JP4827761B2 - 液体ポンプの収納ケース - Google Patents
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Description
なお、液体が手に付着することは、尿素水に限らず、灯油等の尿素水以外の液体についても回避されることが望ましい。
図1は、本発明の一実施形態に係る液体ポンプの収納ケース1の構成を示す透視図である。
図2は、本実施形態に係る収納ケース1に納められる液体ポンプ2の構成を示す正面図である。
本実施形態において、液体ポンプ2は、電動型の液体ポンプであり、液体タンクに貯蔵されている液体としての尿素水を、これとは異なる液体タンクに汲み替える際に使用されるものである。尿素水は、たとえば、内燃機関(以下「エンジン」という。)から排出されるNOxを、尿素SCR法により浄化するのに使用される。この場合において、液体ポンプ2により尿素水が汲み替えられる汲替先の液体タンク(以下、特に「貯蔵タンク」という。)は、エンジンの排気浄化装置の構成部品として、このエンジンを駆動源とする車両に搭載される。他方、液体ポンプ2による汲替元の液体タンクは、比較的に小さな容量の補給タンクとして、携行可能に構成される。以下、尿素水の補給タンクとして構成される液体タンクを、特に「携行タンク」という。
液体ポンプ2のポンプ本体21は、収納ケース1において、第1の収納部11が形成する空間に納められる。ポンプ本体21の収納は、開口Aを広げることにより、収納ケース1の上端の開口、及び開口Aを介して行うことが可能である。他方、吐出ホース22は、第2の収納部12において、第1の収納部11が形成する空間に対して隔てられた空間に納められる。第1の収納部11において、ポンプ本体21の基部21bを包囲するケース本体上部11aに開口Aが形成されていることから、この開口Aを介して吐出ホース22を引き出し、第1の収納部11外の第2の収納部12に案内することが可能である。
まず、尿素水の補給に際し、液体ポンプ2のポンプ本体21が第1の収納部11に納められた状態で、吐出ホース22の先端部22aを第2の収納部12(具体的には、容積の小さな部分12a)から抜き出し、貯蔵タンクの補給口に挿入する。このときの貯蔵タンクに対する吐出ホース22の接続及び固定は、先端部22aに設けられた接続具23により行われる。接続後、ポンプ本体21を、その基部21bを把持することにより第1の収納部11から取り出し、吸入管21aを携行タンクに挿入する。挿入後、液体ポンプ2を作動させて、携行タンク内の尿素水を貯蔵タンクに汲み替える。次に、補給後の液体ポンプ2の収納に際し、ポンプ本体21の吸入管21aを携行タンクに挿入したままの状態で吐出ホース22の先端部22aを貯蔵タンクの補給口から抜き出し、これを第2の収納部12の部分12aに納める。ポンプ本体21の基部21bを把持して、吸入管21aに付着した尿素水を振るい落とした後、ポンプ本体21を第1の収納部11に納めて、収納を完了する。ポンプ本体21の脱落を防止するため、収納ケース1の上端の開口を閉ざすことができるように、第1の収納部11にひも13等が設けられるとよい。
図4は、吐出ホース22の先端部22aの構成を示す拡大図である。
本実施形態において、吐出ホース22は、充分な可撓性が得られるように、先端部22aを除く部分で蛇腹に形成されている。接続具23は、吐出ホース22とは別体の部材として構成され、先端部22aに対し、吐出ホース22の中心軸Lhと同心に取り付けられている。
本実施形態において、接続具23は、樹脂等の可撓性を有する素材により単一の部品として構成されており、円環状の基部231と、基部231から貯蔵タンクに対する吐出ホース22の挿入方向(以下、単に「挿入方向」という。)Diに延設された2つの係止部232,233とを備えている。基部231は、吐出ホース22に対するこの接続具23の取付強度を付与するものである。基部231は、円環状であり、吐出ホース22の先端部22aを挿入可能な内径と、貯蔵タンクの補給口H(図7)と略同径の外径とを有している。基部231には、内周から半径方向内向きに突出する複数の爪部231aが形成されており、吐出ホース22の蛇腹の窪みにこの爪部231aが噛み合うことで、吐出ホース22に対する接続具23の回転可能な取付けが達成される。一方の係止部232(「第1の係止部」に相当する。)は、貯蔵タンクに対する吐出ホース22の挿入を制限するためのものであり、基部231から挿入方向Diに延伸させて設けられている。第1の係止部232には、基部231から所定の間隔s1の位置に、中心軸Lhに対して外向きに延伸させて外方突部232aが形成されている。第1の係止部232全体としての長さは、間隔s1よりも大きく、外方突部232aよりも更に先端に、幅を縮小させて形成した舌部232bが設けられている。舌部232bは、貯蔵タンクに吐出ホース22を接続した状態で接続具23の軸周りの回転を防止するためのものである。他方の係止部233(「第2の係止部」に相当する。)は、貯蔵タンクからの吐出ホース22の抜けを防止するためのものであり、基部231から挿入方向Diに間隔s1よりも大きな値の長さに亘って延伸させて設けられている。第2の係止部233の先端には、中心軸Lhに対して外向きに湾曲する略L字状の鉤部233aが形成されている。すなわち、鉤部233aは、第1の係止部232の外方突部232aから挿入方向Diにずらして形成されており、外方突部232aと鉤部233aとにより、接続時において、補給口Hの周壁31a(図6)が上下から挟まれることになる。
本実施形態において、ホース挿入部31は、貯蔵タンクの天蓋に設けられており、上方に向けて開口する孔(すなわち、補給口)Hが設けられている。補給口Hは、接続具23の基部231と略同径である。補給口Hを形成するホース挿入部31の壁部(すなわち、周壁)31aには、第1の係止部232の舌部232bの幅と略一致させた幅で切欠きCが形成されている。貯蔵タンクに吐出ホース22を接続した状態において、切欠きCに舌部232bが受け入れられて、ホース挿入部31に対する接続具23の回転が防止される。なお、舌部232bは、周壁31aに切欠きCが設けられなくとも、挿入時における案内として機能するとともに、接続後における吐出ホース22及び接続具23の中心位置を定める位置決め手段として機能し得るものである。
図7に示すように、吐出ホース22は、貯蔵タンクに接続した状態で、第1の係止部232の外方突部232aがホース挿入部31の周壁31aに当接する。これにより、吐出ホース22の挿入長さが定められ、貯蔵タンクへの吐出ホース22の必要以上の挿入が阻止されるとともに、補給時にその先端部22aが貯蔵タンク内の尿素水に浸かることが防止される。また、第2の係止部233に略L字状の鉤部233aが設けられているので、吐出ホース22が挿入された状態から不慮に引き抜かれようとしても、鉤部233aが周壁31aにかかり、その抜けが防止される。接続具23がその全体で樹脂製とされているので、第2の係止部233が充分な可撓性を有しており、貯蔵タンクに吐出ホース22を接続する際に第2の係止部233を容易に撓ませて、接続具23をホース挿入部31に簡単に取り付けることができる。また、補給後、第2の係止部233を撓ませて、ホース挿入部31から接続具23を容易に取り外すことができる。
すなわち、本実施形態では、収納ケース1において、液体ポンプ2の吸入管21aが収納される空間と、吐出ホース22が収納される空間とを個別に、かつ互いに隔てられるように形成したので、尿素水が付着した吸入管21aと、吐出ホース22とを接触させることなく保管することができる。このため、携行タンクに挿入される吸入管21a以外の部分(特に、吐出ホース22)に尿素水が付着するのを回避することができ、使用後の液体ポンプ2の収納に際しては、液体ポンプ2に付着した尿素水により手を汚すことがなく、それ以降の使用に際しては、吐出ホース22を介して尿素水が手に付着するのを回避することができる。
以上では、接続具23を吐出ホース22とは別体の部材として構成する場合について説明したが、これに限らず、接続具23を吐出ホース22の一部として、先端部22aと一体に形成してもよい。すなわち、吐出ホース22の先端部22aは、接続具23を備える単一の部材として形成することができる。
Claims (9)
- 液体タンクからの液体の汲替えに際してこの液体タンクに挿入される吸入管を有するポンプ本体と、
前記吸入管を介して吸い出された液体を移送するための吐出ホースと、を含んで構成される液体ポンプの収納ケースであって、
前記吸入管が収納される空間を形成する第1の収納部と、
前記吐出ホースのうち、少なくともその先端部を包囲して、前記吐出ホースが収納される空間を形成する第2の収納部と、を含んで構成され、
前記第2の収納部において、前記吐出ホースが収納される空間は、前記吸入管が収納される空間に対して隔てられるとともに、前記吐出ホースの先端部が収納される空間と、この先端部以外の部分が収納される空間とに分割して形成された、収納ケース。 - 前記第1の収納部は、柔軟性シートにより形成された、前面及び後面を有するケース本体として構成され、
前記第2の収納部は、前記第1の収納部と同一の素材である柔軟性シートにより、前記第1の収納部と一体に形成された請求項1に記載の収納ケース。 - 液体タンクからの液体の汲替えに際してこの液体タンクに挿入される吸入管を有するポンプ本体と、
前記吸入管を介して吸い出された液体を移送するための吐出ホースと、を含んで構成される液体ポンプの収納ケースであって、
前記吸入管が収納される空間を形成する第1の収納部と、
前記吐出ホースのうち、少なくともその先端部を包囲して、前記吐出ホースが収納される空間を形成する第2の収納部と、を含んで構成され、
前記第2の収納部において、前記吐出ホースが収納される空間は、前記吸入管が収納される空間に対して隔てられて形成され、
前記第1の収納部は、柔軟性シートにより形成された、前面及び後面を有するケース本体として構成され、
前記第2の収納部は、前記第1の収納部と同一の素材である柔軟性シートにより、前記第1の収納部と一体に形成された、収納ケース。 - 前記第2の収納部は、前記第1の収納部の前面又は後面に設けられ、
前記吐出ホースが収納される空間は、前記吸入管が収納される空間に対し、前記第1の収納部の前面又は後面を形成する柔軟性シートにより隔てられる請求項2又は3に記載の収納ケース。 - 前記第1の収納部は、前記吸入管を含め、前記ポンプ本体をその全長に亘って包囲可能な長さを有するとともに、前記ポンプ本体のうち、前記吸入管以外の部分を包囲する上部において、前面及び後面の間で開閉可能に構成された請求項4に記載の収納ケース。
- 前記第2の収納部は、前記第1の収納部の前面又は後面において、前記開閉可能に構成された上部よりも前記吸入管が収納される空間に近い部位に設けられた請求項5に記載の収納ケース。
- 尿素水の汲替えに使用される液体ポンプの収納に用いられる請求項1〜6のいずれかに記載の収納ケース。
- 請求項1〜7のいずれかに記載の収納ケースと、
前記収納ケースに収納された液体ポンプと、を含んで構成され、
前記液体ポンプは、
液体の汲替えに際して液体タンクに挿入されて、液体タンクに貯蔵されている液体を吸い出すための輸送路を形成する吸入管を有するポンプ本体と、
前記吸入管を介して吸い出された液体を移送するための、前記ポンプ本体から分岐させて形成された吐出ホースと、を含んで構成される収納ケース付きの液体ポンプ。 - 前記液体ポンプは、前記吐出ホースの先端部に、前記吐出ホースを前記液体タンクとは異なる液体タンクに着脱可能に接続するための接続具を有し、
前記接続具は、
前記吐出ホースの先端部に設けられた円環状の基部と、
前記基部から前記異なる液体タンクに対する前記吐出ホースの挿入方向に延設され、前記基部から所定の間隔の位置に、前記基部の中心軸に対して外向きに延伸させて外方突部が形成された第1の係止部と、
前記基部から前記吐出ホースの挿入方向に前記所定の間隔よりも大きな値の長さに亘って延設され、先端に略L字状の鉤部が形成された可撓性の第2の係止部と、を含んで構成される請求項8に記載の収納ケース付きの液体ポンプ。
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