JP4828477B2 - 用紙処理装置及び画像形成装置 - Google Patents

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本発明は、搬入された用紙に対して、整合、ソート、スティプル、パンチ、中折りなどの所定の処理を施す用紙処理装置、及びこの用紙処理装置を一体又は別体に備えた複写機、プリンタ、ファクシミリ、あるいはこれらの機能を複合して備えたデジタル複合機などの画像形成装置に関する。
用紙処理装置に備えられた機能の1つとして綴じ装置、所謂スティプラがある。このスティプラは、整合された用紙束に対して所定の位置でスティプル針によって綴じ処理を行う。スティプル針は消費されると、スティプラを所定位置、例えば装置の前面側の針補給位置に移動させ、その位置でスティプル針を収納したカートリッジをセットすることにより針補給が行われる。
このようなカードリッジの交換技術として例えば特許文献1に開示された発明が公知である。この発明は、操作性を考慮し、針カートリッジを交換する位置以外ではスティプラが手動で回転できないようにするため、用紙束に対して所定位置でスティプル処理を行うスティプラを備えた用紙処理装置において、前記スティプラを用紙の搬送方向後端に沿って移動させる手段と、前記用紙の搬送方向後端に沿って移動させるときは回動不能に、所定位置では回動可能に前記スティプラを支持する手段と、前記所定位置における回動範囲を規制する手段とを備えた用紙処理装置を特徴としている。
特開2002−273705号公報
前述のような用紙処理装置では、針交換でカートリッジをセットする際、ユーザが不用意にスティプラを装置内部へ押し込むことがある。内部にカートリッジが押し込まれると、針交換位置に戻すのが難しく、ユーザでは針交換ができなくなるような事態も想定される。そこで、従来では、カートリッジを装置内部に押し込んでしまっても容易に復帰できるようにダイヤルツマミを設け、ツマミを操作することにより針交換位置へスティプラが復帰できるようにしていた。
しかしながら、このような構成では、スティプラは復帰することはできても針カートリッジをセットする際、またスティプラが移動してしまうため、片手でスティプラを固定し、もう一方の手でカートリッジをセットする必要があった。このセット時に、綴じ枚数容量の小さいスティプラでは、スティプラ自身の重量が軽いことから簡単にスティプラが動いてしまい、カートリッジのセット性に問題があった。
前記ダイヤルツマミは、スティプラが移動したときに復帰させるためだけに本来の機能とは別に追加して設けているので、余分なコストが高くなるという問題があった。
そこで本発明が解決しようとする課題は、片手で容易に針交換を行うことができ、ダイヤルツマミが不要な安価な用紙後処理装置、及び画像形成装置を提供することにある。
前記課題を解決するため、第1の手段は、搬入されてきた用紙の束を綴じるスティプル手段を備えた用紙処理装置において、前記スティプル手段を針交換位置に移動させる移動手段と、綴じ針の有無を検知する針有無検知手段と、針交換位置で前記スティプル手段の位置を規制する規制手段と、前記針有無検知手段により針無しが検知されたとき、前記スティプル手段を針交換位置に移動させ、前記規制手段によって前記スティプル手段が針交換位置から動かないようにする制御手段と、を備え、前記規制手段は、前記スティプル手段に対して針交換する際に開放する扉の内側に設けられ、前記スティプル手段に当接して当該スティプル手段の位置を規制し、前記スティプル手段が前記規制手段に当接する部分がすくい形状となるテーパ面に形成され、前記扉を開放したときに前記スティプル手段の位置を針交換位置に規制し、前記扉を閉鎖したときに前記スティプル手段の規制が解除されることを特徴とする。
第2の手段は、第1の手段に係る用紙処理装置において、前記規制手段が前記扉と一体に形成されていることを特徴とする。
第3の手段は、第1又は第2の手段に係る用紙処理装置を画像形成装置が備えていることを特徴とする。
本発明によれば、針交換位置でスティプル手段の位置を規制する規制手段を備えているので、針交換を容易に片手で行うことが可能となり、ダイヤルツマミも不要となることから、安価な用紙後処理装置、及び画像形成装置を提供することができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施形態について説明する。
図1は本実施形態に係る用紙処理装置として用紙後処理装置の全体的な構成を示す斜視図である。同図において、用紙後処理装置PDは、用紙搬送経路を一体に成型したフレーム3と、フレーム3を覆うカバー類と、画像形成装置PRから搬入された用紙を重ねた用紙束にスティプル処理を行うスティプル装置5と、スティプル処理された用紙束を積載する排紙トレイ4とから大略構成されている。また、操作側から見て前面に当たる部分には開閉扉2が設置された前面カバー1が設けられている。開閉扉2はスティプル針を交換する際に開いて操作するものである。
図2はスティプル装置5の移動及び角度変更機構を示す正面図、図3はその平面図である。これらの図において、用紙束を直接綴じるスティプラ13はスティプラ回転台50に固定されている。スティプラ回転台50のスティプラ中心線51a上には2個所にピン51が固定されている。ピン51はスティプラ台31に設けられた長穴61と円弧形状部62に嵌め込まれており、スティプラ13は前記長穴61と前記円弧形状部62の形状に沿ってスライド可能となっている。なお、前記形状は、スティプラ台31の中心線51aに対して左右対称に形成されており、スティプラ13の回転する際の軌跡も左右対称の動きとなる。また、スティプラ回転台50の一端には前記円弧形状部62と同心円上にギヤ部50aが形成されており、これに噛み合うギヤ列52,53を介してモータ54によりスティプラ13を回動させることができる。
なお、ギヤ列52,53及びモータ54はスティプラ台31に固定されている。またスティプラ回転台50の回転角はスティプラ回転台50に固定されたフィラー50bと、このフィラー50bの位置を検出するセンサ55により基準位置が検出できるので、任意の角度に設定することができる。スティプラ台31は、スティプルスライダ30のガイド穴30bにガイドピン32が遊嵌し、前記ガイド穴30bの形成方向である図2の矢印A方向に移動可能となっている。さらにスティプラ台31の下面には軸44が突設され、その軸44に対して第1のガイドコロ34が回転可能に取り付けられている。ガイドコロ34はガイドカム35の側面に当接し、当該側面上を転動する。これにより前記側面によってガイドされる。
スティプルスライダ30の上方部分は、フレームの両側板に掛け渡されているガイドロッド36をガイドとして図2の紙面垂直方向にスライド可能に取り付けられている。また、スティプルスライダ30の下方部分に取り付けられているガイドコロ33がフレーム3のステー43の下面に当接して転動する。これによって、スティプルスライダ30はガイドロッド36回りの回転が規制され、紙面に垂直な方向の移動のみが許容される。スティプルスライダ30には突き当て曲げ30aが設けられ、前記開閉扉2のガイドリブ2b(図4参照)に前記突き当て曲げ30aが突き当たることによって、図4の矢印K方向に移動することができないようになっている。
また、ステー43にはガイドカム35が固定されていると共に、このガイドカム35の上端辺部に形成されているカム面には前記ガイドコロ34が当接し、当該カム面上を転動する。これによって、前述のようにスティプルスライダ30は図2の紙面垂直方向に往復移動する。スティプルスライダ30の図2において中央の部分は同図から分かるように下方向に凹の形状に形成され、この凹形状の部分に前記ガイドカム35及びガイドコロ34が位置している。これによってガイドカム35との干渉を避けてスティプルスライダ30の移動が可能となっている。
また、この凹形状の部分に当たるスティプラスライダ30の下面には検知板30cが垂設されている。この検知板30cは、その移動軌跡がスティプルスライダ30の移動によりフレーム側に設けられたホームポジションセンサ40の光透過部の間を通過する位置に設けられている。これにより前記検知板30cがホームポジションセンサ40の光透過部に位置すると、検知用の光が遮蔽され、スティプルスライダ30の位置、ひいてはスティプラ13のホームポジションが検知される。
フレーム3にはスティプラ移動用のステッピングモータ(不図示)が取り付けられており、このステッピングモータにより駆動されるタイミングベルト(不図示)の一部が上記スティプルスライダ30に固定され、スティプルスライダ30が図2の紙面垂直方向に往復移動する。スティプラ13の針交換の際は、ステッピングモータの駆動によりスティプルスライダ30が針交換位置まで移動し、その後、モータ54によりスティプラ回転台50を回転させ、スティプラカートリッジ13a(図4)を針交換しやすい位置に移動させる。
図4はスティプラ13の針交換位置における斜視図、図5は同じく側面図である。これらの図において、前側のカバー部分は、フレーム3にネジ(不図示)で固定された前カバー1と針交換用の開閉扉2とから構成されている。開閉扉2は、開閉の際回転中心となるボス2aと、開放したときスティプルスライダ30に当接して矢印K方向へのスティプラ13の移動を規制するガイドリブ2bと、スイッチOFFにより供給電源を遮断するインタロックスイッチ6の板バネ6aを押圧する押圧リブ2cとを備えている。
大略上記のように構成された用紙後処理装置PDにおいて針交換を行う場合、針交換は以下のようにして行われる。なお、図6は開閉扉2を閉じた状態を示す側面図、図7は開閉扉2の閉鎖動作時の状態を示す側面図、図8は開閉扉2の開放動作時の状態を示す側面図、図9は本実施形態に係る用紙後処理装置PDと画像形成装置PRとからなるシステムの制御構成の概略を示すブロック図、図10は用紙後処理装置PDにおける動作手順を示すフローチャートである。
図9に示すように画像形成装置PRと用紙後処理装置PDにはそれぞれCPU110,120が搭載され、両CPU110,120間で必要な通信(TxD、RxD、ZESM)が行われる。その際、画像形成装置PR側から用紙後処理装置PD側に駆動電量(24V)や制御電力(5V)の供給が行われ、両者は同電位に設置されている(GND)。用紙後処理装置PDには、クロック発生器121、ソレノイド102駆動用のドライバ122、ステッピングモータ103駆動用のモータドライバ123、直流モータ104制御用のドライバ124等が設けられ、各センサ101からの検知出力に応じてCPU120が各ドライバ122,123,124に駆動信号を出力し、用紙後処理装置PDの各部を制御している。なお、CPU120は図示しないROMに格納されたプログラムコードに従って、用紙後処理装置PDの各部を制御し、前述の動作を実行させる。なお、図9では、ドライバ122,123,124はそれぞれ1個ずつ図示されているが、これらは概略構成として示したもので、ソレノイド102、ステッピングモータ103、DCモータ104等の数や駆動方式によって適宜設けられる。
図10は用紙後処理装置PDの動作中における動作手順を示している。図10の動作手順では、用紙後処理装置PDによって後処理を実行しているときに、スティプラ13に内蔵された針有無検知センサ(不図示)が針無しを検知すると(ステップS101−ON)、スティプラ13は、図4に示す針交換位置へ移動する(ステップS102)。このとき、スティプラ13は針交換位置に達するまで図2の紙面垂直方向に平行移動した後、回転移動する。これは、平行移動だけでは、カートリッジ13aを引き抜くことが困難であることからであり、スティプラ13を45°回転させ、その後、操作するようにしてカートリッジ13aの着脱が容易になるようにしている。
なお、針有無センサはカートリッジ13a内の針の有無を検出する公知のもので、カートリッジ形式に応じて種々の方式があり、本実施形態では、カートリッジ内の針の有無を検知できればよいので、ここでは特に説明しない。また、本実施形態では、スティプラ13を45°回転させているが90°回転させれば更にカートリッジ13aの着脱が容易になる。そこで、スティプラ13を90°回転させてもよいことは言うまでもない。
スティプラ13が針交換位置に到達したら、開閉扉2を図1の状態から図4又は図5の状態に開放する(ステップS103)。このときインタロックスイッチ6の板バネ6aは、押圧リブ2cによって押圧されてONの状態であったものが(図6)、押圧リブ2cの離間によりOFF状態になる(図5、ステップS104−OFF)。ステップS104でインタロックスイッチ6がOFFになると、用紙後処理装置PDの供給電源は遮断されるため、各モータへの励磁が切れた状態になる。この状態で、カートリッジ13aのセットを行う(ステップS105)。しかし、セットするときの力でスティプラ13が図4の矢印K方向に動いてしまう。これを防止するために、図5に示すよう開閉扉2にガイドリブ2bを設け、突き当て曲げ30aをガイドリブ2bに突き当てることによってK方向の移動を防止している(P1)。
さらに、本実施形態においては、図8から分かるようにガイドリブ2bの角部をテーパ面2btとし、このテーパ面2bt部分に突き当て曲げ30aが当接するように寸法関係が設定されている。これにより突き当て曲げ30aがガイドリブ2bに接触するときの負荷を低減している。針交換を終え、開閉扉2を閉じると(ステップS106)、突き当て曲げ30aとガイドリブ2bの係合は解除され、スティプラ13は移動可能になる(図6)。このとき、図7に示すように押圧リブ2cがインタロックスイッチ6の板バネ6aを押すよりも早く突き当て曲げ30aとガイドリブ2bの係合を解除する(P2)ようになっている。これにより、係合した状態でスティプラ13がイニシャル動作をすることはなく、スムーズな動作を保証することができる。
次いで、ステップS106の開閉扉2がインタロックスイッチ6を押し、ONになると(ステップS107−ON)、イニシャル動作を実行し(ステップS108)、スティプル動作における針有無検知処理に戻る(ステップS101)。
なお、本実施形態では、用紙後処理装置PDのCPU120によって針交換時の動作制御を行っているが、同様の制御を画像形成装置PR側のCPU110からの指示によって、用紙後処理装置PDのCPU120が実行するように構成することもできる。
以上のように、本実施形態によれば、
1)スティプラ13が針交換位置に位置したとき、ガイドリブ2bによって針交換位置から動かないようにスティプラ13の位置を規制するので、針交換を片手で容易に行うことが可能で、スティプラ復帰用のダイヤルツマミを不要とすることができる。
2)ガイドリブ2bをスティプル針交換時に開放する開閉扉2に設け、当該開閉扉2の開放時にスティプラ13の位置を規制するようにしたので、針交換時に開閉扉2を開放したときに自動的にスティプラ13の位置が規制され、これにより針交換を容易に行うことができる。
3)ガイドリブ2bが開閉扉2と一体に成型されているので、安価にスティプラ13の位置規制機構を提供することができる。
4)開閉扉2開放時においてガイドリブ2bのスティプラ13の規制解除後に、インタロックスイッチがONになるので、規制解除前に電源が入ることがない。その結果、破損等を招くことなく確実にイニシャル動作が可能となる。
5)ガイドリブ2bにテーパ面2btを設けているので、スティプラ13の停止位置や開閉扉2のガイドリブ2b、スティプラ13の突き当て曲げ30aの寸法がバラついても確実にスティプラの位置を規制することができる。
等の効果を奏する。
本発明の実施形態に係る用紙処理装置として用紙後処理装置の全体的な構成を示す斜視図である。 スティプル装置の移動及び角度変更機構を示す正面図である。 図2におけるスティプル装置の移動及び角度変更機構の平面図である。 スティプラの針交換位置における斜視図である。 スティプラの針交換位置における側面図である。 開閉カバーを閉じた状態を示す側面図である。 開閉カバーの閉鎖動作時の状態を示す側面図である。 開閉カバーの開放動作時の状態を示す側面図である。 本実施形態に係る用紙後処理装置と画像形成装置とからなるシステムの制御構成の概略を示すブロック図である。 用紙後処理装置における動作手順を示すフローチャートである。
符号の説明
1 前カバー
2 開閉扉
2b ガイドリブ2b
2c 押圧リブ
3 フレーム
5 スティプル装置
6 インタロックスイッチ
13 スティプラ
30 スティプラスライダ
36 ガイドロッド
120 CPU
2bt テーパ面
PD 用紙後処理装置
PR 画像形成装置

Claims (3)

  1. 搬入されてきた用紙の束を綴じるスティプル手段を備えた用紙処理装置において、
    前記スティプル手段を針交換位置に移動させる移動手段と、
    綴じ針の有無を検知する針有無検知手段と、
    針交換位置で前記スティプル手段の位置を規制する規制手段と、
    前記針有無検知手段により針無しが検知されたとき、前記スティプル手段を針交換位置に移動させ、前記規制手段によって前記スティプル手段が針交換位置から動かないようにする制御手段と、
    を備え、
    前記規制手段は、
    前記スティプル手段に対して針交換する際に開放する扉の内側に設けられ、
    前記スティプル手段に当接して当該スティプル手段の位置を規制し、
    前記スティプル手段が前記規制手段に当接する部分がすくい形状となるテーパ面に形成され、
    前記扉を開放したときに前記スティプル手段の位置を針交換位置に規制し、前記扉を閉鎖したときに前記スティプル手段の規制が解除されること
    を特徴とする用紙処理装置。
  2. 請求項記載の用紙処理装置において、
    前記規制手段が前記扉と一体に形成されていることを特徴とする用紙処理装置。
  3. 請求項1又は2記載の用紙処理装置を備えていることを特徴とする画像形成装置。
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