JP4833171B2 - リール - Google Patents

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Description

本発明は、主にコンピューター等の記録再生媒体として使用される磁気テープ等の記録テープが巻装されるリールに関する。
従来から、コンピューター等のデータ記録再生媒体(データバックアップ)として使用される磁気テープ等の記録テープを合成樹脂製のリールに巻装し、そのリールをケース内に単一で収容してなる記録テープカートリッジが知られている。この記録テープカートリッジに使用されるリールとしては、ハブと上下フランジのどちらか一方が一体に成形され、上下フランジのどちらか他方がハブに溶着されるものがある。
ところで、このようなリールのハブに記録テープを巻回したときには、その記録テープの面圧により、ハブが変形してしまうことがある。ハブが変形すると、記録テープに部分的な伸びが生じ、ドライブ装置内におけるテープ走行に悪影響を及ぼすおそれがある。このハブの変形を抑制するために、ハブに金属製の補強リングをインサート成形によって設けることが、従来から提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、ハブにインサート成形によって補強リング(補強用の筒状部材)を設ける構成では、成形(冷却)時の樹脂材の収縮により、補強リングによって抑えられるハブ部分と抑えられないフランジ部分とで、その収縮に差が生じるため、結果的に所望とするハブ形状になり難い問題がある。
特開2005−116163号公報
そこで、本発明は、上記事情に鑑み、ハブにインサート成形によって補強用の筒状部材を設ける構成において、ハブの寸法精度を向上できるリールを得ることを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載のリールは、外周面に記録テープが巻回される樹脂製のハブと、前記ハブの一端部に一体成形された第1フランジと、前記ハブの他端部に溶着された第2フランジと、前記ハブの内周面にインサート成形によって設けられた補強用の筒状部材と、前記筒状部材の内周面に設けられ、前記第1フランジが一体成形された前記ハブの一端部側から該ハブの高さ方向に延在された樹脂層と、前記第2フランジが溶着された前記ハブの他端部側に設けられ、該ハブと前記樹脂層とを一体に連結する連結部と、前記ハブと前記樹脂層と前記連結部とで形成され、前記筒状部材を収容する閉空間と、を備えことを特徴としている。
請求項1に記載の発明によれば、第1フランジが一体成形されたハブの一端部側からハブの高さ方向に延在する樹脂層、補強用の筒状部材の内周面に設けられるとともに、第2フランジが溶着されたハブの他端部側に、ハブと樹脂層とを一体に連結する連結部が設けられ、ハブと樹脂層と連結部とで筒状部材を収容する閉空間が形成されている
したがって、成形(冷却)時において、その樹脂層が収縮することにより、ハブ部分における収縮が、フランジ部分における収縮に近づく
よって、ハブの部分的な収縮変形が抑制され、ハブの直径が均等となり、ハブの寸法精度を向上させることができる
また、請求項に記載のリールは、請求項に記載のリールにおいて、前記樹脂層の高さが、前記筒状部材の高さ以上とされていることを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、樹脂層の高さが、筒状部材の高さ以上とされているので、ハブの部分的な収縮変形を効果的に抑制することができ、ハブの直径をより均等にすることができる。
また、請求項に記載のリールは、請求項1又は請求項に記載のリールにおいて、前記樹脂層が、前記ハブの中心と、該ハブを成形する樹脂材の注入口とされたゲート跡とを結ぶ延長線上を避けて設けられていることを特徴としている。
請求項に記載の発明によれば、樹脂層が、ハブの中心と、ハブを成形する樹脂材の注入口とされたゲート跡とを結ぶ延長線上を避けて設けられているので、成形時にゲートから注入され、径方向外側に流動する樹脂材が筒状部材を径方向外側へ押圧することがない。したがって、筒状部材の径方向外側への変形が防止される。
以上のように、本発明によれば、ハブにインサート成形によって補強用の筒状部材を設ける構成において、ハブの寸法精度を向上できるリールを提供することができる。
以下、本発明の最良な実施の形態について、図面に示す実施例を基に詳細に説明する。まず最初に、本実施形態に係るリール30を備えた記録テープカートリッジ10の概略構成について説明する。なお、説明の便宜上、図1で示すように、記録テープカートリッジ10のドライブ装置への装填方向を矢印Aで示し、それを記録テープカートリッジ10の前方向(前側)とする。そして、矢印A方向と直交する方向を矢印Bで示し、それを記録テープカートリッジ10の右方向(右側)とする。また、矢印A方向及び矢印B方向と直交する方向を矢印Cで示し、それを記録テープカートリッジ10及びリール30の上方向(上側)とする。
図1〜図3で示すように、記録テープカートリッジ10は、樹脂製のケース12を備えている。ケース12は、上ケース14と下ケース16とを接合して構成されている。具体的には、上ケース14は、平面視略矩形状の天板14Aの外縁に沿って略枠状の周壁14Bが立設されて構成されており、下ケース16は、天板14Aに略対応した形状の底板16Aの外縁に沿って略枠状の周壁16Bが立設されて構成されている。そして、ケース12は、周壁14Bの開口端と周壁16Bの開口端とを突き当てた状態で、超音波溶着やビス止め等によって上ケース14と下ケース16とが接合されて、略矩形箱状に形成されている。
このケース12には、ドライブ装置への装填方向先頭側の隅角部において、天板14A、周壁14B、底板16A、周壁16Bがそれぞれ切り欠かれて、その装填方向に対して傾斜した開口18が形成されている。また、底板16Aの略中央部には、底板16Aを貫通する円形状のギア開口20が設けられており、後述するリールギア42の露出用とされている。底板16Aにおけるギア開口20の縁部には、環状リブ22がケース12の内方へ向けて突設されており、後述するリール30の位置決め用及び防塵用とされている。
また、ケース12の底板16Aの外面における前端近傍には、一対の位置決め穴24、26が開口している。一対の位置決め穴24、26は、底板16Aからケース12内方に立設された突部(図示省略)内に袋状に設けられ、矢印B方向における仮想線上で互いに離隔して配置されている。
そして、開口18に近い側の位置決め穴24は、ドライブ装置の位置決めピン(図示省略)に外接する底面視略正方形状とされ、位置決め穴26は、上記仮想線に沿って長手で、かつ幅が位置決めピンの直径に対応する長穴とされている。したがって、記録テープカートリッジ10がドライブ装置に装填されて、位置決め穴24、26にそれぞれ位置決めピンが挿入されると、ドライブ装置内で水平方向(左右及び前後)に正確に位置決めされる構成である。
更に、底板16Aにおける位置決め穴24、26周りは、他の部分(意匠面)よりも平滑に仕上げられた基準面24A、26Aとされている。基準面24A、26Aは、位置決め穴24、26に位置決めピンが挿入されたときに、位置決めピン周りに設けられたドライブ装置の基準面(図示省略)に当接するようになっている。これにより、記録テープカートリッジ10のドライブ装置内における鉛直方向の位置決めがなされる構成である。
また、ケース12内には、図2、図3で示すように、樹脂製のリール30(詳細は後述する)が1つだけ回転可能に収容される。このリール30には、磁気テープ等の記録テープTが巻装されており、図1で示すように、記録テープTの先端には、リーダー部材としてのリーダーブロック28が取り付けられている。リーダーブロック28は、記録テープカートリッジ10の不使用時には、ケース12の開口18の内側に収容保持されている。そして、この状態で、リーダーブロック28は、開口18を閉塞し、ケース12内への塵埃等の侵入を阻止している。
また、リーダーブロック28は、その先端に係合凹部28Aが形成されており、ドライブ装置内で記録テープTを引き出す際には、係合凹部28Aに係合する引出手段(図示省略)によってケース12から抜き出されてドライブ装置の巻取リール(図示省略)に誘導されるようになっている。更に、リーダーブロック28は、その係合凹部28Aとは反対側の端面が円弧面28Bとされており、巻取リールのリールハブに嵌入されることにより、記録テープTを巻き取る巻取面の一部を構成するようになっている。
次に、リール30及び不使用時にリール30の回転を阻止する制動手段について説明する。図2〜図8で示すように、リール30は、その軸心部を構成するリールハブ32を備えている。リールハブ32は、上方に開口し、外周面に記録テープTが巻装される円筒部34と、円筒部34の下部を、後述する貫通孔50を除いて閉塞する底部36とを有する略有底円筒状に形成されている。そして、リールハブ32の底部36の外周縁部には、下フランジ38が同軸的かつ一体に径方向外側へ延設されている。
また、リールハブ32の上端部には、上フランジ40が接合されるようになっており(図4、図5では省略されている)、本実施形態に係るリール30は、所謂2ピース構造とされている。すなわち、上フランジ40は、その外径が下フランジ38の外径と同径とされるとともに、軸心部に円筒部34の内径に対応する外径の短筒部40Aが設けられており、短筒部40Aが円筒部34の上端近傍に内嵌した状態で超音波溶着によってリールハブ32に同軸的に固着されている。これにより、リール30は、下フランジ38と上フランジ40との対向面間において、リールハブ32の円筒部34の外周面に記録テープTが巻回可能となる構成である。
また、リールハブ32の底部36の下面における外周縁部近傍には、全体としてリール30と同軸的な環状とされたリールギア42が形成されている。リールギア42は、ドライブ装置の回転シャフト100(後述)の先端に設けられた駆動ギア108と噛合可能とされている。このリールギア42は、その歯先が下フランジ38の下面よりも下方へ突出するとともに、歯底が下フランジ38の下面よりも上側に位置しており、かつ各歯の径方向外端部分が歯の高さ方向中央部から歯底にかけて下フランジ38に連続するテーパー部43によって連結されている。
なお、リールギア42上の所定位置には、成形用樹脂材の注入口とされたゲート跡Gmが所定間隔を隔てて(等間隔に)複数個(図示のものは3個)形成されている(図5参照)。また、リールハブ32の底部36の上面(内面)における外周縁部近傍には、全体としてリール30と同軸的な環状とされた係合ギア44が形成されている。係合ギア44は、底部36の上面より若干隆起した環状の台座部46上に形成されており、後述する制動部材60の制動ギア66と噛合可能とされている。
また、図6〜図8で詳細に示すように、係合ギア44(台座部46)よりも径方向外側において、リールハブ32の内周面には、金属製、例えばアルミニウム製の補強用の筒状部材(以下「補強リング」という)48がインサート成形によって固着されている。この補強リング48により、リールハブ32の強度(記録テープTの巻き締まり力に対する強度)を向上できる構成である。
また、その補強リング48の内周面には、リールハブ32(円筒部34)と一体の樹脂層35が、補強リング48を覆うように(補強リング48をリールハブ32の径方向に沿った厚さ範囲内に埋め込むように)、その高さ方向に延在して設けられている。つまり、リールハブ32の下端部(底部36)側から、リールハブ32の高さ方向に一体で延在する樹脂層35が、補強リング48の内周面に設けられており、その樹脂層35の高さは、補強リング48の高さ以上とされている。
そして、この樹脂層35は、リールハブ32の外周面側を構成する円筒部34と一体に構成されるが、リールハブ32の内周面側を構成する樹脂層35には、金型(図示省略)内にて補強リング48を保持するために(補強リング48を径方向及び高さ方向に位置決めするために)、樹脂材が回り込まない領域、即ちその補強リング48の一部を露出させる切欠部35Aが、所定間隔を隔てて(等間隔に)複数個(図示のものは3個)形成されている。
この切欠部35Aを形成する位置は、図8で示すように、リール30(リールハブ32)の回転中心Oと、リールハブ32及び下フランジ38を一体成形する樹脂材の注入口とされたゲート跡Gmとを結ぶ仮想延長線K上の所定領域(所定幅)Eとされており、樹脂層35は、この所定領域Eを避けて設けられている。これにより、金型での成形時に、ゲート(ゲート跡Gm)から流入した樹脂材によって、補強リング48の下端部48Bが径方向外側へ変形しないようにもできる構成である。
また、切欠部35Aを除く、補強リング48の上端部48A側は、樹脂層35の上端部から径方向外側へ一体に延設された連結部35Bによって覆われている(連結されている)。すなわち、リールハブ32の上端部側には、切欠部35Aが形成される所定領域Eを除いて、円筒部34と樹脂層35とを一体に連結する連結部35Bが設けられており、円筒部34と樹脂層35とで補強リング48を収容する閉空間Sを形成している(図7参照)。
なお、図7で示すように、樹脂層35の径方向に沿った厚さ(補強リング48よりも径方向内側の厚さ)D1は、D1=1.1mmとされ、金型からの引き抜きを容易にする内周面の抜きテーパーの角度は1度とされている。また、連結部35Bの高さ(径方向と直交する上下方向に沿った厚さ)Hは、H=0.5mmとされている。
また、補強リング48は、その上端部48Aがリールハブ32(円筒部34)の外周面における記録テープTの巻回範囲Taの上端TaU近傍に位置するとともに、その下端部48Bが巻回範囲Taの下端TaL(下フランジ38の付け根部の上面)近傍に位置する構成とされている。なお、図示の下端部48Bは、巻回範囲Taの下端TaLと同等か又は巻回範囲Taの下端TaLに対して若干下方に突出している。一方、補強リング48の上端部48Aは、上フランジ40の短筒部40Aと上下方向においてオーバーラップするようになっている。
また、リールハブ32と下フランジ38及び樹脂層35を構成する樹脂材としては、ポリカーボネート(PC)が挙げられるが、ポリカーボネート(PC)以外の(射出成形が可能な)樹脂材で構成してもよい。また、リールハブ32の円筒部34の径方向に沿った厚さ(補強リング48よりも径方向外側の厚さ)D2は、樹脂材の流動性と剛性確保の観点から、D2=1.0mm〜1.5mmの範囲で設定され、本実施例では、D2=1.5mmとされている。また、本実施例では、補強リング48の径方向に沿った厚さD3が、D3=略1.0mmとされている。
更に、この補強リング48は、アルミニウム又はアルミニウム合金によって構成されており、本実施例では、350[N/mm]の耐力を有するアルミニウム材にて構成されている。この耐力は、リールハブ32(円筒部34)の外周面に巻回される記録テープTの巻き締まり力(巻圧)に対して、円筒部34の変形量が許容量以下となる(へたりが生じない)ように設定されている。
また、補強リング48は、リールハブ32の円筒部34の径方向における剛性を向上させるための補強部材として把握されていればよく、この機能を満たすものであれば、寸法(厚さ)や材質(物性)に限定されることはない。したがって、例えば、補強リング48として鋼材を用いたり、樹脂や繊維強化樹脂等の非金属材を用いてもよい。また、通常、アルミニウム材は腐食性を有しているので、補強リング48として使用する際には、その表面に、例えばメッキ等の腐食防止加工(アルマイト処理)を施すことが望ましい。
何れにしても、このリール30は、補強リング48の内周面に樹脂層35が設けられる構成になっているので、補強リング48に金属材料を用いた場合でも、その金属部分の露出を低減することができる。したがって、その補強リング48が腐食することによって、記録テープTの表面状態が変化する懸念を低減することができる。
一方、リールハブ32の底部36の下面におけるリールギア42の径方向内側には、磁性材料で構成された環状金属板であるリールプレート54が、インサート成形により同軸的かつ一体的に設けられている。すなわち、リールプレート54には、小孔56が周方向に所定間隔を隔てて(等間隔に)複数個(図示のものは4個)形成されており、その小孔56の内周面には、下側の開口径が上側の開口径よりも大径となるような段差部57が形成されている(図2、図3参照)。したがって、このリールプレート54は、金型内にセットされた後、樹脂材が小孔56内に入り込み、その樹脂材が段差部57の下面に回り込んで固化されることにより、底部36に固着される構成である。
また、リールハブ32の底部36における軸心部には、その底部36を貫通する貫通孔50が設けられている。また、底部36の上面からは、貫通孔50の縁部に沿って短円筒状のクラッチ用ボス部52が立設されている。このクラッチ用ボス部52については、後述するクラッチ部材84と共に説明する。また、リールプレート54の軸心部は透孔54Aとされており、透孔54Aの内径は貫通孔50の内径よりも僅かに小さく形成されている。
また、リール30は、ケース12に収容されて、不使用時には環状リブ22上に載置されるようになっている。具体的には、リール30は、底部36におけるテーパー部43の径方向外側部分(下フランジ38の内周縁部近傍)が環状リブ22の上端面に当接するようになっており、環状リブ22の上端内周縁部がテーパー部43に対応したテーパー面22Aとされることで、径方向の移動が規制されている。そして、そこからの塵埃等の侵入を抑止する構成になっている。
この状態で、リール30は、全体としてケース12内に位置して、リールギア42、リールプレート54をギア開口20から露出させている(図1(B)参照)。すなわち、リールギア42は、底板16Aの外面(下面)から突出することなく、ギア開口20からケース12外に臨んでいる。また、リールプレート54の透孔54Aを通じて貫通孔50がギア開口20に臨んでいる。
これにより、ケース12の外部よりリール30の操作、即ちチャッキング(保持)及び回転駆動が可能とされている。また、この状態で、リール30のリールハブ32の上端部内周面側には、天板14Aから立設された環状の規制リブ58が入り込んでいる。規制リブ58は、その外周面を上フランジ40の短筒部40Aの内周面に近接させており、ケース12内におけるリール30のガタつきを抑止する構成である。
また、記録テープカートリッジ10は、不使用時にリール30の回転を阻止するための制動手段としての制動部材60を備えている。図4、図5で示すように、制動部材60は基部62を有しており、基部62は、短円筒状に形成された筒部62Aと、筒部62Aの上端を閉塞する円板部62Bとで、下方に開口した略有底円筒状に形成されている。そして、基部62(筒部62A)の外周部における軸線方向中間部からは、環状に形成されたリング部64が全周に亘り径方向外側に延設されている。
リング部64の下面には、全周に亘り制動ギア66が設けられている。すなわち、制動ギア66は、全体として環状に形成されており、リール30の係合ギア44と噛合可能に構成されている。また、リング部64の上面には、その外縁部に沿って環状の補強リブ68が立設されており、リング部64(制動ギア66)の剛性が確保されるようになっている。また、基部62の円板部62Bの下面(筒部62Aの径方向内側)における軸心部からは、摺接突部70が突設されている。摺接突部70は、その先端部が略球面状に形成されており、後述するクラッチ部材84と略点接触するようになっている。
一方、円板部62Bの上面からは、内部に平面視略十字状に形成された挿入溝72Aが形成された十字突起72が立設されている。また、円板部62Bには、これを板厚方向に貫通する貫通孔74が穿設されている。貫通孔74は、平面視で十字状に形成された挿入溝72Aにおける軸心部(交差部)を除く径方向外側部分と連通するように、4分割されてそれぞれ矩形状に形成されている。
これにより、各貫通孔74は、それぞれ摺接突部70の径方向外側に隣接して位置し、筒部62A内部に開口している。また、基部62の上端外周縁部には環状のリブ76が立設されており、リブ76と十字突起72との間の円板部62B上面が、後述する圧縮コイルスプリング82の一端部が当接するバネ受面78とされている。
このような構成とされた制動部材60は、リールハブ32内に、上下方向(リール30の軸線方向)に移動可能に、かつ略同軸的に挿設されている。すなわち、制動部材60は、上下方向に移動することで、その制動ギア66をリール30(リールハブ32)の係合ギア44と噛合する位置(回転ロック位置)と、その噛合を解除する位置(回転許容位置)とを取り得るようになっている。
また、制動部材60の十字突起72の挿入溝72Aには、ケース12の天板14Aから下方へ突設された十字リブ80が入り込むようになっている。十字リブ80は、2つの薄板片を互いに直交するように交差させたような形状とされた回り止め形状とされ、十字突起72(挿入溝72Aの溝壁)と係合することで、制動部材60のケース12に対する回転を阻止する構成である。
したがって、制動部材60は、その制動ギア66をリールハブ32の係合ギア44と噛合させることで、リール30の回転を阻止できる。なお、十字リブ80は、制動部材60の上下方向の全移動ストロークに亘り挿入溝72Aに入り込んだ状態が維持されるようになっており、制動部材60の移動方向を上下方向にガイドする機能も果たす構成である。
更に、十字リブ80の下端部には、制動部材60の各貫通孔74に挿通可能な突片80Aが延設されている。各突片80Aは、制動部材60が回転ロック位置に位置するときには挿入溝72A内に位置し、制動部材60が解除位置に位置するときには、それぞれ貫通孔74に入り込んで、円板部62Bの下面から突出する(貫通孔74を貫通する)ようになっている。このように各突片80Aが延設されることにより、十字リブ80は、制動部材60のケース12に対する回転を阻止するだけではなく、制動部材60との係合量(挿入深さ)を増加させることができ、制動部材60のケース12に対する傾きを抑制することができる。
また、制動部材60のバネ受面78と天板14Aとの間には、広義には付勢手段として把握される圧縮コイルスプリング82が配設されている。圧縮コイルスプリング82は、その一端部がバネ受面78に当接するとともに、他端部が天板14Aに当接しており、この他端部は天板14Aにおける十字リブ80の径方向外側から突設された環状壁部83の内側に位置して径方向に位置ズレしないようになっている。
そして、この圧縮コイルスプリング82の付勢力により、制動部材60が下方に付勢されて、通常は制動ギア66を係合ギア44に噛合させて、リール30の不用意な回転を確実に防止している(制動部材60を回転ロック位置に位置させている)。また、この付勢力により、リール30も下方に付勢され、環状リブ22に当接されて、ケース12内でガタつかないようになっている。
また、記録テープカートリッジ10は、制動部材60によるリール30のロック状態を解除するときに外部から操作される解除部材としてのクラッチ部材84を備えている。クラッチ部材84は、リール30の底部36と制動部材60との間に配設されている。図4、図5で示すように、クラッチ部材84は、略円柱状に形成されたクラッチ本体86を有している。クラッチ本体86は、その外径がリールプレート54の透孔54Aとほぼ同一に、即ちクラッチ用ボス部52の内径と一致する貫通孔50の内径よりも若干小さく形成されている。
クラッチ本体86は、その平坦な軸心部上端面が制動部材60の摺接突部70と常に当接する摺接面86Aとされている。また、クラッチ本体86における下方に開口して設けられた肉抜穴86B周りの平坦な下端面が押圧操作面86Cとされている。そして、クラッチ部材84は、その押圧操作面86Cが押圧されると、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗して上方へ移動し、制動部材60を回転許容位置へ移動させる構成とされている。
また、このクラッチ部材84は、クラッチ本体86の外周面よりも径方向外側に張り出した回転規制リブ88を備えている。回転規制リブ88は、クラッチ本体86の周方向に等間隔で複数(図示のものは3つ)設けられ、各回転規制リブ88は平面視で放射状に配置されている。また、各回転規制リブ88は、クラッチ本体86の摺接面86A周りの上端面と、その上端面近傍の外周面とに跨る(それぞれに連続する)ように、摺接面86Aよりも上方に突出している。
各回転規制リブ88は、それぞれクラッチ用ボス部52の内周面に凹設された回転規制溝90に入り込むようになっている。すなわち、各回転規制溝90は、クラッチ用ボス部52の周方向に等間隔で3つ設けられている。各回転規制溝90は、クラッチ用ボス部52の上端で上方に開口している。これにより、クラッチ部材84は、その回転規制リブ88においてクラッチ用ボス部52の回転規制溝90にガイドされつつ上下方向の移動が可能とされている。
また、各回転規制リブ88は、クラッチ部材84が上方に移動して制動部材60を回転許容位置に位置させるときにも、クラッチ用ボス部52の回転規制溝90に入り込んだ状態を維持するようになっている。これにより、クラッチ部材84は、リール30に対する相対回転不能、即ち常にリール30と一体に回転する構成とされている。
また更に、各回転規制溝90がクラッチ用ボス部52の下端部において閉塞されていることから、回転規制リブ88と回転規制溝90とによってクラッチ部材84のリールハブ32からの脱落を阻止することもできるが、このクラッチ部材84は、回転規制リブ88とは別に、そのリールハブ32からの脱落を阻止する着座リブ92を備えている。
着座リブ92は、クラッチ本体86の周方向に等間隔で複数(図示のものは各回転規制リブ88間の周方向中間部に計3つ)設けられている。各着座リブ92は、回転規制リブ88と同様に、クラッチ本体86の摺接面86A周りの上端面と、その上端面近傍の外周面とに跨るように、上方及び径方向外方に突出しており、平面視で放射状に配置されている。
各着座リブ92は、それぞれクラッチ用ボス部52の内周面に凹設されたストッパー溝94に入り込むようになっている。すなわち、各ストッパー溝94は、クラッチ用ボス部52の周方向に等間隔で、各回転規制溝90の周方向中間部に設けられている。各ストッパー溝94は、クラッチ用ボス部52の上端で上方に開口しており、その下端部を閉塞する底部上面がストッパー面94Aとされている。各着座リブ92は、制動部材60が回転ロック位置にあるときには、その下端面がストッパー面94Aに当接(着座)するようになっている。
また、図2、図3で示すように、回転シャフト100は回転軸102を備えており、回転軸102の上端には、円板状の回転テーブル104が同軸的かつ一体的に設けられている。回転テーブル104の上面で、かつ外周縁部には、記録テープカートリッジ10のリールギア42と噛合可能な駆動ギア108が環状に形成されている。また、回転テーブル104の上面で、駆動ギア108の径方向内側には、略円板状に形成されたマグネット106が同軸的に配設されており、回転テーブル104の軸心部には、クラッチ部材84の押圧操作面86Cに当接する解除突部110が形成されている。
次に、以上のような構成のリール30及び制動手段を備えた記録テープカートリッジ10の作用について説明する。記録テープカートリッジ10では、不使用時には、圧縮コイルスプリング82の付勢力によって、制動部材60が回転ロック位置に位置して制動ギア66を係合ギア44に噛合させている。このため、リール30は、ケース12に対する回転が阻止されている。このとき、リール30のリールギア42がギア開口20から露出するとともに、クラッチ部材84のクラッチ本体86が貫通孔50及び透孔54Aに挿通されてギア開口20に臨んでいる。
一方、記録テープTを使用する際には、記録テープカートリッジ10を矢印A方向に沿ってドライブ装置のバケット(図示省略)へ装填する。そして、記録テープカートリッジ10がバケットに所定深さまで装填されると、バケットは下降し、ドライブ装置の回転シャフト100がケース12のギア開口20に向って相対的に接近(上方へ移動)してリール30を保持する。具体的には、回転シャフト100は、マグネット106によって非接触でリールプレート54を吸着保持しつつ、その駆動ギア108をリールギア42と噛合させる。
このリールギア42と駆動ギア108との噛合、即ちケース12に対する回転シャフト100の軸方向近接側の相対移動に伴って、回転シャフト100の解除突部110がクラッチ部材84の押圧操作面86Cに当接し、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗してクラッチ部材84を上方に押し上げる。これにより、摺接突部70においてクラッチ部材84に当接している制動部材60も上方に移動し、制動ギア66と係合ギア44との噛合が解除されるとともに、リール30に対する相対的な回転許容位置へ移動する。
すなわち、回転シャフト100が上方へ相対移動すると、圧縮コイルスプリング82の付勢力に抗して、リール30がクラッチ部材84、制動部材60と共に(相対位置を変化させないまま)上方に持ち上げられ、制動部材60が(ケース12に対する)回転許容位置へ達するとともに、下フランジ38が環状リブ22(テーパー面22A)から離隔する。これにより、リール30は、ケース12内で浮上して、ケース12の内面と非接触状態で回転可能となる。
また、このとき、バケット、即ち記録テープカートリッジ10のドライブ装置内での下降によって、ケース12の各位置決め穴24、26にそれぞれドライブ装置の位置決めピンが入り込むとともに、ケース12の各基準面24A、26Aにドライブ装置の基準面が当接する。これにより、記録テープカートリッジ10は、ドライブ装置に対する水平方向及び鉛直方向が位置決めされる。すると、ドライブ装置の引出手段が、リーダーブロック28の係合凹部28Aに係合しつつ、リーダーブロック28をケース12から抜き出してドライブ装置の巻取リールに誘導する。
そして、リーダーブロック28は、巻取リールのリールハブに嵌入されて、その円弧面28Bが記録テープTを巻き取る巻取面の一部を構成する。この状態で、リーダーブロック28が巻取リールと一体に回転すると、記録テープTが巻取リールのリールハブに巻き取られつつ、開口18を通じてケース12から引き出される。なお、このとき、記録テープカートリッジ10のリール30は、リールギア42に噛合する駆動ギア108によって伝達される回転シャフト100の回転力によって、巻取リールと同期して回転する。
そして、ドライブ装置の所定のテープ経路に沿って配設された記録再生ヘッド(図示省略)により、記録テープTへの情報の記録、又は記録テープTに記録された情報の再生がなされる。なお、このとき、ケース12に対して回転不能である制動部材60の摺接突部70は、リール30と共にケース12に対して回転するクラッチ部材84の摺接面86Aと摺接している。つまり、クラッチ部材84は、リールギア42が駆動ギア108と噛合している状態では、その押圧操作面86Cにおける解除突部110との当接状態が維持されて、制動部材60を回転許容位置に保持する構成である。
そして、リール30の回転時には、リール30と一体に回転するクラッチ部材84とリール30を駆動する回転シャフト100との間には相対回転がなく、押圧操作面86Cと解除突部110とは互いに摺接することがない構成であり、クラッチ部材84の摺接面86Aと、ケース12に対して回転不能な制動部材60の摺接突部70とが互いに摺接する構成になっている。このように、回転軸102とクラッチ部材84との間には相対回転がないため、解除突部110や押圧操作面86Cが摩耗されるような不具合はない。
一方、記録テープTへの情報の記録、又は記録テープTに記録された情報の再生が終了すると、記録テープTがリール30に巻き戻されてリーダーブロック28がケース12の開口18近傍に保持される。そして、記録テープカートリッジ10が装填されたバケットが上昇する。すると、リールギア42と駆動ギア108との噛合が解除されるとともに、解除突部110とクラッチ部材84の押圧操作面86Cとの当接が解除され、クラッチ部材84が圧縮コイルスプリング82の付勢力によって制動部材60と共に(当接状態を維持しつつ)下方へ移動する。
これにより、クラッチ部材84の各着座リブ92がストッパー面94Aに当接するとともに、制動部材60の制動ギア66が係合ギア44と噛合する。すなわち、制動部材60がケース12に対してリール30の回転を阻止する回転ロック位置へ復帰する。また、制動部材60とクラッチ部材84とが圧縮コイルスプリング82の付勢力によって移動する動作に伴って、リール30も下方へ移動して、その下フランジ38を環状リブ22に当接させつつ、リールギア42をギア開口20から露出させる初期状態に復帰する。この状態で、記録テープカートリッジ10がドライブ装置(バケット)から排出される。
次に、本実施形態に係るリール30の作用について詳細に説明する。記録テープTは、リール30のリールハブ32(円筒部34)の外周面に巻回される。そのため、リールハブ32(円筒部34)には、記録テープTによる巻圧(巻き締まり力)が、径方向内側へ作用する。ここで、このリールハブ32(円筒部34)の内周面には、高剛性の補強リング48がインサート成形によって固着されている。したがって、記録テープTの巻圧に対する充分な剛性が確保されている。すなわち、リールハブ32において、記録テープTの巻圧による円筒部34の径方向内側への倒れ変形(内倒れ)が許容量以下に抑制されている。
ところで、リールハブ32(円筒部34)と下フランジ38が一体成形され、リールハブ32(円筒部34)の内周面に補強リング48がインサート成形によって固着される構造のリール30では、金型での成形(冷却)時に、リールハブ32(円筒部34)においては、補強リング48で抑えることが可能であるため、樹脂材の収縮(率)が小さい(殆ど収縮しない)。一方、下フランジ38においては、補強リング48で抑えることができない(補強リング48が、下フランジ38の上下方向に沿った厚さ内まで設けられていない)ため、樹脂材の収縮(率)が大きく、その直径(外径)を小さくする方向へ樹脂材が収縮する。
つまり、例えば図10(A)で示すように、補強リング48の内周面に樹脂層35を有しない比較例に係るリール130では、リールハブ32の円筒部34の収縮は、その下端部を除いて補強リング48によって抑えられるが、円筒部34の下端部の外周面は、下フランジ38の収縮に伴う樹脂材の流れにより、図示の破線で誇張して示すように、大きく縮径(例えば、半径当たり50μm〜60μm程度縮径)してしまう。このように、リールハブ32の下フランジ38近傍の下端部のみが部分的に収縮すると、リールハブ32の直径(外径)が部分的に(下端部だけ)小さくなってしまい(異なってしまい)、高さ方向に均等な直径を有するリールハブ32を得ることが困難になる。
しかし、本実施形態に係るリール30では、図9(A)で示すように、補強リング48の内周面に、径方向に沿った厚さD1が、例えばD1=1.1mmとされた樹脂層35が、補強リング48の高さと同等に設けられているので、その樹脂層35の収縮により、補強リング48も円筒部34も、その収縮方向に引っ張られる。したがって、リールハブ32の収縮を下フランジ38の収縮に近づけることができる。つまり、これにより、リールハブ32の円筒部34の下端部における直径が、他の部分における直径に対して、部分的に小さくなってしまう(縮径してしまう)割合が低減される。
このように、本実施形態に係るリール30では、リールハブ32が全体的に(高さ方向に)均等に収縮するため、円筒部34の下端部の外周面の縮径は、図示の破線で誇張して示すように、著しく(例えば、半径当たり10μm程度に)抑制される。よって、図10(A)で示す比較例のリール130に比べて、リールハブ32の直径を全体的に(高さ方向において)均等にできる。リールハブ32の直径が高さ方向において均等になると、リールハブ32に巻回された記録テープTが、その幅方向(高さ方向)から受ける応力も均等になるため、記録テープTの部分的な伸び変形を抑制することができ、記録テープTの巻き固さの安定化が可能となる。
なお、樹脂層35の径方向に沿った厚さ(補強リング48よりも径方向内側の厚さ)D1と、円筒部34の径方向に沿った厚さ(補強リング48よりも径方向外側の厚さ)D2は、略等しくする(D1≒D2)ことが望ましい。これによれば、リールハブ22の高さ方向における径差を効果的に無くすことができる。
また、図9(A)で示すリール30には、連結部35Bが設けられていないが、上記径差をより効果的に無くすためには、連結部35Bが設けられることが望ましい。そこで次に、図2〜図8及び図9(B)で示すリール30について説明する。
このリール30では、高さ(上下方向に沿った厚さ)Hが、例えばH=0.5mmとされた連結部35Bによって、樹脂層35の上端部と円筒部34の上端部(補強リング48を挟んでリールハブ32の内周面側と外周面側)が一体に連結されている。このように樹脂層35と円筒部34とが連結部35Bによって一体化されていると、両者の収縮が連動し、リールハブ32の収縮がより一層大きくなる(リールハブ32が全体的に(高さ方向において)より均等に収縮する)。
このため、リールハブ32(円筒部34及び樹脂層35)の収縮を、下フランジ38の収縮に、より一層(より効果的に)近づけることができ、リールハブ32の円筒部34の下端部における直径が、他の部分における直径に対して、部分的に小さくなってしまう(縮径してしまう)割合を更に低減することができる。つまり、このリール30では、円筒部34の下端部の外周面の縮径は、図示の破線で誇張して示すように、更に著しく(例えば、半径当たり5μm程度に)抑制されるため、リールハブ32の直径を全体的に(高さ方向において)より一層均等にできる。
また更に、図10(B)で示す比較例に係るリール130では、補強リング48の内周面に樹脂層35が設けられているが、リール30(リールハブ32)の回転中心Oとゲート跡Gmとを結ぶ仮想延長線K上の所定領域Eにも樹脂層35が設けられている。そのため、成形時において、金型のゲートGt(ゲート跡Gm)からの樹脂材の流れ込み(流動)により、補強リング48の下端部48Bが径方向外側へ向かって押圧され、その下端部48Bが径方向外側へ変形するおそれがある。
これに対し、本実施形態に係るリール30では、上記したように(図8で示したように)、リール30(リールハブ32)の回転中心Oとゲート跡Gmとを結ぶ仮想延長線K上の所定領域(仮想延長線Kが中心に来るような領域)Eには、切欠部35Aが形成されて樹脂層35が設けられていない(補強リング48が露出している)ので、成形時において、金型のゲートGt(ゲート跡Gm)からの樹脂材の流れ込み(流動)により、補強リング48の下端部48Bが径方向外側へ向かって押圧されることがない。したがって、その下端部48Bが径方向外側へ変形するような不具合は起きない(補強リング48の下端部48Bの径方向外側への変形が防止される)。
なお、このような構成にしたのは、ゲートGt(ゲート跡Gm)がリールギア42上に所定間隔を隔てて(等間隔に)3箇所設けられているためであり、ゲートGt(ゲート跡Gm)が、例えばリール30(リールハブ32)の回転中心Oに設けられるとともに、金型内において、別の方法で補強リング48を位置決め保持できる構成になっていれば、切欠部35Aは設けなくてもよい(補強リング48を露出させなくてもよい)ものである。
以上、説明したように、本実施形態に係るリール30では、リールハブ32に補強リング48が切欠部35Aを除いて埋設されるように、補強リング48の内周面に(円筒部34と一体化される)樹脂層35を設けたので、リールハブ32における記録テープTの巻回範囲Ta(円筒部34の外周面の高さ方向における各部の直径)の寸法精度を向上させることができる。つまり、リールハブ32に補強リング48をインサート成形によって設ける構造のリール30において、リールハブ32の寸法精度を向上させることができる。
なお、上記実施例では、下フランジ38がリールハブ32と一体成形されたリール30に本発明を適用した例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば上フランジ40がリールハブ32と一体に形成されたリール(図示省略)に本発明を適用してもよい。要するに、射出成形時の樹脂材の収縮アンバランスにより、リールハブ32の直径(外径)が、記録テープTの幅方向(高さ方向)に不均一となる、別の形態のリール全てに本発明は適用可能である。
また、上記実施例では、記録テープカートリッジ10が、リーダー部材としてリーダーブロック28を有する構成とされているが、本発明はこれに限定されず、例えば、記録テープTの先端にリーダー部材として小円柱状のリーダピンが取り付けられた構成としてもよく、更には開口18を開閉する遮蔽部材(所定の直線又は円弧に沿って移動するスライドドア等)を有する構成としてもよい。
また、上記実施例では、リール30が記録テープカートリッジ10に適用された例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、送出用、巻取用の2つのリールをケース内に収容した記録テープカセット(図示省略)に本発明を適用してもよい。この場合、少なくとも1つのリールに本発明が適用されればよいことは言うまでもない。また、ドライブ装置の巻取リール等に本発明を適用することも可能である。
更に、上記実施例では、磁気テープ等の記録テープTを用いた構成としたが、本発明はこれに限定されず、記録テープTとしては、情報の記録及び記録した情報の再生が可能な長尺テープ状の情報記録再生媒体として把握されるものであれば足り、本発明に係るリール30が、如何なる記録再生方式の記録テープTにも適用可能であることは言うまでもない。
(A)記録テープカートリッジの上方から見た概略斜視図、(B)記録テープカートリッジの下方から見た概略斜視図 記録テープカートリッジのリールが回転ロック位置にあるときの概略断面図 記録テープカートリッジのリールが回転許容位置にあるときの概略断面図 記録テープカートリッジの制動手段及びドライブ装置の回転シャフトを上方から見た概略分解斜視図 記録テープカートリッジの制動手段を下方から見た概略分解斜視図 リールのリールハブの構成を示す概略斜視図 リールのリールハブの構成を示す概略断面図 リールのリールハブの構成を示す概略平面図 (A)樹脂層が設けられたリールの収縮抑制効果を説明するための模式図、(B)樹脂層及び連結部が設けられたリールの収縮抑制効果を説明するための模式図 (A)樹脂層が設けられていないリールの収縮を説明するための模式図、(B)切欠部が設けられていないリールの樹脂の流動による補強リングの変形を説明するための模式図
符号の説明
10 記録テープカートリッジ
12 ケース
30 リール
32 リールハブ(ハブ)
34 円筒部
35 樹脂層
35A 切欠部
35B 連結部
36 底部
38 下フランジ(第1フランジ)
40 上フランジ(第2フランジ)
42 リールギア
44 係合ギア
48 補強リング(筒状部材)
48A 上端部
48B 下端部
52 クラッチ用ボス部
54 リールプレート
60 制動部材
84 クラッチ部材
T 記録テープ

Claims (3)

  1. 外周面に記録テープが巻回される樹脂製のハブと、
    前記ハブの一端部に一体成形された第1フランジと、
    前記ハブの他端部に溶着された第2フランジと、
    前記ハブの内周面にインサート成形によって設けられた補強用の筒状部材と、
    前記筒状部材の内周面に設けられ、前記第1フランジが一体成形された前記ハブの一端部側から該ハブの高さ方向に延在された樹脂層と、
    前記第2フランジが溶着された前記ハブの他端部側に設けられ、該ハブと前記樹脂層とを一体に連結する連結部と、
    前記ハブと前記樹脂層と前記連結部とで形成され、前記筒状部材を収容する閉空間と、
    を備えことを特徴とするリール。
  2. 前記樹脂層の高さは、前記筒状部材の高さ以上とされていることを特徴とする請求項1に記載のリール。
  3. 前記樹脂層は、前記ハブの中心と、該ハブを成形する樹脂材の注入口とされたゲート跡とを結ぶ延長線上を避けて設けられていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のリール。
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