JP4830243B2 - カップ式自動販売機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、カップ内に原料と湯または水等の希釈液とを供給し、攪拌装置で攪拌して調理したカップ飲料を販売するカップ式自動販売機に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
カップ内に供給した原料と湯または水等の希釈液とからなる飲料に攪拌装置の攪拌羽根を挿入してこれを攪拌して調理したカップ飲料を販売するカップ式自動販売機が知られている。この種のカップ式自動販売機では、その機内に、カップを多数収容しているカップ供給装置と、飲料調理用の各種の原料を収容している原料供給部と、湯や水等の希釈液を供給する希釈液供給部と、カップに供給されたこれら飲料の原料を攪拌する攪拌装置が設けられている。また、カップ供給装置から供給されたカップを保持するカップ保持装置およびカップを保持したカップ保持装置を所定の位置に搬送するカップ搬送装置が設けられている。そしてカップ供給装置から供給されカップ保持装置で保持したカップをカップ搬送装置で各所定の位置に搬送し、各所定の位置において、カップ内に飲料の原料や湯、水等の希釈液を順次供給し、かつ攪拌装置で攪拌して調理した飲料を販売口に搬送して販売に供する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
カップ式自動販売機は、飲料購入客が貨幣を投入してから調理済みカップ飲料を受け取るまでの時間が短いことが要求されている。そしてカップ供給装置から供給されたカップをカップ保持装置で保持し、カップ搬送装置で各所定の位置に搬送し、各所定の位置において、カップ内に飲料の原料や湯、水等の希釈液を順次供給し、かつ攪拌装置で攪拌して調理した飲料を販売口に搬送して販売するこのカップ式自動販売機でもカップ飲料を販売するのに要する時間を短くする為に、カップを複数の原料供給部や希釈液供給部、攪拌装置の位置に搬送する時間を短くする方法が色々と試みられてきた。
【0004】
しかしながら、カップ搬送時間短縮のために搬送速度を早くすると、カップの搬送開始時や搬送速度の変更時、また搬送停止時の急激な搬送速度の変化により、カップに供給された湯、水等の希釈液、また、調理した飲料がこぼれてしまうという問題があり、カップの搬送時間を短くすることは困難であった。
【0005】
従って、本発明の目的は、カップをカップ搬送装置で各所定の位置に搬送し、各所定の位置において、カップ内に飲料の原料や湯、水等の希釈液を順次供給し、かつ攪拌装置で攪拌して飲料の調理を行うカップ式自動販売機に関し、カップ搬送時の搬送時間を短縮しても希釈液や調理した飲料がカップからこぼれることのないカップ式自動販売機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1にかかる発明は、カップに供給した原料にさらに希釈液を供給して調理した飲料を販売するカップ式自動販売機において、原料と希釈液をカップに供給するそれぞれの供給位置を経由するようにカップを搬送するカップ搬送装置と、カップに供給された希釈液がカップ内で搬送方向に移動しているときを除いてカップ搬送装置の搬送速度を減速させるように制御する制御手段と、を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
請求項2にかかる発明は、制御手段は、カップに供給された希釈液がカップ内で搬送方向と逆方向に移動しているときにカップ搬送装置の搬送速度を減速させるように制御することを特徴とするものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図を参照して説明する。本発明のカップ式自動販売機は、販売口内で飲料の調理(混合)が行われる方式と異なり、自動販売機内で調理した調理済みのカップ飲料を、販売口に搬送してカップ飲料購入客に提供する飲料調理方法を採用するものである。
【0011】
図1は、本発明の実施の形態に係るカップ式自動販売機として、原料と湯または水等の希釈液とからなる飲料をカップ内で調理して販売口から飲料購入客に提供するカップ式自動販売機の調理部の概略構成を示す。このカップ式自動販売機は、カップを供給するカップ供給装置1と、コーヒー、クリーム、砂糖等の粉末原料を供給する粉末原料供給装置2と、レモンシロップ等の液体原料を供給する液体原料供給装置3と、湯を供給する湯タンク4と、水や炭酸水等の希釈水を供給する希釈水供給装置5と、飲料水を製氷した氷を供給する製氷機6と、カップを支持するカップトレイ7Aおよびカップ側面を把持するカップ把持アーム7Bを有するカップ保持装置7と、カップ保持装置7を水平方向に搬送するカップ搬送装置8と、カップに供給された原料と希釈液を図示しない攪拌モータに回転軸で接続されている攪拌羽根9Aで攪拌する攪拌装置9と、調理済みのカップ飲料を飲料購入客に提供する図示しない販売口と、を有し、液体原料、水、炭酸水は図示しない冷却装置で冷却されて供給される。
【0012】
カップ搬送装置8は、駆動源としてのステッピングモータ81と、ステッピングモータ81によって駆動される無端ベルト82を設けており、無端ベルト82にカップ保持装置7を固定している。ステッピングモータ81は、図示しない販売制御部から出力されるパルス信号に基づいて回転し、無端ベルト82を駆動する。カップ保持装置7は、無端ベルト82の駆動に基づいて所定の位置に搬送される。
【0013】
なお、図1においては、説明を容易にするためにカップ保持装置7を往復方向に移動させるカップ搬送装置8を示しているが、実際のカップ式自動販売機では、省スペース化を実現するためにX方向(横方向)およびY方向(奥行き方向)にカップ保持装置7を自在に搬送させるカップ搬送装置が設けられる。
【0014】
攪拌装置9は、カップ保持装置7によって搬送されたカップに受容されている原料と希釈液からなる飲料を攪拌羽根9Aの回転により攪拌する。
【0015】
なお、符号A〜Iは、調理部を構成するそれぞれの装置の位置を示している。
【0016】
図2は、本発明のカップ式自動販売機の制御ブロック図を示し、カップ式自動販売機の前面パネル(図示せず)に設けた、カップ飲料の種類を選択するための飲料選択ボタン80と、選択されたカップ飲料を調理するための制御を行う販売制御部100(制御手段)と、販売制御部100からのパルス信号を受けてカップを搬送するカップ搬送装置8と、カップ式自動販売機の各部の制御データを格納するメモリ102と、基準クロック発生部(図示せず)で発生するクロックをカウントして計数を行うタイマ103を有する。メモリ102は各飲料毎の制御データを記憶していて、販売制御部100はメモリ102が記憶している制御データに基づいてカップ搬送装置8を制御してカップ飲料を調理するための各位置へカップを搬送する。タイマ103は、飲料選択ボタン80が選択されて選択信号が販売制御部100に出力されたとき、販売制御部100からの指示を受けてリセットされるとともにカップ飲料を調理するためのそれぞれの計数を行う。
【0017】
上記した実施の形態におけるカップ式自動販売機の構成により、例えば、ホットコーヒーを調理して販売するには、飲料購入客が貨幣を投入しホットコーヒーの飲料選択ボタン80が押されると、販売制御部100は、飲料選択ボタン80の表示に対応させて設定してあるカップ、原料および希釈液を供給、搬送、攪拌する信号を出力する。販売制御部100が信号を出力すると、カップ搬送装置8により、カップ保持装置7が待機位置(位置A)からカップ供給装置1の下方(位置B)に搬送されカップが供給される。カップ供給装置1から供給されたカップはカップトレイ7Aとカップ把持アーム7Bで保持され、カップ搬送装置8により適宜搬送されて行き、粉末原料供給装置2の下方(位置C)に搬送されるとクリーム、コーヒー、砂糖の供給を受け、次に湯タンク5の下方(位置E)に搬送されると湯が供給され、攪拌装置9の下方(位置H)に搬送されると攪拌羽根9Aの回転によりクリーム、コーヒー、砂糖と湯が攪拌されてホットコーヒーが出来上がる。調理が完了したホットコーヒー入りカップは販売口(位置I)に搬送され、飲料購入客により受け取られる。
【0018】
この販売動作について図3のフローチャートを参照して説明する。図3はカップ式自動販売機の動作を説明するフローチャートである。なお、符号A〜Iは図1の調理部を構成するそれぞれの装置の位置A〜Iに対応し、Aはカップ保持装置7の待機位置である。
【0019】
まず、飲料選択ボタン80が押されると(S1:YES)、カップ搬送装置8を制御して、カップ供給装置1の下方へカップ保持装置7を搬送する(S2)。カップ保持装置7がカップ供給装置1の位置Bへ停止するとカップ供給装置1からカップ保持装置7にカップを供給する(S3)。次に、カップ搬送装置8を制御して、カップ保持装置7を飲料購入客が選択した飲料の粉末原料を供給する粉末原料供給装置2の位置Cまで搬送すると(S4)、カップにクリーム、コーヒー、砂糖を供給する(S5)。
【0020】
次いで、カップ搬送装置8を制御して、カップ保持装置7を湯タンク4の位置Eまで搬送すると(S6)、カップに湯を供給する(S7)。更に、カップ搬送装置8を制御して、カップ保持装置7を攪拌装置9の位置Hに搬送すると(S8)、攪拌羽根9Aを回転させてクリーム、コーヒー、砂糖と湯とを攪拌し(S9)、これによりホットコーヒーが出来上がる。そして、カップ搬送装置8を制御して、調理が完了したホットコーヒー入りカップを販売口の位置Iに搬送し(S10)、販売口に載置する(S11)。
【0021】
以上のように、販売制御部100がカップ搬送装置8を制御することにより、飲料購入客が選択したカップ飲料が調理されて販売口に搬送され、飲料購入客がカップ飲料を取り出すことができる。
【0022】
次に、本発明の第1の実施形態によるカップ式自動販売機を適用したカップ搬送装置8の制御について図4のグラフを参照して説明する。図4はカップ保持装置7の搬送速度の変化を表すグラフである。ここでは、カップ保持装置7を位置Aに待機している状態から販売口の位置Iまで搬送する制御についてホットコーヒーを調理して販売する例を用いて説明する。なお、待機状態では販売制御部100はステッピングモータ81を回転するためのパルス信号を出力していない。
【0023】
まず、飲料選択ボタン80が押されると、販売制御部100からステッピングモータ81へ出力するパルス信号の単位時間当りのパルス数を最大パルス数まで急激に上昇させ、カップ保持装置7の搬送速度を高加速度で加速(例えば、0.5秒で最高速度まで加速する)させた後に等速搬送し、カップ保持装置7をカップ供給装置1の方向へ搬送する。販売制御部100が出力するパルス数がメモリ102に記憶している所定のパルス数に達すると販売制御部100が出力する単位時間当りのパルス数を急激に減少して搬送速度を高減速度で減速(例えば、0.5秒で停止するように減速する)させ、カップ供給装置1の位置Bでパルス信号の出力を停止してカップ保持装置7を停止させる。カップ保持装置7がカップ供給装置1の位置で停止するとカップ供給装置1からカップ保持装置7にカップを供給する。次に、カップを保持したカップ保持装置7をカップ供給装置1の位置Bへ搬送した動作と同じ搬送動作を繰り返し、粉末原料供給装置2の位置Cまで搬送するとクリーム、コーヒー、砂糖の供給を受け、湯タンク4の位置Eまで搬送すると湯の供給を受ける。
【0024】
カップが湯タンク4から湯の供給を受けると、販売制御部100からステッピングモータ81へ出力するパルス信号の単位時間当りのパルス数を最大パルス数まで徐々に上昇させ、カップ保持装置7の搬送速度を低加速度で加速(例えば、1秒で最高速度まで加速する)させた後に等速搬送し、カップ保持装置7を攪拌装置9の方向へ搬送する。販売制御部100が出力するパルス数がメモリ102に記憶している所定のパルス数に達すると販売制御部100が出力する単位時間当りのパルス数を徐々に減少して搬送速度を低減速度で減速(例えば、1秒で停止するように減速する)させ、攪拌装置9の位置Hでパルス信号の出力を停止してカップ保持装置7を停止させる。カップ保持装置7が攪拌装置9の位置に停止すると攪拌羽根9Aの回転によりクリーム、コーヒー、砂糖と湯が攪拌されてホットコーヒーが出来上がる。さらに、カップ保持装置7を攪拌装置9の位置Hへ搬送した動作と同じ搬送動作を繰り返し、調理が完了したホットコーヒー入りカップを販売口内の位置Iに搬送して載置する。
【0025】
以上の販売制御部100によるカップ搬送装置8の搬送速度の制御により、図4のグラフに示すように、カップ保持装置7の待機位置Aからカップに希釈液が供給される位置Eまでは、販売制御部100からステッピングモータ81へ出力するパルス信号の単位時間当りのパルス数を最大パルス数まで急激に上昇させ、カップ保持装置7の搬送速度を高加速度で加速させ、減速する際にも、販売制御部100が出力するパルス信号の単位時間当りのパルス数を急激に減少して搬送速度を高減速度で減速させて停止させ(第1の搬送速度)、カップに希釈液を供給してからは、販売制御部100からステッピングモータ81へ出力するパルス信号の単位時間当りのパルス数を最大パルス数まで徐々に上昇させ、カップ保持装置7の搬送速度を低加速度で加速させ、減速する際も、販売制御部100が出力するパルス信号の単位時間当りのパルス数を徐々に減少して搬送速度を低減速度で減速を行わせる(第2の搬送速度)。このようにカップ搬送装置8を制御することにより、カップに希釈液を供給する前はカップ保持装置7を高加速度で加速して、等速搬送時も高速で搬送し、減速する際にも高減速度で減速して停止する。また、カップに希釈液を供給した後は加速度と減速度を小さくし、カップの搬送開始時や搬送速度の変更時、また搬送停止時のカップに与える搬送速度の変化を少なくしたので、カップの搬送時間を短縮するとともに、カップに供給した希釈液や調理した飲料をこぼすことをなくすことができる。
【0026】
なお、カップ搬送装置8を駆動する駆動源として、販売制御部100が出力するパルス信号に基づいて回転するステッピングモータ81を使用した実施例で説明したが、モータ駆動軸の回転量に応じたパルスを販売制御部100に出力するエンコーダを備えたモータを使用して、エンコーダが出力するパルスに基づいてカップ搬送装置8の搬送速度を制御するようにしてもよい。
【0027】
また、ホットコーヒーを調理する実施例で説明したが、本発明は、他の粉末原料や液体原料と水、湯等の希釈液とからなる飲料を攪拌して混合する調理に適用できることはいうまでもない。
【0028】
次に、本発明の第2の実施形態によるカップ式自動販売機を適用した、販売制御部100によるカップ搬送装置8の制御を説明する。
【0029】
カップ式自動販売機のカップ搬送装置8が希釈液または調理した飲料入りカップを保持したカップ保持装置7を搬送すると、希釈液または調理した飲料がカップ内で搬送方向の後端と前端とを周期的に移動する現象が発生する。このカップ搬送時の飲料の搬送方向前後への移動の周期、つまり、共振周波数はカップサイズと飲料の量から決まってくる。また、使用するカップサイズと、カップに供給する飲料の原料と希釈液の量は、カップ式自動販売機では予め決められている。
【0030】
カップ搬送装置8が希釈液または調理した飲料入りカップを保持したカップ保持装置7を搬送(図1の表示で右方向)すると、カップ内の液面が移動して、図5に示すように液面がカップ内を搬送方向前後(図5の表示では左右)に移動する。そして、この液面の移動が大きくなると、飲料がカップからこぼれることになる。例えば、飲料の入っているカップを図5(a)の停止状態から右方向(図5に対し)に搬送すると、液面が図5(b)に示すようにカップ内の左側に移動し、このままカップを搬送し続けると左側に移動していた液面が図5(c)に示すように右側に移動する。この液面の搬送方向前後(図5の表示では左右)への移動はカップサイズと飲料の量から決まる共振周波数の周期で繰り返される。そして、この液面がカップ内の右側(図5に対し)に移動してきたときにカップを停止すると、右側に移動していた液体はそのまま右側に移動しようとする慣性によりさらに右側に移動して図5(d)に示すようにカップからこぼれてしまうことになる。
【0031】
この共振周波数は、例えば、9オンスサイズのカップを使用して150ccのホットコーヒーを調理する場合は約4Hzであることが実験結果から確認されている。図6はホットコーヒー入り9オンスサイズのカップを搬送したときにホットコーヒーが共振周波数4Hzでカップ内を搬送方向前後(図6の表示では左右)に移動している状態を示している。液面がカップ内の搬送方向前端(図6の表示では右端)に移動しているときにカップを停止すると、前端に移動している液体はそのまま搬送方向に移動しようとする慣性によりカップからこぼれてしまうことは先に説明したが、この図6の場合、図6(d)、図6(h)、図6(l)、図6(p)の状態でカップを停止すると飲料がカップからこぼれることになる。
【0032】
この共振周波数から飲料の移動の周期を求めることができる。その際の計算は、共振周波数をf(Hz)とすると、飲料の移動の周期Ts(秒)は、
Ts=1/f (1)
とする計算式で求めることができる。
【0033】
また、カップ内の飲料が搬送方向の一端から他端に移動する移動時間Ti(秒)は、
Ti=1/2・f (2)
とする計算式で求めることができる。
【0034】
さらに、カップから飲料がこぼれやすい停止時間T(秒)は、
T=n/2・f (3) (nは奇数1、3、5、7、・・・・)
とする計算式で求めることができる。
【0035】
そして、この共振周波数4Hzから停止時間Tを算出すると、
n=1のとき、1/2・4から0.125(秒)
n=3のとき、3/2・4から0.375(秒)
n=5のとき、5/2・4から0.625(秒)
n=7のとき、7/2・4から0.875(秒)
となる。
【0036】
このように、予め決められているカップサイズと飲料の量から共振周波数は決まるので、カップの搬送を停止させる時間をnが奇数の停止時間Tを除く時間にすることにより、カップの搬送を停止させたときに飲料がカップからこぼれることを防ぐことができる。
【0037】
また、Ts=1/fの計算式で求めた飲料の移動の周期Tsの倍数の時間でカップの搬送を停止させると、カップ内の飲料が搬送方向と逆方向に移動しているときにカップ搬送を停止するので、カップから飲料がこぼれることをより防ぐことができる。
【0038】
なお、停止しているカップを搬送し、停止させる実施例で説明したが、本発明は、図7に示すように、停止しているカップを加速して搬送し(T1)、その後に等速搬送し(T2)、減速して停止させる(T3)搬送に適用できることはいうまでもない。
【0039】
このようにカップの搬送速度を、加速状態から等速状態に移行するとき、また、等速状態から減速状態にするとき、さらに、減速状態から停止するときに、搬送時間がnが奇数の停止時間T以外の時間にすることにより、カップから飲料がこぼれることを防ぐことができる。
【0040】
なお、ホットコーヒーを調理する実施例で説明したが、本発明は、他の粉末原料や液体原料と水、湯等の希釈液とからなる飲料を攪拌して混合する調理に適用できることはいうまでもない。
【0041】
以上説明したように、カップに供給した原料にさらに希釈液を供給して調理した飲料を販売するカップ式自動販売機において、原料と希釈液をカップに供給するそれぞれの供給位置を経由するようにカップを搬送するカップ搬送装置8と、希釈液が供給される前と後で、カップ搬送装置8の搬送速度を変えるように制御する販売制御部100と、を設けたことにより、カップ搬送時の搬送時間を短縮しても希釈液や調理した飲料がカップからこぼれることのないカップ式自動販売機を提供することが可能になる。
【0042】
販売制御部100は、カップに希釈液が供給される前は、カップを高速で搬送し、カップに希釈液が供給された後は、カップに供給された希釈液がこぼれることがないように遅い速度で搬送するように、カップ搬送装置8の搬送速度を制御することにより、カップに希釈液が供給される前はカップ搬送時間短縮のために搬送速度を早くできるので、カップの搬送時間を短くすることが可能になる。
【0043】
カップに供給した原料にさらに希釈液を供給して調理した飲料を販売するカップ式自動販売機において、原料と希釈液をカップに供給するそれぞれの供給位置を経由するようにカップを搬送するカップ搬送装置8と、カップに供給された希釈液がカップ内で搬送方向に移動しているときを除いてカップ搬送装置8の搬送速度を減速させるように制御する販売制御部100と、を設けたことにより、カップから飲料がこぼれることを防ぐことができる。
【0044】
販売制御部100は、カップに供給された希釈液がカップ内で搬送方向と逆方向に移動しているときにカップ搬送装置8の搬送速度を減速させるように制御することにより、カップ内の飲料が搬送方向と逆方向に移動しているときにカップ搬送を停止するので、カップから飲料がこぼれることをより防ぐことが可能になる。
【0045】
【発明の効果】
本発明によれば、カップ搬送時の搬送時間を短縮しても希釈液や調理した飲料がカップからこぼれることのないカップ式自動販売機を提供することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のカップ式自動販売機を適用する調理部を示す概略構成図である。
【図2】本発明のカップ式自動販売機を適用する制御ブロックを示す図である。
【図3】本発明のカップ式自動販売機の動作を説明するフローチャートである。
【図4】本発明の第1の実施形態によるカップ式自動販売機のカップ保持装置の搬送速度を表すグラフである。
【図5】カップ搬送時の液面の移動状態を表すグラフである。
【図6】カップ搬送時の共振周波数4Hz時の液面の移動状態を表すグラフである。
【図7】本発明のカップ式自動販売機のカップ保持装置の搬送速度を表すグラフである。
【符号の説明】
1 カップ供給装置
2 粉末原料供給装置
3 液体原料供給装置
4 湯タンク
5 希釈水供給装置
6 製氷機
7 カップ保持装置
8 カップ搬送装置
9 攪拌装置
80 飲料選択ボタン
81 ステッピングモータ
82 無端ベルト
100 販売制御部
102 メモリ
103 タイマ
Claims (2)
- カップに供給した原料にさらに希釈液を供給して調理した飲料を販売するカップ式自動販売機において、
前記原料と希釈液を前記カップに供給するそれぞれの供給位置を経由するように前記カップを搬送するカップ搬送装置と、
前記カップに供給された希釈液が前記カップ内で搬送方向に移動しているときを除いて前記カップ搬送装置の搬送速度を減速させるように制御する制御手段と、を設けたことを特徴とするカップ式自動販売機。 - 前記制御手段は、前記カップに供給された希釈液が前記カップ内で搬送方向と逆方向に移動しているときに前記カップ搬送装置の搬送速度を減速させるように制御することを特徴とする請求項1記載のカップ式自動販売機。
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