JP4829942B2 - エンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置 - Google Patents
エンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置 Download PDFInfo
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請求項1では、エンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置は、作業機本体を後方に接続したエンジンを収容するエンジン室と、前記エンジン前方に配置されるラジエータを収容する排風ダクト室とを備えたエンジン駆動型作業機において、ブローバイガスを液体成分と気体成分とに分離する分離用管本体を前記排風ダクト室内に立設し、エンジンから導入するブローバイガスをブローバイガス管を介して前記分離用管本体に接続し、前記分離用管本体は、頂部と底部とが閉塞され、上端部に気体成分の吐出口と下端部に液体成分の排出口とを有し、中間部にブローバイガスを導入する導入口と該導入口の下方に位置するラジエータの排風取入れ口とが形成され、前記分離用管本体の前記液体成分の排出口には、ドレン排出弁が備えられ、前記分離用管本体の前記排風取入れ口と前記底部との間を、液体成分の液体貯留部として形成したことを特徴とする。
図1は、本発明に係るエンジン駆動型作業機を説明する斜視説明図である。図2は、本発明に係るエンジン駆動型作業機の側面図である。図3は、本発明に係るブローバイガス分離排出装置の断面説明図である。図4の(a)は、図2のA−A断面の説明図、(b)は、(a)のB−B断面の説明図である。図5は、本発明に係るブローバイガス排出装置の詳細説明図である。
本発明の実施形態の説明では、図1における左側のラジエータ6側をエンジン駆動型作業機の前方といい、右側の作業機本体4側を後方という。
図1において、エンジン駆動型作業機は、環境ベース2上に載置されたケース1内に収容されている。ケース1内に収容されたエンジン駆動型作業機は、ケース1の略中央に配置されたエンジン3を中心として、エンジン3の後方に作業機本体4が直結され、エンジン3の前方にラジエータ6を配置した直列状の構成を主として備えている。そして、前記ラジエータ6及びマフラー7の上方のケース1の天井面には、エンジンガス排気用と冷却風排風用を兼用する天井開口部11が設けられている。
エンジン室8には、エンジン3と、その前方に設けられたエンジン駆動の冷却ファン5と作業機本体4等が収容されている。また、排風ダクト室9には、ラジエータ6とマフラー7とが収納されており、ラジエータ6は、仕切板10に取り付けられている。
図3に示すように、冷却ファン5によって図示しないケース1の後方の吸気口から吸気された冷却風が、エンジン室8内に収容された作業機本体4及びエンジン3等を冷却した後、エンジン室8から仕切板10の後記する開口部を通って、ラジエータ6を収容する排風ダクト室9へと送風されるようになっている。
本実施形態においては、本発明に係るブローバイガス分離排出装置は、ブローバイガス分離管13として構成されている。前記排風ダクト室9とエンジン室8との境を区画する前記仕切板10の排風ダクト室9側にブローバイガス分離管13が設けられている。このブローバイガス分離管13は、図1に示すように、排風ダクト室9内において、ケース1の一側部に設けられたメンテナンス用ドア1A,1Bと同じ側に配設されている。
このブローバイガス管12は、耐油、耐熱性の塩化ビニール等で造られており、ブローバイガス分離管13のガス導入管16に接続され、止め具により適宜固定されている。
ブローバイガスは、エンジン3からブローバイガス管12により導かれて、ブローバイガス分離管13へ導入される。
本実施の形態では、ブローバイガス分離管13は、断面角形の直管中空状の形態を有するブローバイガス分離用の管本体13Aを主体として構成されている。図示するように、この管本体13Aの頂部13Bと底部13Cとは、閉塞されている。この管本体13Aは、その上端部に形成された排風ダクト室9内へ向かってブローバイガスの気体成分を吐出する吐出口13Dと、下端部に形成された液体成分を排出するための排出口と、前記吐出口13Dより下方に位置する管本体13Aの中間部に、エンジン3からのブローバイガスを管本体13A内に導入する導入口と、この導入口より下方に位置して前記ラジエータ6を通過した後の排風を管本体13A内に取り入れる排風取入れ口とが穿設されている。
前記吐出口13Dと排風取入れ口とは、断面角形の管本体13Aの前面部に形成されており、前記導入口と排出口とは、反対側の管本体13Aの後面部に形成されている。
このように、排風取入れ管17は、管本体13Aから前方に向かって下向き傾斜角度で取り付けられているため、図3に示すように、ラジエータで熱交換後の排風をブローバイガス分離管13内に取り入れ易くなっている。また、雨天などの悪天候において、排風ダクト室9の天井開口部11から異物や雨水等が降りかかった場合においても、排風取入れ管17がこのように下向き傾斜角度になっているため、管先端の開口から異物や雨水等がブローバイガス分離管13内に侵入することを防止することができるようになっている。
このように、本発明では、ブローバイガス分離管13内において、気体成分と分離されて液体成分となった油滴Xは、管内面に沿って滴下して液体貯留部13Eに溜まり、液体成分Yとして貯留されるエンジンオイルが液体貯留部13Eの底部からドレン排出弁19を手動で開閉操作することにより排出され、回収されるように構成されている。
なお、本実施形態では、万一、ドレン排出弁19から排出するメンテナンスを忘れた場合でも、液体貯留部13Eに溜まった液体成分は、排風取入れ管17から溢れ出るので、ブローバイガス分離管13を閉塞することはない。また、このような排風取入れ管17から溢れ出てブローバイガス分離管13外へ滴下するような事態が発生した場合であっても、液体成分の油滴は、傾斜板22が設けられている排風ダクト室8の底部で受け止められ、環境ベース2内へと誘導されるように構成されており、外部へ漏出することはないように設計されている。
また、ガス導入管16、排風取入れ管17、ドレン管18の各管は、ブローバイガス分離管13の後面と前面を構成する平坦面にそれぞれ取り付けられるので、管本体13Aのそれぞれの開口に対する各管の取付角度の調整が簡単かつ容易であり、ブローバイガス分離管13の組立作業を精度良く効率的に行うことができると共に、曲面を有する円形管等を使用する場合に比べて、位置決め等が容易である利点がある。
このため、排風ダクト室9内に配置したブローバイガス分離管13内へ取り入れる排風取入れ管17における排風の静圧は、管本体13Aの上端部の吐出口13Dにおける静圧より高くなっており、この静圧差により、ブローバイガス分離管13には、ラジエータ6から排出された排風が作用し、ラジエータ6の熱交換により加温された排風の空気流が前記排風誘導板20に誘導されて排風取入れ管17から管本体13A内に流入し、ブローバイガス分離管13の管内を上昇して流れるようになっている。
このように、ブローバイガスが前記ブローバイガス管12から管本体13A内に導入される際、ガス導入管16の傾斜角度によって管内下方に向かうガスの流れ成分が発生するため、管内における滞留時間が長くなると共に、排風取入れ管17からの排風との接触でブローバイガスが乱流状態となることにより、ブローバイガスが管内面と接触する機会が増大し、液滴化への分離が促進される。
さらに、ブローバイガスの気体成分は、ラジエータ6から排出されて排風ダクト室9内から上昇してきた排風と共に吹き飛ばされ、ケース1の外部へ放散される。
この結果、ラジエータ6のコア面へのオイルの付着が激減し冷却効率の低下を招く要因をなくすことができる。
4 作業機本体
5 冷却ファン
6 ラジエータ
8 エンジン室
9 排風ダクト室
12 ブローバイガス管
13 ブローバイガス分離管
(ブローバイガス分離排出装置)
13E 液体貯留部
16 ガス導入管
17 排風取入れ管
19 ドレン排出弁
20 排風誘導板
X 油滴
Y 液体成分
Claims (5)
- 作業機本体を後方に接続したエンジンを収容するエンジン室と、前記エンジン前方に配置されるラジエータを収容する排風ダクト室とを備えたエンジン駆動型作業機において、
ブローバイガスを液体成分と気体成分とに分離する分離用管本体を前記排風ダクト室内に立設し、
エンジンから導入するブローバイガスをブローバイガス管を介して前記分離用管本体に接続し、
前記分離用管本体は、頂部と底部とが閉塞され、上端部に気体成分の吐出口と下端部に液体成分の排出口とを有し、中間部にブローバイガスを導入する導入口と該導入口の下方に位置するラジエータの排風取入れ口とが形成され、
前記分離用管本体の前記液体成分の排出口には、ドレン排出弁が備えられ、
前記分離用管本体の前記排風取入れ口と前記底部との間を、液体成分の液体貯留部として形成したことを特徴とする
エンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置。
- 前記分離用管本体の前記導入口には、ガス導入管が備えられると共に、前記ドレン排出弁には、ドレン管が備えられ、
前記ガス導入管の端部と前記ドレン排出弁は、前記ラジエータ後方のエンジン室内に位置するように設けられていることを特徴とする
請求項1に記載のエンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置。
- 前記分離用管本体の前記ガス導入管は、エンジン方向に上向き傾斜角度で設けられ、
前記排風取入れ口には、前方下向き傾斜角度で排風取入れ管が備えられていることを特徴とする
請求項1又は請求項2に記載のエンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置。
- 前記分離用管本体に取り付けられる前記ドレン排出弁は、手動式のドレン排出弁であることを特徴とする請求項1ないし請求項3に記載のエンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置。
- 前記排風ダクト室には、前記分離用管本体に前記ラジエータの排風を誘導する排風誘導板が設けられていることを特徴とする請求項1ないし請求項4に記載のエンジン駆動型作業機のブローバイガス分離排出装置。
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