JP4833925B2 - 消防用ホース - Google Patents

消防用ホース Download PDF

Info

Publication number
JP4833925B2
JP4833925B2 JP2007171061A JP2007171061A JP4833925B2 JP 4833925 B2 JP4833925 B2 JP 4833925B2 JP 2007171061 A JP2007171061 A JP 2007171061A JP 2007171061 A JP2007171061 A JP 2007171061A JP 4833925 B2 JP4833925 B2 JP 4833925B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
hose
gravity
center
fire hose
outer peripheral
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007171061A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009005965A (ja
Inventor
東平 神田
Original Assignee
帝国繊維株式会社
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 帝国繊維株式会社 filed Critical 帝国繊維株式会社
Priority to JP2007171061A priority Critical patent/JP4833925B2/ja
Publication of JP2009005965A publication Critical patent/JP2009005965A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4833925B2 publication Critical patent/JP4833925B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Fire-Extinguishing By Fire Departments, And Fire-Extinguishing Equipment And Control Thereof (AREA)
  • Rigid Pipes And Flexible Pipes (AREA)

Description

本発明は消防用ホースに関する。
従来、消防用ホースは、全体にわたり均等に、織られ、編まれまたは巻かれて形成されたジャケットに、均一にゴムまたは合成樹脂が内張りとして被覆塗装されて構成されたものが通常である。
消防用ホースは、通常、収納時には、平坦に押し潰された状態でコンパクトにコイル状に巻かれていて、使用の際には、路上や床面上などで転げるように放られ、展張されて使用される。この展張をするに際しては、放水時に高圧水がスムーズに流れるのに支障が生じないように全体のホースの形状が配慮される。
例えば、ホースをできるだけ延ばして使うべきときには、蛇行した状態やジグザグ状になることや、あるいは捩れたりすることなく、いち早く、真っ直ぐに延びたホース状態を呈することが求められ、あるいはまた、ホースが真っ直ぐな状態でなく、ホース長さが余った緩んだ状態で使用されるべきときには、その余った分がジグザグ状等になることや、また捩れたりすることなく、緩やかな一つの円弧状や弓形曲線状などをいち早く呈することが求められるのであり、緊急時などのホースの操作者は、火点位置(ひいては放水位置)を見極めながら、ホース全体が最適な形態を呈するように留意しつつ操作をすることが要請される。
しかし、本来、均一に織られ、かつ均一にゴムまたは合成樹脂が被覆された消防用ホースは、該ホースの径方向において特別な方向性もなく、ホースに上述のような一定の展張動作を行わせようとしたとしても、普段は扱いなれていない者が扱うという状況や少人数で行わざるを得ない状況等もあり、必ずしも、緊急時に短時間で容易にできるというものではなかった。
このような点に関連して、消防用ホースの展張性を向上させるためにいくつかの提案がある(特許文献1−3)。
例えば、管状の織物からなるジャケットの内面にゴムまたは合成樹脂からなる被覆層を設け、該被覆層を、ホース長手方向に対して平行に延長する一対の厚肉部と一対の薄肉部とをホース周方向に交互に配列するとともに、該一対の厚肉部どおしおよび一対の薄肉部どおしが、ホース軸芯を挟んで互いに対面するように構成された消防用ホースが提案されている(特許文献1)。
しかし、この特許文献1の提案のホースでは、厚肉部の存在がコイル巻をした際に巻径の増大を招き、収納性や操作性の点、薄肉部の強度などの問題があった。
また、巻き込み収納性を阻害することなく、コイル状に巻き込んだ状態から敏速かつ真っ直ぐに展張することを可能にした消防用ホースとして、管状の織物からなるジャケットの内面にゴムまたは合成樹脂からなる被覆層を設け、該被覆層をホース長手方向に対して平行に延長する硬質層と該硬質層よりも剛性が低い軟質層とをホース周方向に交互に配列するとともに、ホース横断面を偏平に押し潰したとき硬質層が平坦部に位置し、軟質層が両屈曲部に位置するように構成したという消防用ホースについての提案がされている(特許文献2)。
しかし、この特許文献2の提案のホースでは、硬質層と該硬質層よりも剛性が低い軟質層の存在が不均質性や強度面などの問題を招き好ましくなかった。
また、保管中の状態からホースを伸ばしたときの伸ばし易さおよび伸ばしたホースが真っ直ぐに伸びる展張性の向上化が得られ、かつ展張したホース内に水を通したとき、ホース内に水が通じる速さ、いわゆる通水性の向上化を得られる消防用ホースとして、たて糸とよこ糸を筒状に織成したジャケットの内面に、ゴム材または合成樹脂材からなるライニング層を嵌合してなる消防用ホースにおいて、該ホースを偏平状に折り畳んだ状態での両側端部である耳部の相互間に、該ホースを展張させたときに展張方向に向かって重量をかける展張促進部を設けたという消防用ホースが提案されている(特許文献3)。
しかし、この特許文献3の提案のホースの展張促進部は、例えば、太い糸を用いて織られている部位であるが、該展張促進部は局部的に厚肉部となり、コイル巻をした際に巻径の増大を招き、収納性や操作性の点などの問題があった。
特開2000−140415号公報 特開2000−146032号公報 特開2001−141127号公報
本発明の目的は、上述したような点に鑑み、緊急性ある火災現場などにおいて、コイル状に巻かれていた消防用ホースを展張するにあたり、短時間でスムースに、希望するホース全体形状を呈して展張することを可能にする消防用ホースを提供することにある。
特に、ホースが真っ直ぐな状態でなく、ホース長さが余った緩んだ状態で使用されるべきときに、その余った分がジグザグ状等になることや、また捩れたりすることなく、緩やかな一つの円弧状や弓形曲線状などをいち早く呈することが比較的容易にできる消防用ホースを提供することにある。
特に、図2、図4、図6に示したようなコイル状の二重巻きとされて収納されていた状態からでも、希望するホース全体形状に、より迅速に、より操作性良く、より容易に展張させることのできる消防用ホースを提供することにある。
上述した目的を達成する本発明の消防用ホースは、以下の(1)の構成からなる。
(1)ジャケットにゴムまたは合成樹脂の内張りが施されている消防用ホースにおいて、該ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在し、かつ、該重心が偏って存在している該外周側一方向に直角にホース中心をとおる分割線で2分割したときに、(重心がある側の重量:重心のない側の重量=1.03〜1.3:1)の重量比構成にされ、かつ、ホース厚さは全周囲で均一に形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
また、かかる本発明の消防用ホースにおいて、より好ましい具体的構成として、以下の(2)〜(10)のいずれかのものである。
(2)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、該横断面におけるホース全周囲の10%〜30%の領域で重量が他の部分よりも重く形成されていることにより形成されているものであることを特徴とする上記(1)記載の消防用ホース。
(3)ジャケット外周がホース長手方向に沿って設けられている一本の縦色線を有するものであり、該縦色線が、前記重心が外周側一方向に偏って存在している該外周側一方向の線上に存在していることを特徴とする上記(1)または(2)記載の消防用ホース。
(4)ジャケット外周がホース長手方向に沿って設けられている一本の縦色線を有するものであり、該縦色線が、前記重心が外周側一方向に偏って存在している該外周側一方向と直角な線上に存在していることを特徴とする上記(1)または(2)記載の消防用ホース。
(5)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、該横断面におけるホース全周囲の一部の領域で重量が他の部分よりも重く形成されていることにより形成されているものであり、かつ、ジャケット外周において、該重量が他の部分よりも重く形成されている領域と該他の部分との境界の付近に、ホース長手方向に沿って延在する境界色線が設けられていることを特徴とする上記(1)から(4)のいずれかに記載の消防用ホース。
(6)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットが織物を用いて構成され、かつ該織物の織糸密度がホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の消防用ホース。
(7)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットに内張りされるゴムまたは合成樹脂の比重がホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の消防用ホース。
(8)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットに内張りされているゴムまたは合成樹脂の層が、ホース内表面上において、ホース長さ方向に延在するリブ高さ0.3〜2mmの複数本のリブを有し、該リブの存在ピッチがホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の消防用ホース。
(9)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットがその外周において合成樹脂が含浸され該合成樹脂によって被覆された構造を有し、該合成樹脂の含浸被覆量がホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする上記(1)〜(5)のいずれかに記載の消防用ホース。
(10)ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、上記(5)〜(9)から選ばれた2以上の組合せ構造により形成されているものであることを特徴とする上記(1)〜(9)のいずれかに記載の消防用ホース。
本発明によれば、緊急性ある火災現場などにおいて、コイル状に巻かれていた消防用ホースを展張するにあたり、短時間でかつスムースに、希望するホース全体形状を呈して展張することを可能にする消防用ホースが提供される。
特に、本発明によれば、ホースが真っ直ぐな状態でなく、ホース長さが余った緩んだ状態で使用されるべきときに、その余った分がジグザグ状等になることや、また捩れたりすることなく、緩やかな一つの円弧状や弓形曲線状などをいち早く呈することが比較的容易にできる消防用ホースが提供される。
中でも、特に、図2、図4および図6に示したようなコイル状の二重巻きとされて収納されていた状態からでも、希望するホース全体形状に、より迅速に、より操作性良く、より容易に展張させることのできる消防用ホースを提供できるものである。
このような効果を持つ本発明の消防用ホースは、普段は消防用ホースに扱い慣れていない操作者や力のない操作者にも、所望の展張形態をなして展張させるという点で扱いやすいものであり、緊急性ある重大事にも、より迅速・的確に対応することを可能にするものである。
また、実際の火災現場での使用のみならず、本発明の消防用ホースを、消防競技会などにおいて採用すると、ホース操作者の標準動作として定着するに資する安定した展張性を有した消防用ホースを提供するものである。なお、特に、そのような消防競技会などでは、演技チームの操作者が右利きかあるいは左利きかに対応して、二重巻きの巻き方と雄金具と雌金具の取付を変えることにより、右利き者あるいは左利き者のいずれにも対応しても、より良好な操作性と展張性をもたらすという、新規な消防用ホースが提供されるものである。
以下、図面などに基づいて、更に詳しく本発明の消防用ホースについて説明する。
図1は、本発明にかかる消防用ホースの一実施態様例を示した概略ホース断面図であり、本発明にかかる消防用ホース1は、ジャケット2にゴムまたは合成樹脂の内張り3を施した消防用ホースにおいて、該ホース1の長手方向に直角な横断面上において、重心Wが外周側一方向(図面上、矢印D方向)に偏って存在し、かつ、該外周側一方向(矢印D方向)に直角にホース中心Cをとおる分割線Lで2分割したときに、以下の(a)式を満足する重量比構成にされていて、かつ、ホース厚さTは、全周囲で実質的に均一に形成されていることを特徴とするものである。
重心Wがある側の重量:重心Wのない側の重量=1.03〜1.3:1 ……(a)
すなわち、図1に示した消防用ホースにおいては、図面上、上方向に重心が偏って存在しているものである。
かかる本発明の消防用ホースは、例えば、図2に示したように、重心が存在する側を上に向けて、コイル状に二重巻きされている状態から展張をする際に、円弧状や弓形曲線状として膨らませたい方向側に向けて、放ったり転がしたりすることにより、重心のある上側が展張させたい方向の先導作用を行い、よりシャープかつスムースにホースが円弧や曲線状を描いて広がって展張しやすいように投げることができるものとなる。
なお、二重巻とは、ホース全長のほぼ中央部で折り曲げて、その中央の折曲げ点を芯部にして、図2、図4および図6に示したように、コイル状に巻いたものであり、該ホースの両先端には図示していないが、おす金具Mとめす金具Fとが装着されるものである。おす金具Mとめす金具Fとは、一般には、おす金具Mが内側になるようにしてコイル状2重巻きがなされるものである。
また、図1や図2に示しているように、本発明にかかる消防用ホースは、ホースのラインがしっかりと見えて、捩れなどの有無なども瞬時に認識されやすいように、ジャケット外周が、ホース長手方向に沿って、一本の縦色線4を有することも肝要であり、該縦色線を設けることは法令(「消防用ホースの技術上の規格を定める省令」)上も要請される。したがって、該縦色線4は、従来の消防用ホースでも備わっているものであるが、また「縦線」とも呼ばれるものであるが、一般には、赤色などの適宜太さの色糸を使用して、肉眼で視認されやすい形態で織り込まれて、ジャケット外周上に存在していればよい。
本発明において、重心Wがある側の重量と重心Wのない側の重量比率は、重心Wがある側の重量:重心Wのない側の重量=1.03〜1.3:1の範囲内とすることが肝要であり、該比率が1.03未満である場合には本発明の効果を所期のとおりに良好に得ることは難しくなり、また、1.3を超える場合には、消防用ホースの全体的構成において、全体重量を大きくせざるを得なくなるなどの他の構成要素とのバランスを崩す方向であり、一般には好ましくない。
本発明の消防用ホースにおいて、図1および図2に示したように、重心Wのある側が上側になるように、前述2分割線Lに沿ってホースを偏平状に押し潰して二重巻をすることが良いものであるが、必ずしも重心が上にある場合だけに限らず、意図的に、違う位置になるようにしてホースを巻くこともできるものであり、それはまた本発明の消防用ホースの特徴点でもある。
すなわち、図3および図4に示したように、図1と図2に示した使い方とは90度異なる使い方であり、重心が偏って存在している該外周側一方向(D方向)が、コイル状巻体を横倒しにした場合に外周側に向いているようにして、二重巻きして収納し使用されるようにしてもよい。
その場合、コイル状に二重巻きされている状態から展張をする際に、展張をさせたい方向側に向けて、二重巻き体を立てた状態で転がしたり放ったりするときに、転がりながらも該ホースに安定してしっかりと整然と立つ力と転がしたい方向に先導する力が作用し、ホースが予期せぬ方向に転がったりすることを極力防止できる。
あるいは、図5および図6に示したように、図1と図2に示した使い方とは180度異なる使い方であり、重心が偏って存在している該外周側一方向(D方向)が、コイル状巻体を横倒しにした場合に地面側に向いているようにして、二重巻きして収納し使用されるようにしてもよい。
なお、上述の図1および図2に示したように、重心Wのある側が上側になるように、偏平状に押し潰して二重巻をすることは右利き者がホースを放るのに適していて、また、上述の図5および図6に示したように、重心Wのある側が下側になるように、偏平状に押し潰して二重巻をすることは左利き者がホースを放るのに適している。
本発明において、前述した縦色線4は、コイル状に巻かれたときでも視認しやすいように、図2、図4および図6に示したように、コイル巻の外周側に位置するように設けられることが通常である。
なお、図1に示した態様では、該縦色線4は、重心Wが外周側一方向に偏って存在されている該外周側一方向(D方向)と直角な線上に存在させている態様である。
また、図3に示した態様では、該縦色線4は、重心Wが外周側一方向に偏って存在されている該外周側一方向の線上に存在させているものである。
また、図5に示した態様では、該縦色線4は、重心Wが外周側一方向に偏って存在されている該外周側一方向(D方向)と直角な線上に存在させている態様である。
本発明の消防用ホースを製造するに際しては、例えば、ジャケットを織物を用いて構成し、該織物の織密度を、ホース周方向にそって部分的に変更させて、重心が偏って存在するように、かつ、重量比率が上述した範囲を満足するようにして構成すること、あるいは、ジャケットに内張りされるゴムまたは合成樹脂の比重を、ホース周方向にそって部分的に変更させて内張りすることなどによって達成することができる。
また、特開平7−4569号公報に記載されている消防用ホースのように、ゴムまたは合成樹脂の内張を施したホース内周面上に、ホース長さ方向に延在する多数の突条(リブ)を平行に設けたホースの場合であれば、該多数の突条(リブ)の存在数をホース周方向にそって部分的に変更させることなどによって達成することもできる。
また、後述する本発明においてのホース厚さが全周囲で均一である範囲内において、厚さを、部分的に多少厚くするなどの手段によっても達成することができる。
また、もちろん、上述した各手段の複数を適宜に組合せて実現してもよい。
中でも、該織物の織密度をホース周方向にそって部分的に変更させることにより、重心が偏って存在するようにすることは、比較的簡単であり好ましい態様である。
特に、図1、図3あるいは図5において、一点鎖線領域Aで示した領域付近で、かつ全体外周の1割〜3割程度の領域内で、タテ糸織密度を高くして、本発明のホースを実現することが好ましい。
また、織物を織成する織糸として一部に比重の大きな織糸を用いて織成する等の手段をとることもでき、それら手段を複数組み合わせて採用して、上述した重量比率の範囲内とすることができる。
さらにまた、ジャケット外周に合成樹脂などを外面被覆塗装する場合であれば、該外面被覆塗装の被覆樹脂量・含浸樹脂量を部分的に多少多くするなどの手段によっても達成することもでき、上述したようなタテ糸織密度を高くして重量を重くせんとする場合には、糸量に対応して、被覆樹脂量・含浸樹脂量も多くなる方向であるので、一石二鳥的に好ましいものである。
いずれにしても、各図で一点鎖線領域Aで例示した付近で、かつ全体外周の1割〜3割程度の領域内で、重量(比重)を大きくしたり密度を高くして、および/または上述した各種の手段を用いて、当該領域の重量を他領域よりも重くして本発明のホースを実現することが好ましい。
また、図2や図4および図6に示したように、ホースのジャケット上において、重さが重くされている領域Aとそうでない領域との境界付近には、その境界を目視により確認・認識できるように、境界色線5を設けることが好ましい。重さが重くされている領域Aとそうでない領域との境界部分が簡単にわかることは、ホースの操作・取扱いをしやすくする上で好ましい。この境界色線5は、図1や図3および図5のホース断面図にて示したように、ジャケット2の外周上に視認性良く、単一本であるいは複数本で設けられていることがよいものである。
結局、一般的には、この境界色線5と前述した縦色線4は、ホース断面図上で見ると、図1あるいは図5の場合のように、周方向に約90度、方向を変えて存在していることが実際的で好ましいものである。そして、そのような構成であると、ホース長さ方向に存在する色線が、少なくとも1本は視認されることが多くなるものであり、展張した際のホースのねじれや曲がりなどを瞬時に診断して、必要な修正作業を迅速かつ適切に行うことができるようになる。
なお、該境界色線5と該縦色線4は、ホース断面図上で見ると、図3に示した場合のように、周方向上に、固まって存在している場合でもよく、その場合、縦色線4が存在する方向の認識がより正確かつ早くできるものである。
本発明の消防用ホースにおいて、ホース厚さは全周で均一な厚さを呈して形成されていることが肝要であり、厚さが均一でない場合には、コイル巻をしたときに巻径が大きくなったり、コンパクトな巻上げ自体が難しくなったり、あるいは、ホース巻体として、路面・床面に直立させることが難しくなったりするので好ましくないものである。
したがって、本発明の消防用ホースを製造するに際しては、全周にわたり、厚さが均一さを維持させつつ、重心が偏って存在するように、織糸の太さ・重量、織密度、内張り材の比重などを周方向にそって一部相違させて、ホースを形成することが重要である。
なお、ただし、本発明において、全周にわたり厚さが均一であるとは、厚さデータを採集した場合、最厚と最薄のデータの相違が5%以内(最薄データを100%とした場合、最厚データが105%以内)である分布であること、好ましくは、最厚と最薄のデータの相違が3%以内(最薄データを100%とした場合、最厚データが103%以内)、より好ましくは、最厚と最薄のデータの相違が2.5%以内(最薄データを100%とした場合、最厚データが102.5%以内)である分布であることをいうものである。
また、前述した特開平7−4569号公報に記載されている消防用ホースのように、ゴムまたは合成樹脂の内張を施したホース内周面上に、ホース長さ方向に延在する多数の突条(リブ)を平行に設けたホースの場合であれば、該多数の突条(リブ)の高さは、厚さの概念には含まないものであり、該突条(リブ)を除外した「地」・「ベース」での厚さを上述した範囲内とするものである。
以下、実施例に基づいて、本発明の消防用ホースの具体的構成、効果について説明をする。
実施例1
図1と図2に示した態様で、下記の織糸使いにて筒状織物を製織してジャケットを製造し、さらに合成樹脂の内張りを行い、本発明にかかる消防用ホース(ホース呼称65:内径約65mm)を製造した。
タテ糸としては、通常密度部はポリエステル紡績糸20s/7、全420本を全部で10本の綜絖(1綜絖当たり42本)に通し、高密度部はポリエステル紡績糸20s/7、全104本を全2本の綜絖(1綜絖当たり52本)に通して製織をした。
すなわち、通常密度部では1綜絖当たり42本のタテ糸の織り密度、高密度部では1綜絖当たり52本のタテ糸の織り密度としたものであり、通常密度部よりも高密度部ではタテ糸使用重量が23.8%多いものである。
ヨコ糸としては、ポリエステルフィラメント加工糸(捲縮数57山/10cm)1100dtex/4を用いた。
合成樹脂の内張りとしては、ウレタン樹脂を用いて90g/ホース1m長さの塗布量とした。
縦色線は、赤色の染色糸を用いた。
消防用ホースの厚さは、全周にわたり0.5cm間隔位置での厚さを実測したところ、最厚部で2.0mm、最薄部で2.1mmであった。
こうして得られた消防用ホースは、重心のある側とない側とで、ホース中心点を通る分割線で2分割したときの重量比率は、重心のある側:重心のない側=1.15:1.0であった。なお、このホース重量の求め方は、ホース1m長さで、n数を3として実測し、得られた値を平均したものであり、全重量が282.0gであるのに対して、重心のある側が150.8g、重心のない側が131.2gであった。
こうして得られたホースを二重巻にし、その状態で右利き者が放ったときの展張性について試験をした。
この結果、本発明の消防用ホースは、放ったときに良好なきれいな円弧状に広がり、所望のとおりに展張させやすいものであった。
実施例2
図3と図4に示した態様で、下記の織糸使いにて筒状織物を製織してジャケットを製造し、さらに合成樹脂の内張りを行い、本発明にかかる消防用ホースを製造した。
タテ糸としては、通常密度部はポリエステル紡績糸20s/7、394本(9綜絖)、高密度部はポリエステルフィラメント加工糸(捲縮数57山/10cm)1100dtex/2(3綜絖)を用いた。
すなわち、デシテックスに換算すると、通常密度部ではタテ糸重さは2050dtex、高密度部ではタテ糸重さは2200dtexとなり、通常密度部よりも高密度部ではタテ糸使用重量が7.3%多いものである。
ヨコ糸としては、ポリエステルフィラメント加工糸(捲縮数57山/10cm)1100dtex/4を用いた。
合成樹脂の内張りとしては、ウレタン樹脂を用いて、90g/ホース1m長さの塗布量とした。
縦色線は、赤色染色糸を用いた。
消防用ホースの厚さは、全周にわたり0.5cm間隔位置での厚さを実測したところ、厚部で2.0mm、最薄部で2.1mmであった。
こうして得られた消防用ホースは、重心のある側とない側とで、ホース中心点を通る分割線で2分割したときの重量比率は、重心のある側:重心のない側=1.15:1.0であった。
こうして得られたホースを二重巻にし、その状態で放ったときの展張性について試験をした。
この結果、この本発明の消防用ホースは、転がしたときに、よじれることもなく、かつ曲がることなく真っ直ぐに展張させやすいものであり、操作者が意図した展張状態を実現しやすいものであることが確認できた。
図1は、本発明にかかる消防用ホースの一実施態様例を示した概略ホース断面図である。 図2は、本発明にかかる消防用ホースをコイル巻した状態の1例を示した概略斜視図である。 図3は、本発明にかかる消防用ホースの他の一実施態様例を示した概略ホース断面図である。 図4は、本発明にかかる消防用ホースをコイル巻した状態の他の1例を示した概略斜視図である。 図5は、本発明にかかる消防用ホースの他の一実施態様例を示した概略ホース断面図である。 図6は、本発明にかかる消防用ホースをコイル巻した状態の他の1例を示した概略斜視図である。
符号の説明
1 消防用ホース
2 ジャケット
3 ゴムまたは合成樹脂の内張り
4 縦色線
5 境界色線
W 重心
C ホース中心点
L 重心Wが偏って存在している外周側一方向に直角でかつホース中心点Cを通る分割線
T ホース厚さ
D 重心Wが外周側一方向に偏って存在している該方向
A 「折り耳」付近を示した領域
M おす金具
F めす金具

Claims (10)

  1. ジャケットにゴムまたは合成樹脂の内張りが施されている消防用ホースにおいて、該ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在し、かつ、該重心が偏って存在している該外周側一方向に直角にホース中心をとおる分割線で2分割したときに、(重心がある側の重量:重心のない側の重量=1.03〜1.3:1)の重量比構成にされ、かつ、ホース厚さは全周囲で均一に形成されてなることを特徴とする消防用ホース。
  2. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、該横断面におけるホース全周囲の10%〜30%の領域で重量が他の部分よりも重く形成されていることにより形成されているものであることを特徴とする請求項1記載の消防用ホース。
  3. ジャケット外周がホース長手方向に沿って設けられている一本の縦色線を有するものであり、該縦色線が、前記重心が外周側一方向に偏って存在している該外周側一方向の線上に存在していることを特徴とする請求項1または2記載の消防用ホース。
  4. ジャケット外周がホース長手方向に沿って設けられている一本の縦色線を有するものであり、該縦色線が、前記重心が外周側一方向に偏って存在している該外周側一方向と直角な線上に存在していることを特徴とする請求項1または2記載の消防用ホース。
  5. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、該横断面におけるホース全周囲の一部の領域で重量が他の部分よりも重く形成されていることにより形成されているものであり、かつ、ジャケット外周において、該重量が他の部分よりも重く形成されている領域と該他の部分との境界の付近に、ホース長手方向に沿って延在する境界色線が設けられていることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の消防用ホース。
  6. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットが織物を用いて構成され、かつ該織物の織糸密度がホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消防用ホース。
  7. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットに内張りされるゴムまたは合成樹脂の比重がホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消防用ホース。
  8. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットに内張りされているゴムまたは合成樹脂の層が、ホース内表面上において、ホース長さ方向に延在するリブ高さ0.3〜2mmの複数本のリブを有し、該リブの存在ピッチがホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消防用ホース。
  9. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、前記ジャケットがその外周において合成樹脂が含浸され該合成樹脂によって被覆された構造を有し、該合成樹脂の含浸被覆量がホース周方向にそって部分的に変更されていることにより形成されているものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の消防用ホース。
  10. ホースの長手方向に直角な横断面上において、重心が外周側一方向に偏って存在している構造が、請求項5〜9から選ばれた2以上の組合せ構造により形成されているものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の消防用ホース。
JP2007171061A 2007-06-28 2007-06-28 消防用ホース Active JP4833925B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171061A JP4833925B2 (ja) 2007-06-28 2007-06-28 消防用ホース

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007171061A JP4833925B2 (ja) 2007-06-28 2007-06-28 消防用ホース

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009005965A JP2009005965A (ja) 2009-01-15
JP4833925B2 true JP4833925B2 (ja) 2011-12-07

Family

ID=40321688

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007171061A Active JP4833925B2 (ja) 2007-06-28 2007-06-28 消防用ホース

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4833925B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP6155077B2 (ja) * 2013-04-08 2017-06-28 櫻護謨株式会社 消防用ホース

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US4261834A (en) * 1978-05-18 1981-04-14 Millipore Corporation Device and process for removing pyrogens from aqueous solutions
JP2819223B2 (ja) * 1993-06-18 1998-10-30 帝国繊維株式会社 消防用ホース
JP2000146032A (ja) * 1998-11-11 2000-05-26 Teikoku Sen I Co Ltd 消防用ホース
JP3945603B2 (ja) * 1998-11-11 2007-07-18 帝国繊維株式会社 消防用ホース
JP4531172B2 (ja) * 1999-11-11 2010-08-25 櫻護謨株式会社 消防用ホース
JP4846081B2 (ja) * 2000-01-27 2011-12-28 帝国繊維株式会社 消防用ホース
JP4778162B2 (ja) * 2001-06-25 2011-09-21 帝国繊維株式会社 消防ホース

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009005965A (ja) 2009-01-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
EP2423379B1 (en) Climbing rope comprising two braided layers
KR100997579B1 (ko) 구명로프
KR100430985B1 (ko) 제지기로종이및판지를제조하는데있어서종이웨브의운반및이송용로프
US7628435B1 (en) Web section, round sling made from the web section, and method of making the round sling
TW200844533A (en) Innerduct structure having increased flexibility
JP2024026893A (ja) 破断可能な構造体と支持構造体とを含むタイヤアセンブリ
JP6722592B2 (ja) 可撓性で耐摩耗性の織られた繊維スリーブおよびその構築方法
CN114729476B (zh) 抗冲击可缠绕多层编织套筒及其构造方法
TWI253994B (en) Pneumatic run-flat tire
BR102013009387A2 (pt) envoltório espiral sanfonado para um pneu
WO2007116638A1 (ja) 編物製タイヤチェーン
JP4833925B2 (ja) 消防用ホース
US20080127625A1 (en) Strand with Increased Adherence to Metal Disks
JP6216128B2 (ja) 消防用保形ホース
JP2819223B2 (ja) 消防用ホース
DK153764B (da) Staaltov
JP2018070064A (ja) 空気入りタイヤ
JP4632906B2 (ja) 消防用ホース及びその製造方法
JP2007238041A (ja) 空気入りタイヤ
JP4531172B2 (ja) 消防用ホース
JP2007284047A (ja) 編物製タイヤチェーン
JP6012516B2 (ja) 消防用保形ホース
JP4947611B2 (ja) 釣り竿及びその製造方法
US20200108294A1 (en) Belay Loop
JP6364760B2 (ja) すだれ織物及びこれを使用した空気入りタイヤ

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100416

TRDD Decision of grant or rejection written
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110914

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110920

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110922

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 4833925

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140930

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R370 Written measure of declining of transfer procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R370

S531 Written request for registration of change of domicile

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313531

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250