JP4837189B2 - 基板保持機構及び基板処理装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本願の発明は、処理チャンバー内で基板に対して所定の処理を行う基板処理装置に関するものであり、特に、処理チャンバー内の所定位置に基板を保持する基板保持の技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
基板に対して所定の処理を行う基板処理装置は、スパッタリング装置や化学蒸着(CVD)装置等の成膜装置や、エッチング装置、表面酸化装置などとして良く知られている。このような基板処理装置は、LSI(大規模集積回路)等の電子デバイスやLCD(液晶ディスプレイ)等の表示デバイス、ハードディスク等の情報記録媒体の製造に盛んに使用されている。
【0003】
このような基板処理装置の多くは、所望の雰囲気で基板を処理するため、処理チャンバー内に基板を配置して処理する構成となっている。そして、処理チャンバー内の所定位置に基板を保持するため、装置は、基板保持機構を備えたものとなっている。基板保持機構は、基板を安定して保持するため、及び、必要に応じて熱の伝導伝達による基板の温度制御を行うため、基板に面接触して保持する基板ホルダーを備えている。
【0004】
このような基板保持機構において、基板ホルダーは、処理チャンバー内に電界を設定するための電極に兼用される場合が多い。例えば、気体放電によってプラズマを形成し、プラズマの作用を利用して処理を行う基板処理装置では、基板ホルダーを電極に兼用したり、基板ホルダーに対向させてもう一方の電極を設けて平行平板電極構造としたりすることが多い。また、スパッタリング装置では、基板ホルダーと対向させてスパッタリングカソードが設けられるが、基板ホルダーは接地されたり、又は、自己バイアス電圧発生用の高周波電圧が印加されたりすることが多く、基板ホルダーカソードに対してアノードとして作用することが多い。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
基板処理装置の重要な特性の一つに、処理の均一性がある。処理の均一性は、各基板毎の均一性、即ち再現性という観点もあるが、一つの基板における均一性、即ち面内均一性という観点も非常に重要である。ここで、上述したような基板ホルダーが電極として兼用されている場合、基板ホルダーの基板保持面における静電容量の分布の均一性が影響してくる。
具体的に説明すると、基板を静電吸着させたりする目的から、基板保持面は誘電体であることが多い。この場合、基板ホルダーは、導体製のホルダー本体と、ホルダー本体の前面(以下、本明細書において「前」とは基板に近い側の意味である)を覆う誘電体製のカバー部材とから成る構成とされる。
【0006】
このような基板ホルダーの構成において、カバー部材が有する単位面積当たりの静電容量の分布が、基板保持面の面内方向において不均一になると、その不均一性が基板処理にも現れ易い。この理由は、静電容量の不均一性により、基板に交差する電束密度の分布が基板の面内で不均一になるからである。
本願の発明は、かかる課題を解決するためになされたものであり、基板ホルダーが電極に兼用された基板保持機構及び基板処理装置において、処理が不均一になるのが防止されるという技術的意義を有するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、本願の請求項1記載の発明は、板保持面において基板に面接触した状態で基板を保持する基板ホルダーと、
基板ホルダーへの基板の搭載及び基板ホルダーからの基板の取り外しの際に先端が基板の裏面に接触するリフトピンと、リフトピンを移動させて基板の受け渡しを行う駆動源とを備えており、
前記基板ホルダーは、基板を含む処理チャンバー内の空間に電界を設定する電極に兼用されたものであるとともに、前記リフトピンが挿通されたピン挿通路を有してピン挿通路は前記基板保持面に達しており、
さらに、前記基板ホルダーは、導体製のホルダー本体と、ホルダー本体の前面を覆うよう設けられた誘電体製のカバー部材とから構成されており、カバー部材の前面が前記基板保持面であってホルダー本体の前面と平行となっており、前記ホルダー本体の前面と前記カバー部材の前面との間の静電容量のうち、前記ピン挿通路の部分における単位面積当たりの静電容量と、前記ピン挿通路以外の部分における単位面積当たりの静電容量とは同一であり、
記駆動源は、前記基板保持面に基板が保持された際には前記リフトピンの先端を前記ピン挿通路内の退避位置に位置させて基板の裏面から所定距離離間した状態とするものであるとともに、
前記リフトピンは、先端が前記退避位置に位置した際に前記ホルダー本体に短絡される短絡部を有しており、
さらに、前記カバー部材の厚さをd、前記カバー部材の比誘電率をε、前記退避位置にある前記リフトピンの先端と基板の裏面との間隔をd、前記退避位置にある前記リフトピンの先端と基板の裏面との間の空間の比誘電率をεとしたとき、
=ε・d/ε
が成立しているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、前記請求項1の構成において、前記ピン挿通路は、前記ホルダー本体に形成された部分である本体挿通路と、前記カバー部材に形成された部分であるカバー挿通路とから成るものであり、カバー挿通路の断面積は本体挿通路よりも大きく、且つ、前記リフトピンは、先端側に、断面積がカバー挿通路よりも小さく本体挿通路よりも大きい先端ヘッド部を有しており、この先端ヘッド部の後ろ側の縁が前記短絡部になっているという構成を有する。
また、上記課題を解決するため、請求項記載の発明は、内部で基板に対して所定の処理が行われる処理チャンバーと、請求項1、又は2記載の基板保持機構とを備えている基板処理装置であるという構成を有する。

【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本願発明の実施の形態(以下、実施形態)について説明する。
図1は、本願発明の実施形態の基板保持機構及びこの基板保持機構を備えた実施形態の基板処理装置の正面断面概略図である。
図1に示す基板処理装置は、内部で基板9に対して所定の処理が行われる処理チャンバー1と、処理チャンバー1内の所定位置に基板9を保持する基板保持機構2とを備えている。処理チャンバー1は、気密な真空容器であって、内部を排気する排気系11が設けられている。また、処理チャンバー1内にプロセスガス(処理に用いるガス)を導入するガス導入系12が設けられている。尚、処理チャンバー1は、不図示のゲートバルブを介して不図示のロードロックチャンバー又は不図示の搬送チャンバー等が接続されている。
【0009】
基板保持機構2は、基板保持面20において基板9に面接触した状態で基板9を保持する基板ホルダー21と、基板ホルダー21への基板9の搭載及び基板ホルダー21からの基板9の取り外しの際に先端が基板9の裏面に接触するリフトピン22と、リフトピン22を移動させて基板9の搭載及び取り外しを行う駆動源23とを備えている。
【0010】
基板ホルダー21は、導体製のホルダー本体211と、ホルダー本体211の前面を覆うよう設けられた誘電体製のカバー部材212とから構成されている。ホルダー本体211は、例えばステンレスやアルミニウム製である。カバー部材212は、石英ガラス(SiO)又はアルミナ等で形成されている。カバー部材212の前面が基板保持面20であり、ホルダー本体211の前面と平行となっている。従って、基板保持面20に保持された基板9はホルダー本体211の前面と平行となる。尚、基板ホルダー21は、絶縁体213を介して処理チャンバー1の底板部分に気密に取り付けられている。
【0011】
基板ホルダー21は、図1に示すように、ピン挿通路24を有している。ピン挿通路24は、基板保持面20に対して垂直な方向(以下、単に垂直方向)に基板ホルダー21を貫通している。ピン挿通路24は、基板ホルダー21の中心軸に対して均等な位置に複数(3〜4つ程度)設けられている。各ピン挿通路24に、リフトピン22が挿通されている。
各リフトピン22は、基板保持面20に対して垂直な方向に長い姿勢である。各リフトピン22はみな同じ長さであり、後端が一つのベース板25に固定されている。ベース板25は、基板保持面20と平行である。
【0012】
駆動源23は、ベース板25に連結されている。駆動源23は、ベース板25を直線移動させることで各リフトピン22を同時に垂直方向に直線移動させるようになっている。駆動源23は、サーボモータとボールネジの組み合わせ、又は、エアシリンダ等である。尚、ベース板25と処理チャンバー1との底板部分との間にはベローズ26が設けられており、各リフトピン22の挿通部分から真空がリークしないようになっている。
【0013】
各リフトピン22及び駆動源23による基板9の受け渡しについて、以下に説明する。まず、未処理の基板9を受け取る際、駆動源23は、各リフトピン22の先端が基板保持面20よりも所定距離上方に突出する位置(以下、上限位置)に各リフトピン22を位置させている。基板9は、搬送ロボットにより処理チャンバー1内に搬入される。搬送ロボットは、アームの先端部に基板9を載せて保持しながら搬送する。基板9は、基板ホルダー21の上方で停止する。この際、基板9の中心軸と基板ホルダー21の中心軸とは一致した状態とされる。
【0014】
この状態で、搬送ロボットは、基板9を下降させ、基板9を各リフトピン22に載せる。尚、搬送ロボットのアームの先端部は、各リフトピン22に干渉しない形状となっている。基板9が各リフトピン22に載った後、搬送ロボットは、アームの先端部を引き抜き、当初の姿勢に復帰する。そして、駆動源23は、各リフトピン22を下降させ、各リフトピン22の先端が基板保持面20よりも所定距離下方になる位置(以下、下限位置)に各リフトピン22を位置させる。この下降の過程で、基板9は基板保持面20に載置される。
【0015】
処理済みの基板9を搬送ロボットに渡す場合は、これとは逆の動作となる。即ち、駆動源23が各リフトピン22を下限位置から上限位置に上昇させる。この上昇の過程で、基板9は基板保持面20から離れ、各リフトピン22の上に載る。各リフトピン22が上限位置にある状態で、搬送ロボットのアームの先端部が基板9の下側に進入し、その位置から上昇する。この上昇の過程で基板9は各リフトピン22を離れてアームの先端部の上に載る。搬送ロボットは、アームを駆動して次に位置させるべき位置まで基板9を搬送する。
【0016】
上述した基板ホルダー21は、基板9を含む処理チャンバー1内の空間に電界を設定する電極に兼用されたものである。具体的に説明すると、本実施形態の装置は、気体放電により形成されたプラズマの採用を利用してエッチングを行う装置、即ちプラズマエッチング装置となっている。基板ホルダー21に対向するようにしてもう一方の電極(以下、対向電極)3が設けられており、気体放電は、基板ホルダー21と対向電極3との間で生ずるようになっている。対向電極3は、絶縁体31を介して処理チャンバー1の上板部分に気密に取り付けられている。
【0017】
この実施形態では、プラズマ形成用電源4は、基板ホルダー21に接続されている。プラズマ形成用電源4は、高周波電源となっており、不図示の整合器を介して基板ホルダー21に接続されている。尚、対向電極3側にプラズマ形成用電源4を接続する場合もある。
四フッ化炭素(CF)と水素の混合ガスのようなエッチング作用のあるガスを含むプロセスガスをガス導入系12によって導入しながら、プラズマ形成用電源4を動作させると、高周波放電が生じてプラズマが形成される。プラズマ中ではフッ素ラジカルやフッ素イオンが生成され、これらが基板9に達して基板9がエッチングされる。
【0018】
このような基板処理装置及び基板保持機構2は、処理の均一性の向上を図る観点から、基板保持面20とホルダー本体211の間の単位面積当たりの静電容量の分布を均一にするための特別の構成を有している。以下、この点について、図1及び図2を使用して説明する。図2は、図1に示す基板保持機構2の要部を示す正面断面概略図である。
【0019】
まず、ピン挿通路24は、ホルダー本体211に形成された部分である本体挿通路241と、カバー部材212に形成された部分であるカバー挿通路242とから成っている。図1及び図2に示すように、両者は連通しているが、カバー挿通路242の断面積は本体挿通路241よりも大きい。従って、カバー挿通路242と本体挿通路241との境界部分には段差が形成された状態となっている(以下、この段差を段差部と呼ぶ)。
【0020】
そして、リフトピン22は、ピン本体221と、ピン本体221の先端に固定した先端ヘッド222とから成っている。先端ヘッド222は、ピン本体221よりも太く、断面積が大きくなっている。先端ヘッド222の断面積は、本体挿通路241の断面積よりも少し大きく、カバー挿通路242の断面積よりも僅かに小さい。従って、リフトピン22を下降させていくと、先端ヘッド222が段差部に当接し、それ以上はリフトピン22が下降できないようになっている。前述した下限位置は、このように先端ヘッド222が段差部に当接する位置に設定されている。
尚、先端ヘッド222はアルミ又はステンレス等の金属製である。従って、リフトピン22が下限位置にあるとき、先端ヘッド222はホルダー本体211に短絡された状態となる。ピン本体221も殆どが金属製であるが、ベース板25に固定された後端部分は絶縁体より成っている。従って、リフトピン22が下限位置にあるときでも、ベース板25はホルダー本体211から絶縁される。
【0021】
さて、前述したように、電束線が基板9に交差するようにして電界を設定しながら処理する場合、処理をより均一にするには、基板9の表面上での電束密度を均一にすることが必要である。そして、基板9の表面上での電束密度分布は、基板9の裏側の空間の静電容量の分布によって影響を受ける。電束密度分布を均一にするには、基板9の一方の縁から径方向に辿って他方の縁に達するまでの間で、基板保持面20とホルダー本体211との間の単位面積当たりの静電容量の分布が一定であることが好ましい。
カバー部材212自体において一定した比誘電率が分布するようにすることは、均質な材料でカバー部材212を形成すればよく、容易である。問題は、カバー挿通路242の部分である。この部分において比誘電率が不均一に分布し易い。
【0022】
ここで、図2に示すように、カバー部材212の比誘電率をε、カバー挿通路242内の空間の比誘電率をε、カバー部材212の厚さをd、リフトピン22が下限位置にあるときの先端ヘッド222から保持面までの距離をdとする。カバー部材212の単位面積当たりの静電容量をC、カバー挿通路242における単位面積当たりの静電容量をCとすると、
=εε/d
=εε/d
である。カバー挿通路242内は空間であり、特に、本実施形態では処理チャンバー1内であるので真空圧力である。従って、εは1であるとして良い。従って、C=Cとなるためには、
=ε・d/ε…式(1)
であれば良い。本実施形態では、上記式(1)が成立するよう、ε、d及びdを選定している。一例を示すと、カバー部材212は石英ガラスより成る場合、その比誘電率は4.7である。この場合、d=4.7mm程度、d=1.0mm程度とされる。これにより、CとCはほぼ等しくなり、従って、基板保持面20とホルダー本体211との間の静電容量はほぼ一定して分布することになる。
【0023】
尚、リフトピン22の先端面(先端ヘッド222の表面)は、絶縁物で覆われることがある。具体的には、先端面を樹脂製のプレートで覆ったり、絶縁物の被膜を形成したりすることがある。これは、基板9との接触時に基板9の裏面を傷つけてしまうことを防止したり、処理後に基板9とリフトピン22との間に静電気が生ずるのを防止したりする目的である。このようにリフトピン22の先端に絶縁物が設けられている場合、上述したε2は、その絶縁物の被誘電率も含んだものとされることが好ましい。
【0024】
カバー部材212が石英ガラスから成ることは、基板9がシリコンウェーハである場合に特に好適な構成となる。即ち、本実施形態のようなエッチング装置では、基板ホルダー21の露出部分の表面もエッチングされ易い。ここで、カバー部材212がアルミナのような材料で形成されていると、エッチングされた際、基板9とは異なる系統の材質よりなる微粒子が放出されることになる。この微粒子が基板9の表面に付着すると、表面を汚損することになる。カバー部材212が石英ガラス製であり、基板9がシリコンウェーハである場合、基板9の汚損の問題は無く、エッチングされても問題は無い。
【0025】
また、リフトピン22の移動を許容するため、カバー挿通路242と先端ヘッド222との間には、クリアランスがどうしても必要である。しかしながら、このクリアランスが大きくなると、やはり静電容量の分布が不均一になる問題がある。従って、クリアランスの幅(図2中にwで示す)は、0.5mm以下とすることが好ましい。尚、クリアランスの幅wが0.2mm未満になると、リフトピン22の移動の直線性に対する要求があまりにも厳しくなってしまうので、幅wは0.2mm以上とすることが好ましい。
【0026】
上述した本実施形態の構成において、カバー部材212は、基板9と同系統の材質よる成るものでホルダー本体211をカバーすることにより、エッチング時に汚損物質が放出されないようにしたものであるが、カバー部材212は、他の目的で設けられることも多い。例えば、基板9を基板ホルダー21に静電吸着する構成はしばしば採用される。この場合には、カバー部材212内に吸着電極を設け、この吸着電極に直流電圧を印加する。吸着電極は一対のものの場合(二極式)もあり、一つのものの場合(単極式)もあり、多数のものの場合(多極式)もある。
【0027】
また、基板保持機構2が、基板9の温度を制御する機構に兼用される場合もある。具体的には、基板ホルダー21内に加熱源又は冷却源を設ける。加熱源は、抵抗発熱式ヒータの場合が多く、冷却源は冷媒を流通させる構造の場合が多い。この場合、基板保持面20と基板9との間にガスを導入して熱交換効率を高めることも多い。基板9の裏面や基板保持面20はミクロ的には平坦ではなく、微小な凹凸がある。この凹凸によって形成された隙間は真空圧力であるため、熱交換効率が悪い。このため、ヘリウムのような熱伝達率の高いガスを導入して熱交換効率を高める。
【0028】
上述した本実施形態の構成は、ピン層通路24内の空間の比誘電率εがカバー部材212の材質の比誘電率εとは異なることを考慮し、比誘電率εを有するピン層通路242内の空間の厚みdをカバー部材212の厚さdに対して変更させることで単位面積当たりの静電容量の均一に分布させていく技術思想である。そのための手段として、リフトピン22とホルダー本体211とが短絡する構成を採用している。
【0029】
本願発明は、このような構成に限られるものではなく、他の多くの変形が可能である。例えば、リフトピン22をホルダー本体211と短絡させるには、先端ヘッド222がホルダー本体211に接触する構成の他、リフトピン22とホルダー本体211との間に板バネ等で形成された可動接片を設けて短絡するようにしても良い。また、リフトピン22とベース板25を短絡させ、伸縮性のある又はフレキシブルな導通部材でベース板25とホルダー本体211とを短絡させても良い。この場合、ベース板25と駆動源23との間に絶縁部材を介在させる。
【0030】
さらに、比誘電率εを有する空間の厚みdを変更するため、リフトピン22をホルダー本体211に短絡させることは必須条件ではなく、他の導電部材によっても良い。例えば、リフトピン22は先端ヘッド222が無い構成とし、先端ヘッド222と同様の寸法形状の導電部材をピン層通路242の上側開口からロボット等により落とし込むようにしても良い。
上記説明では、基板処理装置はプラズマエッチングを行うものであったが、その他にも、スパッタリングやプラズマCVDを行う装置に本願発明は適用することができる。このような装置においても、基板ホルダー21は電極に兼用されることがあるからである。
【0031】
【発明の効果】
以上説明した通り、本願の各請求項記載の発明によれば、カバー部材が有する単位面積当たりの静電容量が基板保持面の面内方向において均一になるので、基板に交差する電束密度の分布が基板の面内で均一になる。この結果、処理の均一性も向上する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本願発明の実施形態の基板保持機構及びこの基板保持機構を備えた実施形態の基板処理装置の正面断面概略図である。
【図2】図1に示す基板保持機構の要部を示す正面断面概略図である。
【符号の説明】
1 処理チャンバー
11 排気系
12 ガス導入系
2 基板保持機構
21 基板ホルダー
211 ホルダー本体
212 カバー部材
22 リフトピン
23 駆動源
24 ピン挿通路
3 対向電極
4 プラズマ形成用電源

Claims (3)

  1. 板保持面において基板に面接触した状態で基板を保持する基板ホルダーと、基板ホルダーへの基板の搭載及び基板ホルダーからの基板の取り外しの際に先端が基板の裏面に接触するリフトピンと、リフトピンを移動させて基板の受け渡しを行う駆動源とを備えており、前記基板ホルダーは、基板を含む処理チャンバー内の空間に電界を設定する電極に兼用されたものであるとともに、前記リフトピンが挿通されたピン挿通路を有してピン挿通路は前記基板保持面に達しており、
    さらに、前記基板ホルダーは、導体製のホルダー本体と、ホルダー本体の前面を覆うよう設けられた誘電体製のカバー部材とから構成されており、カバー部材の前面が前記基板保持面であってホルダー本体の前面と平行となっており、
    前記ホルダー本体の前面と前記カバー部材の前面との間の静電容量のうち、前記ピン挿通路の部分における単位面積当たりの静電容量と、前記ピン挿通路以外の部分における単位面積当たりの静電容量とは同一であり、
    前記駆動源は、前記基板保持面に基板が保持された際には前記リフトピンの先端を前記ピン挿通路内の退避位置に位置させて基板の裏面から所定距離離間した状態とするものであるとともに、
    前記リフトピンは、先端が前記退避位置に位置した際に前記ホルダー本体に短絡される短絡部を有しており、
    さらに、前記カバー部材の厚さをd1、前記カバー部材の比誘電率をε1、前記退避位置にある前記リフトピンの先端と基板の裏面との間隔をd2、前記退避位置にある前記リフトピンの先端と基板の裏面との間の空間の比誘電率をε2としたとき、
    d1=ε1・d2/ε2
    が成立していることを特徴とする基板保持機構。
  2. 前記ピン挿通路は、前記ホルダー本体に形成された部分である本体挿通路と、前記カバー部材に形成された部分であるカバー挿通路とから成るものであり、カバー挿通路の断面積は本体挿通路よりも大きく、且つ、前記リフトピンは、先端側に、断面積がカバー挿通路よりも小さく本体挿通路よりも大きい先端ヘッド部を有しており、この先端ヘッド部の後ろ側の縁が前記短絡部になっていることを特徴とする請求項1記載の基板保持機構。
  3. 内部で基板に対して所定の処理が行われる処理チャンバーと、請求項1、又は2記載の基板保持機構とを備えていることを特徴とする基板処理装置。
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