JP4826941B2 - スタッカクレーン - Google Patents

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本発明は、挿脱自在に基板(ウエハ等)を収納する物品(FOUP等)に対する位置合せ嵌合手段(キネマティックカップリング機構等)を有する多数の棚を備えたストッカーにおいて、物品の棚への搬入或いは物品の棚からの搬出を自在に行うロボットを備えたスタッカクレーンであって、物品搬送時の安定保持機構に関するものである。
近年、クリーンルーム内の工程内環状軌道に沿って配置されるウエハの各種表面処理(洗浄、成膜、レジスト、CVD、検査ほか)を行う一連の半導体製造装置(以下、ステーションという)の中で必要な処理を行うために前記ウエハを収納したFOUPを、台車(懸垂式昇降搬送装置用台車等)を用いて搬送することが多い。
このような表面処理を受ける前あるいは少なくとも一部の表面処理を終えたウエハを収納したFOUPは夫々タグに付された情報により特定され、以降の必要な表面処理がこのタグ情報に基づきコンピュータによって管理される。
この際、各ステーションは表面処理の種類の相違に応じて処理に要する時間が相違し、工程時間の調整などの理由により、FOUPを一時待機させるためストッカーが設けられている。
このストッカーは、多数のFOUP載置用棚と、所定の棚へのFOUPの搬入或いは所定の棚からFOUPを搬出するスタッカクレーンを備えている。
さて、このようにストッカー内の荷役作業を行うスタッカクレーンにて被搬送体例えば、FOUPを搬送する際、当該FOUP下面と、スタッカクレーンの可動ベースに設けられているロボットのFOUP載置用ハンド部の表面とは、キネマティックカップリング機構等の位置合せ嵌合手段において互いの相対位置が変化しないように考慮されている。
ところで、ストッカー内でのFOUPの荷役作業効率向上に伴って、スタッカクレーンの搬送速度は高速化が要望され、この搬送速度の高速化のため、急加速と急停止は当然となり、特に始動時及び停止時において位置合せ嵌合手段は、かなりの慣性力を受ける。
ついては、被搬送物としてのFOUPは、キネマティックカップリング機構等の位置合せ嵌合手段において、ロボットのFOUP載置用ハンド部上の適正な位置決め状態が維持できず、FOUPが前記ロボットのFOUP載置用ハンド部から落下する恐れがあった。
このようなFOUPの落下事故を防止するための手段として下記特許文献1がある。
この特許文献1は、FOUPがスタッカクレーンにて搬送中に受ける慣性力によって落下することを防止するため下記第1〜第3の実施例を開示している。
先ず、この第1〜第3の実施例は、
(1)図14に示されるストッカー51において、半導体基板収納用キャリア(FOUP)58を第一のキネマティックカップリング機構により、正確な位置決めのうえ保管し、整然と配列されている棚群52の前面に対向する上下左右の2次元平面内において移動可能に可動ベース59を備える構成
(2)前記可動ベース59の表面に図1〜図13に開示の第一アーム部3、第二アーム部4からなるアーム機構及びハンド部2からなるロボットが設けられ、前記ハンド部2はキャリア(FOUP)10の前面を含む平面に対して垂直方向にのみ移動できるように調整できる構成
(3)前記ロボット機構のハンド部2の表面と、キャリア10(図14における符号58に対応)の底面とは第二のキネマティックカップリング機構によって互いの相対位置を一定に規制する構成
を基礎としている。
前記(1)〜(3)の各構成を基礎として、
第一の実施例:
図1〜図5において、棚用天板63からキャリア10を搬送アーム1で取出すに当り、ハンド部2の伸長位置(平面視にて図5の状態)から、平面視にて図4に示される状態を経て縮退位置(平面視にて図1の状態)に移行する。
この際、キャリア落下防止手段5は第一アーム3の角度変位に伴って、図5、図4、図1の状態に順次変位し、当該キャリア落下防止手段5の部材5dは、前記ハンド部2の伸長位置では、キャリア10を被わず、図2、図3に示される縮退位置では、キャリアの上方の所定個所を被う。
これによって、搬送アーム1のハンド部2上にキネマティック連結機構によって位置決めされているキャリア10は搬送の初期及び終期に受ける慣性力による落下が防止される。
第二の実施例:
図6〜図9において、棚用天板63からキャリア10を搬送アーム20で取出すに当り、ハンド部2の伸長位置(平面視にて図6の状態)から、縮退位置(平面視にて図8の状態)に移行する。
この際、図6及び図7に示されるハンド部2の伸長位置においては、キャリア10側に形成した保持溝部13の開口からハンド部2に設けられた係止部材14の突出部14aが係合する。
この状態において、図8及び図9に示されるハンド部2が縮退位置に移行する過程で、係止部材14の被押圧部14bが第一アーム部3に設けられたピン12により応力を受ける。
これによって、係止部材14は変位し、その突出部14aの先端部が保持溝部13の凹部13aに移行し、更なるピン12による係止部材14の被押圧部14bへの応力が加わると、バネ15を圧縮し、係止部材14の突出部14aと、保持溝部13の凹部13aとの係合が的確に維持され、当該キャリア10のハンド部2からの落下を防止する。
第三の実施例:
図10〜図13において、棚用天板63からキャリア10を搬送アーム30で取出すに当り、ハンド部2は伸長位置(平面視にて図10の状態)から、縮退位置(平面視にて図12の状態)に移行する。
この際、図10及び図11に示されるハンド部2の伸長位置においては、キャリア10側に形成した保持溝部17の開口からハンド部2側に設けられ、プーリ18の円板部18bと一体的に回動する係止部18aが嵌合できるようになっている。
そして、このハンド部2が伸長位置から縮退位置に移行する過程で、第一アーム3の角度変位に伴ってプーリ18が回転し、係止部18aは前記保持溝部13に係止され、キャリア10のハンド部2からの落下を防止できる。
特開2002−265011
一般に、半導体製造用基板としてのウエハに洗浄、CVDほか多くの各種表面処理を施すためにウエハは多数枚(例えば、24枚)挿脱自在に収納する多くのFOUPを用い、これらのFOUPに収納され、懸垂式昇降搬送装置など適宜の搬送手段によって工程内環状軌道乃至工程間環状軌道に沿って搬送される。
そして、このFOUPの搬送経路(特に、工程内環状軌道)に配置される各種表面処理用ステーションにおいて所望の表面処理を受ける。
このような各種表面処理を行うステーションのほかに何ら表面処理を受けていないウエハを収納したFOUP、或いは必要とする表面処理を一部又は全部完了したFOUPを保管するストッカーが所定の場所に配置されている。
ところで、半導体の利用分野の拡大、各分野の需要の増大に伴って、ウエハの表面処理も多様化し、所要枚数も増加の一途を辿っている。
このような状況によって、ストッカーの規模も大型化し、当該ストッカー内において縦横の平面に沿って配列されるFOUP用収納棚の数量も多く、かつ、ウエハの大型化に伴って、ストッカー内の収納棚に沿う所定の平面を走行するスタッカクレーンの走行距離は増し、併せて迅速なFOUPの搬送が要求される。
したがって、スタッカクレーンによるFOUPの搬送をより効率的に行うためにはスタッカクレーンの高速搬送が要求される。
このようにスタッカクレーンによるFOUPの高速搬送において、等速走行においては高速走行であっても特に慣性力を受ける余地はない。
しかし、スタッカクレーンの停止状態から高速走行に移行する加速度及び高速走行から停止時の減速度は搬送効率向上のために増す必要があり、この加減速時に被搬送物としてのFOUPに加えられる慣性力は大となる。
この慣性力は、とりわけスタッカクレーンの可動ベースの降下開始時、上昇終了時、左右の動作開始乃至終了時において、前記可動ベースに設置されているロボットの支持アームと被搬送物品(FOUP)とのキネマティックカップリング機構が外れる方向の応力を及ぼす。
このような応力による前記ロボットの支持アームと被搬送物品(FOUP)との位置決め嵌合手段(キネマティックカップリング機構)が外れると被搬送物品(FOUP)はもはや前記ロボットの支持アーム上から滑り、落下に至る。場合によっては、被搬送物品(FOUP)は前記ロボットの支持アーム上を滑ることなく飛散することも考えられる。
このような事態は、前記特許文献1の種々の手段にて回避される。
しかし、前記特許文献1に開示の各種手段においては、被搬送物品(FOUP)と前記ロボットのハンド部との位置決め嵌合手段(キネマティックカップリング機構等)は、大きな慣性力を受けて外れることは回避されるにしても、被搬送物品(FOUP)に対して前記慣性力に伴い発生する振動を阻止するほど前記ロボットのハンド部と、被搬送物品(FOUP)とを強固に一体化することは困難である。
このように被搬送物品(FOUP)に振動が伝わると、その内部に収納されているウエハ等の基板は被搬送物品(FOUP)内に位置する支持部材との接触面との間に摩擦を生じる。この摩擦によりウエハが摩耗し摩耗粉を発生し、摩耗粉がウエハの他の表面に付着してフォトリソグラフィーなどの工程でパターン欠陥を発生させるなど、ウエハ等の基板の表面に異常を来し、不良品誘発の原因となる恐れがある。
そこで、本発明の目的は、ウエハ等の基板を挿脱自在に収納できるFOUP等の物品を、当該物品を保管するために縦横に多数整列して設けられる棚群の所定の収納棚に対して授受するロボットのハンド部において、当該ハンド部を駆動するアーム機構の伸長形態においては、ロボットのハンド部は物品をキネマティックカップリング機構のみで支持し、当該ハンド部を駆動するアーム機構の縮退形態に移行する過程にて物品の所定個所を押圧する手段を設け、前記物品をスタッカクレーンにて搬送するに際して前記ロボットのハンド部からの物品の落下防止はもとより物品の受ける慣性力によって生ずる振動を抑制し、物品内の基板等の収納物を保護することである。
課題を解決するための手段及び効果
前記課題を解決するため、請求項1に記載のスタッカクレーンは、物品を保管する収納棚が縦横に複数列設された棚群を有するストッカーに用いられ、前記物品を所定の収納棚に搬入或いは該所定の収納棚から搬出するスタッカクレーンであって、前記棚群に沿って走行可能且つ昇降可能な可動ベースと、該可動ベースに取り付けられ、前記収納棚との間で物品の授受を行うロボットと、を備え、前記ロボットは、前記物品を位置決め載置するための位置合せ嵌合手段が設けられた載置部を有するハンド部と、該ハンド部を先端側に連結し、該ハンド部が常時一定方向を保った状態で進退させることで縮退形態と伸長形態との間で形態を変化させるアーム機構と、前記ハンド部に設けられ、前記物品の所定箇所に係止可能な係止部材を有し、該係止部材を前記アーム機構の形態の変化に連動して動作させる押圧支持手段と、を備え、前記押圧支持手段は、前記アーム機構が前記伸長形態にあるときは、前記係止部材を、前記載置部に載置された前記物品と平面視して重なる箇所がなく且つ前記物品の所定箇所から上方に離間した位置にある第1の状態とし、前記アーム機構が前記縮退形態にあるときは、前記係止部材を、水平方向に回動させながら下降させて、前記物品の前記所定箇所を押圧支持する位置にある第2の状態とするように動作し、前記可動ベースは、前記アーム機構が縮退形態でスタッカクレーン搬送を行うことを特徴とする
前記請求項1の発明によれば、
(1)多数の棚を有する各種物品収納用ストッカー内で稼動するスタッカクレーンに関し、その可動ベースにセットされたロボットが被搬送物品を把持して高速搬送する場合において、特に始動時及び制動時に受ける慣性力が大きくなっても、ロボットのハンド部と物品とは、キネマティックカップリング機構等の位置決め嵌合手段にて相互の位置関係を維持できるとともに、物品は前記位置決め嵌合手段と物品の所定個所に作用する押圧支持手段とでガタなく押さえられるので前記慣性力による振動を抑制することができる。
(2)アーム機構の伸長形態から縮退形態の変化に伴って物品の所定個所を押圧できるから別途アクチュエータを備える必要がなく、このアクチュエータに付随する配線が不要となり、この配線によるロボットのアーム機構における動作の制限をなくすことができる。
等の効果が得られる。
請求項2に記載のスタッカクレーンは、請求項1に記載のスタッカクレーンにおいて、ストッカーにおいて、物品が半導体基板を挿脱自在に収納するFOUPであり、押圧支持手段が作用する所定個所がFOUP前面上方部であることを特徴とする。
この請求項2に係る発明によれば、引用先の請求項1に係る発明の効果は元より、とりわけFOUPに着脱可能に収納される基板のFOUP内における支持部材との接触面において生じる振動が抑制され、この振動に起因する摩擦と磨耗粉の発生を大幅に軽減することができ、前記基板が損傷し、不良化することをかなりの確率にて防止できる。
請求項3に記載のスタッカクレーンは、請求項1叉は2に記載のスタッカクレーンにおいて、物品の所定個所の押圧支持手段が次の構成要素(A)〜(G)からなることを特徴とする。
(A)ロボットのアーム機構の先端部に位置するハンド部の所定位置に立設されるポール
(B)前記アーム機構において、前記ハンド部に連結され、当該ハンド部の伸縮駆動を行うアームの所定位置に立設される構造物
(C)前記構造物に対して上方部に向けて傾斜して設けられるベアリング
(D)前記ベアリングにおいて傾斜状態を維持しつつ回動自在に支持されるクランプ部材
(E)前記クランプ部材の側方部に伸びる連結部材
(F)前記連結部材の先端部に設けられる前記係止部材
(G)前記アーム機構が前記連結部材とポールと係合のない伸長形態にあるときは、前記係止部材が物品の所定個所から離れ、かつ平面視において前記係止部材と物品と重なる個所が生じないように前記クランプ部材を回動させ、前記アーム機構が前記ポールと係合する縮退形態にあるときは、前記連結部材とポールの係合に伴い、前記係止部材前記物品の所定個所との間で生じる押圧力を促進する方向の可動部材の回転を妨げないばね部材
この請求項3に係る発明によれば、引用先の請求項1叉は2に係る発明の効果は元より、
(1)ベアリングとばね部材の特有の組合せ、並びにハンド部の所定位置に立設されるポールに連結部材が沿うことで当該連結部材の可動部材を有しない側の端部に取付けられた係止部材が物品(FOUP)の所定個所に対して略垂直に振り下ろされるため、ロボットによる物品(FOUP)の把持力が的確に得られる。
(2)クランプ部材において連結部材を固定している個所が、平面視においてハンド部とアーム機構との連結個所に略一致することになるので外ぶれせず、ロボットのアーム機構の伸縮に伴って生じるハンド部とアーム機構との相対回転の際にポールと構造物との干渉を生じる恐れはない
などの効果が得られる。
請求項4に記載のスタッカクレーンは、請求項1叉は2に記載のスタッカクレーンにおいて、物品の所定個所の押圧支持手段が次の構成要素(A)〜(L)からなることを特徴とする。
(A)ロボットのアーム機構の先端部に位置するハンド部の所定位置に立設される第一の構造物
(B)前記第一の構造物において垂直方向に回転自在に支持される第一の軸
(C)前記第一の軸の下端部に固定された第一のプーリ
(D)前記第一の軸の上端部に設けられたねじ形成体
(E)前記ねじ形成体に螺合して第一の軸の回転に伴って上下動するクランプ部材
(F)前記クランプ部材の物品側に伸びる連結部材を介して固定される前記係止部材
(G)前記第一の構造物の上部平面に立設され、前記連結部材に係合し可動部材の回動範囲を、アーム機構の縮退形態時には前記係止部材が物品の所定個所に対向し、アーム機構の伸長形態時には前記係止部材が平面視において前記物品と前記係合部材重なる個所が生じないように規制する一対のポール
(H)前記ハンド部に連結され、当該ハンド部の伸縮駆動を行うアームの所定位置に立設される第二の構造物
(I)前記第二の構造物に対して回動自在であって垂直方向に支持される第二の軸
(J)前記第二の軸に固定され前記第一のプーリとベルトを介して係合する第二のプーリ
(K)前記第二の軸に固定される歯車
(L)前記ハンド部における前記歯車に噛合う位置であって、少なくとも前記ロボットのハンド部と前記アームとの角度変位を見込む範囲に位置する歯部形成部材
この請求項4に係る発明によれば、引用先の請求項1叉は2に係る発明の効果は元より、
ロボットのアーム機構の伸長形態及び縮退形態の変化の過程において自動的に第一の軸が
回転し、この軸の回転に伴って、ねじ形成体が回転し、クランプ部材が上下動制御を受け、且つ一対のポールによって、係止部材の平面上の動作範囲が規制される。
この動作に伴って係止部材は、アーム機構が伸長形態においては物品の所定位置を押圧し、アーム機構が縮退形態においては物品と係止部材とは平面視にて重なることがないように的確な位置変化が得られる。
請求項5に記載のスタッカクレーンは、請求項1叉は2に記載のスタッカクレーンにおいて、物品の所定個所の押圧支持手段が次の構成要素(A)〜(J)からなることを特徴とする。
(A)ロボットのアーム機構の先端部に位置するハンド部の所定位置に立設される第一の構造物
(B)ロボットのハンド部の所定位置に立設されるポール
(C)前記第一の構造物において回動自在であって垂直方向に摺動できるように軸支された第一の軸
(D)前記第一の軸の上端部に固定される第一のクランプ部材
(E)前記第一のクランプ部材から前記第一の軸と直交する方向の連結部材を介して設けられ、ロボットのアーム機構が縮退形態にあるときに前記物品の所定個所を押圧する係止部材
(F)前記第一の軸の下端部に固定される第二のクランプ部材
(G)前記第二のクランプ部材を上方に押し上げる方向に復帰力を及ぼすばね部材
(H)前記第二のクランプ部材から前記第一の軸から直交する方向に伸びる第二の軸
(I)前記ハンド部に連結され、当該ハンド部の伸縮駆動を行うアームの所定位置に立設される第二の構造物
(J)前記第二の構造物において斜め上方に伸び、互いに上下方向に向けて並行に配置され、相互の間隙に前記第二の軸を係合し、前記ポールと前記第二の軸との係合作用を伴ってロボットのアーム機構が縮退形態においては、前記係止部材が物品の所定個所を押圧し、ロボットのアーム機構が伸長形態においては、前記係止部材が物品から離れ、かつ、平面視にて係止部材と物品と重なる個所が生じないように規制する一対の案内部材
この請求項5に係る発明によれば、引用先の請求項1叉は2に係る発明の効果は元より、
ロボットのアーム機構の伸長形態及び縮退形態の変化の過程において前記第二の軸が自動的に一対の案内部材に案内され、アーム機構の縮退形態時には、前記ポールと第二の軸との係合作用を伴って、係止部材の上下、平面上の各動作範囲が規制される。
この動作に伴って係止部材は、アーム機構が伸長形態においては物品の所定位置を押圧し、アーム機構が縮退形態においては物品と係止部材とは平面視にて重なることがないように的確な位置変化が得られる。
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を参照しつつ説明する。
先ず、図面の概要を述べると、図1はFOUP用ストッカーの内部機構を表示する斜視概略図、図2はストッカー内で稼動するスタッカクレーンの可動ベースに支持されるロボットのアーム機構が縮退形態にある場合の斜視図、図3は図2の要部拡大図、図4はアーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの平面概略図、図5はアーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの正面概略図、図6はアーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの右側面概略図、図7はアーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの左側面概略図、図8はアーム機構が伸長形態にある場合おける平面概略図、図9はアーム機構が伸長形態にある場合におけるロボットの正面概略図、図10はアーム機構が伸長形態にある場合のロボットの右側面概略図である。
図1は、クリーンルーム内等に設置されたストッカー1の概略を示すものである。当該ストッカー1は物品(FOUP)8を保管する収納棚2aを上下左右に多数列設した棚群2と、所定の収納棚2aに物品(FOUP)8を搬入又は搬出するスタッカクレーン3とを有している。そして、スタッカクレーン3は、棚群2に沿って走行自在且つ昇降自在な可動ベース9と、この可動ベース9に設けられ、棚群2に向って伸縮自在なアーム機構を有するロボット7とを備えており、このロボット7にて、物品(FOUP)8を保持するとともに収納棚2aに対する搬入および搬出を行う。また、前記可動ベース9は、棚群2に平行な走行レール4を走行する走行部5と、当該走行部5に縦設されたポスト部6との各動作の組合せによって、前記棚群2に対向する平面の任意の位置に移動制御を受ける。
次に本願発明の要部機構についてロボットのアーム機構の異なる形態の各種方向からみた図2〜図10に基づいて説明する。各図において、ロボット7は、アーム機構7aを構成する第一のアーム7ax及び第二のアーム7ay、ハンド部7bから構成される。
前記、アーム機構7aを構成する第一のアーム7ax及び第二アーム7ayの各一端は回動可能に連結され、第一のアーム7axの他端は前記図1における可動ベース9の中央部近傍の所定位置に回動可能に連結される。そして、第二のアーム7ayの他端はハンド部7bの基端部7bxにおける所定個所に回動可能に連結され、物品(FOUP)8の載置部7byには、物品(FOUP)8が後述するキネマティックカップリング手段にて正確に位置決めされて載置される。
なお、ロボット7の構成要素としてのアーム機構7aを構成する第一アーム7ax、第二アーム7ay及びハンド部7bは、周知の手段によって、駆動される。
即ち、前記第一アーム7ax及び第二アーム7ay相互間の角度の制御に伴って、図2〜図7に示すロボット7の縮退形態と図8〜図10に示すロボット7の伸長形態とを得るように制御される。
この際、ハンド部7bは、前記ロボット7の縮退形態から伸長形態への変化或いはこの反対方向の変化が何れの過程においても常時一定方向(図1における棚群2の前面に対して直交する方向)を保って進退する。
さて、ロボット7のハンド部7aにおける物品(FOUP)8の載置部7by上にキネマティックカップリング手段によって位置決めされた物品(FOUP)8の搬送時の安定保持機構手段について説明すると次の通りである。
図2〜図10において、11はポールで、ロボット7のハンド部7bの所定個所(具体的には後述)に立設される。12は構造物で、前記ハンド部7bに連結される第二のアーム7ayの所定個所(具体的には後述)に立設される。13はベアリングで、固定部材13aと、当該固定部材13aに対して回動自在に支持される可動部材13bとからなり、固定部材13aは、前記構造物12において、所定の傾斜角度(具体的には後述)を有して支持される。
14はクランプ部材で、前記ベアリング13の可動部材13bに固定され、前記所定の傾斜状態を保って回動自在に支持される。15は係止部材で、前記クランプ部材14に対して連結部材16を介して固定される。
ところで、前記構造物12の固定位置(前記所定個所)、ポール11の固定位置(前記所定個所)及びベアリング13の傾斜角度(前記所定角度)は、当該連結部材16と前記ポール11とが、係合状態を保ってアーム機構7aが縮退形態に移行する際に物品(FOUP)8の平面視前面中央部を押圧するように設定される。
17はばね部材で、構造物12とクランプ部材14とから伸びる支持部材相互間に設けられ、アーム機構7aが伸長形態に移行し、ポール11と連結部材16とが離れる際に係止部材15を上方に回動させるように付勢する。これに伴って、係止部材15は物品(FOUP)8から離れ、アーム機構7aが伸長形態に達したときには、図8〜図10に示されるように係止部材15と物品(FOUP)8とは、平面視において重なる部分がないようにベアリング13の可動部材13bの許容回転角度を規制している。
なお、ロボット7のハンド部7aの動作により収納棚2aの棚板2axに物品(FOUP)8を搬入し、或いは前記棚板2axに載置されている物品(FOUP)8を搬出するに際して、ロボット7のハンド部7b及び前記棚板2axは、物品(FOUP)8の正確なる位置決めのために夫々3個ずつの突起18a〜18c、19a〜19cを有している。
そして、図8に示されるように、物品(FOUP)8の底面には、これらの突起18a〜18c、19a〜19cに対応して嵌合する凹部が形成されており、物品(FOUP)8及びロボット7のハンド部7bと、物品(FOUP)8及び前記棚板2axとは、夫々キネマティックカップリング機構を構成している。
前記図1〜図10の構成においてその作用について説明する。
先ず、スタッカクレーン3の可動ベース9に設置されているロボット7が物品(FOUP)8を支持していない状態において、所定の収納棚2aの位置まで到達し、この収納棚2aの棚板2ax上にある物品(FOUP)8を保持し、他の収納棚2a或いは図示しない物品(FOUP)8の搬出口に移送させる工程を説明する。
第一工程:
図8に示されるように、アーム機構7aを伸長形態とし、ハンド部7bが棚板2axの直下に位置させる。
第二工程:
スタッカクレーン3の可動ベース9を上昇させ、棚板2axに形成した突起18a〜18cと、これに対向する物品(FOUP)8の底面に形成されている凹部との第一のキネマティックカップリング機構による嵌合を解除するとともに、ハンド部7bに形成された突起19a〜19cと、これに対向する物品(FOUP)8の底面に形成されている凹部との第二のキネマティックカップリング機構による嵌合にて物品(FOUP)8はハンド部7bに正確に位置決めのうえ支持される。
この工程では、係止部材15と物品(FOUP)8との平面視において重なる部分はないように構成されているため、両者が干渉する恐れはない。
第三工程:
アーム機構7aが伸長形態から縮退形態に移行する過程において、図3に示すようにポール11と連結部材16が係合し、更なるアーム機構7aの縮退が進むにつれてクランプ部材14はベアリング13の可動部材13bを中心に時計回りに回転し、クランプ部材14の左端に位置するばね部材14が伸張し、クランプ部材14の右端に位置する係止部材15は物品(FOUP)8の前面中央平面部を押圧するに至る。
第四工程:
可動ベース9の走行に伴って、ロボット7に把持された物品(FOUP)8は図示しない表面処理用ステーション或いは所定の他の収納棚2aまで移送される。
一方、図示しない物品(FOUP)8用搬入口よりストッカー1内に搬入され、前記可動ベース9に設置されたロボット7において把持された物品(FOUP)8が所定の収納棚2aの棚板2axに正規に位置決めのうえ載置するに際しては、前記第一〜第四各工程の順序を逆にすればよい。
なお、前記ロボット用ハンド部の物品(FOUP)載置部7byと物品(FOUP)との適正な位置決め手段を広く採用されているキネマティックカップリング手段を用いる例を説明したが、このキネマティックカップリング手段に限定されず、他の位置決め嵌合手段を採用することもできる。
次に、前記構成と均等な作用をなす変形例について図11〜図14を参照して説明する。
図11はアーム機構7aの縮退形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図、図12は図11の要部拡大図、図13はアーム機構7aの伸長形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図、図14は図13の要部拡大図である。
なお、前記図1〜図10の構成と共通構成要素については同一符号を付し、その説明の
重複を避ける。
図11〜図14において、21は第一の構造物で、ロボット7のハンド部7bの所定位置に立設される。22は第一の軸で、前記構造物21の上下位置に距離を隔てて配置されている軸受部材21a、21bにおいて垂直方向を維持しつつ、回動自在に支持される。
22aは第一のプーリで、前記第一の軸22の下方部に固定される。22bはねじ形成体で、前記第一の軸22の上方部に固定され、クランプ部材23に対して回動自在に螺合している。この螺合状態は、アーム機構7aの縮退形態に移行するときにはクランプ部材23を降下させ、アーム機構7aの伸長形態に移行するときにはクランプ部材23を上昇させるように構成されている。24は係止部材で、連結部材25を介して前記クランプ部材23に固定される。26a、26bは一対のポールで、前記第一の構造物21の上方に位置する平面部材21cの所定位置に立設される。この所定位置とは、ポール26aと、連結部材25とが係合するときは係止部材24の底面が物品(FOUP)8の前面部における平面中央部に対向し、ポール26bと、連結部材25とが係合するときは係止部材24の底面が平面視において物品(FOUP)8から離れる位置を示す。
27は第二の構造物で、アーム機構7aの構成要素としての第二アーム7ayの所定位置に立設される。28は第二の軸で、前記第二の構造物27に対して垂直方向に立設され、回動自在に支持される。28aは第二のプーリで、第二の軸28に固定され、ベルト29にて前記第一のプーリ22aとの動力伝達機能を得ている。28bは歯車で、前記第二の軸28に固定されている。30は歯部形成部材で、前記ハンド部7b側に設けた歯車に噛合う位置であって、少なくともロボット7のハンド部7bと、当該ハンド部7bに連結される第二のアーム7ayとの角度変位を見込む範囲に位置している。
前記図11〜図14に開示の構成において、その作用を説明する。
先ず、アーム機構7aが伸長形態にある場合は、図13、図14に示されるように歯車28bは歯部形成部材30において図14における左端部と係合し、連結部材25はポール26b係合している。この際、クランプ部材23は、ロボット7のアーム機構7aの縮退形態から伸長形態に変化する過程において、ロボット7のハンド部7bに設けられている歯部形成部材30と歯車28bとの噛合いと、ベルト29の動力伝達機能とによって上方に押し上げられている。これに伴い、係止部材24は平面視において物品(FOUP)8から離れているため当該物品(FOUP)8をストッカー1内の収納棚2a(図1参照)の棚板2ax(図6参照)への載置又は棚板2axからの搬出は的確に行われる。
次に、ロボット7のハンド部7b上に物品(FOUP)8を的確な位置決めのうえ載置した後、アーム機構7aが縮退形態に移行するに当り、歯車28bの歯部形成部材30との噛合い位置は図14の状態から図12の状態に変化する。
この過程において、ベルト29の動力伝達機能によって第一の軸22が回転し、これに伴い、連結部材25はポール26aと係合するまで回転し、これと同時に或いはその後、ねじ形成部材22bと螺合するクランプ部材23は下降し、物品(FOUP)8の前面部の中央表面部を押圧する。
これによって、物品(FOUP)8はロボット7に強固に把持され、高速搬送に際して受ける慣性力によって物品(FOUP)8に伝達される振動は抑制され、物品(FOUP)8内に収納されるウエハ等の基板の損傷を防止する。
次に、前記構成と均等な作用をなす更なる変形例について図15〜図18を参照して説
明する。図15はアーム機構7aの縮退形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図、図16は図15の要部拡大図、図17はアーム機構7aの伸長形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図、図18は図17の要部拡大図である。
なお、前記図1〜図10の構成と共通構成要素については同一符号を付し、その説明の
重複を避ける。
図15〜図18において、41は第一の構造物、42はポールで、夫々ロボット7のハンド部7bの所定位置に立設される。43は第一の軸で、前記第一の構造物41に設けられている軸受部材41a、41bにおいて回動自在であって、垂直方向に摺動自在に支持される。44は第一のクランプ部材で、前記第一の軸43の上端部に固定される。45は係止部材で、前記第一のクランプ部材44から前記第一の軸43と直交する方向の連結部材46を介して設けられ、ロボット7のアーム機構7aが縮退形態時に物品(FOUP)8の前面中央平面部を押圧する。47は第二のクランプ部材で、前記第一の軸43の下端部に固定される。
48はばね部材で、前記第二のクランプ部材47を上方に押し上げる方向に復帰力を及ぼす。49は第二の軸で、前記第二のクランプ部材47から前記第一の軸43に直交する方向に伸びている。50は第二の構造物で、ロボット7のハンド部7bに連結され、当該ハンド部7bの伸縮動作を行うアーム7ayの所定位置に立設される。51a、51bは一対の案内部材で、前記第二の構造物50において斜め上方に伸び、互いに上下方向に向けて平行に配置され、相互の間隔に前記第二の軸49を係合させ、前記ポール42と前記第二の軸49との係合作用を伴ってロボット7のアーム機構7aが縮退形態においては前記係止部材45が物品(FOUP)8の前面部中央平面部を押圧し、前記ロボット7のアーム機構7aが物品(FOUP)8から離れ、かつ、平面視において係止部材45と物品(FOUP)8とが重なる部分がないように規制する。
前記図15〜図18に開示の構成において、その作用を説明する。
先ず、アーム機構7aが伸長形態にある場合は、図17、図18に示されるように第二の軸49と案内部材51bとが係合し、ロボット7のアーム機構7aが縮退形態から伸長形態に変化する過程において、ばね部材48の復帰力により第二のクランプ部材が上昇することに伴い係止部材45は上昇する。この係止部材45の上昇と同時に軸49と案内部材51bとの係合状態の変位によって係止部材45は、平面視右回りに回動する。これに伴い、係止部材45は平面視において物品(FOUP)8から離れているため当該物品(FOUP)8をストッカー1内の収納棚2a(図1参照)の棚板2ax(図6参照)への載置又は棚板2axからの搬出は的確に行われる。
次に、ロボット7のハンド部7b上に物品(FOUP)8を的確な位置決めのうえ載置した後、アーム機構7aが縮退形態に移行するに当り、ポール42と第二の軸49とが係合し、更にアーム機構7aの縮退状況が進行する過程で、図16に示す通りの状態となる。
即ち、第二の軸49は案内部材51aとの係合にて係止部材45は平面視左方向に回動するとともに、ばね部材48の復帰力に抗してクランプ部材47とともに下降し、物品(FOUP)8の前面部の中央表面部を押圧する。
これによって、物品(FOUP)8はロボット7に強固に把持され、高速搬送に際して受ける慣性力によって物品(FOUP)8に伝達される振動は抑制され、物品(FOUP)8内に収納されるウエハ等の基板の損傷を防止する。
FOUP用ストッカーの内部機構を表示する斜視概略図である。 ストッカー内で稼動するスタッカクレーンの可動ベースに支持されるロボットのアーム機構が縮退形態にある場合の斜視図である。 図2の要部拡大図である。 アーム機構が縮退形態にある場合のロボットの平面概略図である。 アーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの正面概略図である。 アーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの右側面概略図である。 アーム機構が縮退形態にある場合におけるロボットの左側面概略図である。 アーム機構が伸長形態にある場合おける平面概略図である。 アーム機構が伸長形態にある場合におけるロボットの正面概略図である。 アーム機構が伸長形態にある場合のロボットの右側面概略図である。 実施例1におけるアーム機構7aの縮退形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図である。 図11の要部拡大図である。 アーム機構7aの伸長形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図である。 図13の要部拡大図である。 実施例2におけるアーム機構7aの縮退形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図である。 図15の要部拡大図である。 アーム機構7aの伸長形態におけるロボット7の周辺機構を示す斜示図である。 図17の要部拡大図である。
符号の説明
1・・・・・・・・・・・・・・・・・・ストッカー
2・・・・・・・・・・・・・・・・・・棚群
2a・・・・・・・・・・・・・・・・・収納棚
2ax・・・・・・・・・・・・・・・・棚板
3・・・・・・・・・・・・・・・・・・スタッカクレーン
7・・・・・・・・・・・・・・・・・・ロボット
7a・・・・・・・・・・・・・・・・・アーム機構
7ax、7ay・・・・・・・・・・・・アーム
7b・・・・・・・・・・・・・・・・・ハンド部
8・・・・・・・・・・・・・・・・・・物品(FOUP)
9・・・・・・・・・・・・・・・・・・可動ベース
11、26a、26b、42・・・・・・ポール
12、21、27、41、50・・・・・構造物
13・・・・・・・・・・・・・・・・・ベアリング
14、23、44、47・・・・・・・・クランプ部材
15、24、45・・・・・・・・・・・係止部材
16、25、46・・・・・・・・・・・連結部材
17、48・・・・・・・・・・・・・・ばね部材
18a〜18c、19a〜19c・・・・突起
22、28、43、49・・・・・・・・軸
22a、28a・・・・・・・・・・・・プーリ
22b・・・・・・・・・・・・・・・・ねじ形成体
28b・・・・・・・・・・・・・・・・歯車
29・・・・・・・・・・・・・・・・・ベルト
30・・・・・・・・・・・・・・・・・歯部形成部材
51a、51b・・・・・・・・・・・・案内部材



Claims (5)

  1. 物品を保管する収納棚が縦横に複数列設された棚群を有するストッカーに用いられ、前記物品を所定の収納棚に搬入或いは該所定の収納棚から搬出するスタッカクレーンであって、
    前記棚群に沿って走行可能且つ昇降可能な可動ベースと、
    該可動ベースに取り付けられ、前記収納棚との間で物品の授受を行うロボットと、
    を備え、
    前記ロボットは、
    前記物品を位置決め載置するための位置合せ嵌合手段が設けられた載置部を有するハンド部と、
    該ハンド部を先端側に連結し、該ハンド部が常時一定方向を保った状態で進退させることで縮退形態と伸長形態との間で形態を変化させるアーム機構と、
    前記ハンド部に設けられ、前記物品の所定箇所に係止可能な係止部材を有し、該係止部材を前記アーム機構の形態の変化に連動して動作させる押圧支持手段と、
    を備え、
    前記押圧支持手段は、前記アーム機構が前記伸長形態にあるときは、前記係止部材を、前記載置部に載置された前記物品と平面視して重なる箇所がなく且つ前記物品の所定箇所から上方に離間した位置にある第1の状態とし、前記アーム機構が前記縮退形態にあるときは、前記係止部材を、水平方向に回動させながら下降させて、前記物品の前記所定箇所を押圧支持する位置にある第2の状態とするように動作し、
    前記可動ベースは、前記アーム機構が縮退形態でスタッカクレーン搬送を行うことを特徴とするスタッカクレーン。
  2. 物品が半導体基板を挿脱自在に収納するFOUPであり、押圧支持手段が作用する所定個所がFOUP前面上方部であることを特徴とする請求項1に記載のスタッカクレーン。
  3. 物品の所定個所の押圧支持手段が次の構成要素(A)〜(G)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタッカクレーン。
    (A)ロボットのアーム機構の先端部に位置するハンド部の所定位置に立設されるポール
    (B)前記アーム機構において、前記ハンド部に連結され、当該ハンド部の伸縮駆動を行うアームの所定位置に立設される構造物
    (C)前記構造物に対して上方部に向けて傾斜して設けられるベアリング
    (D)前記ベアリングにおいて傾斜状態を維持しつつ回動自在に支持されるクランプ部材
    (E)前記クランプ部材の側方部に伸びる連結部材
    (F)前記連結部材の先端部に設けられる前記係止部材
    (G)前記アーム機構が前記連結部材とポールと係合のない伸長形態にあるときは、前記係止部材が物品の所定個所から離れ、かつ平面視において前記係止部材と物品と重なる個所が生じないように前記クランプ部材を回動させ、前記アーム機構が前記ポールと係合する縮退形態にあるときは、前記連結部材とポールの係合に伴い、前記係止部材前記物品の所定個所との間で生じる押圧力を促進する方向の可動部材の回転を妨げないばね部材
  4. 物品の所定個所の押圧支持手段が次の構成要素(A)〜(L)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタッカクレーン。
    (A)ロボットのアーム機構の先端部に位置するハンド部の所定位置に立設される第一の構造物
    (B)前記第一の構造物において垂直方向に回転自在に支持される第一の軸
    (C)前記第一の軸の下端部に固定された第一のプーリ
    (D)前記第一の軸の上端部に設けられたねじ形成体
    (E)前記ねじ形成体に螺合して第一の軸の回転に伴って上下動するクランプ部材
    (F)前記クランプ部材の物品側に伸びる連結部材を介して固定される前記係止部材
    (G)前記第一の構造物の上部平面に立設され、前記連結部材に係合し可動部材の回動範囲を、アーム機構の縮退形態時には前記係止部材が物品の所定個所に対向し、アーム機構の伸長形態時には前記係止部材が平面視において前記物品と前記係合部材重なる個所が生じないように規制する一対のポール
    (H)前記ハンド部に連結され、当該ハンド部の伸縮駆動を行うアームの所定位置に立設される第二の構造物
    (I)前記第二の構造物に対して回動自在であって垂直方向に支持される第二の軸
    (J)前記第二の軸に固定され前記第一のプーリとベルトを介して係合する第二のプーリ
    (K)前記第二の軸に固定される歯車
    (L)前記ハンド部における前記歯車に噛合う位置であって、少なくとも前記ロボットのハンド部と前記アームとの角度変位を見込む範囲に位置する歯部形成部材
  5. 物品の所定個所の押圧支持手段が次の構成要素(A)〜(J)からなることを特徴とする請求項1又は2に記載のスタッカクレーン。
    (A)ロボットのアーム機構の先端部に位置するハンド部の所定位置に立設される第一の構造物
    (B)ロボットのハンド部の所定位置に立設されるポール
    (C)前記第一の構造物において回動自在であって垂直方向に摺動できるように軸支された第一の軸
    (D)前記第一の軸の上端部に固定される第一のクランプ部材
    (E)前記第一のクランプ部材から前記第一の軸と直交する方向の連結部材を介して設けられ、ロボットのアーム機構が縮退形態にあるときに前記物品の所定個所を押圧する係止部材
    (F)前記第一の軸の下端部に固定される第二のクランプ部材
    (G)前記第二のクランプ部材を上方に押し上げる方向に復帰力を及ぼすばね部材
    (H)前記第二のクランプ部材から前記第一の軸から直交する方向に伸びる第二の軸
    (I)前記ハンド部に連結され、当該ハンド部の伸縮駆動を行うアームの所定位置に立設される第二の構造物
    (J)前記第二の構造物において斜め上方に伸び、互いに上下方向に向けて並行に配置され、相互の間隙に前記第二の軸を係合し、前記ポールと前記第二の軸との係合作用を伴ってロボットのアーム機構が縮退形態においては、前記係止部材が物品の所定個所を押圧し、ロボットのアーム機構が伸長形態においては、前記係止部材が物品から離れ、かつ、平面視にて係止部材と物品と重なる個所が生じないように規制する一対の案内部材
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