JP4826297B2 - リン酸塩処理性に優れた冷延鋼板 - Google Patents

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Description

本発明は、自動車用鋼板に最適なリン酸塩処理性に優れた冷延鋼板に関する。
自動車用の冷延鋼板は、塗装性と耐食性を高めるために、通常、リン酸塩処理が施される。このリン酸塩処理によって形成されるリン酸塩皮膜の品質が、塗装後の耐食性を支配する大きな要因となっている。
リン酸塩皮膜の品質は、鋼板表面の状態、例えば、表面の酸化状態、鋼板焼鈍時の選択酸化物の存在状態、組織、析出物の存在状態などによって大きく変化する。鋼板表面の状態は、鋼板の成分、熱間圧延条件や焼鈍条件などの製造プロセスや、鋼板上の位置によって異なるため、焼鈍後の冷延鋼板に安定的なリン酸塩処理性を付与することは困難である。特に、Si:0.3質量%以上および/またはMn:0.5質量%以上の冷延鋼板で、前記処理の安定を欠いていた。
冷延鋼板に安定的なリン酸塩処理性を付与する方法として、特許文献1〜10には、鋼板表面にFe以外の金属元素、例えば、Ni、Co、Ti、Mn、Cu、Mo、W等を付着させる方法が、また、特許文献11には、鋼板表面にFe-Pめっきを施す方法が開示されている。
特開昭58-55535号公報 特開昭56-116883号公報 特開昭58-66666号公報 特開昭59-159987号公報 特開昭61-149492号公報 特開昭61-23794号公報 特開平3-75382号公報 特開平3-86302号公報 特開平3-126879号公報 特開平7-278843号公報 特開昭61-136694号公報
しかしながら、特許文献1〜11に記載の方法では、鋼板表面にFe以外の金属元素を制御性良く付着させるたり、Fe-Pめっきを施すために特別な電解設備が必要であり、コスト的に不利である。また、Niを付着させた場合には、防錆油やプレス油との親和性が強くなり、脱脂性が劣化しやすくなる。
本発明は、特別な電解設備を必要とせず、かつ脱脂性を劣化させることがなく、安定的なリン酸塩処理性を付与できるリン酸塩処理性に優れた冷延鋼板を提供することを目的とする。
本発明者らは、異なる鋼板表面の状態であっても優れたリン酸塩処理性が得られるように、冷延鋼板の表面改質について検討した結果、鋼板表面に硫化物を生成させることで優れたリン酸塩処理性が安定的に得られ、かつ脱脂性にも優れることを見出した。
本発明は、このような知見を基になされたもので、鋼板表面にSが硫化物として存在しており、鋼板表面の当該Sの原子個数NSとFeの原子個数NFeとの比NS/NFeが0.06以上0.3以下であることを特徴とするリン酸塩処理性に優れた冷延鋼板を提供する。
上記硫化物としては、硫化鉄が好ましい。
本発明により、特別な電解設備を必要とせず、かつ脱脂性を劣化させることがなく、安定的なリン酸塩処理性を付与できるリン酸塩処理性に優れた冷延鋼板を製造できるようになった。
上述したように、鋼板表面にSを硫化物として存在させ、NS/NFeを0.06以上0.3以下にすることで優れたリン酸塩処理性が得られるが、以下にその詳細について説明する。
冷延鋼板の表面にSを硫化物として存在させるには、1)鋼板表面にS含有化合物の溶液を塗布し、乾燥する、2)鋼板を硫化水素(H2S)雰囲気に曝す、あるいはH2S水に浸漬する、などの方法が挙げられる。特に、NS/NFeを0.06以上0.3以下にするには、後述する実施例の条件が挙げられる。
ここで、NS/NFeは、KRATOS社のX線光電子分光装置AXIS-HSを用いて、次のようにして決定した。すなわち、X線源として、モノクロメータで単色化したAl Kα線を使用し、スパッタなどの前処理を行わずに鋼板表面をそのまま測定し、S 2pのうち硫化物に起因するピークとFe 2pのピークの積分強度(ピーク底部を直線で結んでバックグラウンドを除去後の強度)に相対感度係数を乗じて、NS/NFeを求めた。なお、S 2pのうち硫化物に起因するピークとは、160〜165eVの結合エネルギー範囲に現れるピークのことであり、Fe 2pのピークとは、Feの状態を区別せず、すべてのFe 2pのピークのことである。
詳細な理由は不明であるが、硫化物が硫化鉄の場合に、特に優れたリン酸塩処理性が安定して得られる。
以上のように、本発明の冷延鋼板は、S含有化合物の溶液を塗布したり、H2S雰囲気に曝す、あるいはH2S水に浸漬するだけで製造できるので、特別な電解設備は必要でなく、また、Niを使用しないので、脱脂性が劣化することもない。
なお、本発明は、一般の軟質冷延鋼板、C、Si、Mnなどが多量に含有される高強度冷延鋼板、Ti、Nbなどの特殊元素が添加された冷延鋼板など、現在製造されているすべての冷延鋼板に適用可能である。
製鉄所で連続焼鈍により製造された表1に示す成分の冷延鋼板A〜Eに、1)0.1〜1mol/リットルのZnS溶液を塗布後、乾燥して、あるいはこれらの鋼板を、2)500cm3/リットルのH2S溶液に室温で浸漬させて、リン酸塩処理を行い、各条件でそれぞれ試料No.1〜25を作製した。このとき、鋼板表面のS量は、1)ではZnS溶液を塗布量を変えて、2)ではH2S溶液での浸漬時間を変えて、制御した。また、リン酸塩処理は、日本ペイント社製サーフダイン2800HMシステムを用いて、本システム指示の建浴および処理条件にしたがって実施した。なお、脱脂時間はスプレー120s、水洗は40s、表面調整は浸漬30s、化成処理は浸漬120℃で行った。ここで、化成処理液の全酸度は25.1、遊離酸度は0.9、トナー値は3.0、浴温は43℃とした。
リン酸塩処理した試料について、上述した方法によりNS/NFeを求め、また、リン酸塩処理性を調査した。
リン酸塩処理性については、目視観察および走査型電子顕微鏡(以降、SEMと呼ぶ)観察により評価した。目視評価では、均一な外観であるものを○、均一ではあるが多少ムラが見られる外観のものを△、不均一な外観であるものを×とした。SEM評価では、微細なリン酸塩結晶が下地鋼板を緻密に被覆しているものを○、10μm以上の粒径のリン酸塩結晶が存在し、若干のスケがあるものを△、スケが顕著であるものを×とした。そして、
目視評価:○、SEM評価:○、あるいは
目視評価:○、SEM評価:△
の場合をリン酸塩処理性が良好であるとした。
表2にZnS溶液を塗布したときの結果を、また、表3にH2S溶液に浸漬したときの結果を示す。本発明であるNS/NFeが0.06以上0.3以下に制御された試料では、目視評価においても、SEM評価においても、良好なリン酸塩処理性を示すことがわかる。
Figure 0004826297
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Claims (2)

  1. 鋼板表面にSが硫化物として存在しており、鋼板表面の当該Sの原子個数NSとFeの原子個数NFeとの比NS/NFeが0.06以上0.3以下であることを特徴とするリン酸塩処理性に優れた冷延鋼板。
  2. 硫化物が硫化鉄であることを特徴とする請求項1に記載のリン酸塩処理性に優れた冷延鋼板。
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