JP4832250B2 - p型半導体材料、半導体素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、及びp型半導体材料の製造方法 - Google Patents

p型半導体材料、半導体素子、有機エレクトロルミネッセンス素子、及びp型半導体材料の製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、ZnとSeを含む化合物を有するp型半導体材料、このp型半導体材料を備えた半導体素子及び有機エレクトロルミネッセンス素子、並びにp型半導体材料の製造方法に関する。
従来の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子という)の正孔注入電極(以下、p型電極と記す。)には、透明性、入手の容易性などの観点からITO(インジウム錫酸化物)が用いられることが多い。ITOは、ガラス基板またはポリマー基板上にスパッタリング法や蒸着法などによって形成される。有機ELデバイスの典型的な積層構造としては、例えば、ITO/NPB/Alq3/Mg/Agを挙げることができる。ここで、NPBは、N,N,−bis(1−naphyl)−N,N’−diphenyl−1,1’biphenyl−4,4’−diamneであり正孔輸送層として、またAlq3は、8−hydroxyquinoline aluminumであり、電子輸送層として機能する。斯かる有機EL素子においては、各電極から注入された電子と正孔が、正孔輸送層であるNPB層と電子輸送層であるAlq層の接合界面近傍で結合することにより発光する。従って、有機EL素子の発光輝度は、正孔、あるいは電子輸送層に注入される正孔、あるいは電子の数に比例することになる。
国際公開2005/076373号公報 S.T.Lee et al.、 Appl. Phys. Lett. 74 (1999) P.670
しかしながら、ITOの仕事関数は4.3eVと小さいため、p型電極としてのITOとこれに隣接する正孔輸送層(上述の積層構造例ではNPB層)との間のバンド整合がとれていなかった。例えば、上記積層構造例の場合は、ITOからNPBへの正孔注入は1.7eVものエネルギー障壁を越えて行われていた(非特許文献1)ため、正孔注入効率が低く、結果として十分な発光輝度がとれない、と云う問題点があった。
これに対して、仕事関数が大きく、正孔輸送層との間にバンド整合がとれる透明なp型電極用材料として、p型に極性制御したZnSeやGaNが提案されている(特許文献1)。しかし、これらの材料は単結晶薄膜としてのみ用いられており、多結晶膜とすると導電性が顕著に失われるため、ガラス基板やポリマー基板上に形成して用いることができなかった。
そこで本発明は、正孔輸送層との間でバンド整合がとれており、ガラス基板やポリマー基板上に形成可能なp型電極に好適なp型半導体材料、このp型半導体材料を備えた半導体素子及び有機EL素子、並びにp型半導体材料の製造方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明により成るp型半導体材料においては、ZnとSeを含む化合物中に、Agを1×1018〜5×1020cm−3含有させてなることを特徴とする。
また、本発明に係るp型半導体材料において、ZnとSeを含む化合物は、組成式Zn(1−x)MgSe(1−y)(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)で示され、Agを1×1018〜5×1020cm−3含有させたことを特徴とする。
また、本発明に係るp型半導体材料において、Agの含有量が、3×1019〜3×1020cm−3であることを特徴とする。
また、本発明により成る半導体素子は、上述したいずれかのp型半導体材料を含むp型電極を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る半導体素子のp型電極に含まれるp型半導体材料の組織は、正孔の平均的な移動方向に延びた柱状構造をなすことを特徴とする。
また、本発明により成る有機EL素子は、前記p型半導体材料のいずれか一を含むp型電極を具備することを特徴とする特徴とする。
更に、本発明により成る、1×1018〜5×1020cm−3のAgを含むZnSeから成るp型半導体材料の製造方法は、真空蒸着法であり、かつ蒸発源として、ZnSe及びAgSeを用いたことを特徴とする。
本発明によれば、仕事関数が大きく、かつガラス基板やポリマー基板上に形成可能なp型電極に好適なp型半導体材料、及びこれを用いた半導体素子の提供が可能となり、例えば有機EL素子に適用した場合には、正孔輸送層との間でバンド整合をとることができ、発光輝度の向上が図れる。
以下、本発明にかかる実施形態を図面を参照しつつ詳しく説明する。
なお、本発明は、有機EL素子のほか、無機材料を使ったLEDのp型電極など、正孔注入を行うほかの種類の素子にも適用することができる。
(1)p型電極の構成
本実施形態に係るp型半導体材料は、ZnとSeを含む化合物中に、ドーパントとしてAgを1×1018〜5×1020cm−3含有させてなるものであり、このp型半導体材料をp型電極として基板上に形成したものが本実施形態に係る半導体素子である。このp型半導体材料は、例えば有機EL素子のp型電極材料として用いることができ、隣接するように形成された正孔輸送層へ正孔を注入することができる。
ここで、Agの含有量が5×1020cm−3より多い場合は、ZnSeの粒界にAgが偏析し仕事関数の低下を招いてしまう。そのため、例えば有機EL素子の陽極として本実施形態に係るp型半導体材料を用いた場合は、隣接する正孔輸送層への正孔注入の効率が低いものとなる。一方、Agの含有量が1×1018cm−3より少ない場合は、ZnSeの粒界においてキャリアの散乱を生じて導電性がほぼ消失してしまう。
以上の効果の観点からすると、Agの含有量は、1×1019〜4×1020cm−3であるとなお良く、さらに3×1019〜3×1020cm−3であることが好ましい。Agの含有量が上述の範囲内であれば、AgはZnSe格子内でアクセプターとして働き、正孔を生成することができるからである。
p型半導体材料は、Zn、Se、AgのほかにMg、Sを含有することが好ましく、組成式Zn(1−x)MgSe(1−y)(0≦x、y≦0.5)で示されるZnSe系化合物とすることが好ましい。Mgを含有させることによりp型半導体材料の伝導帯を上側にシフトすることができ、Sを含有させることによりp型半導体材料の価電子帯を
下側へシフトすることができるため、p型半導体材料のバンドギャップを広げることができるからである。
p型電極において、p型半導体材料は、基板の板厚方向(p型電極の厚さ方向で、正孔の平均的移動方向となる。)に延びた柱状構造をなすことが好ましい。柱状構造の例を図1に示す。図1は本実施形態にかかる半導体素子の断面構造を示す電子顕微鏡写真である。この例では、石英基板1上にZnSe系化合物にAgをドープしたp型電極2が形成されており、ZnSeが石英基板1の板厚方向(図1の上下方向)に柱状に延びている。このように柱状に形成することにより、正孔の散乱が起きやすいZnSe多結晶体であっても、実用的な導電性を得ることができる。また、ZnSe多結晶体をエピタキシャル膜とすることによっても同様の効果を得ることができる。
半導体素子においてp型電極を形成する基板としては、化合物半導体(例えばGaAs、GaP、InP)の単結晶、及び、導電性酸化物(例えばITO、ZnO)を表面にコートしたガラス基板を用いることができる。その他、例えばGaAs基板\n−ZnSe:Cl\i−ZnSe\ZnSe:Ag等のデバイスを基板とし、その上部に形成することも可能である。
(2)p型電極の成膜方法
つづいて、図2、3を参照しつつ、AgをドープしたZnSeのエピタキシャル膜を例にとって、p型電極の成膜(半導体素子の製造)について説明する。ここで、図2は、本実施形態に係る蒸着器の概略内部構成を側面から見た概念図であり、(a)は蒸着開始前の状態を、(b)は蒸着開始後の状態を、それぞれ示す図である。また、図3は、本発明の一実施形態に係る蒸着器のるつぼの配置を示す概略図であり、(a)は本実施形態における基板ホルダの回転軌道に対するるつぼの位置を示した平面図であり、(b)はるつぼが4つある場合の配置を示した平面図である。
p型電極の成膜は、図2(a)に示すような、密閉容器として構成される蒸着器10の内部に基板20を格納して、基板20の表面にZn、Se、及びAg等の原料を蒸発させてなる原料気流を供給することにより行う。
図2(a)に示すように、蒸着器10内の上部には、回転軸12により蒸着器10内で回転駆動(図2の矢印の方向に回転)する基板ホルダ13が設けられる。そして、基板ホルダ13の下面側には基板20が取り付けられる。基板ホルダ13に基板20を取り付けて成膜中に回転させることにより、形成する薄膜の膜厚や組成を均一にすることが出来るため好ましい。
また、蒸着器10内の側壁には、蒸着器10内の圧力を調節する排気部11が設けられる。
成膜中は、蒸着器10内の圧力を1×10−7Torr以下とすることが好ましい。蒸着器10内の圧力が1×10−7Torrより高いと、残留水分が多すぎて成膜される薄膜中に取り込まれてしまい、結晶性を害し、所望の電気特性が発現しないことがあるためである。また、蒸着器10内の圧力を1×10−7Torr以下とすることで、蒸着器内における原子の平均自由行程は1000Km程度になり、るつぼ25,26,27,28にて発生する原料気流に含まれるガス分子が、何にも衝突せずに、基板20の表面へ直接到達できるからである。
基板20の下面側には、原料としてのZn、Se、及びAgをそれぞれ収容したるつぼ25、26、27が配置配置される。この際、本発明の一実施形態においては、図2(a)または(b)に示すように、るつぼ25、26、27を、基板20の垂直下方に設置し
ている。このように配置することで、各つるぼにて発生させる原料気流の流れを、基板20に対して略垂直とすることができる。また、図5に示すように、本発明の他の実施形態として、各原料気流が基板20付近に集中するように角度を付けてるつぼ25、26、27を配置することでも構わない。
なお、るつぼ25、26、27は、基板ホルダ13の回転軌道13a上であって、かつ回転軸12の延長線12a(すなわち回転軌道13aの中心)に対して等角度間隔に配置されることが好ましい。等角度間隔に配置することにより、各るつぼからの基板20への原料気流の供給時間を均等化することが出来るためである。なお、Zn、Se、及びAgのほかに、S又はMgを蒸着する場合は、図3(b)に示すように、回転軸12の延長線12aに対して等角度間隔に、Zn、Se、Ag、及び、S又はMgをそれぞれ収容したるつぼ25、26、27、28を配置することが好ましい。
なお、るつぼ25、26、27の材料としては、BN(窒化硼素)などが用いられる。BNは、ZnSe、Zn、Se、Agと反応しにくいからである。
なお、基板20と、るつぼ25、26、27との間には、各るつぼにて発生する原料気流が基板20へ供給されることを遮断するためのシャッタ14が、それぞれ設けられる。なお、シャッタ14は、るつぼごとに設けるのではなく、すべてのるつぼに共通の1つだけを設けることとしてもよい。
るつぼ25、26、27及び基板20は、図示しない加熱手段(例えば、赤外線ランプ、白金線通電加熱器、BNヒータ、SiCヒータ)により所定温度に加熱される。ここで、加熱温度は成膜条件に応じて設定される。
そして、成膜中のるつぼ25、26、27の温度を制御することで、各るつぼからの原料気流の蒸気圧を制御することが出来、形成する薄膜の組成を制御することが出来る。
なお、成膜中の基板20の温度は200℃以上400度以下とすることが好ましい。200℃以下とすると、基板20に到達した原料気流が結晶化せず、所望の電気特性が発現しないためである。また、400℃以上とすると、ZnSeの蒸気圧が高すぎて基板20に膜が付着しないためである。
るつぼ25、26、27を加熱すると、各るつぼ中に収容されている各原料が気化(昇華)して、それぞれ原料気流を発生させる。そして原料気流が発生したら、基板20と各るつぼとの間に設けられたシャッタ14を同時に開放する。すると、各原料気流が、基板20上に対して略垂直に供給されることとなり、基板20上に吸着して、p型電極21を成膜する。
その後、所定時間の経過後に基板20の下面側に所望膜厚のp型電極21が成膜されたら、シャッタ14を同時に閉めて、成膜処理を完了する。
なお、成膜速度は、5nm/minから30nm/minになるようにすることが好ましい。5nm/minより小さいと、成膜に時間がかかりすぎ、生産性が低下するからである。また30nm/minより大きいと、結晶性が低くなり、柱状構造を作らなくなり、所望の電気特性を得られないからである。
以上のように、本実施形態のp型半導体材料及び半導体素子は、Zn、Se、Ag等を原料に用いるため、蒸着法、スパッタリング法により容易に作製することができる。また、AgがZnSe格子内に置換固溶してアクセプターとして働き、正孔を生成するため、従来用いられたITOの仕事関数に比べて大きな仕事関数(6.3eV)を有する。このため、有機EL素子のp型電極に適用した場合は、正孔輸送層との間でバンド整合がとれてエネルギー障壁を作らない。
なお、Cuをドーパントに用いた場合には、Cu2+とCuの価数制御を行う必要があり、成膜条件が制限されるのに対して、本実施形態のp型半導体材料及び半導体素子のようにAgをドーパントに用いた場合には、Agのみが存在するので価数制御が不要である。また、Cuのイオン半径(60pm)に比べてAgのイオン半径(100pm)は格段に大きいため、ZnSe格子中で熱や電界による拡散を起こしにくい。
さらに、Agの含有量を所定の範囲に設定しているため、Agの含有量が多いことに起因する粒界での偏析及び仕事関数の低下を防止することができ、かつ、Agの含有量が少ないことによる粒界でのキャリアの散乱及び導電性の顕著な低下を防ぐことができる。
以下に本発明の実施例を、比較例とともに説明する。
<実施例1>
実施例1ではAgをドープしたZnSeのエピタキシャル膜をp−GaAs基板上に成膜して半導体素子を形成した。
蒸着器は到達真空度1×10−8Torrのものを使用した。ZnSe原料1gを入れたBNるつぼを830℃に、AgSe0.1gを入れたBNるつぼを775℃に加熱する一方、p−GaAs基板をIRランプ(赤外線ランプ)により250℃に昇温し、基板下方のシャッタを開放して成膜を行った。
In−plane法X線回折法および透過電子顕微鏡によりエピタキシャル成長したことを確認した。
触針式段差計で測定したエピタキシャル膜の膜厚は400nmであり、ICP法により分析した化学組成は、Zn:Se:Ag=49.4:50.2:0.33(at%)であった。また、SIMS法により分析したAg濃度は1×1020cm−3であり、膜厚方向に均一であった。また、比抵抗率は6.8 ×10Ωcmであった。膜厚方向の電流−電圧特性は、図4に示すように良好であった。ここで、図4はZnSe:Ag/p−GaAs(AgをドープしたZnSeをp−GaAs上に成膜した実施例1に係る半導体素子)の電流電圧特性を示す図である。
<実施例2>
実施例2では、AgドープしたZnSe膜をITO付ガラス基板上に成膜して半導体素子を形成した。成膜条件は実施例1と同様である。
触針式段差計で測定したZnSe膜厚は400nmであり、ICP法により分析した化学組成は、Zn:Se:Ag=49.4:50.2:0.33(at%)であった。また、SIMS法により分析したAg濃度は1×1020cm−3であり、膜厚方向に均一であった。断面をTEMで観察したところ、柱状粒子構造を確認できた。紫外光電子分光法により測定した仕事関数は6.3eVであった。また、比抵抗率は6.8×10Ωcmであった。膜厚方向の電流−電圧特性は実施例1と同様に良好であった。
<実施例3>
実施例3ではAgをドープしたZnSeのエピタキシャル膜をp−GaAs基板上に成膜して半導体素子を形成した。
蒸着器は到達真空度1×10−8Torrのものを使用した。ZnSe原料1gを入れたBNるつぼを830℃に、AgSe0.1gを入れたBNるつぼを750℃に加熱す
る一方、p−GaAs基板をIRランプ(赤外線ランプ)により250℃に昇温し、基板下方のシャッタを開放して成膜を行った。
In−plane法X線回折法および透過電子顕微鏡によりエピタキシャル成長したことを確認した。触針式段差計で測定したAgドープZnSe膜の膜厚は400nmであり、ICP法により分析した化学組成は、Zn:Se:Ag=49.7:50.2:0.08(at%)であった。また、SIMS法により分析したAg濃度は3×1019cm−3であり、膜厚方向に均一であった。紫外光電子分光法により測定した仕事関数は6.3eVであった。また、比抵抗率は8.8×10Ωcmであった。膜厚方向の電流−電圧特性は実施例1と同様に良好であった。
<実施例4>
実施例4ではAgをドープしたZnSeのエピタキシャル膜をp−GaAs基板上に成膜して半導体素子を形成した。
蒸着器は到達真空度1×10−8Torrのものを使用した。ZnSe原料1gを入れたBNるつぼを830℃に、AgSe0.1gを入れたBNるつぼを730℃に加熱する一方、p−GaAs基板をIRランプ(赤外線ランプ)により250℃に昇温し、基板下方のシャッタを開放して成膜を行った。
In−plane法X線回折法および透過電子顕微鏡によりエピタキシャル成長したことを確認した。触針式段差計で測定したAgドープZnSe膜の膜厚は400nmであり、ICP法により分析した化学組成は、Zn:Se:Ag=49.8:50.1:0.01(at%)であった。また、SIMS法により分析したAg濃度は3×1018cm−3であり、膜厚方向に均一であった。紫外光電子分光法により測定した仕事関数は6.1eVであった。また、比抵抗率は7.5×10Ωcmであった。膜厚方向の電流−電圧特性は実施例1と同様に良好であった。
<比較例1>
比較例1ではAgをドープしたZnSeのエピタキシャル膜をp−GaAs基板上に成膜して半導体素子を形成した。
蒸着器は到達真空度1×10−8Torrのものを使用した。ZnSe原料1gを入れたBNるつぼを830℃に、AgSe0.1gを入れたBNるつぼを830℃に加熱する一方、p−GaAs基板をIRランプ(赤外線ランプ)により250℃に昇温し、基板下方のシャッタを開放して成膜を行った。
触針式段差計で測定したAgドープZnSe膜の膜厚は400nmであり、ICP法により分析した化学組成は、Zn:Se:Ag=47.2:50.3:2.5(at%)であった。また、SIMS法により分析したAg濃度は1×1021cm−3であり、膜厚方向に均一であったが、In−plane法X線回折法および透過電子顕微鏡によりAgが粒界に偏析していることを確認した。紫外光電子分光法により測定した仕事関数は5.1eVであった。また、比抵抗率は3.3×10Ωcmであった。
<比較例2>
比較例2ではAgをドープしたZnSeのエピタキシャル膜をp−GaAs基板上に成膜して半導体素子を形成した。
蒸着器は到達真空度1×10−8Torrのものを使用した。ZnSe原料1gを入れたBNるつぼを830℃に、AgSe0.1gを入れたBNるつぼを700℃に加熱す
る一方、p−GaAs基板をIRランプ(赤外線ランプ)により250℃に昇温し、基板下方のシャッタを開放して成膜を行った。
In−plane法X線回折法および透過電子顕微鏡によりエピタキシャル成長したことを確認した。触針式段差計で測定したAgドープZnSe膜の膜厚は400nmであり、ICP法により分析した化学組成は、Zn:Se:Ag=49.8:50.2:0.002(at%)であった。また、SIMS法により分析したAg濃度は5×1017cm−3であり、膜厚方向に均一であった。紫外光電子分光法による仕事関数の測定ならびに比抵抗率の測定は膜の導電性が低すぎて測定することができなかった。
実施例1〜4および比較例1〜2のAg濃度、仕事関数および抵抗率の値を表1にまとめて示す。
本発明について上記実施形態を参照しつつ説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、改良の目的または本発明の思想の範囲内において改良または変更が可
能である。
本発明の一実施形態にかかる半導体素子の断面構造を示す電子顕微鏡写真である。 本発明の一実施形態に係る蒸着器の概略内部構成を側面から見た概念図であり、(a)は蒸着開始前の状態を、(b)は蒸着開始後の状態を、それぞれ示す図である。 本発明の一実施形態に係る蒸着器のるつぼの配置を示す概略図であり、(a)は実施形態における基板ホルダの回転軌道に対するるつぼの配置例を示した平面図であり、(b)はるつぼが4つある場合の配置例を示した平面図である。 実施例1に係る半導体素子の電流電圧特性を示す図である。 本発明の他の実施形態に係る蒸着器の概略内部構成を側面から見た概念図であり、原料蒸気が基板付近に集中するように角度を付けてるつぼを配置した状態を示す図である。
符号の説明
1 石英基板
2 p型電極層
10 蒸着器
20 基板
21 p型電極
25 るつぼ
26 るつぼ
27 るつぼ

Claims (8)

  1. 仕事関数の値が6.1〜6.3eVであり、ZnとSeを含む化合物中に、Agを1×1018〜5×1020cm−3含有させてなることを特徴とするp型半導体材料。
  2. 前記ZnとSeとを含む化合物に、Agを3×10 19 〜3×10 20 cm −3 含有させてなることを特徴とする請求項1に記載のp型半導体材料。
  3. 前記ZnとSeとを含む化合物は、組成式Zn (1−x) Mg Se (1−y) Sy(0≦x≦0.5、0≦y≦0.5)で示されることを特徴とする請求項1又は2に記載のp型半導体材料。
  4. 請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のp型半導体材料を含むp型電極を具備することを特徴とする半導体素子。
  5. 前記p型電極に含まれるp型半導体材料の組織が、正孔の平均的な移動方向に伸びた柱状構造をなすことを特徴とする請求項4に記載の半導体素子。
  6. 前記p型電極に含まれるp型半導体材料がp型GaAs層の上にエピタキシャル成長させた膜であり、
    前記p型半導体材料と前記p型GaAs層とのp−p接合が整流特性を有することを特徴とする請求項4に記載の半導体素子。
  7. 請求項1から請求項のいずれか1項に記載のp型半導体材料を含むp型電極を具備することを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. ZnSeに、Agを1×1018〜5×1020cm−3含有させてなることを特徴とするp型半導体材料の製造方法であって、当該製造方法が真空蒸着法であり、かつ蒸着源として、ZnSe及びAgSeを用い、前記p型半導体材料の仕事関数の値を6.1〜6.3eVとすることを特徴とするp型半導体材料の製造方法。
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