JP4832078B2 - スロッシング抑制装置 - Google Patents

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本発明は、液面に浮くとともに該液面を覆う浮屋根を備える容器に用いられ、スロッシングの発生を抑制するための装置に関する。
石油を備蓄したり、石油から精製されるブタン、ガソリン、ナフサ、軽油、重油等を貯留するために、各種タンクが構築されている。例えば、容器の上部を覆う屋根が固定屋根とされた固定屋根式タンク、液面の変動に伴い屋根が移動する浮屋根式タンク、揮発性が高いブタンやナフサに対しては球形ホルダが構築されている。これらタンクは、揮発性を有する液体の揮発による大気中への放散を抑制するために、上部が覆われている。固定屋根式タンクは、固定屋根が設けられるものの、固定屋根と液面との間に空間があり、その空間に蒸発したガスが溜まり、液ロスを生じる。この液ロスは、備蓄する石油や、貯留するブタン等の量を減少させることとなる。そこで、液面に接して上記空間をなくし、液ロスを低減させることを可能にする浮屋根式タンクが近年多く構築されている。なお、浮屋根式タンクの浮屋根は、液面を覆うデッキ板と、デッキ板の縁部に設けられる箱形構造物のポンツーンとから構成される。
浮屋根は、タンク内への石油等の供給による液面上昇とともに上昇し、タンク内の石油等の取り出しによる液面下降とともに下降する。また、地震時の液面の揺動に伴い、揺動する。地震による揺れの周期と、容器の固有周期とが近い場合、共振が発生し、この共振によってタンク内の液面が大きく波立つスロッシングを発生させる。通常時には上部が浮屋根で覆われているものの、地震時にはこのスロッシングによる液面の大きい波立ちにより、液面が開放され、タンクから液が溢れ出る。石油等は可燃性の液体であり、溢れ出た液に静電気等の着火源が存在すると大火災を発生させる。そこで、スロッシングの発生を抑制するための装置の提供が望まれている。
スロッシングの発生を抑制するために、浮屋根の下面に錘を取り付け、浮屋根が、液面の変位に伴って容易に変動しないようにする方法がある。しかしながら、錘の形状によっては液面低下時に浮屋根がそれ以上下がらず、液ロスを抑制するという浮屋根を採用するメリットが得られないといった問題があった。そこで、浮屋根を充分に下げることができるように、平板状の錘にすることができるが、平板状の錘は浮力を受け、スロッシングの発生を効果的に抑制することができないといった問題があった。
スロッシングの発生を効果的に抑制することができる装置として、例えば、浮屋根の下面に垂下される線条体と、一対の板状体を傾動自在に連結して成る抵抗板とを含み、各板状体が略水平に展開した状態から上方に閉じる方向へのみ傾動し得るよう、抵抗板を線条体に吊り下げ支持した装置が提案されている(特許文献1参照)。これは、浮屋根が上方に向かって揺動する際に抵抗板の各板状体が略水平に展開して貯蔵液から抵抗力を受け、浮屋根の揺動を抑制させるものである。これにより、スロッシングが速やかに沈静化される。
この装置は、各板状体が略水平に展開した状態になるため、液面低下時においても浮屋根を充分に降下させることができるが、液面低下に伴い、各板状体が上方に閉じる方向へ傾動し、ある液面位置において傾動した各板状体と浮屋根とが接触し、液面がそれ以下に低下する場合、各板状体を略水平に展開しなければならないにもかかわらず、貯蔵液から抵抗力を受けるため、簡単には展開せず、その間に蒸発が起こり、液ロスを生じるといった問題があった。
特開平9−142575号公報
本発明は、上述の問題を解決するためになされたものであり、地震時のスロッシングの発生を抑制することができ、かつ、液体から抵抗力を受けることなく、浮屋根が液面から持ち上がることなく、液面の低下に伴ってスムーズに降下させることができ、また、浮屋根が容器の底に近隣するまで充分に降下させることができるスロッシング抑制装置を提供することを目的とする。
本発明は、4つの板部材のそれぞれの端部同士をヒンジ装置によって連結して筒状体を形成し、それら4つの板部材のうちの1つに、筒状体内の液体を流出可能にする窓を備える構成とし、この構成の装置を浮屋根の下面に取り付けることで、この装置が錘の役割を果たすとともに、液面が低下し、装置が容器の底に接触した場合においても、ヒンジ装置によって、また、内部の液体を流出して、スムーズに変形することにより、液体から抵抗力を受けることなく、液面から持ち上がることなく、充分に浮屋根を降下させることができることを見出すことによりなされたものである。上記課題は、本発明のスロッシング抑制装置を提供することにより達成される。
本発明のスロッシング抑制装置は、少なくとも4つの板部材と、少なくとも4つの板部材のそれぞれの端部同士を連結して筒状体を形成し、連結した板部材により形成される角度をそれぞれ変更可能にする少なくとも4つのヒンジ装置とを含み、浮屋根の下面に少なくとも4つのヒンジ装置のうちの少なくとも1つが連結されて該浮屋根に荷重を加え、少なくとも4つの板部材のうちの少なくとも1つに、筒状体内の液体を流出可能にする窓を備えるものである。
また、本発明のスロッシング抑制装置は、浮屋根の下面の縁部に等間隔に少なくとも3つ連結されることが好ましい。これは、浮屋根に均等に荷重を加え、浮屋根が傾斜しないようにするためである。
上記少なくとも4つの板部材のそれぞれの両端部が、円形の浮屋根の円弧に対応して一定曲率を有することが好ましい。これは、スロッシング抑制装置を、円形の浮屋根の中心からより離間させて取り付けることができ、効果的に荷重を加えることができるからである。また、一定曲率を有する形状にすることで、板部材の角部が、液面低下中に容器の内壁に引っかからないようにすることができ、浮屋根が降下しないという事態を防止することができる。
本発明のスロッシング抑制装置では、例えば、少なくとも4つの板部材のうちの少なくとも1つ、すなわち上記窓が形成された板部材を、複数の孔が形成されたパンチングプレートとすることができる。
浮屋根は、円形の鋼板と、鋼板の縁部に連結され、中空でリング状に形成された、浮かせて用いられる箱形構造物とから構成されたものとすることができ、この場合、本発明のスロッシング抑制装置は、箱形構造物に均等に荷重が加えられるように、該箱形構造物の下面に等間隔に少なくとも3つ設けられることが好ましい。
本発明のスロッシング抑制装置を提供することにより、地震発生時において、スロッシングの発生を抑制することができ、通常時の液体の取り出しによる液面低下において、液面低下とともに浮屋根をスムーズに、浮屋根が持ち上がることなく、また、容器の底に近隣した位置まで充分に降下させることができる。
本発明を、図面を参照して詳細に説明するが、本発明のスロッシング抑制装置は図面の記載に限定されるものではない。まず、図1に、液体を収容し、液面に浮くとともに液面を覆う浮屋根を備える容器を例示する。
図1に示す容器は、底板10と、側板11とから液体を収容する収容部を構築し、収容部に液体が収容された後、液面に浮屋根12を浮かべたものとされる。例えば、底板10は、所定厚さの円形の板から形成され、側板11は、その円形の板の端部に溶接するなどして円筒状に形成される。
内部に収容される液体としては、石油、重油等の液体燃料、水等が挙げられる。液体が収容された後、浮屋根12が液面に浮かべられる。浮屋根12は、液面を覆う円形の鋼板12aと、鋼板12aの縁部に周設され、中空でリング状に形成された箱形構造物であるポンツーン12bとから構成される。浮屋根12は、浮かせて用いるポンツーン12bによって液面に浮く構造とされている。例えば、ポンツーン12bは、ガラス繊維や炭素繊維等を補強材として埋め込んだ繊維強化プラスチック(FRP)材料やコンクリート等を成形して作ることができる。
本発明のスロッシング抑制装置13は、液体中に浸漬されたポンツーン12bの下面に取り付けられ、地震等の発生によって液面が波立たないように、浮屋根12を固定するための錘として機能する。この錘としての機能により、液面の波立ちを抑制し、共振による液面が大きく波立つスロッシングの発生を抑制することができる。
また、本発明のスロッシング抑制装置13は、液体の取り出しによって液面が低下し、底板10に接触した場合でも、変形することによって、浮屋根が液面に浮いた状態を維持することができるため、液体の揮発を抑制することができ、液ロスを抑制することができる。本発明のスロッシング抑制装置を、図2を参照して詳細に説明する。
図2に示すスロッシング抑制装置は、4つの板部材20と、4つの板部材20のそれぞれの端部同士を連結して筒状体を形成し、連結した2つの板部材20により形成される角度をそれぞれ変更可能にする4つのヒンジ装置21とを含む構成とされている。
このスロッシング抑制装置は、図1に示す浮屋根12の下面に、4つのヒンジ装置21のうちの1つが連結されて容器の底に向けて荷重を加え、また、4つの板部材20のうちの液面に向いて配置されるものの1つに、筒状体内の液体を流出可能にする窓22を備えている。
具体的には、4つの板部材20と4つのヒンジ装置21とによって、中空の直方体で、対向する2つの面が開放され、液体が流出入自在にされた筒状体を形成する。板部材20とヒンジ装置21とは、上記のように、ねじや溶接によって固定する。ヒンジ装置21は、図2に示すように、軸体21aと、軸体21aを挿通させる挿通孔と一方に延びる羽根とを備え、1つの板部材20の縁部と連結するとともに軸体21aを中心として回転可能にする複数の連結回転部材21bとから構成される。図2では、1つのヒンジ装置21が、1つの軸体21aと、6つの連結回転部材21bとから構成され、2つの板部材20の間に介在するように配置され、3つの連結回転部材21bが2つの板部材20のうちの1つに、残りの3つの連結回転部材21bが他方の板部材20に固定されている。これにより、軸体21aを中心として板部材20を回転させることができ、2つの板部材20によって形成される角度が変更可能とされている。
図2に示すスロッシング抑制装置は、図1に示す浮屋根12を構成するポンツーン12bの下面に取り付けられる。例えば、図3に示すように、等間隔に、4つ取り付けることができる。同じ大きさおよび質量のスロッシング抑制装置13を、2つが対向するように取り付けることで、浮屋根12が傾くことなく、浮屋根12に均等に荷重を加えることができる。ポンツーン12bへの取り付けは、1つのヒンジ装置21をねじで締結したり、溶接するなどして行うことができる。このように1つのヒンジ装置21とポンツーン12bとを連結することにより、スロッシング抑制装置13を、地盤あるいは容器の底板10に対して垂直方向への変形を可能にする。具体的な変形については後述する。
スロッシング抑制装置に用いる板部材20は、所定厚さの矩形の鋼板等とすることができる。すなわち、液体の密度より大きく、浮屋根12に荷重が加えられるものであればいかなる材質であってもよい。大きさおよび厚さについては、収容される液体、容器の容量等に応じて適切なものとすることができる。ヒンジ装置21は、図2に示す構造のほか、2つの板部材20により形成される角度を変更可能にするものであればいかなる構造であってもよい。ヒンジ装置21としては、例えば、丁番を挙げることができる。ヒンジ装置21も、鋼材等の液体の密度より大きい、浮屋根12に荷重が加えられる材質のものとすることができる。図3では、浮屋根12に4つのスロッシング抑制装置13を取り付けた実施例を示したが、浮屋根12に、均等に荷重をかけることができる3つ以上であればいかなる数であってもよい。
ここで、図4を参照してスロッシング抑制装置の変形について説明する。図4の破線で示すように、容器内の液体の液面が高いレベルにあるときは、浮屋根12に取り付けられるスロッシング抑制装置13は、地盤あるいは底板10に対して垂直方向に延びており、浮屋根12に対し、底板10に向いた方向に荷重を加えている。すなわち、このスロッシング抑制装置が錘の役割を果たし、地震発生時においても液面が波立つのを抑制している。液体を使用するために取出口14から取り出しを開始すると、液面のレベルが低下し、液面に浮かぶ浮屋根12も降下する。液面があるレベルまで低下すると、浮屋根12の降下に伴い、浮屋根12の下面に取り付けられるスロッシング抑制装置13が底板10に接触する。
スロッシング抑制装置13は、図2に示すヒンジ装置21によって2つの板部材20により形成される角度を変更可能にされているため、液面低下に伴って角度が変更され、上記垂直方向に延びた状態から押しつぶされる状態へと変形される。すなわち、図4の実線で示すように、浮屋根12は、液面に浮いた状態を保持し、スロッシング抑制装置13は、底板10への接触を保持しつつ、浮屋根12と底板10とによって押しつぶされた状態へと変形する。単なる4つの板部材20および4つのヒンジ装置21からなる装置の場合、液面低下に伴ってスロッシング抑制装置13が押しつぶされた状態に変形されるものの、スロッシング抑制装置の筒状体内が液体で満たされているため、液面低下の速度、すなわち液体の取り出し速度によっては変形することができず、浮屋根12が液面から離間した状態になりうる。この離間した状態は、液面と浮屋根12との間に空間を生じさせ、液体の揮発を可能にさせ、この結果、液ロスが生じる。このため、本発明では、4つの板部材20のうちの少なくとも1つに窓22を備える構造とし、この窓22により、筒状体内に満たされる液体を液面低下とともに排出させることができる。このように、本発明のスロッシング抑制装置13は、筒状体内の液体を排出させ、上記空間を生じさせないため、確実に液ロスを抑制することができる。なお、浮屋根12は、スロッシング抑制装置13のヒンジ装置21によって、上下2つの板部材20が折り重なる状態まで降下させることができる。
図5は、スロッシング抑制装置の別の実施形態を示した図である。図5(a)は、5つの板部材50と、5つのヒンジ装置51とから構成される装置の側面図を、図5(b)は、板部材50のうちの1つに、多数の孔52を備えるパンチングプレート53を用い、パンチングプレート53と板部材50とをヒンジ装置51で連結して構成した装置の正面図をそれぞれ示す。図5(a)に示す装置は、図2に示す板部材20と同様の板部材を用い、また、図2に示すヒンジ装置21と同様のヒンジ装置を用いて構成されている。また、図5(a)には図示していないが、少なくとも1つの板部材50には、内部の液体を流出可能にさせる窓が設けられている。このように、4つ以上の板部材50およびヒンジ装置51で構成することにより、液面が高いレベルのときに垂直方向に延びた状態とされていた装置を、液面が低下するにつれて押しつぶされた状態へと変形させることができ、これにより、液面低下時における液ロスを抑制することができる。ちなみに、3つの板部材からなる装置では、ヒンジ装置による回転が抑止され、変形させることはできない。また、1つまたは2つの板部材では、垂直方向に延びたままの状態で降下された場合、その起立した状態を維持したままで底板に接触し、その起立した状態の板部材によって浮屋根が支持され、それ以上浮屋根を降下させることができない状況が起こりうる。したがって、本発明のスロッシング抑制装置では、浮屋根を確実に降下させることができるよう、4つ以上の板部材50と、それに対応して4つ以上のヒンジ装置51からなる構成とされる。なお、6つ以上の板部材と6つ以上のヒンジ装置によってスロッシング抑制装置が構成される場合、浮屋根に連結されるヒンジ装置は1つに限らず、押しつぶされた状態へと変形させることができれば、隣り合う2つのヒンジ装置を浮屋根に連結してもよい。
本発明では、図5(b)に示すように、上記窓が、複数の孔52からなるパンチングプレート53を採用することができる。図5(b)に示す装置は、図2に示す装置と同様、4つの板部材と4つのヒンジ装置とから構成されているが、板部材の1つがパンチングプレート53とされ、複数の孔52を備えるため、筒状体内の液体の流出をさらに容易にさせ、ヒンジ装置51による変形をさらに容易にさせる。パンチングプレート53は、打ち抜いて作成され、孔52は、図5(b)に示すような円形に限らず、矩形、楕円形等いかなる形状であってもよい。本発明では、プレートではないが、ワイヤクロスやエキスパンドメタル等を使用することもできる。
スロッシング抑制装置としては、複数の板部材を、複数のヒンジ装置を用いて直列に接続して装置を構成することもできる。しかしながら、この装置では、液体の取り出しに伴って液面は低下するものの、複数の板部材がヒンジ装置によって折り畳まれず、延びた状態で維持される場合、それによって浮屋根が支持され、浮屋根と液面との間に空間が生じる場合がある。本発明では、液面低下に伴って変形し、確実に浮屋根を降下させる必要があり、本発明の装置は、液面低下に伴って確実に変形するように、4つ以上の板部材と4つ以上のヒンジ装置とから構成され、筒状体を形成するように、板部材の端部同士をヒンジ装置で連結したものとされる。
図6は、本発明のスロッシング抑制装置のさらに別の実施形態を示した図である。図6(a)は、全体図を示し、図6(b)は、板部材の詳細を示す。図6(a)に示す装置は、円形の浮屋根の円弧に対応して、板部材60の両端部61a、61bが一定曲率を有するものとされ、板部材60同士を連結するために、例えば、2つのヒンジ装置62a、62bが使用されている。図6(b)に示すように、1つの板部材60は、ヒンジ装置62a、62bを使用して連結する両端部61a、61bが、浮屋根の円弧に対応して一定曲率を有するものとされており、これにより、スロッシング抑制装置を、容器の内壁にさらに近隣させて取り付けることができる。
スロッシング抑制装置を取り付ける位置が容器の内壁から離間し、浮屋根の中心に近い場合には、錘としての効果が低減され、また、浮屋根が不安定になって、浮屋根が傾き易くなる。板部材として平板からなるスロッシング抑制装置では、板部材の角部が容器の内壁に接触しやすく、また、その角部によって係止されるおそれがある。したがって、接触しないように、容器の内壁からある程度離間させて取り付けなければならない。これでは、錘としての効果が低減される。よって、本発明では、容器の内壁により近隣させて取り付けることができる、図6に示すような両端部61a、61bが一定曲率を有する構造が好ましい。
ここに、錘としての効果について説明を加える。浮屋根はその中心を支点として液面に浮いており、てこの原理によれば、同じ質量の錘であっても、その中心から離間するにつれてより大きい荷重を加えることができる。地震発生により生じる液面の波立ちは、浮屋根により大きい荷重を加えることで、効果的に抑制される。これらのことから、中心からより離間させて取り付けることができる上記一定曲率を有する構造が好ましい。
図6では、浮屋根の中心側に配置される板部材は小さく、容器の内壁側に配置される板部材は大きくされている。このように、容器の内壁側に配置される板部材を大きくすることで、スロッシング抑制装置を、容器の内壁に引っかかることなく、内壁に沿ってスムーズに移動させることができ、また、中心からより離間した位置に質量の大きい板部材が取り付けられるため、より大きい荷重を加え、より効果的に波立ちを抑制し、これにより、スロッシングの発生を抑制することができる。図6では、2つの板部材60を連結するために2つのヒンジ装置62a、62bを用いたが、一定曲率を有する軸体と、その軸体を挿通させることができる複数の連結回転部材とを備える1つのヒンジ装置によって連結することもできる。図6に示すように、2つのヒンジ装置62a、62bによって2つの板部材60を連結する場合、それら2つのヒンジ装置62a、62bの間に隙間が生じる。この隙間は、内部の液体を流出可能にしており、この隙間を窓として使用することができる。
液体を収容し、液ロスを抑制するための浮屋根を備える容器を例示した図。 本発明のスロッシング抑制装置の1つの実施形態を示した図。 浮屋根に複数のスロッシング抑制装置を取り付けたところを示した図。 スロッシング抑制装置が変形するところを示した図。 本発明のスロッシング抑制装置の別の実施形態を示した図。 本発明のスロッシング抑制装置のさらに別の実施形態を示した図。
符号の説明
10…底板
11…側板
12…浮屋根
12a…鋼板
12b…ポンツーン
13…スロッシング抑制装置
14…取出口
20…板部材
21…ヒンジ装置
21a…軸体
21b…連結回転部材
22…窓
50…板部材
51…ヒンジ装置
52…孔
53…パンチングプレート
60…板部材
61a、61b…端部
62a、62b…ヒンジ装置















Claims (5)

  1. 液体を収容し、液面に浮くとともに該液面を覆う浮屋根を備える容器に用いられ、スロッシングの発生を抑制するためのスロッシング抑制装置であって、
    少なくとも4つの板部材と、
    前記少なくとも4つの板部材のそれぞれの端部同士を連結して筒状体を形成し、連結した板部材により形成される角度をそれぞれ変更可能にする少なくとも4つのヒンジ装置とを含み、
    前記浮屋根の下面に前記少なくとも4つのヒンジ装置のうちの少なくとも1つが連結されて該浮屋根に荷重を加え、前記少なくとも4つの板部材のうちの1つに、前記筒状体内の前記液体を流出可能にする窓を備えており、
    前記スロッシング抑制装置が、前記浮屋根に均等に荷重をかけるために該浮屋根の下面の縁部に少なくとも3つ離間させて連結される、スロッシング抑制装置。
  2. 前記スロッシング抑制装置は、前記浮屋根の下面の縁部に等間隔に少なくとも3つ離間させて連結される、請求項1に記載のスロッシング抑制装置。
  3. 前記少なくとも4つの板部材のそれぞれの両端部が、円形の前記浮屋根の円弧に対応して一定曲率を有することを特徴とする、請求項1または2に記載のスロッシング抑制装置。
  4. 前記少なくとも4つの板部材のうちの少なくとも1つが、複数の孔が形成されたパンチングプレートである、請求項1〜3のいずれか1項に記載のスロッシング抑制装置。
  5. 前記浮屋根は、円形の鋼板と、前記鋼板の縁部に連結され、中空でリング状に形成された、浮かせて用いられる箱形構造物とから構成され、前記スロッシング抑制装置は、前記箱形構造物に均等に前記荷重が加えられるように、該箱形構造物の下面に等間隔に少なくとも3つ設けられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載のスロッシング抑制装置。
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