JP4833821B2 - 蓋材 - Google Patents
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Description
アルミ箔層を含んだ積層構造体は、遮光性やガスバリア性が高いだけではなく、形状維持性にも優れるためである。
このような調理の際には、開口部が露出したままの形状で蓋材が維持されなければ、容器内に湯を注ぎにくい。また、開口部を再び概ね塞いだままの形状に蓋材が維持されなければ、容器と蓋との隙間から水蒸気が漏れ、調理が不完全になってしまう。
特許文献1に開示される発明は、蓋材の周縁部の2カ所に中心点に対して略点対称位置となるように周辺部位をそれぞれ設け、二つの周辺部位を係合させることで、開口部を露出した形状に維持するものである。
ため、周辺部位が破断しやすくなってしまうという問題がある。さらに、係合作業が繁雑であるため、係合や取り外しの際に容器を転倒させてしまう恐れがある。
図1に、本発明にかかる蓋材の材料として好適な積層構造体の構成を示す。この積層構造体は、基材1、樹脂フィルム2、シーラント層3を有する。
基材1は、積層構造体に蓋材として十分な強度を持たせたり、図柄を印刷するための層であり、紙やPETフィルムなどの公知の材料(アルミを除く)を単独または積層して適用可能である。樹脂フィルム2は、積層構造体にガスバリア性や耐水性を付与するための層であり、ポリエチレン系樹脂フィルムなどの公知の材料を適用可能である。なお、基材1の最下層がガスバリア性や耐水性を有する材料(PET樹脂など)で形成されている場合には、樹脂フィルム層2は備えていなくても良い。樹脂フィルム2の少なくとも一方の面(樹脂フィルム2を備えない構成の場合には基材1の最下層の少なくとも一方の面)には不透明のインキを塗布して蓋材50の遮光性を高めることが好ましい。シーラント層3は、容器のフランジに熱接着(ヒートシール)するための層である。シーラント層3は公知の材料を用いて形成可能でであるが、材料の種類は、樹脂フィルム2(これを備えない場合は基材1の最下層)の材料と容器開口部のフランジ部の材料とに応じて選定する。
図2に、本発明を好適に実施した第1の実施形態にかかる蓋材の構成を示す。
蓋材50は、周縁部の開封の起点となる位置に開封タブ50aを備えている。開封タブ50aの両脇には表ハーフカット20a及び20bが略平行に開封方向に向かって設けられている。なお、表ハーフカット20a及び20bで挟まれた領域を開封片50bと称する。ここでは表ハーフカット20a、20bを設ける場合を例とするが、これらは裏ハーフカットであっても良い。
また、開封タブ50aと対向する位置(開封終了位置)の両脇には、蓋材50を容器に接着した際に容器のフランジから突出するように突出片50c及び50dが設けられている。表ハーフカット20a及び20bは、突出片50c及び50dにまで到達しており、先端は容器のフランジよりも外側に出ている。表ハーフカット20a及び20bの開封方向上流側の端部には、表ハーフカットの代わりにフルカット60a、60b(又は、裏ハーフカット40a、40b)が形成されている。
なお、図3に示すように、フルカット60a、60bや裏ハーフカット40a、40bではなく、ノッチ(切り欠き)70a、70bを設けても良い。
よって、蓋材の半分程度までしか開口部50eを形成しない場合に開封片を50bに作用する自重によるモーメントM1と、フランジの外側まで開口部50eを形成する場合に開封片を50bに作用する自重によるモーメントM2とには、M1<M2という関係が成り立つため、フランジの外側まで開口部50eを形成した方が開口部50eが露出した状態に維持されやすくなる。
本発明を好適に実施した第2の実施形態について説明する。
図8に本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。蓋材50は、第1の実施形態とほぼ同様の構成であるが、表ハーフカット20aは、開封タブ50aと突出片50cとの間で突出片50c近傍の位置から切り込まれ、突出片50cに到達し、容器のフランジの外側にまで達している。一方、表ハーフカット20bは、開封タブ50aと突出片50dとの間で突出片50d近傍の位置から切り込まれ、突出片50dに到達し、容器のフランジの外側にまで達している。
ただし、基材1に紙材を用いてしごきによる剛性低下を図るのであれば、第1の実施形態のように部分開封とした方が(表ハーフカット20a、20bを長くした方が)、剛性低下の効果が大きくなる。
本発明を好適に実施した第3の実施形態について説明する。
図10に本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。蓋材50は、第1の実施形態とほぼ同様であるが、表ハーフカット20a及び20bの終端が、開封方向に関して容器フランジの端以遠に位置している(E≧0)。換言すると、図11に示すように開封片50bを容器のフランジから完全に剥離させても、突出片50c及び50dの一部によって蓋材50が完全に分断されない構造となっている。
また、開封タブ50aと対向する側には、支持片50fが設けられている。
本発明を好適に実施した第4の実施形態について説明する。
図13に、本実施形態にかかる蓋材の構成を示す。本実施形態にかかる蓋材50は第3の実施形態とほぼ同様であるが、支持片50fではなく取り外しタブ50zを備えている。
例えば、上記各実施形態においては、円形の容器開口部を塞ぐ蓋材を例に説明を行ったが、図15に示すように角形の容器開口部を塞ぐ蓋材であっても良いことは言うまでもない。
また、本発明は湯切り穴を形成可能な蓋材にも適用可能である。湯切り穴を形成可能とするためには、図16に示すように、蓋材50の突出片50c及び50dの間で開封タブ50aと対向する位置を表ハーフカットで囲み、囲んだ領域内に裏ハーフカット(シーラント層側から切り込まれ樹脂フィルムを貫通しないハーフカット)を少なくとも一つ形成すればよい。
また、いずれの実施形態においても、取り外しタブを備えた構成としても良いし、備えない構成としても良い。
このように、本発明は様々な変形が可能である。
2 樹脂フィルム
3 シーラント層
10、10a、10b フルカット
20、20a、20b 表ハーフカット
30a、30b、30c、30d 位置決め用表ハーフカット
40、40a、40b 裏ハーフカット
50 蓋材
50a 開封用タブ
50b 開封片
50b、50c、50d、50f、50g、50i 係止片
60、60a、60b フルカット
70a、70b ノッチ
Claims (9)
- 容器の開口部を塞ぐための蓋材であって、
周縁部に設けられた開封用タブと、
前記容器の開口部から開封方向に張り出すように設けられた突出部と、
前記開封用タブの両脇に一本ずつ設けられ、各々が交わること無く前記突出部において前記容器のフランジの外まで到達し、前記突出部内に終端が位置する一対のハーフカットとを有し、
前記ハーフカットの前記開封方向上流側の端部は、裏ハーフカットであるか、代わりにフルカットが形成されているか、又はノッチが形成されていることを特徴とする蓋材。 - 前記突出部は、前記開封方向の下流側の周縁部の2カ所に個別に設けられた突出片からなり、前記一対のハーフカットはそれぞれ別々の前記突出片内に終端が位置することを特徴とする請求項1記載の蓋材。
- 前記各ハーフカットの終端と前記突出部の周縁との間に、前記開封方向に凸となる曲率を有するように切断防止用ハーフカットが形成されたことを特徴とする請求項1又は2記載の蓋材。
- 前記一対のハーフカットは、前記開封方向と略平行な直線状であることを特徴とする請求項1から3のいずれか1項記載の蓋材。
- 前記開封方向の下流側の周縁部に、前記容器開口部から取り外すための取り外しタブを備えることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の蓋材。
- 前記ハーフカットが、前記開封方向について、前記容器のフランジの端よりも遠くまで切り込まれたことを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の蓋材。
- 前記開封用タブと前記開封方向に対向する側に前記容器の開口部から張り出すように支持部を設けたことを特徴とする請求項6記載の蓋材。
- 少なくとも基材層と、前記容器へ接着するためのシーラント層とを有する積層構造体を用いて構成されたことを特徴とする請求項1から7のいずれか1項記載の蓋材。
- 前記積層構造体は、アルミ箔を含まずに構成されていることを特徴とする請求項8記載の蓋材。
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