の積層方向の両端に位置する前記第2糸層の前記第2糸にそれぞれ係合されることにより前記第1糸層と前記第2糸層とを結合する結合糸と、を備え、
前記第2糸が真っ直ぐに延びる第2糸直線部と、前記第2糸が湾曲して延びる第2糸湾曲部と、を有している繊維構造体であって、
少なくとも前記第2糸湾曲部を構成する前記結合糸は、連続繊維を撚って形成された撚糸であることを特徴とする繊維構造体。
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