JP4828001B1 - 汚染防止剤組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、非シリコーン系オイルと、該非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤と、を有し、乳化剤が、脂肪酸とアミン化合物との中和物である汚染防止剤組成物である。
【選択図】図1

Description

本発明は、汚染防止剤組成物に関し、更に詳しくは、ドライパートにおけるピッチの付着を十分に防止でき、且つ色抜けを抑制できる汚染防止剤に関する。
紙を製造するための抄紙工程は、一般に水中にパルプが分散された液を抄紙用の網(ワイヤー)に載せ、余分な水を自然落下させることにより湿紙とするワイヤーパートと、湿紙を一対のプレスロール間に通し、フェルトを介してプレスロールで押圧することにより、湿紙中の水分をフェルトに移行させ、これにより湿紙を脱水するプレスパートと、プレスパートを通過した湿紙を、加熱されたシリンダに接触させることで乾燥させ、紙とするドライパートと、紙をスプールと呼ばれる棒に巻き取るリールパートと、を有する。
ところで、上記ドライパートにおいては、シリンダ、カンバス、カレンダーロール、ブレーカースタックロール等(以下これらを総称して「ドライパート部位」という。)の表面にピッチが付着する問題がある。これらにピッチが付着すると、紙が汚染され、歩留まりが大きく低下する。
これに対し、ピッチの付着を防止する汚れ付着防止剤が知られている(例えば、特許文献1参照)。かかる汚れ付着防止剤は、粘度が異なるシリコーンオイルと、フッ素系界面活性剤を含む組成となっている。
特開平7−292382号公報
しかしながら、特許文献1記載の汚れ付着防止剤においては、混合したシリコーンオイルの粘度が高すぎ、且つシリコーンオイル自体の粘着性によりドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止できない。
また、段ボール等の着色された紙を製造する場合、汚れ付着防止剤が紙の色を脱落させ、紙の色が斑になる(以下「色抜け」という。)欠点がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであり、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止でき、且つ紙の色抜けを抑制できる汚染防止剤を提供することを目的とする。
上記課題を解決する本発明の汚染防止剤は、ピッチの付着防止の観点から非シリコーン系オイルを用い、色抜けを抑制できる乳化剤として脂肪酸とアミン化合物との中和物を用いることにより、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、(1)抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、非シリコーン系オイルと、該非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤と、を有し、乳化剤が、脂肪酸とアミン化合物との中和物である汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(2)脂肪酸の炭素数が18以上である上記(1)記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(3)脂肪酸がステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸及びポリカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも2種類の混合物である上記(1)又は(2)に記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(4)アミン化合物がモルホリン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンである上記(1)〜(3)のいずれか一つに記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(5)非シリコーン系オイルが、100℃における動粘度が100mm/s以上の高粘度オイルと、100℃における動粘度が20mm/s以下の低粘度オイルと、からなり、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が、0.25〜3質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度が20mm/s以上である上記(1)〜(4)のいずれか一つに記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(6)高粘度オイルが、ポリブテン、マレイン化ポリブテン及びポリエチレンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(5)記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(7)高粘度オイルがポリブテンである上記(5)記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(8)低粘度オイルが、流動パラフィン、タービン油、マシン油及び植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種である上記(5)〜(7)のいずれか一つに記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明は、(9)低粘度オイルが流動パラフィンである上記(5)〜(7)のいずれか一つに記載の汚染防止剤組成物に存する。
本発明の汚染防止剤組成物は、非シリコーン系オイルを用いることにより、シリコーンオイル自体の粘着性によるドライパート部位へのピッチの付着を防止し、且つ、乾燥後にシリコーンのカスがドライパート部位に付着することを防止できる。
また、乳化剤として脂肪酸とアミン化合物との中和物を用いることにより、紙の色抜けを抑制できる。
上記汚染防止剤組成物においては、非シリコーン系オイルが、高粘度オイルと、低粘度オイルと、からなるものであると、高粘度オイルがピッチの付着を防止させる効果を発揮し、低粘度オイルが汚染防止剤組成物自体の粘着性を緩和させる効果を発揮する。
特に、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度が20mm/s以上である場合、ピッチの付着防止効果はより大きくなる。
したがって、上記汚染防止剤組成物によれば、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止でき、且つ色抜けを抑制できる。
上記汚染防止剤組成物においては、高粘度オイルがポリブテンであり、低粘度オイルが流動パラフィンである場合、ピッチの付着防止効果をより一層向上させることができる。
上記汚染防止剤組成物においては、乳化剤が脂肪酸とアミン化合物との中和物であるので、非シリコーン系オイルに脂肪酸を溶解し、これを、アミン化合物を溶解した水に加えることにより、容易に乳化することができる。この場合、長期間放置した場合であっても、沈殿等が生じず、保存安定性が優れる。
図1は、本発明に係る汚染防止剤を用いるドライパートのドライパート部位を示す概略図である。
以下、必要に応じて図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。また、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態に係る汚染防止剤組成物は、非シリコーン系オイルと、乳化剤と、水とを有する。
上記汚染防止剤組成物は、これらを有することにより、ドライパート部位へのピッチの付着を十分に防止でき、且つ紙の色抜けを抑制できる。
非シリコーン系オイルとしては、シリコーン系以外であれば特に限定されないが、例えば、鉱油、植物油、合成油等が挙げられる。
これらの中でも、非シリコーン系オイルは、乾燥後、固形分が残らないものであることが好ましい。
非シリコーン系オイルの100℃における動粘度が20mm/s以上であることが好ましく、100℃における動粘度が100mm/s以下であることが好ましい。
また、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、35〜100mm/sであることがより好ましく、45〜65mm/sであることが更に好ましい。
非シリコーン系オイルの100℃における動粘度が20mm/s未満であると、ピッチの付着防止効果が不十分となる。なお、この動粘度が100mm/sを超えると、汚染防止剤組成物自体の粘着性が大きくなり、紙面が毟れる恐れがある。
非シリコーン系オイルは、高粘度オイルと、低粘度オイルと、からなることが好ましい。
この場合、高粘度オイルがピッチの付着を防止させる効果を発揮し、低粘度オイルが汚染防止剤組成物自体の粘着性を緩和させる効果を発揮する。
ここで、本発明において、高粘度オイルは、100℃における動粘度が100mm/s以上であることが好ましく、400mm/s以下であることが好ましい。
また、高粘度オイルの100℃における動粘度は、270〜300mm/sであることがより好ましい。
高粘度オイルの100℃における動粘度が100mm/s未満であると、動粘度が上記範囲内にある場合と比較して、ピッチの付着を十分に防止できない場合がある。
上記高粘度オイルは、ピッチとの相溶性に優れるものが用いられる。
高粘度オイルとしては、上述した粘度の条件を満たす、ポリイソブチレン、ポリブテン、マレイン化ポリブテン、ポリエチレンワックス、マイクロワックス等の合成オイルが挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。
これらの中でも、高粘度オイルは、タック性の観点から、ポリブテン、マレイン化ポリブテン及びポリエチレンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましい。なお、タック性とは、オイル自体のべと付きの度合いを意味する。
また、高粘度オイルは、散布ノズルの目詰まり防止の観点から、ブテン鎖を有するポリブテン又はマレイン化ポリブテンであることがより好ましく、ピッチ付着防止の観点から、ポリブテンであることが特に好ましい。
高粘度オイルの配合割合は、3〜7質量%であることが好ましい。高粘度オイルの配合割合が3質量%未満であると、高粘度オイルの配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、ピッチの付着を十分に防止できない場合があり、高粘度オイルの配合割合が7質量%を超えると、高粘度オイルの配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物自体のタック性が大きくなり、紙面が毟れる恐れがある。
本発明において、低粘度オイルは、100℃における動粘度が20mm/s以下であることが好ましく、5mm/s以上であることが好ましい。
また、低粘度オイルの100℃における動粘度は、10〜14mm/sであることがより好ましい。
低粘度オイルの100℃における動粘度が20mm/sを超えると、動粘度が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物自体の粘着性を十分に緩和できない場合がある。なお、この動粘度が5mm/s未満であると、色抜けが生じる場合がある。
上記低粘度オイルは、高粘度オイルとの相溶性に優れるものが好ましい。
低粘度オイルとしては、上述した粘度の条件を満たす、ギアー油、シリンダ油、タービン油、スピンドル油等の鉱油、ヤシ油、アマニ油、ヒマシ油、ナタネ油、コーン油等の植物油、流動パラフィン、イソパラフィン等のパラフィン等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。
これらの中でも、低粘度オイルは、汎用性の観点から、流動パラフィン、タービン油、マシン油及び植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、高粘度オイルとの相溶性の観点から、流動パラフィン、タービン油又はマシン油であることがより好ましく、ピッチ付着防止の観点から、流動パラフォンであることが特に好ましい。
したがって、汚染防止剤組成物においては、高粘度オイルがポリブテンであり、低粘度オイルが流動パラフィンであることが最も好ましい。この場合、ピッチの付着防止効果をより一層向上させることができる。
低粘度オイルの配合割合は、1〜6質量%であることが好ましい。低粘度オイルの配合割合が1質量%未満であると、低粘度オイルの配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物自体の粘着性を十分に緩和できない場合があり、低粘度オイルの配合割合が6質量%を超えると、粘着性の緩和効果が飽和し、結果として高コストとなる欠点がある。
高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合は、0.25〜3質量部であることが好ましく、0.25〜1.5質量部であることがより好ましく、0.4〜1.4質量部であることが更に好ましく、0.4〜1.0質量部であることが特に好ましい。
低粘度オイルの配合割合が0.25質量部未満であると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物自体の粘着性を十分に緩和できない場合があり、低粘度オイルの配合割合が3質量部を超えると、配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、粘着性の緩和効果が飽和し、結果として高コストとなる欠点がある。
上記乳化剤は、非シリコーン系オイルを乳化させる。
乳化剤は、非シリコーン系オイルを乳化させるものであれば、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、ノニオン界面活性剤等、適宜用いられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。
これらの中でも、乳化剤は、脂肪酸とアミン化合物との中和物であることがより好ましい。この場合、有機物の塩を用いることで、色抜けをより抑制できると共にオイルの乳化安定性を向上させることができる。また、脂肪酸を非シリコーン系オイルに溶解し、アミン化合物を水に溶解し、これらを混合して両者の中和反応を利用することにより、比較的容易に、乳化させることが可能となる。
上記脂肪酸としては、紙の色抜け抑制の観点から、炭素数が18以上であることが好ましい。具体的には、ステアリン酸、オレイン酸、バクセン酸、リノール酸、リノレン酸、モンタン酸、ベヘニン酸、ポリカルボン酸等の飽和脂肪酸や、これらを不飽和にした不飽和脂肪酸等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。
これらの中でも、脂肪酸は、乳化安定性及び汎用性の観点から、ステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸及びポリカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも2種類の混合物であることが好ましく、特に、ステアリン酸及びベヘニン酸の組み合わせ、モンタン酸及びポリカルボン酸の組み合わせがより好ましい。
上記アミン化合物としては、モルホリン、アンモニア、エチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン等が挙げられる。これらは単独で用いても、複数を混合して用いてもよい。
これらの中でも、アミン化合物としては、乳化安定性の観点から、モルホリン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンであることが好ましい。
非シリコーン系オイル1質量部に対する乳化剤の配合割合は、0.1〜4質量部であることが好ましい。乳化剤の配合割合が0.1質量部未満であると、乳化剤の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、乳化安定性が不十分となる場合があり、乳化剤の配合割合が4質量部を超えると、乳化剤の配合割合が上記範囲内にある場合と比較して、紙の色抜けの度合いが大きくなる欠点がある。
本実施形態に係る汚染防止剤組成物には、キレート剤、pH調整剤、防腐剤、分散剤、粘度調整剤、固体潤滑剤等の添加剤が含まれていてもよい。
次に、汚染防止剤組成物の製造方法について説明する。
本実施形態に係る汚染防止剤組成物は、非シリコーン系オイルに脂肪酸を溶解し、これを、アミン化合物を溶解した水に加えて乳化することにより製造される。
すなわち、非シリコーン系オイルに脂肪酸を溶解し、一方で、水にアミン化合物を溶解する。そして、脂肪酸を溶解した非シリコーン系オイルを、アミン化合物を溶解した水に加えて乳化させる(直接乳化法)。これにより、オイル層と水層との境界において、脂肪酸とアミン化合物との中和反応が生じると共に、オイル層と水層とが乳化する。なお、非シリコーン系オイルとして、高粘度オイルと低粘度オイルとを用いる場合は、100℃における動粘度が100mm/s以上の高粘度オイルと、100℃における動粘度が20mm/s以下の低粘度オイルと、を高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.25〜3質量部となるように配合して非シリコーン系オイルが配合される。
本実施形態に係る汚染防止剤組成物の製造方法においては、上述したように、直接乳化法を改良した方法で乳化させることにより、長期間放置した場合であっても、沈殿等が生じず、保存安定性が優れる汚染防止剤組成物が得られる。
次に、ドライパートにおける汚染防止剤組成物の使用方法について説明する。
図1は、本発明に係る汚染防止剤を用いるドライパートのドライパート部位を示す概略図である。
図1に示すように、汚染防止剤組成物は、ドライパートDで用いられる。
ドライパートDは、紙体Wと、該紙体Wを加熱乾燥するための複数の円筒状のシリンダD1,D2,D3,D4,D5,D6,D7及びD8(以下「D1〜D8」という。)と、紙体をシリンダD1〜D8に押し付けるカンバスK1,K2と、カンバスK1,K2を案内するカンバスロールKRと、乾燥した紙体Wの平滑性と紙厚を緩やかに調整するブレーカースタックロールBと、乾燥した紙体Wの平滑性と紙厚を調整するカレンダーロールCと、を備える。
ドライパートDにおいては、回転するシリンダD1〜D8の表面に紙体WがカンバスK1,K2により圧接される。これにより、紙体WがシリンダD1〜D8に付着し、同時に加熱乾燥されるようになっている。
その後、紙体Wは、ブレーカースタックロールBに挟持され、次いで、紙体Wは、カレンダーロールCにより高密度化される。
上記汚染防止剤組成物の使用方法においては、図1に示すように、ドライパートDのシリンダD1〜D8、カンバスK1,K2、ブレーカースタックロールB、カレンダーロールCに対して、それぞれ矢印Aの位置で汚染防止剤組成物が付与される。
このとき、汚染防止剤組成物の付与方法は特に限定されず、例えば、散布ノズル等を用いて液状のシャワー方式や霧状の噴霧方式等が用いられる。すなわち、ドライパートに吹き付けることにより、紙粉汚染が防止される。
このとき、汚染防止剤組成物の散布量は、固形分量として、0.1μg〜100μg/mであることが好ましい。
散布量が0.1μg/m未満であると、散布量が上記範囲内にある場合と比較して、汚染防止剤組成物が十分にドライパート部位の表面に付着せず、ピッチの付着を十分に抑制できない傾向にある。また、散布量が100μg/mを超えると、散布量が上記範囲内にある場合と比較して、余剰分が紙体に吸収されてしまう虞がある。
なお、汚染防止剤組成物が、ドライパート部位の表面に散布されると、高粘度オイルと低粘度オイルとによる皮膜が形成される。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。
例えば、上記実施形態に係る汚染防止剤組成物において、非シリコーン系オイルが高粘度オイルと、低粘度オイルとからなる場合、これに、高粘度オイル又は低粘度オイルに属さない粘度の非シリコーン系オイルを更に添加してもよい。
上記実施形態に汚染防止剤組成物においては、汚染防止剤組成物をドライパートにおけるドライパート部位に付与しているが、ドライパートのみならず、プレスパートやリールパートに応用することも可能である。
上記実施形態に係る汚染防止剤組成物の製造方法の乳化工程においては、脂肪酸を溶解した非シリコーン系オイルを、アミン化合物を溶解した水に加えて乳化させる方法(直接乳化法)が用いられているが、脂肪酸を溶解した非シリコーン系オイルに、アミン化合物を溶解した水を投入して乳化させる方法(反転乳化法)を用いてもよい。
以下、実施例及び参考例に基づいて本発明をより具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1)
ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s、40℃における動粘度9000mm/s)1.9質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s、40℃における動粘度105mm/s)8.1質量%からなる非シリコーン系オイルと、モンタン酸(炭素28)0.3質量%及びポリカルボン酸1.1質量%からなる脂肪酸と、モルホリン1質量%からなるアミン化合物と、水とを準備して全量を100質量%となるようにした。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が4.26質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、25mm/sであった。
次に、脂肪酸を非シリコーン系オイルに溶解した第1液と、アミン化合物を水に溶解した第2液とを作製し、第1液を第2液に加え、直接乳化法により乳化させることにより、サンプル(汚染防止剤組成物)を得た。
(実施例2)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)3.8質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)6.2質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が1.63質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例3)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)5質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)5質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が1質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、65mm/sであった。
(実施例4)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)5.9質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)4.1質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.69質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、85mm/sであった。
(実施例5)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)6.6質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)3.4質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.52質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、105mm/sであった。
(実施例6)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)6.2質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度2mm/s、40℃における動粘度13.5mm/s)3.8質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.61質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例7)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)5.6質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度4mm/s、40℃における動粘度23.4mm/s)4.4質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.79質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例8)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)4.4質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度10mm/s、40℃における動粘度70mm/s)5.6質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が1.27質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例9)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度85mm/s、40℃における動粘度2100mm/s)6.5質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)3.5質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.54質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例10)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度115mm/s)5.5質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)4.5質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.82質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例11)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度220mm/s)4.2質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)5.8質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が1.38質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例12)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度270mm/s)3.9質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)6.1質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が1.56質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例13)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリエチレンワックス(高粘度オイル、100℃における動粘度360mm/s)2.3質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度13mm/s)7.7質量%からなる非シリコーン系オイルを用い、更にポリオキシアルキルエーテル(ノニオン界面活性剤)0.3質量%を加えたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が3.35質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例14)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度660mm/s、40℃における動粘度24000mm/s)3質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)7質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が2.33質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例15)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、マレイン化ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度650mm/s、37.8℃における動粘度59000mm/s)4.2質量%、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)1.4質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度2mm/s)4.4質量%からなる非シリコーン系オイルを用い、実施例1の脂肪酸の代わりに、ベヘニン酸(炭素22)1.0質量%及びステアリン酸(炭素18)0.5質量%からなる脂肪酸を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.79質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例16)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、マレイン化ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度650mm/s)2.4質量%、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)0.8質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)6.8質量%からなる非シリコーン系オイルを用い、実施例1の脂肪酸の代わりに、ベヘニン酸(炭素22)1.0質量%及びステアリン酸(炭素18)0.5質量%からなる脂肪酸を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が2.13質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。
(実施例17)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、マレイン化ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度650mm/s)0.2質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)9.8質量%からなる非シリコーン系オイルを用い、実施例1の脂肪酸の代わりに、ベヘニン酸(炭素22)1.0質量%及びステアリン酸(炭素18)0.5質量%からなる脂肪酸を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が49質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、15mm/sであった。
(実施例18)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、マレイン化ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度650mm/s)4.7質量%、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)1.6質量%、ポリブテン(100℃における動粘度80mm/s)0.3質量%及び流動パラフィン(低粘度オイル、100℃における動粘度2mm/s)3.4質量%からなる非シリコーン系オイルを用い、実施例1の脂肪酸の代わりに、ベヘニン酸(炭素22)1.0質量%及びステアリン酸(炭素18)0.5質量%からなる脂肪酸を用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が0.52質量部であり、非シリコーン系オイルの100℃における動粘度は、75mm/sであった。
(実施例19)
実施例1の非シリコーン系オイルの代わりに、ポリブテン(高粘度オイル、100℃における動粘度300mm/s)3.8質量%及びタービン油(低粘度オイル、100℃における動粘度14mm/s)6.2質量%からなる非シリコーン系オイルを用いたこと以外は実施例1と同様にしてサンプル(汚染防止剤組成物)を得た。なお、高粘度オイル1質量部に対する低粘度オイルの配合割合が1.63質量部であり、混合オイルの100℃における動粘度は、45mm/sであった。なお、タービン油の代わりにマシン油を用いた場合も同じ挙動を示した。
(評価方法)
1.ピッチ付着性試験
5×25cm角のステンレス板に実施例1〜19で得られたサンプルを0.2g散布した。これを80℃で加熱乾燥した後、耐熱テープ(商品名:No.5412、住友3M株式会社製)を貼り固定した。
そして、100℃で加熱した後、耐熱テープを剥がすときの力の大きさを測定した。なお、値が大きい程、ピッチが剥離しにくい(ピッチが付着しやすい)ことを意味する。得られた剥離力を表1に示す。なお、ブランクとして、ステンレス板にサンプルを散布しない場合についても測定した。
2.実機評価
ドライヤー(シリンダ)に実施例1〜6,8,9,12,14〜16及び18のサンプルを5ml/min散布し、実機で60分間稼動させた場合のドクターブレード(ドライヤー汚れ除去装置)に蓄積したピッチの付着量(g)を測定した。得られた結果を表1に示す。
〔表1〕
Figure 0004828001
表1の結果より、実施例1〜19のサンプルは、ブランクのサンプルと比較してテープ剥離力が低かった。特に、実施例2及び3のサンプルにおいては、テープ剥離力が低くなる効果が顕著に認められた。
また、実機評価において、特に、実施例2及び3のサンプルにおいては、ピッチの付着量が少なくなる効果が顕著に認められた。
これらのことから、本発明の汚染防止剤組成物は、ピッチの付着防止効果があることがわかった。
3.色抜け試験
参考例として、表2に示す乳化剤の色抜けについて評価した。なお、表2中、脂肪酸、アミン化合物又はノニオン界面活性剤以外は、水である。
色抜け試験は、5×25cm角のステンレス板を100℃に加熱し、直径2mmの液滴が複数できるように、参考例のサンプルを散布した。これにダンボールの表層の原料から作製した手漉きの紙(茶色)をのせ、その上に1.6kgの錘を10秒間載せた。次に、紙を裏返して、ステンレス板に再びのせ、その上に1.6kgの錘を10秒間載せた。
このステンレス板の上に紙の表裏をのせ錘をその上にのせる操作を3回繰り返した。
次に、得られた紙を100℃の恒温槽で保管し、経時的(0日、1日、3日、6日、7日)にサンプル(乳化剤)の付着部分のR(red)、G(green)、B(blue)の値を画像処理ソフト(PaintShop Pro7)で測定した。これらの値の和を表3に示す。なお、表3中、R+G+Bの値が大きい程、色抜けが発生している(白っぽくなっている)ことを意味する。また、比較対象として、サンプル(乳化剤)を付与していない部分のR+G+Bの値をブランクとして測定した。
〔表2〕
Figure 0004828001
〔表3〕
Figure 0004828001
表3の結果より、色抜け抑制効果は、ノニオン界面活性剤を用いる場合よりも、脂肪酸とアミン化合物との中和物を用いるほうが優れていることがわかった。
これらのことから、本発明の汚染防止剤組成物によれば、紙の色抜けを抑制できることが確認された。
本発明の汚染防止剤組成物は、紙の抄造の際に、ドライパートのドライパート部位に付与して用いられる。本発明の汚染防止剤組成物によれば、ドライパート部位へのピッチの付着を防止でき、且つ紙の色抜けを抑制できるので、紙の製造における歩留まりを極めて向上させることができる。
B・・・ブレーカースタックロール
C・・・カレンダーロール
D・・・ドライパート
D1,D2,D3,D4,D5,D6,D7,D8・・・シリンダ
K1,K2・・・カンバス
KR・・・カンバスロール
W・・・紙体

Claims (9)

  1. 抄紙工程のドライパートにおけるピッチ汚染を防止する汚染防止剤組成物であって、
    非シリコーン系オイルと、該非シリコーン系オイルを乳化させる乳化剤と、を有し、
    前記乳化剤が、脂肪酸とアミン化合物との中和物である汚染防止剤組成物。
  2. 前記脂肪酸の炭素数が18以上である請求項1記載の汚染防止剤組成物。
  3. 前記脂肪酸がステアリン酸、ベヘニン酸、モンタン酸及びポリカルボン酸からなる群より選ばれる少なくとも2種類の混合物である請求項1又は2に記載の汚染防止剤組成物。
  4. 前記アミン化合物がモルホリン、ジエタノールアミン又はトリエタノールアミンである請求項1〜3のいずれか一項に記載の汚染防止剤組成物。
  5. 前記非シリコーン系オイルが、100℃における動粘度が100mm/s以上の高粘度オイルと、100℃における動粘度が20mm/s以下の低粘度オイルと、からなり、
    前記高粘度オイル1質量部に対する前記低粘度オイルの配合割合が、0.25〜3質量部であり、
    前記非シリコーン系オイルの100℃における動粘度が20mm/s以上である請求項1〜4のいずれか一項に記載の汚染防止剤組成物。
  6. 前記高粘度オイルが、ポリブテン、マレイン化ポリブテン及びポリエチレンワックスからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項5記載の汚染防止剤組成物。
  7. 前記高粘度オイルがポリブテンである請求項5記載の汚染防止剤組成物。
  8. 前記低粘度オイルが、流動パラフィン、タービン油、マシン油及び植物油からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項5〜7のいずれか一項に記載の汚染防止剤組成物。
  9. 前記低粘度オイルが流動パラフィンである請求項5〜7のいずれか一項に記載の汚染防止剤組成物。
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