JP4829469B2 - 高速下りリンクにおけるパケットアクセスのためのシグナリング方法および移動通信システム - Google Patents

高速下りリンクにおけるパケットアクセスのためのシグナリング方法および移動通信システム Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は移動通信ネットワークにおけるシグナリング方法及びシステムに関し、特に、高速下りリンク・パケット・アクセス(HSDPA:High Speed Downlink Packet Access)においてハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)を使用する改良されたシグナリング方式のための方法及びシステムに関する。
【0002】
【従来の技術】
HSDPAは、下りリンク方向でのマルチメディア・サービスをサポートするために提案されている第3世代無線通信標準の広帯域符号分割多重接続方式(W−CDMA)における基本的な機能の1つである。名称が示すように、HSDPAは第3世代(3G)端末に対して高速のデータ受け渡しを可能とし、有効なマルチメディア能力を必要としているユーザーが、無線アクセス・ネットワークの限界によって従来は利用できなかったデータ転送速度の恩恵を得ることを保証する。無線アクセス・ネットワークは、ユーザー端末と移動通信ネットワークの基地局の間を結んでいる。
【0003】
第3世代パートナーシップ・プロジェクト(3GPP:3rd Generation Partnership Project)標準リリース5の一部として、すべての主要な移動電話製造業者、第3世代通信事業者、第3世代関係者は、実現可能で信頼性の高い完全なHSDPA機能を実現するために現在懸命に努力している。この機能が実現すると、HSDPAは、下りリンク方向で5メガヘルツ以上の帯域幅で最高10Mbpsの非常に高速のデータ転送速度を提供する。この特に高速のデータ転送速度を使用して、ビデオ・ストリーミング、対話型のアプリケーション及びビデオ・オン・デマンドのような高品質なアプリケーションが保証される。この目標に到達するために、たとえば、適応変調符号化(AMC:Adaptive Modulation and Coding)、ハイブリッド自動再送要求(HARQ:Hybrid Automatic Repeat Request)、複数入力−複数出力(MIMO:Multiple Input-Multiple Output)、高速セル選択(FCS:fast cell selection)、独立型の下りリンク共有チャネル(DSCH:Standalone Down link Shared Channel)及び下りリンクチャネル構造、等の基本的な技術が3GPP標準の関係者によって研究されてきた。
【0004】
これらの機能の完全で適切な動作を保証するために、シグナリングが必要とされる。現時点では、HSDPA標準は、冗長バージョン(redundancy version)及び新データ・インディケータ(NDI:New Data Indicator)に専用の4ビットを使用する。シグナリングにおけるこれらの態様のために使用されるビット数を減少して符号化に対してより大きい容量を備えるか、あるいは、冗長バージョンと新データ・インディケータに4ビットの使用を維持するが、同じシグナリング方式必要条件を仮定した場合に、移動通信システム内の送信ノードに対して選択するべき自由度を増すために、冗長バージョン内の組み合わせの数を増加するかの、いずれかが望ましいであろう。
【0005】
HSDPAシグナリング方式の背景を次に説明する。初めに、HARQに対する下りリンクシグナリング方式の必要条件は、HARQプロセス数(process number)に対して3ビット、冗長バージョンに対して2ビット及び新データ・インディケータに対して1ビットで構成されている。理論的には、冗長バージョン信号に対しては、5ビット、すなわち、sに対して1ビット、rに対して2ビット、bに対して2ビットの信号が必要であろう。冗長バージョン信号を2ビット及び3ビットに減少する試みが、以前に行われた。3ビットシグナリング方式の案はTR25.858V1.1.2として参照される3GPPテクニカル・リポートの新しいドラフトに含まれており、したがって現在は、HARQに対する下りリンクシグナリング方式の必要条件は、HARQプロセス数に対して3ビット、冗長バージョンに対して3ビット、新データ・インディケータに対して1ビットである。
【0006】
初期のドラフトにおける3ビットシグナリング方式の案では、冗長バージョン(RV)パラメータr、s、及びコンステレーション・バージョン・パラメータbは、一緒に符号化され、値Xrvを作る。値Xrvは、あるいは数列xrv1、xrv2、xrv3として表され、ここでxrv1は最上位のビットである。これは、使用される変調方式に応じて、次の表によって行われる。下記の表1は16QAM(直交振幅変調)に対する冗長バージョン(RV)符号化を示し、表2は直交位相偏移キーイング(QPSK)に対するRV符号化を示す。
【0007】
【表1】
Figure 0004829469
【0008】
【表2】
Figure 0004829469
【0009】
物理層HARQ機能は、HS−DSCH物理チャネルのビット総数に対するチャネル符号化(ターボ符号器)の出力におけるビット数に対応する。HARQ機能は冗長バージョン(RV)パラメータにより制御される、すなわち、物理層HARQ機能の出力におけるビットの正確な集合は、入力ビット数、出力ビット数及びRVパラメータに依存する。
【0010】
物理層HARQ機能は、図2に示すように、2つのレート・マッチング・ステージから成る。第1のレート・マッチング・ステージは、システマティック・ビットに対する1つのビット・ストリーム、パリティ1ビットに対する1つのビット・ストリーム、及びパリティ2ビットに対する別の第3のビット・ストリームの、3つのビット・ストリームを受信する。第1のレート・マッチング・ステージは、出力ビット数がHS−DSCHTTI(送信時間間隔)で利用できる物理チャネル・ビットの数と一致しないこと以外は、リリース99レート・マッチング機能と同じである。代わりに、出力ビットの数は、利用可能なユーザー装置のソフト・バッファリングの能力と対応する。ソフト・バッファリングの能力についての情報は上位層により提供される。入力ビットの数がユーザー装置のソフト・バッファリングの能力を超えなければ、第1のレート・マッチング・ステージはそのまま通過するものであることに注目されたい。
【0011】
第2のレート・マッチング・ステージは、第1のレート・マッチング・ステージからのビット数を、HS−DSCHTTIで利用できる物理チャネル・ビットの数と照合する。第2のレート・マッチング・ステージは、さらにリリース99レート・マッチング・アルゴリズムを使用している。しかし、レート・マッチングは、第1のレート・マッチング・ステージによって抜き取り処理(puncture)されていないビットを考慮するのみであり、特定の送信で使用されたレート・マッチング・パラメータはRVパラメータにより制御される。
【0012】
一般にチャネル・レート・マッチングと呼ばれる第2のレート・マッチング・ステージにおいて、HS−DSCHトランスポート・チャネルに対するHARQレート・マッチングは、TS25.212の4.2.7.5章で説明されている一般的な方法で、次の特有のパラメータを使用して行われる。既に説明したように、第2のレート・マッチング・ステージのパラメータは、RVパラメータのsとrの値に依存する。パラメータsは、自己復号可能な(s=1)送信と自己復号不能な(s=0)送信を区別するために、値0あるいは1を取ることができる。0からrmaxの範囲を有するパラメータrは、抜き取り処理の場合に、初期の誤差変数einiを変更する。繰り返し挿入処理の場合には、両パラメータr及びsが、初期の誤差変数einiを変更する。パラメータX、eplus及びeminusは、下記の表3に示すように計算される。
【0013】
【表3】
Figure 0004829469
【0014】
第2のレート・マッチングが行われる前のビット数はシステマティック・ビットに対してはNsysで、パリティ1ビットに対してはNp1で、パリティ2ビットに対してはNp2で、それぞれ示される。符号化された複合トランスポート・チャネル(CCTrCH)に使用される物理チャネルの数は、Pで示される。1つの無線フレーム内のCCTrCHで利用できるビットの数は、Ndataで示され、Px3xNdata1に等しく、Ndata1はTS25.212で定義されている。レート・マッチング・パラメータは次のように決定される。
【0015】
data≦Nsys+Np1+Np2に対しては、抜き取り処理(puncturing)が第2のレート・マッチング・ステージで実行される。再送信において送信されるシステマティック・ビットの数は、自己復号可能な形式の送信に対してはNt,sys=min{Nsys,Ndata}であり、自己復号不能の場合にはNt,sys=max{(Ndata−(Np1+Np2),0}である。
【0016】
data>Nsys+Np1+Np2に対しては、第2のレート・マッチング・ステージで繰り返し挿入処理(repetition)が実行される。すべてのビット・ストリーム内の類似の繰り返し挿入処理レートは、送信されるシステマティック・ビットの数をNt,sys=[Nsys×Ndata/Nsys+2Np2]に設定することにより行われる。
【0017】
送信におけるパリティビットの数は、それぞれ、パリティ1ビットに対してNt,p1=[Ndata−Nt,sys/2]であり、パリティ2ビットに対してNt,p2=[Ndata−Nt,sys/2]である。上記の表3は、第2のレート・マッチング・ステージに対して結果として生ずるパラメータ選択を要約しており、ここで、パラメータaは、パリティ1に対してはa=2を使用し、パリティ2に対してはa=1を使用して選択される。
【0018】
レート・マッチング・パラメータeiniは、
抜き取り処理の場合には、eini(r)={[Xi−(r×eplus/rmax)−1]mod eplus}+1、すなわち、Ndata≦Nsys+Np1+Np2を使用し、繰り返し挿入処理に対しては、eini(r)={[Xi−((s+2×r)×eplus/(2×rmax))−1]mod eplus}+1、すなわち、
data>Nsys+Np1+Np2を使用して、RVパラメータr及びaによって各ビット・ストリームに対して計算される。ここで、r∈{0,1,・・・,rmax−1}及びrmaxは、rを変化させることにより許容される冗長バージョンの総数である。rmaxは、変調モードによって変化することに注目されたい。
【0019】
モジュロ演算(modulo operation)に対して次の解明が使用されたことにも注目されたい。(x mod y)の値は厳密に0からy−1の範囲内にある(すなわち、−1 mod 10=9)である。
【0020】
以下は、ビット・リアレンジメント・パラメータとしても知られている、現在の3GPPテクニカル・リポートで提案されているコンステレーション・バージョン・パラメータbの説明である。ビット・リアレンジメントは、16QAM変調されたビットにのみ適用される。QPSKの場合には、ビット・リアレンジメントは発生しない。表4は、異なるリアレンジメントを作る操作を説明している。
【0021】
【表4】
Figure 0004829469
【0022】
入力シーケンスのビットは、Vpk、Vpk+1、Vpk+2及びVpk+3が、i1、i2、q1、q2にマッピングされるように、4つのグループにマッピングされる。ここで、k mod 4=0である。上の表4からの出力ビット・シーケンスは、4つのグループ、すなわち、rpk、rpk+1、rpk+2及びrpk+3の中の出力ビットにマッピングされる。ここで、k mod 4=0である。16QAMに対する上のビット・リアレンジメントは、インターリーブされた後の物理チャネル・マッピングを包含しており、それによって、ビットストリームは、ビット・リアレンジメントを受け、物理チャネルに変換される。
【0023】
【発明が解決しようとする課題】
上の説明は、HSDPAにおいて提案されているシグナリング方式の現状についての背景を提供している。本発明は、他の符号化を実行するのに利用できる少なくとも1ビットを余分に追加することにより、あるいは、(HS−DSCHのような)データ伝送の性能を最適化するために、(基地局のような)ノードBによる使用のために選択するべき追加の組み合わせを設けることにより、シグナリング方式の改善を追求している。
【0024】
【課題を解決するための手段】
本発明による第1の態様によれば、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)を使用する基地局から移動局までの移動通信ネットワークにおける信号の方法であって、前記方法は、
前記基地局において、新しいデータあるいは再送信されたデータの送信を示すコードを選択する段階と、
前記コードに、冗長バージョン・パラメータ及び/またはビット・リアレンジメント・パラメータの組み合わせを設ける段階と、
前記選択されたコードを前記移動局に送信する段階を有し、
前記選択されたコードは、利用できる組み合わせの数を増加するか、あるいはHARQシグナリング方式に必要とされるビット数を減少させる効果を有する、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)を使用する基地局から移動局までの移動通信ネットワークにおける信号の方法が提供される。
【0025】
前記方法は、新データ・インディケータ・フィールドを、前記組み合わせのそれぞれを定める信号値Xrvとマージする段階をさらに有してもよい。前記新データ・インディケータが1の値を有する場合、前記新データ・インディケータは新しいデータ伝送を示すことが望ましい。前記新データ・インディケータが零の値を有する場合、前記新データ・インディケータは再送信されたデータを示すことが望ましい。
【0026】
前記冗長バージョン・パラメータはs及びrであり、s=1は自己復号可能な送信を示し、s=0は自己復号不能な送信を示す。
【0027】
前記選択されたコードは、自己復号可能な冗長性バージョンと自己復号不能な冗長性バージョンの間の直交性を改善するために、自己復号可能なインディケータ、冗長バージョン・インディケータ及びビット・リアレンジメント・パラメータの少なくとも1つの組み合わせを有してもよい。
【0028】
第1の送信において、NDIが1の値を有する場合は、パラメータsも1の値を有するであろうことが望ましい。前記第1の送信において、rは零の値を有し、ビット・リアレンジメント・パラメータbは零の値を有することが望ましい。
【0029】
前記組み合わせを表す前記信号値は、最高8つの組み合わせを提供する3ビット、あるいは最高16の組み合わせを提供する4ビットのいずれかにより定められてもよい。前記選択されたコードが利用可能な組み合わせの数を増加させる効果を有する場合、4ビットが使用されることが望ましい。前記選択されたコードがHARQシグナリング方式に必要とされるビット数を減少させる効果を有する場合、3ビットが使用されることが望ましい。
【0030】
QPSKあるいは16QAMのいずれかが、前記選択されたコードを送信するための変調方式として使用されることが望ましい。
【0031】
本発明による第2の態様によれば、ハイブリッド自動再送要求(HARQ)を使用する移動通信シグナリング方式であって、前記移動通信シグナリング方式は、
1つまたは複数の基地局と、
前記基地局と無線通信する1つまたは複数の移動局を有し、
前記基地局の1つにおいて、新しいデータあるいは再送信されたデータの送信を示すコードが選択され、
前記コードに、冗長バージョン・パラメータ及び/またはビット・アレンジメント・パラメータの組み合わせが設けられ、
前記選択されたコードは、少なくとも1つの前記移動局に送信され、利用可能な組み合わせの数を増加させるか、あるいは、HARQシグナリング方式のために必要とされるビット数を減少させる効果を有するハイブリッド自動再送要求(HARQ)を使用する移動通信シグナリング方式が提供される。
【0032】
前記シグナリング方式は前記HSDPA方式の一部を形成してもよい。
【0033】
【発明の実施の形態】
図1を参照すると、たとえばインターネットであってもよい他の通信網4にリンクされている基本的な移動通信網2が示されている。移動通信網2は、移動通信網2と通信網4の間を結ぶゲートウェイ移動通信交換局6を有する。ゲートウェイ移動通信交換局6は、移動通信網2と通信網4の間で加入者データとシグナリング方式を処理する。移動通信網2は、少なくとも1つの基地送受信局10にリンクされている移動通信交換局8を有する。基地送受信局10は、ユーザー装置として知られている移動局12、14あるいはモバイル型のコンピューター16の任意の1つと通信を行っていることがある。基地送受信局10はノードBとも呼ばれ、下りリンク方向、すなわち、BTS10から移動局へのHSDPAプロトコルのシグナリング方式の改良が提案されているのは、基地送受信局(BTS)10と移動局12あるいは移動局14の間のインタフェイスである。
【0034】
既に説明した表1及び表2を参照すると、HARQのための下りリンクシグナリング方式の必要条件に対するこの提案は、冗長バージョンに対して3ビット、新データ・インディケータに対して1ビットを使用することが指摘される。これはXrvのための信号値を3ビットのみで可能とし、他のビットは単独で新データ・インディケータのために使用される。
【0035】
好適実施例において、以下の表5、6、7及び8のそれぞれに示すように、本発明は、NDIと信号値(Xrv)のフィールドを、よりコンパクトなシグナリング方式フォーマットにマージするプロセスを使用する。
【0036】
【表5】
Figure 0004829469
【0037】
【表6】
Figure 0004829469
【0038】
【表7】
Figure 0004829469
【0039】
【表8】
Figure 0004829469
【0040】
NDIに対するビット・フィールドと信号値をマージすることは、2つの利点をもたらす。すなわち、信号値の8つの組み合わせのすべてに対して3ビットが使用される場合、現在の下りリンク・プロトコルで提案された元の4のビットのうちの余分のビットは、符号化のために使用できる。組み合わせの数を増加する必要はなく、それは冗長バージョンであるが、HARQのシグナリング方式必要条件のためのビット数を減少させる。したがって、1ビットが節約され、この節約されたビットは、既に説明したように、他のシグナリング方式の目的のために使用することができる。これは、2つの変調方式16QAM及びQPSKのそれぞれに対して、表5及び表6で明らかに示されている。
【0041】
第2の利点は、オリジナルの4つの信号ビットが以前に提案されたように未だに使用されていれば、同じシグナリング方式必要条件を仮定した場合に、信号値の組み合わせの数は、すなわち16QAMの場合には冗長バージョンに対するものであるが、ノードB(BTS10)に対してさらに多くの選択するべき自由度を作り出すために、使用することができることである。したがって、第4のビットの使用により創出された追加の8つの信号値は、新データ・インディケータと信号値フィールドのマージングを使用することにより、得ることが可能である。これは表7及び表8に示され、元々提案された8ではなく、合計16の組み合わせを使用することができる。
【0042】
第1の送信において、新データ・インディケータ、すなわち、NDI=1である場合、自己復号可能な送信、すなわちs=1であるとき、が使用されなければならないことが、認められる。これは、システマティック・ビットがパリティ・ビットよりも重要であると考えられるからである。したがって、s=1である場合、パリティ1及びパリティ2ビット・ストリームは、抜き取り処理されるように努力されるが、システマティック・ビット・ストリームはそうではない。どの冗長バージョンが使用されるかは重要ではないので、一般性を損なうことなく、r=0と仮定することが可能である。3GPPテクニカル・リポートの現在のドラフトでは、「ビット・コレクション」及び「第2のインターリーバ」は、b=0がSMP(優先権にもとづくシンボル・マッピング法)に対応するように指定されている。
【0043】
したがって、s=1、r=0及びb=0である組み合わせは、一般性を何等損なうことなく、第1の送信のためのデフォルトとして使用することができる。さらに、RVパラメータの「インクリメンタル・レダンダンシー」及びbパラメータを使用する「コンステレーション・リアレンジメント」は、新データ・インディケータ=0である場合の再送信に使用するために、本来設計されている。
【0044】
したがって、表5及び表6から、NDIビットを考慮すると使用される信号ビットの数は減少し、これはシグナリング方式の性能の改良をもたらし、それにより余分の単数あるいは複数のビットは符号化のような他の目的のために使用することが可能であることが判る。これは、使用すべきノードBに対して組み合わせの数を増加する必要がないという仮定をしている。表6において、QPSK変調方式のシグナリング方式の必要条件は、16QAMのような制約が多くないので、bパラメータは必要がない。表7及び表8では、NDIビットを考慮して、信号値は8から16に増加している。信号値0から5及び8、12、14ならびに15は、現在の組み合わせでありボールド体で記されている。他の信号値6、7、9、10、11及び13は、NDIビットを考慮した拡張された組み合わせである。QPSKに対する表8でも、bパラメータは必要ではない。
【0045】
第2の好適な実施例は、自己復号可能な冗長バージョンと自己復号不能な冗長バージョンの間の劣悪な直交性の問題を説明しており、現在のXrv、HS−SCH性能は16QAMの場合には最適状態には及んでいない。HS−DSCHに対してより最適な性能を提供するために、Xrvの新しい選択が使用されるべきである。第2の実施例は、第1の役割として、この欠点を緩和することを目標としている。さらに、HS−DSCH性能がさらに最適化できるように、Xrvの数を増加する必要がある。したがって、1ビットの新データ・インディケータの「冗長性情報」を利用する新しいシグナリング方式の提案が、使用される。この情報とs、r及びbパラメータをマージすることにより、新しいシグナリング方式の提案は16Xrvをサポートし、したがって、現在使用されている信号ビットと同じ総数を必要とする異なる状態で、HS−DSCHの性能最適化において多くの自由度を可能にする。
【0046】
ini計算のための現在の数式は、自己復号可能な冗長性バージョンの相互間及び自己復号不能な冗長性バージョンの相互間で良い直交性をもたらす。しかし、信号値の現在の選択は自己復号可能な冗長性バージョンと自己復号不能な冗長性バージョンの間で劣悪な直交性を与え、これは、これらの両形式を送信に使用することは、高速下りリンク共有チャネル(HS−DSCH)に対して次善の性能をもたらすであろうことを意味する。したがって、自己復号可能な冗長性バージョンと自己復号不能な冗長性バージョンの間でより良い直交性、したがって、現在の提案よりもHS−DSCHに対してより良い性能を与える信号値の選択を提供することが提案される。この新しい選択が最適であるとしても、第1のレート・マッチングがトランスペアレントである場合にのみ、これが最適で有り得ることも注目される。したがって、より良い最適化を保証するために、s、r及びbの追加の組み合わせを有することが望ましい。
【0047】
以下は、Xrvの最適な選択に関する検討と提案である。HARQに関連する提案(IR、ZoRe、eini計算に対する数式...)の背景にある最も基本的な動機の1つは、合成トレリス内のエネルギー分布が均一であるほど、一般的により良い性能が得られることである。下記の例1において、自己復号可能なバージョンと自己復号不能なバージョンの両方が後続の送信に使用される場合には、現在のシグナリング方式はこの基本的原理に一致していないことが示される。ここでは、参考文献R1−02−0273、ミーティング24、「2階梯のレート・マッチング及びBcReに対するDLシグナリング方式」、に開示されているように、第1のレート・マッチングはトランスペアレントであると仮定されている。非トランスペアレントの第1のレート・マッチングは、本明細書でさらに説明する。
【0048】
次の例1、例2及び例3のそれぞれにおいて、16QAMの中速から高速の符号化レートの場合の使用に対して、前述の参考文献の表6に推薦されているように、4つの送信のシーケンスが使用される。第1と第3の送信は異なるrを有する自己復号可能(s=1)を使用し、第2と第4の送信は異なるrを有する自己復号不能(s=0)を使用する。
【0049】
例1:4つの送信のパリティ1トレリスを考える。ここで、符号化レート5/8(Np1=Nsys=1200、Ndata=1920)及び符号化レート3/4(Np1=Nsys=l440、Ndata=1920)を有する16QAMが使用される。rmax=2であることに注目されたい。次の表(例2及び例3の表を含む)のそれぞれにおいて、正方形は抜き取り処理された位置を示し、「良」により示された位置はパスされた、すなわち送信されたパケットである。
【0050】
【表9】
Figure 0004829469
【0051】
【表10】
Figure 0004829469
【0052】
現在のシグナリング方式は、自己復号可能な冗長バージョンと自己復号不能な冗長バージョンの間で劣悪な直交性を与えることが判る。結果として、3回の送信の後に合成トレリスには未だ抜き取り処理された位置が存在するが、他の位置は既に繰り返し処理されており、これは、2回、3回及び4回の送信の後に、合成トレリスに明らかなエネルギー・アンバランスをもたらす。
【0053】
下記の例2では、Xrvの新しい選択の使用は、例1よりも良い直交性と合成トレリスのより均一な分布(したがって、より良いHS−DSCH性能)を与えることが判る。
【0054】
例2 4回の送信のパリティ1トレリスを考える。ここで、符号化レート5/8(Np1=Nsys=1200、Ndata=1920)及び符号化レート3/4(Np1=Nsys=l440、Ndata=1920)を有する16QAMが使用される。rmax=4であることに注目されたい。
【0055】
【表11】
Figure 0004829469
【0056】
【表12】
Figure 0004829469
【0057】
自己復号可能な冗長バージョンと自己復号不能な冗長バージョンの間により良い直交性があることが判る。結果として、すべてのビットは3回の送信の後に送信される。2回、3回及び4回の送信の後に、合成トレリスには良く均一なエネルギー分布も存在する。リンク・レベル・シミュレーションの結果(図3参照)は、例2は例1よりも約0.2dB性能が改善されていることを示している。シミュレーションは、TR25.858V1.1.2のように、現在の実用的な仮定を使用している。送信に使用されたパラメータbの値は、参考文献の表6と同じである。
【0058】
したがって、次の表9に記載する以下の最小限の信号セットを使用するべきことが推奨される。16QAMに対して、ここでrmax=4であることに注目されたい。
【0059】
【表13】
Figure 0004829469
【0060】
以下は信号容量の拡張についての提案に対する説明である。前述のように、上述の参考文献で提案された8Xrvの選択は、第1のレート・マッチングがトランスペアレントであるという仮定にもとづいている。下記の例3では、表9のXrvの新しいセットは現在のシグナリング方式よりも最適な性能を提供してはいるが、非トランスペアレントの第1のレート・マッチングを考えれば、それは次善のものとなる恐れがあることが示されている。
【0061】
参考文献で提案された8Xrvの選択は、第1のレート・マッチングはトランスペアレントであるという仮定にもとづいている。下記の例3において、表9のXrvの新しいセットは現在のシグナリング方式よりも最適な性能を提供してはいるが、非トランスペアレントの第1のレート・マッチングを考えれば、それは次善のものとなる恐れがあることを本発明者は示す。
【0062】
例3:4回の送信のパリティ1トレリスを考える。ここで、符号化レート3/4(Nsys=1440、Ndata=1920)を有する16QAMが使用されている。ユーザ装置の能力は、Npl=1200であるように制限されていると仮定する。rmax=4であることに注目されたい。
【0063】
【表14】
Figure 0004829469
【0064】
新しく提案されたシグナリング方式さえも次善である。
【0065】
【表15】
Figure 0004829469
【0066】
最適なシーケンスは8Xrvの最小限のセットではサポートされない。
【0067】
トランスペアレントな第1のレート・マッチングの場合に最適なシーケンスは、ノントランスペアレントな第1のレート・マッチングの場合には次善になることが判る(3回の送信の後に合成トレリスに抜き取り処理された位置が存在する)。非トランスペアレントな第1のレート・マッチングに対して最適なシーケンスは、2回の送信の後にすべてのビットが送信されることを可能にし、2回及び4回の送信の後に合成トレリスに完全に均一な分布をもたらす。しかし、このシーケンスの第2及び第3の送信のパラメータは、最小限の信号セット(s=0とr=0、s=1とr=1)の内には存在しない。したがって、ノードBが異なる場合に対して最適な選択をすることができるように、より多くの組み合わせのXrvを有することが望ましい。
【0068】
前述のように、パラメータs、r及びbに対する信号のために、sに対して1ビット、rに対して2ビット、bに対して2ビットの、5ビット信号(32Xrv)が必要とされるであろう。しかし、上述の参考文献及び参考文献2「R1−02、0276ミーティング」、No.24、「HSDPAに対するRrv及び CoReのシグナリング方式」によるシミュレーション研究は、シグナリング方式のためには2ビットのみが使用されるべきであるとの初期制限に適合するように、効果的な組み合わせの数は、32Xrvから8Xrv及び4Xrvまで、それぞれ減少できることを示している。参考文献で説明された方式は3ビットを使用するが、HS−SCCHの性能は僅かに劣化するのみである。より重要なことは、参考文献で説明された方式は、ジーメンス参考文献の提案よりも、現在最高8回の送信を想定しているHS−DSCHに対して良い性能最適化を提供することである。これは4Xrvを使用すると最高4回の送信の後にノードBは組み合わせを再利用しなければならないからであり、これは後続の送信でチェイス合成(Chase combining)が使用され、かつ、4回の送信後の性能は次善であることも意味している。8Xrvの使用で状態は改善されるが、少なくとも5回の送信の後にノードBは依然として次善のチェイス合成を使用しなければならない。(参考文献2の表6及び表7参照)したがって、最高8回の送信に対してノードBが常に最適な選択をすることができるように、より多くのXrvの組み合わせを有することが望ましい。
【0069】
HARQに対するシグナリング方式に追加の組み合わせが含まれるべき必要を論じてきたが、16Xrvを備える新しいシグナリング方式は現在使用されているシグナリング方式と同数のビットを必要とすることが提案される。
【0070】
第1の例を参照して開示したように、新データ・インディケータNDI=1である第1の送信において、自己復号可能な送信が使用されなければならない、すなわちs=1であることが判る。これは、システマティック・ビットがパリティビットより重要であると考えられる場合である。さらに、どの冗長バージョンが使用されるべきであるかは重要ではない。したがって、一般性を損なうことなく、r=0が仮定できる。参考文献3、TR25.858V1.1.2において、「ビット収集」及び「第2のインターリーバ」は、b=0がSMPに対応するように、設計されている。
【0071】
したがって、s=l、r=0及びb=0の組み合わせは、一般性を何等損なうことなく、第1の送信に対してデフォルトとして使用することができる。(参考文献3の表6から表8参照)
「インクリメント・レダンダンシー」及び「コンステレーション・リアレンジメント」は、NDI=0である場合の再送信に使用するために、本来設計されている。すべてのパラメータNDI、s、r及びbは、HARQに関する情報であり、タイミング及び正確性に関して等しく重要であることが判る。
【0072】
この結果から、NDIの冗長性を効果的に省くことによってシグナリング方式能力を増加するために、NDI、s、r及びbフィールドは、新しいシグナリング方式フォーマットにマージされる。Xrvの選択の最適性についての上の説明を考慮すると、新しいシグナリング方式は下記の表10で提案するようになる。
【0073】
【表16】
Figure 0004829469
【0074】
表9及び表10のそれぞれにおいて選択された値は、自己復号可能な冗長バージョンと自己復号不能な冗長バージョンの間により良い直交性を保証することにより、現在の信号値より最適な性能を提供する。表9及び表6のそれぞれは、組み合わせの数を増加する必要がない仮定で、NDIビットを考慮することによる信号ビット数の減少を示している。表10は、NDIビットを考慮することによる信号値の拡張を示す。ボールド体で識別される0から11までの信号値は、トランスペアレント・マッチングの場合の最高8回の送信に対する最適な選択であり、ここで符号化レートは3/4未満である。信号値12、13、14及び15は、ノントランスペアレントの第1のレート・マッチングの場合及び/または符号化レートが3/4以上である場合に、性能を最適化するために使用できる暫定的な組み合わせである。QPSKに対するシグナリング方式の必要条件は16QAMに対するよりもはるかに少ないから、QPSKのために信号を増加する必要がない場合には、HARQのための共通のシグナリング方式フォーマットを得るために、表8を使用することができる。
【0075】
結論として、下りリンクHARQ信号のために利用できる同数のビットを使用して、16Xrvを使用する新しいシグナリング方式は、HS−DSCHに対する性能の最適化において、より良い性能とより多くの自由度を提供する。したがって、第2の実施形態では、第1のオプションで組み合わせの数(すなわち冗長バージョン)を増加する必要が無ければ、HARQシグナリング方式必要条件に対するビット数を減少できることが判る。したがって1ビットを節約することが可能であり、この節約されたビットは、他の信号形式のために、あるいは信号チャネルの性能を改善するために使用できる。すなわち、HS−SCCHに対するより良いチャネル符号化。オプション2において、信号ビットの数を現在使用されている数と同じに維持することにより、このような組み合わせを選択するためにノードBに対してより多くの自由度を作るために、16QAMの場合に組み合わせの数を増加させることが可能である。(すなわち冗長バージョン)これは、H−DSCHの性能をさらに最適化する。
【0076】
本明細書に添付する特許請求の範囲で定める本発明の範囲を逸脱せずに、上述のシグナリング方式の多くの変形と修正が存在しうることを、当業者は十分に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】加入者端末を含む簡単な移動通信ネットワークのブロック図である。
【図2】物理層HARQ機能のブロック図である。
【図3】リンク・レベルのシミュレーション結果のプロットを示す。
【符号の説明】
2 移動通信網
4 通信網
6 ゲートウェイ移動通信交換局
8 移動通信交換局
10 基地送受信局
12、14 移動局
16 モバイル・パーソナル・コンピューター

Claims (14)

  1. 基地局から移動局までの移動通信ネットワークにおけるハイブリッド自動再送要求を使用するシグナリング方法であって、
    前記基地局において、
    新しいデータあるいは再送信されたデータの送信であることを示す新データ・インディケータに対する1ビットの信号と、冗長バージョン・パラメータに対する信号と、ビット・リアレンジメント・パラメータに対する信号とを一緒に符号化した信号を生成するステップと、
    前記信号を前記移動局に送信するステップを有するシグナリング方法。
  2. 前記信号を生成するステップは、送信が新しいデータであることを示す新データ・インディケータが格納される新データ・インディケータ・フィールドを、前記組み合わせのそれぞれを定める信号値Xrvとマージするステップをさらに有する請求項1記載の方法。
  3. 送信が新しいデータであることを示す新データ・インディケータが1の値を有する場合、前記新データ・インディケータは新しいデータ伝送を示す請求項2記載の方法。
  4. 送信が新しいデータであることを示す新データ・インディケータが零の値を有する場合、前記新データ・インディケータは再送信されたデータを示す請求項2記載の方法。
  5. 前記冗長バージョン・パラメータはsを含み、s=1は自己復号可能な送信を示し、s=0は自己復号不能な送信を示す請求項1記載の方法。
  6. 前記選択されたコードは、自己復号可能な冗長性バージョンと自己復号不能な冗長性バージョンの間の直交性を改善するために、自己復号可能なインディケータ、冗長バージョン・インディケータ及びビット・リアレンジメント・パラメータの少なくとも1つの組み合わせを有する請求項1記載の方法。
  7. 送信が新しいデータであることを示す新データ・インディケータが1の値を有する場合は、パラメータsも1の値を有する請求項5記載の方法。
  8. 前記送信において、前記冗長バージョン・パラメータを構成するrは零の値を有し、ビット・リアレンジメント・パラメータbは零の値を有する請求項5記載の方法。
  9. 前記組み合わせを表す前記信号値は、最高8つの組み合わせを提供する3ビット、あるいは最高16の組み合わせを提供する4ビットのいずれかにより定められる請求項1記載の方法。
  10. 前記信号に、利用可能な組み合わせの数を増加させる効果を有するものとする場合、4ビットが使用される請求項9記載の方法。
  11. 前記信号に、HARQシグナリング方式に必要とされるビット数を減少させる効果を有するものとする場合、3ビットが使用される請求項9記載の方法。
  12. QPSKあるいは16QAMが前記選択されたコードを送信するための変調方式として使用される請求項1記載の方法。
  13. ハイブリッド自動再送要求を使用する移動通信システムであって、
    1つまたは複数の基地局と、
    前記基地局と無線通信する1つまたは複数の移動局を有し、
    前記基地局の1つにおいて、
    新しいデータあるいは再送信されたデータの送信であることを示す新データ・インディケータに対する1ビットの信号と、冗長バージョン・パラメータに対する信号と、ビット・リアレンジメント・パラメータに対する信号とを一緒に符号化した信号を生成する移動通信システム。
  14. 前記システムは高速下りリンク・パケット・アクセスの一部を形成する請求項13記載の移動通信信号システム。
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