JP4830122B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置および表示装置 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置および表示装置 Download PDF

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Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子、照明装置、表示装置に関する。
従来、有機材料を発光体として用いた有機エレクトロルミネッセンス素子は、様々な検討が行われてきたが、発光効率が非常に悪く本格的な実用化研究には至らなかった。しかし、1987年にコダック社のC.W.Tangらにより、有機材料をホール輸送層と発光層の2層に分けた機能分離型の積層構造を有する有機エレクトロルミネッセンスが提案され、このものでは10V以下の低電圧にも関わらず、1000cd/m2以上の高い発光輝度が得られることが明らかになった。そしてこれ以降、有機エレクトロルミネッセンス素子が注目されはじめ、活発な研究が行われるようになった。
このような研究開発がなされた結果、現在では有機エレクトロルミネッセンス素子は、10V程度の低電圧で100〜100000cd/m2程度の高輝度の面発光が可能となり、また蛍光物質の種類を選択することにより青色から赤色までのフルカラー化や白色発光が可能となっている。青や緑色材料については発光効率、寿命特性ともに十分なものが開発されてきているが、赤色材料及び白色発光素子においては発光効率や寿命の更なる向上が望まれている中で、白色発光素子においてもこれまで多数の報告がなされている。
白色発光を得る方法としては、一般に、R,G,B3波長からの発光を用いる方法と、青と黄または青緑と橙の補色関係の2波長の発色を用いる方法がある。3波長方式の場合、低分子系ではp−EtTAZ(トリアゾール誘導体)のキャリアブロック層を用い、R,G,B3波長白色発光により、また高分子系のPVK(ポリビニルカルバゾール)、電子輸送剤PBD(オキサジアゾール誘導体)と4種類の色素を用い高効率の白色発光が可能であることが報告されている。また、2波長方式においても、高輝度を達成したいくつかの白色素子が報告されている。更に、これらの白色素子をさらに高効率化し、長寿命化を達成した素子が報告されている。(例えば、特許文献1参照。)
しかしながら、上記の素子は、まだ輝度効率特性が低く、寿命特性においても実用化の観点から十分とはいえず、また、各発光物質の効率や寿命(劣化)など挙動が異なることから、発光素子のレベルでみたときには、各々赤、緑、青等に発光する別々の素子の集合体で構成されるのが通常であり、そのために各素子をアレイ状に配置しなければならず、作製プロセスが複雑になるという問題もあった。
白色発光素子の照明用途への応用や他方式ディズプレイ、例えばLCD(液晶ディスプレイ)等への応用を考えた場合、素子自体が白色に発光することや、作製プロセスが簡単であること、また更なる低消費電力、高発光効率化が必要である。
有機エレクトロルミネッセンス素子においては、従来、高効率化のために、有機発光材料の蛍光の量子収率を高めて、量子効率を向上させるアプローチや、発光素子構造を改善して素子の低電圧駆動化を実現するアプローチなどが数多く検討されてきているが、近年、プリンストン大から励起三重項からの燐光発光を用いる有機EL素子が報告され、室温で燐光を示す材料の研究が活発になってきている(例えば、非特許文献1参照。特許文献2参照。)。
従来、ドープされる微量の蛍光体からの発光は、励起一重項からの発光であり、励起一重項からの発光を用いる場合、一重項励起子と三重項励起子の生成比が1:3であるため発光性励起種の生成確率が25%であることと、光の取り出し効率が約20%であるため、外部取り出し量子効率(ηext)の限界は5%とされているが、励起三重項を使用すると、内部量子効率の上限が100%となるため、これまでの励起一重項からの発光を用いる場合に比べて原理的に発光効率が最大4倍となり、冷陰極管とほぼ同等の性能が得られ照明用にも応用可能であり注目されている。
燐光性化合物をドーパントとして用いるときのホストは、燐光性化合物の発光極大波長よりも短波な領域に発光極大波長を有することが必要であることはもちろんであるが、その他にも満たすべき条件があることが分かってきており、では、燐光性化合物についていくつかの報告がなされている。(例えば、非特許文献2参照。)
例えば、Ikaiらはホール輸送性の化合物を燐光性化合物のホストとして用いている。又、M.E.Tompsonらは、各種電子輸送性材料を燐光性化合物のホストとして、これらに新規なイリジウム錯体をドープして用いている。更に、Tsutsuiらは、ホールブロック層の導入により高い発光効率を得ている。
また、複数のドーパントとホスト化合物を用いて有機エレクトロルミネッセンス素子を構成することにより、発光色の白色度や発光輝度に優れ、また発光寿命等、前記の欠点を改善した素子が報告されている。(例えば、特許文献3参照。)
更にまた、本発明は、更なる発光色の白色度や発光輝度に優れ、発光寿命を向上させた白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子を得ようとするものである。
特開2002−164170号公報 米国特許第6,097,147号明細書 特開2004−253298号公報 M.A.Baldo et al.,nature、395巻、151〜154頁(1998年) The 10th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL’00、浜松)
本発明の目的は、高効率、長寿命な白色発光有機エレクトロルミネッセンス素子、該素子を具備してなる照明装置、表示装置を提供することである。
本発明の上記目的は下記の構成1〜18により達成された。
1.陽極と陰極との間に少なくとも一つの発光層及び少なくとも一層の電子輸送層を有する白色有機エレクトロルミネッセンス素子において、
該電子輸送層が下記一般式(1)で表される化合物を含有し、且つ、該発光層が2種以上のリン光ドーパントを有し、該リン光ドーパントがイリジウム化合物であることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。但し、該一般式(1)で表される化合物から下記一般式(1−10)で表される化合物を除く。
Figure 0004830122
〔式中、Zピリジン環またはピリミジン環を表し、Zは、ピリジン環またはベンゼン環を表し、Zは、単なる結合手を表す。R101は、水素原子または置換基を表す。〕
Figure 0004830122
〔式中、Rは、水素原子または置換基を表す。また、複数のRは、各々同一でもよく、異なっていてもよい。〕
2.前記一般式(1)で表される化合物が、分子量450以上であることを特徴とする前記1に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−1)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R501〜R507は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
4.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−2)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R511〜R517は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
5.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−3)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R521〜R527は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
6.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−4)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R531〜R537は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
7.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−5)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R541〜R548は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
8.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−6)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R551〜R558は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
9.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−7)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R561〜R567は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
10.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−8)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R571〜R577は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
11.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−9)で表されることを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、Rは、水素原子または置換基を表す。また、複数のRは、各々同一でもよく、異なっていてもよい。〕
12.前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2−1)〜(2−8)のいずれかで表される基を少なくとも一つ有することを特徴とする前記1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
Figure 0004830122
〔式中、R502〜R507、R512〜R517、R522〜R527、R532〜R537、R542〜R548、R552〜R558、R562〜R567、R572〜R577は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、該置換基は各々同一でもよく、異なっていてもよい。〕
13.480nm以下の0−0バンドを持つ蛍光性ドーパントを有することを特徴とする前記1〜12のいずれか1種に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
14.前記リン光ドーパントの少なくとも1つが、480nm以下の0−0バンドを持つりん光性ドーパントであることを特徴とする前記1〜13のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
15.前記一般式(1)で表される化合物が発光層に含有されることを特徴とする前記1〜14のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
16.前記1〜15のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
17.前記1〜15のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
18.前記17に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えたことを特徴とする表示装置。
本発明により、高効率、長寿命な発光有機エレクトロルミネッセンス素子、該素子を具備してなる照明装置、表示装置を提供することが出来た。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機El素子ともいう)においては、請求項1〜36のいずれか1項に各々規定される構成にすることにより、外部取りだし収率が高く、且つ、長寿命である有機EL素子を得ることが出来た。また、前記特性を示す有機EL素子を用いて、高輝度、長寿命の照明装置、表示装置を得ることができた。
以下、本発明に係る各構成要素の詳細について、順次説明する。
本発明者等は、従来公知の有機EL素子の種々の問題点を鋭意検討した結果、陰極と陽極との間に少なくとも下記一般式(1)で表される化合物を含有する構成層を有し、且つ、発光層が、2種以上のドーパント(発光性ドーパントともいう)を有するように調整することにより、外部取りだし収率が高く、且つ、長寿命である有機EL素子を得ることに成功した。
《ドーパント》
本発明に係るドーパントについて説明する。
本発明の有機EL素子においては、構成層である発光層(発光層については、後に詳細に説明する)に、2種類以上のドーパントが含まれることが特徴である。
本発明の有機EL素子の発光層には、後述するようにホスト化合物とドーパント(ドーパント化合物、発光性ドーパントともいう)が含まれることが好ましく、また、ドーパントとしては、蛍光性ドーパント(蛍光発光性ドーパントともいう)、リン光性ドーパント(リン光発光性ドーパントともいう)等が挙げられる。
発光層中のホスト化合物(発光ホスト)に対するドーパントとの混合比は好ましくは質量で0.1質量%〜30質量%未満の範囲に調整することである。
ここで、本発明における「リン光性ドーパント」とは励起三重項からの発光が観測される化合物であり、リン光量子収率が、25℃において0.001以上の化合物である。リン光量子収率は好ましくは0.01以上、さらに好ましくは0.1以上である。上記リン光量子収率は、第4版実験化学講座7の分光IIの398頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定できる。溶液中でのリン光量子収率は種々の溶媒を用いて測定できるが、本発明に用いられるリン光発光性化合物は、任意の溶媒の何れかにおいて上記リン光量子収率が達成されれば良い。
また、本発明における「蛍光発光性ドーパント」についても、上記リン光発光性ドーパントと同様に定義される。
また、本発明に係る、蛍光性ドーパントとしては、蛍光性ドーパントの少なくとも1つが、480nm以下の0−0バンドを持つ蛍光性ドーパントであることが好ましく、また、リン光性ドーパントとしては、前記蛍光性ドーパントの少なくとも1つが、480nm以下の0−0バンドを持つりん光性ドーパントであることが好ましい。
また、本発明の有機EL素子に係る発光層は、後述する一般式(1)で表される化合物の少なくとも1種と上記のリン光性ドーパント及び/または蛍光性ドーパントを含むことが好ましい。
《0−0バンドの測定方法》
本発明におけるリン光の0−0バンドの測定方法について説明する。
まず、リン光スペクトルの測定方法について説明する。
測定する発光ホスト化合物を、よく脱酸素されたエタノール/メタノール=4/1(vol/vol)の混合溶媒に溶かし、リン光測定用セルに入れた後液体窒素温度77°Kで励起光を照射し、励起光照射後100msでの発光スペクトルを測定する。リン光は蛍光に比べ発光寿命が長いため、100ms後に残存する光はほぼリン光であると考えることができる。なお、リン光寿命が100msより短い化合物に対しては遅延時間を短くして測定しても構わないが、蛍光と区別できなくなるほど遅延時間を短くしてしまうとリン光と蛍光が分離できないので問題となるため、その分離が可能な遅延時間を選択する必要がある。
また、上記溶剤系で溶解できない化合物については、その化合物を溶解しうる任意の溶剤を使用してもよい(実質上、上記測定法ではリン光波長の溶媒効果はごくわずかなので問題ない)。
次に0−0バンドの求め方であるが、本発明においては、上記測定法で得られたリン光スペクトルチャートのなかで最も短波長側に現れる発光極大波長をもって0−0バンドと定義する。
リン光スペクトルは通常強度が弱いことが多いため、拡大するとノイズとピークの判別が難しくなるケースがある。このような場合には励起光照射直後の発光スペクトル(便宜上これを定常光スペクトルと言う)を拡大し、励起光照射後100ms後の発光スペクトル(便宜上これをリン光スペクトルと言う)と重ねあわせリン光スペクトルに由来する定常光スペクトル部分からピーク波長を読みとることで決定することができる。また、リン光スペクトルをスムージング処理することでノイズとピークを分離しピーク波長を読みとることもできる。なお、スムージング処理としては、Savitzky&Golayの平滑化法等を適用することができる。
また、本発明に係る、蛍光の0−0バンドについても、同様に測定することが出来る。
(リン光性ドーパントの具体例)
リン光性化合物の発光は、原理としては2種挙げられ、一つはキャリアが輸送されるホスト化合物上でキャリアの再結合が起こってホスト化合物の励起状態が生成し、このエネルギーをリン光性化合物に移動させることでリン光性化合物からの発光を得るというエネルギー移動型、もう一つはリン光性化合物がキャリアトラップとなり、リン光性化合物上でキャリアの再結合が起こりリン光性化合物からの発光が得られるというキャリアトラップ型であるが、いずれの場合においても、リン光性化合物の励起状態のエネルギーはホスト化合物の励起状態のエネルギーよりも低いことが条件である。
リン光性化合物は、有機EL素子の発光層に使用される公知のものの中から適宜選択して用いることができる。
本発明に係るリン光性ドーパントとしては、好ましくは元素の周期律表で8族の金属を含有する錯体系化合物であり、更に好ましくは、イリジウム化合物、オスミウム化合物、または白金化合物(白金錯体系化合物)、希土類錯体であり、中でも最も好ましいのはイリジウム化合物、白金化合物である。
以下に、リン光性化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。これらの化合物は、例えば、Inorg.Chem.40巻、1704〜1711に記載の方法等により合成できる。
Figure 0004830122
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また、上記以外にも、具体的には、Y.Wang et al.,Appl.Phys.Lett.,第79巻、4号、449−451ページ(2001年)、C.Adachi et al.,第79巻、13号、2082−2084ページ(2001年)等に記載の化合物がある。配位子としては、りん光0−0バンドが480nm以下となるような分子設計が行われことが好ましく、それを達成するための具体的な手段としては、フッ素原子やトリフルオロメチル基等の電子吸引基を導入する方法、嵩高い置換基の導入によるねじれ構造を導入する方法、配位子の芳香環どうしの連結基としてアルキレン鎖を導入する方法等が考えられる。
(蛍光性ドーパントの具体例)
本発明に係る蛍光性ドーパントの中で、480nm以下に0−0バンドを有する蛍光性ドーパントの具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004830122
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《一般式(1)で表される化合物》
本発明に係る一般式(1)で表される化合物について説明する。
本発明者等は、鋭意検討の結果、前記一般式(1)で表される化合物を用いた有機EL素子は、発光効率が高くなることを見出した。更に、前記一般式(1)で表される化合物を用いた有機EL素子は、長寿命となることを見出した。
また、本発明に記載の効果をより好ましく得る観点からは、前記一般式(1)で表される化合物は、後述する発光層または正孔阻止層に含有されることが好ましい。
前記一般式(1)において、Z1は置換基を有してもよい芳香族複素環を表し、Z2は置換基を有してもよい芳香族複素環、もしくは芳香族炭化水素環を表し、Z3は2価の連結基、もしくは単なる結合手を表す。R101は水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1)において、Z1、Z2で表される芳香族複素環としては、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子が更に窒素原子で置換されている環等が挙げられる。更に、前記芳香族複素環は、後述するR101で表される置換基を有してもよい。
前記一般式(1)において、Z2で表される芳香族炭化水素環としては、ベンゼン環、ビフェニル環、ナフタレン環、アズレン環、アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環、クリセン環、ナフタセン環、トリフェニレン環、o−テルフェニル環、m−テルフェニル環、p−テルフェニル環、アセナフテン環、コロネン環、フルオレン環、フルオラントレン環、ナフタセン環、ペンタセン環、ペリレン環、ペンタフェン環、ピセン環、ピレン環、ピラントレン環、アンスラアントレン環等が挙げられる。更に、前記芳香族炭化水素環は、後述するR101で表される置換基を有してもよい。
一般式(1)において、R101で表される置換基としては、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、オクチル基、ドデシル基、トリデシル基、テトラデシル基、ペンタデシル基等)、シクロアルキル基(例えば、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等)、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基等)、アルキニル基(例えば、エチニル基、プロパルギル基等)、アリール基(例えば、フェニル基、ナフチル基等)、芳香族複素環基(例えば、フリル基、チエニル基、ピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、トリアジニル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、チアゾリル基、キナゾリニル基、フタラジニル基等)、複素環基(例えば、ピロリジル基、イミダゾリジル基、モルホリル基、オキサゾリジル基等)、アルコキシル基(例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、オクチルオキシ基、ドデシルオキシ基等)、シクロアルコキシル基(例えば、シクロペンチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基等)、アリールオキシ基(例えば、フェノキシ基、ナフチルオキシ基等)、アルキルチオ基(例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、オクチルチオ基、ドデシルチオ基等)、シクロアルキルチオ基(例えば、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基等)、アリールチオ基(例えば、フェニルチオ基、ナフチルチオ基等)、アルコキシカルボニル基(例えば、メチルオキシカルボニル基、エチルオキシカルボニル基、ブチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等)、アリールオキシカルボニル基(例えば、フェニルオキシカルボニル基、ナフチルオキシカルボニル基等)、スルファモイル基(例えば、アミノスルホニル基、メチルアミノスルホニル基、ジメチルアミノスルホニル基、ブチルアミノスルホニル基、ヘキシルアミノスルホニル基、シクロヘキシルアミノスルホニル基、オクチルアミノスルホニル基、ドデシルアミノスルホニル基、フェニルアミノスルホニル基、ナフチルアミノスルホニル基、2−ピリジルアミノスルホニル基等)、アシル基(例えば、アセチル基、エチルカルボニル基、プロピルカルボニル基、ペンチルカルボニル基、シクロヘキシルカルボニル基、オクチルカルボニル基、2−エチルヘキシルカルボニル基、ドデシルカルボニル基、フェニルカルボニル基、ナフチルカルボニル基、ピリジルカルボニル基等)、アシルオキシ基(例えば、アセチルオキシ基、エチルカルボニルオキシ基、ブチルカルボニルオキシ基、オクチルカルボニルオキシ基、ドデシルカルボニルオキシ基、フェニルカルボニルオキシ基等)、アミド基(例えば、メチルカルボニルアミノ基、エチルカルボニルアミノ基、ジメチルカルボニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ペンチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルカルボニルアミノ基、2−エチルヘキシルカルボニルアミノ基、オクチルカルボニルアミノ基、ドデシルカルボニルアミノ基、フェニルカルボニルアミノ基、ナフチルカルボニルアミノ基等)、カルバモイル基(例えば、アミノカルボニル基、メチルアミノカルボニル基、ジメチルアミノカルボニル基、プロピルアミノカルボニル基、ペンチルアミノカルボニル基、シクロヘキシルアミノカルボニル基、オクチルアミノカルボニル基、2−エチルヘキシルアミノカルボニル基、ドデシルアミノカルボニル基、フェニルアミノカルボニル基、ナフチルアミノカルボニル基、2−ピリジルアミノカルボニル基等)、ウレイド基(例えば、メチルウレイド基、エチルウレイド基、ペンチルウレイド基、シクロヘキシルウレイド基、オクチルウレイド基、ドデシルウレイド基、フェニルウレイド基ナフチルウレイド基、2−ピリジルアミノウレイド基等)、スルフィニル基(例えば、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、2−エチルヘキシルスルフィニル基、ドデシルスルフィニル基、フェニルスルフィニル基、ナフチルスルフィニル基、2−ピリジルスルフィニル基等)、アルキルスルホニル基(例えば、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、ブチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、2−エチルヘキシルスルホニル基、ドデシルスルホニル基等)、アリールスルホニル基(フェニルスルホニル基、ナフチルスルホニル基、2−ピリジルスルホニル基等)、アミノ基(例えば、アミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ブチルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ドデシルアミノ基、アニリノ基、ナフチルアミノ基、2−ピリジルアミノ基等)、ハロゲン原子(例えば、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等)、フッ化炭化水素基(例えば、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、ペンタフルオロフェニル基等)、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基、メルカプト基、シリル基(例えば、トリメチルシリル基、トリイソプロピルシリル基、トリフェニルシリル基、フェニルジエチルシリル基等)、等が挙げられる。
これらの置換基は、上記の置換基によって更に置換されていてもよい。また、これらの置換基は複数が互いに結合して環を形成していてもよい。
好ましい置換基としては、アルキル基、シクロアルキル基、フッ化炭化水素基、アリール基、芳香族複素環基である。
2価の連結基としては、アルキレン、アルケニレン、アルキニレン、アリーレンなどの炭化水素基のほか、ヘテロ原子を含むものであってもよく、また、チオフェン−2,5−ジイル基や、ピラジン−2,3−ジイル基のような、芳香族複素環を有する化合物(ヘテロ芳香族化合物ともいう)に由来する2価の連結基であってもよいし、酸素や硫黄などのカルコゲン原子であってもよい。また、アルキルイミノ基、ジアルキルシランジイル基やジアリールゲルマンジイル基のような、ヘテロ原子を会して連結する基でもよい。
単なる結合手とは、連結する置換基同士を直接結合する結合手である。
本発明においては、前記一般式(1)のZ1が6員環であることが好ましい。これにより、より発光効率を高くすることができる。更に、一層長寿命化させることができる。
また、本発明においては、前記一般式(1)のZ2が6員環であることが好ましい。これにより、より発光効率を高くすることができる。更に、より一層長寿命化させることができる。
更に、前記一般式(1)のZ1とZ2を共に6員環とすることで、より一層発光効率と高くすることができるので好ましい。更に、より一層長寿命化させることができるので好ましい。
前記一般式(1)で表される化合物で好ましいのは、前記一般式(1−1)〜(1−13)で各々表される化合物である。
前記一般式(1−1)において、R501〜R507は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−1)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−2)において、R511〜R517は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−2)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−3)において、R521〜R527は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−3)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−4)において、R531〜R537は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−4)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−5)において、R541〜R548は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−5)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−6)において、R551〜R558は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−6)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−7)において、R561〜R567は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−7)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−8)において、R571〜R577は、各々独立に、水素原子、もしくは置換基を表す。
前記一般式(1−8)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−9)において、Rは、水素原子、もしくは置換基を表す。また、複数のRは、各々同一でもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(1−9)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(1−10)において、Rは、水素原子、もしくは置換基を表す。また、複数のRは、各々同一でもよく、異なっていてもよい。
前記一般式(1−10)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、長寿命の有機EL素子とすることができる。
また、前記一般式(1)で表される化合物で好ましいものは、前記一般式(2−1)〜(2−8)のいずれかで表される基を少なくとも一つを有する化合物である。特に、分子内に前記一般式(2−1)〜(2−8)のいずれかで表される基を2つから4つ有することがより好ましい。このとき、前記一般式(1)で表される構造において、R101を除いた部分が、前記一般式(2−1)〜(2−8)に置き換わる場合を含む。
このとき、特に前記一般式(3)〜(17)で表される化合物であることが本発明の効果を得る上で好ましい。
前記一般式(3)において、R601〜R606は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R601〜R606の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(3)で表される化合物を用いることにより、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(4)において、R611〜R620は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R611〜R620の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(4)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(5)において、R621〜R623は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R611〜R620の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(5)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(6)において、R631〜R645は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R631〜R645の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(6)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(7)において、R651〜R656は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R651〜R656の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。naは0〜5の整数を表し、nbは1〜6の整数を表すが、naとnbの和が6である。
前記一般式(7)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(8)において、R661〜R672は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R661〜R672の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(8)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(9)において、R681〜R688は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R681〜R688の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(9)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(10)において、R691〜R700は、水素原子、もしくは置換基を表すが、R691〜R700の少なくとも一つは前記一般式(2−1)〜(2−4)のいずれかで表される基を表す。
前記一般式(10)において、L1で表される2価の連結基としては、アルキレン基(例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、プロピレン基、エチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基、2,2,4−トリメチルヘキサメチレン基、ヘプタメチレン基、オクタメチレン基、ノナメチレン基、デカメチレン基、ウンデカメチレン基、ドデカメチレン基、シクロヘキシレン基(例えば、1,6−シクロヘキサンジイル基等)、シクロペンチレン基(例えば、1,5−シクロペンタンジイル基など)等)、アルケニレン基(例えば、ビニレン基、プロペニレン基等)、アルキニレン基(例えば、エチニレン基、3−ペンチニレン基等)、アリーレン基などの炭化水素基のほか、ヘテロ原子を含む基(例えば、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基、−N(R)−基、ここで、Rは、水素原子またはアルキル基を表し、該アルキル基は、前記一般式(1)において、R101で表されるアルキル基と同義である)等が挙げられる。
また、上記のアルキレン基、アルケニレン基、アルキニレン基、アリーレン基の各々においては、2価の連結基を構成する炭素原子の少なくとも一つが、カルコゲン原子(酸素、硫黄等)や前記−N(R)−基等で置換されていても良い。
更に、L1で表される2価の連結基としては、例えば、2価の複素環基を有する基が用いられ、例えば、オキサゾールジイル基、ピリミジンジイル基、ピリダジンジイル基、ピランジイル基、ピロリンジイル基、イミダゾリンジイル基、イミダゾリジンジイル基、ピラゾリジンジイル基、ピラゾリンジイル基、ピペリジンジイル基、ピペラジンジイル基、モルホリンジイル基、キヌクリジンジイル基等が挙げられ、また、チオフェン−2,5−ジイル基や、ピラジン−2,3−ジイル基のような、芳香族複素環を有する化合物(ヘテロ芳香族化合物ともいう)に由来する2価の連結基であってもよい。
また、アルキルイミノ基、ジアルキルシランジイル基やジアリールゲルマンジイル基のようなヘテロ原子を会して連結する基であってもよい。
前記一般式(10)で表される化合物を用いることで、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より長寿命の有機EL素子とすることができる。
前記一般式(11)〜一般式(15)で各々表される化合物において、R1、R2で各々表される置換基としては、前記一般式(1)において、R101で表される置換基と同時である。
前記一般式(15)において、Z1、Z2、Z3、Z4で各々表される、各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
前記一般式(16)において、Z1、Z2で各々表される、各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
前記一般式(16)において、Ar1、Ar2で各々表されるアリーレン基としては、o−フェニレン基、m−フェニレン基、p−フェニレン基、ナフタレンジイル基、アントラセンジイル基、ナフタセンジイル基、ピレンジイル基、ナフチルナフタレンジイル基、ビフェニルジイル基(例えば、3,3′−ビフェニルジイル基、3,6−ビフェニルジイル基等)、テルフェニルジイル基、クアテルフェニルジイル基、キンクフェニルジイル基、セキシフェニルジイル基、セプチフェニルジイル基、オクチフェニルジイル基、ノビフェニルジイル基、デシフェニルジイル基等が挙げられる。また、前記アリーレン基は更に後述する置換基を有していてもよい。
前記一般式(16)において、Ar1、Ar2で各々表される2価の芳香族複素環基は、フラン環、チオフェン環、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環、トリアジン環、ベンゾイミダゾール環、オキサジアゾール環、トリアゾール環、イミダゾール環、ピラゾール環、チアゾール環、インドール環、ベンゾイミダゾール環、ベンゾチアゾール環、ベンゾオキサゾール環、キノキサリン環、キナゾリン環、フタラジン環、カルバゾール環、カルボリン環、カルボリン環を構成する炭化水素環の炭素原子が更に窒素原子で置換されている環等から導出される2価の基等が挙げられる。更に、前記芳香族複素環基は、前記R101で表される置換基を有してもよい。
前記一般式(16)において、Lで表される2価の連結基としては、前記一般式(10)において、L1で表される2価の連結基と同義であるが、好ましくはアルキレン基、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基であり、もっとも好ましくはアルキレン基である。
前記一般式(17)において、Ar1、Ar2で、各々表されるアリーレン基は、前記一般式(16)において、Ar1、Ar2で各々表されるアリーレン基と同義である。
前記一般式(17)において、Ar1、Ar2で各々表される芳香族複素環基は、前記一般式(16)において、Ar1、Ar2で各々表される2価の芳香族複素環基と同義である。
前記一般式(17)において、Z1、Z2、Z3、Z4で各々表される、各々窒素原子を少なくとも一つ含む6員の芳香族複素環としては、例えば、ピリジン環、ピリダジン環、ピリミジン環、ピラジン環等が挙げられる。
前記一般式(17)において、Lで表される2価の連結基としては、前記一般式(10)において、L1で表される2価の連結基と同義であるが、好ましくはアルキレン基、−O−、−S−等のカルコゲン原子を含む2価の基であり、もっとも好ましくはアルキレン基である。
以下に、本発明に係る一般式(1)で表される化合物の具体例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
Figure 0004830122
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以下に、本発明に係る化合物の代表的な合成例を示すが、本発明はこれらに限定されない。
《例示化合物73の合成》
Figure 0004830122
4,4′−ジヨードビフェニル6.87g、β−カルボリン6.00gをN,N−ジメチルアセトアミド50ml中に添加した混合液に、銅粉4.5g、炭酸カリウム7.36gを加え、15時間加熱還流した。放冷後水クロロホルムを加え、不溶物を濾去した。有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗浄した後、減圧下に濃縮し、得られた残渣を酢酸に溶解し、活性炭処理後、再結晶して,例示化合物73の無色結晶4.2gを得た。
例示化合物73の構造は1H−NMRスペクトル及び質量分析スペクトルによって確認した。例示化合物73の物性データ、スペクトルデータを下記に示す。
無色結晶、融点200℃
MS(FAB)m/z:487(M+1
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ/ppm 7.3−7.5(m、2H)、7.5−7.6(m,4H)、7.7−7.8(m,4H)、7.9−8.0(m,4H)、8.06(d,J=5.1Hz,2H)、8.24(d,J=7.8Hz,2H)、8.56(d,J=5.1Hz,2H)、8.96(s,2H)
《例示化合物74の合成》
Figure 0004830122
酢酸パラジウム0.32g、トリ−tert−ブチルホスフィン1.17gを無水トルエン10mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム50mgを添加し、室温で10分間攪拌した後、δ−カルボリン5.00g、4,4′−ジヨードビフェニル5.87g、ナトリウム−tert−ブトキシド3.42gを無水キシレン50ml中に分散し、窒素雰囲気下、還流温度にて10時間撹拌した。得られた反応混合物を放冷後クロロホルムと水を加えて有機層を分離し、有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後、減圧下に濃縮し、得られた残渣をテトラヒドロフランに溶解し、活性炭処理を施した後、再結晶して例示化合物74の無色結晶5.0gを得た。
例示化合物74の構造は1H−NMRスペクトル及び質量分析スペクトルによって確認した。例示化合物74の物性データ、スペクトルデータを下記に示す。
MS(FAB)m/z:487(M+1
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ/ppm 7.37(dd,J=4.7Hz,J=8.3Hz,2H)、7.4−7.5(m,2H)、7.5−7.6(m,4H)、7.7−7.8(m,4H)、7.81(dd,J=1.2Hz,J=8.3Hz,2H)、7.9−8.0(m,4H)、8.48(d,J=7.8Hz,2H),8.65(dd,J=1.2Hz,J=4.6Hz,2H)
《例示化合物60の合成》
Figure 0004830122
4,4′−ジヨードビフェニル6.87g、γ−カルボリン6.00gをN,N−ジメチルアセトアミド50ml中に添加した混合液に、銅粉4.5g、炭酸カリウム7.36gを加え、15時間加熱還流した。放冷後水クロロホルムを加え、不溶物を濾去した。有機層を分離し、水、飽和食塩水で洗浄した後、減圧下に濃縮し、得られた残渣をシリカゲルクロマトグラフィーに付した後、ジクロロメタン/シクロヘキサン中で結晶化させ、例示化合物60の無色結晶4.3gを得た。
例示化合物60の構造は、1H−NMRスペクトル及び質量分析スペクトルによって確認した。例示化合物60の物性データ、スペクトルデータを下記に示す。
MS(FAB)m/z:487(M+1
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ/ppm 7.4−7.4(m,4H)、7.4−7.5(m,4H)、7.7−7.8(m,4H)7.9−8.0(m,4H)、8.25(d,J=7.8Hz,2H)、8.57(d,J=5.6Hz,2H)、9.42(s,1H)
《例示化合物144の合成》
Figure 0004830122
酢酸パラジウム0.16g、トリ−tert−ブチルホスフィン0.58gを無水トルエン10mlに溶解し、水素化ホウ素ナトリウム25mgを添加し、室温で10分間攪拌した後、δ−カルボリン2.00g、中間体a3.20g、ナトリウム−tert−ブトキシド1.37gを無水キシレン50ml中に分散し、窒素雰囲気下、還流温度にて10時間撹拌した。放冷後クロロホルムと水を加えて有機層を分離し、有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後減圧下に濃縮し、得られた残渣を酢酸から再結晶して例示化合物144の無色結晶1.5gを得た。
例示化合物144の構造は、1H−NMRスペクトル及び質量分析スペクトルによって確認した。例示化合物144のスペクトルデータは以下の通りである。
MS(FAB)m/z:647(M+1
1H−NMR(400MHz,CDCl3) δ/ppm 1.80(S,12H)、7.27(S,4H)、7.34(dd,J=4.9Hz,J=8.3Hz,2H)、7.3−7.4(m,2H)、7.4−7.5(m,12H)、7.76(dd,J=1.3Hz,J=8.3Hz、2H)、8.45(d,J=7.8Hz,2H)、8.63(dd,J=1.3Hz,J=4.9Hz,2H)
《例示化合物143の合成》
Figure 0004830122
4,4′−ジクロロ−3,3′−ビピリジル0.85g、ジアミンb0.59g、ジベンジリデンアセトンパラジウム44mg、イミダゾリウム塩36mg、ナトリウム−tert−ブトキシド1.09gをジメトキシエタン5mlに添加し、80℃で24時間加温攪拌した。放冷後クロロホルムと水を加えて有機層を分離し、有機層を、水、飽和食塩水で洗浄した後減圧下に濃縮し、得られた残渣を酢酸エチルから再結晶して例示化合物143の無色結晶0.3gを得た。
例示化合物143の構造は、1H−NMRスペクトル及び質量分析スペクトルによって確認した。例示化合物143のスペクトルデータを下記に示す。
MS(FAB)m/z 639(M+1
1H−NMR(400MHz,CDCl3):δ/ppm 7.46(d,J=5.7Hz,4H)、7.6−7.7(m,4H)、7.8−7.9(m,4H)、8.67(d,J=5.7Hz,4H)、9.51(S,4H)
《例示化合物145の合成》
例示化合物143の合成において、4,4′−ジクロロ−3,3′−ビピリジルの一方のピリジン環をベンゼンに変更した、3−(2−クロロフェニル)−4−クロロピリジンを用いた以外は同様にして、例示化合物145を合成した。
例示化合物145の構造は、1H−NMRスペクトル及び質量分析スペクトルによって確認した。例示化合物145のスペクトルデータを下記に示す。
MS(FAB)m/z 637(M+1
1H−NMR(400MHz,CDCl3) δ/ppm 7.3−7.4(m,2H)、7.6−7.7(m,4H)、7.7−7.8(m,4H)7.8−7.9(m,4H)、8.06(d,J=5.3Hz,2H)、8.23(d,J=7.8Hz,2H)、8.56(d,J=5.3Hz,2H),8.96(S,2H)
尚、上記の合成例以外に、これらの化合物のアザカルバゾール環やその類緑体は、J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1505−1510(1999)、Pol.J.Chem.,54,1585(1980)、(Tetrahedron Lett.41(2000),481−484)に記載される合成法に従って合成することができる。合成されたアザカルバゾール環やその類緑体と、芳香環、複素環、アルキル基などの、コア、連結基への導入は、ウルマンカップリング、Pd触媒を用いたカップリング、スズキカップリングなど公知の方法を用いることができる。
本発明に係る化合物は、分子量が400以上であることが好ましく、450以上であることがより好ましく、更に好ましくは600以上であり、特に好ましくは分子量が800以上である。これにより、ガラス転移温度を上昇させ熱安定性が向上し、より一層長寿命化をさせることができる。
本発明に係る化合物は、後述する有機EL素子の構成層の構成成分として用いられるが、本発明では、本発明の有機EL素子の構成層の中で、発光層または電子輸送層(電子輸送層中で正孔阻止材料として用いられる)に含有されることが好ましく、好ましくは発光層であり、特に好ましくは、発光層のホスト化合物として用いられることが好ましい。但し、有機EL素子の種々の物性コントロールの観点から必要に応じて、本発明に係る化合物は、有機EL素子のその他の構成層に用いてもよい。
本発明に係る化合物は有機EL素子用材料(バックライト、フラットパネルディスプレイ、照明光源、表示素子、電子写真用光源、記録光源、露光光源、読み取り光源、標識、看板、インテリア、光通信デバイスなど)等の用途に用いられるが、その他の用途しては、有機半導体レーザー用材料(記録光源、露光光源、読み取り光源光通信デバイス、電子写真用光源など)、電子写真用感光体材料、有機TFT素子用材料(有機メモリ素子、有機演算素子、有機スイッチング素子)、有機波長変換素子用材料、光電変換素子用材料(太陽電池、光センサーなど)などの広い分野に利用可能である。
次に、本発明の有機EL素子の構成層について詳細に説明する。
本発明において、有機EL素子の層構成の好ましい具体例を以下に示すが、本発明はこれらに限定されない。
(i)陽極/発光層/電子輸送層/陰極
(ii)陽極/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/陰極
(iii)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極
(iv)陽極/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
(v)陽極/陽極バッファー層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極バッファー層/陰極
《発光層》
本発明に係る発光層は、電極または電子輸送層、正孔輸送層から注入されてくる電子及び正孔が再結合して発光する層であり、発光する部分は発光層の層内であっても発光層と隣接層との界面であってもよい。
本発明の有機EL素子の発光層には、上記のドーパント(リン光性ドーパント、蛍光性ドーパント等)と、以下に示す、ホスト化合物が含有されるが、該ホスト化合物としては、上記の一般式(1)で表される化合物が用いられることが好ましく、結果として、一層発光効率を高くすることができる。また、ホスト化合物としては、一般式(1)で表される化合物以外の化合物を併用することも可能である。
ここで、本発明においてホスト化合物とは、発光層に含有される化合物のうちで室温(25℃)においてリン光発光のリン光量子収率が、0.01未満の化合物と定義される。
更に、公知のホスト化合物を複数種併用して用いてもよい。ホスト化合物を複数種もちいることで、電荷の移動を調整することが可能であり、有機EL素子を高効率化することができる。また、リン光性化合物を複数種用いることで、異なる発光を混ぜることが可能となり、これにより任意の発光色を得ることができる。リン光性化合物の種類、ドープ量を調整することで白色発光が可能であり、照明、バックライトへの応用もできる。
これらの公知のホスト化合物としては、正孔輸送能、電子輸送能を有しつつ、かつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tg(ガラス転移温度)である化合物が好ましい。
公知のホスト化合物の具体例としては、以下の文献に記載されている化合物が挙げられる。
特開2001−257076号公報、同2002−308855号公報、同2001−313179号公報、同2002−319491号公報、同2001−357977号公報、同2002−334786号公報、同2002−8860号公報、同2002−334787号公報、同2002−15871号公報、同2002−334788号公報、同2002−43056号公報、同2002−334789号公報、同2002−75645号公報、同2002−338579号公報、同2002−105445号公報、同2002−343568号公報、同2002−141173号公報、同2002−352957号公報、同2002−203683号公報、同2002−363227号公報、同2002−231453号公報、同2003−3165号公報、同2002−234888号公報、同2003−27048号公報、同2002−255934号公報、同2002−260861号公報、同2002−280183号公報、同2002−299060号公報、同2002−302516号公報、同2002−305083号公報、同2002−305084号公報、同2002−308837号公報等。
また、発光層は、ホスト化合物として更に蛍光極大波長を有するホスト化合物を含有していてもよい。この場合、他のホスト化合物とリン光性化合物から蛍光性化合物へのエネルギー移動で、有機EL素子としての電界発光は蛍光極大波長を有する他のホスト化合物からの発光も得られる。蛍光極大波長を有するホスト化合物として好ましいのは、溶液状態で蛍光量子収率が高いものである。ここで、蛍光量子収率は10%以上、特に30%以上が好ましい。具体的な蛍光極大波長を有するホスト化合物としては、クマリン系色素、ピラン系色素、シアニン系色素、クロコニウム系色素、スクアリウム系色素、オキソベンツアントラセン系色素、フルオレセイン系色素、ローダミン系色素、ピリリウム系色素、ペリレン系色素、スチルベン系色素、ポリチオフェン系色素等が挙げられる。蛍光量子収率は、前記第4版実験化学講座7の分光IIの362頁(1992年版、丸善)に記載の方法により測定することができる。
発光層に使用される材料(以下、発光材料という)としては、上記のホスト化合物を含有すると同時に、上記のドーパント(リン光性ドーパント、蛍光性ドーパント等)を含有することにより、より発光効率の高い有機EL素子とすることができる。
本発明の有機EL素子や本発明に係る化合物の発光する色は、「新編色彩科学ハンドブック」(日本色彩学会編、東京大学出版会、1985)の108頁の図4.16において、分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)で測定した結果をCIE色度座標に当てはめたときの色で決定される。
発光層は、上記化合物を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、LB法、インクジェット法等の公知の薄膜化法により製膜して形成することができる。発光層としての膜厚は特に制限はないが、通常は5nm〜5μm、好ましくは5nm〜200nmの範囲で選ばれる。この発光層は、これらのリン光性化合物やホスト化合物が1種または2種以上からなる一層構造であってもよいし、あるいは、同一組成または異種組成の複数層からなる積層構造であってもよい。
《阻止層:正孔阻止層、電子阻止層》
阻止層は、上記のごとく、有機化合物薄膜の基本構成層の他に必要に応じて設けられるものである。例えば特開平11−204258号公報、同11−204359号公報、及び「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の237頁等に記載されている正孔阻止(ホールブロック)層がある。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層であり、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
本発明の有機EL素子の正孔阻止層は、発光層に隣接して設けられている。
本発明では、正孔阻止層の正孔阻止材料として前述した本発明に係る化合物を含有させることが好ましい。これにより、より一層発光効率の高い有機EL素子とすることができる。更に、より一層長寿命化させることができる。
一方、電子阻止層とは広い意味では正孔輸送層であり、正孔を輸送する機能を有しつつ電子を輸送する能力が著しく小さい材料からなり、正孔を輸送しつつ電子を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
《正孔輸送層》
正孔輸送層とは正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
本発明では、正孔輸送材料は、従来知られている公知の正孔輸送材料、正孔の電荷注入輸送材料として慣用されているもの材料、正孔注入層、正孔輸送層に使用される公知の材料等を併用してもよく、例えばトリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、ポリアリールアルカン誘導体、ピラゾリン誘導体およびピラゾロン誘導体、フェニレンジアミン誘導体、アリールアミン誘導体、アミノ置換カルコン誘導体、オキサゾール誘導体、スチリルアントラセン誘導体、フルオレノン誘導体、ヒドラゾン誘導体、スチルベン誘導体、シラザン誘導体、アニリン系共重合体、また、導電性高分子オリゴマー、特にチオフェンオリゴマー等が挙げられる。さらに、ポルフィリン化合物、芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物、特に芳香族第三級アミン化合物を併用することもできる。
芳香族第三級アミン化合物およびスチリルアミン化合物の代表例としては、N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノフェニル;N,N’−ジフェニル−N,N’−ビス(3−メチルフェニル)−〔1,1’−ビフェニル〕−4,4’−ジアミン(TPD);2,2−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)プロパン;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)シクロヘキサン;N,N,N’,N’−テトラ−p−トリル−4,4’−ジアミノビフェニル;1,1−ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)−4−フェニルシクロヘキサン;ビス(4−ジメチルアミノ−2−メチルフェニル)フェニルメタン;ビス(4−ジ−p−トリルアミノフェニル)フェニルメタン;N,N’−ジフェニル−N,N’−ジ(4−メトキシフェニル)−4,4’−ジアミノビフェニル;N,N,N’,N’−テトラフェニル−4,4’−ジアミノジフェニルエーテル;4,4’−ビス(ジフェニルアミノ)クオードリフェニル;N,N,N−トリ(p−トリル)アミン;4−(ジ−p−トリルアミノ)−4’−〔4−(ジ−p−トリルアミノ)スチリル〕スチルベン;4−N,N−ジフェニルアミノ−(2−ジフェニルビニル)ベンゼン;3−メトキシ−4’−N,N−ジフェニルアミノスチルベン;N−フェニルカルバゾール、さらには、米国特許第5,061,569号明細書に記載されている2個の縮合芳香族環を分子内に有するもの、例えば4,4’−ビス〔N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ〕ビフェニル(NPD)、特開平4−308688号公報に記載されているトリフェニルアミンユニットが3つスターバースト型に連結された4,4’,4’’−トリス〔N−(3−メチルフェニル)−N−フェニルアミノ〕トリフェニルアミン(MTDATA)等が挙げられる。
さらに、これらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、p型−Si,p型−SiC等の無機化合物も正孔注入材料、正孔輸送材料として使用することができる。
また、本発明においては正孔輸送層の正孔輸送材料は415nm以下に蛍光極大波長を有することが好ましい。すなわち、正孔輸送材料は、正孔輸送能を有しつつかつ、発光の長波長化を防ぎ、なおかつ高Tgである化合物が好ましい。
正孔輸送層は、上記正孔輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、LB法、転写法、印刷法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。正孔輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5〜5000nm程度である。この正孔輸送層は、上記材料の一種または二種以上からなる一層構造であってもよい。
《電子輸送層》
電子輸送層とは電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
従来、単層の電子輸送層、及び複数層とする場合は発光層に対して陰極側に隣接する電子輸送層に用いられる電子輸送材料(正孔阻止材料を兼ねる)としては、陰極より注入された電子を発光層に伝達する機能を有していればよく、その材料としては従来公知の化合物の中から任意のものを選択して用いることができ、例えば、ニトロ置換フルオレン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、チオピランジオキシド誘導体、カルボジイミド、フレオレニリデンメタン誘導体、アントラキノジメタン及びアントロン誘導体、オキサジアゾール誘導体等が挙げられる。更に、上記オキサジアゾール誘導体において、オキサジアゾール環の酸素原子を硫黄原子に置換したチアジアゾール誘導体、電子吸引基として知られているキノキサリン環を有するキノキサリン誘導体も、電子輸送材料として用いることができる。
更にこれらの材料を高分子鎖に導入した、またはこれらの材料を高分子の主鎖とした高分子材料を用いることもできる。
また、8−キノリノール誘導体の金属錯体、例えばトリス(8−キノリノール)アルミニウム(Alq)、トリス(5,7−ジクロロ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5,7−ジブロモ−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、トリス(5−メチル−8−キノリノール)アルミニウム、ビス(8−キノリノール)亜鉛(Znq)等、及びこれらの金属錯体の中心金属がIn、Mg、Cu、Ca、Sn、GaまたはPbに置き替わった金属錯体も、電子輸送材料として用いることができる。その他、メタルフリー若しくはメタルフタロシアニン、またはそれらの末端がアルキル基やスルホン酸基等で置換されているものも、電子輸送材料として好ましく用いることができる。また、発光層の材料として例示したジスチリルピラジン誘導体も、電子輸送材料として用いることができるし、正孔注入層、正孔輸送層と同様に、n型−Si、n型−SiC等の無機半導体も電子輸送材料として用いることができる。
電子輸送層は、上記電子輸送材料を、例えば真空蒸着法、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法を含む印刷法、LB法等の公知の方法により、薄膜化することにより形成することができる。電子輸送層の膜厚については特に制限はないが、通常は5nm〜5μm程度、好ましくは5nm〜200nmである。電子輸送層は、上記材料の1種または2種以上からなる一層構造であってもよい。
《注入層:電子注入層、正孔注入層》
注入層は必要に応じて設け、電子注入層と正孔注入層があり、上記のごとく陽極と発光層または正孔輸送層の間、及び、陰極と発光層または電子輸送層との間に存在させてもよい。
注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と有機層間に設けられる層のことで、「有機EL素子とその工業化最前線(1998年11月30日エヌ・ティー・エス社発行)」の第2編第2章「電極材料」(123〜166頁)に詳細に記載されており、正孔注入層(陽極バッファー層)と電子注入層(陰極バッファー層)とがある。
陽極バッファー層(正孔注入層)は、特開平9−45479号公報、同9−260062号公報、同8−288069号公報等にもその詳細が記載されており、具体例として、銅フタロシアニンに代表されるフタロシアニンバッファー層、酸化バナジウムに代表される酸化物バッファー層、アモルファスカーボンバッファー層、ポリアニリン(エメラルディン)やポリチオフェン等の導電性高分子を用いた高分子バッファー層等が挙げられる。
陰極バッファー層(電子注入層)は、特開平6−325871号公報、同9−17574号公報、同10−74586号公報等にもその詳細が記載されており、具体的にはストロンチウムやアルミニウム等に代表される金属バッファー層、フッ化リチウムに代表されるアルカリ金属化合物バッファー層、フッ化マグネシウムに代表されるアルカリ土類金属化合物バッファー層、酸化アルミニウムに代表される酸化物バッファー層等が挙げられる。上記バッファー層(注入層)はごく薄い膜であることが望ましく、素材にもよるが、その膜厚は0.1nm〜5μmの範囲が好ましい。
《基体》
本発明の有機EL素子は、基体上に形成されているのが好ましい。
本発明の有機EL素子に用いることのできる基体(以下、基板、基材、支持体等ともいう)としては、ガラス、プラスチック等の種類には特に限定はなく、また、透明のものであれば特に制限はないが、好ましく用いられる基板としては例えばガラス、石英、光透過性樹脂フィルムを挙げることができる。特に好ましい基体は、有機EL素子にフレキシブル性を与えることが可能な樹脂フィルムである。
樹脂フィルムとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリフェニレンスルフィド、ポリアリレート、ポリイミド、ポリカーボネート(PC)、セルローストリアセテート(TAC)、セルロースアセテートプロピオネート(CAP)等からなるフィルム等が挙げられる。樹脂フィルムの表面には、無機物、有機物の被膜またはその両者のハイブリッド被膜が形成されていてもよい。
本発明の有機エレクトロルミネッセンス素子の発光の室温における外部取り出し効率は1%以上であることが好ましく、より好ましくは5%以上である。ここに、外部取り出し量子効率(%)=有機EL素子外部に発光した光子数/有機EL素子に流した電子数×100である。
また、カラーフィルター等の色相改良フィルター等を併用しても、有機EL素子からの発光色を蛍光体を用いて多色へ変換する色変換フィルターを併用してもよい。色変換フィルターを用いる場合においては、有機EL素子の発光のλmaxは480nm以下が好ましい。
《陽極》
有機EL素子における陽極としては、仕事関数の大きい(4eV以上)金属、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが好ましく用いられる。このような電極物質の具体例としてはAu等の金属、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO等の導電性透明材料が挙げられる。また、IDIXO(In23−ZnO)等非晶質で透明導電膜を作製可能な材料を用いてもよい。陽極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により、薄膜を形成させ、フォトリソグラフィー法で所望の形状のパターンを形成してもよく、あるいはパターン精度をあまり必要としない場合は(100μm以上程度)、上記電極物質の蒸着やスパッタリング時に所望の形状のマスクを介してパターンを形成してもよい。この陽極より発光を取り出す場合には、透過率を10%より大きくすることが望ましく、また、陽極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましい。更に膜厚は材料にもよるが、通常10nm〜1000nm、好ましくは10nm〜200nmの範囲で選ばれる。
《陰極》
一方、陰極としては、仕事関数の小さい(4eV以下)金属(電子注入性金属と称する)、合金、電気伝導性化合物及びこれらの混合物を電極物質とするものが用いられる。このような電極物質の具体例としては、ナトリウム、ナトリウム−カリウム合金、マグネシウム、リチウム、マグネシウム/銅混合物、マグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、インジウム、リチウム/アルミニウム混合物、希土類金属等が挙げられる。これらの中で、電子注入性及び酸化等に対する耐久性の点から、電子注入性金属とこれより仕事関数の値が大きく安定な金属である第二金属との混合物、例えばマグネシウム/銀混合物、マグネシウム/アルミニウム混合物、マグネシウム/インジウム混合物、アルミニウム/酸化アルミニウム(Al23)混合物、リチウム/アルミニウム混合物、アルミニウム等が好適である。陰極は、これらの電極物質を蒸着やスパッタリング等の方法により薄膜を形成させることにより、作製することができる。また、陰極としてのシート抵抗は数百Ω/□以下が好ましく、膜厚は通常10nm〜5μm、好ましくは50〜200nmの範囲で選ばれる。尚、発光した光を透過させるため、有機EL素子の陽極または陰極のいずれか一方が、透明または半透明であれば発光輝度が向上し好都合である。
また、陰極に上記金属を1〜20nmの膜厚で作製した後に、陽極の説明で挙げた導電性透明材料をその上に作製することで、透明または半透明の陰極を作製することができ、これを応用することで陽極と陰極の両方が透過性を有する素子を作製することができる。
次に、本発明の有機EL素子の構成層として用いられる、注入層、阻止層、電子輸送層等について説明する。
《有機EL素子の作製方法》
本発明の有機EL素子の作製方法の一例として、陽極/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/陰極からなる有機EL素子の作製法について説明する。
まず適当な基体上に、所望の電極物質、例えば陽極用物質からなる薄膜を、1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの膜厚になるように、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陽極を作製する。次に、この上に有機EL素子材料である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、正孔阻止層、電子輸送層の有機化合物薄膜を形成させる。
この有機化合物薄膜の薄膜化の方法としては、前記の如く蒸着法、ウェットプロセス(例えば、スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があるが、均質な膜が得られやすく、かつピンホールが生成しにくい等の点から、真空蒸着法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法が特に好ましい。更に層ごとに異なる製膜法を適用してもよい。製膜に蒸着法を採用する場合、その蒸着条件は、使用する化合物の種類等により異なるが、一般にボート加熱温度50℃〜450℃、真空度10-6〜10-2Pa、蒸着速度0.01nm/秒〜50nm/秒、基板温度−50℃〜300℃、膜厚0.1nm〜5μm、好ましくは5nm〜200nmの範囲で適宜選ぶことが望ましい。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる薄膜を、1μm以下好ましくは50〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ、陰極を設けることにより、所望の有機EL素子が得られる。この有機EL素子の作製は、一回の真空引きで一貫して正孔注入層から陰極まで作製するのが好ましいが、途中で取り出して異なる製膜法を施してもかまわない。その際、作業を乾燥不活性ガス雰囲気下で行う等の配慮が必要となる。
多色の本発明の表示装置は、発光層形成時のみシャドーマスクを設け、他層は共通であるのでシャドーマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で膜を形成できる。
発光層のみパターニングを行う場合、その方法に限定はないが、好ましくは蒸着法、インクジェット法、印刷法である。蒸着法を用いる場合においてはシャドーマスクを用いたパターニングが好ましい。
また作製順序を逆にして、陰極、電子輸送層、正孔阻止層、発光層、正孔輸送層、正孔注入層、陽極の順に作製することも可能である。このようにして得られた多色の表示装置に、直流電圧を印加する場合には、陽極を+、陰極を−の極性として電圧2〜40V程度を印加すると、発光が観測できる。また交流電圧を印加してもよい。なお、印加する交流の波形は任意でよい。
本発明の表示装置は、表示デバイス、ディスプレー、各種発光光源として用いることができる。表示デバイス、ディスプレーにおいて、青、赤、緑発光の3種の有機EL素子を用いることにより、フルカラーの表示が可能となる。
表示デバイス、ディスプレーとしてはテレビ、パソコン、モバイル機器、AV機器、文字放送表示、自動車内の情報表示等が挙げられる。特に静止画像や動画像を再生する表示装置として使用してもよく、動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリックス(パッシブマトリックス)方式でもアクティブマトリックス方式でもどちらでもよい。
照明装置としては、家庭用照明、車内照明、時計や液晶用のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサの光源等が挙げられるがこれらに限定されない。また、本発明の有機EL素子に共振器構造を持たせた有機EL素子として用いてもよい。
このような共振器構造を有した有機EL素子の使用目的としては、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサの光源等が挙げられるが、これらに限定されない。また、レーザ発振をさせることにより、上記用途に使用してもよい。
本発明の有機EL材料は、照明装置として、実質白色の発光を生じる有機EL素子に適用できる。複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得る。複数の発光色の組み合わせとしては、青色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させたものでも良いし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有したものでも良い。
また、複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光または蛍光で発光する材料を、複数組み合わせたもの、蛍光またはリン光で発光する発光材料と、発光材料からの光を励起光として発光する色素材料との組み合わせたもののいずれでも良いが、本発明に係わる白色有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光ドーパントを複数組み合わせ混合するだけでよい。発光層もしくは正孔輸送層或いは電子輸送層等の形成時のみマスクを設け、マスクにより塗り分けるなど単純に配置するだけでよく、他層は共通であるのでマスク等のパターニングは不要であり、一面に蒸着法、キャスト法、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等で例えば電極膜を形成でき、生産性も向上する。この方法によれば、複数色の発光素子をアレー状に並列配置した白色有機EL装置と異なり、素子自体が発光白色である。
発光層に用いる発光材料としては特に制限はなく、例えば、液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、オルトメタル化錯体(Ir錯体、Pt錯体など)、また公知の発光材料の中から任意のものを選択して組み合わせて白色化すれば良い。
このように、本発明に係る白色発光有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレーに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また露光光源のような一種のランプとして、また液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。
その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、更には表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
《表示装置》
本発明の有機EL素子は、照明用や露光光源のような1種のランプとして使用してもよいし、画像を投影するタイプのプロジェクション装置や、静止画像や動画像を直接視認するタイプの表示装置(ディスプレイ)として使用してもよい。動画再生用の表示装置として使用する場合の駆動方式は単純マトリクス(パッシブマトリクス)方式でもアクティブマトリクス方式でもどちらでもよい。または、異なる発光色を有する本発明の有機EL素子を3種以上使用することにより、フルカラー表示装置を作製することが可能である。または、一色の発光色、例えば、白色発光をカラーフィルターを用いてBGRにし、フルカラー化することも可能である。更に、有機ELの発光色を色変換フィルターを用いて他色に変換しフルカラー化することも可能であるが、その場合、有機EL発光のλmaxは480nm以下であることが好ましい。
本発明の有機EL素子から構成される表示装置の一例を図面に基づいて説明する。
図1は、有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。有機EL素子の発光により画像情報の表示を行う、例えば、携帯電話等のディスプレイの模式図である。
ディスプレイ1は、複数の画素を有する表示部A、画像情報に基づいて表示部Aの画像走査を行う制御部B等からなる。
制御部Bは、表示部Aと電気的に接続され、複数の画素それぞれに外部からの画像情報に基づいて走査信号と画像データ信号を送り、走査信号により走査線毎の画素が画像データ信号に応じて順次発光して画像走査を行って画像情報を表示部Aに表示する。
図2は、表示部Aの模式図である。
表示部Aは基板上に、複数の走査線5及びデータ線6を含む配線部と、複数の画素3等とを有する。表示部Aの主要な部材の説明を以下に行う。図2においては、画素3の発光した光が、白矢印方向(下方向)へ取り出される場合を示している。
配線部の走査線5及び複数のデータ線6は、各々導電材料からなり、走査線5とデータ線6は格子状に直交して、直交する位置で画素3に接続している(詳細は図示せず)。
画素3は、走査線5から走査信号が印加されると、データ線6から画像データ信号を受け取り、受け取った画像データに応じて発光する。発光の色が赤領域の画素、緑領域の画素、青領域の画素を、適宜、同一基板上に並置することによって、フルカラー表示が可能となる。
次に、画素の発光プロセスを説明する。
図3は、画素の模式図である。
画素は、有機EL素子10、スイッチングトランジスタ11、駆動トランジスタ12、コンデンサ13等を備えている。複数の画素に有機EL素子10として、赤色、緑色、青色発光の有機EL素子を用い、これらを同一基板上に並置することでフルカラー表示を行うことができる。
図3において、制御部Bからデータ線6を介してスイッチングトランジスタ11のドレインに画像データ信号が印加される。そして、制御部Bから走査線5を介してスイッチングトランジスタ11のゲートに走査信号が印加されると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオンし、ドレインに印加された画像データ信号がコンデンサ13と駆動トランジスタ12のゲートに伝達される。
画像データ信号の伝達により、コンデンサ13が画像データ信号の電位に応じて充電されるとともに、駆動トランジスタ12の駆動がオンする。駆動トランジスタ12は、ドレインが電源ライン7に接続され、ソースが有機EL素子10の電極に接続されており、ゲートに印加された画像データ信号の電位に応じて電源ライン7から有機EL素子10に電流が供給される。
制御部Bの順次走査により走査信号が次の走査線5に移ると、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフする。しかし、スイッチングトランジスタ11の駆動がオフしてもコンデンサ13は充電された画像データ信号の電位を保持するので、駆動トランジスタ12の駆動はオン状態が保たれて、次の走査信号の印加が行われるまで有機EL素子10の発光が継続する。順次走査により次に走査信号が印加されたとき、走査信号に同期した次の画像データ信号の電位に応じて駆動トランジスタ12が駆動して有機EL素子10が発光する。
すなわち、有機EL素子10の発光は、複数の画素それぞれの有機EL素子10に対して、アクティブ素子であるスイッチングトランジスタ11と駆動トランジスタ12を設けて、複数の画素3それぞれの有機EL素子10の発光を行っている。このような発光方法をアクティブマトリクス方式と呼んでいる。
ここで、有機EL素子10の発光は、複数の階調電位を持つ多値の画像データ信号による複数の階調の発光でもよいし、2値の画像データ信号による所定の発光量のオン、オフでもよい。
また、コンデンサ13の電位の保持は、次の走査信号の印加まで継続して保持してもよいし、次の走査信号が印加される直前に放電させてもよい。
本発明においては、上述したアクティブマトリクス方式に限らず、走査信号が走査されたときのみデータ信号に応じて有機EL素子を発光させるパッシブマトリクス方式の発光駆動でもよい。
図4は、パッシブマトリクス方式による表示装置の模式図である。図4において、複数の走査線5と複数の画像データ線6が画素3を挟んで対向して格子状に設けられている。
順次走査により走査線5の走査信号が印加されたとき、印加された走査線5に接続している画素3が画像データ信号に応じて発光する。パッシブマトリクス方式では画素3にアクティブ素子がなく、製造コストの低減が計れる。
本発明に係わる有機EL材料は、また、照明装置として、実質白色の発光を生じる有機EL素子に適用できる。複数の発光材料により複数の発光色を同時に発光させて混色により白色発光を得る。複数の発光色の組み合わせとしては、青色、緑色、青色の3原色の3つの発光極大波長を含有させたものでも良いし、青色と黄色、青緑と橙色等の補色の関係を利用した2つの発光極大波長を含有したものでも良い。
また、複数の発光色を得るための発光材料の組み合わせは、複数のリン光または蛍光を発光する材料(発光ドーパント)を、複数組み合わせたもの、蛍光またはリン光を発光する発光材料と、該発光材料からの光を励起光として発光する色素材料とを組み合わせたもののいずれでも良いが、本発明に係わる白色有機エレクトロルミネッセンス素子においては、発光ドーパントを複数組み合わせる方式が好ましい。
複数の発光色を得るための有機エレクトロルミネッセンス素子の層構成としては、複数の発光ドーパントを、一つの発光層中に複数存在させる方法、複数の発光層を有し、各発光層中に発光波長の異なるドーパントをそれぞれ存在させる方法、異なる波長に発光する微小画素をマトリックス状に形成する方法等が挙げられる。
本発明に係わる白色有機エレクトロルミネッセンス素子においては、必要に応じ製膜時にメタルマスクやインクジェットプリンティング法等でパターニングを施してもよい。パターニングする場合は、電極のみをパターニングしてもいいし、電極と発光層をパターニングしてもいいし、素子全層をパターニングしてもいい。
発光層に用いる発光材料としては特に制限はなく、例えば液晶表示素子におけるバックライトであれば、CF(カラーフィルター)特性に対応した波長範囲に適合するように、本発明に係わる白金錯体、また公知の発光材料の中から任意のものを選択して組み合わせて白色化すれば良い。
このように、本発明の白色発光有機EL素子は、前記表示デバイス、ディスプレーに加えて、各種発光光源、照明装置として、家庭用照明、車内照明、また、露光光源のような一種のランプとして、液晶表示装置のバックライト等、表示装置にも有用に用いられる。
その他、時計等のバックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体等の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等、更には表示装置を必要とする一般の家庭用電気器具等広い範囲の用途が挙げられる。
以下、実施例により本発明を説明するが、本発明はこれらに限定されない。また、実施例に用いる化合物を下記に示す。
Figure 0004830122
実施例1
《有機EL素子1−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてCBPを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−1を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−9を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−6を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlq3を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/secで透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。更に、CBP、Ir−1、Ir−9、D−6の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.185nm/秒、0.014nm/秒、0.001nm/秒、0.0005nm/秒、(92.25:7:0.5:0.25の割合)で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。更に、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。その上に、更に、Alq3の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子1−1を作製した。
《有機EL素子1−2〜1−20の作製》
有機EL素子1−1の作製において、発光層のホスト化合物として用いているCBPを表1に示す化合物、蛍光ドーパントとして使用しているD−6を表1に示す化合物に置き換えた以外は有機EL素子1−1と同様にして有機EL素子1−2〜1−20を各々作製した。
《有機EL素子1−1〜1−20の評価》
有機EL素子1−1〜1−20は、各々リン光ドーパントのIr−1、Ir−9と蛍光性ドーパントD−6等の3つの発光極大波長を持つ発光が同時に行われる事によって白色発光を実現するものである。
作製した有機EL素子1−1〜1−20の各々について下記の評価を行った。
《外部取りだし量子効率》
作製した有機EL素子について、23℃、乾燥窒素ガス雰囲気下で2.5mA/cm2定電流を印加した時の外部取り出し量子効率(%)を測定した。なお測定には同様に分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)を用いた。
表1の外部取りだし量子効率の測定結果は、有機EL素子1−1の測定値を100とした時の相対値で表した。
《寿命》
2.5mA/cm2の一定電流で駆動したときに、輝度が発光開始直後の輝度(初期輝度)の半分に低下するのに要した時間を測定し、これを半減寿命時間(τ0.5)として寿命の指標とした。尚、測定には分光放射輝度計CS−1000(ミノルタ製)を用いた。
また、表1の寿命データは、有機EL素子1−1を100とした時の相対値で表した。
得られた結果を表1に示す。
Figure 0004830122
表1から、比較に比べて、本発明の有機EL素子は、発光効率が向上し、且つ、長寿命化が達成されていることが判る。
実施例2
《有機EL素子2−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてCBPを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−14を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにD−6を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlq3を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。更に、CBP、Ir−14、D−6の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.185nm/秒、0.014nm/秒、0.001nm(92.5:7:0.5の割合)で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。更に、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止の役割も兼ねた電子輸送層を設けた。その上に、更に、Alq3の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記電子輸送層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子注入層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子2−1を作製した。
《有機EL素子2−2〜2−20の作製》
有機EL素子2−1の作製において、発光層のホスト化合物として用いているCBPを表2に示す化合物、蛍光ドーパントとして使用しているD−6を表1に示す化合物に置き換えた以外は有機EL素子2−1と同様にして2−2〜2−20を各々作製した。
得られた有機エレクトロルミネッセンス素子は、リン光ドーパントのIr−14と蛍光性ドーパントD−6等の2つの発光極大波長を持つ発光が同時に行われる事によって白色発光を実現するものである。
《有機EL素子2−1〜2−20の評価》
作製した有機EL素子2−1〜2−20の評価は、実施例1に記載の評価方法と同様にして行った。その結果を表2に示す。
Figure 0004830122
表2から、比較に比べて、本発明の有機EL素子は、発光効率が向上し、且つ、長寿命化が達成されていることが判る。
実施例3
《有機EL素子3−1の作製》
陽極として100mm×100mm×1.1mmのガラス基板上にITO(インジウムチンオキシド)を100nm製膜した基板(NHテクノグラス社製NA45)にパターニングを行った後、このITO透明電極を設けた透明支持基板をイソプロピルアルコールで超音波洗浄し、乾燥窒素ガスで乾燥し、UVオゾン洗浄を5分間行なった。この透明支持基板を市販の真空蒸着装置の基板ホルダーに固定し、一方、モリブデン製抵抗加熱ボートにα−NPDを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにホスト化合物としてCBPを200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにバソキュプロイン(BCP)を200mg入れ、別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−12を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにIr−9を100mg入れ、更に別のモリブデン製抵抗加熱ボートにAlq3を200mg入れ、真空蒸着装置に取付けた。
次いで、真空槽を4×10-4Paまで減圧した後、α−NPDの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で透明支持基板に蒸着し、膜厚40nmの正孔輸送層を設けた。更に、CBP、Ir−9、Ir−12の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、それぞれ蒸着速度0.19nm/秒、0.008nm/秒、0.002nm(95:4:1の割合)で前記正孔輸送層上に共蒸着して、膜厚40nmの発光層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。更に、BCPの入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記発光層の上に蒸着して膜厚10nmの正孔阻止層を設けた。その上に、更に、Alq3の入った前記加熱ボートに通電して加熱し、蒸着速度0.1nm/秒で前記正孔阻止層の上に蒸着して更に膜厚40nmの電子輸送層を設けた。なお、蒸着時の基板温度は室温であった。
引き続きフッ化リチウム0.5nm及びアルミニウム110nmを蒸着して陰極を形成し、有機EL素子3−1を作製した。
《有機EL素子3−2〜3−7の作製》
有機EL素子3−1の作製において、発光層のホスト化合物として用いているCBPを表3に示す化合物に置き換えた以外は同様にして有機EL素子3−2〜3−7を各々作製した。
上記の有機エレクトロルミネッセンス素子3−1〜3−7は、各々リン光ドーパントのIr−9、Ir−12の2つの発光極大波長を持つ発光が同時に行われる事によって白色発光を実現するものである。
《有機EL素子3−1〜3−7の評価》
作製した有機EL素子2−1〜2−20の評価は、実施例1に記載の評価方法と同様にして行った。その結果を表3に示す。
Figure 0004830122
表3から、比較に比べて、本発明の有機EL素子は、発光効率が向上し、且つ、長寿命化が達成されていることが判る。
また、本発明の有機EL素子は下記のように照明装置として用いることが出来る。
《照明装置》
有機EL素子3−2〜3−7の各々の非発光面をガラスケースで覆い、照明装置とした。照明装置は、発光効率が高く発光寿命の長い白色光を発する薄型の照明装置として使用することができた。図5は照明装置の概略図で、図6は照明装置の断面図である。有機EL素子101をガラスカバー102で覆った。105は陰極で106は有機EL層、107は透明電極付きガラス基板である。なおガラスカバー102内には窒素ガス108が充填され、捕水剤109が設けられている。
実施例4
《有機EL素子4−1〜4−20の作製》
実施例1の有機EL素子1−1の作製において、電子輸送層のBCPを表1に示す化合物に置き換え、蛍光ドーパントD−6を表1に示す化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子4−1〜4−20を各々作製した。
《有機EL素子4−1〜4−20の評価》
作製した有機EL素子4−1〜4−20の評価は、実施例1に記載の評価方法と同様にして行った。得られた結果を表4に示す。
Figure 0004830122
表4から、比較に比べて、電子輸送層に、一般式(1)で表される化合物を用いた、本発明の有機EL素子4−2〜4−20は、更に、発光効率が向上し、且つ、長寿命化が達成されていることが判る。
有機EL素子から構成される表示装置の一例を示した模式図である。 表示部の模式図である。 画素の模式図である。 パッシブマトリクス方式フルカラー表示装置の模式図である。 照明装置の概略図である。 照明装置の断面図である。
符号の説明
1 ディスプレイ
3 画素
5 走査線
6 データ線
7 電源ライン
10 有機EL素子
11 スイッチングトランジスタ
12 駆動トランジスタ
13 コンデンサ
A 表示部
B 制御部
107 透明電極付きガラス基板
106 有機EL層
105 陰極
102 ガラスカバー
108 窒素ガス
109 捕水剤

Claims (18)

  1. 陽極と陰極との間に少なくとも一つの発光層及び少なくとも一層の電子輸送層を有する白色有機エレクトロルミネッセンス素子において、
    該電子輸送層が下記一般式(1)で表される化合物を含有し、且つ、該発光層が2種以上のリン光ドーパントを有し、該リン光ドーパントがイリジウム化合物であることを特徴とする白色有機エレクトロルミネッセンス素子。但し、該一般式(1)で表される化合物から下記一般式(1−10)で表される化合物を除く。
    Figure 0004830122
    〔式中、Zピリジン環またはピリミジン環を表し、Zは、ピリジン環またはベンゼン環を表し、Zは、単なる結合手を表す。R101は、水素原子または置換基を表す。〕
    Figure 0004830122
    〔式中、Rは、水素原子または置換基を表す。また、複数のRは、各々同一でもよく、異なっていてもよい。〕
  2. 前記一般式(1)で表される化合物が、分子量450以上であることを特徴とする請求項1に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−1)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R501〜R507は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  4. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−2)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R511〜R517は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  5. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−3)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R521〜R527は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  6. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−4)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R531〜R537は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  7. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−5)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R541〜R548は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  8. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−6)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R551〜R558は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  9. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−7)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R561〜R567は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  10. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−8)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R571〜R577は、各々独立に、水素原子または置換基を表す。〕
  11. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(1−9)で表されることを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、Rは、水素原子または置換基を表す。また、複数のRは、各々同一でもよく、異なっていてもよい。〕
  12. 前記一般式(1)で表される化合物が、下記一般式(2−1)〜(2−8)のいずれかで表される基を少なくとも一つ有することを特徴とする請求項1または2に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 0004830122
    〔式中、R502〜R507、R512〜R517、R522〜R527、R532〜R537、R542〜R548、R552〜R558、R562〜R567、R572〜R577は、各々独立に、水素原子または置換基を表し、該置換基は各々同一でもよく、異なっていてもよい。〕
  13. 480nm以下の0−0バンドを持つ蛍光性ドーパントを有することを特徴とする請求項1〜12のいずれか1種に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  14. 前記リン光ドーパントの少なくとも1つが、480nm以下の0−0バンドを持つりん光性ドーパントであることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  15. 前記一般式(1)で表される化合物が発光層に含有されることを特徴とする請求項1〜14のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子。
  16. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする表示装置。
  17. 請求項1〜15のいずれか1項に記載の白色有機エレクトロルミネッセンス素子を備えたことを特徴とする照明装置。
  18. 請求項17に記載の照明装置と、表示手段として液晶素子と、を備えたことを特徴とする表示装置。
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