JP4832918B2 - 浸炭処理された金属材料、及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、浸炭処理された金属材料及びその製造方法に関し、特に、高価な設備を用いることなく結晶粒の成長があまりおきない低温領域で浸炭処理が施された金属材料、及び当該金属材料の製造方法に関する。
鉄系金属材料の硬さ等を増すための表面処理として、表面から数十μmから数mmの深さまで炭素原子を固溶させる浸炭処理が一般的に行われている。その炭素源としては、固体浸炭法では、木炭や黒鉛等が、ガス浸炭法では炭化水素ガス、天然ガス等が用いられている。しかし、固体浸炭法では、炭素源の反応性が低く、浸炭時に900℃以上の高温で相当長時間に亘って加熱する必要があり、金属結晶が粗大化して強度が低下しやすいという問題がある。これに対し、ガス浸炭法では、大量生産には適しているものの、高価な設備を必要とするという問題がある。
ところで、フラーレンは、炭素のみで構成される、分子1個が1nm程度の球状分子であり、その反応性の高さから注目されている。この反応性の高さは、黒鉛等の他の炭素材料が比較的安定な炭素の6員環の基本構造からなるのに対し、フラーレンが分子内に6員環以外に反応性の高い5員環を有していることに由来している。そのため、近年、フラーレンと有機物等との反応について、数多くの研究が行われている。
金属とフラーレンとの反応に関しては、例えば、特許文献1において、炭化物を形成しやすいチタン等の金属最表面とフラーレンとの反応により、フラーレンを含有する炭化物が形成されることが示されている。
特表2002−538906号公報
しかし、特許文献1では、金属の最表面に形成される炭化物に関する検討に留まっており、炭素原子を侵入型固溶させている金属浸炭処理方法については検討されていない。
そこで、本発明は、高価な設備を用いることなく、結晶粒成長があまりおきない低温領域で浸炭処理が施された金属材料、及び当該金属材料の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
第1の本発明は、フラーレン類を炭素源として用いる処理により、その表面が浸炭処理されていることを特徴とする、鉄を主成分とする金属材料(10)により、前記課題を解決しようとするものである。
ここに、「フラーレン」とは、閉殻構造を有する炭素クラスタを意味している。また、「フラーレン類」とは、フラーレンのみならず、例えば置換基が付加したり、内部に金属や分子を包含したりしているような、フラーレン誘導体も広く含む概念である。本発明において適用可能なフラーレンの炭素数は、特に限定されず、その具体例としては、60、70、76、78、82、84、90、94、96等を挙げることができる。また、「表面」とは、鉄を主成分とする金属材料(10)の最表面のほか、浸炭処理による炭素原子が浸入固溶した浸炭層(以下において、「表面浸炭層」あるいは単に「浸炭層」と記述することがある。)が形成される、鉄を主成分とする金属材料(10)の表面近傍をも含む概念であり、表面浸炭層の厚さ(深さ)の具体例としては、1μm〜5mm程度等を挙げることができる。
さらに、鉄を主成分とする金属材料(以下において、「鉄系金属材料」と記述することがある。)とは、いわゆる純鉄のほか、合金鋼等を始めとする一般的な鉄鋼材料を含む概念である。本発明において、浸炭処理する母材としての鉄系金属材料(1)として合金鋼を用いる場合、当該合金鋼に含有され得る鉄以外の元素の具体例としては、C、N、P、S、Si、Mo、Ni、Cr、Cu、Mn、Zn、Al、Ti、W、V、Ta、Nb、Co、Zr、Hf等を挙げることができ、鉄と、これらの元素単体及び/又はこれらの元素を含む化合物と、不可避的不純物とからなる合金鋼とすることが可能である。加えて、本発明にかかる浸炭処理は、フラーレン類が母材としての金属材料(1)の表面に接触している形態で実施されれば、その形態は特に限定されるものではない。以下においても同様である。
第1の本発明において、浸炭処理が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われることが好ましい。
ここに、「浸炭処理が300℃以上900℃以下の温度環境下で行われる」とは、母材としての鉄系金属材料(1)の表面に浸炭層を形成させるための加熱工程が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われることを意味している。
加えて、上記第1の本発明において、浸炭処理後に、さらに焼入れ処理が施されていることが好ましい。
さらに、上記第1の本発明において、浸炭処理された表面の上に、フラーレン類が変質したアモルファスカーボン層を有することが好ましい。
ここに、本発明でいうアモルファスカーボン層とは、浸炭処理を行う際に母材としての鉄系金属材料(1)と反応しなかった膜状のフラーレン同士が反応して、変質することにより形成される層を指し、ラマンスペクトル測定において、元のフラーレン類に由来するピークが観察されない物質からなる層を意味している。本発明にかかるアモルファスカーボン層は、ラマンスペクトル測定において、1200〜1600cm−1付近にブロードなピークが観測される形態であることが好ましい。
第2の本発明は、鉄を主成分とする金属材料(10)であって、当該材料の炭素濃度がその中心部に比べて高い表面浸炭層(2)を有し、かつ当該材料の最表面にアモルファスカーボン層を有することを特徴とする金属材料(10)により、上記課題を解決しようとするものである。
ここに、表面浸炭層(2)とは、母材としての鉄系金属材料(1)の浸炭処理によって、炭素原子が浸入固溶して形成された層をいい、具体的には、母材としての鉄系金属材料(1)の最表面から垂直距離で5μm、好ましくは10μm、さらに好ましくは50μm内部までの範囲をいう。また、「炭素濃度がその中心部に比べて高い」における「中心部」とは、鉄を主成分とする金属材料(10)を表面浸炭層(2)の積層方向と垂直に切断した際の、断面の中心をいう。炭素濃度の測定は、切断後にアルミナによる鏡面研磨を行った断面を、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)を用いて、炭素原子分布を測定することによって行う。炭素濃度測定の方法としては、中心部の炭素濃度と表面浸炭層(2)の炭素濃度を比較する点分析、表面浸炭層(2)から中心部への炭素濃度分布を求める線分析、炭素濃度の分布について全体が2次元で見ることができる面分析、のいずれの方法を用いることもできる。
第3の本発明は、フラーレン類を炭素源として用いる浸炭処理工程が備えられることを特徴とする、鉄を主成分とする金属材料(10)の製造方法により、上記課題を解決しようとするものである。
第3の本発明において、浸炭処理工程が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われることが好ましい。
ここに、「浸炭処理工程が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われる」とは、母材としての鉄系金属材料(1)の表面に浸炭層を形成させるための加熱工程が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われることを意味している。
加えて、上記第3の本発明において、浸炭処理工程後に、さらに当該浸炭処理工程により浸炭処理された金属材料を焼入れ処理する焼入れ処理工程が備えられることが好ましい。
さらに、上記第3の本発明において、浸炭処理工程が、不活性雰囲気下、又は、還元雰囲気下で行われることが好ましい。
ここに、「浸炭処理工程が不活性雰囲気下で行われる」とは、母材としての鉄系金属材料(1)の表面に浸炭層を形成させるための加熱処理が、窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等に代表される不活性雰囲気の下で行われることを意味している。また、「浸炭処理工程が還元雰囲気下で行われる」とは、母材としての鉄系金属材料(1)の表面に浸炭層を形成させるための加熱処理が、水素雰囲気や窒素/水素雰囲気等に代表される還元雰囲気の下で行われることを意味している。さらに、本発明において、母材としての鉄系金属材料(1)の表面にアモルファスカーボン層を形成可能とする観点から、不活性雰囲気下又は還元雰囲気下で行われる浸炭処理工程(加熱工程)の温度は、少なくとも300℃以上とすることが好ましい。加えて、同様の観点から、当該上限温度は1200℃以下とすることが好ましく、より好ましくは900℃以下である。
第1の本発明によれば、炭素源として、木炭等よりも反応性の高い、フラーレン類が用いられるので、従来よりも低温で浸炭処理を行うことが可能になる。浸炭処理を従来よりも低温で実施することができれば、結晶粒の粗大化を抑制することが可能になり、浸炭処理が施された鉄系金属材料(10)の強度を向上させることが可能になる。また、本発明にかかる浸炭処理の形態は、フラーレン類と母材としての金属材料(1)とが接触している形態で実施されれば、特に限定されないため、大掛かりな設備を用いることなく、浸炭処理を実施することが可能になる。したがって、第1の本発明によれば、高価な設備を用いることなく製造することが可能であるとともに結晶粒の成長を抑制した、鉄系金属材料(10)を提供することが可能になる。
また、第1の本発明において、浸炭処理が300℃以上900℃以下の温度環境下で行われれば、鉄系金属材料(10)の結晶粒の成長を効果的に抑制することが可能になる。
加えて、第1の本発明において、浸炭処理された金属材料に焼入れ処理が施されれば、その結晶組織を制御することで、鉄系金属材料(10)の高強度化を図ることが可能になる。
さらに、第1の本発明において、浸炭処理が施された鉄系金属材料(10)の表面の上に、フラーレン類が変質したアモルファスカーボン層が備えられていれば、当該アモルファスカーボン層は鉄系金属材料(10)の表面との密着性が優れているため、当該層を鉄系金属材料(10)の表面保護層として作用させることが可能になる。
第2の本発明によれば、炭素濃度がその中心部に比べて高い表面浸炭層(2)を有することによって、表面が硬化されているのみならず、最表面に密着性に優れた表面保護層となるアモルファスカーボン層が存在するので、耐久性に優れた鉄系金属材料(10)を提供することが可能になる。
第3の本発明によれば、炭素源として、木炭等よりも反応性の高い、フラーレン類が用いられるので、従来よりも低温で、かつ、大掛かりな設備を用いることなく、浸炭処理を実施することが可能になる。したがって、第3の本発明によれば、高価な設備を用いることなく結晶粒の成長を抑制し得る、鉄系金属材料(10)の製造方法を提供することが可能になる。
また、第3の本発明において、浸炭処理工程が300℃以上900℃以下の温度環境下で行われれば、本発明にかかる浸炭処理方法を介して製造される鉄系金属材料(10)の結晶粒の成長を、容易に抑制することが可能になる。
加えて、第3の本発明において、浸炭処理工程を経た金属材料に、さらに焼入れ処理が施されていれば、金属材料の結晶組織を制御することが可能になる。したがって、当該形態とすることで、高強度の鉄系金属材料(10)を容易に製造し得る、鉄系金属材料の製造方法を提供することが可能になる。
さらに、第3の本発明において、浸炭処理工程が、不活性雰囲気下、又は、還元雰囲気下で行われれば、PVD法やCVD法等で使用される高価な装置を用いることなく、鉄系金属材料(10)の表面にアモルファスカーボン層を形成させることが可能になる。したがって、当該形態とすることで、表面保護層を備える、浸炭処理された鉄系金属材料の製造方法を提供することが可能になる。
本発明のこのような作用および利得は、次に説明する発明を実施するための最良の形態から明らかにされる。
浸炭処理は、金属材料表面を硬化させる表面処理の一手法であり、木炭等を用いる固体浸炭法、及び、一酸化炭素ガスや炭化水素ガス等を用いるガス浸炭法等が知られている。ところが、固体浸炭法は、高温で浸炭処理を行う必要があるため、浸炭処理を施された材料の結晶粒が粗大化し、材料の強度が低下しやすいという問題がある。一方で、ガス浸炭法を実施するためには高価な設備を必要とするため、浸炭処理にかかる費用がかさみやすいという問題がある。そこで、製造コストを抑制しつつ高強度な浸炭処理材を得ることが可能な浸炭処理方法が望まれている。
本発明者らは、かかる観点から鋭意検討を重ねた結果、フラーレン類を炭素源として用いれば、従来よりも低温の温度環境下であっても鉄系金属材料に浸炭処理を施すことが可能になるという知見を得て、本発明を完成させた。
以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき詳細に説明する。
1.本発明にかかる鉄系金属材料
図1は、本発明にかかる金属材料の形態例を概略的に示す断面図である。図示のように、本発明にかかる鉄系金属材料10は、母材としての鉄系金属材料1の表面にフラーレン類を炭素源とする浸炭処理が施されることにより、その表面に硬化層(以下において、「表面浸炭層」と記述することがある。)2が形成されている。
本発明にかかるフラーレン類、浸炭処理が施される母材としての鉄系金属材料1、及び、アモルファスカーボン層について、以下に説明する。
1.1.フラーレン類
フラーレンは、炭素原子が中空状の閉殻構造をなす炭素クラスタであり、当該閉殻構造を形成する炭素数は、通常、60〜130の偶数である。フラーレンの具体例としては、C60、C70、C76、C78、C82、C84、C90、C94、C96、のほか、これらよりも多くの炭素を有する高次の炭素クラスタ等を挙げることができる。本発明では、これらの各フラーレン、及び、上記フラーレンの混合品を適宜使用可能であり、その炭素数は特に限定されるものではないが、容易に製造が可能である等の観点から、フラーレンの混合品、又はC60を用いることが好ましい。さらにフラーレン類を用いることも可能である。
1.2.母材としての鉄系金属材料
図1では、母材としての鉄系金属材料1の表面に硬化層2が形成されている形態を示したが、本発明において、フラーレン類を炭素源として用いる浸炭処理が施される母材としての鉄系金属材料は、鉄系金属材料であれば、特に限定されるものではなく、その具体例としては、いわゆる純鉄(Feの他に、不可避的不純物を含有するものも含む。)や、合金鋼等を挙げることができる。本発明において、母材としての鉄系金属材料1として、合金鋼を用いる場合、当該合金鋼に添加され得る添加元素の具体例としては、C、N、P、S、Si、Mo、Ni、Cr、Cu、Mn、Zn、Al、Ti、W、V、Ta、Nb、Co、Zr、Hf等を挙げることができる。そして、かかる母材としての鉄系金属材料1に、浸炭処理を施すことにより、本発明にかかる鉄系金属材料10とすることが可能になる。
1.3.アモルファスカーボン層
図1に示す鉄系金属材料10の最表面(硬化層2の表面)に、さらにアモルファスカーボン層(不図示)を形成させることが可能である。このアモルファスカーボン層は、硬化層2が形成される際に使用されずに残った上記フラーレン類同士が、300℃以上の温度環境下で反応して変質することにより形成される層である。本発明にかかるアモルファスカーボン層は、ラマンスペクトル測定において、元のフラーレン類に由来するピークが観察されなければ、その形態は特に限定されるものではないが、ラマンスペクトル測定において、アモルファスカーボンの特徴である1200〜1600cm−1付近にブロードなピークが観測される形態であることが好ましい。
2.浸炭処理された金属材料の構造
本発明にかかる鉄を主成分とする金属材料10は、当該材料の炭素濃度がその中心部に比べて高い表面浸炭層2を有し、かつ当該材料の最表面にアモルファスカーボン層を有することを特徴とする金属材料である。表面浸炭層2とは、母材としての鉄系金属材料1の最表面から垂直距離で1μm、好ましくは10μm、さらに好ましくは50μm内部までの範囲をいう。この層の厚さ(深さ)の上限は5mm、好ましくは1mmである。また、「材料の最表面」とは母材としての金属材料1の表面をいい、アモルファスカーボン層の表面を意味しない。すなわち、母材としての金属材料1とアモルファスカーボン層との境界面である。
鉄を主成分とする金属材料10の中心部と表面浸炭層2との炭素濃度の比較は、鉄系金属材料10を切断し、その断面についてアルミナによる鏡面研磨を行った後、電子プローブマイクロアナライザー(EPMA)を用いて炭素原子分布を測定することによって行うことができる。この場合、中心部の炭素濃度と表面浸炭層2の炭素濃度を比較する点分析、表面浸炭層2から中心部への炭素濃度分布を求める線分析、また炭素濃度の分布について全体が2次元で見ることができる面分析のどの方法を用いても良い。また、アモルファスカーボン層の膜厚は、特に限定はないが、1μm以上、好ましくは5μm以上である。
本発明にかかる鉄系金属材料10の製造方法の一例について、以下に説明する。
3.鉄系金属材料の製造方法
図2は、本発明の実施形態にかかる鉄系金属材料10の製造方法を示す工程図である。図示のように、本発明の製造方法には、浸炭処理工程S10と、焼入れ処理工程S20とが備えられている。以下においては、フラーレン類のうち、フラーレンを代表して説明する。
3.1.浸炭処理工程(工程S10)
本発明にかかる浸炭処理工程S10は、母材としての鉄系金属材料1、例えば低炭素鋼の表面に、炭素源としてのフラーレンを接触させてフラーレン付き低炭素鋼とする、炭素源接触工程S11と、低炭素鋼を加熱してその表面に表面浸炭層2を形成させる加熱工程S12と、を備えている。
(i)炭素源接触工程(工程S11)
本発明において、母材としての鉄系金属材料1(以下において、単に「母材」と記述することがある。)の表面にフラーレンを接触させる方法は、特に限定されるものではなく、フラーレンと母材とを接触可能であれば、いかなる方法を用いても良い。当該接触方法の具体例としては、フラーレン粉体を母材表面に振りかける方法、フラーレン粉体中に母材を気密に埋める方法、圧縮成形したフラーレン成型体を母材表面に擦り付ける方法、水または有機溶媒に分散、若しくは溶解させたフラーレンを母材表面に吹き付ける方法、刷毛等を用いて上記溶解させたフラーレンを母材表面に塗布する方法、及び、真空蒸着によりフラーレン膜を母材表面に形成する方法、等を挙げることができる。
(ii)加熱工程(工程S12)
本発明において、フラーレンを接触させた材料を加熱する温度は、母材表面に表面浸炭層を形成可能な温度であれば特に限定されるものではないが、その具体例としては上限が900℃、好ましくは800℃である。この上限を超えると余分なエネルギーを消費することになり不経済である。また下限は300℃、好ましくは500℃、さらに好ましくは550℃の温度を挙げることができる。この下限を下回ると浸炭が十分でない。ただし、母材の結晶粒粗大化を防止して強度の低下を抑制する等の観点からは、表面浸炭層を形成し得る温度範囲内で可能な限り低温とすることが好ましい。なお、加熱工程の温度、及び、当該工程を実施する時間は、表面浸炭層2が形成される母材としての鉄系金属材料1の性質(組成、結晶構造等)や、希望する浸炭深さ(上記表面浸炭層の深さ)によって異なる。ただし、高温環境下における長時間の焼成は、結晶粒粗大化を招く。そのため、強度の低下を抑制する等の観点から、加熱工程の時間は短時間とすることが好ましい。
母材表面に接触させたフラーレンが、加熱工程において母材と反応することで、表面浸炭層が形成される。ところが、一般に、母材表面に接触させた全てのフラーレンが母材と反応するのは稀であり、通常は、その一部のみが反応し、残りのフラーレンは母材と反応せずに母材表面に留まる。一方、雰囲気を窒素雰囲気やアルゴン雰囲気等の不活性雰囲気、又は、水素雰囲気や水素/窒素雰囲気等の還元雰囲気にするとともに、温度を300℃以上にすると、フラーレン同士が反応して変質し、アモルファスカーボン膜が形成される。そこで、上記加熱工程を、不活性雰囲気下、又は、還元雰囲気下で行えば、浸炭処理された金属材料の表面に留まったフラーレンを反応させて、アモルファスカーボン層を形成させることが可能になる。かかるアモルファスカーボン層は、鉄系金属材料10との密着性に優れているため、鉄系金属材料10の表面保護層として作用させることが可能になる。
他方、上記加熱工程を、酸素雰囲気や大気雰囲気等の酸化雰囲気下で行えば、鉄系金属材料10と反応しなかったフラーレンが燃焼するため、アモルファスカーボン層を備えない形態の鉄系金属材料10を製造することができる。このほか、例えば、不活性雰囲気下で加熱工程を施した後、さらに酸化雰囲気下で加熱処理を施せば、より厚い表面浸炭層を備える一方、アモルファスカーボン層を備えない形態の、鉄系金属材料を製造することができる。
このように、本発明によれば、炭素源としてフラーレン類を用いることにより、従来よりも低温で反応を進行させることが可能になる。そのため、浸炭処理による結晶粒粗大化を防止することが可能になり、微細結晶粒を有する浸炭処理材を製造することが可能になる。したがって、本発明によれば、今までにない強度・靭性等の特性を有する、鉄系金属材料10を作り出すことが可能になる。
3.2.焼入れ処理工程(工程S20)
図示の実施形態にかかる本発明の製造方法では、上記浸炭処理工程S10の後に、焼入れ処理工程S20が備えられている。本工程S20は、少なくとも、上記浸炭処理工程S10により浸炭処理された材料(浸炭処理材)を急冷する、急冷工程が備えられている。
常温において体心立方構造(bcc構造)を有する上記母材としての鉄系金属材料1のフェライト相は、オーステナイト化温度以上にまで加熱されると、面心立方構造(fcc構造)を有するオーステナイト相へと変化する。そして、当該オーステナイト相領域にまで加熱された母材を、例えば室温程度の水等を用いて急冷すると、マルテンサイト変態を起こし、体心正方晶構造を有するマルテンサイト相へと変化する。このように、高温に加熱した鉄系金属材料を急冷する焼入れ処理を施すと、当該材料内部の靭性を維持しつつ、その表面に硬化層を形成することが可能になる。そのため、本実施形態にかかる浸炭処理方法には、浸炭処理工程S10と焼入れ処理工程S20とが備えられている。
ここで、上記オーステナイト化温度は、材料組成によって異なる。例えば、鉄に0.8質量%の炭素が固溶している場合には、800℃前後にまで加熱した後、急冷(焼入れ)することにより、表面を硬化させることが可能になる。なお、焼入れ処理のみでは、材料が脆化することがある。そのため、材料強度と脆性とのバランスを調整する等の観点から、材料の用途・目的に応じて、焼き戻し処理を施すことが好ましい。焼入れ後に焼き戻しを行う場合、当該焼き戻し温度の具体例としては、100℃〜700℃等を挙げることができる。また、本発明にかかる製造方法では、これらの焼入れ処理及び焼き戻し処理が繰り返し行われても良い。
なお、本実施形態にかかる説明では、浸炭処理工程S10の後に焼入れ処理工程S20が備えられている形態について記述したが、本発明は当該形態に限定されるものではなく、焼入れ処理工程S20が備えられない形態であっても良い。ただし、浸炭処理により形成された表面層を硬化させる等の観点からは、浸炭処理工程後に焼入れ処理工程が備えられる形態とすることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はその要旨を超えない限り、以下に示す実施例の形態に限定されるものではない。
1.試料の準備
フラーレン混合品(ナノムミックス。「ナノムミックス」は、フロンティアカーボン株式会社の登録商標。C60が61質量%、C70が25質量%、それ以外の分子量が高いフラーレンが14質量%。)を、5mm×5mm×30mmの大きさに圧縮成形することにより、フラーレン成形体を得た。一方、浸炭処理を施される鉄系金属材料としては、純鉄(純度99.99%)を、10mm×10mm×2mmの大きさに切り出し、アルミナを用いてその表面を鏡面研磨して得られる鉄片を使用した。
2.試料の作製
2.1.試料1(実施例1)
鉄片表面にフラーレン成形体を擦り付け、茶色のフラーレン膜を形成させることにより、鉄片表面にフラーレンを付着させた。そして、フラーレンを付着させた鉄片を300℃に加熱した炉へ入れ、アルゴン雰囲気中133分間で700℃まで昇温して3時間に亘って保持した後、加熱を止めた炉内で10時間に亘って冷却した。その後、かかる浸炭処理が施された鉄片を炉外へと取り出し、当該鉄片表面をアルコールで洗浄することにより、実施例1にかかる試料1を作製した。なお、以下において、試料1の作製工程を、「実施例1の工程」と記述する。
2.2.試料2(実施例2)
実施例1にかかる浸炭処理材と同様の方法によりフラーレンを接触させた鉄片を300℃に加熱した炉へ入れ、アルゴン雰囲気中167分間で800℃まで昇温して3時間に亘って保持した後、水(約20℃)の中へ入れることにより急冷した。その後、かかる浸炭処理が施された鉄片表面をアルコールで洗浄することにより、実施例2にかかる試料2を作製した。なお、以下において、試料2の作製工程を、「実施例2の工程」と記述する。
2.3.試料3(実施例3)
実施例1にかかる浸炭処理材と同様の方法によりフラーレンを接触させた鉄片を常温の炉へ入れ、アルゴン雰囲気中20分間で600℃まで昇温して1時間に亘って保持した後、加熱を止めた炉内で1時間に亘って冷却した。その後、かかる浸炭処理が施された鉄片を炉外へと取り出し、当該鉄片表面をアルコールで洗浄することにより、実施例3にかかる試料3を作製した。なお、以下において、試料3の作製工程を、「実施例3の工程」と記述する。
2.4.試料4(実施例4)
実施例1にかかる浸炭処理材と同様の方法によりフラーレンを接触させた鉄片を常温の炉へ入れ、アルゴン雰囲気中18分間で550℃まで昇温して1時間に亘って保持した後、加熱を止めた炉内で1時間に亘って冷却した。その後、かかる浸炭処理が施された鉄片を炉外へと取り出し、当該鉄片表面をアルコールで洗浄することにより、実施例4にかかる試料4を作製した。なお、以下において、試料4の作製工程を、「実施例4の工程」と記述する。
2.5.試料5(比較例1)
黒鉛粉末に鉄片を擦り付けることにより、鉄片上に黒鉛を付着させた。そして、黒鉛を付着させた鉄片を300℃に加熱した炉へ入れ、以後は実施例1の工程と同様の過程を経ることにより、比較例1にかかる試料5を作製した。
2.6.試料6(比較例2)
黒鉛粉末に鉄片を擦り付けることにより、鉄片上に黒鉛を付着させた。そして、以後は実施例2の工程と同様の過程を経ることにより、比較例2にかかる試料6を作製した。
2.7.試料7(比較例3)
黒鉛粉末に鉄片を擦り付けることにより、鉄返上に黒鉛を付着させた。そして、以後は実施例3の工程と同様の過程を経ることにより、比較例3にかかる試料7を作製した。
3.結晶構造解析
X線回折装置(PANalytical社製のX'Pert Pro MPD)を使用し、線源:CuKα、出力
:40kV−30mA、走査軸:θ/2θ、測定モード:Continuous、測定範囲:2θ=5〜90°、取り込み幅:0.015、計数時間:40.5secの条件下で、上記浸炭処理材表面の結晶構造を解析した。
上記結晶構造解析により、試料1から、α鉄と、セメンタイト(FeC)のピークが確認された。すなわち、上記実施例1の工程により、浸炭処理材を作製可能であることが確認された。
一方、上記結晶構造解析により、試料2から、マルテンサイト構造のピークが観察された。すなわち、上記実施例2の工程によっても、浸炭処理材を作製可能であることが確認された。
さらに、上記結晶構造解析により、試料3から、α鉄と、セメンタイト(FeC)のピークが確認された。すなわち、上記実施例3の工程により、浸炭処理材を作成可能であることが確認された。
さらに、上記結晶構造解析により、試料4から、α鉄と、セメンタイト(FeC)のピークが確認された。すなわち、上記実施例4の工程により、浸炭処理材を作成可能であることが確認された。
また、上記結晶構造解析により、試料5からα鉄のピークが確認された。すなわち、炭素源として黒鉛粉末を用いる上記比較例1にかかる条件では、浸炭処理を施された鉄片が得られなかった。
他方、上記結晶構造解析により、試料6からα鉄のピークが確認された。すなわち、炭素源として黒鉛粉末を用いる上記比較例2にかかる条件では、浸炭処理を施された鉄片が得られなかった。
さらに、上記結晶構造解析により、試料7からα鉄のピークが確認された。すなわち、炭素源として黒鉛粉末を用いる上記比較例3にかかる条件では、浸炭処理を施された鉄片が得られなかった。
すなわち、上記結晶構造解析結果により、本発明によれば、炭素源としてフラーレンを用いることで、従来よりも低温(550℃、600℃、700℃、800℃)で、浸炭処理を施せることが確認された。
4.ラマンスペクトル測定
ラマン分光装置(日本分光社製のNR−1800)を用い、励起波長:Ar 514nm、測定時間:60sec×2回、分解能:約14cm−1の条件下で、試料3及び試料6の最表面のラマンスペクトルを測定した。なお、試料3の表面には金属光沢がなく、黒く変色していた。これに対し、試料7は、アルコール洗浄時に黒鉛がはがれ、表面に金属光沢が見られた。
上記ラマン分光装置によるラマンスペクトル測定により、試料3ではフラーレンのピークが観察されず、1200〜1600cm−1付近にブロードなアモルファスカーボンのピークが観察された。すなわち、上記実施例3の工程により、浸炭処理材の最表面にアモルファスカーボン層を形成可能であることが確認された。
他方、上記ラマン分光装置によるラマンスペクトル測定により、試料7ではアモルファスカーボンのピークが観察されなかった。すなわち、炭素源として黒鉛粉末を用いる上記比較例3にかかる条件では、アモルファスカーボン層を備える鉄片が得られなかった。
5.元素分布分析
電子プローブマイクロアナライザー(EPMA、JEOL社製のJXA−8100)を用い、電子銃にWエミッターを使用し、加速電圧:15kV、照射電流:20nA、ビーム径:1μmの条件下で、試料3の元素分布分析を行った。結果を図3に示す。
試料3を切断し、断面をアルミナ研磨した後、上記EPMAによる元素分布分析を行ったところ、図3に示すように、最表面から約100μmの深さまで炭素が浸入していた。すなわち、上記実施例3にかかる工程により、600℃という低温で100μmまで浸炭が進行することが確認された。
以上、現時点において、もっとも、実践的であり、かつ、好ましいと思われる実施形態に関連して本発明を説明したが、本発明は、本願明細書中に開示された実施形態に限定されるものではなく、請求の範囲及び明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う浸炭処理された金属材料、及び当該金属材料の製造方法もまた本発明の技術的範囲に包含されるものとして理解されなければならない。
本発明にかかる鉄系金属材料の形態例を概略的に示す断面図である。 本発明の実施形態にかかる鉄系金属材料の製造方法を示す工程図である(ただし、アモルファスカーボン層の表示は省略した。)。 本発明の実施形態にかかる鉄系金属材料の炭素原子及び鉄原子の分布状態を測定した結果を示すチャートである。
符号の説明
1 母材としての鉄系金属材料
2 硬化層(表面浸炭層)
10 鉄系金属材料

Claims (5)

  1. フラーレン類を炭素源として用いる処理により、その表面が浸炭処理されていること、前記浸炭処理が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われること、を特徴とする鉄を主成分とする金属材料。
  2. 前記浸炭処理後に、さらに焼入れ処理が施されていることを特徴とする、請求項1に記載の鉄を主成分とする金属材料。
  3. 浸炭処理された前記表面の上に、前記フラーレン類が変質したアモルファスカーボン層を有することを特徴とする、請求項に記載の鉄を主成分とする金属材料。
  4. フラーレン類を炭素源として用いる浸炭処理工程が備えられること、前記浸炭処理工程が、300℃以上900℃以下の温度環境下で行われること、を特徴とする鉄を主成分とする金属材料の製造方法。
  5. 前記浸炭処理工程後に、さらに該浸炭処理工程により浸炭処理された金属材料を焼入れ処理する、焼入れ処理工程が備えられることを特徴とする、請求項に記載の鉄を主成分とする金属材料の製造方法。
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