JP4834156B2 - 構造群を空調するための装置 - Google Patents

Description

本発明は、閉鎖されたハウジング内で、構造群特に電子構造群を空調するための装置に関する。

ファンを用いて、ベースステーション内で電子構造群を換気若しくは空調する空調装置は、公知である。

図３は、移動無線ベースステーションを用いて、従来技術の１実施例による空調装置を示す。

この空調装置においては、遠心ファン（遠心送風機）がファンとして使用されている。

周囲温度Ｔに応じて冷却又は加熱する必要のある電子構造群ＢＧは、ベースステーションハウジングＢＳ内で構造群キャリアＢＧＴ上に配置されている。

遠心ファンＲＬを用いて、空気ＺＬは給気としてフィルタシステムＦＳを介してベースステーションハウジングＢＳ内に吸い込まれる。

この場合、フィルタシステムＦＳは、埃及び有害物質粒子が不都合に侵入することを阻止する。これは、空気湿度が有害物質粒子と結びついてベースステーションハウジングＢＳ内で腐食を生ぜしめる原因となるので、必要である。

空気ＬＺは、接続可能なヒータ装置ＨＺを介して構造群ＢＧに達し、それによって、構造群ＢＧを冷却するためにも、加熱若しくは暖房するためにも使用することができる。次いで、構造群ＢＧを空調するために使用される空気ＺＬは、入口ＲＬＥを介して遠心ファンＲＬ内にガイドされる。

ベースステーションハウジングＢＳは、複数の室ＫＡに分割された、いわゆる「標準・後壁ＲＷ」を有している。この後壁ＲＷは、空調のために使用される空気ＺＬが、ベースステーションハウジングＢＳ内から、遠心ファンＲＬの出口ＲＬＡを介して、後壁ＲＷの室ＫＡ内に達するように構成されている。

室ＫＡは周囲若しくは外側ＵＭに接続されているので、空調のために使用される空気ＺＬは、ベースステーションＢＳを通って排気として外側ＵＭに排出される。

周囲温度Ｔが一般的な形式でＴ＜０℃である場合、空気ＺＬは、選択された構造群ＢＧを相応に加熱することができるように、ヒータ装置ＨＺを介して加熱される。このために、ベースステーションハウジングＢＳ内で構造群ＢＧの近くに、それぞれ、互いに独立して制御可能な電気ヒータ装置ＨＺが対応配置されている。

この空調装置においては、運転中に必要な加熱エネルギーによって、追加的な費用が発生する。

図４は、移動無線ベースステーションを用いて従来技術の第２実施例による空調装置を示す。この場合も、やはり遠心ファン（遠心送風機）がファンとして使用される。

図３に記載された実施例と比較して、この図４の実施例では、同様に複数の室ＫＡに分割された、修正された後壁ＲＷＭが使用されている。

各室ＫＡは、別の開口若しくは接続部ＶＥを有しており、これらの開口若しくは接続部ＶＥは、フラップＫＬによって制御可能に閉鎖され得るようになっている。フラップＫＬは、複数の室ＫＡをベースステーションハウジングＢＳの内部に接続する。

フラップＫＬによって、構造群ＢＧから、１回目の通過で既に加熱されている空気を室ＫＡからベースステーションハウジングＢＳ内に戻りガイドさせて、２回目の通過によって構造群ＢＧを新たに加熱するために使用される。

換言すれば、空調のために使用される空気ＺＬは次のように循環される。

・吸い込まれた空気ＺＬが構造群ＢＧ及び、それぞれ対応配置されたヒータ装置ＨＺを介して遠心ファンＲＬに達し、
・遠心ファンＲＬの出口ＲＬＡを介して空気が後壁ＲＷＭのそれぞれの室ＫＡ内に達し、
・次いで、空気が室ＫＡから（フラップＫＬを介して制御されて）、新たに構造群ＢＧを空調するために使用され、かつ／または外側ＵＭ内に導出される。

フラップＫＬ及び室ＫＡ、及びひいては制御可能な空気循環によって、必要な電気加熱エネルギーは減少される。付加的に、ベースステーションハウジングＢＳ内における相対的な空気湿度の低下が得られる。

制御可能なフラップＫＬは、電動モータＭを介して駆動され、この場合、フラップＫＬはいわゆる「制御盤」を介して制御される。「制御盤」は、ベースステーションハウジングＢＳ内の空調を制御するか、若しくは図示してないセンサによって構造群ＢＧの空調を制御する。

しかしながらこの第２実施例による空調装置は、既に駆動されている既存のベースステーションハウジングにおいて後付けすることはできない。多くの場合、ベースステーションハウジングの後壁を、前記形式の修正された後壁に対して交換することは不可能である。

本発明の課題は、安価な費用で、既存のハウジング若しくはベースステーションハウジング内に後から取り付けることができるような、ハウジング内で構造群を空調するための装置を提供することである。

この課題は、本発明によれば、請求項１に記載した特徴によって解決された。有利な実施態様は従属請求項に記載されている。

閉鎖されたハウジング内で構造群を空調するための、本発明による装置においては、構造群がハウジング内に配置されている。このハウジングは空気入口を有していて、該空気入口を介して空調のための空気がハウジング内にガイドされるようになっている。前記ハウジングはファンを有していて、該ファンを介して、構造群を空調するために使用される空気が、ハウジング内から外部にガイドされるようになっている。前記ファンはファン入口の隣に少なくとも２つのファン出口を有している。ファン内部に回転可能に支承された遮蔽部材が配置されていて、該遮蔽部材の可変に調節可能な位置によって、ファン入口を介してファン内に吸い込まれた空気が選択的に、ファン出口の少なくとも１つを介してガイドされるようになっている。

本発明による装置によって、ベースステーションハウジングの後壁を後作業で交換する作業は省かれる。後から取り付けるためには、有利な形式で遠心ファンとして構成されたファンを、遮蔽部材を有する修正されたファンと交換するだけでよい。

後から取り付ける場合、ベースステーションハウジング内に配置された「配電盤」の交換は、一般的に簡単に行うことができる。

本発明に従って使用されたファンは、そのハウジング内に回転可能に支承された遮蔽部材並びに、この遮蔽部材を回転させるための装置を有している。

本発明に従って構成された、遮蔽部材を備えたファンによって、吹き出し方向を、第１の吹き出し方向（例えば外方、つまり周囲への方向）、及び第２の吹き出し方向（ベースステーションハウジング内へ向かって戻る方向）で、可変に調節することができる。

本発明に従って、ファン若しくは遠心ファンに組み込まれた、回転可能に支承された遮蔽部材は、２つ又はそれ以上の規定された吹き出し方向の間で選択することができる。

遮蔽部材は、有利な形式でファン長手方向軸線を中心にして回転可能に支承されている。遮蔽部材は、サーボモータによって、又は手動で調節可能な駆動機構によって可変に回転若しくは調節せしめられる。
遮蔽部材は少なくとも２つの開口を有していてよい。それによって、ファンにおいて可変に調節可能な吹き出し方向が、ファン出口に対する開口の位置によって選択可能である。

ファンに組み込まれたインターフェースによって、同様に、サーボモータを「配電盤」を介して制御することもできる。

駆動装置が故障した場合、遮蔽部材は、ばね力を介して、有利な吹き出し方向が調節されるように、位置決めされる。

以下に図面を用いて本発明を詳しく説明する。

１例としてのベースステーションハウジングを用いて構造群を空調するための本発明による装置の概略図である。 本発明の装置において使用するための１実施例による遠心ファンを示す平面図である。 本発明の装置において使用するための別の実施例による遠心ファンを示す平面図である。 本発明の装置において使用するための別の実施例による遠心ファンを示す平面図である。 本発明の装置において使用するための別の実施例による遠心ファンを示す平面図である。 冒頭に述べた形式の、従来技術による空調の第１の考え方を示す概略図である。 冒頭に述べた形式の、従来技術による空調の第２の考え方を示す概略図である。

図１は、１例としてのベースステーションハウジングＢＳを用いて、構造群ＢＧを空調するための本発明による装置の構成を示す。

この場合、修正された遠心ファンＲＤＬがファンとして使用される。

それぞれ周囲温度Ｔに応じて冷却又は加熱されるべき電子構造群ＢＧは、ベースステーションハウジングＢＳ内で構造群キャリアＢＧＴ上に配置されている。

遠心ファンＲＤＬによって、空気ＺＬが給気として、フィルタシステムＦＳを介してベースステーションハウジングＢＳ内に吸い込まれる。

この場合、フィルタシステムＦＳは、埃及び有害粒子が不都合に侵入することを阻止する。これは、空気湿度が有害物質粒子と結びついてベースステーションハウジングＢＳ内での腐食の原因となるので、必要である。

空気ＬＺは、接続可能なヒータ装置ＨＺを介して構造群ＢＧに達し、それによって、構造群ＢＧを冷却するためにも、加熱若しくは暖房するためにも使用することができる。次いで、構造群ＢＧを空調するために使用される空気ＺＬは、入口ＲＬＩを介して遠心ファンＲＤＬ内にガイドされる。

ベースステーションハウジングＢＳは、複数の室ＫＡに仕切られた後壁ＲＷを有している。後壁ＲＷは、空調のために使用される空気ＺＬが遠心ファンＲＤＬの出口ＲＬＯを介して後壁ＲＷの室ＫＡ内に達する。室ＫＡは、ベースステーションハウジングＢＳの外側ＵＭに接続されているので、空調のために使用された空気ＺＬは排気として、ベースステーションハウジングＢＳから排出される。

周囲温度Ｔ＜０℃において、複数の構造群ＢＧを相応に加熱できるようにするために、空気ＺＬはヒータ装置ＨＺを介して加熱されるようになっている。

修正された遠心ファンＲＤＬは、内部に若しくは遠心ファンハウジングＲＤＬＧ内に、長手方向軸線を中心にして回転可能に支承された遮蔽部材ＢＬを有しており、この遮蔽部材ＢＬについては以下に詳しく説明されている。

この場合、遮蔽部材ＢＬは、少なくとも１つの開口を有していて、遮蔽部材ＢＬ若しくは開口の整列状態に応じて空気をベースステーションハウジングＢＳ内に吹き込み、かつ／または各出口ＲＬＯを介して後壁ＲＷの室ＫＡ内に吹き込む。

選択的に、遮蔽部材ＢＬは、開口を有していない閉鎖板として構成してもよい。この閉鎖板の両端部は、遮蔽部材ＢＬを包囲する遠心ファンハウジングＲＤＬＧの開口と協働して少なくとも１つの吹き出し方向を規定する。

図２は、本発明の装置において使用される、４つの変化実施例による遠心ファンを示している。

図２Ａは、第１の位置ＰＯＳ１にある、閉鎖板として構成された、回転可能に支承された遮蔽部材ＢＬを示している。この第１の位置ＰＯＳ１において、遠心ファンＲＤＬに供給される空気の吹き出しが、第１の吹き出し方向Ａで行われる。吹き出し方向Ａの調節は、このために設けられた、遠心ファンハウジングＲＤＬＧの開口ＯＦ１を介して、並びに前記開口ＯＦ１に対する遮蔽部材ＢＬの両端部の位置を介して行われる。

図２Ｂは、回転可能に支承された遮蔽部材ＢＬの第２の位置ＰＯＳ２を示す。この第２の位置ＰＯＳ２において、遠心ファンＲＤＬに供給される空気の吹き出しが、遠心ファンハウジングＲＤＬＧの、このために設けられた開口ＯＦ２を介して第２の吹き出し方向Ｂに行われる。吹き出し方向Ｂの調節は、遠心ファンハウジングＲＤＬＧの、このために設けられた開口ＯＦ２を介して、並びに前記開口ＯＦ２に対する遮蔽部材ＢＬの両端部の位置を介して行われる。

図２Ｃは、第３の位置ＰＯＳ３にある回転可能に支承された遮蔽部材ＢＬを示す。この第３の位置ＰＯＳ３において、遠心ファンＲＤＬに供給される空気の吹き出しが、第１の吹き出し方向Ａでも、第２の吹き出し方向Ｂでも行われる。吹き出し方向Ａ若しくは吹き出し方向Ｂの調節は、このために設けられた、遠心ファンハウジングＲＤＬの開口ＯＦ１を介して、並びに開口ＯＦ１若しくはＯＦ２に対する遮蔽部材ＢＬの両端部の位置を介して行われる。

遠心ファンハウジングＲＤＬＧ内の開口ＯＦ１若しくはＯＦ２の代わりに、遮蔽部材ＢＬ自体の開口によって若しくは遮蔽部材ＢＬ内に設けた開口によって代用してもよい。

図２Ａ乃至図２Ｂのそれぞれ左側半部に、遠心ファン若しくはそのカバーが示されている。

さらに、図２Ｃは、駆動装置ＡＮの可能な組み込み位置、つまり、被せ嵌められた遠心ファンの左側又は右側の上角縁における組み込み位置を示している。

図２Ｄは、遠心ファンＲＤＬＧのハウジング内に回転可能に支承された遮蔽部材ＢＬの駆動装置の１実施例を示す。

このために遮蔽部材ＢＬはその下縁部に穿孔ＰＥＲを有しており、これらの穿孔ＰＥＲ内に、（カメラのフィルム送り装置と同様に）歯車が噛み合うようになっている。

歯車（図示せず）は駆動装置ＡＮによって駆動される。この駆動装置ＡＮは、サーボモータとして、前記のように遠心ファンハウジングの１つの角縁部に配置されている。

従って、駆動装置ＡＮは、歯車伝動装置として、遮蔽部材ＢＬの穿孔ＰＥＲ内に侵入すると同時に、遮蔽部材ＢＬを支持する。

選択的に、レバー機構又はカム伝動装置又はウォーム歯車装置を、駆動装置ＡＮとして使用することもできる。

変化実施例によるファンＲＤＬは、有利な形式で各ベースステーションハウジング内に、ファンを簡単に交換することによって組み込むことができる。

これによって、本発明による装置を、往復運動するフラップを有していない図３に示されたような既存のベースステーションハウジング内にも、またベースステーションハウジングの内部と後壁の室との間に、往復運動するフラップを有する、図４に示したような既存のベースステーションハウジング内にも、後から組み付けることができる。

ＢＧ 電子構造群、 ＢＳ ベースステーションハウジング、 ＲＤＬ 遠心ファン、 Ｔ 周囲温度、 ＢＧＴ 構造群キャリア、 ＺＬ 空気、 ＦＳ フィルタシステム、 ＫＡ 室、 ＲＷ 後壁、 ＨＺ ヒータ装置、 ＲＤＬ 遠心ファン、 ＲＤＬＧ 遠心ファンハウジング、 ＲＬＯ 出口、 ＢＬ 遮蔽部材（Blende）、 Ａ第１のブロー方向、 Ｂ 第２のブロー方向、 ＯＦ１ 開口、 ＯＦ２ 開口、 ＰＯＳ２ 第２の位置、 ＰＯＳ３ 第３の位置、 ＡＮ 駆動装置、 ＰＥＲ 穿孔、 ＵＭ 外側

Claims (8)

1. 閉鎖されたハウジング（ＢＳ）内で構造群（ＢＧ）を空調するための装置であって、
   前記構造群（ＢＧ）がハウジング（ＢＳ）内に配置されており、
   前記ハウジング（ＢＳ）が空気入口（ＦＳ）を有していて、該空気入口（ＦＳ）を介して空調のための空気（ＺＬ）がハウジング（ＢＳ）内にガイドされるようになっており、
   前記ハウジング（ＢＳ）がファン（ＲＤＬ）を有していて、該ファン（ＲＤＬ）を介して、構造群（ＢＧ）を空調するために使用される空気（ＺＬ）が、ハウジング（ＢＳ）内から外側（ＵＭ）にガイドされるようになっている形式のものにおいて、
   前記ファン（ＲＤＬ）がファン入口（ＲＬＩ）の隣に少なくとも２つのファン出口（ＲＬＯ）を有しており、
   ファン（ＲＤＬ）内部に回転可能に支承された遮蔽部材（ＢＬ）が配置されていて、該遮蔽部材（ＢＬ）の可変に調節可能な位置（ＰＯＳ１，ＰＯＳ２，ＰＯＳ３）によって、ファン入口（ＲＬＩ）を介してファン（ＲＤＬ）内に吸い込まれた空気（ＺＬ）が選択的に、ファン出口（ＲＬＯ）の少なくとも１つを介してガイドされるようになっている、
   ことを特徴とする、構造群を空調するための装置。
2. ファンが遠心ファン（ＲＤＬ）として構成されている、請求項１記載の装置。
3. 遮蔽部材（ＢＬ）が、ファン（ＲＤＬ）の長手方向軸線を中心にして回転可能に支承されている、請求項１又は２記載の装置。
4. 遮蔽部材（ＢＬ）が穿孔（ＰＥＲ）を有しており、該穿孔（ＰＥＲ）に、遮蔽部材（ＢＬ）を回転させるために駆動装置（ＡＮ）が噛み合うようになっている、請求項１から３までのいずれか１項記載の装置。
5. 前記遮蔽部材（ＢＬ）が閉鎖板として構成されており、該閉鎖板の両端部が少なくとも２つのファン出口（ＲＬＯ）を少なくとも部分的に開放若しくは閉鎖し、それによってファン（ＲＤＬ）において可変に調節可能な吹き出し方向（Ａ，Ｂ）が選択可能である、請求項１から４までのいずれか１項記載の装置。
6. 前記遮蔽部材（ＢＬ）が少なくとも２つの開口を有しており、それによって、ファン（ＲＤＬ）において可変に調節可能な吹き出し方向（Ａ，Ｂ）が、ファン出口（ＲＬＯ）に対する開口の位置によって選択可能である、請求項１から４までのいずれか１項記載の装置。
7. 遮蔽部材（ＢＬ）を回転させるために、遮蔽部材（ＢＬ）が歯車伝動装置又はレバー機構又はカム伝動装置又はウォーム歯車装置に連結されている、請求項１から６までのいずれか１項記載の装置。
8. 請求項１から７までのいずれか１項記載の装置に使用するためのファンにおいて、
   前記ファン（ＲＤＬ）がファン入口（ＲＬＩ）の隣に少なくとも２つのファン出口（ＲＬＯ）を有しており、
   前記ファン（ＲＤＬ）内に回転可能に支承された遮蔽部材（ＢＬ）が配置されており、
   遮蔽部材（ＢＬ）の調節可能な位置（ＰＯＳ１，ＰＯＳ２，ＰＯＳ３）によって、第１の吹き出し方向（Ａ）の隣で、第２の吹き出し方向（Ｂ）が可変に調節可能であって、それによって、ファン入口（ＲＬＩ）を介してファン（ＲＤＬ）内に吸い込まれた空気（ＺＬ）が選択的に、少なくとも１つのファン出口（ＲＬＯ）を介して調節可能にガイドされるようになっている、
   ことを特徴とする、構造群を空調するための装置に使用されるファン。

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