JP4832021B2 - 液状硬化性樹脂組成物 - Google Patents

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本発明は、高n値の光ファイバ素線が得られるとともに、高速硬化が可能で、保存安定性も高い液状硬化性樹脂組成物に関する。
光ファイバは、ガラスを熱溶融紡糸して得たガラスファイバ素線に、保護補強を目的として樹脂を被覆して製造されている。この樹脂被覆としては、光ファイバの表面にまず柔軟な第一次の被覆層(以下、「一次被覆層」ともいう。)を設け、その外側に剛性の高い第二次の被覆層(以下、「二次被覆層」ともいう。)を設けた構造が知られている。これらの第一次、二次被覆層を有する光ファイバを光ファイバ素線という(以下、光ファイバ素線を単に「光ファイバ」ともいう。)。これらの樹脂被覆を施して得られる光ファイバ素線を平面上に複数並べて結束材料で固めた光ファイバテープもよく知られている。光ファイバ素線の第一次の被覆層を形成するための樹脂組成物をプライマリ材、第二次の被覆層を形成するための樹脂組成物をセカンダリ材、テープ状ファイバの結束材として用いられる樹脂組成物をテープ材と称している。これらの樹脂被覆方法としては、液状硬化性樹脂組成物を塗布し、熱または光、特に紫外線により硬化させる方法が広く用いられている。
近年、このような液状硬化性樹脂組成物には、未硬化樹脂液の保存安定性に優れ、光ファイバの製造効率の観点から高速硬化性が求められると共に、光ファイバの強度の観点からは高いn値(動疲労特性。ポリマ被覆された光ファイバにおけるガラスファイバ強度;例えば、TIA/EIA Telecommunications Systems Bulletin, ITM-13, 62-13, May 2000, Telecommunications Industry Associationを参照)が求められている。
硬化速度は、ラジカル重合性モノマーや光重合開始剤の選択等により、ある程度高くすることが可能であることが知られている。例えば、高速硬化性に有効な代表的なラジカル重合性モノマーであるN−ビニルカプロラクタムやN−ビニルピロリドン等の環状構造を有するN−ビニル化合物を採用すると共に、光増感剤としてジエチルアミン等の塩基性化合物を併用する等の技術が用いられることがある(特許文献1〜3)。
しかし、ジエチルアミン等の塩基性化合物は、n値を低下させる傾向を有するため、光ファイバの強度の観点からは必ずしも望ましくない。このように、従来の塩基性化合物の添加により強酸成分の影響を排除する技術では、高いn値と高速硬化性および樹脂液の保存安定性を両立することは困難であった。
特開平10−081705号公報 特開平04−016519号公報 特開平02−092911号公報
本発明の目的は、高n値の光ファイバ素線が得られるとともに、高速硬化性に優れ、保存安定性も高い液状硬化性樹脂組成物を提供することにある。
本発明者は、この様な状況に鑑みて鋭意研究した結果、液状硬化性樹脂組成物中の強酸成分の含有量及び塩基性成分の含有量を低く抑えることにより、高n値の光ファイバ素線が得られ、ジエチルアミン等の光増感剤を添加しなくても、高速硬化が可能で、保存安定性も高い液状硬化性樹脂組成物が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、(A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)環状構造を有するN−ビニル化合物、(C)(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(D)光重合開始剤を含有する液状硬化性樹脂組成物であって、組成物の酸価が、0.05mgKOH/g以下であり、かつ、組成物のアミン価が、0.01mgKOH/g以下である液状硬化性樹脂組成物を提供するものである。
また、本発明は、当該液状硬化性樹脂組成物を、放射線により硬化せしめることにより得られる光ファイバ被覆層及び当該被覆層を有する光ファイバを提供するものである。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、高n値の光ファイバ素線が得られるとともに、高速硬化性に優れるものである。また、保存安定性も良好である。光ファイバ用の被覆材、特にプライマリ材や、種々の光学部材の表面コーティング材、光学接着剤等として有用である。
本発明の液状硬化性樹脂組成物に用いられる(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、特に限定されないが、例えば、(a)ポリオール化合物、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)水酸基含有(メタ)アクリレート化合物、および(d)イソシアネート基と反応しうる官能基を有するシラン化合物を反応させて得られる。
この(A)ウレタン(メタ)アクリレートを製造する具体的方法としては、例えば(a)ポリオール、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)水酸基含有(メタ)アクリレート、および(d)イソシアネート基に付加しうる官能基を有するシラン化合物を一括して仕込んで反応させる方法;(a)ポリオールおよび(b)ポリイソシアネート化合物を反応させ、次いで(c)水酸基含有(メタ)アクリレートおよび(d)イソシアネート基に付加しうる官能基を有するシラン化合物を反応させる方法;(b)ポリイソシアネート化合物、(c)水酸基含有(メタ)アクリレートおよび(d)イソシアネート基と反応しうる官能基を有するシラン化合物を反応させ、次いで(a)ポリオールを反応させる方法;(b)ポリイソシアネート化合物および(c)水酸基含有(メタ)アクリレートを反応させ、次いで(a)ポリオールを反応させ、最後に(d)イソシアネート基と反応しうる官能基を有するシラン化合物を反応させる方法等が挙げられる。
ここで用いる(a)ポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール、ポリヘキサメチレングリコール、ポリヘプタメチレングリコール、ポリデカメチレングリコールのような一種のイオン重合性環状化合物を開環重合させて得られるポリエーテルジオール、または二種以上のイオン重合性環状化合物を開環共重合させて得られるポリエーテルジオールが挙げられる。イオン重合性環状化合物としては、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブテン−1−オキシド、イソブテンオキシド、オキセタン、3,3−ジメチルオキセタン、3,3−ビスクロロメチルオキセタン、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、3−メチルテトラヒドロフラン、ジオキサン、トリオキサン、テトラオキサン、シクロヘキセンオキシド、スチレンオキシド、エピクロルヒドリン、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、アリルグリシジルカーボネート、ブタジエンモノオキシド、イソプレンモノオキシド、ビニルオキセタン、ビニルテトラヒドロフラン、ビニルシクロヘキセンオキシド、フェニルグリシジルエーテル、ブチルグリシジルエーテル、安息香酸グリシジルエステル等の環状エーテル類が挙げられる。また、上記イオン重合性環状化合物と、エチレンイミン等の環状イミン類、γ−プロピオラクトン、グリコール酸ラクチド等の環状ラクトン酸、あるいはジメチルシクロポリシロキサン類とを開環共重合させたポリエーテルジオールを使用することもできる。上記二種以上のイオン重合性環状化合物の具体的な組み合わせとしては、テトラヒドロフランとプロピレンオキシド、テトラヒドロフランと2−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランと3−メチルテトラヒドロフラン、テトラヒドロフランとエチレンオキシド、プロピレンオキシドとエチレンオキシド、ブテン−1−オキシドとエチレンオキシド、テトラヒドロフラン、ブテン−1−オキシド、エチレンオキシドの3元重合体等を挙げることができる。これらのイオン重合性環状化合物の開環共重合体はランダムに結合していてもよいし、ブロック状の結合をしていてもよい。本発明の硬化物に耐ジェリー性および耐水性を付与する点から、これらのポリエーテルジオールのうち、ポリプロピレングリコールがより好ましく、ゲルパーミエーションクロマトグラフ法(GPC法)によるポリスチレン換算の数平均分子量で1000〜7000のポリプロピレングリコールが特に好ましい。
これらのポリエーテルジオールは、例えばPTMG650、PTMG1000、PTMG2000(以上、三菱化学社製)、エクセノール 1020、2020、3020、プレミノール PML−4002、PML−5005(以上、旭硝子社製)、ユニセーフ DC1100、DC1800、DCB1000(以上、日本油脂社製)、PPTG1000、PPTG2000、PPTG4000、PTG400、PTG650、PTG1000、PGT2000、PTG−L1000、PTG−L2000(以上、保土谷化学工業社製)、Z−3001−4、Z−3001−5、PBG2000(以上、第一工業製薬社製)、Acclaim 2200、2220、3201、3205、4200、4220、8200、12000(以上、ライオンデール社製)等の市販品として入手することができる。
(a)ポリオールとしては、上記ポリエーテルジオールが好ましいが、この他にポリエステルジオール、ポリカーボネートジオール、ポリカプロラクトンジオール等も用いることができ、これらのジオールをポリエーテルジオールと併用することもできる。これらの構造単位の重合様式は特に制限されず、ランダム重合、ブロック重合、グラフト重合のいずれであってもよい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられる(b)ポリイソシアネートとしては、芳香族ジイソシアネート、脂環族ジイソシアネート、脂肪族ジイソシアネート等が挙げられる。具体的化合物として、好ましい例としては、芳香族ジイソシアネートおよび脂環式ジイソシアネート、より好ましくは、2,4−トリレンジイソシアネートおよびイソホロンジイソシアネートが挙げられる。これらのジイソシアネート化合物は単独で用いても、2種以上併用しても良い。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いられる(c)水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、ポリイソシアネートのイソシアネート基との反応性の点から、水酸基が第一級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第一水酸基含有(メタ)アクリレートという)および水酸基が第二級炭素原子に結合した水酸基含有(メタ)アクリレート(第二水酸基含有(メタ)アクリレートという)が好ましい。
第一水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールモノ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタンジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
第二水酸基含有(メタ)アクリレートとしては、例えば、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシ−3−フェニルオキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシシクロヘキシル(メタ)アクリレート等が挙げられ、さらに、アルキルグリシジルエーテル、アリルグリシジルエーテル、グリシジル(メタ)アクリレート等のグリシジル基含有化合物と、(メタ)アクリル酸との付加反応により得られる化合物が挙げられる。
これらの水酸基含有(メタ)アクリレート化合物は1種単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用できる。
(d)イソシアネート基と反応しうる官能基を有するシラン化合物としては、例えば、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン等が挙げられる。これらの化合物を使用することにより、ガラス等の基材への密着性をさらに高めることができる。また、ガラスの欠損部位を修復することができ、n値を向上させることができる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成に用いる(a)ポリオール、(b)ポリイソシアネート化合物、(c)水酸基含有(メタ)アクリレートおよび(d)イソシアネート基と反応しうる官能基を有するシラン化合物の使用割合は、ポリオールに含まれる水酸基1当量に対してポリイソシアネート化合物に含まれるイソシアネート基が1.1〜2当量、水酸基含有(メタ)アクリレートの水酸基が0.1〜1当量、イソシアネート基と反応しうる官能基を有するシラン化合物が0.1〜1当量となるようにするのが好ましい。
また、(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成において、ポリオールとともにジアミンを併用することも可能であり、このようなジアミンとしては、エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、パラフェニレンジアミン、4,4′−ジアミノジフェニルメタン等のジアミンや、ヘテロ原子を含むジアミン、ポリエーテルジアミン等が挙げられる。
水酸基含有(メタ)アクリレートの一部をアルコール類に置き換えて用いることもできる。アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール等が挙げられる。これらの化合物を使用することにより、樹脂のヤング率を調節することができる。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの合成においては、ナフテン酸銅、ナフテン酸コバルト、ナフテン酸亜鉛、ジブチル錫ジラウレート、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン、2,6,7−トリメチル−1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等のウレタン化触媒を、反応物の総量に対して0.01〜1質量%用いるのが好ましい。また、反応温度は、通常5〜90℃、特に10〜80℃が好ましい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートの好ましい分子量は、硬化物の良好な破断伸びおよび液状硬化性樹脂組成物の適度な粘度を得る観点から、GPC法によるポリスチレン換算の数平均分子量で、通常500〜40,000であり、特に700〜30,000が好ましい。
また、(A)ウレタン(メタ)アクリレートとしては、ポリプロピレングリコールに由来する構造を含み、かつ、アルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートが好ましい。
(A)ウレタン(メタ)アクリレートは、硬化物のヤング率、破断伸び等の良好な力学特性および液状硬化性樹脂組成物の適度な粘度を得る観点から、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に、35〜85質量%、特に55〜65質量%配合するのが好ましい。85質量%を超えると硬化物のヤング率が2.0MPaを超えてしまうため、光ファイバ被覆用樹脂としては好ましくなく、また液状硬化性樹脂組成物の粘度が6.0Pa・sを超えてしまうため作業性も低下し、また硬化物の耐水性も悪化する。35質量%未満では破断強度が悪化してしまう。
本発明で用いる(B)成分の環状構造を有するN−ビニル化合物としては、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のビニル基含有ラクタムが好ましい。(B)成分を配合することにより、高速硬化性が向上する。
(B)成分は、1種以上を用いることができ、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に0.5〜20質量%、特に1〜10質量%配合するのが好ましい。この範囲内であれば、高速硬化性に優れる組成物が得られる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物に使用される(C)成分は、(A)成分および(B)成分以外のエチレン性不飽和基含有化合物であり、典型的には、反応性希釈剤である。(C)成分としては、例えば(C1)エチレン性不飽和基を1個有する化合物(以下、「重合性単官能化合物」という。)、(C2)エチレン性不飽和基を2個以上有する化合物(以下、「重合性多官能化合物」という。)が挙げられる。
(C1)重合性単官能性化合物としては、イソボルニル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、トリシクロデカニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート等の脂環式構造含有(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、4−ブチルシクロヘキシル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン等が挙げられる。さらに、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、ノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ウンデシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、イソステアリル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシエチレングリコール(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、ジアセトン(メタ)アクリルアミド、イソブトキシメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、t−オクチル(メタ)アクリルアミド、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、7−アミノ−3,7−ジメチルオクチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、ヒドロキシブチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテル、セチルビニルエーテル、2−エチルヘキシルビニルエーテル、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート、ノニルフェノールエチレンオキサイド変性(メタ)アクリレート、下記一般式で表される化合物等が挙げられる。
Figure 0004832021
[式中、R1は、水素原子又はメチル基である。R2及びR3は、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基である。nは、0〜10である。]
これら(C1)重合性単官能性化合物のうち、炭素数10以上の脂肪族炭化水素基を有する単官能性(メタ)アクリレートが好ましい。ここで炭素数10以上の脂肪族基としては、直鎖、分岐鎖および脂環式のいずれも含まれ、炭素数は10〜24が好ましい。これらのうち、イソボルニル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレートが好ましく、イソボルニル(メタ)アクリレートおよび/またはイソデシル(メタ)アクリレートが特に好ましい。これら(D1)重合性単官能性化合物の市販品としては、IBXA(大阪有機化学工業社製)、アロニックスM−110、M−111、M−113、M114、M−117、TO−1210(以上、東亞合成社製)、エポキシエステルM−600A(共栄社社製)等を使用することができる。
(C2)重合性多官能性化合物としては、光ファイバ用樹脂組成物として使用できるものであれば特に制限はないが、好ましい例としては、ポリエチレングリコールジアクリレート、トリシクロデカンジイルジメチレンジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイドを付加させたビスフェノールAのジ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イアオシアヌレートトリ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート(HDDA)等が挙げられる。これら(D2)重合性多官能性化合物の市販品としては、例えば、ライトアクリレート9EG−A、4EG−A(以上、共栄社化学社製)、ユピマーUV、SA1002(以上、三菱化学社製)、アロニックスM−215、M−315、M−325(以上、東亞合成社製)等が挙げられる。
これらの(C1)重合性単官能化合物と(C2)重合性多官能化合物を併用して用いることもできる。
これらの(C)成分は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に1〜60質量%、特に2〜45質量%配合することが好ましい。1質量%未満であると硬化性を損ねる可能性があり、60質量%を超えると低粘度による塗布形状の変化が起き、塗布が安定しない。
本発明の液状硬化性樹脂組成物には、さらに(D)重合開始剤を配合することができる。(D)成分としては、通常(D1)光重合開始剤を用いるが、必要に応じて(D2)熱重合開始剤を(D1)光重合開始剤と併用しても良い。
(D1)光重合開始剤としては、例えば1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、キサントン、フルオレノン、ベンズアルデヒド、フルオレン、アントラキノン、トリフェニルアミン、カルバゾール、3−メチルアセトフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4,4′−ジアミノベンゾフェノン、ミヒラーケトン、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンジルジメチルケタール、1−(4−イソプロピルフェニル)−2−ヒドロキシ−2−メチルプロパン−1−オン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、チオキサントン、ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−プロパン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキシド等が挙げられる。これらの市販品としては、イルガキュア184、369、651、500、907、819、CGI1700、CGI1850、CGI1870、CG2461、ダロキュア1116、1173(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、LUCIRIN TPO(BASF社製)、ユベクリルP36(UCB社製)等が挙げられる。
(D2)熱重合開始剤としては、過酸化物、アゾ化合物等が挙げられ、具体的には、例えばベンゾイルパーオキサイド、t−ブチル−オキシベンゾエート、アゾビスイソブチロニトリル等が挙げられる。
また、本発明の液状樹脂組成物を光硬化させる場合には、光重合開始剤に加えて必要に応じて光増感剤を添加することができる。光増感剤としては、例えば4−ジメチルアミノ安息香酸、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、4−ジメチルアミノ安息香酸エチル、4−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル等が挙げられる。市販品としては、ユベクリルP102、103、104、105(以上、UCB社製)等が挙げられる。
一方、塩基性化合物である光増感剤は、n値を低下させる場合があるので、添加しない方が好ましい。かかる好ましくない光増感剤としては、トリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン等が挙げられる。
(D)重合開始剤は、本発明の液状硬化性樹脂組成物中に0.1〜10質量%、特に0.5〜5質量%配合することが好ましい。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物には、上記成分以外に各種添加剤、例えば着色剤、光安定剤、シランカップリング剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤、レベリング剤、界面活性剤、保存安定剤、可塑剤、滑剤、溶媒、フィラー、老化防止剤、濡れ性改良剤、塗面改良剤等を必要に応じて配合することができる。ここで光安定剤としては、例えばチヌビン 292、144、622LD(以上、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製)、サノールLS770(三共社製)、TM−061(住友化学工業社製)、SEESORB101、SEESORB103、SEESORB709(以上、シプロ化成社製)、Sumisorb130(住友化学社製)等が挙げられる。シランカップリング剤としては、例えばγ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メタアクリロキシプロピルトリメトキシシラン、市販品として、SH6062、SZ6030(以上、東レ・ダウ・コーニングシリコーン社製)、KBE903、603、403(以上、信越化学工業社製)等が挙げられる。酸化防止剤としては、例えばSumilizer GA−80(住友化学社製)、Irganox1010、Irganox1035(以上、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)等が挙げられる。
ただし、塩基性酸化防止剤もn値を低下させる場合があるので、添加しないことが好ましい。市販品としては、ビス(1,1,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケート(サノールLS−765、サノールLS−292:三共ライフテック社製)、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート(サノールLS−770:三共ライフテック社製)、1−[2−{3−(3,5―ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェフェニル)プロピオニルオキシ}エチル]−4−{3−(3,5−ジ−t−ブチルーヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ}2,2,6,6‘−テトラメチルピペリジン(サノールLS−2626:三共ライフテック社製)、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(サノールLS−744:三共ライフテック社製)、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}](サノールLS−944:三共ライフテック社製)等が挙げられる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物の25℃における粘度は、1.0〜6.0Pa・sが好ましい。また、光ファイバプライマリ層として用いる場合、硬化物のヤング率は0.1〜2.0MPaが好ましい。
本発明の液状硬化性樹脂組成物の酸価は、0.05mgKOH/g以下であることが必要である。ここで、酸価とは組成物100gを中和する水酸化カリウムのmg数をいう。
組成物中の酸成分は、(C)成分標品中に不純物として含まれることのある(メタ)アクリル酸にも由来するが、強酸成分としてはp−トルエンスルホン酸やメタンスルホン酸等の有機スルホン酸が挙げられる。これらの有機スルホン酸の由来は、主に(C)成分の製造時にエステル化触媒として使用されたp−トルエンスルホン酸やメタンスルホン酸等の残存物であると考えられ、多くの市販の(C)成分標品を用いた場合には、本発明の組成物に配合した場合、0.05mgKOH/gとすることが困難である。このような強酸成分の含有量が高いと、液状硬化性樹脂組成物の粘度が経時的に上昇して保存安定性が低下するほか、組成物を硬化して得られる硬化膜の耐湿熱性が低下する。
このため、本発明の液状硬化性樹脂組成物に含まれる、有機スルホン酸の濃度は、組成物全量に対して、100ppm以下、特に30ppm以下、更に20ppm以下であるのが好ましい。
また、本発明の液状硬化性樹脂組成物のアミン価は、0.01mgKOH/g以下であることが必要である。組成物中の塩基性成分は、主に、非必須成分として配合された塩基性化合物に由来する。このような塩基性化合物としては、光増感剤として知られているトリエチルアミン、ジエチルアミン、N−メチルジエタノールアミン、エタノールアミン等や、前述の塩基性酸化防止剤等の塩基性化合物が挙げられる。このような塩基性成分の含有量が高いと、本発明の液状硬化性樹脂組成物を用いて製造される光ファイバ素線のn値が低下する傾向がある。
本発明の液状硬化性樹脂組成物を、ガラスファイバの一次被覆用材料として用いて、後述の製造例3の条件に従って光ファイバ素線を製造した場合、得られる光ファイバ素線のn値は、通常21以上、好ましくは23以上の値が得られる。このため、本発明の液状硬化性樹脂組成物を用いることにより、外部応力に対して強靱、且つ長期信頼性のある光ファイバ素線を得ることができる。
本発明の液状硬化性樹脂組成物は、放射線によって硬化される。ここで放射線とは、赤外線、可視光線、紫外線、X線、α線、β線、γ線、電子線等であるが、特に紫外線が好ましい。
本発明の別の態様は、以上述べた液状硬化性樹脂組成物を、ガラスファイバ素線または他の光ファイバ被覆層の上に塗布して、放射線により硬化せしめることに得られる光ファイバ被覆層である。放射線として紫外線を用いる場合における、好ましい照射条件は、50〜300J/cm2である。本発明の光ファイバ被覆層は、光ファイバの被覆層の任意の一部の層又は全部の層を成すものであるが、好ましくは、光ファイバの一次被覆層を成す。
本発明のさらに別の態様は、上記の光ファイバ被覆層を有する光ファイバである。本発明の光ファイバは、上記光ファイバ被覆層を有していれば、その被覆層がいずれの層であるかによって限定されるものではないが、好ましくは、上記光ファイバ被覆層が一次被覆層であって、さらに二次被覆層を有する光ファイバ、又は、複数本の光ファイバをテープ材で結束した光ファイバテープを挙げることができる。本発明の光ファイバは、石英母材を溶融して得られるガラスファイバ素線に、例えば、一次被覆材を塗布し放射線を照射して硬化させた後に、さらに、二次被覆材を塗布し放射線を照射して硬化させることによって得られる。本発明の光ファイバは、n値が23以上であるので、曲げ等の外部応力に対して強靱である。
以下に本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
合成例1(ウレタン(メタ)アクリレートの合成)
撹拌機を備えた反応容器に、数平均分子量が2000のポリプロピレングリコール50.7部、トルエンジイソシアネート6.739部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.014部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が15℃となるまで冷却した。ジブチル錫ジラウレート0.044部を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて40℃まで徐々に上げた。その後、液温度を45℃に上げて反応させた。残留イソシアネート基濃度が1.49重量%(仕込量に対する割合)以下となった後、メルカプトプロピルトリメトキシシラン(東レ・ダウ コーニング社製 SH6062)0.3部を添加し、液温度約50℃で2時間攪拌した。その後、2−ヒドロキシエチルアクリレート2.01部を添加し、液温度約55℃にて1時間撹拌し反応させた。さらにメタノール0.251部を添加し液温度約60℃で1時間攪拌した。その後、残留イソシアネート基濃度が0.05重量%以下になった時を反応終了とした。得られたウレタン(メタ)アクリレートを「オリゴマーA」とする。
合成例2(二次被覆材の調製)
撹拌機を備えた反応容器に、イソホロンジイソシアネート15.4部、2,6−ジ−t−ブチル−p−クレゾール0.013部、ジブチル錫ジラウレート0.047部を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が10℃以下になるまで氷冷した。ヒドロキシエチルアクリレートを液温度が20℃以下になるように制御しながら11.32g滴下した後、さらに、1時間撹拌し、反応させた。次に数平均分子量1,000のポリテトラメチレングリコール25.4gおよび数平均分子量400のビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加ジオール9.36gを加え、液温度70〜75℃にて3時間撹拌を継続させ、残留イソシアネートが0.1質量%以下になった時を反応終了とした。液温度50〜60℃に冷却し、イソボニルアクリレート9.7g、SA−1002(三菱化学社製)14.55g、N−ビニルカプロラクタム9.7g、Irgacure184(チバスペシャリティーケミカルズ社製)2.91gおよびスミライザー GA−80(住友化学社製)0.3gを加え均一な樹脂液になるまで撹拌して液状硬化性樹脂組成物を得た。
製造例1(酸価を低減させたアロニックスM113の製造方法)
撹拌機を備えた反応容器に、市販のノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート標品(東亞合成社製、アロニックスM113)を仕込み、これらを撹拌しながら液温度が15℃となるまで冷却した。0.1N炭酸水素ナトリウム水溶液を添加した後、攪拌しながら液温度を1時間かけて40℃まで徐々に上げた。その後、液温度を45℃に上げて2時間攪拌した。攪拌機を止め2時間静置し、水層を分離した。次に多量の蒸留水を添加し攪拌しながら液温度を1時間かけて40℃まで徐々に上げた。その後、液温度を45℃に上げて2時間攪拌した。再び攪拌機を止め2時間静置し、水層を分離した。得られた残留物を減圧乾燥により脱水し、ノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレートを回収した。得られた標品を「M113−low」という。
製造例2(酸価を低減させたSR−504Dの製造方法)
市販のノニルフェノールエチレンオキシド変性アクリレート標品として、東亞合成製 M113に替えて、サートマー社製SR−504Dを用いた他は、製造例1と同様にして、SR−504Dの酸価を低減させた標品を得た。得られた標品を「SR−504D−low」という。
製造例3
光ファイバ線引き装置(吉田工業製)を使用して、石英ガラスファイバ上に一次被覆材として、実施例又は比較例の組成物を塗布硬化させた後、二次被覆材(JSR製、デソライトR3203)を塗布し硬化させた。光ファイバの製造条件は以下のように行った。
光ファイバの線径は、ガラスファイバは直径125μmであったが、これに合成例1で得られた一次被覆材を塗布硬化し直径が200μmになるように調整した。さらに形成された一次被覆層の上に、合成例2で得られた二次被覆材を塗布し、硬化した時点で250μmになるように調節して塗布した。紫外線照射装置はORC社製UVランプ(SMX3.5kw)を使用した。光ファイバの線引き速度は200m/minとした。
実施例1〜2、比較例1〜3(一次被覆材の調製)
撹拌機を備えた反応容器に表1に示す配合比(質量部)で化合物を仕込み、均一な溶液になるまで液温度50℃で攪拌し、実施例及び比較例の液状硬化性樹脂組成物を得た。
試験例
(1)組成物の酸価:
実施例及び比較例で得られた組成物5gを、2−プロパノール(40mL)と超純粋(10mL)に溶解させる。その溶液の酸価を、電位差滴定装置(平沼製作所製COM−2000)を用いて0.1N水酸化カリウム水溶液で滴定し、算出した。
(2)組成物のアミン価:
実施例及び比較例で得られた組成物5gを、2−プロパノール(40mL)と超純粋(10mL)に溶解させる。その溶液のアミン価を、電位差滴定装置(平沼製作所製COM−2000)を用いて0.1N塩酸水溶液で滴定し、算出した。
(3)組成物中の有機スルホン酸:
上述の酸価の測定で得られた滴定曲線から、有機スルホン酸に該当する強酸成分の量を算出し、水酸化カリウムとp−トルエンスルホン酸及びメタンスルホン酸の分子量から、水酸化カリウム量を有機スルホン酸量に換算して算出した。
(4)硬化速度
354μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気中で20mJ/cm2又は500mJ/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、それぞれの紫外線照射量に対応した試験用フィルム二種類を得た。これらの硬化フィルムから延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作成した。温度23℃、湿度50%下で引っ張り試験機AGS−1KND(島津製作所社製)を用い、JIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/minで2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた。20mJ/cm2で硬化させた試験用フィルムのヤング率と500mJ/cm2で硬化させた試験用フィルムのヤング率比を下記式(1)より算出して、組成物の硬化速度を求めた。
硬化速度=20mJ/cm2時のヤング率/500mJ/cm2時のヤング率 (1)
(5)保存安定性:
(5−1)粘度変化率:
実施例および比較例で得られた樹脂組成物の25℃における粘度を、粘度計B8H−BII(トキメック社製)を用いて測定した(初期粘度)。さらに、この組成物を、60℃のオーブンに7日間放置した後、再度粘度を測定した(耐久後粘度)。初期粘度と耐久後粘度の変化率を式(2)より算出して、樹脂組成物の熱的安定性を評価した。粘度変化率が±15%以内であれば、合格とした。
粘度変化率(%)=100−(初期粘度/耐久後粘度)×100 (2)
(5−2)ヤング率変化率:
実施例および比較例で得られた樹脂組成物について、硬化後のヤング率を測定した。354μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気中で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。この硬化フィルムから、延伸部が幅6mm、長さ25mmとなるように短冊状サンプルを作成した。温度23℃、湿度50%の条件下、引っ張り試験機AGS−1KND(島津製作所社製)を用い、JIS K7127に準拠して引張試験を行った。引張速度は1mm/minで、2.5%歪みでの抗張力からヤング率を求めた(初期ヤング率)。さらに、この硬化フィルムを、100℃のオーブンに60日間放置した後、再度ヤング率を測定した(耐久後ヤング率)。初期ヤング率と耐久後ヤング率の変化率を式(3)より算出して、硬化物の熱的安定性を評価した。ヤング率変化率が±15%以内であれば、合格とした。
ヤング率変化率(%)=100−(初期ヤング率/耐久後ヤング率)×100 (3)
(5−3)ガラス密着力変化率:
実施例及び比較例で得られた樹脂組成物のガラス密着力を測定した。354μm厚のアプリケーターバーを用いてガラス板上に液状硬化性樹脂組成物を塗布し、これを空気中で1J/cm2のエネルギーの紫外線を照射して硬化させ、試験用フィルムを得た。この硬化フィルムから、延伸部が幅10mm、長さ50mmとなるように短冊状サンプルを作成した。温度23℃、湿度50%の条件下、引っ張り試験機AGS−1KND(島津製作所社製)を用い、ガラス密着力試験を行った。引張速度は50mm/minで、30秒後の抗張力からガラス密着力を求めた(初期ガラス密着力)。また、各組成物を、60℃のオーブンに60日間放置した後、再度ガラス密着力を測定した(耐久後ガラス密着力)。初期ガラス密着力と耐久後ガラス密着力の変化率を式(4)より算出して、樹脂組成物の熱的安定性を評価した。ガラス密着力変化率が±20%以内であれば、合格とした。
ガラス密着力変化率(%)
=100−(初期ガラス密着力/耐久後ガラス密着力)×100 (4)
(5−4)判定:
粘度変化率、ヤング率変化率及びガラス密着力変化率の全てについて合格した場合を「○」、1項目でも不合格の場合を「×」と判定した。
(6)光ファイバのn値の測定:
実施例及び比較例で得られた各組成物を使用して、製造例3により得られた光ファイバのn値を測定した。2−ポイントベンディングマシーン(FiberSigma製、TP−2)を用いてTIA/EIA(ITM−13)(TIA/EIA Telecommunications Systems Bulletin, ITM-13, 62-13, May 2000, Telecommunications Industry Association)に準拠して、n値を測定した。
n値が23以上である場合を合格と判定した。
以上の結果を表1に併せて示す。表中の各成分の配合量を示す数値は、質量部である。なお、比較例3の有機スルホン酸量が「n.d.」(検出されず)となっているのは、ジエチルアミンの添加により有機スルホン酸が消費されたためと考えられる。
Figure 0004832021
表1中、
アロニックスM−113:ノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート、東亞合成株式会社(酸価は、0.06mgKOH/gである。)
M−113−low:製造例1で得られた、酸価を低減させたノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート標品。
SR−504D−low:製造例2で得られた、酸価を低減させたノニルフェノールエチレンオキサイド変性アクリレート標品。
2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド:Lucirin TPO−X(ビーエーエスエフジャパン社製)
Sumilizer GA−80:3,9−ビス[2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル]−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデセン(住友化学工業社製)

Claims (6)

  1. (A)ウレタン(メタ)アクリレート、(B)環状構造を有するN−ビニル化合物、(C)(A)及び(B)以外のエチレン性不飽和基含有化合物、並びに(D)光重合開始剤を含有する液状硬化性樹脂組成物であって、組成物の酸価が、0.05mgKOH/g以下であり、かつ、組成物のアミン価が、0.01mgKOH/g以下であり、n値が23以上の光ファイバを与える液状硬化性樹脂組成物。
  2. 組成物中の有機スルホン酸の濃度が、100ppm以下である請求項1記載の液状硬化性樹脂組成物。
  3. 成分(C)が、下記一般式で表される化合物である請求項1又は2記載の液状硬化性樹脂組成物。
    Figure 0004832021
    [式中、Rは、水素原子又はメチル基である。R及びRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1〜10のアルキル基又はフェニル基である。nは、0〜10である。]
  4. (A)ウレタン(メタ)アクリレートが、ポリプロピレングリコールに由来する構造を含み、かつ、アルコキシシリル基を有するウレタン(メタ)アクリレートを含有する、請求項1〜3のいずれか1項記載の液状硬化性樹脂組成物。
  5. 請求項1〜のいずれか1項記載の液状硬化性樹脂組成物を、放射線により硬化せしめることにより得られる光ファイバ被覆層。
  6. 請求項記載の被覆層を有する光ファイバ。
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