JP4828210B2 - 遊技装置用の回転表示体 - Google Patents
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Description
回転表示体において最も一般的なものは、複数個(通常、3個)の回転表示体を組合せたものであり、各回転表示体の表面に文字や数字、記号或いは図柄等の表示物(以下、単に「表示物」という。)を表示し、個別に回転する表示体が停止したときに予め設定する組合せに揃ったとき、ゲームの成立、つまり遊技上の「当り」としてこれを表現し、予め設定しておく当りの種類、即ち図柄等の組合せに基づいてそれぞれ価値を違えた景品を遊技者に払い出す、と言った形態で実施されているものが多く、この様な形態で各種の装置の中で利用されている。
回転ドラムは、通常3個の回転ドラムを並設してこの回転ドラムの周面に表示した図柄等の組合せによって各種の「当り」を表現し、ゲームを楽しむものとなっている。この回転ドラム式の表示体は、円筒状の回転体からなるもの、テープを筒状にしてプーリに架けたもの等、構造を異にしたものがあるが、いずれもドラムの回転に伴って図柄等が上下に移動することで変化するものとなっている。しかし、その変化はこの表示物が上下に移動するに過ぎないため動きに変化が少なく単調になる問題があった。
これを解決する一つの方法として、ドラムに代えて球体としたものが提案されている。
回転する球体、即ち球形の回転表示体は回転ドラムを見慣れた遊技者に新鮮さを与えるものであり、遊技者の興趣を誘うものとなっている。
しかし、この球形の回転表示体の問題は、回転ドラム式の表示体に比較して製造が困難であることにある。
つまり、球形の回転表示体は、球体を形成すること自体がドラム形に比較して容易でないこと、加えて表示体とするためにはこの球体の表面に文字や数字、図柄等からなる表示物を表わす必要があるが、球曲面に対する印刷は技術的に困難を伴うことにある。
しかし、ここには凸部と凹部の嵌め合によって2つの殻体から1つの球体を作ることが説明されているが、この2つの殻体を分離不能に一体的に結合させることについては全く説明がされていない。
また、重要なことでもあるのに各殻体の半球面形をなす外表面にどの様にして図柄を表示するかについてこれが提案の要部となっていないこともあってか全く説明がされていないのである。
この殻体については、成形上の理由に加えて回転体として使用する上で軽量であることが望まれるが、取り分け使用時の回転及び停止動作を機敏に行う上から肉薄にして軽量な中空の球体に形成することになる。
尚、この殻体の組合せによって形成される回転体は、その周面に巻き付く表示体の熱収縮による締め付けを受けるので、この熱収縮時の締め付けに耐えられる強度が求められることになる。従って、上記殻体は素材によっても多少の差はあるが、肉厚はこの締め付けに耐えられる厚みを限度として選択されることになる。
つまり、このフィルムは展開したフィルムの状態において、或は包囲する球形の回転体の周囲の長さに合せてフィルムの状態から予め所定の幅員をもったテープ状に切断した情態にいて印刷等の方法により表示物を表現し、次にテープにした端部同士を接合して筒形の表示体とするのである。
表示体を回転体に嵌付ける際は表示体の中心部に回転体を構成する2つの殻体の互いに衝き合う開口部が一致するように嵌め付けることになる。この状態で上記表示体を加熱収縮すると、表示体の中心部がそのまま衝き合った開口部を周囲から締付けることになり、同時にこの中心部から両端部に向けた筒部分がそれぞれの殻体の表面に対して収縮して密着し、更にこの収縮に伴って2つの殻体を引き寄せ、上記開口部同士の接合を確実なものとし、しっかりした球体を作ることになる。
また、この嵌合凹部に形成する突起部と嵌合凸部に形成される切欠き凹部とは互に嵌り合うことによって2つの殻体を周方向に回転し位置ずれするのを防止することになり、安定した球体を提供することになる。
この小突起物は熱収縮によって被ってくる表示体の内面に突き出し、係合状態を作るものであり、好ましくはずれ止めの効果を有する最小の突起であること、つまり表示体の表面にできるだけ小さな歪ができる程度のものであることが望まれる。
この軸受孔は2つの殻体が結合したとき向き合うことになり、支軸を貫通状に挿通することができる。そして、この支軸を遊技装置に支持させることによって回転体を自由に回転させることができるのである。勿論、上記軸受孔には補強のため軸受板を添わせることがある。
次に、本発明を実施の形態を通して更に具体的に説明することにする。
回転体2を構成する2つの殻体2a,2bは、共に内部を中空にする同一形状の半球形に形成してあり、それぞれの頂部、つまり内側から観たときの底部に当る部分には後述する支軸を挿通する軸受孔5,6を開設し、一方の殻体2aの開口部3には縁の内周面に沿って全周に亘る環状の嵌合凹部7を、そして他方の殻体2bの開口部4には縁の内周面に沿って前記嵌合凹部7を受入れる環状の嵌合凸部8を形成している。
そして、ここでは上記相互に嵌め合わせとなる嵌合凹部7の一部に突起部9を突設し、他方の嵌合凸部8にはこの突起部9を受ける切欠き凹部10を形成して嵌合係止し、開口部3,4同士が嵌り合ったとき両殻体が周方向に任意に回転することによってずれないようにしてある。
この小突起物11は、図4に拡大して示したように表面部から僅かに突き出すもので、この表面部に貼り付く表示体12の内面部に突き出して噛ませ、表示体の移動を拘束するものとなる。
尚、ここでは一方の殻体2aの頂部に近い表面部分に周方向に2個を振分けるように突設しているが、2個以上であっても、又1個であってもよい。ただ、この小突起物11は表示体12を係止する関係からこの表示体12が被る範囲の殻体表面部に形成することになる。
上記表示体12は,延伸した熱収縮性の合成樹脂フィルムを材料にして形成してあり、ここでは、ポリ塩化ビニルを素材とする熱収縮性フィルムを図5に示すようにテープ12a状に形成し、このテープ12aの一面に印刷によって複数個の数字13a‥‥を連続的に配列し、表示物13を形成するようにしている。
図6は、この様にして表示物13を表示したテープ12aをその端部同士を接合して筒状に形成し、一面に表示した表示物13が筒体の外周面に表れるようにして表示体12としたものを表わしている。
この様に筒形にある表示体12を回転体2に対応させて寸法取りすることによってこの筒形状態の表示体12の中に回転体1を隙間なく収めることができ、その略全体を包み込むことができるものとなる。
この様にした後、上記表示体12に対して使用樹脂の収縮温度に合せた温度で加熱し、収縮処理して回転体1の外周面全面に亘って密着させ、両者を一体化する。
ただ、実際には比較的低温の範囲で、つまり100℃に近い温度で、しかもやゝ時間を掛けて20〜30秒の加熱によって収縮させ、収縮時の歪を抑えながら一体化を図るようにすることになる。
ここにおいて表示体12は、筒状をなす両方の端部をそれぞれ殻体2a,2bの表面に沿って収縮させ、端縁を窄めて殻体の頂部を残して密着させ、一体化される。
次に、この回転表示体1の使用例の説明を通して更に説明することにする。
上記筒形の軸受18は、本体フレーム17に軸受体26を介して回転自由に軸承され、また上記タイミングベルト25には張力調節装置27のローラ28を圧接して適度の張力が掛るようにしてある。
上記ベベルギヤ38は、前記回転表示体1の一方の殻体2bの頂部に接面させ、このギヤ38の背面から延設する係止爪39を前記係止穴14に掛止めることでこの回転表示体1に固定される。
尚、上記タイミングベルト33には前述のタイミングベル25と同様に張力調整装置27のローラ28を圧接させて張力を保たせてあり、また上記支軸15は軸受孔5,6を貫いて回転体2の外に突出す軸端を前記軸支持体16に設ける軸受部40,40に止め付け固定してある。
いずれの方法において使用するにしても、球体をなす回転体2の表面に表示体12が密着し、その表面に描く数字等の表示物13が明瞭に表現されることから美麗な遊技装置となり遊技者に好感を与えるものとなる。
この小突起部11は、回転体2の表面部に表示体12を加熱収縮することで貼り付けたとき、貼り付いた表示体12が回転体2に対してずれないようにするためのものであることは前述した通りであるが、ずれを防止するためには1個以上、できれば複数個の隆設が望ましく、また更にはここに示したように一方の殻体のみならず、他方の殻体にも隆設することが望ましい。
この小支軸は殻体2a,2bを成形するとき一体に形成し、殻体相互を抱き合せに結合したとき両小支軸41,41が同一軸心上に揃うようにすることになる。
この一体成形によって支軸15を不要にすることができることから、その分部品数を減らすことができるが、この小支軸41によるか、前記支軸15の支持によるかは実施者の選択に委ねられることになる。
そして、球形の回転体に貼り付けられる表示体は自らの熱収縮によって回転体の表面に密着すると同時に、この回転体の表面に突出する小突起物と係合することによって止め付けられることから回転体との一体性が確保され安定した回転表示体となる。
2 回転体
2a,2b 回転体を構成する殻体
3,4 殻体の開口部
5,6 殻体に設けた軸受部
7 嵌合凹部
8 嵌合凸部
9 突起部
10 切欠き凹部
11 小突起部
12 表示体
13 表示物
15 支軸
16 軸支持体
41 小支軸
A 本発明を実施した可変表示装置
Claims (9)
- 半円球形をなす2つの殻体の開口部同士を衝き合せて中空の球体とする回転体と、筒形にして表面に文字,数字,図柄等の表示物を施してなる熱収縮性フィルム製の表示体とからなり、前記表示体は筒形の中心部を前記回転体の2つの殻体の互いに衝き合う開口部に一致させて該開口部を取り巻くように嵌め付けると共に、この状態で該表示体を加熱収縮して前記2つの殻体を筒形をなす該表示体の両端部で等分に包み込んで締付け、殻体相互を引き寄せて回転体の表面に密着させ、これにより2つの殻体相互を結合し球体に接合すると同時に、前記表示体の密着によって球体となる前記回転体の表面に前記表示物を表現してなることを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項1に記載する遊技装置用の回転表示体において、前記回転体は2つの殻体の少なくとも一方の殻体の表面にずれ止め用突起を設けて前記表示体を加熱収縮による密着に合せて係止し、該表示体を球体となる前記回転体の表面の定位置に固定することを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項2に記載する遊技装置用の回転表示体において、2つの殻体の各頂部には軸受孔を開設し、該軸受孔に支軸を挿通して該支軸を支点に回転自由に支持することを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項2に記載する遊技装置用の回転表示体において、2つの殻体の各頂部には立ち上がり状に小支軸を突設し、該小支軸を支点に回転自由に支持することを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項2に記載する遊技装置用の回転表示体において、ずれ止め用突起は回転体の表面から突出する小突起物であることを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項2又は5に記載する遊技装置用の回転表示体において、ずれ止め用突起は2つの殻体の表面に1個若しくは間隔をおいて複数個突設することを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項2又は5又は6に記載する遊技装置用の回転表示体において、ずれ止め用突起は2つの殻体の表面を被う表示体の両端縁の近くにあって各殻体の開口部から離れた表面に設けられることを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項1乃至7に記載する遊技装置用の回転表示体において、回転体を形成する2つの殻体は一方の殻体の開口部の縁に沿う内周面部分を全周に亘って嵌合凹部を形成し、また他方の殻体の開口部の縁に沿う内周面部分には上記嵌合凹部に係合する嵌合凸部を全周に亘って突設し、両殻体の開口部同士の衝合せにおいて該嵌合凹部と嵌合凸部とを嵌め合せることを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
- 請求項8に記載する遊技装置用の回転表示体において、嵌合凸部には切欠き凹部を、また嵌合凹部には上記切欠き凹部に係入する突起部を形成して2つの殻体の開口部同士の衝き合せ時に、該嵌合凹部と突起部とを嵌め合せることを特徴とした遊技装置用の回転表示体。
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