JP4834209B2 - イオン除去方法およびその装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、フッ素イオン、ギ酸イオン、塩素イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、シュウ酸イオン、硝酸イオン、パーフロロラク酸イオンなどのイオン(陽イオンと結合して酸となり得る陰イオン)を除去するようなイオン除去方法およびその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、例えば、ワークを洗浄処理する場合、洗浄溶液として化学式COCHで示されるHFE(ハイドロ・フルオロ・エーテルのことで、フッ素系不活性溶剤の1つ)を用い、ワークの水切り性を向上させるためアルコール系洗浄剤としてのIPA(イソプロピルアルコール)を用いて、HFE溶液をヒータで加熱して、HFE液面にワーク乾燥用のHFE蒸気層を形成し、ワークの洗浄、水分除去、乾燥が実行される。
【0003】
この場合、上述のHFE溶液が過熱され、またアルカリ性分(IPA参照)の混入により、フッ素イオンが発生し、このフッ素イオンはH(陽イオン)と反応してHF(フッ酸)となるため、金属を腐食させる問題点があった。
このことは、上述したフッ素イオン以外の他のイオンについても同様であって、類似した問題点が発生する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の請求項1記載の発明は、機械的なアジテータを設ける必要がなく、イオンを含む溶液と純水とを撹拌接触させ、上記溶液からイオンを除去することで、撹拌により接触面積の拡大を図って、イオンを純水に移行させて、このイオンを確実に除去することができるイオン除去方法の提供を目的とする。
【0005】
この発明の請求項2記載の発明は、機械的なアジテータを設ける必要がなく、イオンを含む溶液と純水とを貯溜する貯溜手段と、液体吐出方向が異なるインレットポートとを備え、異なる方向から吐出される液体の吐出方向、吐出力により、溶液と純水を充分に撹拌接触させて、イオンを確実に除去することができるイオン除去装置の提供を目的とする。
【0006】
この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の目的と併せて、上述のイオンを含む溶液が流通する溶液経路の一部に、アルミナが充填されたフィルタを介設することで、イオンをアルミナ(化学式Alで示されるアルカリ系の物質)により吸着除去することができるイオン除去装置の提供を目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この発明の請求項1記載の発明は、イオンを除去するイオン除去方法において、イオンを含む溶液と純水とを貯溜する貯溜手段を設け、該貯溜手段に設けられたインレットポートの液体吐出方向を異ならせ、一方のインレットポートは斜め上方に向けて形成し、他方のインレットポートは斜め下方に向けて形成する一方、上記貯溜手段の外部には該貯溜手段から吸込んだ液体を、その内部構造により撹拌する送液ポンプを設け、該送液ポンプで撹拌した後の液体を上記各インレットポートに送液し、異なる方向から吐出される液体の吐出方向および吐出力により、上記イオンを含む溶液と純水とを撹拌接触させ、上記溶液からイオンを除去するイオン除去方法であることを特徴とする。
ここで、上記イオンとは、フッ素イオン、ギ酸イオン、塩素イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、シュウ酸イオン、硝酸イオン、パーフロロラク酸イオンなどのイオンであって、陽イオンと結合して酸となり得る陰イオンのことである。
【0008】
この発明の請求項2記載の発明は、イオンを除去するイオン除去装置において、イオンを含む溶液と純水とを貯溜する貯溜手段と、上記貯溜手段に形成された液体吐出方向が異なる複数のインレットポートとを備え、一方のインレットポートは斜め上方に向けて形成し、他方のインレットポートは斜め下方に向けて形成する一方、貯溜手段の外部には該貯溜手段から吸込んだ液体を、その内部構造により撹拌する送液ポンプを設け、該送液ポンプで撹拌した後の液体を上記各インレットポートに送液し、異なる方向から吐出される液体の吐出方向および吐出力により、上記イオンを含む溶液と純水とを撹拌接触させて、上記溶液からイオンを除去するイオン除去装置であることを特徴とする。
ここで、上記イオンとは、フッ素イオン、ギ酸イオン、塩素イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、シュウ酸イオン、硝酸イオン、パーフロロラク酸イオンなどのイオンであって、陽イオンと結合して酸となり得る陰イオンのことである。
【0009】
この発明の請求項3記載の発明は、上記請求項2記載の発明の構成と併せて、上記イオンを含む溶液が流通する溶液経路の一部に、アルミナを充填したフィルタが介設されたイオン除去装置であることを特徴とする。
【0010】
【発明の作用及び効果】
この発明の請求項1記載の発明によれば、イオンを含む溶液と純水(不純物を一切含まない水)とを撹拌して、接触させ、上述の溶液からイオンを除去する方法であるから、撹拌により広い接触面積が確保でき、これによりイオンを純水に移行させて、溶液からイオンを確実に除去することができる効果がある。しかも、機械的な撹拌部材(アジテータ)を設ける必要がなく、イオン除去を行なうことができる。
【0011】
この発明の請求項2記載の発明によれば、上述の貯溜手段はイオンを含む溶液と純水とを貯溜し、この貯溜手段に設けられた液体吐出方向の異なるインレットポートから吐出される液体により、イオンを含む溶液と純水とを撹拌して、両者を接触面積が大きい条件下にて充分に接触させることができる。
このため溶液中のイオンが純水に移行して、溶液からイオンを確実に除去することができる効果がある。しかも、機械的な撹拌部材(アジテータ)を設ける必要がなく、イオン除去を行なうことができる。
【0012】
この発明の請求項3記載の発明によれば、上記請求項2記載の発明の効果と併せて、溶液経路の一部に介設されたアルミナ充填フィルタに対してイオンを含む溶液を流通させると、このイオンはアルミナ(Al)により吸着除去される。このため上述の溶液からイオンを除去することができる効果がある。
【0013】
【実施例】
この発明の一実施例を以下図面に基づいて詳述する。
図面はイオン除去方法およびその装置の一例としてフッ素イオン除去方法およびその装置を示す。
【0014】
図1はフッ素イオン除去装置を備えたワーク洗浄システムの全体を示す系統図で、図1において、1はワーク洗浄装置、2は水分離槽、3は蒸溜槽、4はイオンの一例としてのフッ素イオンを含む溶液afと純水bとを貯溜する貯溜手段としてのプールタンク、5はフッ素イオンが除去された溶液aと、フッ素イオンが移行された純水bfとを比重分離する分離槽(分離手段)、6は受けタンク(受け手段)、7は溶液afを加熱気化および液化して蒸溜する蒸溜機である。
【0015】
上述のワーク洗浄装置1は、タンク本体8の上部にワーク出入口9を有し、下部には超音波洗浄部10と水分離部11と溶液タンク12とが形成されている。また、上下方向中間部には冷却ジャケット13(冷却手段)および冷却コイル14(冷却手段)を設け、超音波洗浄部10に貯溜されたHFE等の溶液aをヒータ15(加熱手段)で加熱して、この液面と冷却コイル14との間にHFE蒸気層(溶剤蒸気層)cを形成するように構成している。
【0016】
上述の超音波洗浄部10には超音波振動子16,16を設ける一方、この超音波洗浄部10の上方にはIPA(イソプロピルアルコール)を供給する供給部17が設けられている。
【0017】
上述の超音波洗浄部10に隣接する水分離部11は冷却コイル18および仕切板19を有し、フッ素イオンを含む溶液afとワークから分離処理した水dとを比重分離する。なお水の比重=1、溶剤としてのHFEの比重=1.52である。
【0018】
水dが比重差により分離除去された溶液afはタンク壁20をオーバフローして隣接する溶液タンク12に貯溜される。
【0019】
一方、冷却コイル14の下部には液化させた溶液を受ける受け部21が形成され、この受け部21からの液化溶液を水分離槽2に導いて、水分を除去し、除去した水分は槽2外へ排出し、水分が除去された溶液aは超音波洗浄部10に還流させるように構成している。なお、上述の冷却ジャケット13および冷却コイル14は図示しない冷凍サイクルに接続されている。
【0020】
ところで、溶液タンク12の下部および超音波洗浄部10の一側(図示右側)と、水分離槽2および超音波洗浄部10(図示左側)上下部との間には循環ライン22を接続している。
【0021】
この循環ライン22は、サクションライン23,24と、送液ポンプ25と吐出側の主流ライン26と、分岐ライン27,28,29とを備え、一つの分岐ライン27を水分離槽2に接続し、他の分岐ライン28を超音波洗浄部10の他側上部に接続し、残りの分岐ライン29を超音波洗浄部10の他側下部に接続している。
【0022】
また、上述の主流ライン26には流量調整弁30を介設し、この流量調整弁30が介設された部分と並行になるようにバイパスライン31を設け、このバイパスライン31にはフィルタ32と流量調整弁33とを介設している。
【0023】
ここで、上述のフィルタ32のフィルタケース内にはアルミナ(Al)が充填されており、溶液af中のフッ素イオンを吸着除去すべく構成している。溶液afの流速が遅い程、イオン除去能力が大となるので、2つの流量調整弁30,33により、溶液afの流速をコントロールする。
【0024】
一方、溶液タンク12の液面部と蒸溜槽3との間を、オーバフローライン34で接続している。上述の蒸溜槽3にはオーバフローライン34を介して溶液afが流入貯溜される。この蒸溜槽3は加熱手段としてのヒータ35を有し、ヒータ35への通電により蒸溜された溶液蒸気はリターンライン36を介してワーク洗浄装置1の蒸気層cに還流されて、再利用される。
【0025】
また、上述の蒸溜槽3には1つのインレットポート3aと2つのアウトレットポート3b,3cとが形成され、アウトレットポート3bはライン37を介して前述の蒸溜機7に接続され、この蒸溜機7で蒸溜された溶液を、リターンライン38を介してワーク洗浄装置1における超音波洗浄部10上方の蒸気層cに還流すべく構成している。
【0026】
上述の蒸溜機7と送液ポンプ39のサクション側とを結ぶライン40を設け、蒸溜槽3下部のアウトレットポート3cはライン41を介して上述のライン40における送液ポンプ39のサクション側に接続されている。
【0027】
上述の送液ポンプ39の吐出側には主流ライン42を接続し、この主流ライン42を分岐点43において一方の分岐ライン44と、他方の分岐ライン45とに分岐している。
【0028】
上述の主流ライン42には流量調整弁46(流量調整手段)を介設し、この流量調整弁46が介設された部分と並行になるようにバイパスライン47を設け、このバイパスライン47にはフィルタ48と流量調整弁49(流量調整手段)とを介設している。
【0029】
ここで、上述のフィルタ48のフィルタケース内にはアルミナ(Al)が充填されており、溶液af中のフッ素イオンを吸着除去すべく構成している。溶液afの流速が遅い程、イオン除去能力が大となるので、2つの流量調整弁46,49により、溶液afの流速をコントロールする。
【0030】
而して、通常時においては上述の溶液afを、図1に矢印で示すように、各要素3b,37,7,40,39,46,47,48,49,42,43,44,3a,3並びに各要素3c,41,39に循環させる閉ループ状の循環経路50(溶液経路)が構成される。
【0031】
上述の一方の分岐ライン44には自動開閉バルブ51(電動モータにより全閉から全開までの範囲に開度調整される開閉弁で、以下単にバルブと略記する)を介設している。
ところで、上述の他方の分岐ライン45はプールタンク4の最下部に接続し、この分岐ライン45にもバルブ52を介設している。
【0032】
上述のプールタンク4は、図2に示すように、3つのインレットポート4a,4b,4cと、3つのアウトレットポート4d,4e,4fと、2つのフロートスイッチ53,54とを有し、上部のインレットポート4aにはバルブ55を介設した純水供給ライン56(純水供給手段)を接続している。
【0033】
また、異なる高さ位置に形成されたアウトレットポート4d,4eには、それぞれバルブ57,58を介設したサクションライン59,60を接続し、これらの各サクションライン59,60を送液ポンプ61(送液手段)のサクション側に接続している。
【0034】
この送液ポンプ61の吐出側主流ライン62にはバルブ63を介設し、バルブ63下流部を2つの分岐ライン64,65に分岐し、一方の分岐ライン64をインレットポート4bに接続し、他方の分岐ライン65を別のインレットポート4cに接続している。
【0035】
上述のインレットポート4b,4cはその開口方向(または、これらポート4b,4cに取付けるノズルの取付け方向)によりプールタンク4内の液体を撹拌(図4参照)すべく、一方のインレットポート4bは斜め上方に向けて形成され、他方のインレットポート4cは斜め下方に向けて形成されている。
【0036】
このように構成すると、機械的な撹拌部材(アジテータ)を設ける必要がなく、各ポート4b,4cからの液体の吐出方向および吐出力によって、プールタンク4内の液体を撹拌することができる。
【0037】
なお、上述の送液ポンプ61の吐出側に、図2に仮想線で示すように、撹拌ノズル66(液体をノズル噴射させ、その流路方向を強制的に変えて、液同志を衝突させながら撹拌を行なう装置)を介設して、この撹拌ノズル66を撹拌手段と成してもよいが、この実施例では送液ポンプ61それ自体および、各ライン59,60,62,64,65と各ポート4b,4cの液体吐出方向および吐出力とによって撹拌手段Aを構成している。
【0038】
上述のプールタンク4における液体afまたは液体aの液面よりやや低位置に形成されたアウトレットポート4fと分離槽5との間を液抜きライン67で接続し、この液抜きライン67にバルブ68を介設している。
【0039】
上述の分離槽5は仕切り板69を有し、図5に示す如く、プールタンク4での撹拌および比重分離の後に、バルブ68を開いて液抜きライン67からフッ素イオンが移行された純水bfを主として流入(流下)させ、この分離槽5の仕切板69の一側(図示左側)において溶液aと純水bfとを比重分離するものである。なお、純水の比重=1.0、HFEの比重=1.52である。
【0040】
比重分離された溶液a(フッ素イオンを含まない溶液)は、リターンライン70を介して図1のワーク洗浄装置1における水分離槽11の上方にリターンされて、再利用される。
【0041】
また比重分離されて溶液aの上部に浮上する純水bf(フッ素イオンが移行された純水)は、図5に示すように、仕切板69の上部をオーバフローして該仕切板69の他側(図示右側)に貯溜され、抜取りライン71を介して受けタンク6へ排出する。この抜取りライン71には開閉弁72を介設している。
【0042】
このように構成したフッ素イオン除去装置を用いて、溶液afからフッ素イオンを除去する方法について以下に詳述する。
【0043】
まず、プールタンク4内の純水を全て抜き取った後に、図2に示すようにバルブ51を閉弁し、バルブ52を開弁して、送液ポンプ39を駆動し、分岐ライン45からプールタンク4内にフッ素イオンを含む溶液afを供給し、下位のフロートスイッチ53がONになった時点で、溶液afの供給を停止する。
【0044】
次に、図3に示すようにバルブ51を開弁し、バルブ52を閉弁して、循環経路50を通常作動態様と成した後に、バルブ55を開いて純水供給ライン56から純水bをプールタンク4内に供給し、上位のフロートスイッチ54がONになった時点で、バルブ55を閉弁して、純水bの供給を停止する。
【0045】
ここで、フッ素イオンを含む溶液afと純水bとの割合は、純水bの分量が多い程望ましい。また、高さ位置の異なる2つのフロートスイッチ53,54で、これら両者af,bの割合を決定することができるので、2つのフロートスイッチ53,54を高さ調整し得るように取付けてもよい。或は、溶液afの供給時間と純水bの供給時間とにより両者af,bの割合を決定すべく供給時間をタイマ制御してもよい。
【0046】
次に、図4に示すように、3つのバルブ57,58,63を開弁し、上側のアウトレットポート4dからサクションライン59に純水bを吸込み、下側のアウトレットポート4eからサクションライン60に溶液afを吸込み、これら両者b,afを、まず送液ポンプ61の内部構造により撹拌し、撹拌された液体を2つの分岐ライン64,65および2つのインレットポート4b,4cからプールタンク4内に噴出させ、液体噴出方向および吐出力により該プールタンク4内で再度撹拌する。
【0047】
溶液afと純水bとをこのように撹拌すると、両者の接触面積が大になり、溶液af中に含まれるフッ素イオンは純水bに移行し、溶液afからフッ素イオンを除去することができる。
【0048】
次に、図5に示すように送液ポンプ61の駆動を停止すると、フッ素イオンが除去された溶液a(比重は約1.52)と、フッ素イオンが移行した純水bf(比重=1)とは自然に比重分離される。
【0049】
この比重分離後、バルブ68を開いてアウトレットポート4fより上側の液体を全て分離槽5に流下させ、この分離槽5においてフッ素イオンが除去された溶液aと、フッ素イオンが移行した純水bfとを再度比重分離する。
【0050】
而して、仕切板69の一側室(図示の左側室)において比重差により底部に溜った溶液aはリターンライン70を介して図1のワーク洗浄装置1へ還流して、再利用する一方、比重差により溶液aの上部に浮上したフッ素イオンを含む純水bfは他側室(図示の右側)にオーバフローさせた後、開閉弁72を開いて抜取りライン71を介して受けタンク6へ回収する。
【0051】
一方、図2、図3で示す状態下においてフッ素イオンを含む溶液afがアルミナ充填フィルタ48を所定流速にて通過する時、上述のフッ素イオンはアルミナ(Al)により吸着除去される。この溶液afの流速は2つの流量調整弁46,49の開度調整により任意に制御することができる。
【0052】
このように、上記実施例のフッ素イオン除去方法によれば、イオン(フッ素イオン参照)を含む溶液afと純水b(不純物を一切含まない水)とを撹拌して、接触面積の大なる条件下にて接触させ、上述の溶液afからイオン(フッ素イオン参照)を除去する方法であるから、イオン(フッ素イオン参照)を純水bに移行させて、溶液からイオン(フッ素イオン参照)を確実に除去することができる効果がある。なお、フッ素イオン以外のイオンについても同一の方法により除去することができる。
【0053】
また上記実施例のフッ素イオン除去装置によれば、上述の貯溜手段(プールタンク4参照)はイオン(フッ素イオン参照)を含む溶液afと純水bとを貯溜し、上述の撹拌手段Aはイオン(フッ素イオン参照)を含む溶液afと純水bとを撹拌して、両者af,bを接触面積が大きい条件下にて充分に接触させる。
このため溶液af中のイオン(フッ素イオン参照)が純水bに移行して、溶液afからイオン(フッ素イオン参照)を確実に除去することができる効果がある。なお、フッ素イオン以外のイオンについても同一の装置により除去することができる。
【0054】
さらに、溶液経路(バイパスライン47参照)の一部に介設されたアルミナ充填フィルタ48に対してイオン(フッ素イオン参照)を含む溶液afを流通させると、このイオン(フッ素イオン参照)はアルミナ(Al)により吸着除去される。このため上述の溶液afからイオン(フッ素イオン参照)を除去することができる効果がある。なお、フッ素イオン以外のイオンについてもアルミナ充填フィルタ48により同様に吸着除去することができる。
【0055】
また、実施例で示したように撹拌手段Aを、送液ポンプ61と各ポート4b,4cからの液体吐出方向および液体吐出力により構成すると、別途撹拌部材(アジテータ)を設ける必要がなく、その構成の簡略化を図ることができると共に、プールタンク4の外部(送液ポンプ61参照)とプールタンク4の内部との双方で両者af,bを充分に撹拌して、その接触面積の拡大を図るので、短時間にてイオン(フッ素イオン参照)を純水b側へ移行させて、イオンをより一層良好に除去することができる。
【0056】
図6はイオン除去装置(フッ素イオン除去装置)の他の実施例を示す。なお、図6において前図と同一の部分には同一符号を付して、その詳しい説明を省略している。
【0057】
この図6に示す実施例においては、バルブ52の下流を分岐点75およびライン76を介してプールタンク4底部のポート4gに接続する一方、分岐点75と分離槽5との間を、バルブ68を有する液抜きライン67で接続している。
【0058】
また、純水供給ライン56を分岐点77にて2つのライン78,79に分岐し、プールタンク4のインレットポート4aに接続されたライン78にはバルブ80を介設し、分離槽5の一側室に接続されたライン79にはバルブ81を介設している。
【0059】
さらに、プールタンク4におけるインレットポート4a近傍のアウトレットポート4hとバルブ72上流側の抜取りライン71との間を、水抜きライン82で接続し、このライン82にバルブ83を介設している。
【0060】
図6の実施例においては、まず、バルブ52を開いて溶液afをプールタンク4内に所定量供給し、次に、バルブ81を閉じ、バルブ55,80を開いて純水bをプールタンク4内に供給し、プールタンク4内の純水bが過剰になった時、バルブ81を開いて純水bを分離槽5に導く。
【0061】
次に、プールタンク4内において撹拌手段Aにて先の実施例同様に溶液afと純水bとを撹拌して、フッ素イオンを純水bへ移行させる。その後、プールタンク4内で溶液aと純水bfとを比重分離する。
【0062】
次に、比重分離された上層側の純水bfを水抜きライン82、バルブ83,72を介して排出する。その後、プールタンク4内の溶液aを各要素4g,76,75,68,67を介して分離槽5に導く。この分離槽5での比重分離およびそれ以降の作用については先の実施例と同様である。
このように構成しても、先の実施例とほぼ同様の作用、効果を奏するものである。
【0063】
この発明の構成と、上述の実施例との対応において、
この発明のイオンは、実施例のフッ素イオンに対応し、
以下同様に、
イオンを含む溶液afは、IPAが少量添加されるHFEの溶液に対応し、
貯溜手段は、プールタンク4に対応し、
溶液経路は、バイパスライン47に対応し、
アルミナを充填したフィルタは、アルミナ充填フィルタ48に対応するも、
この発明は、上述の実施例の構成のみに限定されるものではない。
【0064】
例えば、イオンとしてはフッ素系イオンの他にギ酸イオン、塩酸イオン、硫酸イオン、亜硝酸イオン、リン酸イオン、シュウ素イオン、硝酸イオン、パーフロロラク酸(CCOO)イオンなどの他のイオンであってもよい。
【0065】
またイオンを含む溶液afとしては、HFE(ハイドロ・フルオロ・エーテル)の他にHFC(ハイドロ・フルオロ・カーボン)などの他のフッ素系不活性溶液やイオンを発生させる可能性があるその他の溶液であってもよい。
【0066】
さらには、イオンを含む溶液afは、ワーク洗浄用の溶液に限定されるものではなく、他の産業分野において用いられるイオン発生の可能性がある溶液であればよい。
【0067】
加えて、実施例で示したように、上述の貯溜手段(プールタンク4参照)を溶液afの経路(ライン45参照)に接続すると共に、貯溜手段の次段にイオンが除去された溶液aと、イオンが移行した純水bfとを比重分離する分離手段(分離槽5参照)を接続すると、該分離手段で比重分離された溶液aの再利用と、イオンを含む純水bfの回収との両立を容易に達成することができる。
【0068】
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のイオン除去装置を備えたワーク洗浄システム全体の系統図。
【図2】 図1の要部拡大図。
【図3】 純水の供給時の説明図。
【図4】 本発明のイオン除去方法を示す説明図。
【図5】 比重分離後の作用を示す説明図。
【図6】 本発明のイオン除去装置の他の実施例を示す系統図。
【符号の説明】
A…撹拌手段
af…溶液
b…純水
4…プールタンク(貯溜手段)
4b,4c…インレットポート
47…バイパスライン(溶液経路)
48…アルミナ充填フィルタ
61…送液ポンプ

Claims (3)

  1. イオンを除去するイオン除去方法において、
    イオンを含む溶液と純水とを貯溜する貯溜手段を設け、
    該貯溜手段に設けられたインレットポートの液体吐出方向を異ならせ、
    一方のインレットポートは斜め上方に向けて形成し、他方のインレットポートは斜め下方に向けて形成する一方、
    上記貯溜手段の外部には該貯溜手段から吸込んだ液体を、その内部構造により撹拌する送液ポンプを設け、
    該送液ポンプで撹拌した後の液体を上記各インレットポートに送液し、異なる方向から吐出される液体の吐出方向および吐出力により、上記イオンを含む溶液と純水とを撹拌接触させ、
    上記溶液からイオンを除去する
    イオン除去方法。
  2. イオンを除去するイオン除去装置において、
    イオンを含む溶液と純水とを貯溜する貯溜手段と、
    上記貯溜手段に形成された液体吐出方向が異なる複数のインレットポートとを備え、
    一方のインレットポートは斜め上方に向けて形成し、他方のインレットポートは斜め下方に向けて形成する一方、
    貯溜手段の外部には該貯溜手段から吸込んだ液体を、その内部構造により撹拌する送液ポンプを設け、
    該送液ポンプで撹拌した後の液体を上記各インレットポートに送液し、異なる方向から吐出される液体の吐出方向および吐出力により、上記イオンを含む溶液と純水とを撹拌接触させて、上記溶液からイオンを除去する
    イオン除去装置。
  3. 上記イオンを含む溶液が流通する溶液経路の一部に、アルミナを充填したフィルタが介設された
    請求項2記載のイオン除去装置。
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